特開2017-1821(P2017-1821A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 信永海運株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000003
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000004
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000005
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000006
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000007
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000008
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000009
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000010
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000011
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000012
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000013
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000014
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000015
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000016
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000017
  • 特開2017001821-船荷写真公開システム 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-1821(P2017-1821A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】船荷写真公開システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20161209BHJP
   G06Q 50/28 20120101ALI20161209BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
   G06Q50/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-117208(P2015-117208)
(22)【出願日】2015年6月10日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ▲1▼公開日:平成27年3月23日 公開先:株式会社国際エキスプレス(東京都港区浜松町2−4−1世界貿易センタービル24階) 公開内容:船荷写真撮影端末用WEBアプリケーション(一般非公開)にログインするための情報、および利用に必要な情報を通知し、使用を許可。 ▲2▼公開日:平成27年4月1日 公開URL:https://www.shinyei−ship.co.jp/mypage/?todo=cargo_delivery_status_form 公開内容:顧客向け船荷写真提供WEBサイトを公開した。 ▲3▼発行日:平成27年4月8日 刊行物:日刊SHIPPING GUIDE 第4面 公開内容:船荷写真WEB公開サービスに係る記事を掲載。 ▲4▼公開日:平成27年4月9日 公開先:中外海運倉庫株式会社(神戸市灘区摩耶埠頭1−1) 公開内容:船荷写真撮影端末の操作マニュアル(電子ファイル)をメール送付した。 ▲5▼公開日:平成27年4月9日 公開先:中外海運倉庫株式会社(神戸市灘区摩耶埠頭1−1) 公開内容:船荷写真撮影端末用WEBアプリケーション(一般非公開)にログインするための情報、および利用に必要な情報を通知し、使用を許可。 ▲6▼公開日:平成27年4月9日 公開先: エフシースタンダードロジックス株式会社(大阪市中央区久太郎町2−4−11クラボウ・アネックスビル14階) 公開内容:船荷写真撮影端末の操作マニュアル(電子ファイル)をメール送付した。 ▲7▼公開日:平成27年4月13日 公開URL:http://pics.shinyei−ship.co.jp/customers/ 公開内容:顧客向け船荷写真提供WEBサイト(スマートフォン用)を公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】515157482
【氏名又は名称】信永海運株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】長島 啓浩
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA09
3F522BB31
3F522DD01
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE19
3F522FF02
3F522FF37
3F522GG19
3F522GG32
3F522GG42
3F522JJ10
3F522LL12
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】海運業務における、船荷写真を撮影して荷主に当該写真を提供する、という一連の作業負担を軽減する。合わせて作業ミスの危険性を低減させる。しかもこれをできるだけ簡易なシステムで実行する。
【解決手段】輸入地等の倉庫に入庫された船荷の写真を船荷主等にネットワークを介して公開するための船荷写真公開システムであって、貨物到着案内書等に識別コードを付し、この識別コードをスマートフォンなどで読み取ってアクセスキーとし、スマートフォンのアプリケーションなどによって簡単にデータのやり取りを行うことができる船荷写真公開システムなどを提案する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
輸入地等の倉庫に入庫された船荷の写真を船荷主等にネットワークを介して公開するための船荷写真公開システムであって、少なくとも
船荷の到着の際に発行される船荷に係る確認のための書類に記録された識別コードを読み取る識別コード読取部と、
船荷写真の撮影を行うための船荷写真撮影部と、
当該識別コード読取部と、当該船荷写真撮影部とを連続的に実行させ、読み取られた識別コードと、撮影された船荷写真とを関連付ける連続制御部と、
当該関連付けられた識別コードおよび船荷写真をあらかじめ定められたサーバにアップロードするアップロード部と、
を有する船荷写真撮影端末装置と、
当該関連付けられた識別コードおよび船荷写真を船荷写真撮影端末装置から直接又は間接に取得するアップロード情報取得部と、
少なくとも当該識別コードをキーの一部として、ネットワークを介して、船荷写真を公開する船荷写真公開部と、
を有する船荷情報提供サーバ装置と、
から構成されることを特徴とする船荷写真公開システム。
【請求項2】
当該船荷情報提供サーバ装置が、
識別コードと船荷に関する情報である船荷関連情報とを関連付けて記録する船荷関連情報記録部と、
当該船荷写真と当該船荷関連情報とを、当該船荷写真に関連付けられた識別コードと当該船荷関連情報に関連付けられた識別コードとを用いて対応付ける船荷関連情報対応付部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の船荷写真公開システム。
【請求項3】
当該船荷写真公開部は、当該識別コードの他に当該識別コードに対応する船荷関連情報を少なくとも当該キーの一部とするセキュア認証手段を有する請求項2に記載の船荷写真公開システム。
【請求項4】
当該セキュア認証手段は、船荷のサイズを示すサイズ情報、船荷の重さを示す重量情報のいずれか一以上を少なくとも当該キーの一部とするサイズ重量セキュア認証器を有する請求項2乃至3に記載の船荷写真公開システム。
【請求項5】
船荷の到着の際に発行される船荷に係る確認のための書類に記録された識別コードを取得する識別コード取得部と、
少なくとも当該取得した識別コードを含む船荷写真提供要求を当該船荷情報提供サーバ装置に対して送信する船荷写真提供要求送信部と、
当該送信した船荷写真要求に応じて提供される船荷写真を受信する船荷写真受信部と、
受信した船荷写真を表示する船荷写真表示部と、
を有するユーザ端末装置
をその構成に含むことを特徴とする請求項1乃至4に記載の船荷写真公開システム。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載の船荷写真公開システムを構成する船荷写真撮影端末装置。
【請求項7】
請求項1乃至5に記載の船荷写真公開システムを構成する船荷情報提供サーバ装置。
【請求項8】
請求項5に記載の船荷写真公開システムを構成するユーザ端末装置。
【請求項9】
請求項1に記載の船荷写真公開システムを構成する船荷写真撮影端末装置を動作させるためのプログラムであって、少なくとも
船荷の到着の際に発行される船荷に係る確認のための書類に記録された識別コードを読み取る識別コード読取ステップと、
船荷写真の撮影を行う船荷写真撮影ステップと、
当該識別コード読取ステップと、当該船荷写真撮影ステップとを連続的に実行させ、読み取られた識別コードと、撮影された船荷写真とを関連付ける連続制御を開始する連続制御開始ステップと、
当該関連付けられた識別コードおよび船荷写真をあらかじめ定められたサーバにアップロードするアップロードステップと、
を有することを特徴とする船荷写真撮影端末装置動作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、輸入地等の倉庫に入庫された船荷の写真を船荷主等にネットワークを介して公開するための船荷写真公開システムに関する。
【背景技術】
【0002】
海運業務においては、倉庫における入庫の際の船荷の状態を確認するための船荷写真の撮影・提供が、荷主から要求される。そこで従来から、この要求に応えるため、デジタルカメラ等で倉庫における船荷の写真を撮影し、撮影した写真のデータファイルをパソコンなどに取り込み、メール等で船荷主に当該船荷写真を提出する、というような作業が行われている。
【0003】
しかしながら、この作業には、撮影した写真のデータファイルをパソコン等に転送し、転送した写真のデータファイルを整理し、各写真のデータファイルを船荷や船荷主の情報と紐付け、当該船荷主にメールで送付する、というような工程が生ずるため、大量の船荷を取り扱う場合には、現場の大きな負担となるばかりか、写真のデータファイルと荷主の紐付けを誤るなどの作業ミスの可能性があることも問題となっていた。
【0004】
しかも、上記の作業において、実際に写真の撮影を行う者は、海運業者とは別の事業者である倉庫業者である場合が多い。すなわち上記作業の一例をより詳細に説明すると、まず、倉庫業者が船荷の写真を撮影し、撮影した写真のデータファイルをパソコン等に転送する。次に、倉庫業者は撮影した写真のデータファイルを整理し、対応する海運業者の情報と紐づける。そして、当該海運業者宛てにメール等で写真のデータファイルを送付する。海運業者はこのメールを受け取る。メールを受け取った海運業者は写真のデータファイルをファイルサーバ等に整理して保存する。最後に海運業者は写真のデータファイルを、船荷情報から荷主の情報と紐づけ、メールなどに添付して荷主に送付する。このような作業は煩雑であるばかりか、連絡ミス等が起こる可能性も考えられ、さらに通常の発想でシステム化しようとしても、業者間でのシステム連携を行う必要があり、費用対効果等を考慮すると困難な面があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−257681公報
【特許文献2】特開2014−215999公報
【0006】
特許文献1には海運業務に関するものではないが、引っ越し荷物の搬出時に各荷物がカメラで撮影され、各荷物に貼られたラベルの情報コードの画像から荷物の識別情報(引越ラベル番号)が読み取られ、荷物の画像と識別情報とが対応付けられてサーバに記憶される発明が公開されている。
【0007】
また、特許文献2においては、所有者を特定できるコードを荷物に付しておき、当該コードを携帯端末装置で読み取り、ID番号を入力すると所有者の情報が確認できる所有者特定のための発明が開示されている。また、この発明が、適宜船荷証券等に適用されてもよいことが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1におけるラベルはその搬出作業の際にラベル印刷し、各荷物に貼り付けているのであり、このような作業はむしろ全体の工数を増やしてしまう、という問題がある。また、特許文献1における情報コードの役割は、荷物の紛失無きことを証明するため、一時的に荷物写真と実際の荷物をコードによって紐づけているに過ぎない。つまり、あらかじめ記録された荷物に関する情報と荷物写真とを紐づけるという技術的思想はない。さらにユーザへの情報公開や異なる業者間で連携を行うための仕組みも一切開示されていない。
【0009】
また、特許文献2においては、船荷写真についてそもそも一切触れられておらず、船荷写真を、船荷と対応付ける点について全く記載がない。船荷写真を荷主に提供することに関しては、何らの示唆もない。異なる業者間で連携を行うための仕組みも当然開示されていない。
【0010】
このような次第であるから、前述した海運業務における船荷写真を撮影して荷主に当該写真を提供する、という一連の作業による現場負担や、船荷写真のデータファイルと荷主の紐付けを誤るなどの作業ミス、異なる業者間における簡易な方法による連携等の問題については、有効な解決策が示されていない状況と言えた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような課題を解決するために、本発明は、輸入地等の倉庫に入庫された船荷の写真を船荷主等にネットワークを介して公開するための船荷写真公開システムであって、少なくとも、船荷の到着の際に発行される船荷に係る確認のための書類に記録された識別コードを読み取る識別コード読取部と、船荷写真の撮影を行うための船荷写真撮影部と、当該識別コード読取部と、当該船荷写真撮影部とを連続的に実行させ、読み取られた識別コードと、撮影された船荷写真とを関連付ける連続制御部と、当該関連付けられた識別コードおよび船荷写真をあらかじめ定められたサーバにアップロードするアップロード部と、を有する船荷写真撮影端末装置と、当該関連付けられた識別コードおよび船荷写真を船荷写真撮影端末装置から直接又は間接に取得するアップロード情報取得部と、少なくとも当該識別コードをキーの一部として、ネットワークを介して、船荷写真を公開する船荷写真公開部と、を有する船荷情報提供サーバ装置と、から構成されることを特徴とする船荷写真公開システムなどを提案する。
【発明の効果】
【0012】
主に上記のような構成をとる本発明を採用することによって、船荷写真をパソコンに取り込み、写真のデータファイルを整理し、船荷関連情報と紐付けてメール送信するなどの煩雑な作業がなくなり、業務の効率が改善する。また、写真データファイルと荷主の紐付けを誤るなどの作業ミスもなくすことができる。さらに顧客に対しても、いつでも手軽に船荷の状態をインターネット上で確認できるという、メールのやり取りなどに比して利便性の高いサービスを提供可能となる。しかも、このような効果を、既存の書類を活用することにより、追加的な作業工程、書類、大がかりなシステム改修などを発生させることなく、工数を掛けずに構築可能なサーバとアプリケーションのみよって実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本船荷写真公開システムの概要図
図2】実施形態1の機能ブロック図
図3】実施形態1の船荷写真撮影端末装置における処理の流れ
図4】実施形態1の船荷情報提供サーバ装置における処理の流れ
図5】バーコード読取状態時の画面例
図6】貨物到着案内書の例
図7】船荷写真を撮影する際の画面例
図8】船荷写真を撮影する際の画面例2
図9】アップロード時の画面例
図10】実施形態2の機能ブロック図
図11】実施形態2の船荷情報提供サーバ装置における処理の流れ
図12】実施形態3の機能ブロック図
図13】ユーザ端末装置における識別コード取得時の画面例
図14】ユーザ端末装置におけるセキュア情報入力時の画面例
図15】実施形態3の船荷情報提供サーバ装置における処理の流れ
図16】ユーザ端末装置における船荷写真表示画面例
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態について図面と共に説明する。実施形態と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。まず、実施形態1は、主に請求項1に対応する。実施形態2は、主に請求項2乃至4に対応する。実施形態3は、主に請求項5に対応する。そのほかの請求項は、請求項1乃至5を異なる観点から保護するものであり、上記実施形態によって同時に説明されている。ただし、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施し得る。
<<実施形態1>>
<実施形態1 概要>
【0015】
実施形態1においては、本件発明のもっとも基本的な実施形態について述べる。図1は本実施形態の概要図である。
【0016】
システム全体を概観すると、本実施形態は、船荷写真を撮影し、サーバにアップロードするための船荷写真撮影端末装置と、船荷主等に船荷写真を提供する船荷情報提供サーバ装置から構成される。ユーザ端末装置も本発明の特徴の一つだが、これについては別の実施形態で説明する。また、識別コードの記録された船荷の到着の際に発行される船荷に係る確認のための書類(本実施形態では、貨物到着案内書)も、重要な構成要素である。
【0017】
船荷写真撮影端末装置は、貨物到着案内書に記録された識別コードを読み取り、船荷写真を撮影し、読み取った識別コードと船荷写真を関連付けた状態で、サーバにアップロードする。このような機能を実現するには、カメラ機能を有するスマートフォンにより、WEBアプリケーションと当該スマートフォン等にインストールされている専用アプリケーションを組み合わせて構成するのが好適である。本実施形態でも上記の場合を例として説明する。
【0018】
また、船荷情報提供サーバ装置は、アップロードされた識別コードおよび船荷写真を取得する。そして、少なくとも当該識別コードをキーの一部として、ネットワークを介して、荷主に当該船荷写真を公開する。このような機能を実現するためには、ファイルサーバやWEBサーバなどを活用して構成するのが好適である。本実施形態でもWEBサーバを活用して構成する例を説明するが、その他のサーバによって構成してもよいことは当然である。
【0019】
また、船荷の到着の際に発行される船荷に係る確認のための書類について説明しておく。これは前述のとおり、本実施形態では貨物到着案内書である。海運業者は、従来から船荷の到着情報を入手すると、貨物到着案内書を荷主(荷受人)および倉庫業者に送付している。これにより倉庫業者は船荷の到着とその船荷についての関連情報を知ることができ、スムーズな受け入れが可能となるのである。ここで、本件の発明者は、この貨物到着案内書が倉庫業者と同時に荷主にも送付されている点に注目した。補足をしておくと、荷主にとってはこの貨物到着案内書は船荷到着の通知書としての役割のほかに、運賃等手数料の請求書としての役割も兼ねている。また、荷主がこの貨物到着案内書を提示することにより、倉庫業者より荷物を引き取ることができるようになっている。つまり、貨物の到着後には、荷主も必ず貨物到着案内書を所持しているのであり、当然、いつでもこれを参照できる。よって、この貨物到着案内書に、船荷写真のための識別コードをあらかじめ付しておき、これをキーとして倉庫における船荷写真のアップロードおよび荷主への公開・提供を、ネットワークを介して行うようにすれば、船荷写真の仕分けやメール送付等の業務をすることなく、また、中間に海運業者とのやりとりを挟むこともなく、荷主に対して直接的に船荷写真の公開ができるのである。しかも、本実施形態のようにスマートフォンを用いてこの識別コードを読み取ることにより、船荷写真にアクセスできるような仕組みにしておけば、倉庫業者にとっても荷主にとっても極めて利便性の高い船荷写真公開システムとなる。実にこの点が本件発明の特徴の一つなのである。なお、この説明はあくまで例であって、貨物到着案内書は一例に過ぎない。ほかの同様の位置づけとなる書類を用いてシステムを構成してよいことは言うまでもない。また、電子記録媒体等、紙媒体に代わる媒体による確認書類を用いてよいことも当然である。
<機能的構成>
【0020】
図2は、本実施形態の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態における船荷写真撮影端末装置は、識別コード読取部、船荷写真撮影部、連続制御部およびアップロード部を有する。また、船荷情報提供サーバ装置は、アップロード情報取得部および船荷写真公開部を有する。
なお、以下に記載する本実施携帯の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUやメインメモリ、GPU、画像メモリ、グラフィックボード、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶媒体とそれらの媒体の読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、タッチパネル、プリンタ、スキャナ装置その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラムなどが挙げられる。そして、メインメモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力されメモリやハードウェア上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、前記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。ここで、上記プログラムは、モジュール化された複数のプログラムとして実現されてもよいし、2以上のプログラムを組み合わせて一のプログラムとして実現されても良い。さらにこのプログラムを記録した記憶媒体としてもよい。
【0021】
また、本実施形態は、一または複数の装置との組み合わせによりシステムとして実現可能である。実際に、本実施形態は複数の船荷写真撮影端と船荷情報公開サーバからなる。これらの点は本実施形態に限らず、本明細書の全体を通じて同様である。以下、図2を用いて各機能ブロックについて説明する。
(識別コード読取部101)
【0022】
写真撮影端末装置001の「識別コード読取部」101は、貨物到着案内書に記載された識別コードを読み取る。カメラ(赤外線センサ等でもよい)と、これを制御しバーコードを読み取るプログラム等から構成されていれる。
(船荷写真撮影部102)
【0023】
写真撮影端末装置001の「船荷写真撮影部」102は、カメラ等と、これを制御し写真のデータファイル(画像ファイル)を作成するプログラム等から構成される。なお、「識別コード読取部」101とカメラを共有してよいことは当然である。
(連続制御部103)
【0024】
写真撮影端末装置001の「連続制御部」103は、「識別コード読取部」と「船荷写真撮影部」を連続して実行させるために、主としてインターフェースにかかるプログラムを制御する。一例をあげると、「識別コード読取部」を実行したのち自動的に「船荷写真撮影部」を実行させるようなインターフェースをユーザに提供する。もちろん、その逆に「船荷写真撮影部」したのち、自動的に「識別コード読取部」を実行させてもよい。連続制御とはその開始から終了での間に、識別コード読取処理と船荷写真撮影処理を連続的に実行させるような制御処理を指す。
(アップロード部104)
【0025】
写真撮影端末装置001の「アップロード部」104は、関連付けられた識別コードと船荷写真をサーバ上にアップロードする。なお、このアップロード先のサーバが一時的な保存場所であっても構わないことは当然である。
(アップロード情報取得部201)
【0026】
船荷情報提供サーバ装置002の「アップロード情報取得部」201は、サーバ上にアップロードされた識別コードと船荷写真を関連付けられた状態で取得する。写真撮影端末装置001によるアップロード先のサーバから直接取得してもよいし転送用のサーバなどから間接取得してもよい。また、そもそもアップロード先を船荷情報提供サーバ装置002として、自身の記憶領域から取得するものとしてもかまわない。
(船荷写真公開部202)
【0027】
船荷情報提供サーバ装置002の「船荷写真公開部」202は、少なくとも識別コードをキーの一部として、ネットワークを介して船荷写真を公開する。WEBサーバの機能を用いて構成するのが一般的であるが、これに限らないことは当然である。
<処理の流れ 船荷写真撮影端末装置>
【0028】
図3は、本実施形態の船荷写真撮影端末装置における処理の流れの一例を示す図である。その概要を説明すると、船荷写真撮影端末装置では、まずステップS301連続制御開始処理により連続制御が開始される。以下自動的あるいは半自動的に処理が進むことになる。すなわち、S302識別コード読取処理により、船荷写真撮影端末装置付属のカメラが識別コード(バーコードなど)読み取り可能状態となる。この状態でユーザがカメラを識別コードに向けると識別コードの内容が読み取られる。識別コード読取後は、適宜確認画面などを経て、今度はカメラが写真撮影可能状態となる。ユーザがシャッターを押すと、写真撮影がなされる。これにより、識別コードと撮影した写真のデータファイルが関連付けられた状態で船荷写真撮影端末装置中に記録される。最後に、適宜確認画面などを経て、識別コードおよび写真のデータファイルが、サーバへアップロードされる。以下、船荷写真撮影端末装置における各処理について説明する。
(船荷写真撮影端末装置 ステップS301 連続制御開始処理)
【0029】
本実施形態では、まず連続制御が開始される。ここで、連続制御とはその開始から終了での間に、識別コード読取処理と船荷写真撮影処理を連続実行させるような制御処理を指す。すなわち一例を挙げると、識別コード読取処理の後に船荷写真撮影処理を連続してユーザに実行させるように、インターフェース等を制御する処理である。なお、この順序とは逆に、船荷写真撮影処理の後に識別コード読取処理を実行させてもよいことは当然である。また、読取結果や撮影結果をユーザに適宜確認させるような画面を導入してもかまわないし、確認の結果、再度読取や撮影を行う必要がある場合に備え、前処理に戻る機能を有してもよい。さらに、必要であれば処理の中断機能や再開機能等を有してもよい。このようなアプリケーションとして常識的な構成を採用してよいことは当然である。
【0030】
本実施形態における連続制御は、WEBサーバ上から制御スクリプトを携帯端末装置(本実施形態ではスマートフォン)にロードすることによって実現される。その他の構成例としては、端末装置上のアプリケーションプログラムのメインクラスまたは、メインクラスから呼び出されるアプリケーションのフロー制御によるものが考えられる。しかし、WEBサーバ上から制御スクリプトを携帯端末装置にロードするような構成にしたほうが、端末装置一台ごとの業務アプリケーションのインストール作業をする必要がなく、運用がスムーズになる(後述するバーコード読み取りソフトについては各端末装置にインストールが必要だが、バーコード読み取りソフトのように一般的に普及しているソフトは、業務アプリケーションと異なりユーザが簡単にインストールできる)。また、船荷情報提供サーバ装置を上記WEBサーバとしても使用するようにすればシステムの管理も容易になるだろう。もっとも、端末装置上の業務アプリケーションプログラムのみから構成した場合にもメリットはある。例えばインターネットに接続できない状況でも、アップロード処理までの作業ならば実施が可能である。いずれの方法で構成するかは、条件に応じて適宜判断すればよいだろう。
(写真撮影端末装置 ステップS302 識別コード読取処理)
【0031】
識別コード読取処理においては識別コードを読み取る。本実施形態における写真撮影端末装置は、スマートフォンであり、識別コードはバーコードであるから、スマートフォンに付属しているカメラ機能を用いてバーコードを読み取らせるのが好適である。バーコードの読取については、いわゆるフリーソフトが大量に存在するので、このうちのいずれかを写真撮影端末装置にインストールしておき、連続制御部から操作できるように構成すればもっとも簡単であろう。なお、図5は、バーコード読取状態時の実際の画面である。バーコードに図下部の白色の線(実際には緑色の線である)をかざせば読み取りが行われる。もちろん必要あれば、自らバーコードを読み取るためのプログラムを作成してもよい。このあたり設計事項については、当業者が適宜なしうるところである。
【0032】
なお、図6が本実施形態における貨物到着案内書である。貨物到着案内書は海運業者によって発行され、あらかじめ荷主および倉庫業者に発送される。用紙右下には、本実施形態における識別コードが1次元バーコードで記載されている。倉庫業者は貨物到着案内書の当該識別コードを読み取り、以後、船荷の写真撮影やアップロード作業等を続けて行う。この貨物到着案内書は荷主も所有し、いつでも当然参照できるようになっている。したがって、荷主は当該貨物到着案内書に記載の識別コードをいつでも確認(読み取り)することができ、これをキーとして荷物写真を参照することができる。このような仕組みにより、シームレスな船荷写真の公開が可能となっていることは前述のとおりである。なお、当該識別コードを、1次元バーコードではなく、二次元バーコードやカラーコードなどにしてよいことは当然である。
(写真撮影端末装置 ステップS303 船荷写真撮影処理)
【0033】
次に船荷写真撮影処理においては船荷写真を撮影する。図7が実際の画面例である。識別コードの読取後は、必要に応じて適宜確認画面を経て、当該画面に遷移するのがよいだろう。なお、本実施形態では複数の写真が撮影できるようになっている。というのも船荷の状態を確認するためには、複数の角度からの撮影が必要であり、また、傷などを発見した場合は、その傷周辺の写真をさらに撮影する必要があるからである。
【0034】
図8は、船荷写真撮影処理における付加機能が示されている。すなわち実際にその場で写真を撮影しない場合でも、すでに撮影し保存してある写真を選択することによって、識別コードの読取と船荷写真の撮影が連続的に行われたのと同様とする機能である。実際には、スマートフォンのカメラ機能をプログラムからの指示で使用する場合、そこには様々な付加機能があらかじめ提供されているのであり、このような付加機能を本件発明に活用するのは当業者の適宜なし得るところである。
(写真撮影端末装置 ステップS304 アップロード処理)
【0035】
最後に、アップロード処理において、識別コードおよび撮影した船荷写真のデータファイルを、あらかじめ定められたサーバにアップロードする。図9が、図7および図8の画面の後の遷移する実際の画面例である。なお、識別コードと船荷写真のデータファイルの関連付けに関しては、どのような方法を用いてもよい。たとえば船荷写真のデータファイル名称の一部を識別コードとして関連付けるような簡易な処理であってもよい。
【0036】
また、当該サーバは、ローカルネットワーク上に設置してあってもよいし、インターネット上に設置してあってもよい。また、アップロードの際におけるデータ通信プロトコルを問わないことは言うまでもない。とはいえ、もっとも好適なのはインターネット上に設置されたサーバに、HTTP(HTTPS)プロトコルを用いてアップロードする方法であろう。本実施形態でもHTTP(HTTPS)プロトコルによるアップロードである。
<処理の流れ 船荷情報提供サーバ装置>
【0037】
続けて、本実施形態の船荷情報提供装置の処理名の流れについて説明する。図4は、船荷情報提供サーバ装置における処理の流れの一例を示す図である。その概要を説明すると、まず、ステップS401アップロード情報取得処理は、船荷写真撮影端末装置からアップロードされた識別コードおよび船荷写真のデータファイルを取得する。この処理は以後の処理と独立して事前になされてよい。以後、ステップS402船荷情報要求受付処理により、船荷情報の要求を受け付けると、ステップS403船荷情報公開処理により、要求に応じた船荷写真を提供する。
(船荷情報提供サーバ装置 ステップS401 アップロード情報取得処理)
【0038】
S401アップロード情報取得処理は、船荷写真撮影端末装置からアップロードされた識別コードおよび船荷写真のデータファイルを取得する。この取得は直接または間接のいずれの場合も含む。
【0039】
直接取得とは、写真撮影端末装置によるアップロード処理を直接受け付け、データを取得することを言う。すなわちこの場合、写真撮影端末装置によるアップロード処理と船荷情報提供サーバ装置によるアップロード情報取得処理は一対のものとして同時的に行われる。一方、間接取得とは、写真撮影端末装置によるアップロード処理を中間サーバが受け付け、当該サーバ上にアップロードされたデータを記録しておき、しかる後にバッチ処理等で、当該データを船荷情報提供サーバ装置等へ転送するような処理を言う。セキュリティに特に配慮する必要がある場合などに、間接取得が採用される。なお、本実施形態は主に直接取得を想定している。
(処理の詳細 ステップS402 船荷情報要求受付処理)
【0040】
船荷情報要求受付処理では、船荷主の端末装置等から送信されてきた、船荷写真の要求を受け付ける。具体的には、データアクセスのための電子的要求等であり、HTTPプロトコルやFTPプロトコルによるファイルアクセス要求が代表例である。この要求においては識別コードを少なくともキーの一部とすることにより、公開すべき写真を指定するものとする。識別コード以外では、セキュリティ用のコードなどをキーの一部として含ませてもよい。また、単純に識別コードをファイル名として、当該ファイル名のファイルを要求させることとしてもよい。
(船荷情報提供サーバ装置 ステップS403 船荷情報公開処理)
【0041】
船荷情報公開処理では、上記受け付けた要求に対するデータの公開を行う。ただし、公開の前提として、さらにIDやパスワードによる認証を行うようにしてもよいし、船荷写真のほかに船荷に関する付属情報を加えて公開するようにしてもよい。なお、船荷情報要求受付処理および船荷情報公開処理のもっとも代表的な構成例はWEBサーバによって構築するユーザ(荷主)向けホームページである(他の実施形態で説明する)。
<効果>
【0042】
以上の構成を有する本実施形態によって、船荷写真をパソコンに取り込み、写真データファイルを整理し、船荷関連情報と紐付けてメール送信するなどの煩雑な作業がなくなり、業務の効率が改善する。また、写真データファイルと荷主の紐付けを誤るなどの作業ミスもなくすことができる。しかも、このような効果を特殊な設備やシステムを追加することなく、比較的工数の掛けずに構築可能なサーバとアプリケーションのみよって実現することができる。
<<実施形態2>>
<概要>
【0043】
実施形態2における船荷写真公開システムは、基本的に実施形態1の船荷写真公開システムと同様であるが、船荷写真公開の際のユーザ認証などに工夫がある。
<機能的構成>
【0044】
図10は、本実施形態の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態における船荷情報提供サーバ装置は、アップロード情報取得部201および船荷写真公開部202に加え、船荷関連情報記録部203と船荷関連情報対応付部204を有する。また、必要に応じて当該船荷写真公開部204がセキュア認証手段205を有する。さらに、セキュア認証手段205について、その構成の一例として、サイズ重量セキュア認証器206を有する。以下、図10を用いて各機能ブロックについて説明する。
(船荷関連情報記録部203)
【0045】
船荷情報提供サーバ装置002の「船荷関連情報記録部」203は、船荷に関するデータを記録する。このデータは、海運業者があらかじめ用意しておくものである。具体的には基幹システムのデータベース等と直接的又は間接的に連携することより構成するのが好適だろう。なお、この船荷関連情報には識別コードが含まれる。識別コードは海運業者側で発行し、貨物到着案内書に記録したものであるのだから、当該データベースにもあらかじめ記録しておくことができる。
(船荷関連情報対応付部204)
【0046】
船荷情報提供サーバ装置002の「船荷関連情報対応付部」204は、識別コードをキーとして、「船荷関連情報記録部」203に記録された船荷関連情報と、船荷写真を対応づける。これにより、船荷関連情報と船荷写真のデータファイルを一連の情報として取り扱うことができるようになる。これにより、船荷写真へのアクセス認証に船荷関連情報を用いることができるようになるし、また、船荷写真提供に合わせて船荷関連情報を提供することもできるようになる。
(セキュア認証手段205)
【0047】
船荷情報提供サーバ装置002の「船荷関連情報対応付部」202は、必要に応じて当該船「セキュア認証手段」205を持つ。「セキュア認証手段」205は、識別コードに加え、船荷関連情報を合わせて船荷写真提供時のキーとして認証する。なお当該キーを、IDのような形式で要求するか、あるいはIDとパスワードの組み合わせのような形式で要求するかは問わないが、一般的には識別コードをアクセスIDのような形で要求し、船荷関連情報をパスワードのような形で要求するのが、ユーザにとっても分かりやすいだろう。
(サイズ重量セキュア認証器206)
【0048】
本実施形態では、「セキュア認証手段」205は、「サイズ重量セキュア認証器」206を備えている。これは船荷関連情報のなかでも、サイズと重量をキーとして認証するための機能ブロックである。識別コードによる認証だけでは、識別コードの値を一つずつ順次ずらしてアクセスするなどの簡単なハッキングで、第三者に船荷写真情報が漏えいしてしまう可能性がある。さりとて、ユーザIDやパスワードを各荷主に発行するのも手間がかかる。そこで貨物到着案内書に記載されているサイズと重量を認証キーとして利用するのである。
<処理の流れ>
【0049】
続けて、本実施形態の船荷情報提供サーバ装置の処理の流れについて説明する。図11は、船荷情報提供装置における処理の流れの一例を示す図である。ステップS401アップロード情報取得処理、ステップS402船荷情報要求受付処理、ステップS403船荷情報公開処理については、基本的に実施形態1に同じである。以下、ステップS404船荷関連情報対応付処理、ステップS405セキュア認証処理について説明する。
(ステップS403 船荷関連情報対応付処理)
【0050】
S403船荷関連情報対応付処理は、識別コードをキーとして、船荷関連情報記録部に記録された船荷関連情報と、船荷写真を対応づける。具体的には、ステップS402船荷情報要求受付処理において受け付けた識別コードを用いて、船荷関連情報記録部のデータを検索し、その検索結果を取得する。
(ステップS404セキュア認証処理)
【0051】
ステップS404セキュア認証処理では、アクセスのためのキーとして送信されてきた識別コードおよび船荷関連情報と、上記取得した船荷関連情報記録部の船荷情報の一致を判定して、アクセス認証をおこなう。一致と判定された場合は、ステップS405船荷情報公開処理に移行する。
<効果>
【0052】
以上の構成を有する本実施形態によって、よりセキュアに荷主に船荷写真を提供することができるようになる。また、船荷写真提供に合わせて船荷関連情報を提供することも可能となる。
<<実施形態3>>
<概要>
【0053】
実施形態3における船荷写真公開システムは、基本的に実施形態1の船荷写真公開システムと同様であるが、ユーザ向けに配布されるユーザ端末装置を含んでいる。以下、ユーザ端末装置について説明する。
<機能的構成>
【0054】
図12は、本実施形態の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態におけるユーザ端末装置は、識別コード取得部501および船荷写真提供要求送信部502、船荷写真受信部503と船荷写真表示部504を有する。以下、図12を用いて各機能ブロックについて説明する。
(識別コード取得部501)
【0055】
「識別コード取得部」501は、ユーザが表示させたいと考えている船荷写真の識別コードを取得する。具体的な取得方法については、船荷写真撮影端末装置と同様に貨物到着案内書のバーコードを読み取ってもよいし、手入力によって入力してもよい。図13が実際の画面例である。なお次の画面である図14では、重量とサイズを追加で入力するようになっている。これはセキュア認証のためである。なお、本実施形態ではユーザ端末装置はスマートフォンであり、アプリケーションプログラムはWEBを利用した構成となっているが、バーコード読み取り機能を使用するためには、既定のバーコード読み取りプログラムを事前に端末装置にインストールしておく必要がある。
(船荷写真提供要求送信部502)
【0056】
「船荷写真提供要求送信部」502は、少なくとも識別コードをキーの一部として、船荷写真提供要求を船荷情報提供サーバ装置に送信する。本実施形態ではWEBを利用したシステムであるため、この要求送信は通常のWEBページへのアクセス要求として実行している。
(船荷写真受信部503および船荷写真表示部504)
【0057】
船荷写真受信部503および船荷写真表示部504は、船荷情報提供サーバ装置より返信されてきた船荷写真等を受信し、画面に表示する処理である。図16は実際の画面例である。三つの写真が表示されている。これらの機能については、当業者が適宜設計して構成すればよい。
<処理の流れ>
【0058】
実施形態3における船荷写真公開システムの処理の流れは、基本的に実施形態1の船荷写真公開システムと同様である。以下、図15を用いてユーザ端末装置の処理の流れについて簡単に説明する。すなわち、ユーザ端末装置は、まず、識別コードのバーコードによる読取又はユーザによる手入力を受け付ける(ステップS601識別コード取得処理)。本実施形態では、ここで認証のために必要なサイズや重量の入力についても入力を受け付ける。続けて、船荷写真提供要求を船荷情報提供サーバ装置に送信する(ステップS602船荷写真提供要求送信処理)。その後、船荷情報提供サーバ装置より返信されてきた船荷写真等を受信し(ステップS603船荷写真受信処理)、画面に表示する(ステップS604船荷写真表示処理)。
<効果>
【0059】
以上の構成を有する本実施形態によって、より利便性の高い船荷写真公開システムをユーザに提供することができる。
【0060】
最後に、本件発明は主に輸入業務において貨物到着案内書等(船荷の到着の際に発行される船荷に係る確認のための書類)を利用し、船荷写真を公開するものであるが、本件発明と同様の仕組みを輸出業務において応用することができる点を指摘しておく。すなわち、識別コードを記載する書類を貨物到着案内書等ではなく、海運業者が輸出時に発行する船荷証券等にすれば、輸出業務においても同様の船荷写真公開システムが構築できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16