【解決手段】表示装置は、画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルに駆動信号を出力する駆動回路と、前記表示パネルに形成され、前記駆動回路に電源電圧を供給する電源線と、前記表示パネルに形成され、前記駆動回路にグランド電位を供給するグランド線と、を含み、平面的に見て、前記電源線及び前記グランド線のそれぞれの少なくとも一部が絶縁膜を介して互いに重なっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では表示パネルの高解像度化とともに、表示パネルの狭額縁化が提案されている。狭額縁の表示パネルでは、配線領域が狭く配線パターンが細長くなるため、配線抵抗が増加して上記輻射ノイズがさらに増加する。このような表示装置においては、従来の技術を適用したとしても、ソースドライバの発熱及び電源線からの輻射ノイズを十分に低減することが困難である。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、額縁領域を増加させることなく、ソースドライバの発熱を抑えつつ、電源線からの輻射ノイズの影響を低減することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る表示装置は、画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルに駆動信号を出力する駆動回路と、前記表示パネルに形成され、前記駆動回路に電源電圧を供給する電源線と、前記表示パネルに形成され、前記駆動回路にグランド電位を供給するグランド線と、を含み、平面的に見て、前記電源線及び前記グランド線のそれぞれの少なくとも一部が絶縁膜を介して互いに重なっている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る表示装置では、前記グランド線は、前記グランド電位を前記駆動回路に供給する第1グランド線及び第2グランド線を含み、前記電源線、前記第1グランド線及び前記第2グランド線は、それぞれ異なる層に形成されており、かつ、平面的に見て、それぞれの少なくとも一部が絶縁膜を介して互いに重なっていてもよい。
【0009】
本発明に係る表示装置では、前記第1グランド線、前記電源線及び前記第2グランド線が、前記絶縁膜を介してこの順に積層されていてもよい。
【0010】
本発明に係る表示装置では、前記表示パネルに、前記駆動信号を生成するためのデータ信号及び制御信号を供給する複数の信号線をさらに含み、前記グランド線は、さらに、前記グランド電位を前記駆動回路に供給する第3グランド線及び第4グランド線を含み、前記第3グランド線及び前記第4グランド線は、前記第1グランド線及び前記第2グランド線の間の層であって前記複数の信号線と同一層において、前記複数の信号線の少なくとも一部を挟むように両側に形成されており、かつ、前記第1グランド線及び前記第2グランド線に電気的に接続されていてもよい。
【0011】
本発明に係る表示装置では、前記電源線は、前記電源電圧を前記駆動回路に供給する第1電源線及び第2電源線を含み、前記グランド線、前記第1電源線及び前記第2電源線は、それぞれ異なる層に形成されており、かつ、平面的に見て、それぞれの少なくとも一部が絶縁膜を介して互いに重なっていてもよい。
【0012】
本発明に係る表示装置では、前記第1電源線、前記グランド線及び前記第2電源線が、前記絶縁膜を介してこの順に積層されていてもよい。
【0013】
本発明に係る表示装置では、前記表示パネルに、前記駆動信号を生成するためのデータ信号及び制御信号を供給する信号線をさらに含み、平面的に見て、前記グランド線の一部は、絶縁膜を介して前記信号線に重なっていてもよい。
【0014】
本発明に係る表示装置では、前記駆動回路は、前記表示パネルに複数個搭載されており、前記表示パネルに接続され、前記駆動信号を生成するためのデータ信号及び制御信号と、前記電源電圧と、前記グランド電位とを出力する制御回路が搭載された制御回路基板をさらに含み、複数の前記駆動回路は、前記表示パネルにおける、前記制御回路基板から出力される前記各信号が入力される入力端子に近い第1駆動回路と、前記第1駆動回路よりも前記入力端子から遠い第2駆動回路とを含み、前記第2駆動回路に接続される前記電源線及び前記グランド線が互いに重なる重畳部分の面積は、前記第1駆動回路に接続される前記電源線及び前記グランド線が互いに重なる重畳部分の面積より大きくてもよい。
【0015】
本発明に係る表示装置では、前記表示パネルは、複数のゲート線と、複数のデータ線と、共通電極と、前記共通電極に共通電圧を供給する共通配線と、複数の画素電極と、を含み、前記電源線及び前記グランド線の一方は前記複数のゲート線と同一層に形成されており、他方は前記複数のデータ線と同一層に形成されている、又は、前記電源線及び前記グランド線の一方は前記複数のデータ線と同一層に形成されており、他方は前記共通配線と同一層に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る表示装置の構成によれば、額縁領域を増加させることなく、ソースドライバの発熱を抑えつつ、電源線からの輻射ノイズの影響を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。以下の実施形態では、液晶表示装置を例に挙げるが、本発明に係る表示装置は、液晶表示装置に限定されるものではなく、例えば有機EL表示装置等であってもよい。
【0019】
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す平面図である。液晶表示装置1は、画像を表示する表示パネル10と、表示パネル10を駆動する駆動回路(ソースドライバSD、ゲートドライバGD、コモンドライバ(図示せず))と、各駆動回路を制御する制御回路40と、制御回路40を搭載する制御回路基板41と、表示パネル10に背面側から光を照射するバックライト(図示せず)とを含んで構成されている。表示パネル10は、領域に大別すると、画像を表示する表示領域10aと、表示領域10aの周囲の非表示領域10b(額縁領域ともいう。)とで構成されている。ソースドライバSD及びゲートドライバGDは、非表示領域10bに設けられている。
図1では、4個のソースドライバSD1〜SD4と、4個のゲートドライバGD1〜GD4とを示しているが、ソースドライバSD及びゲートドライバGDの数量は限定されない。尚、以下では、各ソースドライバSD1〜SD4に共通する説明をする際には、ソースドライバSDと称し、同様、各ゲートドライバGD1〜GD4に共通する説明をする際には、ゲートドライバGDと称す。
【0020】
各ソースドライバSDは、対応する複数のデータ線11にデータ信号(データ電圧)を出力する。各ゲートドライバGDは、対応する複数のゲート線12にゲート信号(ゲート電圧)を出力する。コモンドライバは、共通電圧Vcomをコモン線17(
図3参照)に出力する。
【0021】
表示パネル10と制御回路基板41とはFPC(Flexible Printed Circuits)を介して互いに電気的に接続されている。
図1では、2個のFPC42a,42bを例示している。FPCの数量は、ソースドライバSDの数量、表示パネル10の大きさ及び制御回路基板41の大きさ等に応じて設定される。但し、制御回路基板41は、基板面積が大きくなるとコストが増大するため、必要最小限の大きさに設定され、FPCの数量及び配置も、これに応じて設定される。このため、例えば
図1に示す例では、制御回路40から出力される、ソースドライバSD1,SD2用のデータ信号及び制御信号は、FPC42aを介して入力端子43aに入力され、入力端子43aに接続された各配線を介してソースドライバSD1,SD2に入力される。また制御回路40から出力される、ソースドライバSD3,SD4用のデータ信号及び制御信号は、FPC42bを介して入力端子43bに入力され、入力端子43bに接続された各配線を介してソースドライバSD3,SD4に入力される。ここで、入力端子42aとソースドライバSD1とを接続する配線には、グランド電位を伝送するグランド線111と、電源電圧を伝送する電源線112と、データ信号及び制御信号を伝送する信号線113とを含む。また入力端子42aとソースドライバSD2とを接続する配線には、グランド電位を伝送するグランド線211と、電源電圧を伝送する電源線212と、データ信号及び制御信号を伝送する信号線213とを含む。入力端子42bとソースドライバSD3,SD4とを接続する配線も同様である。尚、上記グランド電位は、例えば低電位側電源電位であり、上記電源電圧は、例えば高電位側電源電位である。これらの電位は、制御回路基板41に搭載される電源回路(図示せず)から出力される。
【0022】
各ソースドライバSDとFPC42a,42bと制御回路基板41それぞれにおける上記配置の関係上、入力端子42aからソースドライバSD1までの距離が、入力端子42aからソースドライバSD2までの距離よりも長いため、グランド線111、電源線112及び信号線113のそれぞれの長さは、グランド線211、電源線212及び信号線213のそれぞれの長さよりも長くなっている。同様に、グランド線411、電源線412及び信号線413のそれぞれの長さは、グランド線311、電源線312及び信号線313のそれぞれの長さよりも長くなっている。尚、ゲートドライバGDについては省略しているが、ソースドライバSDに関する上記構成と同様である。すなわち、例えば、入力端子42aからゲートドライバGD2までの距離が、入力端子42aからゲートドライバGD1までの距離よりも長いため、入力端子42aとゲートドライバGD2とを接続する各配線の長さは、入力端子42aとゲートドライバGD1とを接続する各配線の長さよりも長くなっている。同様に、入力端子42bとゲートドライバGD4とを接続する各配線の長さは、入力端子42bとゲートドライバGD3とを接続する各配線の長さよりも長くなっている。
【0023】
図2は表示パネル10における表示領域10aの概略構成を示す平面図である。
図3は表示パネル10の一部の構成を示す平面図である。
図4は
図3のA−A´断面図であり、
図5は
図3のB−B´断面図である。
図4に示すように、表示パネル10は、背面側に配置される薄膜トランジスタ基板100(以下、TFT基板という。)と、前面側(表示面側)に配置され、TFT基板100に対向するカラーフィルタ基板200(以下、CF基板という。)と、TFT基板100及びCF基板200の間に挟持される液晶層300と、を含んでいる。なお、
図3は便宜上、前面側から、CF基板200を透視し、TFT基板100を見た状態を示している。
【0024】
TFT基板100には、第1方向(例えば列方向)に延在する複数のデータ線11と、平面的に見てデータ線11に重なるように第1方向(例えば列方向)に延在する複数のコモン線17と、第1方向とは異なる第2方向(例えば行方向)に延在する複数のゲート線12とが形成され、複数のデータ線11と複数のゲート線12とのそれぞれの交差部近傍にTFT13が形成され、隣り合う2本のデータ線11と隣り合う2本のゲート線12とにより囲まれる矩形領域が1つの画素14として規定され、該画素14がマトリクス状(行方向及び列方向)に複数配置されている。複数のデータ線11及び複数のコモン線17はそれぞれ、行方向に等間隔で配置されており、複数のゲート線12は、列方向に等間隔で配置されている。尚、
図2では、便宜上、コモン線17をデータ線11に隣接して表している。
【0025】
各画素14には画素電極15が設けられている。
図3に示すように、各画素電極15は、開口部(例えばスリット)を有し、ストライプ状に形成されている。またTFT基板100には、各画素14に共通する1つの共通電極16(
図4及び
図5参照)が形成されている。TFT13は、ゲート絶縁膜102(
図4及び
図5参照)上に、非晶質シリコン(a−Si)からなる半導体層8が形成され、半導体層8上にドレイン電極6及びソース電極7が形成されている。ドレイン電極6はデータ線11に電気的に接続され、ソース電極7と画素電極15とはコンタクトホール9を介して電気的に接続されている。
【0026】
各データ線11には、対応するソースドライバSDからデータ信号(データ電圧)が供給され、各ゲート線12には、対応するゲートドライバGDからゲート信号(ゲート電圧)が供給される。共通電極16には、コモンドライバからコモン線17を介して共通電圧Vcomが供給される。ゲート信号のオン電圧(ゲートオン電圧)がゲート線12に供給されると、ゲート線12に接続されたTFT13がオンし、TFT13に接続されたデータ線11を介して、データ電圧が画素電極15に供給される。画素電極15に供給されたデータ電圧と、共通電極16に供給された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライトの光の透過率を制御することによって画像表示を行う。なお、カラー表示を行う場合は、ストライプ状の着色部で形成された赤色、緑色、青色に対応するそれぞれの画素14の画素電極15に接続されたそれぞれのデータ線11に、所望のデータ電圧を供給することにより実現される。
【0027】
次に、
図4及び
図5を用いて、画素14の断面構造について具体的に説明する。
図4は、
図3において画素14の開口領域を行方向に切断した断面(A−A´断面)を示し、
図5は、
図3において画素14の開口領域を列方向に切断した断面(B−B´断面)を示している。
【0028】
TFT基板100において、ガラス基板101上にゲート線12が形成されている。ゲート線12を覆うように、ゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102上には半導体層8(
図2参照)が形成されている。半導体層8上には、データ線11と、TFT13を構成するドレイン電極6及びソース電極7(
図2参照)とが形成されている。ドレイン電極6は、データ線11に電気的に接続されている。データ線11とドレイン電極6とソース電極7とを覆うように、絶縁膜103が形成されている。絶縁膜103は、有機絶縁膜を含んでもよい。すなわち、絶縁膜103は、無機絶縁膜及び有機絶縁膜の2層で構成されてもよい。絶縁膜103上には共通電極16が形成されている。共通電極16は、透明の電極材料ITOで構成されている。各画素14の領域は、TFT13が形成される領域を除いて、共通電極16に覆われている。すなわち、共通電極16は、データ線11を覆っており、シールド電極としての機能を有している。共通電極16上には、平面的に見てデータ線11に重なるようにコモン線17が形成されている。
【0029】
共通電極16及びコモン線17を覆うように、上層絶縁膜104が形成されている。上層絶縁膜104上には、画素電極15が形成されている。画素電極15は、透明の電極材料ITOで構成されている。画素電極15は、絶縁膜103及び上層絶縁膜104に形成されたコンタクトホール9(
図3参照)を介して、ソース電極7に電気的に接続されている。画素電極15を覆うように配向膜105が形成されている。なお、
図4及び
図5に示す構成では、共通電極16が下層に配置され、画素電極15が上層に配置されているが、画素電極15が下層に配置され、共通電極16が上層に配置されてもよい。
【0030】
CF基板200において、ガラス基板201上に着色部202とブラックマトリクス203とが形成されている。着色部202は、例えば赤色、緑色及び青色の顔料分散レジストによる着色層により形成されており、ブラックマトリクス203は、黒色の顔料を用いた樹脂材料あるいは金属材料で形成されている。着色部202及びブラックマトリクス203を覆うようにオーバーコート膜204が形成されており、オーバーコート膜204の上に配向膜205が形成されている。
【0031】
液晶層300は、正又は負の誘電率異方性を有する液晶分子301を含む。
【0032】
上記の例では、IPS方式の画素構造を挙げたが、これに限定されない。また、画素14を構成する各部の積層構造は、上記の構成に限定されない。
【0033】
次に、非表示領域10bに配置される各配線の構成について説明する。
図6は、非表示領域10bの一部の構成を示す平面図である。
図7は
図6のC−C´断面図であり、
図8は
図6のD−D´断面図である。下では、主に、ソースドライバSDに関する構成を例に挙げて説明する。
【0034】
図6に示すように、非表示領域10bには、制御回路40から出力され、FPC42aを介して入力端子43aに入力された各信号をソースドライバSD1に伝送する配線、例えば、グランド電位を伝送するグランド線111と、電源電圧を伝送する電源線112と、データ信号及び制御信号を伝送する信号線113とが配置されている。同様に、制御回路40から出力され、FPC42aを介して入力端子43aに入力された各信号をソースドライバSD2に伝送する配線、例えば、グランド電位を伝送するグランド線211と、電源電圧を伝送する電源線212と、データ信号及び制御信号を伝送する信号線213とが配置されている。
【0035】
図6に示すように、各信号線113は、入力端子43aからソースドライバSD1まで互いに並行するように配置されている。グランド線111及び電源線112は、平面的に見て(
図6参照)、それぞれの少なくとも一部が互いに重なるように配置されている。
図6に示す例では、グランド線111及び電源線112は、入力端子43aの近傍の領域と、行方向に延在する領域とでは互いに並行するように配置され、ソースドライバSD1の近傍の領域であって、信号線113が配置されていない空いたスペース(
図1の領域114)では互いに重なるように配置されている(
図6では左下の領域)。また、グランド線111及び電源線112が互いに重なり合う部分(以下、重畳部分という。)は、領域114を満たすように、それぞれの面積が大きく形成されている。尚、平面的に見て、グランド線111及び電源線112の面積が拡大された部分では、グランド線111が電源線112よりも大きいことが好ましい。
【0036】
図7及び
図8に示すように、TFT基板100において、ガラス基板101上に電源線112が形成されており、電源線112を覆うように、ゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102上にはグランド線111と、信号線113とが形成されている。グランド線111と信号線113とを覆うように絶縁膜103が形成されており、絶縁膜103上には上層絶縁膜104が形成されている。ゲート線12及び電源線112は、例えば銅(Cu)及びモリブデン(Mo)の2層構造を有する。電源線112は、ゲート線12(
図5参照)と同一層に形成されるため、ゲート線12を形成する際に使用するマスクを利用して、ゲート線12と電源線112とを同一工程で形成することができる。尚、同一工程で同時に形成することができる。また、グランド線111及び信号線113は、データ線11(
図4参照)と同一層に形成されるため、データ線11を形成する際に使用するマスクを利用して、データ線11とグランド線111と信号線113とを同一工程で形成することができる。
【0037】
上記構成によれば、グランド線111及び電源線112の面積を拡大した重畳部分がソースドライバSD1の放熱経路となるため、ソースドライバSD1の放熱効果を高めることができる。よって、ソースドライバSD1の発熱を抑えることができる。また、重畳部分は、グランド線111及び電源線112が絶縁膜102を介して対向するため、グランド線111及び電源線112を電極としたコンデンサ(バイパスコンデンサ)として機能する。このため、ソースドライバSD1の近傍の電源容量を増加させることができる。よって、電源線112からの輻射ノイズの影響を低減することができる。また、非表示領域10bにおいて空いたスペースに、グランド線111及び電源線112を重畳させつつ延伸させることができるため、額縁領域が増加することもない。
【0038】
グランド線111及び電源線112の配置構成に限定されない。
図9は、グランド線111及び電源線112の他の配置構成を示す平面図である。
図10は、
図9のE−E´断面図である。
図9及び
図10に示すように、電源線112がグランド線111より上層に形成されてもよい。具体的には、TFT基板100において、ガラス基板101上にグランド線111が形成されており、グランド線111を覆うように、ゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102上に電源線112と信号線113とが形成されている。電源線112と信号線113とを覆うように絶縁膜103が形成されており、絶縁膜103上には上層絶縁膜104が形成されている。
【0039】
図11は、グランド線111及び電源線112の他の配置構成を示す断面図である。
図11に示す構成では、
図6及び
図7に示すグランド線111の面積がさらに大きくなるように形成されている。具体的には、グランド線111が電源線112よりも列方向にさらに延在している。上記構成によれば、グランド線111及び電源線112の重畳部分は、バイパスコンデンサとして機能するため、上述した効果と同様に電源線112からの輻射ノイズの影響を低減することができる。また、グランド線111を延長しているため、
図6及び
図7に示す構成と比較して放熱効果をより高めることができる。
【0040】
尚、グランド線111及び電源線112の一方が、ゲート絶縁膜102上に形成され、他方が絶縁膜103上に形成されてもよい。
【0041】
図12は、グランド線111及び電源線112の他の配置構成を示す断面図である。
図12に示す構成では、
図6及び
図7に示す構成において、グランド線111の上層にさらに第2電源線112bが形成されている。具体的には、TFT基板100において、ガラス基板101上に第1電源線112aが形成されており、第1電源線112aを覆うように、ゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102上には、グランド線111と信号線113とが形成されている。グランド線111と信号線113とを覆うように絶縁膜103が形成されている。絶縁膜103上には第2電源線112bが形成されており、第2電源線112bを覆うように、上層絶縁膜104が形成されている。第2電源線112bは、平面的に見て、グランド線111に重なるように形成されている。
【0042】
上記構成によれば、第1電源線112a及びグランド線111により第1バイパスコンデンサが形成され、第2電源線112b及びグランド線111により第2バイパスコンデンサが形成されるため、電源容量をより増加させることができる。よって、電源線112からの輻射ノイズの影響をより低減することができる。また、電源線112の面積を第2電源線112bの面積分だけ増加させることができるため、
図6及び
図7に示す構成と比較して放熱効果をより高めることができる。また、第2電源線112bは、共通配線17(
図4参照)と同一層に形成されるため、共通配線17を形成する際に使用するマスクを利用して、共通配線17と第2電源線112bとを同一工程で形成することができる。尚、共通配線17と第2電源線112bとは、例えば銅(Cu)の単層構造とすることができる。
【0043】
図13は、グランド線111及び電源線112の他の配置構成を示す断面図である。
図13に示す構成では、
図10に示す構成において、電源線112の上層にさらにグランド線が形成されている。具体的には、TFT基板100において、ガラス基板101上に第1グランド線111aが形成されている。第1グランド線111aを覆うように、ゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102上には、第2グランド線111bと電源線112と信号線113とが形成されている。第2グランド線111bと電源線112と信号線113とを覆うように絶縁膜103が形成されている。絶縁膜103上には第3グランド線111cが形成されており、第3グランド線111cを覆うように、上層絶縁膜104が形成されている。第3グランド線111cは、平面的に見て、電源線112に重なるように形成されている。第1グランド線111a及び第2グランド線111bは、ゲート絶縁膜102に形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続されており、第2グランド線111b及び第3グランド線111cは、絶縁膜103に形成されたコンタクトホールを介して互いに電気的に接続されている。電源線112の面積が拡大された部分では、第2グランド線111bが、電源線112と同一層において、電源線112を挟むように両側に形成されている。上記構成によれば、電源線112がグランド線111a,111b,111cで囲まれるため、電源線112からの輻射ノイズを封じ込めることができる。また、第1グランド線111a及び電源線112により第1バイパスコンデンサが形成され、第3グランド線111c及び電源線112により第2バイパスコンデンサが形成されるため、電源容量をより増加させることができる。よって、電源線112からの輻射ノイズの影響をより低減することができる。また、グランド線111の面積を、第2グランド線111bの面積分と第3グランド線111cの面積分だけ増加させることができるため、
図10に示す構成と比較して放熱効果をより高めることができる。
【0044】
図14は、グランド線111及び電源線112の他の配置構成を示す平面図である。
図15は
図14のF−F´断面図であり、
図14及び
図15に示す構成では、
図10に示す構成において、電源線112及び信号線113の上層にさらに第2グランド線111bが形成されている。具体的には、TFT基板100において、ガラス基板101上に第1グランド線111aが形成されている。第1グランド線111aを覆うように、ゲート絶縁膜102が形成されている。ゲート絶縁膜102上には、電源線112と信号線113とが形成されている。電源線112と信号線113とを覆うように絶縁膜103が形成されている。絶縁膜103上には第2グランド線111bが形成されており、第2グランド線111bを覆うように、上層絶縁膜104が形成されている。尚、
図14では、第1グランド線111aは省略している。第2グランド線111bは、平面的に見て、電源線112及び信号線113に重なるように、広範囲に亘ってベタ状に形成されている。上記構成によれば、電源容量の増加による輻射ノイズの低減効果と、グランド線111及び電源線112の面積増加による放熱効果に加えて、第2グランド線111bが信号線113を覆うため、信号線113からのノイズの影響を低減することができるという効果が得られる。尚、
図14に示すように、入力端子43aとソースドライバSD2との間の領域においても、グランド線211bが信号線213を覆うように形成されてもよい。
【0045】
図16は、グランド線111及び電源線112の他の配置構成を示す断面図である。
図16に示す構成では、
図15に示す構成において、電源線112及び信号線113を囲うように第3グランド線111cがさらに形成されている。上記構成によれば、電源線112及び信号線113がグランド線111a,111b,111cで囲まれるため、電源線112及び信号線113からの輻射ノイズを封じ込めることができる。尚、グランド線111a,111b,111cで囲まれる信号線は、全ての電源線112及び全ての信号線113でなくてもよい。例えば、グランド線111a,111b,111cは、電源線112のみを囲うように形成されてもよいし、信号線113のみを囲うように形成されてもよいし、複数本の信号線113のうち一部の本数の信号線113のみを囲うように形成されてもよい。一部の本数の信号線113は、画像データに対応するデータ信号を供給する信号線であることが好ましい。このように、少なくとも第3グランド線111cは、第1グランド線111a及び第2グランド線111bの間の層であって複数の信号線(電源線112、信号線113)と同一層において、複数の信号線の少なくとも一部を挟むように両側に形成されており、かつ、第1グランド線111a及び第2グランド線111bに電気的に接続されていることが好ましい。
【0046】
ここで、
図6に示す、グランド線111、電源線112及び信号線13が行方向に延在する領域における他の配置構成について説明する。上記領域における配置構成は、
図8に示す構成に限定されず、
図17に示す構成であってもよいし、
図18に示す構成であってもよい。
【0047】
図17に示す構成では、電源線112が、下層に配置される第1電源線112aと、中間層に配置される第2電源線112bと、上層に配置される第3電源線112cとを含んでいる。この構成によれば、電源線112の配線抵抗を低くすることができるため、電源電圧の供給効率を高めることができる。
【0048】
図18に示す構成では、
図17に示す構成に加えて、グランド線111が、下層に配置される第1グランド線111aと、上層に配置される第2グランド線111bとを含んでいる。第1グランド線111aと第2グランド線111bとの間の層には信号線113が配置される。この構成によれば、さらに、信号線113からのノイズの影響を低減することができる。
【0049】
上記各構成では、ソースドライバSD1に接続されるグランド線111及び電源線112の配置構成を示したが、ソースドライバSD2に接続されるグランド線211及び電源線212についても、同様の構成とすることができる(
図6等参照)。但し、入力端子43aからの距離が遠い程、輻射ノイズの影響を受け易くなるため、
図6、
図9、
図14に示すように第1ソースドライバSDの近傍に配置される、グランド線111及び電源線112が互いに重なる重畳部分の面積が、第2ソースドライバの近傍に配置される、グランド線211及び電源線212が互いに重なる重畳部分の面積より大きくなっていることが好ましい。尚、グランド線111及び電源線112により形成されるバイパスコンデンサによる電源容量の増加により得られる輻射ノイズの低減効果と、グランド線111及び電源線112の面積の拡大により得られる放熱効果とのバランスを考慮して、上記重畳部分の面積を設定することが好ましい。
【0050】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。