(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-181680(P2017-181680A)
(43)【公開日】2017年10月5日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20170908BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20170908BHJP
【FI】
G09F9/00 348A
G09F9/00 350Z
G09F9/00 336J
G02F1/1333
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-66441(P2016-66441)
(22)【出願日】2016年3月29日
(71)【出願人】
【識別番号】506087819
【氏名又は名称】パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅 康之
【テーマコード(参考)】
2H189
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA59
2H189AA60
2H189AA62
2H189AA70
2H189AA76
2H189BA10
2H189HA02
2H189LA02
2H189LA20
5G435AA06
5G435AA17
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE02
5G435EE27
5G435EE36
5G435EE46
5G435GG42
(57)【要約】
【課題】表示装置におけるフレームの開口部周辺に配置されるケーブルを簡易な構造で保護する。
【解決手段】表示装置は、表示パネルユニットと、表示パネルユニットの背面側に配置される下フレームと、下フレームの背面側に配置される保護カバーと、を備え、下フレームには、ケーブルが接続されるコネクタを露出するための開口部が形成されており、保護カバーは、前記下フレームのうちの開口部を規定する縁部とケーブルとの間に位置する保護壁と、開口部及びコネクタを覆う被覆部とを有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルユニットと、
前記表示パネルユニットの背面側に配置される下フレームと、
前記下フレームの背面側に配置される保護カバーと、
を備え、
前記下フレームには、ケーブルが接続されるコネクタを露出するための開口部が形成されており、
前記保護カバーは、前記下フレームのうちの前記開口部を規定する縁部と前記ケーブルとの間に位置する保護壁と、前記開口部及び前記コネクタを覆う被覆部とを有する、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記保護カバーには、前記保護壁と前記被覆部との間で前記ケーブルを収容するための収容用スリットが形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記保護カバーには、前記コネクタを目視で確認するための複数の確認用孔が形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の確認用孔は、前記ケーブルと前記コネクタとが互いに接続する第1方向に直交する第2方向に並んで配置されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
表示パネルユニットは、表示パネルと、バックライトユニットとを含み、
前記バックライトユニットは、光源を搭載する光源基板を含み、
前記下フレームの背面側に、前記光源を駆動するためのバックライト駆動回路基板が配置されており、
前記バックライト駆動回路基板は、前記ケーブル及び前記コネクタを介して、前記光源基板に対して前記光源を駆動する駆動信号を供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、バックライトの光源に接続されるケーブルがフレームに設けられる開口部を介して外部に引き出される表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−356325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるようなバックライトの光源に接続されるケーブルは、フレームに設けられる開口部の縁部により被膜が破れることがある。従来はケーブルの被膜が破れることを防止するために、ケーブルに保護テープを巻いたり、開口部を保護テープで塞いだりしていたが、保護テープは破れやすく、保護テープを巻く工数が増大するという課題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示装置におけるフレームの開口部周辺に配置されるケーブルを簡易な構造で保護することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の表示装置は、表示パネルユニットと、前記表示パネルユニットの背面側に配置される下フレームと、前記下フレームの背面側に配置される保護カバーと、を備え、前記下フレームには、ケーブルが接続されるコネクタを露出するための開口部が形成されており、前記保護カバーは、前記下フレームのうちの前記開口部を規定する縁部と前記ケーブルとの間に位置する保護壁と、前記開口部及び前記コネクタを覆う被覆部とを有する、ことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る表示装置では、前記保護カバーには、前記保護壁と前記被覆部との間で前記ケーブルを収容するための収容用スリットが形成されていてもよい。
【0008】
本発明に係る表示装置では、前記保護カバーには、前記コネクタを目視で確認するための複数の確認用孔が形成されていてもよい。
【0009】
本発明に係る表示装置では、前記複数の確認用孔は、前記ケーブルと前記コネクタとが互いに接続する第1方向に直交する第2方向に並んで配置されていてもよい。
【0010】
本発明に係る表示装置では、表示パネルユニットは、表示パネルと、バックライトユニットとを含み、前記バックライトユニットは、光源を搭載する光源基板を含み、前記下フレームの背面側に、前記光源を駆動するためのバックライト駆動回路基板が配置されており、前記バックライト駆動回路基板は、前記ケーブル及び前記コネクタを介して、前記光源基板に対して前記光源を駆動する駆動信号を供給してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示装置におけるフレームの開口部周辺に配置されるケーブルを簡易な構造で保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る表示装置の全体構成を示す分解斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る表示装置の背面側を示す模式図である。
【
図3】
図2の部分IIIの詳細を示す斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る保護カバーを示す図である。
【
図5】
図3に示した表示装置に保護カバーを取り付けた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態では、液晶表示装置を例にして説明するが、本発明に係る表示装置は液晶表示装置に限定されるものではなく、例えば、有機EL表示装置等であってもよい。
【0014】
図1は、本実施形態に係る表示装置1の全体構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、表示パネルユニット2と、バックライト駆動回路基板8と、保護カバー9とを含んで構成されている。また、表示装置1は、下フレーム5と、モールドフレーム6と、上フレーム7とが嵌合されることで表示パネルユニット2を挟み込むようにして組み立てられる。
【0015】
表示パネルユニット2は、バックライトユニット3と、バックライトユニット3の表示面側に配置される表示パネル4とを含んで構成されている。
【0016】
バックライトユニット3は、導光板32と、導光板32の背面側に配置される反射シート33と、導光板32の表示面側に配置される光学シート34と、導光板32の側面に配置され光源を搭載する光源基板35と、を含んで構成されている。
【0017】
導光板32は、光源から照射された光を導光板32の表示面側から均一に出射することでバックライトユニット3を面光源として機能させる。反射シート33は、導光板32の背面側に配置され、導光板32の背面側から漏れ出した光を反射して導光板32内に戻すようにする。光学シート34は、導光板32から出射される光を集光して表示パネル4の背面側へ導く。また、光学シート34には導光板32から出射される光を拡散させて均一にする拡散シートが含まれていてもよい。
【0018】
光源基板35は、細長い形状を有し、導光板32の一側面に沿って配置されている。光源基板35には、長手方向に複数の光源が配列されている。例えば、光源は、LED(Light Emitting Diode)を用いて構成することができる。
【0019】
表示パネル4は、図示は省略するが、TFT基板と、対向基板と、両基板間に挟持される液晶層とを含んで構成されている。TFT基板には、表示パネル4を駆動するためのドライバIC等が設けられている。なお、TFT基板及び対向基板は、周知の構成を適用することができる。
【0020】
下フレーム5は、表示面側から見て矩形状であり、バックライトユニット3を支持している。下フレーム5の材料としては、鋼板などの、剛性が高くかつ軽量の材料が好適である。
【0021】
モールドフレーム6は、表示面側から見て矩形状であり、略L字型の断面を有している。モールドフレーム6の材料としては、合成樹脂などが好適である。
【0022】
上フレーム7は、表示面側から見て矩形状であり、略L字型の断面を有している。上フレーム7の材料としては、鋼板などの、剛性が高くかつ軽量の材料が好適である。
【0023】
バックライト駆動回路基板8は、下フレーム5の外側つまりは背面側に配置されており、バックライト駆動回路(図示せず)を含んで構成されている。バックライト駆動回路は、光源基板35に対して光源を駆動するための駆動信号を供給する。
【0024】
保護カバー9は、下フレーム5の背面側に取り付けられる。保護カバー9については後述する。
【0025】
図2は、本実施形態に係る表示装置1の背面側を示す模式図である。
図3は、
図2の部分IIIの詳細を示す斜視図である。
図2及び
図3は、保護カバー9が取り付けられる前の状態を示している。
図2及び
図3に示すように、下フレーム5の背面側にバックライト駆動回路基板8が配置されている。また、下フレーム5には、コネクタ84を配置するための開口部51が形成されている。
図2では、下フレーム5には、2つの開口部51が形成されており、各開口部51は下フレーム5の角に形成されている。ここでは、光源基板35の長手方向の両端にコネクタ84が搭載されるため、各開口部51はコネクタ84が位置する下フレーム5の角に形成されている。開口部51からは、光源基板35の一部と、光源基板35に搭載されているコネクタ84とが露出している。コネクタ84は、光源基板35に電気的に接続されていて、その上、光源基板35とバックライト駆動回路基板8とを電気的に接続するためのケーブル82が接続される。つまり、バックライト駆動回路基板8は、ケーブル82及びコネクタ84を介して、光源基板35に対して光源を駆動するための駆動信号を供給する。
【0026】
また
図3に示すように、下フレーム5の周縁部は、表示面側に向けて凸状に形成されている。つまり、背面側から見て、下フレーム5の周縁部には溝55が形成されている。ケーブル82は、ケーブル82の一部が下フレーム5の周縁部に形成された溝55に収まるように引き回されている。具体的には
図3では、ケーブル82は、ケーブル82とコネクタ84とが互いに接続する第1方向に延伸した後、表示面側に向けて屈曲し、その後再び第1方向に延伸する。このときケーブル82は下フレーム5の溝55に収まっている。そして、ケーブル82は背面側に向けて屈曲して延伸した後、バックライト駆動回路基板8に向けて延伸する。
【0027】
このように、下フレーム5に開口部51が形成され、開口部51からコネクタ84が露出していることで、下フレーム5の表示面側に配置される光源基板35と、下フレーム5の背面側に配置されるバックライト駆動回路基板8とを、ケーブル82及びコネクタ84を介して互いに電気的に接続することができる。一方で、下フレーム5に開口部51が形成されると、下フレーム5のうちの開口部51を規定する縁部53とケーブル82とが接触しやすくなり、ケーブル82の被膜が破れる恐れがある。特に、ケーブル82のうち、下フレーム5の周縁部に形成された溝55に収まるように延伸する部分は、開口部51周りの縁部53に接触しやすい。また、下フレーム5に開口部51が形成されることで、開口部51からの異物の侵入や光漏れが生じることも懸念される。
【0028】
そこで、本実施形態では、下フレーム5の開口部51を保護カバー9で覆う構成としている。以下、本実施形態に係る保護カバー9の構成について説明する。
【0029】
図4は、本実施形態に係る保護カバー9を示す図である。
図5は、
図3に示した表示装置1に保護カバー9を取り付けた状態を示す図である。
図4及び
図5に示すように、保護カバー9は、開口部51周りの縁部53とケーブル82との間に位置する保護壁91と、開口部51を覆う被覆部92と、保護カバー9を下フレーム5に固定するための接続部93とを含んで構成されている。保護カバー9は、合成樹脂等を射出成形して形成される。
【0030】
保護壁91は、開口部51の縁部53とケーブル82との間に位置するように形成されている。本実施形態では、保護壁91は、少なくとも、ケーブル82のうち下フレーム5の溝55を延伸している部分と、下フレーム5の縁部53のうち溝55に位置する部分53a(
図3参照)との間に位置するように形成されている。なお、保護壁91は、下フレーム5の縁部53全体を覆うように形成されていてもよい。保護壁91によりケーブル82が開口部51の縁部53に接触することを防止する。
【0031】
被覆部92は、開口部51及びコネクタ84を覆うように形成されている。本実施形態では、被覆部92は、コの字状の断面を有しており、開口部51及びコネクタ84を背面側から覆うように形成されている。被覆部92により開口部51からの異物の侵入や光漏れを防止する。
【0032】
接続部93は、接続部材を含んで構成されており、下フレーム5と保護カバー9とを互いに固定する。例えば、ネジ等により接続部93と下フレーム5とが互いに固定される。
【0033】
また、保護カバー9には、保護壁91と被覆部92との間にケーブル82を収容するための収容用スリット95と、ケーブル82を収容用スリット95へ案内する案内用スリット96とが形成されている。収容用スリット95と案内用スリット96とは連続したスリットであり、保護壁91と被覆部92とにより囲まれている。また案内用スリット96の一端は開放されていて、案内用スリット96の他端が収容用スリット95に繋がっている。
【0034】
図3に示した表示装置1に保護カバー9を取り付ける際は、まず、ケーブル82を案内用スリット96の開放端から案内用スリット96に通して、収容用スリット95まで移動させる。次に、ケーブル82を収容用スリット95に収容した状態で、保護カバー9を背面側から開口部51を覆うように取り付ける。このとき、保護カバー9は、保護壁91が開口部51の縁部53を覆うように、かつ、被覆部92が開口部51及びコネクタ84を覆うように取り付けられる。その後、接続部93と下フレーム5とが互いに固定される。
【0035】
このように、案内用スリット96が形成されていることで、ケーブル82を保護壁91と被覆部92との間に収容させることが容易となる。また、ケーブル82が、保護壁91と被覆部92との間に位置する収容用スリット95に収容されることで、ケーブル82と開口部51の縁部53とが接触しにくくなり、ケーブル82を保護することができる。さらに、被覆部92が開口部51及びコネクタ84を覆うことで、開口部51からの異物の侵入や光漏れを低減することができる。また、保護カバー9が射出成形により1つの部材で形成されていることで、保護カバー9の取り付けが容易となる。
【0036】
また、保護カバー9は、コネクタ84を目視で確認するための確認用孔98が形成されている。本実施形態では、被覆部92に複数の確認用孔98が形成されている。保護カバー9が開口部51及びコネクタ84を覆うように取り付けられると、コネクタ84とケーブル82とが正常に接続されているかを確認するためには、保護カバー9を取り外さなければならない。そこで、保護カバー9において、ケーブル82とコネクタ84とが互いに接続する部分が露出するように確認用孔98を形成することで、保護カバー9を取り外さなくても、コネクタ84とケーブル82との接続状態を目視で確認することが可能となる。また、確認用孔98は、ケーブル82とコネクタ84とが互いに接続する第1方向に直交する方向(
図5における背面側から表示面側への方向)から確認できるように形成されていることで、コネクタの抜けを確認しやすくなる。
【0037】
また、複数の確認用孔98は、ケーブル82とコネクタ84とが互いに接続する第1方向に直交する第2方向に並んで配置されてもよい。すなわち、複数の確認用孔98は、コネクタ84からケーブル82が延び出す方向に直交する方向に並んで配置されてもよい。複数の確認用孔98を第2方向に並んで配置することで、各確認用孔98の大きさを極力小さくするとともに、広い範囲でコネクタ84とケーブル82との接続状態を確認することが可能となる。また、コネクタの斜め挿入を検知することも可能となる。
【0038】
なお、上述の実施形態では、光源基板35とバックライト駆動回路基板8とをケーブル82を介して互いに電気的に接続する例を示したが、この例に限定されるものではない。例えば、ケーブル82が、電力供給用ケーブルや検査用ケーブルであっても、本実施形態の構成を適用することができる。
【0039】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記実施の形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
1 表示装置、2 表示パネルユニット、3 バックライトユニット、4 表示パネル、5 下フレーム、6 モールドフレーム、7 上フレーム、8 バックライト駆動回路基板、9 保護カバー、32 導光板、33 反射シート、34 光学シート、35 光源基板、51 開口部、82 ケーブル、84 コネクタ、53 縁部、53a 部分、55 溝、91 保護壁、92 被覆部、93 接続部、95 収容用スリット、96 案内用スリット、98 確認用孔。