【解決手段】RFIDリーダ106は、装置のRFIDタグ218に問い合わせを行い、デバイスソフトウェアが最新バージョンではないとの応答を受信する。RFIDリーダは、ワイヤレスネットワーク接続情報とデバイスソフトウェアアップデートのファイル位置をRFIDタグに送信する。これらはRFIDタグメモリ220に維持される。RFIDリーダは起動コマンドをRFIDタグに送信し、割り込みラインをイネーブルにして装置の電源をオンする。装置のブートローダアプリケーション234は、デバイスソフトウェアアップデートが利用可能と判断すると、ワイヤレスネットワーク接続情報を取得してワイヤレスネットワーク通信を行うべく装置を構築し、ファイル位置を取得してワイヤレスネットワーク242を介してデバイスソフトウェアアップデートをダウンロードする。
前記装置のRFIDタグにアップデートインジケータを送信して、前記RFIDタグの前記メモリにアップデートイネーブルフラグをセットすることをさらに備え、前記アップデートイネーブルフラグは、前記装置の電源投入時に前記装置のブートローダアプリケーションに対するソフトウェアアップデート指示として機能する、請求項1に記載の方法。
前記ワイヤレスネットワーク接続情報は、前記ワイヤレスネットワークの識別情報と、前記ワイヤレスネットワークに接続するためのネットワーク認証情報とを含む、請求項1に記載の方法。
前記デバイスソフトウェアアップデートのダウンロードを前記装置に開始させることは、サーバ装置のユニバーサルリソースロケータ(URL)としての前記ファイル位置に基づいて、前記サーバ装置に格納されている前記デバイスソフトウェアアップデートのダウンロードを、前記ワイヤレスネットワークを介して前記装置に開始させることを含む、請求項1に記載の方法。
前記問い合わせを行うことは、前記装置が電源オフされているときに前記装置の前記RFIDタグに対して前記RFIDリーダにより問い合わせを行うことを含む、請求項1に記載の方法。
装置の電源を投入することであって、前記装置の無線識別(RFID)タグが前記装置の電源をオンにするべく割り込みラインをイネーブルにするときに前記装置の電源を投入すること、
前記RFIDタグのメモリに格納されたアップデートイネーブルフラグから、デバイスソフトウェアに対するデバイスソフトウェアアップデートが利用可能であると判定すること、
前記RFIDタグの前記メモリに格納されたワイヤレスネットワーク接続情報を取得して、ワイヤレスネットワークを介した通信を行うための前記装置の無線システムを構築すること、
前記RFIDタグの前記メモリから前記デバイスソフトウェアアップデートのファイル位置を取得すること、
前記ワイヤレスネットワークを介して前記ファイル位置から前記デバイスソフトウェアアップデートをダウンロードすること、
を備える方法。
前記ワイヤレスネットワーク接続情報は、前記ワイヤレスネットワークの識別情報と、前記ワイヤレスネットワークに接続するためのネットワーク認証情報とを含む、請求項7に記載の方法。
サーバ装置のユニバーサルリソースロケータ(URL)としての前記ファイル位置に基づいて、前記サーバ装置に格納されている前記デバイスソフトウェアアップデートを前記ワイヤレスネットワークを介してアクセスすることをさらに備える請求項7に記載の方法。
前記RFIDタグは、前記ワイヤレスネットワーク接続情報および前記デバイスソフトウェアアップデートのファイル位置を前記RFIDリーダから受信するように実装されており、前記ワイヤレスネットワーク接続情報が、前記ワイヤレスネットワークの識別情報と前記ワイヤレスネットワークに接続するためのネットワーク認証情報とを含む、請求項15に記載の装置。
前記RFIDタグは、前記RFIDリーダからアップデートインジケータを受信して前記デバイスソフトウェアが最新バージョンでないことを示し、前記装置の前記RFIDタグの前記メモリにアップデートイネーブルフラグを格納するように実装されている、請求項15に記載の装置。
前記ブートローダアプリケーションは、サーバ装置のユニバーサルリソースロケータ(URL)としての前記ファイル位置に基づいて、前記サーバ装置に格納されている前記デバイスソフトウェアアップデートに、前記ワイヤレスネットワークを介してアクセスするように実装されている、請求項15に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの実施形態を添付の図を参照して説明する。図中に示す同様の特徴および構成要素を参照する際には、同じ符号を使用する場合がある。
【0009】
以下に説明するRFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの実施形態は、任意のタイプのコンピューティング装置、携帯装置、および/または電子装置であって、装置のファームウェアおよび/またはソフトウェアを、無線により(例えば、ワイヤレスネットワークを介して)アップデートするために利用可能な無線識別(RFID)タグとともに実装され得る。RFIDタグを利用することで、装置が出荷または小売包装用にパッケージ化されている場合でも、その装置のオペレーティングシステムなどのデバイスファームウェアおよび/またはソフトウェアが最新のバージョンであるかどうか、あるいは、そのデバイスファームウェアおよび/またはソフトウェアをアップデートする必要があるかどうかを判定することができる。上記のように、装置は一般には、装置のオペレーティングシステムなどの現在のファームウェアおよび/またはソフトウェアイメージとともに製造される。しかし、装置がパッケージ化されて販売店に出荷されるときには、初期のファームウェアおよび/またはソフトウェアが期限切れであることや、特定の装置において最新のバージョンではないことがある。RFIDベース装置のワイヤレスアップデートの実施形態を実施することで、製造施設にある場合、輸送中の場合、あるいは流通または小売店に保管されている場合など、装置が出荷または小売包装用にパッケージ化されている場合でも、各装置のパッケージを開封することを必要とするのではなく、あるいは期限切れソフトウェアを有する装置を消費者に販売することなく、デバイスファームウェアおよび/またはソフトウェアをアップデートすることができる。
【0010】
例えば、携帯型電話装置は、デバイスソフトウェアについての暗号化情報を共有するために実装されたRFIDタグを含むことができ、その装置のデバイスソフトウェアおよび/またはファームウェアを復号して無線により(例えば、ワイヤレス通信を介して)アップデートすることができる。RFIDタグのハードウェアは、携帯型装置のプロセッサが読み取ることができるセキュアなデータを読み取るための通信バスを提供するとともに、携帯型装置の電源管理集積回路(PMIC)に接続された割り込みラインを提供してその装置の休止状態からの起動を可能にする。記載するシステムは、製造、流通およびサービスセンタで使用することもできるし、またはユーザがデバイスファームウェアやソフトウェアをアップデートすることが可能となるキオスクとして実装することもできる。
【0011】
RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの種々の態様では、RFIDリーダを使用して装置のRFIDタグに問い合わせを行い、装置のデバイスソフトウェアが最新のバージョンではないことを示すソフトウェアバージョンインジケータの応答を受信することができる。RFIDリーダは、ワイヤレスネットワーク接続情報およびデバイスソフトウェアアップデートのファイル位置を装置のRFIDタグに送信することができる。RFIDタグは、ファイル位置やワイヤレスネットワークに関連するワイヤレスネットワーク接続情報を保持するためのメモリを含む。RFIDリーダは、RFIDタグに起動コマンドを送信してRFIDタグを起動させることにより、割り込みイネーブルラインをイネーブルにして装置の電源をオンすることができる。
【0012】
装置上で実行されるブートローダアプリケーションは、デバイスソフトウェアアップデートが利用可能であることを、RFIDタグメモリに記憶されたアップデートイネーブルフラグから判定することができる。ブートローダアプリケーションは、RFIDタグメモリに格納されたワイヤレスネットワーク接続情報を取得することで、ワイヤレスネットワークを介して通信するための装置無線システムを構築することができる。また、ブートローダアプリケーションは、RFIDタグメモリからデバイスソフトウェアアップデートのファイル位置を取得し、ワイヤレスネットワークを介してそのファイル位置からデバイスソフトウェアアップデートをダウンロードすることができる。デバイスソフトウェアアップデートは装置メモリに格納することができ、装置が購入されたときや、消費者によって装置のパッケージが開封されたときや、装置が電源オンされたときなど、その後に装置が電源オンされたときに装置メモリからデバイスソフトウェアアップデートが利用可能となる状態で装置の電源が切断される。あるいは、デバイスソフトウェアアップデートがダウンロードされて装置メモリに格納され、デバイスソフトウェアのアップデートが完了すると装置が電源オフされる。
【0013】
RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの他の態様では、より小さなサイズのソフトウェアパッチや、装置のRFIDタグに直接ダウンロードするための新規ファイルなどの場合には、デバイスソフトウェアアップデートをRFIDリーダでローカルに利用可能とすることができる。このアップデートは、埋め込みRFIDタグのRFIDタグメモリにRFIDリーダから直接プッシュすることができ、RFIDリーダは、その装置のRFIDタグに起動コマンドを送信することができる。この場合、RFIDタグメモリに格納されているソフトウェアアップデートのファイル位置は、デバイスソフトウェアアップデートがRFIDタグメモリにローカルに格納されていることを示し、装置のブートローダアプリケーションは、装置の電源投入時に、RFIDタグメモリからソフトウェアアップデートを読み込む。
【0014】
本明細書で使用される用語に関して、「電源オン」は、装置がオンしていて動作状態にあることを示し、「電源オフ」は、装置がオフしていることを示す。「電源投入」は、装置のユーザが電源スイッチを押して装置をオンするときや、電源スイッチが装置をオンするべく切り替えられたときなど、装置をオンする過程にあることを示すために使用される。すなわち、装置が「電源オフ」状態から「電源投入」されると、装置は「電源オン」状態となる。「電源切断」は、装置のユーザが電源スイッチを押して装置をオフするときや、電源スイッチが装置をオフするべく切り替えられたときなど、装置をオフする過程にあることを示すために使用される。すなわち、装置が「電源オン」状態から「電源切断」されると、装置は「電源オフ」状態となる。
【0015】
RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの特徴および概念は、任意の数の異なる装置、システム、環境、および/または構成で実現することができる。RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの実施形態を、以下に例示する装置、システム、および方法について説明する。
【0016】
図1は、RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの実施形態を実施可能な例示のシステム100を示す。例示のシステムは、製造施設にあるものや、輸送中のものや、流通または小売店に保管されているものなど、出荷および/または小売包装用にパッケージ化されている装置などの、複数の装置104の表現102を含む。これらの装置104は、任意のタイプの携帯電話、タブレット装置、コンピューティング装置(例えば、ポータブルおよびデスクトップのコンピュータ)、家庭用電子装置(例えば、テレビ、電化製品など)、または他のタイプのコンピューティング装置や電子装置とすることができ、これらは通常は、バッテリ駆動されるか、あるいは装置BIOSまたはブートローダアプリケーションを起動するために使用される小型のコイン電池バッテリを有し得る。上記したように、装置104は一般には、装置のオペレーティングシステムなどの現在のファームウェアおよび/またはソフトウェアイメージとともに製造される。しかし、装置がパッケージ化されて販売店に出荷されるときには初期のファームウェアおよび/またはソフトウェアが期限切れであることや、特定の装置において最新のバージョンではないことがある。
【0017】
無線識別(RFID)リーダ106は、とりわけ、装置104がパッケージされたままの状態において、各装置104のRFIDタグに問い合わせを行い、装置104のうちの1つ以上においてファームウェアまたはソフトウェアアップデートが必要かどうかを判定するために使用することができる。ここでの例および説明は、主にデバイスソフトウェアに関し、そのデバイスソフトウェアが最新であるかどうかまたはそのデバイスソフトウェアの最新バージョンであるかどうかに関するものであるが、本明細書に記載する技術は、任意のタイプのデバイスファームウェアに対しても同様に実施することができる。この例では、各装置104は、それぞれの装置内におけるRFIDタグのメモリに格納されたデータなどのデバイスソフトウェアステータス情報108を維持する。RFIDリーダ106が装置104に問い合わせを行うと、RFIDリーダ106は、各装置104からデバイス識別子110およびソフトウェアバージョンインジケータ112の応答を受信することができる。
【0018】
また、RFIDリーダ106は、ワイヤレスネットワーク114(例えば、Wi−Fi(登録商標)ネットワーク)を介してサーバ装置116と通信して、各装置104のデバイスソフトウェアが最新バージョンであるか否かを判定することができる。例えば、RFIDリーダ106は、複数の装置104のうちの1つについてのデバイス識別子110およびソフトウェアバージョンインジケータ112をサーバ装置116に送信し、サーバ装置116は、それらの情報をその装置について格納されている対応する情報と比較することにより、その特定の装置がデバイスソフトウェアの最新バージョンを有しているかどうかを評価する。あるいは、サーバ装置116は、装置の情報をRFIDリーダ106に返信することで、RFIDリーダ106が、その特定の装置がデバイスソフトウェアの最新バージョンを有しているか否かを判定してもよい。
【0019】
装置104が、サーバ装置116および/またはRFIDリーダ106で判定されたデバイスソフトウェアの最新バージョンを有していない場合、RFIDリーダ106は、その装置のRFIDタグにデバイスソフトウェアアップデートのファイル位置を送信して、ソフトウェアアップデートファイル位置118がRFIDタグメモリに格納される。実装例では、デバイスソフトウェアアップデートのファイル位置118は、デバイスソフトウェアの最新バージョンを有していない特定の装置104についてのデバイスソフトウェアアップデート122を維持するサーバ装置120のユニバーサルリソースロケータ(URL)である。別々のサーバ装置として図示し説明しているが、装置104がデバイスソフトウェアの最新バージョンを有しているかどうかを評価するサーバ装置116と、デバイスソフトウェアアップデート122を維持するサーバ装置120とを1つのサーバ装置にまとめて設けることもできるし、あるいは多数のサーバ装置として実装してもよい。
【0020】
また、RFIDリーダ106は、ワイヤレスネットワーク接続情報を装置のRFIDタグに送信することができる。これにより、ワイヤレスネットワーク114に関連付けられたワイヤレスネットワーク接続情報が、ワイヤレスネットワークおよびキー124としてRFIDタグメモリに格納される。ワイヤレスネットワーク接続情報は、ワイヤレスネットワーク114の識別情報と、ワイヤレスネットワークに接続してワイヤレス通信するためのネットワーク認証情報(例えば、ネットワークキー)とを含む。また、RFIDリーダ106は、アップデートインジケータを装置104のRFIDタグに送信することができる。これにより、アップデートインジケータが、RFIDタグメモリにアップデートイネーブルフラグ126としてセットされる。このアップデートイネーブルフラグ126は、装置104の電源投入時に、装置104のブートローダアプリケーションに対するソフトウェアアップデート指示として機能する。また、RFIDリーダ106は、装置104のRFIDタグに起動コマンドを送信する。この起動コマンドは、RFIDタグメモリに割り込みイネーブル128としてセットされる。この割り込みイネーブル128によりRFIDタグが起動されることで、割り込みラインがイネーブルとなり装置の電源がオンされて、ワイヤレスネットワーク接続情報を利用したファイル位置からのデバイスソフトウェアアップデートのダウンロードが装置において開始される。
【0021】
あるいは、サーバ装置120は、より小さなサイズのソフトウェアパッチや、装置のRFIDタグに直接ダウンロードするための新規ファイルなどの場合は、デバイスソフトウェアアップデート122をRFIDリーダ106に送信することができる。このアップデートは、RFIDリーダから埋め込みRFIDタグのRFIDタグメモリに直接プッシュすることができ、RFIDリーダ106は、起動コマンドを割り込みイネーブル128としてRFIDタグに送信する。この場合、RFIDタグメモリに格納されているソフトウェアアップデートファイル位置118は、デバイスソフトウェアアップデート122がRFIDタグメモリにローカルに格納されていることを示し、ワイヤレスネットワーク114に関連付けられたワイヤレスネットワーク接続情報は、装置の電源投入時に、装置104のブートローダアプリケーションによって必要とされない。
【0022】
装置104のRFIDタグメモリに割り込みイネーブル128がセットされると、装置の電源が投入され、その装置上でブートローダアプリケーションが実行される。ブートローダアプリケーションは、RFIDタグメモリに格納されているアップデートイネーブルフラグ126を読み込む。このアップデートイネーブルフラグ126は、デバイスソフトウェアのデバイスソフトウェアアップデート122が利用可能であることをブートローダアプリケーションに示すものである。ブートローダアプリケーションは、RFIDタグメモリに格納されているワイヤレスネットワークおよびキー124(例えば、ワイヤレスネットワーク接続情報)を取得して、ワイヤレスネットワーク114を介した通信を行うための装置の無線システム(例えば、Wi−Fi(登録商標)システム)を構築する。また、ブートローダアプリケーションは、RFIDタグメモリからソフトウェアアップデートファイル位置118を取得して、第1の例では、サーバ装置120と通信することで、ワイヤレスネットワーク114を介してファイル位置からデバイスソフトウェアアップデート122をダウンロードする。あるいは、ブートローダアプリケーションは、RFIDタグメモリに格納されているアップデートイネーブルフラグ126を読み取り、ソフトウェアアップデートがRFIDタグのRFIDタグメモリにローカルに格納されている場合にはRFIDタグメモリからデバイスソフトウェアアップデート122を読み取る。
【0023】
デバイスソフトウェアアップデート122は(例えば、サーバ装置120からダウンロードされたとき、またはRFIDタグメモリから読み出されたときに)装置メモリに格納することができ、装置が購入されたときや、消費者によって装置のパッケージが開封されたときや、装置の電源がオンされたときなど、その後に装置が電源オンされたときに装置メモリからデバイスソフトウェアアップデートが利用可能となる状態で装置の電源が切断される。デバイスソフトウェアアップデート122を適用することによってデバイスソフトウェアをアップデートすることができ、これにより、RFIDタグメモリ内のソフトウェアバージョンインジケータ112がデバイスソフトウェアの現在のバージョンを反映するように更新され、それに応じてアップデート成功/失敗フラグ130をセットすることができる。デバイスソフトウェアアップデート122を単にダウンロードおよび格納して装置104の電源を切断する代わりに、ブートローダアプリケーションは、デバイスソフトウェアアップデート122をダウンロードして格納し、装置の電源がオフされる前に、デバイスソフトウェアアップデートを用いてデバイスソフトウェアのアップデートを行うこともできる。また、ブートローダアプリケーションは、RFIDタグメモリ内のソフトウェアバージョンインジケータ112を更新し、それに応じてアップデート成功/失敗フラグ130をセットした後に、装置の電源切断を開始してもよい。
【0024】
図2は、
図1を参照して説明した装置104を備え、RFIDベース装置のワイヤレスアップデートの実施形態を実施可能な例示のシステム200をさらに示す。上記したように、例示の装置104は、携帯電話202、タブレット装置、デジタルカメラなどの任意のタイプのコンピューティングおよび/または電子装置、他のタイプの家庭用電子機器、電化製品、コンピュータなどとすることができる。装置104は、処理システム204(例えば、1つまたは複数のプロセッサ)、メモリ206、統合ディスプレイ装置208、および
図6に示す例示の装置を参照して以下で説明する任意の数および種類の構成要素の組み合せなどの種々の構成要素とともに実装することができる。また、装置104は、種々の装置構成要素に電源を供給するための、バッテリ210などの電源を含む。また、装置104は、装置の電源投入と電源切断とを切り替え可能な電源スイッチ212を含む。
【0025】
さらに、装置104は、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、モバイルブロードバンド、LTE、近距離無線通信(NFC)、あるいは、他の無線システムまたはワイヤレスネットワーク(例えば、
図1を参照して説明したワイヤレスネットワーク114)を介して通信するためのフォーマットを含む。概して、装置104は、複数の無線システム214を実装し、各無線システム214は、無線装置、アンテナ216、ならびに、他の装置やネットワークやサービスとの間でセルラ、無線、および他のネットワーク通信を行うために実装されるチップセットを含む。無線システム214は、任意の適切な通信プロトコルまたは規格を実装するように構成することができる。
【0026】
この例では、装置104は、無線識別(RFID)タグ218の構成要素および機能を実装する。RFIDタグ218は、
図1を参照して説明した少なくともデバイスソフトウェアステータス情報108をRFIDタグのメモリ220に格納するように実装されている。あるいは、RFIDタグ218およびRFIDタグメモリ220から分離した任意の適切な不揮発性メモリ(例えば、装置メモリ206)を使用して、装置104に関連するデータや情報を格納することができる。RFIDタグ218は、RFIDリーダ106(RFIDインテロゲータとも呼ばれる)などのRFIDリーダと双方向のワイヤレス通信222を行うように実装されている。RFIDリーダ106は、RFIDタグメモリ220に格納されているデバイスソフトウェアステータス情報108をRFIDタグ218に問い合わせる。概して、RFIDタグは、データおよび他の情報でプログラムすることが可能な小さな電子タグまたはラベルである。RFIDリーダ106は、RFIDタグが記憶しているデータおよび情報を返信するための範囲内にあるRFIDタグに対して要求を行うブロードキャストメッセージとして問い合わせ信号を送信することができる。RFIDタグは、無線(RF)通信チャネルを介してRFIDリーダにデータおよび情報をワイヤレスで送信することができ、そのRF通信チャネルを介してRFIDリーダ106はRFIDタグ情報224を受信する。
【0027】
実装例では、RFIDタグ(例えば、RFIDタグ218)は、ASIC/CPUモジュール、装置104の処理システム204と通信するための通信バス、RFIDアンテナ226、およびRFIDリーダ106と双方向通信するための送信機および受信機(または、送受信機としても実装可能)とを含むことができる。RFIDタグ218のASIC/CPUモジュールは、問い合わせ信号を受信すると、RFIDタグのデータを含む応答信号を形成し、その応答信号がRFIDリーダにワイヤレスで送信される。RFIDタグ218からの応答信号は、低周波(LF)電波、高周波(HF)電波、または超高周波(UHF)電波を用いて送信することができる。RFIDタグのデータは、不揮発性メモリに格納することができ、ASIC/CPUモジュールは、RFIDタグのデータを処理するとともにRF信号を変調および復調するための固定またはプログラム可能なロジックとして実装することができる。
【0028】
この例では、処理システム204は、装置104のオペレーティングシステム228と、電源スイッチ212に接続された割り込みイネーブルライン232を制御して切り替えを行う電源管理部230とを含む。装置104が誤って電源オンされている場合にも、装置がパッケージされているままで装置の電源をリモートで切断することができる。さらに、デバイスソフトウェアアップデート122をダウンロードするために装置104に電源を投入した後に、割り込みイネーブルライン232を利用して電源の切断を開始することができる。また、処理システム204は、RFIDベース装置のワイヤレスアップデートの実施形態を実装するためのブートローダアプリケーション234を含む。ブートローダアプリケーション234は、プロセッサによって(例えば、処理システム204によって)実行可能なコンピュータ実行可能ソフトウェア命令などのソフトウェアアプリケーションまたはモジュールとして実装することができる。
【0029】
それぞれソフトウェアアプリケーションとしての、オペレーティングシステム228、電源管理部230、およびブートローダアプリケーション234は、装置に実装されている任意の適切なメモリ装置または電子データ記憶装置などのコンピュータ可読記憶メモリ(例えば、装置メモリ206)に格納することができる。さらに、別々の構成要素として図示して説明するが、電源管理部230および/またはブートローダアプリケーション234は、オペレーティングシステム228のモジュールまたは構成要素として実装されてもよい。実装例において、オペレーティングシステム228、電源管理部230、および/またはブートローダアプリケーション234を含む処理システム204は、装置104に実装されている通信バス236を介してRFIDタグ218と通信することができる。実装例において、RFIDタグメモリ220(例えば、不揮発性メモリ)は、RFIDタグ218の無線(RF)インタフェース238を介してRFIDリーダ106によってアクセスすることができる。あるいは、このRFIDタグメモリ220は、通信バス236をRFIDタグに接続するバスインタフェース240を介してアクセスすることができる。処理システム204は、装置104が電源オンされているとき、通信バス236およびバスインタフェース240を介してRFIDタグ218と通信することができる。
【0030】
この例では、割り込みイネーブルライン232は、装置104の電源スイッチ212に接続されており、電源スイッチ212は、バスインタフェース240および通信バス236を介したRFIDタグ218から電源管理部230への出力信号を介してオンオフされる。上記したように、外部のRFIDリーダ106からRFIDタグ218にコマンドが送信され、そのコマンドが電源スイッチ212に接続された割り込みイネーブルライン232を切り替える電源管理部230に送信されることにより、装置104をワイヤレスで電源投入(例えば、オン)または電源切断(例えば、オフ)することが可能である。装置104は、パッケージ状態のままでもリモートで電源切断することができる。
【0031】
図1を参照して説明したように、RFIDリーダ106は、装置104のRFIDタグ218に対して、とりわけその装置が出荷および/または小売用にパッケージ化されたままの状態にあるときに問い合わせを行って、その装置がオペレーティングシステム228のアップデートなどのファームウェアまたはソフトウェアアップデートを必要とするか否かを判定するために用いられる。このRFIDリーダ106からの問い合わせに応答して、RFIDリーダは、RFIDタグメモリ220に記憶されているデバイス識別子110およびソフトウェアバージョンインジケータ112を応答信号として装置104から受信することができる。そして、RFIDリーダ106は、ネットワーク242(例えば、Wi−Fi(登録商標)ネットワーク)を介してサーバ装置244と通信することにより、装置104のデバイスソフトウェアがそのデバイスソフトウェアの最新バージョンであるか否かを判定することができる。例えば、RFIDリーダ106は、装置104のデバイス識別子110およびソフトウェアバージョンインジケータ112をサーバ装置244に送信することができ、サーバ装置244は、それらの情報をその装置について格納されている対応する情報と比較することにより、その特定の装置がデバイスソフトウェアの最新バージョンを有しているかどうかを評価する。あるいは、サーバ装置244が装置の情報をRFIDリーダ106に返信することで、RFIDリーダ106が、その特定の装置がデバイスソフトウェアの最新バージョンを有しているか否かを判定してもよい。
【0032】
例示のシステム200は、概して任意のタイプの通信およびデータネットワークを表すネットワーク242を含み、本明細書に説明する任意のサーバおよびユーザ装置は、装置104とサーバ装置244との間のデータ通信などを、ネットワーク242(または複数のネットワークの組み合わせ)を介して行うことができる。ネットワーク242は、有線ネットワークおよび/または無線ネットワークを含むように(例えば、ワイヤレスネットワーク114を含むように)実装することができる。また、ネットワークは、任意のタイプのネットワークトポロジおよび/または通信プロトコルを用いて実装することができ、また、セルラネットワーク、IPベースのネットワーク、および/またはインターネットを含む2つ以上のネットワークの組み合わせとして表現または実装することができる。また、ネットワーク242は、セルラネットワークのネットワークプロバイダ、モバイルネットワークオペレータ、および/または、通信サービスプロバイダ、携帯電話プロバイダおよび/またはインターネットサービスプロバイダなどの他のネットワークオペレータによって管理されるモバイルオペレータネットワークを含むことができる。
【0033】
装置104がサーバ装置244および/またはRFIDリーダ106で決定されるデバイスソフトウェアの最新バージョンを有していない場合、RFIDリーダ106は、装置104のRFIDタグ218にデバイスソフトウェアアップデート122のファイル位置を送信することができ、これにより、RFIDタグメモリ220にソフトウェアアップデートファイル位置118が格納される。実装例では、デバイスソフトウェアアップデート122のファイル位置118は、デバイスソフトウェアの最新バージョンを有していない装置104についてのデバイスソフトウェアアップデートを維持するサーバ装置244のユニバーサルリソースロケータ(URL)である。あるいは、RFIDリーダ106は、装置104のRFIDタグ218にワイヤレスネットワーク接続情報を送信することができ、これにより、ネットワーク242に関連するワイヤレスネットワーク接続情報が、RFIDタグメモリ220にワイヤレスネットワークおよびキー124として格納される。ワイヤレスネットワーク接続情報は、ネットワーク242の識別情報と、ワイヤレスネットワークに接続してワイヤレス通信するためのネットワーク認証情報(例えば、ネットワークキー)とを含む。また、RFIDリーダ106は、アップデートインジケータを装置104のRFIDタグ218に送信することができ、これにより、アップデートインジケータが、RFIDタグメモリ220にアップデートイネーブルフラグ126としてセットされる。アップデートイネーブルフラグ126は、装置104の電源投入時に、装置104のブートローダアプリケーションに対するソフトウェアアップデート指示として機能する。これに代えて、より小さなサイズのソフトウェアパッチや、装置104のRFIDタグ218に直接ダウンロードするための新規ファイルなどの場合には、デバイスソフトウェアアップデート122をRFIDリーダ106に送信することができる。このアップデートは、RFIDリーダ106から装置の埋め込みRFIDタグ218のRFIDタグメモリ220に直接プッシュすることができる。
【0034】
さらに、RFIDリーダ106は、装置104のRFIDタグ218に起動コマンドを送信する。この起動コマンドは、割り込みイネーブル128としてRFIDタグメモリ220にセットされる。この割り込みイネーブル128によってRFIDタグが起動されることで、電源管理部230を介して割り込みイネーブルライン232がイネーブルとされることにより装置の電源がオンされ、装置がワイヤレスネットワーク接続情報を利用したファイル位置からのデバイスソフトウェアアップデート122のダウンロードを開始する。割り込みイネーブル128が装置104のRFIDタグメモリ220にセットされると、装置の電源が投入され、ブートローダアプリケーション234が装置上で実行される。ブートローダアプリケーションは、RFIDタグメモリ220に格納されているアップデートイネーブルフラグ126を読み取る。このアップデートイネーブルフラグ126は、そのデバイスソフトウェアのデバイスソフトウェアアップデート122が利用可能であることをブートローダアプリケーションに示すものである。ブートローダアプリケーション234は、RFIDタグメモリ220に格納されているワイヤレスネットワークおよびキー124(例えば、ワイヤレスネットワーク接続情報)を取得して、ネットワーク242を介した通信を行うための装置の無線システム214(例えば、Wi−Fi(登録商標)システム)を構築する。また、ブートローダアプリケーション234は、RFIDタグメモリ220からソフトウェアアップデートファイル位置118を取得して、この例では、サーバ装置244と通信することで、ネットワーク242を介してファイル位置からデバイスソフトウェアアップデート122をダウンロードする。あるいは、ブートローダアプリケーション234は、RFIDタグメモリ220にローカルに格納されているデバイスソフトウェアアップデートを取得する。
【0035】
デバイスソフトウェアアップデート122は、装置メモリ206に格納することができ、装置が購入されたときや、消費者によって装置のパッケージが開封されたときや、装置の電源がオンされたときなど、その後に装置が電源オンされたときに装置メモリからデバイスソフトウェアアップデートが利用可能となる状態で装置の電源が切断される。デバイスソフトウェアアップデート122を適用することによってデバイスソフトウェアをアップデートすることができ、これにより、RFIDタグメモリ220内のソフトウェアバージョンインジケータ112がデバイスソフトウェアの現在のバージョンを反映するように更新され、それに応じてアップデート成功/失敗フラグ130をセットすることができる。デバイスソフトウェアアップデート122を単にダウンロードおよび格納して装置104の電源を切断する代わりに、ブートローダアプリケーション234は、デバイスソフトウェアアップデート122をダウンロードして格納し、装置の電源がオフされる前に、デバイスソフトウェアアップデートを用いてデバイスソフトウェアのアップデートを行うこともできる。また、ブートローダアプリケーション234は、RFIDタグメモリ内のソフトウェアバージョンインジケータ112を更新し、それに応じてアップデート成功/失敗フラグ130をセットした後に、装置の電源切断を開始してもよい。
【0036】
図3,
図4,
図5を参照して、RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの実装例に従った例示の方法300,400,500を説明する。概して、本明細書で説明するサービス、構成要素、モジュール、方法、および/または動作は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば、固定ロジック回路)、マニュアル処理、またはそれらの任意の組み合わせを用いて実装することができる。例示の方法のいくつかの動作は、コンピュータ処理システムに対してローカルおよび/またはリモートな位置にあるコンピュータ可読記憶メモリに記憶された実行可能命令とすることができ、ソフトウェアアプリケーション、プログラム、機能などとして実装することができる。これに代えてまたはこれに加えて、本明細書で説明する機能のいずれかは、少なくとも部分的に、これらに限定されないが、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SoC)、コンプレックスプログラマブルロジック装置(CPLD)などの1つまたは複数のハードウェアロジック構成要素によって実行することができる。
【0037】
図3は、RFIDベース装置のワイヤレスアップデートの例示の方法300を示し、ここでは、RFIDリーダ106を参照して概説する。この方法で説明する順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、以下に説明する方法の処理は、任意の数や組み合わせで行って、任意の順序で方法または代替方法を実行することができる。
【0038】
ステップ302において、装置の無線識別(RFID)タグが、RFIDリーダからの問い合わせを受ける。例えば、RFIDリーダ106は、装置104のRFIDタグ218に問い合わせを行って、装置がオペレーティングシステム228のアップデートなどのファームウェアおよび/またはソフトウェアアップデートを必要とするか否かを判定する。とりわけ、RFIDリーダ106は、装置104が出荷および/または小売用にパッケージされたままの状態にあり、かつ装置104の電源がオフされている状態にあるときに、装置104に対して問い合わせを行う。ステップ304において、装置のRFIDタグからソフトウェアバージョンインジケータが受信される。例えば、RFIDリーダ106は、RFIDタグメモリ220に格納されているデバイス識別子110およびソフトウェアバージョンインジケータ112を応答信号として装置104から受信する。
【0039】
ステップ306において、RFIDタグからのソフトウェアバージョンインジケータの応答に基づいて、デバイスソフトウェアが最新のバージョンではないとの判定がなされる。例えば、RFIDリーダ106は、RFIDタグ218からのソフトウェアバージョンインジケータ112の応答に基づいて、デバイスソフトウェアが最新のバージョンでないと判定する。実装例では、RFIDリーダ106は、装置104のデバイス識別子110およびソフトウェアバージョンインジケータ112をサーバ装置244に送信し、サーバ装置244は、それらの情報をその装置について格納されている対応する情報と比較することにより、その特定の装置がデバイスソフトウェアの最新のバージョンを有しているかどうかを評価する。あるいは、サーバ装置244は、その装置の情報をRFIDリーダ106に返信することで、RFIDリーダ106が、装置104がデバイスソフトウェアの最新のバージョンを有しているか否かを判定する。
【0040】
ステップ308において、ワイヤレスネットワーク接続情報が、装置のRFIDタグに送信される。例えば、RFIDリーダ106は、ワイヤレスネットワーク接続情報を装置104のRFIDタグ218に通信し、これにより、ネットワーク242に関連付けられたワイヤレスネットワーク接続情報が、RFIDタグメモリ220にワイヤレスネットワークおよびキー124として格納される。このワイヤレスネットワーク接続情報は、ネットワーク242の識別情報と、ワイヤレスネットワークに接続してワイヤレス通信するためのネットワーク認証情報(例えば、ネットワークキー)とを含む。
【0041】
ステップ310において、デバイスソフトウェアアップデートのファイル位置が装置のRFIDタグに送信される。例えば、RFIDリーダ106は、デバイスソフトウェアアップデート122のファイル位置を装置104のRFIDタグ218に送信し、これにより、RFIDタグメモリ220にソフトウェアアップデートファイル位置118が格納される。実装例では、デバイスソフトウェアアップデート122のファイル位置118は、デバイスソフトウェアの最新バージョンを有していない装置104についてのデバイスソフトウェアアップデートを維持するサーバ装置244のユニバーサルリソースロケータ(URL)である。
【0042】
ステップ312において、アップデートインジケータが装置のRFIDタグに送信され、これにより、RFIDタグのメモリにアップデートイネーブルフラグがセットされる。例えば、RFIDリーダ106は、アップデートインジケータを装置104のRFIDタグ218に送信し、これにより、アップデートインジケータがアップデートイネーブルフラグ126としてRFIDタグメモリ220にセットされる。このアップデートイネーブルフラグ126は、装置104の電源投入時に、その装置104のブートローダアプリケーション234に対するソフトウェアアップデート指示として機能する。
【0043】
ステップ314において、起動コマンドがRFIDタグに送信されて、RFIDタグが起動される。これにより、割り込みラインがイネーブルとされることにより装置の電源がオンされる。例えば、RFIDリーダ106は、装置104のRFIDタグ218に起動コマンドを送信し、これにより、起動コマンドが割り込みイネーブル128としてRFIDタグメモリ220にセットされる。この割り込みイネーブル128によってRFIDタグ218が起動されることにより、電源管理部230を介して割り込みイネーブルライン232がイネーブルとされることで装置の電源がオンされ、装置104がワイヤレスネットワーク接続情報を利用してファイル位置からのデバイスソフトウェアアップデート122のダウンロードを開始する。装置104のRFIDタグメモリ220に割り込みイネーブル128がセットされると、装置の電源が投入されてブートローダアプリケーション234が装置上で実行されることにより、ワイヤレスネットワーク接続情報を利用したファイル位置からデバイスソフトウェアアップデート122がダウンロードされる。
【0044】
図4は、RFIDベース装置のワイヤレスアップデートの例示の方法400を示し、ここでは、RFIDタグ218を実装する装置104を参照して概説する。この方法で説明する順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、以下に説明する方法の処理は、任意の数や組み合わせで行って、任意の順序で方法または代替方法を実行することができる。
【0045】
ステップ402において、RFIDリーダからの問い合わせがRFIDタグで受信される。例えば、RFIDタグ218は、RFIDリーダ106からの問い合わせを受信して、オペレーティングシステム228のアップデートなどのファームウェアまたはソフトウェアアップデートが必要か否かを判定する。RFIDリーダ106は、装置104が出荷および/または小売用にパッケージされたままの状態にあり、かつ装置104の電源がオフされている状態にあるときに、装置104に対して問い合わせを行うことができる。ステップ404において、デバイスソフトウェアのソフトウェアバージョンインジケータが応答される。例えば、RFIDタグ218は、RFIDタグメモリ220に格納されているデバイス識別子110およびソフトウェアバージョンインジケータ112をRFIDリーダ106に返信する。
【0046】
ステップ406において、アップデートインジケータがRFIDリーダから受信され、デバイスソフトウェアが最新バージョンではないことを示し。ステップ408において、アップデートインジケータの受信に応答して、装置のRFIDタグのメモリにアップデートイネーブルフラグが格納される。例えば、RFIDタグ218は、RFIDリーダ106からアップデートインジケータを受信し、そのアップデートインジケータがアップデートイネーブルフラグ126としてRFIDタグメモリ220にセットされる。このアップデートイネーブルフラグ126は、装置104の電源投入時に、その装置104のブートローダアプリケーション234に対するソフトウェアアップデート指示として機能する。
【0047】
ステップ410において、ワイヤレスネットワーク接続情報およびデバイスソフトウェアアップデートのファイル位置がRFIDリーダから受信され、ステップ412において、RFIDタグメモリにワイヤレスネットワーク接続情報およびデバイスソフトウェアアップデートのファイル位置が格納される。例えば、RFIDタグ218は、ネットワーク242に関連付けられたワイヤレスネットワーク接続情報を受信し、そのワイヤレスネットワーク接続情報が、ワイヤレスネットワークおよびキー124としてRFIDタグメモリ220に格納される。また、RFIDタグ218は、RFIDリーダ106からデバイスソフトウェアアップデート122のファイル位置を受信し、これによりRFIDタグメモリ220にソフトウェアアップデートファイル位置118が格納される。ワイヤレスネットワーク接続情報は、ネットワーク242の識別情報と、ワイヤレスネットワークに接続してワイヤレス通信するためのネットワーク認証情報(例えば、ネットワークキー)とを含む。デバイスソフトウェアアップデート122のファイル位置118は、装置104のデバイスソフトウェアアップデートを維持するサーバ装置244のユニバーサルリソースロケータ(URL)とすることができる。
【0048】
ステップ414において、デバイスソフトウェアが最新バージョンではないとの判定に基づいて、装置への電源投入を開始させるRFIDリーダからの起動コマンドがRFIDタグで受信される。例えば、RFIDタグ218は、RFIDリーダ106からの起動コマンドを受信し、この起動コマンドが、割り込みイネーブル128としてRFIDタグメモリ220にセットされる。この割り込みイネーブル128によりRFIDタグ218が起動されることで、電源管理部230を介して割り込みイネーブルライン232がイネーブルとされることにより装置の電源がオンされ、装置104は、ワイヤレスネットワーク接続情報を利用したファイル位置からのデバイスソフトウェアアップデート122のダウンロードを開始する。
【0049】
図5は、RFIDベース装置のワイヤレスアップデートの例示の方法500を示し、ここでは、RFIDタグ218を実装する装置104を参照して概説する。この方法で説明する順序は、限定として解釈されることを意図しておらず、以下に説明する方法の処理は、任意の数や組み合わせで行って、任意の順序で方法または代替方法を実行することができる。
【0050】
ステップ502において、装置の電源をオンにするべく装置のRFIDタグが割り込みラインをイネーブルにすると装置の電源が投入される。例えば、RFIDタグ218は、装置104の電源をオンするべく、電源管理部230を介して割り込みイネーブルライン232をイネーブルとする。割り込みイネーブル128が装置104のRFIDタグメモリ220にセットされると、装置に電源が投入され、ブートローダアプリケーション234が装置上で実行される。
【0051】
ステップ504において、RFIDタグのメモリに格納されているアップデートイネーブルフラグに基づいて、デバイスソフトウェアに対するデバイスソフトウェアアップデートが利用可能であるとの判定がなされる。例えば、ブートローダアプリケーション234は、RFIDタグメモリ220に格納されているアップデートイネーブルフラグ126を読み出す。このアップデートイネーブルフラグ126は、デバイスソフトウェアに対するデバイスソフトウェアアップデート122が利用可能であることをブートローダアプリケーションに示すものである。
【0052】
ステップ506において、RFIDタグのメモリに格納されているワイヤレスネットワーク接続情報が取得されることで、ワイヤレスネットワークを介して通信するための装置の無線システムが構築される。例えば、ブートローダアプリケーション234は、RFIDタグメモリ220に格納されているワイヤレスネットワークおよびキー124(例えば、ワイヤレスネットワーク接続情報)を取得することで、ネットワーク242を介して通信するための装置の無線システム214(例えば、Wi−Fi(登録商標)システム)を構築する。
【0053】
ステップ508において、デバイスソフトウェアアップデートのファイル位置がRFIDタグのメモリから取得され、ステップ510において、サーバ装置のユニバーサルリソースロケータ(URL)であるファイル位置に基づいて、サーバ装置に格納されているデバイスソフトウェアアップデートがワイヤレスネットワークを介してアクセスされる。例えば、ブートローダアプリケーション234は、RFIDタグメモリ220からソフトウェアアップデートファイル位置118を取得し、サーバ装置244と通信することにより、ネットワーク242を介してファイル位置からデバイスソフトウェアアップデート122をダウンロードする。
【0054】
ステップ512において、ワイヤレスネットワークを介してファイル位置からデバイスソフトウェアアップデートがダウンロードされ、ステップ514において、デバイスソフトウェアアップデートが装置メモリに格納される。例えば、ブートローダアプリケーション234は、ネットワーク242を介してサーバ装置244におけるファイル位置118からデバイスソフトウェアアップデート122のダウンロードを開始し、そのデバイスソフトウェアアップデート122が装置メモリ206に格納される。
【0055】
任意で、ステップ516において、デバイスソフトウェアアップデートによりデバイスソフトウェアがアップデートされる。例えば、ブートローダアプリケーション234は、装置の電源がオフになる前に、デバイスソフトウェアアップデート122を用いてデバイスソフトウェアのアップデートを行う。ステップ518において、装置の電源が切断される。例えば、ブートローダアプリケーション234は、装置の電源がその後にオンされたときにデバイスソフトウェアアップデート122を装置メモリ206から利用可能とする状態にて装置104の電源を切断する。
【0056】
図6は、RFIDベース装置のワイヤレスアップデートの実施形態を実装可能な例示の装置600の種々の構成要素を示す。この例示の装置600は、任意のタイプのクライアント装置、携帯電話、タブレット、コンピューティング装置、通信装置、エンターテイメント装置、ゲーム装置、メディア再生装置、および/または他のタイプの電子装置など、
図1〜
図5を参照して説明した装置のいずれかとして実装することができる。例えば、
図1および
図2に示す装置104やサーバ装置を、例示の装置600として実装することができる。
【0057】
装置600は、
図1および
図2に示す装置104を参照して説明したデバイス識別子110、ソフトウェアバージョンインジケータ112、および他のデバイスソフトウェアステータス情報108などの装置データ604を、他の装置に有線および/または無線通信することが可能な通信トランシーバ602を含む。また、装置データは、任意のタイプのオーディオデータ、ビデオデータ、および/または画像データを含むことができる。例示のトランシーバは、種々のIEEE802.15(Bluetooth(登録商標))規格に準拠するワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)無線機、種々のIEEE802.11(Wi−Fi(登録商標))規格に準拠するワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)無線機、携帯電話通信用のワイヤレスワイドエリアネットワーク(WWAN)無線機、種々のIEEE802.15(WiMAX(登録商標))規格に準拠したワイヤレスメトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)無線機、およびネットワークデータ通信のための有線ローカルエリアネットワーク(LAN)イーサネット(登録商標)トランシーバを含む。
【0058】
また、装置600は、装置へのユーザ選択可能な入力情報、メッセージ、音楽、テレビコンテンツ、記録コンテンツ、ならびに任意のコンテンツおよび/またはデータソースから受信される任意のタイプのオーディオデータ、ビデオデータ、および/または画像データなど、任意のタイプのデータ、メディアコンテンツ、および/または入力情報を受信することが可能な1つまたは複数のデータ入力ポート606を含むことができる。このデータ入力ポートは、USBポート、同軸ケーブルポート、およびフラッシュメモリ、DVD、CDなどに対する他の直列または並列コネクタ(内部コネクタを含む)を含むことができる。これらのデータ入力ポートは、任意のタイプのコンポーネント、周辺機器、あるいはマイクロホンおよび/またはカメラなどのアクセサリに装置を接続するために使用することができる。
【0059】
装置600は、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、任意のマイクロプロセッサ、コントローラなど)および/またはコンピュータ実行可能命令を処理するシステムオンチップ(SoC)として実装されたプロセッサ・メモリシステムからなる処理システム608を含む。処理システムは、集積回路またはオンチップシステムの構成要素を含むハードウェア、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンプレックスプログラマブルロジック装置(CPLD)、あるいはシリコンおよび/または他のハードウェアによる他の実装形態で少なくとも部分的に実装されている。代替的にまたは追加的に、装置は、処理および制御回路610に関して実装されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、および固定ロジック回路のうちの任意の1つまたはそれらの任意の組み合わせとともに実装され得る。さらに、装置600は、任意のタイプのシステムバス、または装置内における種々の構成要素を接続する他のデータおよびコマンド転送システムを含む。システムバスは、種々の異なるバス構造およびアーキテクチャのうちの任意の1つまたはそれらの任意の組み合わせとともに制御およびデータラインを含むことができる。
【0060】
また、装置600は、コンピューティング装置によってアクセス可能なデータ記憶装置などのデータ記憶を可能にし、データおよび実行可能命令(例えば、ソフトウェアアプリケーション、プログラム、機能など)の永続的記憶を提供するコンピュータ可読記憶メモリ612を含むことができる。コンピュータ可読記憶メモリ612の例は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリ、固定および着脱可能媒体装置、およびコンピューティング装置がアクセスするためのデータを維持する任意の適切なメモリ装置または電子データ記憶装置を含む。コンピュータ可読記憶メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または種々のメモリ装置構成における他のタイプの記憶媒体など、種々の実装形態を含むことができる。また、装置600は、大容量記憶媒体装置を含むことができる。
【0061】
コンピュータ可読記憶メモリ612は、装置データ604、他のタイプの情報および/またはデータ、ならびに種々の装置アプリケーション614(例えば、ソフトウェアアプリケーション)を格納するためのデータ記憶メカニズムを提供する。例えば、オペレーティングシステム616は、メモリ装置を用いたソフトウェア命令として維持され、処理システム608によって実行することができる。装置アプリケーションは、制御アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、信号処理制御モジュール、特定の装置に固有のコード、特定の装置のためのハードウェア抽象化レイヤなどの任意の形態によるデバイスマネージャを含むことができる。この例では、装置600は、RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの実施形態を実装するブートローダアプリケーション618を含み、
図1〜
図5を参照して説明した装置104として装置600が実装される場合などのように、装置600はハードウェアコンポーネントおよび/またはソフトウェアで実装することができる。ブートローダアプリケーション618の一例は、装置104のアプリケーションとして実装されるブートローダアプリケーション234である。
【0062】
また、装置600は、装置104に実装されるRFIDタグ218を参照して説明したように、無線識別(RFID)タグ620を含む。また、装置600は、例えば、装置の梱包状態を判定可能な周辺光センサ、近接センサ、タッチセンサ、赤外線(IR)センサなどのうちの任意の1つまたは複数として実装される1つまたは複数の装置センサ622を含むことができる。また、装置600は、装置がモバイル装置として実装される場合など、1つまたは複数の電源624を含むことができる。この電源は、充電および/または電源システムを含むことができ、フレキシブルストリップ電池、二次電池、チャージド・スーパーキャパシタ、および/または任意の他のタイプのアクティブまたはパッシブ電源として実施することができる。
【0063】
また、装置600は、オーディオシステム628におけるオーディオデータおよび/またはディスプレイシステム630におけるディスプレイデータを生成するオーディオおよび/またはビデオ処理システム626を含む。オーディオシステムおよび/またはディスプレイシステムは、オーディオデータ、ビデオデータ、ディスプレイデータ、および/または画像データを処理し、表示し、および/またはレンダリングする任意の装置を含むことができる。ディスプレイデータおよびオーディオ信号は、RF(無線)リンク、S−ビデオリンク、HDMI(登録商標)(高品位マルチメディアインタフェース)、コンポジットビデオリンク、コンポーネントビデオリンク、DVI(デジタルビデオインタフェース)、アナログオーディオ接続、またはその他の通信リンクなどのようなメディアデータポート632を介して、オーディオ構成要素および/またはディスプレイ構成要素と通信される。実装例では、オーディオシステムおよび/またはディスプレイシステムは、例示の装置に一体化された構成要素である。あるいは、オーディオシステムおよび/またはディスプレイシステムは、例示の装置に対して外付けされる周辺構成要素である。
【0064】
以上、RFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの実施形態を特定の特徴および/または方法について説明したが、本発明は、上記した特定の特徴または方法に必ずしも限定されない。むしろ、特定の特徴および方法はRFIDベースの装置のワイヤレスアップデートの例示的な実施形態として開示されるものであり、他の同様の特徴および方法も特許請求の範囲内に含まれることが意図される。また、種々の異なる実施形態を説明したが、各実施形態は、独立した実施形態として、あるいは1つまたは複数の他の実施形態と組み合わせて実施することもできる。