特開2017-182616(P2017-182616A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2017182616-カードリーダ 図000003
  • 特開2017182616-カードリーダ 図000004
  • 特開2017182616-カードリーダ 図000005
  • 特開2017182616-カードリーダ 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-182616(P2017-182616A)
(43)【公開日】2017年10月5日
(54)【発明の名称】カードリーダ
(51)【国際特許分類】
   G06K 13/067 20060101AFI20170908BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20170908BHJP
【FI】
   G06K13/067 Z
   G06K7/10 204
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-71672(P2016-71672)
(22)【出願日】2016年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】東 賀津久
(72)【発明者】
【氏名】清水 洋平
【テーマコード(参考)】
5B023
【Fターム(参考)】
5B023CA01
5B023DA01
(57)【要約】
【課題】電源が投入されていないときに、プリヘッドを介して、磁気カードの磁気情報を不正に取得することができないカードリーダを提供することにある。
【解決手段】カードリーダ1は、磁気抵抗素子21、22により磁界の変化を検出するプリヘッド50と、プリヘッド50に電圧を印加する電圧印加回路23と、プリヘッド50からの電圧信号S1に基準電圧V0を重畳させる基準電圧回路30を備え、電圧信号S1と基準電圧V0との差に基づいて検知信号S4を出力する信号処理回路24を備える。また、カードリーダ1は、プリヘッド50と信号処理回路24との間に挿入されたカップリングコンデンサ26と、電圧印加回路23からプリヘッド50への電圧の印加と同時にカップリングコンデンサ26と信号処理回路24との間を接続するスイッチング回路27を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気抵抗素子により磁界の変化を検出するプリヘッドと、
前記プリヘッドに所定の印加電圧を印加する電圧印加回路と、
前記プリヘッドからの電圧信号に基準電圧を重畳させる基準電圧回路を備え、前記電圧信号と前記基準電圧との差に基づいて検知信号を出力する信号処理回路と、
前記プリヘッドと前記基準電圧回路との間に挿入されたコンデンサと、
前記電圧印加回路から前記プリヘッドへの前記印加電圧の印加と同時に前記コンデンサと前記基準電圧回路との間を切断状態から接続状態に切り替えるスイッチング回路と、
前記検知信号に基づいて、カード挿入口に挿入された磁気カードの磁気ストライプに磁気情報が記録されているか否かを判定する制御部と、を有することを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
請求項1において、
前記スイッチング回路は、前記電圧印加回路と前記プリヘッドとの間を継断する第1スイッチング素子と、前記コンデンサと前記信号処理回路との間を継断する第2スイッチング素子とを備え、
前記第1スイッチと前記第2スイッチとが同時に切断状態から接続状態に切り替わることを特徴とするカードリーダ。
【請求項3】
請求項2において、
前記カード挿入口に挿入された前記磁気カードを機械的または光学的に検出する検出器を有し、
前記検出器によって前記磁気カードが検出されると、前記第1スイッチと前記第2スイッチとが同時に切断状態から接続状態に切り替わることを特徴とするカードリーダ。
【請求項4】
請求項2において、
利用者の動きを検出する人感センサを有し、
前記人感センサによって前記利用者の動きが検出されると、前記第1スイッチと前記第2スイッチとが同時に切断状態から接続状態に切り替わることを特徴とするカードリーダ。
【請求項5】
請求項2から4のうちのいずれか一項において、
前記第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のそれぞれは、アナログスイッチであることを特徴とするカードリーダ。
【請求項6】
請求項1から5のうちのいずれか一項において、
前記磁気抵抗素子として、直列に接続された第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子と、を有し、
前記第1磁気抵抗素子における前記第2磁気抵抗素子とは反対側に前記電圧印加回路から前記印加電圧が印加され、前記第2磁気抵抗素子における前記第1磁気抵抗素子とは反対側が接地され、
前記プリヘッドは、前記電圧信号として、前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子との間の中点の電圧を出力することを特徴とするカードリーダ。
【請求項7】
請求項6において、
前記印加電圧は、前記基準電圧の電位の2倍であることを特徴とするカードリーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気抵抗素子により磁界の変化を検出するプリヘッドを備えるカードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気トラックを有する磁気カードから磁気情報を読み取るカードリーダは特許文献1に記載されている。特許文献1のカードリーダは、カード挿入口と、磁気情報読取用の磁気ヘッドと、カード挿入口から磁気ヘッドによる読取位置を経由して延びるカード搬送経路と、カード搬送経路に沿って磁気カードを搬送する搬送機構を備える。また、カードリーダは、カード挿入口に挿入された磁気カードの磁気ストライプに磁気情報が記録されているか否かを検出するプリヘッドを備える。プリヘッドによる検出位置は読取位置よりもカード挿入口に近い位置に設定されている。
【0003】
特許文献1のプリヘッドは、ギャップを備えるコアとコアに巻き回されたコイルとを備える。磁気情報が記録された磁気カードがギャップを通過すると、コイルの両端からは磁界の変化に対応する振幅の電圧信号が出力される。カードリーダは、プリヘッドからの電圧信号に基づいて磁気カードに磁気情報が記憶されているか否かを判定する。ここで、磁気カードに磁気情報が記憶されていると判定された場合には、カードリーダは、搬送機構を駆動して、磁気カードをカード搬送経路に沿って搬送する。そして、カードリーダは、読取位置を通過する磁気カードから、磁気情報を取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−205187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図4は、ギャップ51aを備えるコア51とコア51に巻き回されたコイル52とを備えるプリヘッド50を有するカードリーダにおいて、磁気カードに磁気情報が記憶されているか否かを判定するプリヘッド50の制御系の概略ブロック図である。
【0006】
図4に示すように、プリヘッド50の制御系は、プリヘッド50と、プリヘッド50から出力される電圧信号に基づいて検知信号を出力する信号処理回路24と、検知信号に基づいてカード挿入口に挿入された磁気カードに磁気情報が記録されているか否かを判定する制御部25とを有する。信号処理回路24は、コイル52の一方端に接続された第1端子53および他方端に接続された第2端子54から出力される電圧信号を増幅するアンプ回路31と、アンプ回路31によって増幅された増幅信号と予め定めた閾値とを比較して、増幅信号が閾値以上となる場合に検出信号を出力するコンパレータ回路32と、磁気カードがカード挿入口に挿入されていないときに(プリヘッド50が磁界の変化を検出していないときに)、アンプ回路31に入力される電圧信号の振幅の基準電位を基準電圧V0とする基準電圧回路30を備える。基準電圧回路30はプリヘッド50からの電圧信号に基準電圧V0を重畳させるものである。制御部25は、磁気カードがカード挿入口に挿入されたときに信号処理回路24から検出信号が出力される回数等に基づいて、磁気カードに磁気情報が記録されているか否かを判定している。
【0007】
ここで、コアとコイルとを備えるプリヘッドでは、プリヘッドに電力を供給する必要がない。このため、磁気カードがコアのギャップを通過すると、常に、プリヘッドから磁界
の変化に対応する電圧信号が出力される。従って、カードリーダに電源が投入されていない場合などに、悪意のある者がプリヘッドのギャップを通過するように磁気カードを移動させてプリヘッドから出力される電圧信号を取得した場合には、磁気カードに記録された磁気情報が不正に取得される可能性がある。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、電源が投入されていないときに、プリヘッドを介して、磁気カードの磁気情報を不正に取得することができないカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のカードリーダは、磁気抵抗素子により磁界の変化を検出するプリヘッドと、前記プリヘッドに所定の印加電圧を印加する電圧印加回路と、前記プリヘッドからの電圧信号に基準電圧を重畳させる基準電圧回路を備え、前記電圧信号と前記基準電圧との差に基づいて検知信号を出力する信号処理回路と、前記プリヘッドと前記基準電圧回路との間に挿入されたコンデンサと、前記電圧印加回路から前記プリヘッドへの前記印加電圧の印加と同時に前記コンデンサと前記基準電圧回路との間を切断状態から接続状態に切り替えるスイッチング回路と、前記検知信号に基づいて、カード挿入口に挿入された磁気カードの磁気ストライプに磁気情報が記録されているか否かを判定する制御部と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明では、プリヘッドは、磁気抵抗素子により磁界の変化を検出する。磁気抵抗素子は、磁界の変化により自己の抵抗値を変化させるものであり、電圧が印加されたときに磁界の変化を電圧の変化として出力する。従って、プリヘッドに電圧が印加されていない状態では、磁気カードがプリヘッドによる検出位置を通過した場合でも、プリヘッドから電圧信号が出力されることはない。よって、カードリーダに電源が投入されていない場合(プリヘッドへの電圧の印加が無い場合)には、プリヘッドを介して、磁気カードの磁気情報を取得することは困難である。
【0011】
ここで、磁気カードに磁気情報が記憶されているか否かを判定する判定動作を行うプリヘッドの制御系として、コアとコイルを備えるプリヘッドの制御系をそのまま用いることができれば、従来のカードリーダからの変更点を少なくすることができるので、プリヘッドを磁気抵抗素子により磁界の変化を検出ものに置き換えた場合に問題が発生するリスクを減らすことができる。
【0012】
しかし、プリヘッドの制御系の構成を従来と同一としながら磁気抵抗素子により磁界の変化を検出するプリヘッドを用いる場合には、プリヘッドから出力される電圧信号の振幅の基準電位を基準電圧とするために、プリヘッドと基準電圧回路との間にコンデンサを挿入して、プリヘッドから出力される電圧信号と基準電圧との誤差を補完する必要がある。また、プリヘッドと基準電圧回路との間にコンデンサを挿入する場合には、コンデンサを挿入したことに起因するフィルター効果によってプリヘッドから信号処理回路に入力される電圧信号から磁気情報が記録されているか否かの判定動作に必要な周波数成分がカットされることがないように、コンデンサの容量を比較的大きなものとする必要がある。ここで、コンデンサの容量を大きくすると、プリヘッドに電圧を印加した時点からプリヘッドからの電圧信号がコンデンサを介して信号処理回路に入力される時点までの時間(プリヘッドの立ち上がり時間)が長くなってしまい、カード挿入口に挿入された磁気カードに磁気情報が記録されているか否かの判定動作に時間がかかるという新たな問題が発生する。
【0013】
かかる問題に対して、本発明では、電圧印加回路からプリヘッドへの印加電圧の印加と同時にコンデンサと基準電圧回路との間を接続するスイッチング回路を備える。これにより、プリヘッドへの印加電圧の印加と同時にコンデンサにおけるプリヘッド側とコンデン
サにおけるプリヘッドとは反対側との電位差を小さくすることができるので、コンデンサの飽和時間を短縮できる。この結果、プリヘッドに電圧を印加した時点からプリヘッドからの信号がコンデンサを介して信号処理回路に入力される時点までの時間を短縮できるので、カード挿入口に挿入された磁気カードに磁気情報が記録されているか否かの判定動作を迅速に行うことができる。
【0014】
本発明において、前記スイッチング回路は、前記電圧印加回路と前記プリヘッドとの間を継断する第1スイッチング素子と、前記コンデンサと前記信号処理回路との間を継断する第2スイッチング素子とを備え、前記第1スイッチと前記第2スイッチとが同時に切断状態から接続状態に切り替わるものとすることができる。
【0015】
この場合において、前記カード挿入口に挿入された前記磁気カードを機械的または光学的に検出する検出器を有し、前記検出器によって前記磁気カードが検出されると、前記第1スイッチと前記第2スイッチとが同時に切断状態から接続状態に切り替わるものとすることができる。このようにすれば、カード挿入口に磁気カードが挿入されたときに電圧印加回路とプリヘッドとの間を接続してプリヘッドに印加電圧を印加できる。また、プリヘッドへの印加電圧の印加と同時にコンデンサと信号処理回路との間を接続して、コンデンサにおけるプリヘッドとは反対側の電位を基準電圧とすることができる。
【0016】
また、この場合において、利用者の動きを検出する人感センサを有し、前記人感センサによって前記利用者の動きが検出されると、前記第1スイッチと前記第2スイッチとが同時に切断状態から接続状態に切り替わることが望ましい。このようにすれば、カードリーダの利用者を検出したときに電圧印加回路とプリヘッドとの間を接続してプリヘッドに印加電圧を印加できる。また、プリヘッドへの印加電圧の印加と同時にコンデンサと信号処理回路との間を接続して、コンデンサにおけるプリヘッドとは反対側の電位を基準電圧とすることができる。
【0017】
本発明において、前記第1スイッチング素子および第2スイッチング素子のそれぞれは、アナログスイッチとすることが望ましい。各スイッチング素子としてアナログスイッチを用いれば、各スイッチング素子をオンとしたときの抵抗が小さいので、各スイッチング素子が磁気抵抗素子の特性に影響を与えることを抑制できる。
【0018】
本発明において、前記磁気抵抗素子として、直列に接続された第1磁気抵抗素子と第2磁気抵抗素子と、を有し、前記第1磁気抵抗素子における前記第2磁気抵抗素子とは反対側に前記電圧印加回路から前記印加電圧が印加され、前記第2磁気抵抗素子における前記第1磁気抵抗素子とは反対側が接地され、前記プリヘッドは、前記電圧信号として、前記第1磁気抵抗素子と前記第2磁気抵抗素子との間の中点の電圧を出力するものとすることができる。このようにすれば、磁気カードが通過したときの磁界の変化に対応する電圧信号をプリヘッドから出力できる。
【0019】
この場合において、前記印加電圧は、前記基準電圧の電位の2倍とすることができる。このようにすれば、プリヘッドからの出力される電圧信号の振幅の基準電位を基準電圧とすることが容易となる。また、電圧印加回路からプリヘッドへの印加電圧の印加と同時にコンデンサと信号処理回路との間を接続したときに、コンデンサの両側の電位をほぼ同一とすることができる。従って、コンデンサの飽和時間をごく僅かな時間とすることができる。よって、プリヘッドに電圧を印加した時点からプリヘッドからの信号がコンデンサを介して信号処理回路に入力される時点までの時間(プリヘッドの立ち上がり時間)をより短縮できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、プリヘッドへの印加電圧の印加が無い場合に、プリヘッドを介して、磁気カードの磁気情報を不正に取得することは困難である。また、本発明によれば、磁気抵抗素子により磁界の変化を検出するプリヘッドを用いる場合でも、コアとコイルとを備えるプリヘッドの制御系をそのまま利用できる。さらに、本発明によればプリヘッドの立ち上がり時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態にかかるカードリーダの説明図である。
図2】プリヘッドの制御系の概略ブロック図である。
図3】プリヘッドの立ち上がり時間を示すグラフである。
図4】コアとコイルを備えるプリヘッドの制御系の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態のカードリーダを説明する。
【0023】
(全体構成)
図1(a)は本発明の実施の形態にかかるカードリーダの説明図であり、図1(b)は磁気カードの説明図である。本形態のカードリーダ1は、磁気ストライプ2を備える磁気カード3を読み取って磁気ストライプ2に記録された磁気情報を取得する。図1(a)に示すように、カードリーダ1は、カード挿入口5と、磁気情報読取用の磁気ヘッド6と、カード挿入口5から磁気ヘッド6による読取位置Aを経由して延びるカード搬送経路7と、カード挿入口5に挿入された磁気カード3をカード搬送経路7に沿って搬送する搬送機構8を備える。
【0024】
また、カードリーダ1は、磁気カード3がカード挿入口5に挿入されたことを機械的に検出する検出器9と、磁気カード3がカード挿入口5に挿入されたことを磁気的に検出するプリヘッド10を備える。検出器9による磁気カード3の検出位置Bはカード挿入口5である。プリヘッド10による磁気カード3の検出位置Cは、検出器9による磁気カード3の検出位置Bと読取位置Aとの間であって、読取位置Aよりもカード挿入口5に近い位置に設定されている。プリヘッド10の検出位置Cは検出器9による磁気カード3の検出位置Bの近傍である。
【0025】
磁気ヘッド6は、センサ面6aをカード搬送経路7の側に向けて配置されている。磁気ヘッド6は、磁気カード3の磁気ストライプ2に形成される3本の磁気トラック11を読み取る3チャンネル型の磁気ヘッド6である。搬送機構8は磁気カード3を間に挟んで搬送する2組の搬送ローラー対13を備える。一方の搬送ローラー対13は、プリヘッド10による検出位置Cと読取位置Aの間に配置されている。他方の搬送ローラー対13は、読取位置Aを間に挟んでプリヘッド10とは反対側に配置されている。また、搬送機構8は、各搬送ローラー対13の駆動源として搬送モータ14を備える。
【0026】
検出器9は、カード挿入口5に挿入された磁気カード3に当接して移動する移動部材と、移動部材の移動に基づいてオフ、オンされるスイッチを備える。なお、検出器9は、磁気カード3がカード挿入口5に挿入されたことを光学的に検出するものでもよい。
【0027】
プリヘッド10は、磁気カード3がカード挿入口5に挿入されたときの磁界の変化を磁気抵抗素子21、22により検出する(図2参照)。より詳細には、プリヘッド10は、磁気カード3の磁気ストライプ2に形成される3本の磁気トラック11のうちの1本のトラックが検出位置Cを通過する際の磁界の変化を磁気抵抗素子21、22により検出する。磁気抵抗素子21、22は、MR素子であり、センサ基板(不図示)の表面にニッケル−鉄合金(Ni−Fe)の薄膜を形成したものである。磁気抵抗素子21、22は、磁界
の変化により自己の抵抗値を変化させる。プリヘッド10は磁界の変化を電圧信号S1として出力する。
【0028】
カード挿入口5に磁気カード3が挿入されると、磁気カード3は検出器9により検出される。検出器9により磁気カード3の挿入が検出されると、カードリーダ1はプリヘッド10に電圧を印加する。そして、カードリーダ1は、プリヘッド10から出力される電圧信号S1に基づいて、磁気カード3の磁気ストライプ2に磁気情報が記録されているか否かを判定する。
【0029】
ここで、磁気カード3に磁気情報が記録されていると判定した場合には、カードリーダ1は、搬送モータ14を駆動して磁気カード3をカード搬送経路7に沿って搬送する。そして、カードリーダ1は、磁気カード3が読取位置Aを通過する際に、磁気ヘッド6により磁気ストライプ2に記録された磁気情報を読取る。すなわち、磁気カード3が読取位置Aを通過する際には、磁気ヘッド6から磁界の変化に対応する読取信号が出力されるので、カードリーダ1は読取信号に基づいて磁気情報を取得する。
【0030】
(プリヘッドの制御系)
図2はプリヘッド10の制御系の概略ブロック図である。プリヘッド10の制御系は、磁気カード3の磁気ストライプ2に磁気情報が記録されているか否かを判定する判定動作を行う。プリヘッド10の制御系は、検出器9、プリヘッド10、電圧印加回路23、信号処理回路24、および、制御部25を備える。また、プリヘッド10の制御系は、カップリングコンデンサ(コンデンサ)26とスイッチング回路27を備える。
【0031】
図2に示すように、プリヘッド10は、磁気抵抗素子として、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22を備える。第1磁気抵抗素子21および第2磁気抵抗素子22は、センサ基板上において、それぞれの感磁方向を磁気カード3の挿入方向Iに向けている。また、第1磁気抵抗素子21および第2磁気抵抗素子22は挿入方向Iに並列に配置されており、磁気カード3の挿入方向Iから見た場合に、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22とはセンサ基板上で重なる。従って、カード挿入口5に挿入された磁気カード3が検出位置Cを通過する際に、磁気カード3の磁気ストライプ2における読取対象の1本の磁気トラック11は、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22の双方を通過する。
【0032】
第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22は直列に接続されている。本実施例では、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22はそれぞれの抵抗値が等しくなるように設定されている。第1磁気抵抗素子21における第2磁気抵抗素子22とは反対側には電圧印加回路23から所定の印加電圧Vが印加される。第2磁気抵抗素子22における第1磁気抵抗素子21とは反対側は接地されている。プリヘッド10は電圧信号S1として第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22との間の中点28の電圧を出力する。
【0033】
信号処理回路24は、プリヘッド10から出力される電圧信号S1の振幅に基づいて検知信号S4を出力する。信号処理回路24は、基準電圧回路30、アンプ回路31、コンパレータ回路32を備える。
【0034】
基準電圧回路30は、磁気カード3がカード挿入口5に挿入されていないときに(プリヘッド10が磁界の変化を検出していないときに)、アンプ回路31に入力される電圧信号S1の電位を基準電圧V0とする。すなわち、基準電圧回路30は、プリヘッド10とアンプ回路31との間に接続されて、これらの間に基準電圧V0を重畳する。基準電圧V0は、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22との間の中点28の電圧と等しくなるように設定されている。本実施例では、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22
はそれぞれの抵抗値が等しいため、基準電圧V0は電圧印加回路23による印加電圧Vの1/2である。
【0035】
アンプ回路31には、プリヘッド10からの電圧信号S1に基準電圧V0を重畳した重畳電圧信号S2と、基準電圧回路30からの基準電圧V0とが入力される。アンプ回路31は、差動アンプを備えており、重畳電圧信号S2と基準電圧V0との差を増幅した増幅信号S3を出力する。ここで、重畳電圧信号S2と基準電圧V0との差は電圧信号S1の振幅である。
【0036】
コンパレータ回路32にはアンプ回路31からの増幅信号S3が入力される。コンパレータ回路32は、予め設定した閾値とアンプ回路31からの増幅信号S3とを比較して、増幅信号S3の振幅が閾値以上となる場合に、制御部25に検知信号S4を出力する。
【0037】
カップリングコンデンサ26は、プリヘッド10と信号処理回路24(基準電圧回路30)との間に挿入されている。
【0038】
ここで、プリヘッド10の第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22とを厳密に同一の抵抗値を備えるものとすることは困難である。従って、プリヘッド10が磁界の変化を検出していないときに第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22の中点28の電位を印加電圧Vの1/2の電位(基準電圧V0)とすることも困難である。換言すれば、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22とを厳密に同一の抵抗値を備えるものとすることは困難なので、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22の中点28から出力される電圧信号S1の基準電位を基準電圧V0とすることは困難である。しかし、電圧信号S1の基準電位を正確に規定できなければ、電圧信号S1に基づいて磁気カード3に磁気情報が記録されているか否かを正確に判定することができなくなってしまう。このような問題に対して、本例では、プリヘッド10(中点28)と信号処理回路24(基準電圧回路30)との間にカップリングコンデンサ26を挿入することにより、中点28の電位と基準電圧V0の電位との誤差を補完して、プリヘッド10から出力される電圧信号S1の基準電位を基準電圧V0としている。これにより、電圧信号S1は、基準電位(基準電圧V0)を中心に振幅する信号となる。従って、信号処理回路24は、電圧信号S1と基準電圧V0との差に基づいて検知信号S4を出力するものである。
【0039】
なお、プリヘッド10と信号処理回路24との間にカップリングコンデンサ26を挿入した場合には、カップリングコンデンサ26を挿入することに起因するフィルター効果によって、プリヘッド10から信号処理回路24に入力される電圧信号S1から磁気情報が記録されているか否かの判定動作に必要な周波数帯の成分がカットされてしまう可能性がある。例えば、着磁強度が劣化して磁気記録密度が小さくなっている磁気カード3が検出位置Cを所定の速度で通過する場合には、通常の磁気カード3が検出位置Cを所定の速度で通過する場合と比較して、電圧信号S1の周波数が低くなる。このような場合に、フィルター効果によって、電圧信号S1における低い周波数帯の成分が、カットされてしまう可能性がある。このような事態を回避するために、本例では、着磁強度が本来の10%まで低下した磁気カード3においても、電圧信号S1における低い周波数帯の成分がカットされない程度に、カップリングコンデンサ26の容量を大きくしている。
【0040】
スイッチング回路27は、電圧印加回路23とプリヘッド10との間を継断する第1アナログスイッチ(第1スイッチング素子)35と、カップリングコンデンサ26と信号処理回路24との間を継断する第2アナログスイッチ(第2スイッチング素子)36を有する。また、スイッチング回路27は、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36のオンとオフを制御するスイッチング素子制御部を備える。本例では、スイッチング素子制御部は制御部25である。制御部25は検出器9からの信号に基づいて、第1
アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ35をオンとする。
【0041】
より具体的には、制御部25の入力側には検出器9が接続されている。制御部25は、検出器9から信号が入力されると、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36に制御信号を出力して、これらを同時にオンとする。
【0042】
第1アナログスイッチ35がオンとされると、第1アナログスイッチ35は切断状態から接続状態に切り替わる。これにより、電圧印加回路23とプリヘッド10との間が接続されるので、電圧印加回路23からプリヘッド10に印加電圧Vが印加される。ここで、印加電圧Vは基準電圧V0の2倍の電位なので、プリヘッド10に印加電圧Vが印加された時点では、第1磁気抵抗素子21と第2磁気抵抗素子22との間の中点28の電位(カップリングコンデンサ26におけるプリヘッド10の側の電位)は印加電圧Vのほぼ半分となり、基準電圧V0とほぼ同一となる。また、第2アナログスイッチ36がオンとされると、第2アナログスイッチ35は切断状態から接続状態に切り替わる。これにより、カップリングコンデンサ26と信号処理回路24(基準電圧回路30)との間が接続されるので、カップリングコンデンサ26におけるプリヘッド10とは反対側の電位は基準電圧V0となる。従って、第1アナログスイッチ35と第2アナログスイッチ36とが同時にオンとされると、カップリングコンデンサ26におけるプリヘッド10の側とプリヘッド10とは反対の側の電位は同時にほぼ同一の電位(基準電圧V0)となる。換言すれば、第1アナログスイッチ35と第2アナログスイッチ36とが同時にオンとされると、カップリングコンデンサ26の両側の電位差がほぼなくなる。
【0043】
ここで、本例では、カップリングコンデンサ26の容量を大きくしているので、カップリングコンデンサ26と信号処理回路24とを直接接続した場合には、プリヘッド10に印加電圧Vを印加した時点からプリヘッド10からの電圧信号S1がカップリングコンデンサ26を介して信号処理回路24に入力される時点までの時間(プリヘッドの立ち上がり時間)が長くなってしまうという問題がある。これに対して、本例では、カップリングコンデンサ26と信号処理回路24との間に第2アナログスイッチ36を介在させて、プリヘッド10への印加電圧Vの印加と同時に第2アナログスイッチ36をオンとして、カップリングコンデンサ26の両側の電位を同時にほぼ同一の電位とする。これにより、カップリングコンデンサ26が飽和するまでの飽和時間を短縮できるので、プリヘッド10に電圧を印加した時点からプリヘッド10からの電圧信号S1がカップリングコンデンサ26を介して信号処理回路24に入力される時点までの時間(プリヘッドの立ち上がり時間)を短縮できる。
【0044】
次に、制御部25は、信号処理回路24(コンパレータ回路32)から出力された検知信号S4の回数などに基づいて、磁気カード3の磁気ストライプ2に磁気情報が記録されているか否かを判定する。制御部25は、例えば、信号処理回路24から出力された検知信号S4が予め設定した基準回数を超えている場合に、磁気カード3の磁気ストライプ2に磁気情報が記録されているものと判定する。
【0045】
(磁気カードに磁気情報が記録かれているか否かの判定動作)
検出器9がカード挿入口5に挿入された磁気カード3を検出すると、検出器9から制御部25に信号が入力される。従って、制御部25は、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36に制御信号を出力して、これらを同時にオンとする。この結果、プリヘッド10には印加電圧Vが印加される。また、プリヘッド10と信号処理回路24とがカップリングコンデンサ26を介して接続され、カップリングコンデンサ26の両側の電位がほぼ同一の電位とされる。
【0046】
その後、磁気カード3がカード挿入口5の奥まで挿入されて磁気カード3が検出位置C
を通過すると、プリヘッド10は磁気カード3の移動に起因する磁界の変化を検出して電圧信号S1を出力する。プリヘッド10からの電圧信号S1は、カップリングコンデンサ26を介して信号処理回路24に入力される。
【0047】
信号処理回路24はプリヘッド10から出力される電圧信号S1の振幅(電圧信号S1と基準電圧V0との差)に基づいて検知信号S4を出力する。制御部25は、信号処理回路24から出力される検知信号S4に基づいて、磁気カード3に磁気情報が記録かれているか否かを判定する。ここで、制御部25が磁気カード3に磁気情報が記録かれていると判断すると、搬送モータ14が駆動され、磁気カード3は読取位置Aを通過するように搬送される。
【0048】
(作用効果)
本例では、プリヘッド10は、磁気抵抗素子21、22により磁界の変化を検出する。従って、プリヘッド10に電圧が印加されていない状態では、磁気カード3がプリヘッド10による検出位置Cを通過した場合でも、プリヘッド10から電圧信号S1が出力されることはない。よって、カードリーダ1に電源が投入されていない場合(プリヘッド10への電圧の印加が無い場合)には、プリヘッド10を介して、磁気カード3の磁気情報を取得することは困難である。
【0049】
また、本例では、プリヘッド10と信号処理回路24との間にカップリングコンデンサ26を挿入することにより、プリヘッド10からの電圧信号S1の振幅の基準となる基準電位を基準電圧V0としている。従って、プリヘッド10からの電圧信号S1に基づいて、カード挿入口5に挿入された磁気カード3の磁気ストライプ2に磁気情報が記録されているか否かを精度よく判定できる。
【0050】
ここで、プリヘッド10と信号処理回路24との間にカップリングコンデンサ26を挿入した場合には、カップリングコンデンサ26を挿入することに起因するフィルター効果によって、プリヘッド10から信号処理回路24に入力される電圧信号S1から磁気情報が記録されているか否かの判定動作に必要な周波数帯の成分がカットされる場合がある。これに対して、本例では、カップリングコンデンサ26の容量を比較的大きなものとすることにより、電圧信号S1の低い周波数成分がカットされないようにしている。
【0051】
また、カップリングコンデンサ26の容量を大きなものとした場合には、カップリングコンデンサ26が飽和するまでの飽和時間に起因して、プリヘッド10に電圧を印加した時点からプリヘッド10からの信号がカップリングコンデンサ26を介して信号処理回路24に入力される時点までの時間(プリヘッド10の立ち上がり時間)が長くなるという問題がある。これに対して、本例では、検出器9によって磁気カード3が検出されると、プリヘッド10への印加電圧Vの印加と同時にカップリングコンデンサ26における両側の電位を同時にほぼ同一の電位として、カップリングコンデンサ26の飽和時間を短縮する。
【0052】
図3はプリヘッド10の立ち上がり時間を示すグラフである。図3(a)は、本例の場合であり、検出器9が磁気カード3を検出したときに、第1アナログスイッチ35と第2アナログスイッチ36とを同時にオンとすることにより、カップリングコンデンサ26の両側の電位を同時に同一の電位とした場合である。図3(b)は、プリヘッド10の制御系に第2アナログスイッチ36を備えず、プリヘッド10と信号処理回路24が直接接続されている場合である。図3(a)に示す本例では、図3(b)に示す場合と比較して、検出器9が磁気カード3を検出した時点(プリヘッド10に電圧を印加した時点)t0からプリヘッド10からの信号がカップリングコンデンサ26を介して信号処理回路24に入力される時点t1までの時間Δt(プリヘッド10の立ち上がり時間)が短い。従って
、カード挿入口5に挿入された磁気カード3に磁気情報が記録されているか否かの判定動作を迅速に行うことができる。
【0053】
また、本例では、磁気カード3に磁気情報が記憶されているか否かを判定する判定動作を行うプリヘッド10の制御系として、コア51とコイル52を備えるプリヘッド50の信号処理回路24(図4参照)をそのまま用いることができる。これにより、コア51とコイル52を備えるプリヘッド50を備える従来のカードリーダ1からの制御系の変更点を少なくすることができるので、プリヘッド50を磁気抵抗素子21、22により磁界の変化を検出するプリヘッド10に置き換えた場合に問題が発生するリスクを減らすことができる。
【0054】
さらに、本例では、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36を用いてプリヘッド10と前後の回路とを継断している。ここで、アナログスイッチは、回路部分を接続したときの抵抗が小さいので、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36を同時にオンとしたときに、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36が磁気抵抗素子21、22の特性に影響を与えることを抑制できる。
【0055】
(その他の実施の形態)
磁気抵抗素子21、22は、例えば、センサ基板の表面にニッケル−コバルト合金(Ni−Co)の薄膜を形成したものでもよい。
【0056】
また、上記の第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36に替えて、リレーなどのスイッチング素子を用いることができる。
【0057】
さらに、スイッチング回路27において、検出器9からの信号を、そのまま、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36をオンとする制御信号としてもよい。すなわち、上記の例では、スイッチング回路27は、検出器9からの信号に基づいて第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36をオンとする制御信号を出力する制御部を備えるが、スイッチング回路27は、検出器9からの信号を、そのまま、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36をオンとする制御信号とすることもできる。
【0058】
また、本例では、図2および図4に示すように、信号処理回路24が、コア51とコイル52を備えるプリヘッド50を用いた場合と同一である。従って、磁気抵抗素子21、22により磁界の変化を検出する本例のプリヘッド10と、コア51とコイル52を備えるプリヘッド50の双方を信号処理回路24に接続することが可能である。よって、これら2つのプリヘッド10、50の双方を信号処理回路24に接続して、排他的に使用可能としてもよい。
【0059】
なお、上述した形態では、カードリーダ1は磁気カード3がカード挿入口5に挿入されたことを検出する検出器9を備えるが、検出器9に替えて、或いは、検出器9と共に、カードリーダ1が、当該カードリーダ1の利用者の動きを検出する人感センサを備えてもよい。
【0060】
カードリーダ1が人感センサを備える場合には、人感センサが利用者の動きを検出したときに、第1アナログスイッチ35と第2アナログスイッチ36とを同時に切断状態から接続状態に切り替えるものとすることができる。具体的には、制御部25の入力側に人感センサを接続する。そして、制御部25は、人感センサから信号が入力されると、第1アナログスイッチ35および第2アナログスイッチ36に制御信号を出力して、これらを同時にオンとするものとすることができる。或いは、人感センサから信号を第1アナログス
イッチ35および第2アナログスイッチ36をオンとする制御信号として、これらを同時にオンとするものとすることができる。
【0061】
この場合、磁気カード3の挿入方向Iにおいてカード挿入口5を有する方向を手前側とすると、人感センサは検出方向をカードリーダ1の手前側に向けて、カード挿入口5の周囲に配置される。人感センサは例えば赤外線センサである。このように構成するとカードリーダ1の利用者を検出したときに電圧印加回路23とプリヘッド10との間を接続してプリヘッド10に印加電圧を印加できる。また、プリヘッド10への印加電圧の印加と同時にコンデンサ26と信号処理回路24との間を接続して、コンデンサ26におけるプリヘッド10とは反対側の電位を基準電圧V0とすることができる。
【符号の説明】
【0062】
1・・・カードリーダ
2・・・磁気ストライプ
3・・・磁気カード
5・・・カード挿入口
9・・・検出器
10・・・プリヘッド
21・・・第1磁気抵抗素子
22・・・第2磁気抵抗素子
23・・・電圧印加回路
24・・・信号処理回路
25・・・制御部
26・・・カップリングコンデンサ(コンデンサ)
27・・・スイッチング回路
28・・・中点
33・・・基準電圧回路
35・・・第1アナログスイッチ(第1スイッチング素子)
36・・・第2アナログスイッチ(第2スイッチング素子)
V0・・・基準電圧
図1
図2
図3
図4