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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-181839(P2017-181839A)
(43)【公開日】2017年10月5日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20170908BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20170908BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20170908BHJP
【FI】
   G09G3/36
   G09G3/20 611E
   G09G3/20 621B
   G09G3/20 621A
   G09G3/20 623D
   G09G3/20 623R
   G02F1/133 525
   G02F1/133 550
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-70097(P2016-70097)
(22)【出願日】2016年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】506087819
【氏名又は名称】パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 英幸
(72)【発明者】
【氏名】大西 敏輝
(72)【発明者】
【氏名】大石 純久
【テーマコード(参考)】
2H193
5C006
5C080
【Fターム(参考)】
2H193ZA04
2H193ZB02
2H193ZB03
2H193ZB16
2H193ZC04
2H193ZC07
2H193ZC13
2H193ZC16
2H193ZC25
5C006AA22
5C006AC26
5C006AC27
5C006AC28
5C006AF42
5C006AF43
5C006AF44
5C006AF46
5C006AF51
5C006AF71
5C006BB16
5C006BC03
5C006BC11
5C006BC16
5C006BF24
5C006FA23
5C006FA34
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD06
5C080EE30
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ04
(57)【要約】
【課題】位相反転駆動を行う液晶表示装置において、焼き付きの発生を防止しつつ、表示品位の低下を抑える。
【解決手段】液晶表示装置は、フレーム反転駆動を行いつつ位相反転駆動を行う液晶表示装置であって、データ線にデータ電圧を出力するソースドライバと、前記データ電圧が印加される画素電極と、前記画素電極に対向配置され、共通電圧が印加される共通電極と、を含み、前記データ電圧の極性の位相が反転した直後の第1フレームにおいて、ソースドライバは、水平走査期間のうち初めの第1期間に、入力画像データに対応する第1データ電圧より前記共通電圧に近い第2データ電圧を前記データ線に出力し、前記水平走査期間のうち前記第1期間以降の第2期間に、前記第1データ電圧を前記データ線に出力する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ線に正極性のデータ電圧と負極性のデータ電圧とを1又は複数フレーム毎に交互に出力するフレーム反転駆動を行いつつ、データ電圧の極性の位相を所定のタイミングで反転させる位相反転駆動を行う、液晶表示装置であって、
前記データ線に前記データ電圧を出力するソースドライバと、
前記データ電圧が印加される画素電極と、
前記画素電極に対向配置され、共通電圧が印加される共通電極と、
を含み、
前記位相が反転した直後の第1フレームにおいて、前記ソースドライバは、
水平走査期間のうち初めの第1期間に、入力画像データに対応する第1データ電圧より前記共通電圧に近い第2データ電圧を前記データ線に出力し、
前記水平走査期間のうち前記第1期間以降の第2期間に、前記第1データ電圧を前記データ線に出力する、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第2データ電圧は、前記共通電圧である、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記ソースドライバは、前記第1フレームにおける全ての水平走査期間において、前記第1期間に前記第2データ電圧を前記データ線に出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
さらに、隣り合う2本の前記データ線に供給する前記データ電圧の極性を互いに異ならせる列ライン反転駆動を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
さらに、前記データ線が延在する列方向に直交する行方向の行ライン毎に、前記データ線に供給する前記データ電圧の極性を異ならせる行ライン反転駆動を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
データ線に正極性のデータ電圧と負極性のデータ電圧とを1又は複数フレーム毎に交互に出力するフレーム反転駆動、及び、隣り合う2本のデータ線に供給するデータ電圧の極性を互いに異ならせる極性反転駆動を行いつつ、データ電圧の極性の位相を所定のタイミングで反転させる位相反転駆動を行う、液晶表示装置であって、
前記データ線に前記データ電圧を出力するソースドライバと、
前記データ電圧が印加される画素電極と、
前記画素電極に対向配置され、共通電圧が印加される共通電極と、
を含み、
前記位相が反転した直後の第1フレームにおいて、前記ソースドライバは、
水平走査期間のうち初めの第1期間において、第1極性のデータ電圧が供給される第1データ線と、前記第1極性とは異なる第2極性のデータ電圧が供給される第2データ線とを互いに短絡させる短絡処理を実行するとともに、前記第1データ線及び前記第2データ線に対するデータ電圧の出力動作を停止し、
前記水平走査期間のうち前記第1期間以降の第2期間において、前記第1データ線及び前記第2データ線の短絡状態を解除するとともに、入力画像データに対応するデータ電圧を前記第1データ線及び前記第2データ線に出力する、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
前記ソースドライバは、全てのフレームにおいて前記短絡処理を実行するとともに、前記第1フレームにおける前記第1期間を、他のフレームにおける前記第1期間より長くする、
ことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記ソースドライバは、全ての水平走査期間において前記短絡処理を実行する、
ことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記ソースドライバは、前記第1フレームでは前記短絡処理を実行する一方、前記第1フレーム以外のフレームでは前記短絡処理を実行しない、
ことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
n(nは1以上の整数)ドット反転駆動を行う場合において、
前記ソースドライバは、前記第1フレームでは1水平走査期間ごとに前記短絡処理を実行する一方、前記第1フレーム以外のフレームではn水平走査期間ごとに前記短絡処理を実行する、
ことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種表示装置のうち例えば液晶表示装置は、画素電極と共通電極(コモン電極ともいう。)との間に発生する電界を液晶に印加して液晶を駆動させることにより、画素電極と共通電極との間の領域を透過する光の量を調整して画像表示を行う。従来、液晶表示装置では、焼き付きを防止するためにフレーム反転駆動が行われている。フレーム反転駆動とは、例えば、画素に配置された画素電極に印加する電圧(以下、データ電圧という。)であって、画素に配置された共通電極に印加する電圧(以下、共通電圧Vcomという。)より高い電圧(正極性のデータ電圧)と、共通電圧Vcomより低い電圧(負極性のデータ電圧)とを、1又は複数フレーム毎に交互に印加する駆動をいう。
【0003】
上記フレーム反転駆動を行う液晶表示装置では、例えば、図12(a)に示すように白画像と黒画像とを交互に表示させた場合に、データ電圧が正極性側に偏り液晶に直流電圧が印加された状態になり、これにより焼き付きが発生し表示品位の低下を招くことが知られている。従来、この問題を解消する技術として、位相反転駆動が提案されている(例えば特許文献1参照)。位相反転駆動とは、画素電極に印加するデータ電圧の極性の位相を、所定のタイミングで反転させる駆動をいう(図12(b)参照)。位相反転駆動によれば、共通電圧Vcomに対するデータ電圧の正極側と負極側の偏りが、上記位相を反転させる度に逆転する。よって、液晶に直流電圧が印加される状態を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−309274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記構成では、例えば図12(c)に示すように、略一定の輝度を有する画像(例えば白画像)が表示されると、位相反転直後のフレームにおいて、表示画像の輝度が高くなり、フリッカが発生し易くなる。このように、位相反転駆動を行う液晶表示装置では、液晶に直流電圧が印加されることによる焼き付きを抑制する効果がある一方、副作用として、フリッカが発生し表示品位が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、位相反転駆動を行う液晶表示装置において、焼き付きの発生を防止しつつ、表示品位の低下を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、データ線に正極性のデータ電圧と負極性のデータ電圧とを1又は複数フレーム毎に交互に出力するフレーム反転駆動を行いつつ、データ電圧の極性の位相を所定のタイミングで反転させる位相反転駆動を行う、液晶表示装置であって、前記データ線にデータ電圧を出力するソースドライバと、前記データ電圧が印加される画素電極と、前記画素電極に対向配置され、共通電圧が印加される共通電極と、を含み、前記位相が反転した直後の第1フレームにおいて、前記ソースドライバは、水平走査期間のうち初めの第1期間に、入力画像データに対応する第1データ電圧より前記共通電圧に近い第2データ電圧を前記データ線に出力し、前記水平走査期間のうち前記第1期間以降の第2期間に、前記第1データ電圧を前記データ線に出力する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る液晶表示装置では、前記第2データ電圧は、前記共通電圧であってもよい。
【0009】
本発明に係る液晶表示装置では、前記ソースドライバは、前記第1フレームにおける全ての水平走査期間において、前記第1期間に前記第2データ電圧を前記データ線に出力してもよい。
【0010】
本発明に係る液晶表示装置では、さらに、隣り合う2本の前記データ線に供給する前記データ電圧の極性を互いに異ならせる列ライン反転駆動を行ってもよい。
【0011】
本発明に係る液晶表示装置では、さらに、前記データ線が延在する列方向に直交する行方向の行ライン毎に、前記データ線に供給する前記データ電圧の極性を異ならせる行ライン反転駆動を行ってもよい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、データ線に正極性のデータ電圧と負極性のデータ電圧とを1又は複数フレーム毎に交互に出力するフレーム反転駆動、及び、隣り合う2本のデータ線に供給するデータ電圧の極性を互いに異ならせる極性反転駆動を行いつつ、データ電圧の極性の位相を所定のタイミングで反転させる位相反転駆動を行う、液晶表示装置であって、前記データ線に前記データ電圧を出力するソースドライバと、前記データ電圧が印加される画素電極と、前記画素電極に対向配置され、共通電圧が印加される共通電極と、を含み、前記位相が反転した直後の第1フレームにおいて、前記ソースドライバは、水平走査期間のうち初めの第1期間において、第1極性のデータ電圧が供給される第1データ線と、前記第1極性とは異なる第2極性のデータ電圧が供給される第2データ線とを互いに短絡させる短絡処理を実行するとともに、前記第1データ線及び前記第2データ線に対するデータ電圧の出力動作を停止し、前記水平走査期間のうち前記第1期間以降の第2期間において、前記第1データ線及び前記第2データ線の短絡状態を解除するとともに、入力画像データに対応するデータ電圧を前記第1データ線及び前記第2データ線に出力する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る液晶表示装置では、前記ソースドライバは、全てのフレームにおいて前記短絡処理を実行するとともに、前記第1フレームにおける前記第1期間を、他のフレームにおける前記第1期間より長くしてもよい。
【0014】
本発明に係る液晶表示装置では、前記ソースドライバは、全ての水平走査期間において前記短絡処理を実行してもよい。
【0015】
本発明に係る液晶表示装置では、前記ソースドライバは、前記第1フレームでは前記短絡処理を実行する一方、前記第1フレーム以外のフレームでは前記短絡処理を実行しない構成であってもよい。
【0016】
本発明に係る液晶表示装置では、n(nは1以上の整数)ドット反転駆動を行う場合において、前記ソースドライバは、前記第1フレームでは1水平走査期間ごとに前記短絡処理を実行する一方、前記第1フレーム以外のフレームではn水平走査期間ごとに前記短絡処理を実行する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る液晶表示装置の構成によれば、位相反転駆動を行う液晶表示装置において、焼き付きの発生を防止しつつ、表示品位の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す平面図である。
図2】列ライン反転駆動を説明するための図である。
図3】行ライン反転駆動を説明するための図である。
図4】実施例1及び2に係る液晶表示装置における制御部の概略構成を示すブロック図である。
図5】実施例1に係る液晶表示装置の動作を説明するための図である。
図6】実施例1に係る液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
図7】実施例2に係る液晶表示装置の動作を説明するための図である。
図8】実施例2に係る液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
図9】実施例3に係る液晶表示装置における制御部の概略構成を示すブロック図である。
図10】実施例3に係るソースドライバ及びデータ線の構成を示す図である。
図11】実施例3に係る液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
図12】従来の駆動方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す平面図である。液晶表示装置100は、表示パネル10と、ソースドライバ20と、ゲートドライバ30と、制御部40と、バックライト装置(図示せず)とを含んでいる。
【0020】
表示パネル10には、第1方向(例えば列方向)に延在する複数のデータ線11と、第2方向(例えば行方向)に延在する複数のゲート線12とが設けられている。各データ線11と各ゲート線12との各交差部には、薄膜トランジスタ13(TFT)が設けられている。各データ線11はソースドライバ20に接続されており、各ゲート線12はゲートドライバ30に接続されている。また表示パネル10には、各データ線11と各ゲート線12との各交差部に対応して、複数の画素14がマトリクス状(行方向及び列方向)に配置されている。なお、図示はしないが、表示パネル10は、薄膜トランジスタ基板(TFT基板)と、カラーフィルタ基板(CF基板)と、両基板間に挟持された液晶層とを含んでいる。TFT基板には、各画素14に1つずつ配置された複数の画素電極15と、各画素14に共通して配置され、画素電極15に対向配置された共通電極16とが設けられている。なお、共通電極16はCF基板に設けられてもよい。
【0021】
各データ線11には、ソースドライバ20からデータ信号(データ電圧Dv)が供給され、各ゲート線12には、ゲートドライバ30からゲート信号(ゲート電圧Gv)が供給される。共通電極16には、図示しないコモンドライバから共通電圧Vcomが供給される。ゲート信号のオン電圧がゲート線12に供給されると、ゲート線12に接続されたTFT13がオンし、TFT13に接続されたデータ線11を介して、データ電圧Dvが画素電極15に印加される。画素電極15に印加されたデータ電圧Dvと、共通電極16に印加された共通電圧Vcomとの差により電界が生じる。この電界により液晶を駆動してバックライトの光の透過率を制御することによって画像表示を行う。なお、カラー表示を行う場合は、縦ストライプ状のカラーフィルタで形成された赤色、緑色、青色に対応するそれぞれの画素14の画素電極15に接続されたそれぞれのデータ線11に、所望のデータ電圧Dvを供給することにより実現される。
【0022】
制御部40は、画像表示用の出力画像データDAと、ソースドライバ20及びゲートドライバ30における動作タイミングを規定するための複数の制御信号とを生成する。具体的には、制御部40は、外部のシステム(図示せず)から供給されるタイミング信号(クロック信号CK、垂直同期信号Vsyn、水平同期信号Hsyn)に基づいて、極性制御信号POL、データスタートパルスDSP、データクロックDCK、ゲートスタートパルスGSP、ゲートクロックGCKを含む複数の制御信号を生成する。制御部40は、生成した複数の制御信号をソースドライバ20及びゲートドライバ30に供給し、ソースドライバ20及びゲートドライバ30の駆動を制御する。具体的には、制御部40は、極性制御信号POL、データスタートパルスDSP、データクロックDCK、出力画像データDAをソースドライバ20に供給する。また、制御部40は、ゲートスタートパルスGSP、ゲートクロックGCKをゲートドライバ30に供給する。
【0023】
極性制御信号POLは、ソースドライバ20からデータ線11に供給されるデータ電圧Dvの極性を決定するための制御信号である。極性制御信号POLは、1フレーム(あるいは複数フレーム)又は1ライン(あるいは複数ライン)ごとにハイレベルとローレベルとが切り替わる信号である。例えば、極性制御信号POLがハイレベルのときは、ソースドライバ20は、出力画像データDAに基づき、共通電圧Vcomより高い電圧(正極性のデータ電圧Dv)をデータ線11に出力する。一方、極性制御信号POLがローレベルのときは、ソースドライバ20は、出力画像データDAに基づき、共通電圧Vcomより低い電圧(負極性のデータ電圧Dv)をデータ線11に出力する。このようにソースドライバ20は、データ線11に対して、出力画像データDAに応じたデータ電圧Dvを、極性制御信号POLに基づいて所定の周期で極性を切り替えて出力する。これにより、液晶表示装置100は、フレーム反転駆動を行いつつ、列ライン反転駆動(カラム反転駆動ともいう。)、行ライン反転駆動(ライン反転駆動ともいう。)又はドット反転駆動により画像表示を行う。
【0024】
図2は、列ライン反転駆動を説明するための図である。図2では、画素電極15に印加されるデータ電圧Dvの極性を示している。列ライン反転駆動とは、共通電圧Vcomを固定しつつ、隣り合う2本のデータ線11(データ線SL1〜SL6,…)に供給するデータ電圧Dvの極性を互いに異ならせる駆動方法をいう。図2では、列ライン反転駆動を行いつつ、1フレーム毎にデータ電圧Dvの極性を反転させるフレーム反転駆動を行う場合を示している。
【0025】
図3は、行ライン反転駆動を説明するための図である。図3では、画素電極15に印加されるデータ電圧Dvの極性を示している。行ライン反転駆動とは、共通電圧Vcomを固定しつつ、行ライン毎にデータ線11(データ線SL1〜SL6,…)に供給するデータ電圧Dvの極性を異ならせる駆動方法をいう。すなわち、行ライン反転駆動では、同一水平走査期間において、同一極性のデータ電圧Dvがデータ線11に供給される。図3では、行ライン反転駆動を行いつつ、1フレーム毎にデータ電圧Dvの極性を反転させるフレーム反転駆動を行う場合を示している。
【0026】
ドット反転駆動は、図示はしないが、共通電圧Vcomを固定しつつ、隣り合う1又は複数本毎にデータ線11(データ線SL1〜SL6,…)に供給するデータ電圧Dvの極性を互いに異ならせるとともに、隣り合う1又は複数行毎にデータ線11(データ線SL1〜SL6,…)に供給するデータ電圧Dvの極性を互いに異ならせる駆動方法をいう。すなわち、ドット反転駆動には、隣り合う1画素毎に極性が異なる1ドット反転駆動、及び、隣り合うn(nは2以上の整数)画素毎に極性が異なるnドット反転駆動が含まれる。
【0027】
図4は、制御部40の概略構成を示すブロック図である。制御部40は、制御信号生成部41と、位相反転信号生成部42と、タイミング制御部43と、補正電圧生成部44と、画像データ処理部45と、セレクタ46とを含んでいる。
【0028】
制御信号生成部41は、システムから供給されたタイミング信号(クロック信号CK、垂直同期信号Vsyn、水平同期信号Hsyn)に基づいて、極性制御信号POL、データスタートパルスDSP、データクロックDCK、ゲートスタートパルスGSP、ゲートクロックGCKを含む制御信号を生成する。制御信号生成部41は、極性制御信号POL、データスタートパルスDSP、データクロックDCKをソースドライバ20に出力し、ゲートスタートパルスGSP、ゲートクロックGCKをゲートドライバ30に出力する。また、制御信号生成部41は、上記制御信号を位相反転信号生成部42及びタイミング制御部43に出力する。
【0029】
位相反転信号生成部42は、データ電圧Dvの極性の位相を、1又は複数フレーム毎に反転させるための位相反転信号PRを生成し、タイミング制御部43に出力する。位相反転信号PRは、例えば、ハイレベル及びローレベルの電圧レベルを有する信号である。
【0030】
タイミング制御部43は、制御信号生成部41から受信した制御信号に基づいて、セレクタ46に選択信号SSを出力する。また、タイミング制御部43は、上記制御信号に基づいて、位相反転信号生成部42から受信した位相反転信号PRをソースドライバ20に出力する。
【0031】
補正電圧生成部44は、入力画像データDataに対応するデータ電圧よりも共通電圧Vcomに近いデータ電圧(補正電圧)を生成し、セレクタ46に出力する。以下では、補正電圧生成部44は、補正電圧として共通電圧Vcomを生成する場合を例に挙げて説明する。なお、補正電圧生成部44により生成される共通電圧Vcomは、共通電極16に印加される共通電圧Vcomと同一の電圧レベルを有する。
【0032】
画像データ処理部45は、システムから供給される映像信号(入力画像データData)に周知の画像処理を施して出力画像データDAを生成し、セレクタ46に出力する。
【0033】
セレクタ46は、タイミング制御部43から受信した選択信号SSに基づいて、補正電圧生成部44から受信した共通電圧Vcom、又は、画像データ処理部45から受信した出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。
【0034】
ソースドライバ20は、制御部40から出力画像データDAを受信すると、データスタートパルスDSP及びデータクロックDCK等の制御信号に基づいて、出力画像データDAに応じたデータ電圧Dvをデータ線11に出力する。また、ソースドライバ20は、極性制御信号POLに基づいてデータ電圧Dvの極性を切り替える。さらに、ソースドライバ20は、位相反転信号PRに基づいてデータ電圧Dvの極性の位相を反転させる。例えば、ソースドライバ20は、位相反転信号PRの電圧レベルがローレベルからハイレベルに変化したタイミングでデータ電圧Dvの極性の位相を反転させ、位相反転信号PRの電圧レベルがハイレベルからローレベルに変化したタイミングでデータ電圧Dvの極性の位相を反転させる。データ電圧Dvの位相を反転させる周期は限定されず、例えば6フレーム毎に反転させてもよい。
【0035】
ゲートドライバ30は、制御部40から出力された、ゲートスタートパルスGSP及びゲートクロックGCKに基づいて、ゲート線12にゲート電圧Gvを出力する。
【0036】
本実施形態に係る液晶表示装置100は、上記構成を備えることにより、データ電圧Dvの極性の位相を反転した後に生じ得る、フリッカの原因となる輝度上昇を抑える効果を奏する。以下、具体的な構成について説明する。
【0037】
先ず、実施例1に係る液晶表示装置100の動作について説明する。図5は、実施例1に係る液晶表示装置100の動作を説明するための図である。図6は、実施例1に係る液晶表示装置100の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、一例として、図5に示すように、列ライン反転駆動及び1フレーム反転駆動を行いつつ、連続する第(N−1)フレームと第Nフレームとの切り替わりのタイミングでデータ電圧Dvの極性の位相を反転させたときの構成を例に挙げて説明する。尚、図6では、図5に示す画素A,B,Cに着目したタイミングチャートを示している。
【0038】
図6において、N−1,N,N+1は、この順に時間的に連続する3つのフレームを示している。図6に示す各フレームの横幅が1垂直走査期間に相当する。L−1,L,L+1は、行ライン番号を示し、ここでは、2ライン目〜4ライン目(図5参照)を例に挙げている。図6に示す各ラインの横幅が1水平走査期間(1H)に相当する。データ電圧Dv3は、ソースドライバ20からデータ線SL3に出力されるデータ信号の電圧レベルの変化を示している。ここでは、各フレームにおいて白画像を表示する場合のデータ電圧を例に挙げている。ゲート電圧Gv2,Gv3,Gv4は、ゲート線GL2,GL3,GL4に出力されるゲート信号の電圧レベルの変化を示している。画素A,B,Cの各電位は、画素A,B,Cにデータ電圧Dv3が印加されたときの画素A,B,Cにおける各電位の時間的な変化を示している。
【0039】
第(N−1)フレームでは、各水平走査期間に、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、各水平走査期間に、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素A,B,Cに、それぞれ、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。その後、第(N−1)フレームが終了し、第Nフレームが開始されるタイミングで、位相反転信号PRがハイレベルからローレベルに変化すると、データ電圧Dv3の極性の位相が反転する。
【0040】
第Nフレームの第(L−1)ラインでは、第(L−1)ラインに対応する第1水平走査期間(1H)のうち初めの所定期間は、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、補正電圧生成部44から出力される共通電圧Vcomを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第1水平走査期間のうち上記所定期間に、データ電圧Dv3として共通電圧Vcomをデータ線SL3に出力する。これにより、画素Aに共通電圧Vcomが印加され画素Aの電位が共通電圧Vcomに近づき、画素Aの表示輝度が、白画像に対応する輝度から低下する。上記所定期間が終了すると、セレクタ46は、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第1水平走査期間のうち上記所定期間以降は、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素Aに、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。画素Aの表示輝度は、白画像に対応する輝度まで上昇する。
【0041】
第Nフレームの第Lラインでは、第Lラインに対応する第2水平走査期間(1H)のうち初めの所定期間に、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、補正電圧生成部44から出力される共通電圧Vcomを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第2水平走査期間のうち上記所定期間は、データ電圧Dv3として共通電圧Vcomをデータ線SL3に出力する。これにより、画素Bに共通電圧Vcomが印加され画素Bの電位が共通電圧Vcomに近づき、画素Bの表示輝度が、白画像に対応する輝度から低下する。上記所定期間が終了すると、セレクタ46は、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第2水平走査期間のうち上記所定期間以降は、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素Bに、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。画素Bの表示輝度は、白画像に対応する輝度まで上昇する。
【0042】
第Nフレームの第(L+1)ラインでは、第(L+1)ラインに対応する第3水平走査期間(1H)において、上記第(L−1)ライン及び上記Lラインに対応する上記処理と同一の処理を行う。これにより、第3水平走査期間のうち初めの所定期間は、画素Cに共通電圧Vcomが印加され画素Cの電位が共通電圧Vcomに近づき、画素Cの表示輝度が、白画像に対応する輝度から低下する。また、第3水平走査期間のうち上記所定期間以降は、画素Cに、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。画素Cの表示輝度は、白画像に対応する輝度まで上昇する。
【0043】
第(N+1)フレームでは、各水平走査期間に、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、各水平走査期間に、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素A,B,Cに、それぞれ、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。第(N+1)フレーム以降は、位相反転信号PRの電圧レベルがローレベルからハイレベルに変化するまで、第(N−1)フレームにおける上記処理と、第(N+1)フレームにおける上記処理とが交互に繰り返される。位相反転信号PRがローレベルからハイレベルに変化すると、その直後のフレームでは、第Nフレームの上記処理が実行される。尚、上記処理では、位相反転する直前の第(N−1)フレームにおいて正極性のデータ電圧Dvを出力しているため、第Nフレームにおいて、正極性のデータ電圧Dvを出力しているが、例えば、位相反転する直前の第(N−1)フレームにおいて負極性のデータ電圧Dvを出力する場合は、第Nフレームにおいて負極性のデータ電圧Dvを出力する。
【0044】
上記のように、実施例1に係る液晶表示装置100では、位相反転した直後のフレームでは、各水平走査期間において、水平走査期間の開始時から所定期間は共通電圧Vcomを出力し、該所定期間以降は入力画像データDataに対応するデータ電圧Dvを出力する。これにより、列ライン反転駆動の液晶表示装置において、データ電圧Dvの極性の位相を反転した後に生じ得る、フリッカの原因となる輝度上昇(図12(c)参照)を抑えることができる。よって、残像の発生を防止しつつ、表示品位の低下を抑えることができる。
【0045】
次に、実施例2に係る液晶表示装置100の動作について説明する。図7は、実施例2に係る液晶表示装置100の動作を説明するための図である。図8は、実施例2に係る液晶表示装置100の動作を示すタイミングチャートである。ここでは、一例として、図7に示すように、行ライン反転駆動及び1フレーム反転駆動を行いつつ、連続する第(N−1)フレームと第Nフレームとの切り替わりのタイミングでデータ電圧Dvの極性の位相を反転させたときの構成を例に挙げて説明する。尚、図8では、図7に示す画素A,B,Cに着目したタイミングチャートを示している。以下では、実施例1の説明と重複する説明は省略する。
【0046】
第(N−1)フレームの第(L−1)ラインでは、第(L−1)ラインに対応する第1水平走査期間(1H)に、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第1水平走査期間に、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素Aに、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。
【0047】
第(N−1)フレームの第Lラインでは、第Lラインに対応する第2水平走査期間(1H)に、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第2水平走査期間に、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素Bに、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。以降の各ラインに対応する各水平走査期間では、上記第1水平走査期間の処理と、上記第2水平走査期間の処理とが交互に繰り返される。その後、第(N−1)フレームが終了し、第Nフレームが開始されるタイミングで、位相反転信号PRがハイレベルからローレベルに変化すると、データ電圧Dv3の極性の位相が反転する。
【0048】
第Nフレームの第(L−1)ラインでは、第(L−1)ラインに対応する第1水平走査期間(1H)のうち初めの所定期間は、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、補正電圧生成部44から出力される共通電圧Vcomを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第1水平走査期間のうち上記所定期間に、データ電圧Dv3として共通電圧Vcomをデータ線SL3に出力する。これにより、画素Aに共通電圧Vcomが印加され画素Aの電位が共通電圧Vcomに近づき、画素Aの表示輝度が、白画像に対応する輝度から低下する。上記所定期間が終了すると、セレクタ46は、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第1水平走査期間のうち上記所定期間以降は、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素Aに、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。画素Aの表示輝度は、白画像に対応する輝度まで上昇する。
【0049】
第Nフレームの第Lラインでは、第Lラインに対応する第2水平走査期間(1H)のうち初めの所定期間は、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、補正電圧生成部44から出力される共通電圧Vcomを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第2水平走査期間のうち上記所定期間は、データ電圧Dv3として共通電圧Vcomをデータ線SL3に出力する。これにより、画素Bに共通電圧Vcomが印加され画素Bの電位が共通電圧Vcomに近づき、画素Bの表示輝度が、白画像に対応する輝度から低下する。上記所定期間が終了すると、セレクタ46は、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第2水平走査期間のうち上記所定期間以降は、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素Bに、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。画素Bの表示輝度は、白画像に対応する輝度まで上昇する。
【0050】
第Nフレームの第(L+1)ラインでは、第(L+1)ラインに対応する第3水平走査期間(1H)において、上記第(L−1)ラインに対応する上記処理と同一の処理を行う。これにより、第3水平走査期間が開始してから所定期間は、画素Cに共通電圧Vcomが印加され画素Cの電位が共通電圧Vcomに近づき、画素Cの表示輝度が、白画像に対応する輝度から低下する。また、第3水平走査期間のうち上記所定期間以降は、画素Cに、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。画素Cの表示輝度は、白画像に対応する輝度まで上昇する。
【0051】
第(N+1)フレームの第(L−1)ラインでは、第(L−1)ラインに対応する第1水平走査期間(1H)に、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第1水平走査期間に、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素Aに、正極性の電圧レベル(+Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。
【0052】
第(N+1)フレームの第Lラインでは、第Lラインに対応する第2水平走査期間(1H)に、制御部40のセレクタ46が、タイミング制御部43の選択信号SSに基づいて、画像データ処理部45から出力される出力画像データDAを選択し、ソースドライバ20に出力する。ソースドライバ20は、第2水平走査期間に、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3をデータ線SL3に出力する。これにより、画素Bに、負極性の電圧レベル(−Vh)を有するデータ電圧Dv3が印加され、白画像が表示される。以降の各ラインに対応する各水平走査期間では、上記第1水平走査期間の処理と、上記第2水平走査期間の処理とが交互に実行される。
【0053】
第(N+1)フレーム以降は、位相反転信号PRの電圧レベルがローレベルからハイレベルに変化するまで、第(N−1)フレームにおける上記処理と、第(N+1)フレームにおける上記処理とが交互に繰り返される。位相反転信号PRがローレベルからハイレベルに変化すると、その直後のフレームでは、第Nフレームの上記処理が実行される。
【0054】
上記構成によれば、行ライン反転駆動の液晶表示装置において、データ電圧Dvの極性の位相を反転した後に生じ得る、フリッカの原因となる輝度上昇(図12(c)参照)を抑えることができる。
【0055】
上記実施例1,2では、補正電圧生成部44は、補正電圧として共通電圧Vcomを生成しているが、補正電圧は共通電圧Vcomに限定されず、補正電圧生成部44は、補正電圧として、入力画像データDataに対応する第1データ電圧よりも共通電圧Vcomに近い第2データ電圧を生成してもよい。尚、第2データ電圧は、これに対応する表示輝度が、第1データ電圧に対応する表示輝度より低くなる電圧レベルを有する。
【0056】
また上記実施例1,2において、制御部40は、入力画像データDataに応じて補正電圧をソースドライバ20に出力してもよい。例えば、制御部40は、位相反転前後の第(N−1)フレームと第Nフレーム間の画像を比較して、両者が同一(例えば静止画像)である場合は、第Nフレームにおいて上記補正電圧をソースドライバ20に出力し、両者が同一でない(例えば動画像)場合は、第Nフレームにおいて出力画像データDAをソースドライバ20に出力してもよい。また、制御部40は、第Nフレームが示す画像のうち、所定の領域(例えば静止画像領域)に対応して上記補正電圧を出力し、他の領域(例えば動画像領域)に対応して出力画像データDAを出力してもよい。
【0057】
尚、実施例2に係る液晶表示装置100は、行ライン反転駆動(図7参照)を行ってもよいし、ドット反転駆動を行ってもよい。
【0058】
次に、実施例3に係る液晶表示装置100の動作について説明する。図9は、実施例3に係る液晶表示装置100における制御部40の概略構成を示すブロック図である。以下では、実施例1に係る構成(図4参照)と同一の構成については説明を省略する。図10は、ソースドライバ20及びデータ線11の構成を示す図である。尚、図10では、列ライン反転駆動及び1フレーム反転駆動を行いつつ、連続する第(N−1)フレームと第Nフレームとの切り替わりのタイミングでデータ電圧Dvの極性の位相を反転させた場合を示している。
【0059】
図10に示すように、実施例3に係る液晶表示装置100は、複数の短絡トランジスタ51と、複数の接続トランジスタ52と、インバータ53と、短絡制御線54とを含んでいる。
【0060】
各短絡トランジスタ51は、一方の導通電極(ドレイン電極)が、極性が異なるデータ電圧Dvが供給される2本のデータ線11の一方に電気的に接続され、他方の導通電極(ソース電極)が、上記2本のデータ線11の他方に電気的に接続され、制御電極(ゲート電極)が短絡制御線54に電気的に接続されている。図10に示す例では、複数の短絡トランジスタ51は、データ線SL1,SL2を互いに接続し、データ線SL3,SL4を互いに接続し、データ線SL5,SL6を互いに接続するように設けられている。
【0061】
各接続トランジスタ52は、一方の導通電極(ドレイン電極)が、ソースドライバ20の出力端子に電気的に接続され、他方の導通電極(ソース電極)が、データ線11に電気的に接続され、制御電極(ゲート電極)がインバータ53を介して短絡制御線54に電気的に接続されている。短絡制御線54には、制御部40から、短絡トランジスタ51及び接続トランジスタ52をオン又はオフする短絡信号CSが供給される。
【0062】
上記構成によれば、例えば短絡信号CSがハイレベルのときは、各短絡トランジスタ51がオン状態になり、各接続トランジスタ52がオフ状態になる。これにより、極性が異なるデータ電圧Dvが供給される2本のデータ線11が短絡し、各データ線11がソースドライバ20から電気的に切り離される。
【0063】
図9に示すように、実施例2に係る制御部40では、実施例1の補正電圧生成部44及びセレクタ46(図4参照)が省略される一方、短絡信号生成部47が新たに設けられている。
【0064】
短絡信号生成部47は、短絡信号CSを生成し、ソースドライバ20に出力する。短絡信号CSは、短絡トランジスタ51及び接続トランジスタ52をオンする電圧レベル(ハイレベル)と、オフする電圧レベル(ローレベル)とを有する。短絡信号生成部47は、タイミング制御部43の制御信号に基づいて、ハイレベル又はローレベルの短絡信号CSを出力する。
【0065】
画像データ処理部45は、システムから供給される入力画像データDataに周知の画像処理を施して出力画像データDAを生成し、タイミング制御部43の制御信号に基づいて、ソースドライバ20に出力する。
【0066】
ソースドライバ20は、制御部40から出力画像データDAを受信すると、データスタートパルスDSP及びデータクロックDCK等の制御信号に基づいて、出力画像データDAに応じたデータ電圧Dvをデータ線11に出力する。また、ソースドライバ20は、極性制御信号POLに基づいてデータ電圧Dvの極性を切り替える。さらに、ソースドライバ20は、位相反転信号PRに基づいてデータ電圧Dvの極性の位相を反転させる。
【0067】
また、ソースドライバ20が短絡信号生成部47からハイレベルの短絡信号CSを受信すると、短絡トランジスタ51がオン状態になって、極性が異なるデータ電圧Dvが供給される2本のデータ線11が短絡するとともに、各データ線11がソースドライバ20から電気的に切り離されて、ソースドライバ20からデータ線11に対するデータ電圧Dvの出力が停止される(図10参照)。一方、ソースドライバ20がローレベルの短絡信号CSを受信すると、短絡トランジスタ51がオフ状態になって、2本のデータ線11が電気的に切り離されるとともに、各データ線11がソースドライバ20に電気的に接続されて、ソースドライバ20からデータ線11にデータ電圧Dvが出力される(図10参照)。
【0068】
次に、実施例3に係る液晶表示装置100の動作について説明する。図11は、実施例3に係る液晶表示装置100の動作を示すタイミングチャートである。尚、図11は、図10に示す画素A,Dに着目したタイミングチャートを示している。以下では、実施例1の説明と重複する説明は省略する。
【0069】
第(N−1)フレームでは、各水平走査期間の初めの所定期間t0(以下、チャージシェア期間t0という。)に、制御部40の短絡信号生成部47からソースドライバ20にハイレベルの短絡信号CSが入力される。これにより、データ線SL3,SL4が短絡してデータ線SL3,SL4に接続される画素A及び画素D間で電荷が配分され、画素A及び画素Dの電位が中間電位(例えば共通電圧Vcom)に近づく。チャージシェア期間t0が経過すると、短絡信号生成部47からソースドライバ20にローレベルの短絡信号CSが入力される。これにより、データ線SL3,SL4が電気的に切り離され、正極性のデータ電圧Dv3がデータ線SL3に供給され、負極性のデータ電圧Dv4がデータ線SL4に供給される。
【0070】
次に、第(N−1)フレームから第Nフレームに切り替わるタイミングで、位相反転信号PRがハイレベルからローレベルに変化すると、データ電圧Dvの極性の位相が反転する。その後、第Nフレームにおける各水平走査期間の初めの所定期間t1(以下、チャージシェア期間t1という。)において、短絡信号生成部47からソースドライバ20にハイレベルの短絡信号CSが入力される。これにより、データ線SL3,SL4が短絡してデータ線SL3,SL4に接続される画素A及び画素D間で電荷が配分され、画素A及び画素Dの電位が中間電位(例えば共通電圧Vcom)に近づく。チャージシェア期間t1が経過すると、短絡信号生成部47からソースドライバ20にローレベルの短絡信号CSが入力される。これにより、データ線SL3,SL4が電気的に切り離され、正極性のデータ電圧Dv3がデータ線SL3に供給され、負極性のデータ電圧Dv4がデータ線SL4に供給される。
【0071】
次に、第(N+1)フレームでは、各水平走査期間の初めの所定期間t0(チャージシェア期間t0)において、短絡信号生成部47からソースドライバ20にハイレベルの短絡信号CSが入力される。これにより、データ線SL3,SL4が短絡してデータ線SL3,SL4に接続される画素A及び画素D間で電荷が配分され、画素A及び画素Dの電位が中間電位(例えば共通電圧Vcom)に近づく。チャージシェア期間t0が経過すると、短絡信号生成部47からソースドライバ20にローレベルの短絡信号CSが入力される。これにより、データ線SL3,SL4が電気的に切り離され、負極性のデータ電圧Dv3がデータ線SL3に供給され、正極性のデータ電圧Dv4がデータ線SL4に供給される。
【0072】
第(N+1)フレーム以降は、位相反転信号PRの電圧レベルがローレベルからハイレベルに変化するまで、第(N−1)フレームにおける上記処理と、第(N+1)フレームにおける上記処理とが交互に繰り返される。位相反転信号PRがローレベルからハイレベルに変化すると、その直後のフレームでは、第Nフレームの上記処理が実行される。
【0073】
上記構成によれば、列ライン反転駆動の液晶表示装置において、データ電圧Dvの極性の位相を反転した後に生じ得る、フリッカの原因となる輝度上昇(図12(c)参照)を抑えることができる。ここで、位相反転した直後のフレーム(例えば図11の第Nフレーム)では、他のフレームと比較して表示輝度が高くなり易い(図12(c)参照)。そこで、第Nフレームにおけるチャージシェア期間t1を、他のフレーム(例えば第(N−1)フレーム、第(N+1)フレーム)におけるチャージシェア期間t0よりも長く設定することが好ましい。これにより、位相反転直後のフレームにおけるチャージシェア期間t1における画素A,Dの電位を、他のフレームのチャージシェア期間t0における画素A,Dの電位に近づけることができるため、表示輝度を均一化することができる。尚、上記チャージシェア期間t1の長さは、入力画像データDataに応じて設定されてもよい。例えば、入力画像データDataに対応する画像の表示輝度が高くなる程、チャージシェア期間t1が長くなるように設定してもよい。
【0074】
実施例3に係る液晶表示装置100の構成は上記構成に限定されない。例えば、ソースドライバ20は、位相が反転した直後のフレームでは、極性が異なるデータ電圧Dvが供給される2本のデータ線11を互いに短絡させる短絡処理を実行する一方、該フレーム以外のフレームでは上記短絡処理を実行しない構成であってもよい。
【0075】
尚、実施例3に係る液晶表示装置100は、列ライン反転駆動(図10参照)を行ってもよいし、ドット反転駆動を行ってもよい。ドット反転駆動を行う液晶表示装置100では、例えばn(nは1以上の整数)ドット反転駆動を行う場合において、ソースドライバは20、位相が反転した直後のフレームでは1水平走査期間ごとに上記短絡処理を実行する一方、該フレーム以外のフレームではn水平走査期間ごとに上記短絡処理を実行する構成であってもよい。
【0076】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】
100 液晶表示装置、10 表示パネル、20 ソースドライバ、30 ゲートドライバ、40 制御部、11 データ線、12 ゲート線、13 TFT、14 画素、15 画素電極、16 共通電極、41 制御信号生成部、42 位相反転信号生成部、43 タイミング制御部、44 補正電圧生成部、45 画像データ処理部、46 セレクタ、47 短絡信号生成部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12