【解決手段】車載デバイスは、曲面ディスプレイと、曲面ディスプレイの周縁に配置された枠体を有する、車両に曲面ディスプレイを取り付けるための本体部品と、を備える。曲面ディスプレイは、曲面状の表示パネルと、表示パネルの背面側に配置され、表示パネルと同じ方向に向かって突出するように湾曲した導光板と、表示パネルと導光板との間で表示パネルを背面側から支持する支持枠をもつ保持フレームと、導光板の背面側に配置された背面板をもつ下フレームと、支持枠と背面板との間に配置され、導光板の両端部を保持するクッション部材と、を有する。枠体は、曲面ディスプレイの周縁で第1方向に延在する第2枠縁部分を含み、第2枠縁部分は、表示パネルと同じ方向に向かって突出するように湾曲した第1曲げ領域を含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。本発明の実施形態では、液晶曲面ディスプレイを例に挙げるが、本発明に係る曲面ディスプレイは液晶曲面ディスプレイに限定されるものではなく、例えば有機EL曲面ディスプレイ等であってもよい。
【0011】
図1は、第1実施形態に係る曲面形状を有する曲面ディスプレイ1の断面図である。
図1は、
図2に示す曲面ディスプレイ1の平面構成において、切断線A−A´で切断した場合の断面構成を示している。なお、以降の各実施形態において示す断面図も
図1におけるA−A´断面を示すものとする。
図1に示すように、第1実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、表示パネル2と、導光板3と、保持フレーム4と、下フレーム5と、上フレーム6とを含んで構成されている。
【0012】
表示パネル2は、
図12を参照して後述するように、TFT基板100と、CF基板(対向基板)200と、両基板間に挟持される液晶層300とを含んで構成されている。
【0013】
導光板3は、光源(図示せず)から照射される光を表示面側から表示パネル2へ向けて出射する。なお、導光板3の背面側には反射シートが配置されており、導光板3の表示面側には光学シートが配置されていてもよい。
【0014】
保持フレーム4は、表示面側から見て矩形の枠状であり、L字状またはT字状の断面を有している。保持フレーム4は、表示パネル2と導光板3との間に配置され、表示パネル2の周縁を背面側から支持する支持枠4aを含んでいる。
【0015】
下フレーム5は、導光板3の背面側を覆うように配置され導光板3を支持する背面板5aを含んでいる。
【0016】
上フレーム6は、表示面側から見て矩形の枠状であり、表示パネル2の周縁を表示面側から覆うように配置されている。
【0017】
第1実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、表示パネル2が、中央側が両端側より表示面側に突出するように湾曲して形成されている曲面形状を有する曲面ディスプレイである。また、導光板3は、下フレーム5に固定されずに下フレーム5の背面板5aの表示面側に載置されている。
【0018】
図3は、第1実施形態に係る導光板3の熱膨張について説明する図である。導光板3が、中央側が両端側より表示面側に突出するように湾曲して形成されており、導光板3が下フレーム5に固定されていない場合には、導光板3の熱膨張により導光板3の両端部が曲面ディスプレイ1の厚み方向に伸縮し易くなる。例えば、
図3に示すように、導光板3の両端部が表示面側方向(
図3における上矢印方向)と、背面側方向(
図3における下矢印方向)とに伸縮し易くなる。
図3に示すように、導光板3の両端部が表示面側方向及び背面側方向に伸縮すると、導光板3の両端部が保持フレーム4または下フレーム5に干渉し易くなり、その結果表示パネル2に圧力が加わり表示品位の低下につながる可能性がある。そこで、第1実施形態では導光板3の両端部の伸縮を吸収するために、導光板3の両端部と下フレーム5の背面板5aとの間、導光板3の両端部と保持フレーム4の支持枠4aとの間にクリアランスを設けている。
【0019】
具体的には、
図1に示すように、保持フレーム4の支持枠4aは、中央側が両端側より表示面側に突出するように、第1曲率半径で湾曲して形成されている。また、導光板3は、中央側が両端側より表示面側に突出するように、第2曲率半径で湾曲して形成されている。また、下フレーム5の背面板5aは、中央側が両端側より表示面側に突出するように、第3曲率半径で湾曲して形成されている。そして、第1曲率半径と、第2曲率半径と、第3曲率半径とは、この順に小さくなっている(第1曲率半径>第2曲率半径>第3曲率半径)。
【0020】
このように、保持フレーム4の支持枠4aと、導光板3と、下フレーム5の背面板5aとを、それぞれの曲率半径を異ならせて湾曲して形成することで、導光板3の両端部と保持フレーム4の支持枠4aとの間、及び導光板3の両端部と下フレーム5の背面板5aとの間に、導光板3の変形(伸縮)を吸収し得るクリアランスを設けている。
【0021】
なお、表示パネル2及び上フレーム6それぞれの曲率半径は、保持フレーム4の支持枠4aの第1曲率半径と同一であってもよい。
【0022】
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る曲面ディスプレイ1の断面図である。第2実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、第1実施形態に係る曲面ディスプレイ1とは、中央側が両端側より背面側に突出するように湾曲して形成されている点に差異があることを除けば、同一のものである。従って、第1実施形態と同等の構成には同符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
【0023】
第2実施形態に係る曲面ディスプレイ1では、表示パネル2が、中央側が両端側より背面側に突出するように湾曲して形成されている。また、導光板3は、下フレーム5に固定されずに下フレーム4の背面板5aの表示面側に載置されている。
【0024】
図5は、第2実施形態に係る導光板3の熱膨張について説明する図である。導光板3が、中央側が両端側より背面側に突出するように湾曲して形成されており、導光板3の両端部が固定されていない場合には、導光板3の熱膨張により導光板3の両端部が曲面ディスプレイ1の厚み方向に伸縮し易くなる。例えば、
図5に示すように、導光板3の両端部が表示面側方向(
図5における上矢印方向)と、背面側方向(
図5における下矢印方向)とに伸縮し易くなる。
図5に示すように、導光板3の両端部が表示面側方向及び背面側方向に伸縮すると、導光板3の両端部が保持フレーム4または下フレーム5に干渉し易くなり、その結果表示パネル2に圧力が加わり表示品位の低下につながる可能性がある。そこで、第2実施形態では導光板3の両端部の伸縮を吸収するために、導光板3の両端部と下フレーム5の背面板5aとの間、導光板3の両端部と保持フレーム4の支持枠4aとの間にクリアランスを設けている。
【0025】
具体的には、
図4に示すように、保持フレーム4の支持枠4aは、中央側が両端側より背面側に突出するように、第1曲率半径で湾曲して形成されている。また、導光板3は、中央側が両端側より背面側に突出するように、第2曲率半径で湾曲して形成されている。また、下フレーム5の背面板5aは、中央側が両端側より背面側に突出するように、第3曲率半径で湾曲して形成されている。そして、第1曲率半径と、第2曲率半径と、第3曲率半径とは、この順に大きくなっている(第1曲率半径<第2曲率半径<第3曲率半径)。
【0026】
このように、保持フレーム4の支持枠4aと、導光板3と、下フレーム5の背面板5aとを、それぞれの曲率半径を異ならせて湾曲して形成することで、導光板3の両端部と保持フレーム4の支持枠4aとの間、及び導光板3の両端部と下フレーム5の背面板5aとの間に、導光板3の変形(伸縮)を吸収し得るクリアランスを設けている。
【0027】
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態に係る曲面ディスプレイ1の断面図である。第3実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、第1実施形態に係る曲面ディスプレイ1とは、導光板13の端部が保持されている点に差異があることを除けば、同一のものである。従って、第1実施形態と同等の構成には同符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
【0028】
第3実施形態に係る曲面ディスプレイ1では、表示パネル2が、中央側が両端側より表示面側に突出するように湾曲して形成されている。また、導光板3の両端部は、保持部材7により保持されている。保持部材7は、導光板3の端部を受け入れる溝7aを有している。保持部材7は、例えばクッション部材等であって、導光板3の両端部を挟み込むようにして導光板3を保持フレーム4と下フレーム5との間で保持している。なお、保持部材7は、ねじや嵌合部材等であってもよく、導光板3の両端部と下フレーム5とを固定してもよい。保持部材7は、導光板3の周囲を囲うように4辺に配置されてもよく、この場合、導光板3における湾曲した端部を受け入れる溝7aは、導光板3と同一の曲率半径で湾曲している。
【0029】
図7は、第3実施形態に係る導光板3の熱膨張について説明する図である。導光板3が、中央側が両端側より表示面側に突出するように湾曲して形成されており、導光板3の両端部が保持部材7により保持されている場合には、導光板3の熱膨張により導光板3の中央部が曲面ディスプレイ1の厚み方向に伸縮し易くなる。例えば、
図7に示すように、導光板3の中央部が表示面側方向(
図7における上矢印方向)と、背面側方向(
図7における下矢印方向)とに伸縮し易くなる。
図7に示すように、導光板3の中央部が表示面側方向及び背面側方向に伸縮すると、導光板3の中央部が保持フレーム4または下フレーム5に干渉し易くなり、その結果表示パネル2に圧力が加わり表示品位の低下につながる可能性がある。そこで、第3実施形態では導光板3の中央部の伸縮を吸収するために、導光板3の中央部と下フレーム5の背面板5aとの間、導光板3の中央部と保持フレーム4の支持枠4aとの間にクリアランスを設けている。
【0030】
具体的には、
図6に示すように、保持フレーム4の支持枠4aは、中央側が両端側より表示面側に突出するように、第1曲率半径で湾曲して形成されている。また、導光板3は、中央側が両端側より表示面側に突出するように、第2曲率半径で湾曲して形成されている。また、下フレーム5の背面板5aは、中央側が両端側より表示面側に突出するように、第3曲率半径で湾曲して形成されている。そして、第1曲率半径と、第2曲率半径と、第3曲率半径とは、この順に大きくなっている(第1曲率半径<第2曲率半径<第3曲率半径)。
【0031】
このように、保持フレーム4の支持枠4aと、導光板3と、下フレーム5の背面板5aとを、それぞれの曲率半径を異ならせて湾曲して形成することで、導光板3の中央部と保持フレーム4の支持枠4aとの間、及び導光板3の中央部と下フレーム5の背面板5aとの間に、導光板3の変形(伸縮)を吸収し得るクリアランスを設けている。
【0032】
[第4実施形態]
図8は、第4実施形態に係る曲面ディスプレイ1の断面図である。第4実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、第3実施形態に係る曲面ディスプレイ1とは、中央側が両端側より背面側に突出するように湾曲して形成されている点に差異があることを除けば、同一のものである。従って、第3実施形態と同等の構成には同符号を付し、重複する説明は省略するものとする。
【0033】
第4実施形態に係る曲面ディスプレイ1では、表示パネル2が、中央側が両端側より背面側に突出するように湾曲して形成されている。また、導光板3の両端部は、保持部材7により保持されている。
【0034】
図9は、第4実施形態に係る導光板3の熱膨張について説明する図である。導光板3が、中央側が両端側より背面側に突出するように湾曲して形成されており、導光板3の両端部が保持部材7により保持されている場合には、導光板3の熱膨張により導光板3の中央部が曲面ディスプレイ1の厚み方向に伸縮し易くなる。例えば、
図9に示すように、導光板3の中央部が表示面側方向(
図9における上矢印方向)と、背面側方向(
図9における下矢印方向)とに伸縮し易くなる。
図9に示すように、導光板3の中央部が表示面側方向及び背面側方向に伸縮すると、導光板3の中央部が保持フレーム4または下フレーム5に干渉し易くなり、その結果表示パネル2に圧力が加わり表示品位の低下につながる可能性がある。そこで、第3実施形態では導光板3の中央部の伸縮を吸収するために、導光板3の中央部と下フレーム5の背面板5aとの間、導光板3の中央部と保持フレーム4の支持枠4aとの間にクリアランスを設けている。
【0035】
具体的には、
図8に示すように、保持フレーム4の支持枠4aは、中央側が両端側より背面側に突出するように、第1曲率半径で湾曲して形成されている。また、導光板3は、中央側が両端側より背面側に突出するように、第2曲率半径で湾曲して形成されている。また、下フレーム5の背面板5aは、中央側が両端側より背面側に突出するように、第3曲率半径で湾曲して形成されている。そして、第1曲率半径と、第2曲率半径と、第3曲率半径とは、この順に小さくなっている(第1曲率半径>第2曲率半径>第3曲率半径)。
【0036】
このように、保持フレーム4の支持枠4aと、導光板3と、下フレーム5の背面板5aとを、それぞれの曲率半径を異ならせて湾曲して形成することで、導光板3の中央部と保持フレーム4の支持枠4aとの間、及び導光板3の中央部と下フレーム5の背面板5aとの間に、導光板3の変形(伸縮)を吸収し得るクリアランスを設けている。
【0037】
上記実施形態1及び2に係る曲面ディスプレイ1では、導光板3の両端部は保持されていないが、これに限定されず、上記実施形態3及び4に示した、溝7aを有する保持部材7により保持されていてもよい。保持部材7は、導光板3の両端部を挟み込むようにして導光板3を保持フレーム4の支持枠4aと下フレーム5の背面板5aとの間で保持する。尚、実施形態1及び2に係る曲面ディスプレイ1では、保持部材7はクッション部材であることが好ましい。これにより、導光板3の変形(伸縮)をクッション部材により吸収することもできる。クッション部材の一例としては、ゴム、ウレタンあるいは多孔質材料からなる弾性部材が挙げられる。
【0038】
[第5実施形態]
図10は、第5実施形態に係る曲面ディスプレイ1の断面図である。第5実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、第3実施形態に係る曲面ディスプレイ1と同一の構成には同符号を付し、重複する説明は省略するものとする。第5実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、保持フレーム4の支持枠4aの第1曲率半径と、導光板3の第2曲率半径と、下フレーム5の背面板5aの第3曲率半径とが、例えば互いに同一で、中央側が両端側より表示面側に突出するように湾曲して形成されている。また、表示パネル2が、中央側が両端側より表示面側に突出するように湾曲して形成されている。
【0039】
導光板3の両端部は、クッション部材から成る保持部材7により保持されている。保持部材7は、導光板3の端部を受け入れる溝7aを有している。保持部材7は、導光板3の両端部を挟み込むようにして導光板3を保持フレーム4と下フレーム5との間で保持している。また保持部材7は、導光板3の周囲を囲うように4辺に配置されてもよく、この場合、導光板3における湾曲した端部を受け入れる溝7aは、導光板3と同一の曲率半径で湾曲している。
【0040】
このように、導光板3をクッション部材で保持することにより、導光板3の中央部と保持フレーム4の支持枠4aとの間、及び導光板3の中央部と下フレーム5の背面板5aとの間に、導光板3の変形(伸縮)を吸収し得るクリアランスを設けている。
【0041】
なお、第1曲率半径と、第2曲率半径と、第3曲率半径とが、互いに異なっていてもよい。
【0042】
[第6実施形態]
図11は、第6実施形態に係る曲面ディスプレイ1の断面図である。第6実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、第4実施形態に係る曲面ディスプレイ1と同一の構成には同符号を付し、重複する説明は省略するものとする。第6実施形態に係る曲面ディスプレイ1は、保持フレーム4の支持枠4aの第1曲率半径と、導光板3の第2曲率半径と、下フレーム5の背面板5aの第3曲率半径とが、例えば互いに同一で、中央側が両端側より背面側に突出するように湾曲して形成されている。また、表示パネル2が、中央側が両端側より背面側に突出するように湾曲して形成されている。
【0043】
導光板3の両端部は、クッション部材から成る保持部材7により保持されている。保持部材7は、導光板3の端部を受け入れる溝7aを有している。保持部材7は、導光板3の両端部を挟み込むようにして導光板3を保持フレーム4と下フレーム5との間で保持している。また保持部材7は、導光板3の周囲を囲うように4辺に配置されてもよく、この場合、導光板3における湾曲した端部を受け入れる溝7aは、導光板3と同一の曲率半径で湾曲している。
【0044】
このように、導光板3をクッション部材で保持することにより、導光板3の中央部と保持フレーム4の支持枠4aとの間、及び導光板3の中央部と下フレーム5の背面板5aとの間に、導光板3の変形(伸縮)を吸収し得るクリアランスを設けている。
【0045】
なお、第1曲率半径と、第2曲率半径と、第3曲率半径とが、互いに異なっていてもよい。
【0046】
図12は、表示パネル2の一例を示す断面図である。
図12に示す表示パネル2は、TFT基板100と、CF基板200と、TFT基板100及びCF基板200の間に挟持される液晶層300と、TFT基板100とCF基板200とを貼り合わせるためのシール材60と、を含んでいる。
【0047】
TFT基板100では、ガラス基板101上に複数のゲート線、複数のデータ線、共通電極、画素電極(不図示)が絶縁層を介して形成され、画素電極を覆うように配向膜105が形成されている。ガラス基板101のうちの導光板3側(液晶層300側とは反対側)を向く面には偏光板106が貼り付けられている。
【0048】
CF基板200では、ガラス基板201上にブラックマトリクス及び着色部(例えば、赤色部、緑色部、青色部)が形成され、これらを覆うようにオーバコート層(不図示)が形成されている。オーバコート層上には配向膜205が形成されている。ガラス基板201のうちの表示面側(液晶層300側とは反対側)を向く面には偏光板206が貼り付けられている。画素を構成する各部の積層構造は、周知の構成を適用することができる。
【0049】
シール材60は、画像を表示する表示領域の周囲を囲うように枠状に形成されている。シール材60は、例えば光硬化性の樹脂材料から成り、光(例えば紫外線)を照射することによって硬化する。TFT基板100及びCF基板200の間にシール材60を介在させてシール材60を硬化させることにより、TFT基板100及びCF基板200を貼り合わせて固定することができる。シール材60の内側のTFT基板100及びCF基板200の間には液晶材料が注入されて封止される。なお、シール材60の内側に液晶を注入するための開口部が、シール材60に設けられていてもよい。後述する
図16に示すように、シール材60は、曲げ方向となる第1方向に直交する第2方向に延在する第1シール部61及び第3シール部63と、第1方向に平行な方向に延在する第2シール部62及び第4シール部64とを含んで、枠状に形成されている。
【0050】
液晶層300には、液晶材料が封入されている。液晶材料は、誘電率異方性が負のネガ型液晶であってもよいし、誘電率異方性が正のポジ型液晶であってもよい。配向膜105,205は、ラビング配向処理が施された配向膜であってもよいし、光配向処理が施された光配向膜であってもよい。
【0051】
上記の曲面ディスプレイ1は、TFT基板100及びCF基板200に略平行な電界を液晶層300に印加する横電界方式の構成を有している。曲面ディスプレイ1は、例えば、IPS(In Plane Switching)方式の構成を有している。
【0052】
図12に示す曲面ディスプレイ1では、第1方向において両端に位置する部分よりも、第1方向において中央に位置する部分が、表示面側に凸状になるように湾曲している。ただし、このような例に限定されず、曲面ディスプレイ1では、第1方向において両端に位置する部分よりも、第1方向において中央に位置する部分が、背面側に凸状になるように湾曲していてもよい。
【0053】
なお、第1〜第6の実施形態に関する曲面ディスプレイ1は、テレビ、スマートフォン等の電子機器以外にも、医療用デバイス、車載デバイスなど様々な電子機器に適用可能である。以下で、第1〜第6の実施形態に関する曲面ディスプレイ1を車載デバイスとして用いられる場合について、詳しく説明することにする。
【0054】
図13は、曲面ディスプレイ1が組み込まれた車載デバイスを、車両2001に搭載した例を示す概略図である。
図13に示すように、本発明に関する車載デバイスとしては、車両2001内外の情報を投影可能な電子ミラー装置2005や、センターインフォメイションディスプレイ(以下、CID(Center Information Display))2007や、クラスタ部2008などに適用可能である。これらの車載デバイスは、運転者の安全運転を支援するのに効果的である。なお、電子ミラー装置2005は取付部2006を介して車室内2002に組み込まれている。また、本発明に関する車載デバイスとしては、助手席者用ディスプレイ2009や、後部座席者用ディスプレイ2010などにも適用可能である。これらの車載デバイスは、運転者以外の人が運転者の安全運転を支援するのに効果的である。また、本発明に関する車載デバイスとしては、フロントガラスとサイドガラスの間に位置するピラー部に配置される広視野確保ディスプレイ2011にも適用可能である。ピラー部においては、運転者にとって死角が発生する可能性がある。ピラー部に、死角に相当する車外情報を映すことができれば、運転者の安全運転を支援することができる。そこで、ピラー部に車外の情報を映すことが可能な広視野角確保ディスプレイ2011を配置することが好ましい。なお、これらは一例であって、車載デバイスは、車両2001に搭載されて映像を表示する装置である限り、その適用対象は特に限定されない。
【0055】
図14は、車載デバイス500が、CID2007として用いられる例を示している。なお、
図14は、車載デバイス500の正面図である。
図14に示すように、車載デバイス500は、本体部品501と、本体部品501に保持された曲面ディスプレイ1と、を有している。車載デバイス500は、第1方向における中央側が両端側より表示面側に突出するように湾曲して形成されている。
【0056】
本体部品501は、曲面ディスプレイ1を車両2001に取り付けるための部品であり、ハウジングや筐体とも呼ばれ得る。本体部品501は、曲面ディスプレイ1の周縁に配置された枠体510を有し、枠体510に囲まれた開口503から、曲面ディスプレイ1の映像を表示する表示面S1が露出している。
図14に示すように、本体部品501の枠体510は、第1方向(曲げ方向)に対向して配置された(第2方向に延在する)第1枠縁部分511及び第3枠縁部分513と、第1方向に直交する第2方向に対向して配置された(第1方向に延在する)第2枠縁部分512及び第4枠縁部分514と、を含んでいる。
【0057】
図15は、車載デバイス500の側面図である。
図15に示すように、第2枠縁部分512は、曲面ディスプレイ1と同じ方向に向かって突出するように第1方向に湾曲した第1曲げ領域512aを含んでいる。
図15に示す例では、曲面ディスプレイ1は、第1方向において中央に位置する部分が背面側から表示面側に向かって凸状になるように湾曲しているため、第1曲げ領域512aも、第1方向において中央に位置する部分が背面側から表示面側に向かって凸状になるように湾曲している。このような形態によれば、曲面ディスプレイ1の周縁に配置された枠体510の少なくとも一部が曲面ディスプレイ1に沿って湾曲するため、曲面ディスプレイ1と枠体510との境界から、異物やゴミが侵入するおそれを低減することができる。
【0058】
図15から理解されるように、第1方向(第1方向)において第1シール部61と第3シール部63との間となる領域に、第1曲げ領域512aが位置している。
【0059】
また、第2枠縁部分512は、第1曲げ領域512aよりも第1シール部61寄りに配置された第2曲げ領域512bを有している。第2曲げ領域512bは、第1曲げ領域512aと反対方向に向かって突出するように湾曲している。すなわち、第2曲げ領域512bは、第1方向において中央に位置する部分が表示面側から背面側に向かって凸状になるように湾曲している。
【0060】
図16は、曲面ディスプレイ1中のシール材60と枠体510の平面図である。
図17は、
図16のD−Dの線で切断した断面図を示す。
図16及び
図17に示すように、第1枠縁部分511は、曲面ディスプレイ1の周縁で第1シール部61に対応、より詳細には沿って位置し、第2枠縁部分512は、曲面ディスプレイ1の周縁で第2シール部62に対応、より詳細には沿って位置し、第3枠縁部分513は、曲面ディスプレイ1の周縁で第3シール部63に対応、より詳細には沿って位置し、第4枠縁部分514は、曲面ディスプレイ1の周縁で第4シール部64に対応、より詳細には沿って位置している。その上、第1枠縁部分511、第2枠縁部分512、第3枠縁部分513、第4枠縁部分514は、それぞれ、平面視で曲面ディスプレイ1の周縁領域の一部を覆っている。とりわけ、第1枠縁部分511は、平面視で第1シール部61と重なっており、第2枠縁部分512は、平面視で第2シール部62と重なっており、第3枠縁部分513は、平面視で第3シール部63と重なっており、第4枠縁部分514は、平面視で第4シール部64と重なっている。各枠縁部分511〜514が平面視で対応するシール部61〜64と重なることにより、曲面ディスプレイ1の4隅から生じ得る光漏れを目立たなくさせることができる。
【0061】
図16に示す例では、第1枠縁部分511は、平面視で第1シール部61を越えて曲面ディスプレイ1の中央側にはみ出しており、第2枠縁部分512は、平面視で第2シール部62を越えて曲面ディスプレイ1の中央側にはみ出している。そして、平面視で第2枠縁部分512が第2シール部62からはみ出た長さL2は、平面視で第1枠縁部分511が第1シール部61からはみ出た長さL1とほぼ等しい。
【0062】
図17には、曲面ディスプレイ1の層構成が示されている。
図17に示すように、曲面ディスプレイ1は、曲面状に成形された前面板400を有しており、前面板400に接着剤450を介して表示パネル2が接着されている。このような構成によれば、表示パネル2を湾曲した状態で前面板400に保持させることができる。
【0063】
図18は、
図17の変形例を示しており、枠体510における第2枠縁部分512が無い場合を示している。
図18に示す例では、本体部品501の枠体510は、曲面ディスプレイ1の周縁で第1シール部61に沿って位置する第1枠縁部分511と、曲面ディスプレイ1の周縁で第3シール部63に沿って位置する第3枠縁部分513と、を含み、第1枠縁部分511は、平面視で第1シール部61と重なり、第3枠縁部分513は、平面視で第3シール部63と重なっている。
【0064】
図19は、
図17に対応する断面において、第1曲げ領域512aの配置の変形例を示している。
図19に示す例では、第2枠縁部分512は、第1曲げ領域512aと、第1曲げ領域512aよりも第1シール部61から離間した領域に配置された平坦領域512cと、を有している。第1曲げ領域512aは、曲面ディスプレイ1の中心X1よりも第1シール部61寄りに位置している。より詳細には、第1曲げ領域512aは、第1シール部61から曲面ディスプレイ1の中心X1までの距離の半分よりも小さい距離だけ第1シール部61から離れて位置している。なお、
図19に示す例においても、
図15に示す例のように、第2枠縁部分512が第2曲げ領域512bをさらに有し、第2曲げ領域512bが、第1曲げ領域512aよりもディスプレイ側から離れた位置に配置されていても構わない。
【0065】
図20は、曲面ディスプレイ1の他の適用例を示すブロック図であり、
図21は、曲面ディスプレイ1のさらに別の適用例を示すブロック図である。本適用例に係る車載デバイス1000としては、
図20、
図21に示すように、本発明に関する曲面ディスプレイ1001と、車の外側に関する情報又は車の内側に関する情報1006を第1の信号1004として受信するユニット1002と、第1の信号1004を第2の信号1005に変換するユニット1003とを有し、ユニット1003は、第2の信号1005を曲面ディスプレイ1001に送信することができる構成とする。なお、少なくとも、車載デバイス1000は、本発明に関する曲面ディスプレイ1001と、車の外側に関する情報又は車の内側に関する情報1006に関する第2の信号1005を曲面ディスプレイ1001に送信するユニット1003を有すればよい。つまり、より具体的には、曲面ディスプレイ1と、車の外側に関する情報又は車の内側に関する情報1006としての第1の信号1004を第2の信号1005に変換するユニット1003を有し、ユニット1003は、第2の信号1005を曲面ディスプレイ1に送信することができ、曲面ディスプレイ1は、第1方向における中央側が両端側より表示面側または背面側に突出するように湾曲して形成されている曲面状の表示パネル2と、表示パネル2の背面側に配置され、表示パネル2と同じ方向に向かって突出するように湾曲した形状を有する導光板3と、表示パネル2と3導光板との間で表示パネル2を背面側から支持する支持枠4aをもつ保持フレーム4と、導光板3の背面側に配置された背面板5aをもつ下フレーム5と、支持枠4aと背面板5aとの間に配置され、導光板3の両端部を保持するクッション部材7と、を備える、となる。なお、ユニット1002は、
図20に示すように、車載デバイス1000とは別の部品として構成されていても構わないし、
図21に示すように、車載デバイス1000の一部として構成されていても構わない。
【0066】
ここで、車の外側に関する情報1006とは、前後方に位置する人もしくは物に関する位置情報(自分の車両から前後方に位置する人もしくは物までの距離情報、もしくは方向情報)である。または、車の外側に関する情報とは、気温、湿度、風速、もしくは、風向きなどの自然情報である。
【0067】
ここで、車の内側に関する情報1006とは、車内に位置する人もしくは物に関する位置情報(ある位置から車内に位置する人もしくは物までの距離情報、もしくは方向情報)である。または、車の内側に関する情報とは、車内の温度、または、湿度などの自然情報である。
【0068】
ここで、ユニット1002としては、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、赤外線センサ、TOF(Time of Flight)センサ、イメージセンサ、角速度センサ、加速度センサなどの様々なセンサが適用可能である。
【0069】
ここで、ユニット1003としては、アナログ情報をデジタル情報に変換可能なユニットや、デジタル情報をアナログ情報に変換可能なユニットや、デジタル情報を別のデジタル情報に変換可能なユニットや、増幅回路などが考えられる。デジタル情報を別のデジタル情報に変換する方法としては、例えば、温度に関する情報であれば、温度センサとして機能するユニット1002が温度をデジタル情報として検出した後に、曲面ディスプレイに数字として投影するためのデジタル情報に変換する方法などがある。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記実施の形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。