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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-18226(P2017-18226A)
(43)【公開日】2017年1月26日
(54)【発明の名称】昇降ベッド
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/015 20060101AFI20170105BHJP
   A47C 20/04 20060101ALI20170105BHJP
【FI】
   A61G7/015
   A47C20/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-137268(P2015-137268)
(22)【出願日】2015年7月8日
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090158
【弁理士】
【氏名又は名称】藤巻 正憲
(72)【発明者】
【氏名】大野 渉
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 拡昭
(72)【発明者】
【氏名】下村 晃生
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040BB01
4C040DD02
4C040DD03
4C040EE01
(57)【要約】
【課題】水平状態と傾斜状態の双方の態様を有し、小型及び簡素な駆動機構をもつ傾斜機能付き昇降ベッドと、このような傾斜機能を有しない単純昇降ベッドとを、製造の途中までの部品の共通化を可能として、いずれのタイプの昇降ベッドを製造する場合も、その製造コストの低減を図ることができる昇降ベッドを提供する。
【解決手段】傾斜機能付き昇降ベッドとしては、ベッドが最高床高位置にある場合は、足側の昇降アクチュエータ52のピストン54のみを退入させ、リンク62を回動軸47を中心として、反時計方向に回動させると、リンク62は下降し、ベッドフレーム40の足側の部分のみが下降して、ベッドフレーム40は傾斜する。一方、昇降アクチュエータ52及び揺動リンク63の代わりに、連動桿57を設置することにより、その他の部品は共通化して、単純昇降ベッドを低コストで製造することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車フレームと、
寝台を支持するベッドフレームと、
前記ベッドフレームの長手方向の中間部に設置された昇降アクチュエータ受けと、
前記台車フレームの前記一方の端部側に固定された第1リンク受けと、
前記台車フレームの前記他方の端部側に固定された第2リンク受けと、
前記ベッドフレームの前記一方の端部側に固定された第3リンク受けと、
前記ベッドフレームの前記他方の端部側に固定された第4リンク受けと、
前記第1リンク受け及び前記第3リンク受けに、回動可能に連結された第1リンクと、
前記第2リンク受け及び前記第4リンク受けに、回動可能に連結された第2リンクと、
基端部が前記昇降アクチュエータ受けに揺動可能に支持され、そのピストン先端部がベッド長手方向の一方の端部側を向いて配置され、前記第1リンクに連結されてこの第1リンクを回転駆動する第1昇降アクチュエータと、
前記第2リンクを回転駆動する駆動手段と、
を有することを特徴とする昇降ベッド。
【請求項2】
前記駆動手段は、
基端部が前記昇降アクチュエータ受けに揺動可能に支持され、そのピストン先端部がベッド長手方向の他方の端部側を向いて配置され、前記第2リンクに連結されてこの第2リンクを回転駆動する第2昇降アクチュエータを有し、
前記第2リンクは、移動回転支点を介して回動可能に連結された複数個のリンク部材を有し、
前記第2昇降アクチュエータの前記ピストンは、複数個の前記リンク部材のうちの前記第4リンク受けに連結されたものに揺動可能に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の昇降ベッド。
【請求項3】
前記駆動手段は、
前記第1リンクと前記第2リンクとを、前記第1リンク及び前記第2リンクに対して回動可能に連結する連動桿を有することを特徴とする請求項1に記載の昇降ベッド。
【請求項4】
前記第1リンクは、前記第1リンク受けとの回動支点と、前記第3リンク受けとの回動支点との間の中間部に、前記第1昇降アクチュエータとの回動支点が配置されており、
前記第2リンクは、前記揺動リンクとの回動支点と、前記第4リンク受けとの回動支点との間の中間部に、前記第2昇降アクチュエータとの回動支点が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の傾斜機能付き昇降ベッド。
【請求項5】
前記第1リンクに固定された第3リンクと、
前記第2リンクに固定された第4リンクと、
を有し、
前記連動桿は、前記第3リンク及び前記第4リンクに回動可能に連結されることにより、前記第1リンク及び前記第2リンクを連動して回転させることを特徴とする請求項3に記載の昇降ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平状態と、傾斜状態との双方をとることができる傾斜機能付き昇降ベッドと、単純に昇降のみを行う傾斜機能なし昇降ベッドとを、夫々、共通の部品を使用して、組み立てることを可能とする昇降ベッドに関する。なお、この種の傾斜機能付き昇降ベッドにおいては、チェアと称される場合もある。
【背景技術】
【0002】
治療用ベッドにおいては、医師の診察・治療及び看護師の看護のために、ベッド全体が、水平状態で昇降することができるようになっている。また、背ボトムを上昇させたり、下降させて,背ボトムの傾斜角度を変化させることができ、これにより、ベッド上の使用者がリラックス体勢をとることができるようにしたものがある(特許文献1,2)。特に,特許文献1に記載された多機能ベッドにおいては、背ボトム及び膝ボトムの上昇及び下降の動作の他に、ベッド全体も傾斜させることができるようになっている。このベッド全体の傾動は、ベッドの足部側の位置に、アームを揺動可能に連結し、アームの他端は、床面に沿って移動可能に支持し、このアームの途中にシリンダのピストンを連結して、ピストンを進出退避移動させることにより、アームを傾動させ、これにより、ベッドの足部側を持ち上げたり、下げたりすることによって、ベッドを傾斜させるものである。
【0003】
一方、身体トレーニング用に、ベッド全体を傾斜させることができるようにした傾斜ベッド装置も開示されている(特許文献3)。この傾斜ベッド装置においては、ベッド長手方向に延びるボールネジ軸を設け、このネジ軸に螺合するボールナットの位置を、ボールネジ軸をモータ駆動により回転させて、調節する。そして、床面に揺動可能に軸支された傾動軸の先端をベッドの足部に回動可能に連結し、この傾動軸の途中にボールナットを取り付け、この傾斜角度をボールナットの位置により調節することにより、ベッドの傾動角度を調節するものである。
【0004】
また、頭部が下方になるようにベッド全体を傾斜させ、ベッドの傾斜角度に伴って脳に供給される血液の量が変化し、これにより変化する脳波に関し、アルファ波が最大となるようにベッドの傾斜角度を保持することを目的として、傾斜角度の調節が可能なベッド装置が提案されている(特許文献4)。この傾斜調節可能なベッド装置においては、床にシリンダを揺動可能に設置し、ベッドの足部側の位置に前記シリンダのピストンの先端を揺動可能に連結し、更に、ベッドの頭部側の位置を固定揺動軸により揺動可能に支持することにより、前記シリンダのピストンを進出させることによって、ベッドの足部側を持ち上げて、足部側が上になるようにベッドを傾斜させるものである。
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1、3、4に開示された従来の傾斜可能なベッド装置においては、ベッド全体の傾斜が可能であるが、ベッドの昇降はできない。また、特許文献2に開示された従来のベッド装置においては、背ボトムの上方及び下降は可能であるが、ベッド全体の傾斜及びベッドの昇降はできないという問題点がある。
【0006】
特に、透析・化学療法向けチェア及びICUベッドは、背部及び脚部が水平に固定された臀部に対して、揺動可能になっており、背部及び脚部が臀部に対して一平面になるように位置した場合に、通常のベッドと同様に使用者が仰向けに寝ることができるようになり、背部が起き上がり、脚部が下降した場合に、通常の椅子と同様に使用者が座することができるようになっている。この座状態で、透析又は化学療法が行われるが、この治療の途中で、患者が貧血等の理由により容体が急変した場合、チェアを一平面状態にすると共に、足側を上げ、頭部側を下げることにより、血液を頭部側に集中させて、容体の回復を促すことができる。このように、頭部側を下げる傾斜状態を、トレンデレンバーグという。また、これと反対に、頭部側を上げ、脚部側を下げる傾斜状態をリバーストレンデレンバーグという。このリバーストレンデレンバーグにおいては、例えば、逆流性食道炎の治療に有効である。
【0007】
そこで、従来、図10乃至図13に示す傾斜機能付き昇降ベッドが開発されている。図10は下面図、図11乃至図13は正面図である。このベッドにおいては、台車フレーム1が、その4隅部で、キャスタ2により支持されている。この台車フレーム1上には、ベッドフレーム3がリンク機構5を介して支持されている。ベッドフレーム3には、背ボトム4a、腰ボトム4b、膝ボトム4c及び足ボトム4dが配置されており、腰ボトム4bは、ベッドフレーム3に固定されており、背ボトム4aは、その腰ボトム4b側の端部がベッドフレーム3に対して回動可能に支持されており、膝ボトム4cは、その腰ボトム4b側の端部がベッドフレーム3に対して回動可能に支持されている。また、足ボトム4dは、その膝ボトム4c側の端部が足ボトムに連結されていて、膝ボトム4cと連動して動作する。
【0008】
リンク機構5においては、台車側昇降リンク受け11が台車フレーム1に固定されており、頭側昇降リンク受け23がベッドフレーム3に固定されている。そして、図示で逆「く」字形状をもつ頭側昇降リンク13の一方の端部が、台車側昇降リンク受け11に回動可能に連結されており、頭側昇降リンク13の逆「く」字形状の屈曲部が、頭側昇降リンク受け23に回動可能に連結されている。また、ベッドフレーム3に頭側昇降アクチュエータ受け12が固定されており、この頭側昇降アクチュエータ受け12に頭側昇降アクチュエータ21の基端部が揺動可能に連結されている。この頭側昇降アクチュエータ21のピストンは、足側昇降リンク17の他方の端部に回動可能に連結されている。そして、足側においては、台車フレーム1に、揺動リンク受け14が固定されており、この揺動リンク受け14に揺動リンク15の一方の端部が回動可能に連結されている。また、ベッドフレーム3には、足側昇降リンク受け24が固定されている。そして、図示で「く」字形状をもつ足側昇降リンク17の一方の端部が、揺動リンク15の他方の端部に回動可能に連結されており、足側昇降リンク17の「く」字形状の屈曲部が、足側昇降リンク受け24に回動可能に連結されている。また、ベッドフレーム3には、足側昇降アクチュエータ受け16が固定されており、足側昇降アクチュエータ受け16には、足側昇降アクチュエータ22の基端部が揺動可能に連結されている。足側昇降アクチュエータ22のピストンは、頭側昇降リンク13の他方の端部に回動可能に連結されている。頭側昇降アクチュエータ21は正逆回転してそのピストンが進出退避移動し、足側昇降アクチュエータ22は正逆回転してそのピストンが進出退避移動する。これにより、頭側昇降アクチュエータ21は、足側昇降リンク17を回動駆動し、足側昇降アクチュエータ22は、頭側昇降リンク13を回動駆動する。
【0009】
頭側昇降リンク13及び足側昇降リンク17は、一定の角度で屈曲しており、夫々、足側昇降アクチュエータ22及び頭側昇降アクチュエータ21により回転駆動されて、ベッドフレーム3が昇降し、更に傾斜する。図7に示すように、ベッドフレーム3が低床位置にある状態から、図8に示すように、足側昇降アクチュエータ22のピストンを進出させ、同時に頭側昇降アクチュエータ21のピストンを進出させて、頭側昇降リンク13と足側昇降リンク17を、その上端部が相互に広がるように回動させると、頭側昇降リンク13と足側昇降リンク17が起き上がり、頭側昇降リンク13と足側昇降リンク17の各中間部(屈曲部)に連結された頭側昇降リンク受け23及び足側昇降リンク受け22が持ち上がり、これらの頭側昇降リンク受け23及び足側昇降リンク受け22が固定されたベッドフレーム3が上昇する。このようにして、ベッドの寝床部を上昇させることができる。
【0010】
一方、図7に示す低床状態から、図9に示すように、足側昇降アクチュエータ22のピストンは進出させるが、頭側昇降アクチュエータ21のピストンはそのままである(進出させない)と、足側昇降リンク17は横になったままであり、頭側昇降リンク13のみが起き上がるので、ベッドフレーム3は、足側が低く、頭側が高くなる傾斜した状態になる。このようにして、ベッドを傾斜した状態にすることができる。
【0011】
これにより、ベッドフレーム3、ひいては、背ボトム4a、腰ボトム4b、膝ボトム4c及び足ボトム4dは、水平に並んで患者が仰向けに寝ることができる状態と、足側又は頭側を上げ、他方を下げるようにして、背ボトム4a、腰ボトム4b、膝ボトム4c及び足ボトム4dを、同一平面上に位置させつつ、頭側又は足側を下げることができる。
【0012】
一方、図14及び図15は、従来の傾斜機能なしの単純昇降ベッドを示す夫々下面図及び正面図である。このベッドのリンク機構5においては、台車側昇降リンク受け11が台車フレーム1に固定されており、この台車側昇降リンク受け11には、頭側昇降リンク13の一端部が回動可能に連結されている。この頭側昇降リンク13の中間部は、ベッドフレーム3に固定された頭側昇降リンク受け23に回動可能に連結されている。一方、足側においては、台車フレーム1に、台車側昇降リンク受け18が設置されており、この台車側昇降リンク受け18に足側昇降リンク17の一端部が回動可能に連結されている。この足側昇降リンク17の中間部は、ベッドフレーム3に固定された足側昇降リンク受け24に回動可能に連結されている。また、ベッドフレーム3に昇降アクチュエータ受け26が設置されており、この昇降アクチュエータ受け26に、昇降アクチュエータ25の基端部が揺動可能に連結されている。この昇降アクチュエータ25のピストンは、頭側昇降リンク13の他端部に回動可能に連結されている。更に、頭側昇降リンク13と、足側昇降リンク17との間には、ベッド長手方向に延びる連動桿10が連結されており、この連動桿10により、頭側昇降リンク13と足側昇降リンク17とが連動して回転する。
【0013】
このように構成された単純昇降ベッドにおいては、昇降アクチュエータ25のピストンを進出させると、頭側昇降リンク13が回動し、更に、連動桿10を介して足側昇降リンク17が回動して、頭側昇降リンク受け23及び足側昇降リンク受け24が上昇して、ベッドフレーム3が上昇する。一方、昇降アクチュエータ25のピストンを退入させると、頭側昇降リンク13及び足側昇降リンク17が逆方向に回動して、ベッドフレーム3が下降する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000−24056号公報
【特許文献2】特開2010−227393号公報
【特許文献3】特開平5−220236号公報
【特許文献4】特表2006−503637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上述の特許文献1乃至4に開示された従来技術は、傾斜ベッドにはなるが、昇降機構を有しないものであり、治療、安眠及び看護のために、ベッドを昇降及び傾斜させるという機能を果たすことができず、多機能ベッドとしては、その機能が不足するものであった。
【0016】
また、図10乃至図13に示す従来の傾斜機能付きの昇降ベッドにおいては、この昇降及び傾斜動作のために、多数のアクチュエータ及びリンクを設置する必要があり、昇降及び傾斜のための駆動機構が大型化し、構造が複雑化するという欠点がある。
【0017】
更に、図14及び図15に示す従来の単純昇降ベッドにおいても、同様に機構が複雑であり、構造が複雑化するという欠点がある。更にまた、傾斜機能付き昇降ベッドは、頭側昇降アクチュエータ21と足側昇降アクチュエータ22を具備しており、単純昇降ベッドは、昇降アクチュエータ25と連動桿10を具備しており、構造が大きく相違する。このため、これらのベッド部品は、共通化することができず、製造コスト上、不利である。また、図10乃至図13に示す傾斜機能付き昇降ベッドは、昇降機能も有しているので、図14及び図15に示す単純昇降ベッドの代わりに、傾斜機能付き昇降ベッドを使用することも考えられる。そうすると、製造対象は、図10及び図13に示す傾斜機能付きベッドのみとなり、部品の共通化という問題点は解消されるが、傾斜機能が不要な用途においても、頭側昇降アクチュエータ21と足側昇降アクチュエータ22を具備した過剰装備の昇降ベッドを使用することになり、傾斜機能が無駄となり、単純昇降ベッドの場合に比して、その製造コストは相対的に高くなる。
【0018】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、水平状態と傾斜状態の双方の態様を有し、小型及び簡素な駆動機構をもつ傾斜機能付き昇降ベッドと、このような傾斜機能を有しない単純昇降ベッドとを、製造の途中までの部品の共通化を可能として、いずれのタイプの昇降ベッドを製造する場合も、その製造コストの低減を図ることができる昇降ベッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明に係る昇降ベッドは、
台車フレームと、
寝台を支持するベッドフレームと、
前記ベッドフレームの長手方向の中間部に設置された昇降アクチュエータ受けと、
前記台車フレームの前記一方の端部側に固定された第1リンク受けと、
前記台車フレームの前記他方の端部側に固定された第2リンク受けと、
前記ベッドフレームの前記一方の端部側に固定された第3リンク受けと、
前記ベッドフレームの前記他方の端部側に固定された第4リンク受けと、
前記第1リンク受け及び前記第3リンク受けに、回動可能に連結された第1リンクと、
前記第2リンク受け及び前記第4リンク受けに、回動可能に連結された第2リンクと、
基端部が前記昇降アクチュエータ受けに揺動可能に支持され、そのピストン先端部がベッド長手方向の一方の端部側を向いて配置され、前記第1リンクに連結されてこの第1リンクを回転駆動する第1昇降アクチュエータと、
前記第2リンクを回転駆動する駆動手段と、
を有することを特徴とする。
【0020】
この昇降ベッドにおいて、
前記駆動手段は、例えば、
基端部が前記昇降アクチュエータ受けに揺動可能に支持され、そのピストン先端部がベッド長手方向の他方の端部側を向いて配置され、前記第2リンクに連結されてこの第2リンクを回転駆動する第2昇降アクチュエータを有し、
前記第2リンクは、移動回転支点を介して回動可能に連結された複数個のリンク部材を有し、
前記第2昇降アクチュエータの前記ピストンは、複数個の前記リンク部材のうちの前記第4リンク受けに連結されたものに揺動可能に連結されている。
【0021】
そして、例えば、
前記第1リンクは、前記第1リンク受けとの回動支点と、前記第3リンク受けとの回動支点との間の中間部に、前記第1昇降アクチュエータとの回動支点が配置されており、
前記第2リンクは、前記揺動リンクとの回動支点と、前記第4リンク受けとの回動支点との間の中間部に、前記第2昇降アクチュエータとの回動支点が配置されている。
【0022】
又は、
前記駆動手段は、例えば、
前記第1リンクと前記第2リンクとを、前記第1リンク及び前記第2リンクに対して回動可能に連結する連動桿を有する。
【0023】
そして、例えば、
前記第1リンクに固定された第3リンクと、
前記第2リンクに固定された第4リンクと、
を有し、
前記連動桿は、前記第3リンク及び前記第4リンクに回動可能に連結されることにより、前記第1リンク及び前記第2リンクを連動して回転させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、第1昇降アクチュエータと第2昇降アクチュエータを備えた傾斜機能付き昇降ベッドと、第1昇降アクチュエータと連動桿を備えた単純(傾斜機能なし)昇降ベッドとを、これらの第1昇降アクチュエータ、第2昇降アクチュエータ及び連動桿以外のほとんどの部品を共通化して、製造することができる。この部品の共通化により、製造の途中までは、傾斜機能付き昇降ベッドも単純昇降ベッドも同一工程で製造しておくことができ、製造計画に応じて、要求される製品を迅速に製造することができる。また、傾斜機能付き昇降ベッド及び単純昇降ベッドの開発工数も削減することができる。更に、共通部品が多く、個別部品が少ないので、部品在庫の管理が簡素である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る昇降ベッドを傾斜機能付き昇降ベッドに組み立てた状態のベッド下方から見た斜視図である。
図2】同じく、この昇降ベッドの下面図である。
図3】上記傾斜機能付き昇降ベッドの正面図(最低床高時)である。
図4】同じく、傾斜機能付き昇降ベッドの正面図(最高床高時)である。
図5】同じく、傾斜機能付き昇降ベッドの正面図(傾斜時)である。
図6】同じく、その一部拡大下面図である。
図7】本発明の実施形態に係る昇降ベッドを単純昇降ベッドに組み立てた状態のベッド下方から見た斜視図である。
図8】上記単純昇降ベッドの正面図(最低床高時)である。
図9】上記単純昇降ベッドの正面図(最高床高時)である。
図10】従来の傾斜機能付き昇降ベッドを示す下面図である。
図11】同じく、その正面図である。
図12】同じく、その動作を示す正面図である。
図13】同じく、その動作を示す正面図である。
図14】従来の単純昇降ベッドを示す下面図である。
図15】同じく、その正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。図1乃至図6は、本発明の実施形態に係る昇降ベッドを、最終的に傾斜機能付き昇降ベッドに組み立てた場合の製品の図である。図1は最低床高位置のときのベッド下方から見た斜視図、図2は同じくその下面図、図3は同じくその正面図である。図4及び図5はその動作を示す正面図、図6はアクチュエータを示す一部拡大図である。台車フレーム30の4隅部にキャスタ31,32が垂直軸の周りに回転可能に配置されており、台車フレーム30はキャスタ31,32に支持されて、任意の方向に移動することができる。この台車フレーム30は、ストッパ33を踏み込むことにより、キャスタ31,32の回転を拘束し、その場に停止させることができる。
【0027】
ベッドフレーム40は、マットレス等の寝台を支持するもので、このベッドフレーム40には、頭側から足側にかけて、背ボトム41a、腰ボトム41b、膝ボトム41c、及び足ボトム41dが、この順に配置されている。腰ボトム41bは、ベッドフレーム40に、フレームにより構成される面と平行に固定されている。また、背ボトム41aは、その腰ボトム41b側の端部がベッドフレーム40に揺動可能に支持されており、膝ボトム41cは、その腰ボトム41b側の端部がベッドフレーム40に揺動可能に支持されている。そして、足ボトム41dは、その膝ボトム41c側の端部が膝ボトム41cに連結されていて、膝ボトム41cに連動して揺動する。ベッドフレーム40の頭側の端部には、ヘッドボード42が立設されており、足側の端部には、フットボード43が立設されている。
【0028】
台車フレーム30は、図2に示すように、1対のベッド長手方向に延びる側部部材30C,30Dと、この側部部材30C,30D間に架け渡された頭部側の短手部材30A(回動軸35)と、同じく側部部材30C,30D間に架け渡された足部側の短手部材30B(回動軸37)とを相互に固定して構成されている。また、ベッドフレーム40も、1対のベッド長手方向に延びる側部部材40C,40Dと、この側部部材40C,40D間に架け渡された頭部側の短手部材40Aと、同じく側部部材40C,40D間に架け渡された足部側の短手部材40Bとを相互に固定して構成されており、更に、側部部材40C,40D間には、ベッド長手方向の中央部近傍に、1対の短手部材40E,40Fが架け渡されて、固定されている。
【0029】
そして、台車フレーム30の短手部材30Aである回動軸35は、側部部材30C,30Dの内面に固定されたリンク受け34に回転可能に軸支されており、短手部材30Bである回動軸37は、側部部材30C,30Dの内面に固定された揺動リンク受け63に回転可能に軸支されている。
【0030】
回動軸35には、1対のリンク部材61aの一端部が回動軸35の長手方向に離隔した位置にて回動可能に連結されており、リンク部材61aの他端部は回動軸46に固定されている。また、回動軸46の中央には、1個のリンク部材61bが固定されている。そして、回動軸46に対し、リンク部材61aとリンク部材61bとは、一定の角度をなして固定されており、従って、リンク部材61a、61bがなす角度は一定である。よって、リンク部材61a、61bは一定の角度で逆「く」字形に屈曲した1個のリンク61として機能する。回動軸37は、1対の揺動リンク63の一端部が、回動軸37の長手方向に離隔して配置されており、揺動リンク63の他端部は回動軸64に回転可能に連結されている。回動軸64には、1対のリンク部材62aの一端部が回動軸64の長手方向に離隔した位置にて回動可能に連結されており、リンク部材62aの他端部は回動軸47に固定されている。また、回動軸47の中央には、1個のリンク部材62bが固定されている。そして、回動軸47に対し、リンク部材62aとリンク部材62bとは、一定の角度をなして固定されており、従って、リンク部材62a、62bがなす角度は一定である。よって、リンク部材62a、62bは一定の角度で「く」字形に屈曲した1個のリンク62として機能する。
【0031】
図3乃至図5において、第1リンク61は、リンク部材61bと共に一体的に動作するリンク部材61aが、台車フレーム30に固定されたリンク受け34と、ベッドフレーム40に固定されたリンク受け44とに回動可能に連結されており、リンク部材61aが図3乃至図5において反時計方向に回動すると、ベッドフレーム40が上昇し、時計方向に回動すると、ベッドフレーム40が下降する。第2リンク62は、リンク部材62bと共に一体的に動作するリンク部材62aが、揺動リンク63の上端部と、ベッドフレーム40に固定されたリンク受け45とに回動可能に連結されており、リンク部材62aが図3乃至図5において時計方向に回動すると、ベッドフレーム40が上昇し、反時計方向に回動すると、ベッドフレーム40が下降する。
【0032】
そして、ベッドフレーム40の中央短手部材40Fには、その中央の位置に、アクチュエータ受け50が固定されている。また、このアクチュエータ受け50には、頭側昇降アクチュエータ51と、足側昇降アクチュエータ52とが、それらの基端部を背中合わせにして、若干揺動可能に支持されている。そして、頭側昇降アクチュエータ51のピストン53の先端部は、リンク61の上端の回動軸55に回動可能に連結されている。また、足側昇降アクチュエータ52のピストン54の先端部は、リンク62の上端の回動軸56に回動可能に連結されている。これらの頭側昇降アクチュエータ51と、足側昇降アクチュエータ52は、上述の如く、ベッドフレーム40の幅方向の中央にて、ベッド長手方向に延びる一直線上に、配置され、1個のアクチュエータ受け50に、それらの後端部を回転可能に共通して軸支されている。
【0033】
なお、ベッドフレーム40には、背ボトム41aの昇降(背上げ及び背下げ)用のアクチュエータ71及びピストン72と、膝ボトム41cの昇降(背上げ及び背下げ)用のアクチュエータ73及びピストン74とが配置されている。
【0034】
このように、第1及び第2昇降アクチュエータ51,52を設置し、第2リンクとして、揺動リンク63を備えたものを設置することにより、傾斜機能付き昇降ベッドが構成される。次に、この傾斜機能付き昇降ベッドの動作について説明する。先ず、昇降動作について説明する。図3に示す最低床高さ位置から、頭側昇降アクチュエータ51のピストン53と、足側昇降アクチュエータ52のピストン54とを進出させる。そうすると、ピストン53、54に連結された逆「く」字状の第1リンク61及び「く」字状の第2リンク62が、回動軸46,47を中心として、その上端部(回動軸55,56)が相互に離反する方向に揺動する。これにより、リンク61の回動軸46より回動軸35側の部分が、固定回転支点である回動軸35を中心として、図3乃至図5の反時計方向に揺動する。一方、リンク62の回動軸47より回動軸64側の部分が、固定回転支点である回動軸47を中心として、図3乃至図5の時計方向に揺動する。このとき、リンク62の下端の回動軸64を介して揺動リンク63が時計方向に若干揺動する。
【0035】
このとき、リンク61.62は、回動軸46,47を中心として回動する。このため、アクチュエータ51,52の動作により、固定回転支点である回動軸46,47を中心として、リンク61,62が揺動すると、回動軸35,64間の直線距離(間隔)は、変化せざるを得ない。このため、回動軸64を回動軸35と同様に固定回転支点とすると、リンク61,62は動作し得ない。そこで、本実施形態においては、回動軸64を揺動リンク63の上端に設け、揺動リンク63を固定回転支点である回動軸37の周りに揺動可能とすることにより、回動軸35と回動軸64との間の直線距離(間隔)を、可変とする。これにより、リンク61,62の揺動動作が可能となる。
【0036】
リンク61,62が、回動軸35,64を介して、夫々反時計方向及び時計方向に回動することにより、回動軸46,47及びリンク受け44,45を介して、図4に示すように、ベッドフレーム40が上昇する。このとき、揺動リンク63が揺動することにより、回動軸64が若干移動して、リンク61,62の夫々反時計方向及び時計方向への回動が可能となる。
【0037】
アクチュエータ51,52のピストン53,54を退入させることにより、上述と逆の動作で、図3に示すように、ベッドフレーム40を下降させることができる。
【0038】
次に、ベッドの傾斜動作について説明する。仮に、図4に示すように、ベッドが最高床高位置にあるとする。この状態で、図5に示すように、足側の昇降アクチュエータ52のピストン54のみを退入させ、リンク62を回動軸47を中心として、図3乃至図5の反時計方向に回動させる。これにより、リンク62の回動軸47より回動軸64側の部分が上昇しようとするが、この部分は回動軸64を介して、揺動リンク63に連結されているので、リンク62は下降する、これにより、回動軸47及びリンク受け45を介して、ベッドフレーム40の足側の部分のみが下降する。ベッドフレーム40の頭側の部分は上昇したままであるので、図5に示すように、ベッドフレーム40は傾斜する。
【0039】
仮に、図3に示すようにベッドフレーム40が最低床高位置にあるときは、頭側の昇降アクチュエータ51のピストン53のみを進出させる。そうすると、リンク61が、回動軸35を介して、図3乃至図5の反時計方向に回動する。これにより、リンク61の回動軸46の位置が上昇し、リンク受け55を介して、ベッドフレーム40の頭側部分が上昇する。ベッドフレーム40の足側部分はそのままであるので、ベッドフレーム40は、図5に示すように傾斜する。
【0040】
このようにして、ベッドフレーム40は、図3に示すように最低床高時の場合に、患者が就寝することに適し、図4に示すように最高床高時の場合に、医師又は看護師による治療又は看護を行うことに適し、図5に示すように、頭側が上になるように傾斜することにより、逆流性食道炎等の患者に対する治療に適する状態を、アクチュエータ51,52の動作により、容易に得ることができる。この場合に、アクチュエータ51,52は、ベッドフレーム40に設けた1個のアクチュエータ受け50に支持されており、しかもそれらの基端側を背中合わせにしてアクチュエータ受け50に支持させているので、ベッド動作時にアクチュエータ51,52に作用する反力は、相互に打ち消し合う。また、2個のアクチュエータ51,52は、一直線上に配置されているので、アクチュエータ受け50に作用する応力は、ベッドフレームの幅方向の1点に作用し、アクチュエータ受け50にモーメントは作用しない。このため、アクチュエータ受け50に印加される応力は、各アクチュエータ51,52を別個のアクチュエータ受けで支持する場合に比して、小さくすることができる。このため、アクチュエータ受け50及び短手部材40Fの所要強度は低くても足り、軽量化が可能である。また、本実施形態においては、リンク61,62,揺動リンク63のリンク機構により、昇降及び傾斜動作をさせることができるので、構造が簡素であり、軽量化が可能である。
【0041】
しかも、リンク61,62は、逆「く」字形状又は「く」字形状をなすので、表裏の形状をなすため、共通して使用することができる。リンク受け44,45も同様に表裏で同一形状をなしているので、共通して使用することができる。
【0042】
なお、図6に示すように、アクチュエータ受け50は、ベッドフレーム40の長手方向の中央に設けられた1対の短手部材40E,40Fの一方の短手部材40Fに固定されているので、アクチュエータ受け50は、アクチュエータ51,52の各後端部の支持位置から、短手部材40Fへ向けて、湾曲している。しかし、この短手部材40Fの位置をベッドフレーム40の長手方向の中央に設けた場合は、アクチュエータ受け50は湾曲せずに、垂直方向に延びるものとしてもよい。
【0043】
次に、基本構造は、そのままにして、上述の昇降ベッドを単純昇降ベッドに組み立てた態様について説明する。本態様においては、第2昇降アクチュエータ52は取り外されている。その代わりに、連動桿57がベッドフレーム40に設置されている。台車フレーム30の足部側の位置には、1対の台車側昇降リンク受け36aが、側部部材30C,30Dの内面に固定されており、台車側足部の回動軸37aがこれらの台車側昇降リンク受け36aに回転可能に軸支されている。また、ベッドフレーム40の足部側の位置には、1対のベッドフレーム側昇降リンク受け45aが側部部材40C,40Dの内面に固定されており、ベッドフレーム側足部の回動軸47aが昇降リンク受け45aに回転可能に軸支されている。
【0044】
そして、回動軸37aには、1対のリンク部材62aの一端部が回動軸37aの長手方向に離隔した位置にて回動可能に連結されており、リンク部材62aの他端部は回動軸47aに固定されている。また、回動軸47aの中央近傍であって、若干側部部材40C側に偏倚した位置には、1個のリンク部材59が固定されている。一方、頭側の昇降リンク受け44に軸支された回動軸46には、同様に、回動軸46の中央近傍であって、若干側部部材40C側に偏倚した位置に、1個のリンク部材58が固定されている。そして、これらのリンク部材58,59の各先端部間に、連動桿57が、リンク部材58,59に対して回動可能に連結されている。リンク部材58,59のベッド幅方向の位置は、連動桿57がベッド長手方向に平行となるような位置であると共に、ベッド幅方向の中央に配置された第1昇降アクチュエータ51に干渉しない位置である。なお、足側の回動軸47aに固定されたリンク部材59と、リンク部材62aとは、回動軸47aに関して、一定の角度で交差しており、図8及び図9の図示において、「く」字形の一定の形状を有している。
【0045】
このように構成された単純昇降ベッドにおいては、図8に示す最低床高位置の状態から、頭側昇降アクチュエータ51のピストン53を進出させて、ピストン53の先端が連結されたリンク部材61bを図8及び図9において回動軸46の周りに反時計方向に回動させる。そうすると、リンク部材61aが回動軸35の周りに同様に反時計方向に回動し、その結果、リンク受け34に対してリンク部材61aが反時計方向に回動するため、リンク部材61aの端部に回動可能に連結されたリンク受け44が上昇する。このとき、回動軸46には、リンク部材58も固定されていて、回動軸46が昇降アクチュエータ51により反時計方向に回動すると、リンク部材58も反時計方向に回動する。その結果、リンク部材58に連結された連動桿57がベッド前方に移動し、連動桿57に連結された足側のリンク部材59も反時計方向に回動する。そして、回動軸47aを介してリンク部材62aも反時計方向に回動し、回動軸37aの周りにリンク部材62aが回動することにより、リンク部材62aの他端に連結されたリンク受け45aが上昇する。これらのリンク受け44,45aの上昇により、ベッドフレーム40が水平状態で上昇する。
【0046】
一方、頭側昇降アクチュエータ51のピストン53を退入させると、上述の逆の回動動作で、ベッドフレーム40が下降する。このようにして、第1昇降アクチュエータ51の動作により、連動桿57を介して、第1リンク61a及び第2リンク62aが回動して、ベッドフレーム40が昇降する。しかし、本態様においては、ベッドは傾斜しない。即ち,ベッドは単純昇降する。なお、本態様においては、ベッドフレーム40の昇降のために、揺動リンク63を設ける必要はない。
【0047】
以上説明したように、本態様においては、第2昇降アクチュエータ52の代わりに、連動桿57を設置し、第2リンクとして、リンク62及び揺動リンク63を使用する代わりに、リンク62のみを使用することにより、単純昇降ベッドを組み立てることができる。このため、これらの第1昇降アクチュエータ51、第2昇降アクチュエータ53及び連動桿57以外のほとんどの部品を共通化して、傾斜機能付き昇降ベッドと、単純昇降ベッドとを、任意に選択して、製造することができる。この部品の共通化により、製造の途中までは、傾斜機能付き昇降ベッドも単純昇降ベッドも同一工程で同一構造のものを製造しておくことができ、製造計画に応じて、要求される製品を迅速に製造することができる。また、傾斜機能付き昇降ベッド及び単純昇降ベッドの開発工数も削減することができる。更に、共通部品が多く、個別部品が少ないので、部品在庫の管理が簡素である。
【符号の説明】
【0048】
30:台車フレーム
34,36,36a:リンク受け
35,37、37a:回動軸
40:ベッドフレーム
44、45,45a:リンク受け
46,47,47a:回動軸
50:アクチュエータ受け
51:頭側昇降アクチュエータ
52:足側昇降アクチュエータ
53,54:ピストン
55,56,56a:回動軸
57:連動桿
58,59,61a、61b、62a、62b:リンク部材
61,62:リンク
63:揺動リンク
64:回動軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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