(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-182207(P2017-182207A)
(43)【公開日】2017年10月5日
(54)【発明の名称】想い出共有SNSサーバー、想い出共有方法、及びそれらのプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20170908BHJP
G06Q 20/24 20120101ALI20170908BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q20/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-64548(P2016-64548)
(22)【出願日】2016年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(74)【代理人】
【識別番号】100186679
【弁理士】
【氏名又は名称】矢田 歩
(74)【代理人】
【識別番号】100189186
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】奥野木 悠
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 丈紀
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L055AA52
(57)【要約】
【課題】贈答品に関する情報を、他の多様な情報とともに共有するためのシステムに使用されるサーバー等を提供すること。
【解決手段】贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有するためのソーシャルネットワーキングサイトに使用されるサーバーであって、前記請求情報を、前記契約者に提示する請求情報提示手段と、提示された前記請求情報を、前記契約者が選択したことに応じて、前記受領者を特定する情報を前記契約者に入力させる受領者情報収集手段と、前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示する請求情報共有手段と、を備える、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有するためのソーシャルネットワーキングサイトに使用されるサーバーであって、
前記請求情報を、前記契約者に提示する請求情報提示手段と、
提示された前記請求情報を、前記契約者が選択したことに応じて、前記受領者を特定する情報を前記契約者に入力させる受領者情報収集手段と、
前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示する請求情報共有手段と、を備える、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー。
【請求項2】
前記受領者に対して、前記契約者以外の請求情報の共有相手として、決済カードの他の契約者を特定する情報を入力させる、共有範囲確定手段を更に有する、請求項1に記載のソーシャルネットワーキングサイトのサーバー。
【請求項3】
請求情報共有手段が、前記贈答品に関連する情報と関連付けて、前記契約者が入力した文字情報及び/又は画像情報を、前記受領者に提示可能である、請求項1又は2に記載のソーシャルネットワーキングサイトのサーバー。
【請求項4】
贈答品の配達日時に関する配達日時情報を記録する配達日時情報記録手段を更に有し、
前記請求情報共有手段が、前記配達日時よりも前、及び前記配達日時よりも後のいずれか一方の時点で、前記受領者に対して前記贈答品に関連する情報を提示する、請求項1から3までのいずれか1項に記載のソーシャルネットワーキングサイトのサーバー。
【請求項5】
前記受領者に関係する記念日の情報を記憶する記念日情報記憶手段を更に有し、
前記記念日よりも前に、前記受領者が記念日情報を共有する契約者に対して、前記記念日情報を提示する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のソーシャルネットワーキングサイトのサーバー。
【請求項6】
ソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにおいて、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有する方法であって、
前記請求情報を、前記契約者に提示するステップと、
提示された前記請求情報を、前記契約者が選択したことに応じて、前記受領者を特定する情報を前記契約者に入力させるステップと、
前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示するステップと、
を含む、決済カードの請求情報を共有する方法。
【請求項7】
ソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにおいて、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有する方法に用いられるプログラムであって、
コンピュータを
前記請求情報を、前記契約者に提示する請求情報提示手段と、
提示された前記請求情報を、前記契約者が選択したことに応じて、前記受領者を特定する情報を前記契約者に入力させる受領者情報収集手段と、
前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示する請求情報共有手段と、
して機能させる、プログラム。
【請求項8】
ソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにおいて、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有する方法であって、
決済カードの契約者が、前記請求情報を、受領者を特定する情報とともに受信するステップと、
ソーシャルネットワーキングサイト上において前記受領者のアカウントが存在しない場合に、前記受領者のアカウントを生成するステップと、
ソーシャルネットワーキングサイト上において、前記決済カードの契約者のアカウントと、前記受領者のアカウントが関連付けされていない場合に、前記決済カードの契約者のアカウントと、前記受領者のアカウントを関連付けするステップと、
前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示するステップと、
を含む、決済カードの請求情報を共有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレジットカードの請求情報を、契約者以外の者と共有するソーシャルネットワーキングサイトに使用されるサーバー、クレジットカードの請求情報を共有する方法、及びこれらに使用されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットショッピングの発達等に伴い、物品の購買における決済方法は、現金決済からクレジットカード決済に移行しつつあり、例えば、贈答品を購入する際にもクレジットカード決済が多用されている。クレジットカードにより決済した物品購入の代金については、クレジットカード会社が提供する契約者専用の会員ページ等に、都度、請求情報が通知され、月毎に請求情報がまとめられて契約者に請求される。このようなクレジットカードの請求情報については、従来、クレジットカードの契約者のみが閲覧可能であり、請求情報の少なくとも一部を契約者以外の者と共有するシステムは、いまだ知られていない。
【0003】
ところで、贈答品を購入する場合、購入者が贈答品を相手先に持参せず、宅配業者による宅配サービスを利用して相手先への配達を依頼することも、近年、頻繁に行われている。このような場合、贈答品に送り主から送り先へのメッセージを添付することも行われており、インターネットショッピング等において、商品の注文、送り先への配達の手配、送り先へのメッセージの入力を、一括して、インターネット上で行うための技術も開発されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、発注主端末と、この発注主端末に接続されている管理コンピュータと、この管理コンピュータに接続されている店舗端末と、この店舗端末に接続されている印刷手段とを備えた印刷システムにおいて、上記の管理システムは、上記の発注主端末から、品物の生産を発注するための発注情報を受信する手段と、上記の発注主端末から、上記の品物の贈答先へと伝えるメッセージに関するメッセージ情報を受信する手段と、上記の発注情報と上記のメッセージ情報とを上記の店舗端末に送信する手段と、を備え、上記の端末は、上記の発注情報と上記のメッセージ情報とに基づいて印刷データを作成し、この印刷データに基づいて上記の印刷手段を介して印刷媒体に対して印刷を行う手段を備えたことを特徴とする印刷システムが開示されている。特許文献1に記載の発明によれば、店舗において、発注情報とメッセージとが両方印刷された印刷媒体によって、品物を生産するための発注書を得ることができるとともに、この印刷媒体を生産が完了した品物に添付することで、品物の贈答先に対してメッセージ情報を提供することができるものとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−291484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の印刷システムにおいては、贈答品の送り主と送り先とで、贈答品に関する情報を同時に共有することは出来ないし、贈答先に送付可能な情報も限られたものであった。したがって、本発明は以上の課題に鑑みてなされたものであり、贈答品に関する情報を、他の多様な情報とともに共有するためのシステムに使用されるサーバー等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下のものを提供する。
【0008】
(1)本発明の第1の態様は、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有するためのソーシャルネットワーキングサイトに使用されるサーバーであって、前記請求情報を、前記契約者に提示する請求情報提示手段と、提示された前記請求情報を、前記契約者が選択したことに応じて、前記受領者を特定する情報を前記契約者に入力させる受領者情報収集手段と、前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示する請求情報共有手段と、を備える、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバーである。
【0009】
(2)本発明は、前記受領者に対して、前記契約者以外の請求情報の共有相手として、決済カードの他の契約者を特定する情報を入力させる、共有範囲確定手段を更に有する、(1)に記載のソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにも関する。
【0010】
(3)本発明は、請求情報共有手段が、前記贈答品に関連する情報と関連付けて、前記契約者が入力した文字情報及び/又は画像情報を、前記受領者に提示可能である、(1)又は(2)に記載のソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにも関する。
【0011】
(4)本発明は、贈答品の配達日時に関する配達日時情報を記録する配達日時情報記録手段を更に有し、前記請求情報共有手段が、前記配達日時よりも前、及び前記配達日時よりも後のいずれか一方の時点で、前記受領者に対して前記贈答品に関連する情報を提示する、(1)から(3)までのいずれか1項に記載のソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにも関する。
【0012】
(5)本発明は、前記受領者に関係する記念日の情報を記憶する記念日情報記憶手段を更に有し、前記記念日よりも前に、前記受領者が記念日情報を共有する契約者に対して、前記記念日情報を提示する、(1)から(4)までのいずれか1項に記載のソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにも関する。
【0013】
(6)本発明の第2の態様は、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにおいて、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有する方法であって、前記請求情報を、前記契約者に提示するステップと、提示された前記請求情報を、前記契約者が選択したことに応じて、前記受領者を特定する情報を前記契約者に入力させるステップと、前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示するステップと、を含む、決済カードの請求情報を共有する方法である。
【0014】
(7)本発明の第3の態様は、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにおいて、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有する方法に用いられるプログラムであって、コンピュータを前記請求情報を、前記契約者に提示する請求情報提示手段と、提示された前記請求情報を、前記契約者が選択したことに応じて、前記受領者を特定する情報を前記契約者に入力させる受領者情報収集手段と、前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示する請求情報共有手段と、して機能させる、プログラムである。
【0015】
(8)本発明の第3の態様は、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバーにおいて、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を、前記決済カードの契約者と、贈答品の受領者とで共有する方法であって、決済カードの契約者が、前記請求情報を、受領者を特定する情報とともに受信するステップと、ソーシャルネットワーキングサイト上において前記受領者のアカウントが存在しない場合に、前記受領者のアカウントを生成するステップと、ソーシャルネットワーキングサイト上において、前記決済カードの契約者のアカウントと、前記受領者のアカウントが関連付けされていない場合に、前記決済カードの契約者のアカウントと、前記受領者のアカウントを関連付けするステップと、前記受領者に対して、前記請求情報のうち、前記贈答品に関連する情報を提示するステップと、を含む、決済カードの請求情報を共有する方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明のソーシャルネットワーキングサイトのサーバーは、贈答品をクレジットカード等の決済カードを使用して購入した際、決済カードの運営会社から決済カードの契約者に提示された、この贈答品に関係する請求情報を契約者が選択したことに応じて、請求情報のうち、贈答品に関連する情報を、贈答品の受領者に提示する。これにより、贈答品に関連する情報を、決済カードの契約者と贈答品の受領者との間で共有することができ、必要に応じて、贈答品に関係する他の想い出情報とも関連付けて、契約者と贈答品の受領者との間で共有する想い出共有SNSを構築することができる。したがって、決済カードの運営会社は、この想い出共有SNSを活用することにより、決済カードに関係する多様なサービスを契約者に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る「想い出共有SNS」の基本概念を示す図面である。
【
図2】「想い出共有SNS」における誕生日情報の登録画面を示す図面である。
【
図3】「想い出共有SNS」におけるメッセージングサービスを示す図面である。
【
図4】「想い出共有SNS」における決済カードサービスの契約勧誘画面を示す図面である。
【
図5】「想い出共有SNS」における贈答品の受領者に関する情報入力画面を示す図面である。
【
図6】「想い出共有SNS」システムの機能構成図を示す図面である。
【
図7】ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー、決済カードの契約者の端末、贈答品の受領者の端末が連携する処理をフローチャートに示した図面である。
【
図8】ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー、決済カードの契約者の端末、贈答品の受領者の端末が連携する、本発明の別の態様における処理をフローチャートに示した図面である。
【
図9】既存のソーシャルネットワーキングサイトを利用した「想い出共有SNS」において、請求情報を共有する様子を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の実施形態においては、その説明の全体を通して、同じ要素には同じ番号又は符号を付している。また、機能構成の図において、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向又は書類の流れ方向を示す。
【0019】
図1は、本発明に係る「想い出共有SNS」の基本概念を示す図面である。「想い出共有SNS」とは、贈答品を購入する際に使用した、クレジットカード等の決済カードからの請求情報を、必要に応じて、この贈答品と関連するメッセージ、写真や動画等の画像情報と関連付けて、決済カードの契約者と、贈答品の受領者との間で共有するソーシャルネットワーキングサイトである。
【0020】
[基本構成]
(事前手続き)
本発明においては、決済カードの運営会社が独自にサーバーを有しており、このサーバーにおいて、想い出共有SNSサービスを運用している。本サービスのユーザーとなる決済カードの契約者は、決済カードの運営会社に対して、事前に、想い出共有SNSサービスに申し込んでおく。また、決済カードの契約者は、決済カードの運営会社が提供する、決済カードの利用明細のウェブ閲覧サービス等に事前に申し込んでおり、決済カードからの請求情報を、随時閲覧可能な状態となっている。
【0021】
なお、本発明において、決済カードとは、後払い式の決済カードを指し、例えば、クレジットカードやポストペイ型電子マネー、デビットカード等を挙げることができる。これらの決済カードでは、いずれも、利用明細が決済カードの契約者に通知されるため、この利用明細における請求情報等を、贈答品の受領者と共有すればよい。
【0022】
(請求情報の提示及び受領者情報の収集)
決済カードの契約者が、贈答品等の品物を購入すると、想い出共有SNSのサーバーは、品物の請求情報をインターネット上の利用明細に表示する等して、決済カードの契約者に提示する(請求情報提示手段)。決済カードの契約者は、利用明細に表示された各品物の請求情報の中から、購入した贈答品の受領者(例えば、決済カードの契約者の母親)と共有する請求情報として、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を選択する。決済カードの契約者が、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を選択すると、想い出共有SNSのサーバーは、例えば、贈答品の受領者を特定する情報を、契約者に入力させる(受領者情報収集手段)。
【0023】
ここで、決済カードの契約者が、贈答品の受領者を特定する情報を入力する際に、受領者が、既に、想い出共有SNSにアカウントを有しており、決済カードの契約者と関連付けがなされている場合には、決済カードの契約者は、関連付けされたユーザーリストの中から受領者を選択することにより、贈答品の受領者を特定する情報を入力することができる。また、決済カードの契約者が、贈答品の受領者を特定する情報を入力する際に、受領者が、想い出共有SNSにアカウントを有していないか、想い出共有SNSにアカウントを有していても、決済カードの契約者と関連付けがなされていない場合には、決済カードの契約者は、
図5に示すように、受領者の名前、続柄、メールアドレス、住所、生年月日、携帯電話番号等を入力すればよい。受領者が、想い出共有SNSにアカウントを有していない場合、受領者のメールアドレスを入力することにより、想い出共有SNSサーバーから、電子メールサービスや、SMS(Short Messaging Service)、MMS(Multimedia Messaging Service)等を使用したメッセージにより、受領者を想い出共有SNSへ誘導するリンクが送信され、受領者がメッセージ中のリンクをクリックすることにより、想い出共有SNSのアカウント作成手続きを執ることができるようになる。そして、受領者が、想い出共有SNSにアカウントを作成した場合には、決済カードの契約者と受領者との関連付けがなされる。
【0024】
なお、決済カードの契約者が、請求情報等を贈答品の受領者と共有する場合、贈答品の受領者は、決済カードの契約者でもなく、ソーシャルネットワーキングサイトにアカウントを有していなくてもよい。例えば、贈答品の受領者が乳児、幼児等の子供である場合、決済カードの契約者が、子供が将来成長した際に利用することが見込まれる、子供の仮アカウントを作成し、その仮アカウントと請求情報等を共有して、共有した請求情報等を当該仮アカウントに蓄積してもよい。そして、子供が将来成長したときに、決済カードの契約者から、仮アカウントや「想い出情報」の存在を告げられることにより、子供が仮アカウントから、想い出情報にアクセスして、正規のアカウントを作成できるようにしてもよい。このような利用態様は、決済カードの契約者と子供とが親子であるケース等が想定されるが、決済カードの契約者から、仮アカウントや「想い出情報」の存在を告げれらた際に、子供に対して決済カードの契約を行うことを勧誘することにより、決済カードサービスへの若年層の取り込みの効果も期待できる。
【0025】
また、受領者が、想い出共有SNSにアカウントを有していても、決済カードの契約者と関連付けがなされていない場合には、受領者の個人情報から、想い出共有SNSのサーバー上のデータベースを検索して、受領者のアカウントを特定すればよい。そして、特定したアカウントの概要を決済カードの契約者に提示し、決済カードの契約者の選択に応じて、決済カードの契約者と受領者とを関連付ければよい。
【0026】
なお、本発明においては、決済カードの契約者が、請求情報を選択する際に、請求情報に含まれる情報のうち、いずれの情報を受領者と共有するかを選択させることが好ましい。これにより、例えば、贈答品の品名と購入日時(あるいは、贈答品を配達する際には、贈答品の配達日時)のみを受領者と共有し、贈答品の価格や贈答品を購入した店舗の店舗名等は共有しないようにすることもできる。また、決済カードの契約者は、請求情報を選択する際や、受領者を特定する際に、受領者へのメッセージや贈答品の説明等の文字情報、受領者との想い出写真/動画や、贈答品の写真/動画等の画像情報を、請求情報のうちの贈答品に関連する情報と関連付けて入力してもよい。これにより、後述する請求情報共有手段において、請求情報のうち、贈答品に関連する情報と、上記の文字情報及び/又は画像情報を、受領者に提示して共有することができる。
【0027】
(請求情報の共有)
決済カードの契約者が、受領者を特定する情報を入力すると、想い出共有SNSのサーバーは、(場合に応じて、決済カードの契約者が選択した)請求情報の、贈答品に関連する情報や、決済カードの契約者が必要に応じて、贈答品に関連する情報と関連付けて入力した文字情報及び/又は画像情報(以下、「請求情報等」ともいう)を、決済カードの契約者により選択された受領者に提示する(請求情報共有手段)。これにより、決済カードの契約者と、贈答品の受領者との間で、贈答品に関連する情報や、これに関連付けられたメッセージ、説明、写真、動画等を共有することができる(想い出の共有)。
【0028】
なお、贈答品を宅配業者の配達サービスを利用して受領者に配達する場合には、配達日時との関係で、請求情報共有手段による情報共有のタイミングを調整することが好ましい。この場合、例えば、決済カードの契約者が店頭やインターネットで贈答品を購入し、宅配サービスを申し込んだ際に、決済カードの契約者が指定した配達日時に関する配達日時情報を、想い出共有SNSサーバーにて記憶し(配達日時情報記録手段)、記録した配達日時の直前又は直後のいずれか一方の時点で、請求情報等の共有を行ってもよいし、決済カードの契約者が宅配サービスを申し込んだ際の、宅配業者の伝票番号から贈答品を追跡し、贈答品が受領者に配達されたのを確認した時点で、請求情報等の共有を行ってもよい。
【0029】
このような構成を採用することにより、贈答品の受領者に対して、贈答品の配達を事前に知らせたりすることもできるし、贈答品の受領者が、予想外の贈答品を受領して驚いているところに、さらに、贈答品に関連する情報やメッセージを提示することにより、受領者を喜ばせることもできる。
【0030】
(共有範囲の確定)
決済カードの契約者が、贈答品の受領者との間で、請求情報等を共有した場合、決済カードの契約者や、贈答品の受領者は、次いで、請求情報等の共有範囲を確定してもよい。具体的には、決済カードの契約者が、想い出共有SNS上で決済カードの契約者と関連付けされているユーザーの中から、贈答品の受領者と関係のあるユーザーを選択し、贈答品の受領者に加えて、このユーザーにも請求情報等を提示することもできるし、贈答品の受領者が、想い出共有SNS上で贈答品の受領者と関連付けされているユーザーの中から、決済カードの契約者と関係のあるユーザーを選択し、決済カードの契約者から提示された請求情報等を当該ユーザーに提示してもよい。この際、決済カードの契約者や贈答品の受領者が決済カードの家族カードサービスに契約している場合には、当該家族カードサービスに登録された家族情報等をもとに、請求情報等を共有するユーザーの候補を決済カードの契約者や贈答品の受領者に提示して選択させてもよいし、
図1に示すように、家族カードサービスに契約している決済カードの第1の契約者(消費者A;娘)と、家族カードサービスに契約している決済カードの第2の契約者(消費者B;息子)とが、別々に贈答品の受領者(母親)を受領者として選択することにより、家族カードサービスの登録情報に基づいて、母親、娘、息子からなる共有範囲を確定してもよい。このような構成を採用することにより、決済カードの契約者や贈答品の受領者を中心としたネットワークが形成され、このネットワークに加わっているユーザーの全てで決済カードの契約者や贈答品の受領者が関係する想い出を共有することができる。
【0031】
(その他の機能)
なお、想い出共有SNSは、上述した基本的機能のほかにもソーシャルネットワーキングサイトにおいて通常提供される他のサービスを提供してもよい。具体的には、例えば、
図2に示すように、決済カードの契約者や、贈答品の受領者、他のユーザー等の記念日情報を記憶し(記念日情報記憶手段)、記念日よりも前に、これらのユーザーが記念日を共有するユーザーに対して、記念日情報を提示して、贈答品の購入を勧誘する機能を有していてもよい。この場合、例えば、ユーザーが記念日を登録する際に、記念日の贈り物に欲しい贈答品を入力しておき、これを、記念日を共有する他のユーザーが閲覧可能となっていてもよい。このような構成を採用することにより、記念日に先立って、贈答品の受領者に欲しい贈答品を個別に聞くことなく、贈答品の受領者の欲しい贈答品を贈ることができる。さらに、
図3に示すように、本発明の想い出共有SNSは、決済カードの契約者、贈答品の受領者、他のユーザーのうちの、複数ユーザー間のメッセージングサービスを提供可能であってもよい。
【0032】
また、
図4等に示すように、想い出共有SNSサービスのユーザーである贈答品の受領者や他のユーザーが、決済カードを有していない場合には、これらのユーザーに対して決済カードサービスの契約を勧誘する画面を提示して決済カードの契約を促してもよい。
【0033】
以上の説明においては、決済カードの契約者が贈答品を購入して、贈答品の受領者に贈答品を贈答する態様について説明したが、決済カードの契約者が購入する物品は、受領者への贈答品に限られず、任意の物品であってもよい。この場合、本発明においては、決済カードの契約者が購入した任意の物品に関する情報を、ソーシャルネットワーキングサイトの他のユーザーや、家族、友人との間で共有する想い出共有SNSサービスが提供される。
【0034】
また、本発明は、以上の機能を実行可能なソーシャルネットワーキングサイトのサーバーであるが、それ以外にも、以上の機能をコンピュータに実行させるプログラムであってもよく、以上の機能を実行する方法であってもよい。
【0035】
[機能構成]
図6は、本発明に係る「想い出共有SNS」システム(以下、「本システム」ともいう)の機能構成図を示す図面である。本システムにおいては、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー300が、決済カードの契約者の端末100及び贈答品の受領者の端末200とに、インターネット上、無線通信によって通信可能に接続されている。決済カードの契約者の端末100や、贈答品の受領者の端末200は、家庭用コンピュータ、タブレット端末、及びスマートフォン等、任意のコンピュータ端末であればよい。なお、贈答品の受領者は、必ずしも想い出共有SNSにアカウントを有している必要はない。
【0036】
(決済カードの契約者の端末、及び贈答品の受領者の端末)
決済カードの契約者の端末100は、請求情報やユーザーを選択し、及び請求情報に関連付けて文字情報や画像情報を入力する、情報入力手段101を有し、情報入力手段101を介して決済カードの契約者が入力を行うことにより、入力した情報が、インターネットを介してソーシャルネットワーキングサイトのサーバー300に送信される。また、決済カードの契約者の端末100は、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー300からの請求情報、ユーザー情報、文字情報、画像情報等を表示する情報表示手段102を有する。贈答品の受領者の端末200についても、基本的には、決済カードの契約者の端末と同等の機能を有し、情報入力手段201と情報表示手段202とを有している。
【0037】
(ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー)
ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー300は、ユーザー端末通信手段301を有し、このユーザー端末通信手段301の機能により、インターネットを介して決済カードの契約者の端末100や、贈答品の受領者の端末200と無線通信を行う。ユーザー端末通信手段301は、共有範囲確定手段303、文字情報/画像情報受信手段304、及び請求情報等提示手段302とそれぞれ接続している。共有範囲確定手段303は、ユーザー情報DB306及び請求情報等提示手段302とそれぞれ接続しており、ソーシャルネットワーキングサイトのユーザーの中から請求情報等を提示するユーザーを決定する。また、文字情報/画像情報受信手段304は、請求情報等DB305と接続しており、入力された文字情報/画像情報を、請求情報と関連付けて請求情報等DB305に保存する。そして、請求情報等提示手段302は、共有範囲確定手段303及び請求情報等DB305に接続しており、請求情報等DB305に保存された文字情報/画像情報を、請求情報とともに、共有範囲確定手段303が確定した共有範囲の範囲内でユーザーに提示する。
【0038】
図7及び
図8は、ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー300、決済カードの契約者の端末100、贈答品の受領者の端末200が連携する処理をフローチャートの形にまとめて、本システムの機能を説明したものである。ここで、
図7は、決済カードの契約者が、決済カードの運営会社の会員ページから請求情報を選択し、文字情報/画像情報を入力する場合のフローチャートを示しており、
図8は、決済カードの契約者が、決済カードの運営会社の会員ページと連携するSNSにログインして、SNS上で請求情報を選択し、文字情報/画像情報を入力する場合のフローチャートを示している。繰り返しになるので、逐次説明は省略するが、このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0039】
なお、以上の実施形態においては、決済カードの運営会社が、独自にサーバーを有しており、想い出共有SNSサービスを運営する態様について説明したが、本発明は、そのような態様に限定されず、例えば、決済カードの運営会社が、既存のソーシャルネットワーキングサイトにおいて、上述した想い出共有SNSの機能を提供する機能拡張プログラムを提供し、必要に応じて、既存のソーシャルネットワーキングサイトのサーバー等も利用して、想い出共有SNSサービスを提供してもよい。
【0040】
具体的には、
図9に示すように、決済カードの契約者は、贈答品等の品物を購入すると、決済カードの運営会社のサーバーは、決済カードの会員ページ等において、品物の請求情報をインターネット上の利用明細に表示する等して、決済カードの契約者に提示する。この際、決済カードの運営会社のサーバーが、利用明細に贈答品の受領者を特定する情報を提示してもよく、決済カードの契約者が、決済カードの会員ページ上で贈答品の受領者を特定する情報を入力可能にしておいてもよい。決済カードの契約者は、利用明細に表示された各品物の請求情報の中から、購入した贈答品の受領者(例えば、決済カードの契約者の母親)と共有する請求情報として、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を選択する。決済カードの契約者が、贈答品の購入に関する決済カードの請求情報を選択すると、
図9に示すように、請求情報を共有するプラットフォームとなる、既存のソーシャルネットワーキングサイトへのリンク先を提示する。そして、決済カードの契約者が、プラットフォームとなるSNSを選択すると、当該SNSのサーバーは、例えば、贈答品の受領者を特定する情報を、契約者に入力させる。
【0041】
その後、決済カードの契約者は、必要に応じて、SNSのサーバー上において、贈答品に関連する情報と関連付けて文字情報及び/又は画像情報等を入力し、これらの請求情報等を、決済カードの契約者により選択された受領者と共有すればよい(想い出の共有)。
【0042】
なお、請求情報等を贈答品の受領者に提示するに当たって、贈答品の受領者が当該SNS上にアカウントを有していない場合には、贈答品の受領者がSNS上にアカウントを作成するように誘導してもよく、SNS上で決済カードの契約者と贈答品の受領者とが関連付けがなされていない場合には、請求情報を贈答品の受領者に提示すると同時に、決済カードの契約者と贈答品の受領者との間でアカウントの関連付けをしてもよい。
【0043】
以上のような機能を有する機能拡張プログラム、及び機能拡張プログラムがインストールされたコンピュータも、本発明の技術的範囲の範囲内に属するものである。
【符号の説明】
【0044】
100 決済カードの契約者の端末
101 情報入力手段
102 情報表示手段
200 贈答品の受領者の端末
201 情報入力手段
202 情報表示手段
300 ソーシャルネットワーキングサイトのサーバー
301 ユーザー端末通信手段
302 請求情報等提示手段
303 共有範囲確定手段
304 文字情報/画像情報受信手段
305 請求情報等DB
306 ユーザー情報DB