【解決手段】中継サーバは、第1のSNSサーバと第2のSNSサーバとにネットワークで接続され、利用者からのWebサイトへの処理を管理する。中継サーバは、第1のSNSサーバから利用者のメッセージを受信し、利用者が登録した登録サイトに対する処理要求であるか否かを判別するメッセージ判別手段と、登録サイトが処理可能なキーワードを格納したキーワードテーブルに基づいて、判別されたメッセージから登録サイトに対する処理要求を生成するサイト処理要求生成手段と、処理要求を受信したサイトからの応答情報に応じて、第1のSNSサーバ又は第2のSNSサーバに応答情報を返信するSNS返信手段と、を備える。
前記メッセージが、前記利用者の普通に用いられる言葉からなる自然言語の文章である場合、前記メッセージの自然言語を解析する自然言語解析手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の中継サーバ
前記登録サイトへの利用履歴情報に基づいて、利用頻度に応じて前記登録サイトの優先順位を判定し、前記優先順位に従って、前記応答情報の表示順を指示する優先サイト判定手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の中継サーバ。
前記第1のSNSサーバが送信した処理要求に対する応答情報の返信先のSNSの識別子を、前記利用者に登録させる登録手段を更に備えることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の中継サーバ。
前記登録手段は、利用者固有のキーワードを前記キーワードテーブルに登録させ、前記サイト処理要求生成手段は、前記利用者固有のキーワードを前記キーワードテーブルに基づいて、前記登録サイトが処理可能なキーワードに変換することを特徴とする請求項4に記載の中継サーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
個人がWebサイトを利用する際には、情報の取得だけでなく、取得した情報に基づいて、引き続きなんらかの処理を行いたい場合が多い。例えば、銀行のネットバンキングを利用する際には、口座残高を確認してから、振込を実行したり、場合によっては、キャッシングを申し込んだりする場合もある。クレジットカードのWebサービスを利用する際には、カードの利用明細(Web明細)を確認するだけでなく、貯まったポイントを活用したり、今月の支払をリボ払いに変更したりする場合もある。飲食店の検索を利用する際には、気に入った店が見つかれば、その店を直ぐに予約したい場合もある。
【0008】
しかし、普段、コミュニケーションツールとして使っているSNS上から、上記のようなWebサイトをまとめて検索したり、利用したりする方法はあまり知られていない。一方で、SNSは、手軽なコミュニケーションツールではあるが、個人のプライバシーやセキュリティに関する不安も存在する。
【0009】
したがって、本発明では、SNSの普及と、上記のような個人向け情報に関する状況に着目し、ネット上で個人が欲しい情報をより手軽に取得し、取得した情報を引き続き活用することができ、かつセキュリティも確保したシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を提供する。
(1)本発明の第1の態様は、第1のSNSサーバと第2のSNSサーバとにネットワークで接続され、利用者からの登録サイトへの処理を中継する中継サーバであって、前記第1のSNSサーバから前記利用者のメッセージを受信し、前記メッセージが前記登録サイトに対する処理要求であるか否かを判別するメッセージ判別手段と、前記登録サイトが処理可能なキーワードを格納したキーワードテーブルに基づいて、前記判別されたメッセージから前記登録サイトに対する処理要求を生成するサイト処理要求生成手段と、前記処理要求を受信したサイトからの応答情報に応じて、前記第1のSNSサーバ又は前記第2のSNSサーバに前記応答情報を返信するSNS返信手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
(2)また、上記(1)の構成において、前記メッセージが、前記利用者の普通に用いられる言葉からなる自然言語の文章である場合、前記メッセージの自然言語を解析する自然言語解析手段を更に備えるようにしてもよい。
【0012】
(3)また、上記(1)又は(2)の構成において、前記登録サイトへの利用履歴情報に基づいて、利用頻度に応じて前記登録サイトの優先順位を判定し、前記優先順位に従って、前記応答情報の表示順を指示する優先サイト判定手段を更に備えるようにしてもよい。
【0013】
(4)また、上記(1)〜(3)のいずれか1つの構成において、前記第1のSNSサーバが送信した処理要求に対する応答情報の返信先のSNSの識別子を、前記利用者に登録させる登録手段を更に備えるようにしてもよい。
【0014】
(5)また、上記(4)の構成において、前記登録手段は、利用者固有のキーワードを前記キーワードテーブルに登録させ、前記サイト処理要求生成手段は、前記利用者固有のキーワードを前記キーワードテーブルに基づいて、前記登録サイトが処理可能なキーワードに変換するようにしてもよい。
【0015】
(6)また、本発明の第2の態様は、利用者が登録した登録サイト並びに第1のSNSサーバ及び第2のSNSサーバがネットワークで接続されたシステムであって、前記第1のSNSサーバは、前記利用者のメッセージを受信し、前記登録サイトに対する処理要求であるか否かを判別するメッセージ判別手段と、前記登録サイトが処理可能なキーワードを格納したキーワードテーブルに基づいて、前記判別されたメッセージから前記登録サイトに対する処理要求を生成するサイト処理要求生成手段と、を備え、前記登録サイトは、前記処理要求に対する応答情報に応じて、前記第1のSNSサーバ又は前記第2のSNSサーバに前記応答情報を返信するSNS返信手段を備え、前記第1のSNSサーバ又は前記第2のSNSサーバは、前記返信された応答情報を前記利用者の端末に送信する応答送信手段を備える、ことを特徴とする。
【0016】
(7)また、本発明の第3の態様は、利用者が登録した登録サイト並びに第1のSNSサーバ及び第2のSNSサーバがネットワークで接続されたシステムであって、前記第1のSNSサーバは、前記利用者のメッセージを受信し、前記メッセージが前記登録サイトに対する処理要求であるか否かを判別し、処理要求と判別した場合、前記メッセージを前記登録サイトに送信するメッセージ判別手段と、
を備え、前記登録サイトは、前記第1のSNSサーバから前記判別されたメッセージを受信するメッセージ受信手段と、前記登録サイトが処理可能なキーワードを格納したキーワードテーブルに基づいて、前記メッセージから当該登録サイトの処理要求を生成するサイト処理要求生成手段と、前記処理要求に対する応答情報に応じて、前記第1のSNSサーバ又は前記第2のSNSサーバに前記応答情報を返信するSNS返信手段を備え、前記第1のSNSサーバ又は前記第2のSNSサーバは、前記返信された応答情報を前記利用者の端末に送信する応答送信手段を備える、ことを特徴とするシステム。
【0017】
(8)また、本発明の第4の態様は、SNSから入力した登録サイトへの処理要求を制御するための方法であって、第1のSNSサーバから利用者のメッセージを受信するステップと、前記メッセージが、前記登録サイトに対する処理要求であるか否かを判別するステップと、前記登録サイトが処理可能なキーワードを格納したキーワードテーブルに基づいて、前記判別されたメッセージから前記登録サイトに対する処理要求を生成するステップと、前記処理要求を受信したサイトからの応答情報に応じて、前記第1のSNSサーバ又は第2のSNSサーバに前記応答情報を返信するステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
(9)また、本発明の第5の態様は、SNSから入力した登録サイトへの処理要求を制御するためのプログラムであって、第1のSNSサーバから利用者のメッセージを受信するステップと、前記メッセージが、前記登録サイトに対する処理要求であるか否かを判別するステップと、前記登録サイトが処理可能なキーワードを格納したキーワードテーブルに基づいて、前記判別されたメッセージから前記登録サイトに対する処理要求を生成するステップと、前記処理要求を受信したサイトからの応答情報に応じて、前記第1のSNSサーバ又は第2のSNSサーバに前記応答情報を返信するステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、個人が普段使っているSNSを利用して、欲しい情報をより手軽に取得し、取得した情報を引き続き活用することができ、かつセキュリティも確保したシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0022】
(基本イメージ)
図1は、本発明の実施形態に係るシステム(以下、本システムと呼ぶ)が提供するサービスの基本イメージを示す図である。本システムにおいては、銀行のネットバンキングのサイト、クレジットカードのWebサービスのサイト、ネットモールのサイトなど、専用のWebサイト(以下、単にサイトと呼ぶ)でログインしなければ取得できない情報のやりとりをSNSと連携させる。また、飲食店の検索サイトなど、ログインが必要ないサイトもSNSと連携させる。すなわち、本システムは、SNSを検索窓口として、利用者が関連するキーワードを「呟く」(普段使っている言葉で入力する)ことで、欲しい情報をSNSが備えるダイレクトメッセージなどの手段で受け取れるようにするサービスを提供する。
【0023】
連携させるSNSは、1つでなくともよく複数であってもよい。ここでいうSNSとは、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)、LINE(登録商標)、mixi(登録商標)、Instagram(登録商標)などの他、1対1での文字情報のやりとりが可能な手段であればよく、通常のEメールやSMS(Short Message Service)のような手段を含んでもよい。利用者は、SNSを窓口とすることで、複数のウェブサイトに別々にアクセスする必要がなくなり、いちいちそれぞれのウェブサイトにログインする必要もなくなる。
【0024】
図1で示すように、本システムの利用者は、ログインしているSNS上で、欲しい情報を「呟く」と、利用者が普段使っているサイト(登録サイト)の中から、その情報を取得可能な、又は処理可能なサイトを、その呟きを解析して抽出し、そのサイトに対して、SNS経由で希望する処理の要求が送信される。その際、利用者は、普段の呟きと区別するために、ハッシュタグ(言葉やスペースのないフレーズの前にハッシュ記号(番号記号)、#を付ける形のラベル)も同時に呟いておいてもよい。例えば、本サービスを識別するためのハッシュタグを「#want」とし、「#want 今月のクレジットカードの利用料金」、「#want 銀行口座の残高」、「#want 今夜、行ける飲食店、イタリアン、3000円くらい」などのような呟き(メッセージ)をSNSに入力する。このメッセージを受信したSNSは、メッセージの言葉を解析し、その目的に対処可能なサイトを特定し、そのサイトが処理可能な情報を含む処理要求に変換し、サイトに送信する。サイト側は、この処理要求に対しての処理結果をSNS経由で利用者に返信する。ここで、利用者がサイトにアクセスするための情報(サイトのURL、ログインID、パスワードなど)は、あらかじめ本システムに登録しておくものとし、SNS上でメッセージを入力するだけで目的のサイトに自動的にログインする。したがって、各サイトには別途ログインする必要はない。
【0025】
対象となる登録サイトとしては、銀行のネットバンキングのサイト、クレジットカード会社のWebサービスのサイト、多数のネット店舗を統括するネットモールのサイト、その他各種検索サイト(飲食店検索サイト、価格比較サイト、旅行検索サイト、チケット予約サイトなど)が主なものである。例えば、ネットバンキングのサイトでは、情報の取得として、口座残高の照会や入出金明細の照会だけでなく、取得した情報の結果を確認して、振込やキャッシングの申し込みができる。
【0026】
それぞれのサイトは、業種(分野)ごとに複数であってもよい。例えば、図の例のように、「#want 今月のクレジットカードの利用料金」と呟いた場合は、利用者が登録しているクレジットカードが複数あれば、それぞれのクレジットカードのサイトに「今月の利用明細」の情報の処理要求がなされ、その返信情報から各カードの利用料金の合計が計算されて、利用者の端末にSNS経由で返信される。特定のクレジットカードのサイトのみに処理を要求するときは、「〇〇カード」のようなカードを特定できる言葉をメッセージに含めておけばよい。
【0027】
このとき、処理要求のメッセージを入力したSNS(第1のSNSと呼ぶ)とは別のSNS(第2のSNSと呼ぶ)経由で返信をもらうこともできる(図の破線の矢印で示す)。例えば、第1のSNSで、「お父さんに1万円振り込んで!」というような要求を出した場合、振込元の銀行からの振込情報(振込金額、振込先口座報など)は、第1のSNSではなく、第2のSNSに返信され、利用者が第2のSNS上でこの振込を確認(承認)するようにもできる。2つのSNSを使うことで、2重に本人確認がなされることになり、セキュリティが高まる。SNSを2つ利用していない利用者の場合は、通常のEメールを返信先としてもよい。その場合は、Eメールのメーラが第2のSNSとみなされる。
【0028】
このようにすることで、本システムの利用者は、個々のサイトに個別にアクセスすることなく、いつも使っているSNS上で呟くことで、友人と会話する感覚で、欲しい情報を取得したり、必要な処理をサイトに要求したりすることができる。また、必要な場合は、特に、振込や商品購入など実際にお金を動かす要求に対しては、第1のSNSでの本人認証に加え、第2のSNSでの本人認証を加えることでセキュリティを高めることができる。
【0029】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係るシステムの機能構成を示す図である。この図は、上記のサービスの基本イメージを実現するためのシステムの1つの形態を示したものである。以下の図において、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向、又は処理の流れ方向を表すものとする。
【0030】
第1の実施形態における本システムは、利用者端末10と、第1のSNSサーバ20と、第2のSNSサーバ30と、中継サーバ40と、利用者が普段使っているサイト(まとめてサイト50と呼ぶ)とが、ネットワークで接続されて通信可能に構成される。ネットワークは、一般のインターネットであってよいが、一部にVPN(Virtual Private Network)のような専用ネットワークを含んでもよい。利用者端末10は、SNS及びサイトにログイン可能であれば、通常のパソコン、スマートフォン、タブレット端末などであってよい。
【0031】
第1のSNSサーバ20は、一般的なSNSサービスを行うためのサーバであり、メッセージ送信手段21と、応答受信手段25と、応答送信手段26とを備える。ただし、ここでは本システムに直接関係のない機能を処理するための手段は省略している。
【0032】
メッセージ送信手段21は、利用者端末10から入力された登録サイトへの処理要求を含むメッセージを受け付け、メッセージに含まれたハッシュタグなどで登録サイトへの処理要求か否かを判断し、登録サイトへの処理要求であれば、そのメッセージをそのまま中継サーバ40に送信する。中継サーバ40は、SNSと各サイトを中継する役目を持ったサーバである。中継サーバ40に送信されたメッセージは、後述する処理を経て、目的のサイトに送信される。
【0033】
応答受信手段25は、送信した処理要求に対して、該当するサイトからの応答情報を中継サーバ40経由で受信する。応答送信手段26は、当該応答情報をメッセージを入力した利用者端末10に返信する。
【0034】
第2のSNSサーバ30も基本的には、第1のSNSサーバ20と同様の構成であり、メッセージ送信手段31と、応答受信手段35と、応答送信手段36とを備えている。ただし、第2のSNSサーバ30を、サイトからの応答を受信して利用者端末10に送信するだけの応答専用とすれば、メッセージ送信手段31はなくともよい。
【0035】
中継サーバ40は、第1の実施形態における本システムの中核であり、メッセージ判別手段41と、自然言語解析手段42と、サイト処理要求生成手段43と、キーワードテーブル44と、利用者情報DB45と、優先サイト判定手段46と、サイト応答情報受信手段47と、SNS返信手段48と、登録手段49とを備える。中継サーバ40は、単にSNSと登録サイトを中継するだけでなく、利用者にとってサイトのコンシェルジュのような役目を果たす。以下、中継サーバ40に備えられた手段を順に説明する。
【0036】
メッセージ判別手段41は、第1のSNSから利用者のメッセージを受信し、利用者が登録した登録サイトに対する処理要求であるか否かを判別する。メッセージが登録サイトに対する処理要求でないと判別した場合は何もしないが、処理要求であると判別した場合は、自然言語解析手段42に処理を移し、メッセージを解析させる。このメッセージは、SNS上で呟くような普通の言葉、すなわち、自然言語の文章であってもよいし、単語を並べた文字列であってもよい。また、メッセージには、サイトに対する処理要求であることを区別するため、前述したような所定のハッシュタグを含めるようにしてもよい。また、ハッシュタグの代わりに、利用者固有の絵記号を用いてもよい。ここで、絵記号とは、LINE(登録商標)のスタンプのように、IDとなるコード(識別子)が割り当てられた絵(画像)を意味する。
【0037】
自然言語解析手段42は、メッセージが自然言語の文章の場合、形態素解析によってその文章を構文解析し、形態素(意味を持つ最小の単位)に分解する。メッセージが既に単語に分かれている場合は、登録サイトへの処理要求としては意味を持たない単語を除去する。なお、メッセージ中に感嘆詞、顔文字等が含まれる場合、その感嘆詞、顔文字等も登録サイトへの処理要求のキーワードとして採用してもよいし、処理要求としては意味を持たない語として扱ってもよい。
【0038】
サイト処理要求生成手段43は、自然言語解析手段42で解析された形態素列又は単語の列を、キーワードテーブル44及び利用者情報DB45を参照して、処理要求を送信するサイトを決定し、そのサイトが処理可能な処理要求を生成する。例えば、「お父さんに1万円送って」という自然言語の文章のメッセージは、「お父さん」、「に」、「1万」、「円」、「送って」に分解され、「お父さん」、「に」は、利用者があらかじめ振込先として登録した「父親」の「口座番号」に変換され、「1万」と「円」は、「振込金額」と「10000円」に、「送って」は、「振込命令」に変換され、利用者の口座のある銀行のネットバンキングサーバに送信される。
【0039】
キーワードテーブル44は、上記の形態素列又は単語の列を、登録サイトが処理可能なキーワード(処理命令とその処理のために必要な情報)に変換するためのテーブルである。言い換えると、各サイトが要求を処理できるように、上記のようなキーワードの変換ルールをサイト分野別又は個々のサイト別に定義したテーブルである。キーワードテーブル44には、利用者が独自のキーワードを定義することができる。例えば、「お父さん」というキーワードに、父親の銀行口座の口座番号を対応付けたり、「家賃」というキーワードに、家賃の支払先の銀行口座の口座番号を対応付けたりすることができる。キーワードテーブル44の具体例は、
図3(a)で更に説明する。
【0040】
利用者情報DB45は、利用者ID、氏名、住所、連絡先などの登録個人情報、登録SNS情報、及び登録サイト情報を格納したデータベースである。利用者情報DB45のデータ構成について詳しくは
図3(b)で説明する。
【0041】
優先サイト判定手段46は、サイトの利用頻度を調べるため、利用者情報DB45の登録サイトへの利用履歴情報を参照し、利用頻度の高い順に登録サイトの優先順位を判定し、その優先順位に従って、応答情報の表示順を指示する。すなわち、利用頻度の高いサイトほど、その応答情報が利用者端末10の画面の上位に表示されるように、サイト応答情報受信手段47に対して、サイト応答情報の優先順位付けを指示する。
【0042】
サイト応答情報受信手段47は、サイトからの応答情報を受信する。また、優先サイト判定手段46の判定結果により、受信した応答情報の表示の優先順位付けをする。
【0043】
SNS返信手段48は、サイトからの応答情報に応じて、及び/又は、利用者情報DB45の登録情報に基づいて、返信先のSNSを第1のSNSサーバ20にするか第2のSNSサーバ30にするかを決定し、その決定されたSNSサーバにサイトからの応答情報を送信する。
【0044】
登録手段49は、利用者の登録個人情報、登録SNS情報、及び登録サイト情報を利用者情報DB45に登録する機能を有する。また、登録手段49は、キーワードテーブル44に、利用者独自のキーワードを登録する手段としても機能する。
【0045】
図3(a)は、キーワードテーブル44の具体例を示す図である。キーワードテーブル44は、利用者ごとに登録され、SNS上の呟きに使われるような普通の言葉を、登録サイトが処理可能なキーワードに変換するためのテーブルである。メッセージの中では同じキーワードであっても、登録サイトの分野又は個々の登録サイトによって異なる意味に変換されることがある。例えば、メッセージのキーワードが、「送って」、「送れ」などは、ネットバンキングでは「振込」に変換されるが、ネットモールでは「配達」に変換される。同様に、「お父さん」、「パパ」などは、ネットバンキングでは振込先の口座情報に変換されるが、ネットモールでは商品の配達先の住所に変換される。
【0046】
図3(b)は、利用者情報DB45に格納されるデータ構成の具体例を示す図である。利用者情報DB45には、図示するように、利用者ID、ログインID/パスワード、利用者の氏名・住所・連絡先(メールアドレスを含む)、利用者が普段使うクレジットカード、キャッシュカード、電子マネーカードなどの番号、登録SNS情報、登録サイト情報が格納される。
【0047】
登録SNS情報には、SNS名、SNSのID、返信先SNSのID(返信相手のSNS)、メッセージ識別記号が登録される。図の例では、SNS1が受けたメッセージ(処理要求)の応答はSNS2に返信されるようにし、SNS2が受けたメッセージはSNS1に返信されるようにし、SNS3が受けたメッセージは、SNS3自身に返信されるように登録されている。このようにすることで、複数のSNSをサイトによって自由に組合せることができる。メッセージ識別記号とは、サイトへの処理要求を含んだメッセージと一般のメッセージとを区別するための記号である。メッセージ判別手段41は、メッセージ識別記号を含んだメッセージをサイトへの処理要求とみなす。メッセージ識別記号は、ハッシュタグ、スタンプや顔文字のような絵記号、その他の任意の記号であってよい。
【0048】
登録サイト情報には、サイト名、サイトID、サイトのログインIDとそのPWD(パスワード)、追加PWD(サイトによっては、処理内容に応じて追加のPWDなどを要求される場合があるため)、及びそのサイトを利用した利用履歴情報が格納される。利用履歴情報には、サイトの利用を開始した日時、利用を終了した日時などが含まれ、サイトの利用頻度を求め、サイトの優先順位を判定するために用いられる。
【0049】
(第1の実施形態の処理フロー)
図4は、本発明の第1の実施形態に係るシステム間の連携フローを示す図である。以下の処理フロー図(フローチャート)においては、実線はシステム内の処理の流れを表し、一点鎖線はなんらかの応答を待つ状態を表し、点線はシステム間のデータの流れを表している。また、ここでは、利用者端末10は「端末」、中継サーバ40は「サーバ」、第1のSNSサーバ20は「SNS1」、第2のSNSサーバ30は「SNS2」と略すことにする。また、以下では、SNS1が端末からのメッセージを受信した場合を想定しているが、SNS2がメッセージを端末から受信した場合は、SNS1とSNS2の処理が逆になるだけである。なお、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0050】
まず、端末側の処理を説明する。端末は、ステップS00で、サイトに対するメッセージをSNS1に送信する。次に、ステップS01で、その返信があるまで待機する。返信があった場合は、ステップS02で、サイトからの返信情報(応答情報)を表示する。そして、ステップS03で、その返信情報がSNS1からの返信かSNS2からの返信かを判断する。SNS1からの返信の場合は、追加の処理はないため、そのまま処理を終了する。その返信がSNS2からの返信の場合は、ステップS04で、その処理に利用者の承認(確認)が必要かどうかを判断し、承認が必要な場合は、利用者が返信情報を確認後、問題なければ承認を送信する(ステップS05)。承認が必要な処理とは、振込や支払など金銭の移動を伴うような処理、ポイントの利用、支払方法の変更、登録情報の変更などがあり、通常はサイトによって処理内容に基づいて決定されるが、利用者が設定してもよい。
【0051】
次に、サーバ側の処理を説明する。まず、サーバ側では、ステップS10で、端末からのメッセージをSNS1経由で受信すると、ステップS11で、登録サイトに対する要求か否かを判断する。登録されていないサイト(非登録サイト)に対する要求の場合は、ステップS18で、非登録サイト処理を行う。非登録サイトに対しては、通常はメッセージの処理要求をサイトに送信しないようにするが、ログインが必要なく、かつ音声による検索をサポートするようなサイトでは、自然言語の処理要求を受け付ける場合もあるので、その場合は、処理要求をそのサイトに転送するようにしてもよい。ただし、その場合は、本システムのサポート範囲外となることがある。
【0052】
ステップS11で登録サイトに対する処理要求であると判断された場合は、ステップS12に移り、そのメッセージを自然言語解析手段42が解析する。解析が完了すると、登録サイト情報からログインIDとパスワードを読み出してサイトにログインし、サイト処理要求生成手段43が生成した処理要求をサイトに送信し、その返信を待つ。なお、メッセージの解析が不能の場合は、その旨が端末側に返信される。
【0053】
登録サイトから返信があった場合は、ステップS13に進み、登録SNS情報を参照して、SNS1が返信先に指定されている場合は、返信情報をSNS1経由で端末に送信する(ステップS19)。SNS2が返信先に指定されている場合は、返信情報をSNS2経由で端末に送信する(ステップS14)。
【0054】
SNS2経由の返信の場合は、ステップS15で、利用者の承認が必要か否かを判断する。承認が不要な場合は処理を終了するが、承認が必要な場合はステップS16に移り、利用者の承認をSNS2経由で取得し、ステップS17で、承認情報をサイトに送信する。
【0055】
次に、サイト側の処理を説明する。まず、サイト側では、ステップS30で、サーバで生成された処理要求を受信する。次にステップS31で、利用者がサイトの登録ユーザであるか否かを判断し、登録ユーザでない場合は登録を促す処理に移行する(ステップS39)。登録が不要なサイトの場合は、ステップS31、ステップS39は不要である。
【0056】
登録ユーザである場合、又は登録が不要な場合は、ステップS32に進み、処理要求の内容に応じて、又は利用者の設定に応じて、返信をSNS1自身で行うか、別のSNS(SNS2)から行う必要があるか否かを判断する。SNS2で返信する必要がない場合は、ステップS33で、SNS1自身がサーバへ返信情報を送信するが、SNS2から返信する必要がある場合は、ステップS34で、サーバへSNS2経由で返信情報を利用者に送信するように要求する。そして、ステップS35で、利用者からの承認があったかどうかを判断し、承認が得られた場合に、ステップS36で、その承認を要する処理を実行する。以上のステップにより、全ての処理が終了する。なお、上記の説明では、承認プロセスをSNS2上で行うようにしたが、他の認証手段を併用するなどして、SNS1上だけで承認プロセスを行うようにしてもよい。
【0057】
(利用シーン)
図5は、実際の利用シーンにおける利用者端末10の画面例(その1)を示す図である。この図では、SNS1上で、今月のクレジットカードの利用金額と、銀行の口座残高とを同時に検索するような場面を示している。図の画面500の例では、検索結果として、2種類のクレジットカードの利用残高と2つの銀行口座の口座残高とが表示されているが、クレジットカード会社によっては、利用限度額に対する残りの利用可能額も表示される。検索結果の表示順序は、サイトの種類ごとに、各サイトの利用頻度に応じて決定されてもよい。また、画面500で、それぞれのサイトからの返信メッセージ欄の「明細」ボタンを押すと、詳しい明細が表示されるようにしてもよい。なお、図示はしていないが、各クレジットカードの利用金額の合計と各銀行口座残高の合計を計算して表示するようにしてもよい。
【0058】
図6は、実際の利用シーンにおける利用者端末10の画面例(その2)を示す図である。この図では、SNS1上で、自分の銀行口座から家族へお祝いなどで送金する場面を示している。図の画面510の例では、A銀行が指定されているのでA銀行からの送金であることが判断できるが、銀行が指定されていない場合で、かつ複数の銀行が登録されている場合は、どの銀行からの送金かを確認するためのメッセージが表示される。また、符号511で示すように、振込の処理要求の場合では、利用者本人を識別するための絵記号(スタンプなど)をメッセージに付加するようにし、本人確認を強化してもよい。画面520には、SNS2上で、銀行からの返信メッセージが表示され、利用者がこの画面から「承認」ボタンを押すことで振込が実行される。なお、ATMのように、本システムで振込可能な金額に限度額を設けるようにしてもよい。
【0059】
図7は、実際の利用シーンにおける利用者端末10の画面例(その3)を示す図である。この図では、SNS1上で、あるネットモールで特定のキーワードを含む商品を検索して購入する場面を示している。図の画面530の例では、商品のキーワードとネットモール名だけを並べて指定している。この検索の結果、画面540には、ネットモールからの返信が届き、「焼き菓子」に分類される商品の一覧が表示されている。利用者は、この画面540から「購入」ボタンを押すことで商品の購入ができる。
【0060】
符号541で示す画像は、購入時の本人確認のための認証用絵記号である。このように、サイトによって認証用絵記号を変化させてもよい。あるいは、商品の購入金額によって、認証用絵記号を変更するようにしてもよい。なお、この例では、ネットモール名を指定しているが、他のネットモールも同時に検索したい場合は、そのネットモール名も指定するか、ネットモール名を省略する。ネットモール名を省略した場合は、すべてのネットモールの登録サイトが検索対象となるが、その場合は、利用頻度の高いサイトの情報が上位に表示されるようにしてもよい。
【0061】
図8は、実際の利用シーンにおける利用者端末10の画面例(その4)を示す図である。この図では、SNS1上で、特定のカードのポイントを調べて、ポイントが貯まっていれば、商品と交換するような場面を示している。図の画面550の例では、「カードのポイントを使いたい」と呟くだけで、SNS2上の画面560に現在のポイントと、そのポイントを使って交換可能な商品が表示されている。カードを複数登録していれば、カードごとに検索結果が表示される。利用者は、この画面560から「交換」ボタンを押すだけで、ポイントを商品やサービスと交換できる。なお、画面560でも符号561で示す別の認証用絵記号が用いられている。すなわち、処理要求ごとに、本人しか知らない異なる認証用絵記号を用いることでセキュリティを更に高めることができる。
【0062】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係るシステムの機能構成を示す図である。第1の実施形態では、
図2で示したように、中継サーバ40をSNS側とサイト側の間に設け、中継サーバ40が両者を中継する(コンシェルジュする)形態の構成としたが、第2の実施形態では、中継サーバ40を設けずに、SNS側とサイト側で中継サーバ40の機能を分担する形態の構成をとる。
図9は、その1つの構成例である。この構成では、図示するように、第1のSNSサーバ20に、
図2の中継サーバ40が備えていたような、メッセージ判別手段21A、自然言語解析手段22、サイト処理要求生成手段23、キーワードテーブル24を備える。また、図示はしていないが、第2のSNSサーバ30も同様の構成としてもよい。この機能構成につき、以下では第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
サイト側は、ユーザ登録が必要なサイト50Aとユーザ登録が必要でないサイト50Bとで少し事情が異なる。ユーザ登録が必要なサイトとして代表的なものは、銀行のネットバンキングサーバ50A1、クレジットカード会社のクレジットカードWebサーバ50B2、ネットモールWebサーバ50A3、チケット予約サイト(図示せず)などがある。ユーザ登録が必要なサイト50Aは、通常、サイト内部に当該サイトの利用者情報(顧客情報)のDBを備えるが、本実施形態をサポートするサイト50Aは、利用者情報DB55に、利用者ごとの登録SNS情報を格納する。登録SNS情報は、
図3で示したものと同様である。
【0064】
第1の実施形態との相違点としては、サイト側に登録SNS情報を備える点、SNS側に登録サイト情報と登録手段27を備える点、及び第1のSNSサーバ20からの処理要求に対する応答情報に応じて、応答情報の返信先として、第1のSNSサーバ20又は第2のSNSサーバ30を切り替えるSNS返信手段(図示せず)をサイト側に備える点で、異なっている。また、図示は省略しているが、
図2の優先サイト判定手段46はSNS側に備える。
【0065】
ユーザ登録を必要としないサイト50Bは、情報提供のみを目的とする、検索サイト50B1、観光案内サイト50B2、地図情報サイト50B3などがある(ただし、最近ではこのようなサイトでも登録してもらった利用者には付加サービスを提供するようになってきている)。ユーザ登録を必要としないサイト50Bは、サイト内部に利用者情報(顧客情報)のDBを持たないので、サイト側に登録SNS情報を持たせることができないので、SNS側から登録SNS情報をもらうか、処理要求を発したSNSに常に返信情報を送信することになる。したがって、後者の場合は、返信先として、第1のSNSと第2のSNSを切り替えることはサポートされない。
図9の一点鎖線は、後者の場合のサイト50Bの情報の流れを示している。
【0066】
図10は、本発明の第2の実施形態に係るシステム間の連携フローを示す図である。以下では第1実施形態の
図4のフロー図と異なる部分についてのみ説明する。
図10では、
図4のステップと同じステップには同じ符号を付け、
図4と対応するステップであるが処理が異なるステップには「A」の符号を付けて区別している。また、以下では、
図4と同様に、SNS1が端末からのメッセージを受信した場合を想定している。
【0067】
端末側の処理は、
図4の場合と全く同じである。SNS1側の処理では、ステップS10Aで、端末から直接、メッセージを受信する。また、ステップS13Aでは、サイトからの返信は自分自身に対するものと決まっているので、他のSNS(ここではSNS2)宛ての返信は処理しない。
【0068】
SNS2側の処理では、ステップS20で、サイトからの返信があったか否かを判断し、サイトからの返信があれば、ステップS21で、返信情報(応答情報)を端末に送信する。そして、ステップS22で、利用者の承認が必要であるか否かを判断し、必要であれば、ステップS23で、承認を取得し、ステップS24で、承認情報をサイトに返信する。なお、ステップS22〜S24の処理は、
図4のステップS15〜S17に対応する。
【0069】
サイト側の処理では、ステップS32で、SNS1からメッセージを受信したが、返信はSNS2から必要があるか否かが判断される。SNS2に返信する必要がなければ、ステップS33でSNS1に返信する。SNS2に返信する必要があれば、ステップS34で、SNS2に返信情報を送信する。以降の処理は
図4の場合と同じである。
【0070】
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係るシステムの機能構成を示す図である。
本実施形態は、自然言語解析手段52、サイト処理要求生成手段53、キーワードテーブル手段54をサイト側に設けた形態である。この形態では、第1のSNSサーバ20′′のメッセージ判別手段21Aは、利用者端末10から受信したメッセージが特定の登録サイトであるサイト50A′への処理要求であると判別したときは、そのメッセージをそのままサイト50A′に送信し、サイト50A′は、メッセージ受信手段51により受信したメッセージを解析し、生成した処理要求を実行する。そして、SNS返信手段57が、処理要求実行手段56が実行した処理結果を、処理要求に対する応答情報に応じて、第1のSNSサーバ20′′又は第2のSNSサーバ30に返信する。このようにすることで、SNS側の処理負担が最小となるので既存のSNSでも本サービスへの参加が容易になる。
【0071】
以上説明した第1の実施形態と第2の実施形態を比較すると、第1の実施形態では中継サーバ40を新たに構築する必要があるが、その分、SNS側とサイト側の変更が少なくて済むので、既存のSNSやサイトの多くをサービスの対象とすることができる。一方、第2の実施形態では、SNS側とサイト側の変更が多くなるので、サービスの対象が限定される可能性があるが、有力なSNSが各サイトと提携して、本実施形態の機能をサポートすれば、他のSNSとの差別化が可能となる。また、第3の実施形態では、サイト側の処理負担は増えるものの、本実施形態の機能をサポートすれば、同業他社のサイトとの差別化に繋がる。
【0072】
なお、上記の第1及び第2の実施形態における本システムの機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクなどの記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブルなどの必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0073】
(実施形態の効果)
以上の本システムの実施形態の効果をまとめると以下のようになる。まず第1に、個々のサイトにいちいちログインすることなく、利用者が普段使っているサイトをまとめて検索したり、場合によってはその一部だけを検索したり、検索の結果として取得した情報の結果しだいでは、引き続き、そのサイト又は別のサイトに対して、更なる処理を要求することができる。また、第1のSNSと第2のSNSで2重で本人確認することで、残高照会や利用明細などの情報取得だけでなく、振込や支払など更にセキュリティが求められる処理にも対応できる。
【0074】
サイトに対する処理要求は、普段使い慣れたSNS上で、友人と会話するような感覚で普通の言葉で行うことが可能なので、検索キーワードで悩む必要がなくなる。もちろん、利用者独自の検索キーワードも登録することができる。また、様々なサイトの利用履歴をまとめて管理するので、利用頻度の高いサイトの情報を優先的に獲得したり、検索結果の上位に表示したりすることができる。また、SNSごとに、サイトからの応答情報の返信先を登録できるので、サイトによってSNSの組合せを変えることができる。また、本システムの主な制御を中継サーバ側で行うか、SNS側で行うか、サイト側で行うかの実施形態の選択も可能である。
【0075】
また、このような付加価値の高いサービスを提供することで、SNS側は利用者を更に増やすことができ、また、利用者の欲しい情報を送信する際に、その利用者に合った広告を付与することで、広告収入を増大させることもできる。
【0076】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことはいうまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、中継サーバとそのシステムについて説明したが、本発明は、SNSから入力した登録サイトへの処理要求を制御する方法の発明、又はそのためのコンピュータ・プログラムの発明としても捉えることもできる。