【課題】太陽光発電システムと商業電源システムとを並列駆動させるとともに、太陽光発電システムによる発電電力を優先的に負荷に送電させる様にして、太陽光発電システムで得た電力の利用効率を向上させる負荷駆動方法を提供する。
【解決手段】商用電源システム1と太陽光発電システム2とを併用して負荷3を駆動する方法に於いて、商用電源システム1と太陽光発電システム2とを常時並列運転させながら、太陽光発電システム2からの出力電力を、商用電源システム1から供給される出力電力に対して優先的に負荷3に供給させる様に常時調整回路4により調整処理を繰り返し実行する負荷駆動システム100。
商用電源システムと太陽光発電システムとを併用して所望の負荷を終日駆動する方法に於いて、当該商用電源システムと当該太陽光発電システムとを常時平行運転させながら、当該太陽光発電システムから出力される電力を、当該商用電源システムから供給される電力に対して優先的に当該負荷に供給させる様に常時調整処理を繰り返し実行する事を特徴とする負荷駆動システム。
当該商用電源システムから出力される電圧は、AC−DCコンバーターを介して、一方当該太陽光発電システムから出力される電圧は、DC−DCコンバーターを介して、同時に所定の当該負荷に供給される様に構成されている事を特徴とする請求項1に記載の負荷駆動システム。
当該DC−DCコンバーターは、当該太陽光発電システムから出力される入力電圧に対して、その出力電圧を変化させる機能を含んでいる事を特徴とする請求項1または2に記載の負荷駆動システム。
当該DC−DCコンバーターは、入力電圧である当該太陽光発電システムから出力される電圧を、短い調整時間間隔に対して、僅かな出力電圧変化を与える様に構成されている電圧調整手段が設けられている事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の負荷駆動システム。
当該電圧調整手段が、当該DC−DCコンバーターの出力電圧を昇圧させる場合の目標昇圧電圧は、当該AC−DCコンバーターの出力電圧よりも高くなる様な電圧である事を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の負荷駆動システム。
当該電圧調整手段が、当該DC−DCコンバーターの出力電圧を降圧させる場合の目標降圧電圧は、その時点に於ける、当該太陽光発電システムから出力される電圧である事を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の負荷駆動システム。
当該電圧調整手段は、その時点時点に於ける当該太陽光発電システムから出力される電圧の最大出力電圧を追跡する様に設定されている事を特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の負荷駆動システム。
当該太陽光発電システムから出力される電圧の最大出力電圧を常時検出し、その時点に於ける当該太陽光発電システムから得られる駆動電流を優先的に当該負荷に流し、その不足分に相当する電流を当該商用電源システム側から当該負荷に追加供給する様に構成されている事を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の負荷駆動システム。
当該DC−DCコンバーターに接続されている当該電圧調整手段は、電圧制御に替えて、当該太陽光発電システムから出力される電流或は電力を利用して当該DC−DCコンバーターから出力される電流或は電力を調整する電流調整手段或は電力調整手段である事を特徴とする請求項4乃至9の何れかに記載の負荷駆動システム。
商用電源システムと当該商用電源システムに接続されているAC−DCコンバーター、太陽光発電システムと当該太陽光発電システムに接続されているDC−DCコンバーター、当該DC−DCコンバーターに接続され、当該DC−DCコンバーターの出力電圧を当該太陽光発電システムからの出力電圧に対して、昇圧処理若しくは降圧処理を行う電圧変更調整回路を含む制御手段と、当該AC−DCコンバーター及び当該DC−DCコンバーターからのそれぞれの出力電流を、逆流防止ダイオードを介して受けるそれぞれの入力部と、当該各入力部の中間部に設けられている電流出力部とから構成されているコネクタ―回路部と、当該コネクタ―回路部の当該出力部に接続されている負荷手段とから構成されている事を特徴とする負荷駆動システム。
当該制御手段が、当該検出情報を電圧情報に替えて、当該太陽光発電システムから出力される電流情報或は電力情報を利用した電流変更調整回路或は電力変更調整回路である事を特徴とする請求項12に記載の負荷駆動システム。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光発電装置を基本とした太陽光発電システムを利用して、各種の負荷を駆動する駆動方法に関しては、多くの提案が行われてきている。
その中でも、当該太陽光発電システムに於ける一番の技術的問題とされている事項は、当該太陽光発電装置は、日中の太陽光が十分に得られている環境のいては、例えば、200V前後の安定した、且つハイレベルの出力電力を得る事が可能である為、商業電源が利用できない地域に於いては、所望の負荷を駆動する為の電源として貴重な存在となっている一方で、電力の自由化を前提として既存の電力会社に対し、原子力や化石燃料を利用した既存の発電システムに対し、環境保全に優れ、安価で経済的な再生エネルギーとし売電の対処とする電源としも注目されている。
【0003】
然しながら、一般的にいって、何れの当該太陽光発電システムにあっても、その発電原理から、太陽の日照時間や日照の強度の変化により当該太陽光発電システムから出力される電圧或は電流若しくはその電力は大きく影響を受ける事は避けえない事実であり、従って、これまでは、当該太陽光発電システムの利用可能な分野はかなり制限されると同時に安定的な利用や使用が期待出来ず、非効率的な運用を前提としたシステムでしかなく、飽くまでも脇役としての役目としてか駆動源としては期待されていないのが現状である。
つまり、当該従来の太陽光発電システムに於いては、例えば、夜間とか雨の日或いは曇天の場合で、太陽光がないか、あっても、太陽光の日照量が十分でない時間帯、例えば明け方及び夕方等では、当該太陽光発電システムで発電される電力量は全く無いか、或は当該電力量が出力されたとしても、僅かな量に過ぎない為、所望の負荷機器(例えば、照明機器、モーター等の駆動源、ソレノイド内蔵機器、テレビ、パソコン等を含む家電製品等)を正常に駆動させることが不可能となる事が多い。
【0004】
一方、例えば明け方及び夕方等の時間帯では、太陽光の日照量が十分でないが僅かな少量の電力は発生しているにも関わらず、所定の負荷機器を駆動させるには不十分な電力、電圧しか発生していない為、当該太陽光発電システムから外部にこの少量の電力を取り出すことが不可能である結果、その全ては、使用されずに消失されているのが通常であるから、その分は確実に電力の無駄となっている事は明らかである。
係る状況を改善する為に、従来から種々の改良技術が提案されて来ているが、その中でも、最も多い改良技術としては、例えば、特開平8−223816号公報(特許文献1)や、特開2006−254694号公報(特許文献2)に示されている様に、当該太陽光発電システムで発電した電力を一時的にバッテリーに貯蔵する技術である。
【0005】
然しながら、これ等の改良技術にあっては、太陽光の日照状態の程度に応じて、つまり適宜の閾値を予め設定し、当該閾値を超えるか超えないかにより、リレー機器を作動させて、当該太陽光発電システムからの出力電力を当該バッテリーに充電させるか、当該バッテリーから放電させるかを選択するものであるので、リレー機器を使用する分だけコストアップとなる他、特に、明け方及び夕方の時間帯では、当該太陽光発電システムで発電される電力量は細かく且つ頻繁に変化するので、当該リレー機器の作動が激しくなるので、当該リレー機器が故障したり、破損する事が多く、コストアップにつながり、結局、実用的な太陽光発電システムを形成する事は困難となっている。
【0006】
一方、当該太陽光発電システムに於ける当該発生電力を有効的に使用する為に、例えば、特開2011−072166号公報(特許文献3)に示されている様に、太陽光発電システムと商用電源システムとを併用し、バッテリーへの充電処理と放電処理とを予測発電量と予測電力需要量に基づいて、当該バッテリーへの充電か、それからの法電かを決定する技術が示されているに過ぎず、当該太陽光発電システムの発電量で所望の負荷を駆動させる技術は開示されておらず、又、太陽光発電システムに於ける、発電量が少ない明け方或は夕方時に発生される少ない発電量を有効に利用すると言う発想は全く見られないのである。
【0007】
更に、当該太陽光発電システムの発電量を効果的に利用する方法として、例えば、特開2015−076050号公報(特許文献4)に示されている様に、太陽光発電システムの発電電圧を昇圧処理する技術が開示されているが、商用電源システムとの併用には言及がされておらず、且つ、太陽光発電システムに於ける、発電量が少ない明け方或は夕方時に発生される少ない発電量を有効に利用する為の技術構成は開示されていない。
又、太陽光発電システムを使用して、所望の負荷機器を昼夜を問わず連続駆動させる場合に、当該太陽光発電システムと当該商用電源システムとを併用し、且つその場合の当該太陽光発電システムを有効的に利用出来る技術に関しては、具体的は技術の提案はこれまでになされていないのが実情である。
従って、係る従来の技術的課題や問題点を解決する技術が求められている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明にかかる当該太陽光発電システムを利用した負荷駆動システムの具体例の構成を、図面を参照しながら詳細に説明する。
尚、以下に示す本発明の具体例に付いては、当該太陽光発電システムから出力される電圧を検出し、当該電圧のデータに基づいて、当該負荷駆動を行う方法について説明するが、本発明に於いては上記した通り、当該電圧情報のみにえ限定されるものではなく、当該太陽光発電システムから出力される電流若しくは電力のデータを制御情報として利用して、本発明の目的と同一の効果を得る事が可能である事は言うまでもない。
【0018】
即ち、
図1は、本発明に係る第1の態様である当該太陽光発電システムを利用した負荷駆動システム100の一具体例の構成を示すブロック図であって、図中、商用電源システム1と太陽光発電システム2とを併用して所望の負荷3を、要すれば、終日駆動する方法に於いて、当該商用電源システム1と当該太陽光発電システム2とを常時平行運転させながら、当該太陽光発電システム2から出力される電力を、当該商用電源システム1から供給される電力に対して優先的に当該負荷3に供給させる様に常時電圧変更調整回路4により調整処理を繰り返し実行する負荷駆動システム100が示されている。
本発明に於いて使用される当該商用電源システム1は特に限定されるものではなく、通常の一般的な買電で利用出来る全ての交流電源が使用可能である。
【0019】
一方、本発明に於いて使用される当該太陽光発電システム2もその構成や発電機構等も含めて特に限定されるものではなく、通常の一般的なソーラー発電装置と称されるもので有れば、如何なる装置でも使用可能である。
更に、本発明に於いて使用対象となる当該負荷機器3も特に限定されるものではなく、一般的な家庭や工場、事務所、商店等で通常使用されている負荷機器、例えば、照明機器、モーター等の駆動源、ソレノイド内蔵機器、テレビ、パソコン等を含む家電製品等が全て対象となり、それらの駆動源が交流で有ろうと直流で有ろうとも制限はない。
【0020】
処で、本発明に於ける技術思想の最も特徴的な技術的構成要件は、上記した通り、商用電源システム1と太陽光発電システム2とを常時並列的に駆動運転させることを前提として、当該太陽光発電システム2から出力される電力(電圧で有っても、電流で有っても良いが)を当該商用電源システム1から出力される電力(電圧で有っても、電流で有っても良いが)に対して優先的に使用する様に制御を行い、結果として、当該太陽光発電システム2から出力される電力(電圧或は電流で有も良い)を略100%に近い割合で当該負荷機器3に供給出来る様に構成されているものであり、それによって、当該太陽光発電システム2で出力される当該電力の利用率を向上させ、万一、当該太陽光発電システム1からの電力では、当該所望の負荷機器を駆動出来ない場合に、その差額の電力を自動的に当該商用電源システム1から補給供給する様に構成されているので、当該商用電源システム1の供給電力も適正なものに縮小制限がなされるので、当該商用電源システム1の電力コストの大幅な低減にも寄与する事が可能となる。
【0021】
上記した本発明の基本的な技術思想を実現する為の基本的原理としては、詳細は後述するとして、
図1に示すブロック図に於けるコネクター回路部7に於いて、例えば、一対の逆流防止ダイオード73,74を含む当該コネクタ―回路部7の当該太陽光発電システム2側の入力端子部72の入力電圧値V2を、当該商用電源システム1側の入力端子部71の入力電圧値V0よりも高く設定する事にある。
つまり、当該コネクタ―回路部7の双方の入力端子部71と72の入力電圧値が同じレベルで有れば、双方の入力端子部71、72からは、必要な電力量の50%がそれぞれ入力される事になるが、当該太陽光発電システム2側の入力端子72に於ける入力電圧値V2を、当該商用電源システム1側の入力端子71に於ける入力電圧値V0よりも高く設定することにより、当該太陽光発電システム2から出力される電力を、当該商用電源システム1から出力される電力に対して優先的に当該負荷機器3に供給する事が可能となる。
【0022】
例えば、当該負荷機器3の駆動電圧が120Vで有る場合、当該太陽光発電システム2の出力電圧が200Vであれば、当該商用電源システム1の出力電圧が通常では100Vであるので、当該太陽光発電システム2の出力電力のみて、当該負荷機器3を十分駆動する事が可能であるから、略100%の比率で当該太陽光発電システム2の出力電力が、当該負荷機器3に供給され、当該商用電源システム1からの出力電力は殆ど使用されない状態に維持される。
【0023】
一方、当該太陽光発電システム2の出力電圧が例えば、120V以下になると、当該太陽光発電システム2の出力電力のみでは、当該負荷機器3の駆動電力を賄いきれない状態となるので、その差額電力が当該商用電源システム1から補給供給される事になる。
一方、夜間に於いては、当該太陽光発電システム2からの出力電力は全く無いので、略100%の比率で、当該商用電源システム1からの出力電力が当該負荷機器3に供給される事になる。
【0024】
処で、朝方或は夕方の太陽光の照射量や照射時間が短く、当該太陽光発電システム1での出力電力値が極端に低く、然も当該出力電力値が頻繁に変動を繰り返す時間帯では、当該コネクタ―回路部7の当該太陽光発電システム2側の入力端子部72の入力電圧V2を、確実に、当該商用電源システム1側の入力端子部71の入力電圧V0よりも高く成る様に設定する事は困難である。
【0025】
係る問題に対処する為に、本発明に於いては、当該太陽光発電システム2の出力電圧値を常に、その時点で出力出来る電圧値として最大の出力電圧値が如何なるデータ電圧値となるかを追及し続けて、当該方法により得られたその時点での最大出力電圧値を制御要素として使用する事にしている。
【0026】
より具体的には、
図1に示す当該コネクタ―回路部7の当該太陽光発電システム2側の入力端子部72の入力電圧V2は、当該太陽光発電システム2の実際の出力電圧V1を、DC−DCコンバーター6を介して当該コネクタ―回路部7に出力するに際し、当該DC−DCコンバーター6を適宜の電圧変更調整回路4を使用して、当該出力電圧V1に対して、昇圧処理或は降圧処理等の調整処理を積極的に或は意識的に適宜実行させて、出力させたものである。
本発明に於いて使用される当該電圧変更調整回路4の構成や機能は特に限定されるものではなく、従来公知の昇圧処理回路或は降圧処理回路等が使用可能である。
係る処理を実行する事によって、出来るだけ当該コネクタ―回路部7の当該太陽光発電システム2側の入力端子部72の入力電圧V2を高いレベルに設定し、当該太陽光発電システム2の電力を出来るだけ多く当該負荷機器3に供給させる様に構成されているのである。
【0027】
此処で、本発明に係る当該太陽光発電システム2を利用した負荷駆動システム100に関する一具体例の構成を
図1を参照しながら詳細に説明する。
即ち、本発明に係る当該負荷駆動システム100は、商用電源システム1と当該商用電源システム1に接続されているAC−DCコンバーター5、太陽光発電システム2と当該太陽光発電システム2に接続されているDC−DCコンバーター6、当該DC−DCコンバーター6に接続され、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を当該太陽光発電システム1からの出力電圧V1に対して、昇圧処理若しくは降圧処理を行う電圧変更調整回路を含む制御手段4と、当該AC−DCコンバーター5及び当該DC−DCコンバーター6からのそれぞれの出力電流を、逆流防止ダイオード73、74を介して受けるそれぞれの商用電源システム1側の入力端子部71と太陽光発電システム2側の入力端子部72と、当該各入力端子部71、72の中間部に設けられている電流出力部35とから構成されているコネクタ―回路部7と、当該コネクタ―回路部7の当該出力部35に接続されている負荷手段3とから構成されているものである。
【0028】
本発明に於いて使用される当該負荷機器手段3は、直流駆動型のDC負荷機器31で有っても良く、交流駆動型のAC負荷機器32で有っても良く、当該AC負荷機器32を使用する場合には、当該コネクタ―回路部7と当該AC負荷機器32との間に適宜のインバーター手段33を設ける事が望ましい。
当該本発明に係る当該負荷駆動システム100に於いては、当該商用電源システム1から出される電圧は、AC−DCコンバーター5を介して、一方当該太陽光発電システム2から出力される電圧V1は、DC−DCコンバーター6を介して、同時に所定の当該負荷機器3に供給される様に構成されているものであり、又、当該DC−DCコンバーター6は、当該太陽光発電システム2から出力される入力電圧V1に対して、その出力電圧を変化させ、電圧V2を発生させる機能を含んでいるか、当該機能を有する制御回路手段が外付けされているものであっても良い。
【0029】
更に、本発明に於いては、当該DC−DCコンバーター6は、入力電圧である当該太陽光発電システム1から出力される電圧V1を、短い調整時間間隔に対して、僅かな出力電圧変化を与える様に構成されている電圧変更調整手段4が設けられている事を特徴とするものである。
本発明に於ける当該電圧変更調整手段4は、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を、当該太陽光発電システム1の出力電圧値V1に対して昇圧若しくは降圧させる機能を有するものである。
【0030】
一方、本発明に於いて使用される当該電圧変更調整手段4が、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値V2を、当該太陽光発電システム1の出力電圧値V1に対して昇圧させる場合の目標昇圧電圧は、当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0よりも高くなる様な電圧値である事が基本的技術構成であるが、当該目標値の達成を目指す一環として、絶えず当該太陽光発電システム1の出力電圧値V1が、それぞれの計測時点に於いて、最大の出力電圧V2となる様に調整制御を繰り返すものである。
【0031】
これに対し、当該電圧調整手段4が、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を降圧させる場合の目標降圧電圧値は、その時点に於ける、当該太陽光発電2から出力される電圧V1である。
換言するならば、本発明に於ける当該電圧調整手段4は、電圧値を計測する際のその時点時点に於ける当該太陽光発電システム2から出力される電圧V1の最大出力電圧を追跡する様に設定されているものである。
【0032】
本発明に於いては、係る当該太陽光発電システム2から出力される電圧値V1の最大出力電圧値V2を常時検出し、その情報を当該コネクタ―回路部7に提供することにより、その時点に於ける当該太陽光発電システム2から得られる駆動電流I2を優先的に当該負荷機器3に流し、当該太陽光発電システム2から得られる出力電力を最大限利用すると共に、その不足分に相当する電力を当該商用電源システム1側から当該負荷機器3に追加供給する様に構成されているものである。
【0033】
又、本発明に係る上記具体例に於いては、当該制御手段4が、当該検出情報として当該電圧情報を採用したが、当該電圧情報に替えて、当該太陽光発電システム2から出力される電流情報或は電力情報を利用するものであっても良い事は言うまでもない。
次に、本発明に於ける当該電圧変更調整回路4に於ける、当該太陽光発電システム2から出力される電圧値V1を、当該コネクタ―回路部7の当該太陽光発電システム2側の入力端子部72に入力させる調整電圧値V2に変換する為の処理手順の構成つまり当該処理様ソフトウェアの一具体例の概要を、
図2を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
即ち、本発明に係る当該電圧変更調整回路4を制御する為の手順つまりソフトウェアとしては、先ず初めに、初期設定を事前に行う必要がある。
当該初期設定段階では、当該AC−DCコンバーター5(AC−DC電源((PS1))の電圧V0をあらかじめ決められた電圧値、例えば、48V等に設定する。
本発明に於いて、当該AC−DCコンバーター5の電圧値V0と当該太陽光発電システム2の電圧値V1とが同一(V0=V1)である場合はAC−DCコンバーター5(AC−DC電源((PS1))を流れる電流値I0と、DC−DCコンバーター6(DC−DC電源(PS2))を流れる電流値I1とは同じとなり(I0=I1)総合電流としてI3=I0+I1が負荷機器3に流れる事になる。
【0035】
もしV0<V1の場合は、V1とV0の電圧差でDC−DC電源(PS2)5からの電流が大きくなり、負荷機器3が一定の場合は電圧差に応じて当該負荷機器3に流れる電流は、I1>I0になる。
次に、当該AC−DCコンバーター5(PS1)の動作範囲電圧若しくは最低動作電圧Vsと、当該DC−DCコンバーター6(PS2)の動作範囲電圧若しくは最低動作電圧Vs’とを予め設定するか実際の各コンバーター機器で確認しておく。
【0036】
スタート後、ステップ1(S−1)に於いて、当該AC−DCコンバーター4(PS1)の出力電圧V0が当該AC−DCコンバーター5の動作範囲電圧Vsと同一であるか否かを判断する操作を実行する。
係る操作は、当該商用電源システム1が正常に作動しているか、停電などの障害を発生していないかをチェクする段階である。
当該ステップ1(S−1)に於いてNOである場合には、何らかの原因で当該当該商用電源システム1が正常に作動していないことが推測されるので、元に戻って、その原因を追及し、当該問題が解決された後、再び当該ステップ1(S−1)で、同様の操作を繰り返す。
【0037】
当該ステップ1(S−1)でYESで有れば、ステップ2(S−2)に移動し、当該DC−DCコンバーター5(PS2)の出力電圧V1が当該DC−DCコンバーター6の動作範囲電圧Vs’よりも高い電圧値を示しているか否かを判断する操作を実行する。
当該ステップ2(S−2)に於いてNOである場合には、太陽光の照射状況が十分ではなく、当該太陽光発電システム2の出力電圧がかなり低い状態にあることを示しているので、当該太陽光が十分に当該太陽光発電システム2を照射し、当該太陽光発電システム2の出力電圧値V1が当該DC−DCコンバーター6の動作範囲電圧Vs’よりも高くなるまで待つ必要があり、元に戻って再度検出操作をするという動作を何回も繰り返す操作が継続される。
そして、当該ステップ2(S−2)でYESとなれば、ステップ3(S−3)に進み、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を、当該太陽光発電システム2のその時点で測定された出力電圧値V1に対して、上昇させる昇圧処理操作を実行する。
【0038】
当該ステップ3(S−3)では、当該電圧変更調整回路4(CTL)は、当該太陽光発電システム2の出力電圧値V1を当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値しV0より高い出力電圧に徐々に上昇させることを基本的には狙っているものであるが、当該太陽光発電システム2の出力電圧が当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値しV0に比べてかなり低い状態にあっては、上記した目的は達成できないので、取り敢えず、検出操作を繰り返し実行する際のそれぞれの時点に於ける、当該太陽光発電システム2が達成しうる可能性のある最大の出力電圧値を求める様に操作が行われるものである。
【0039】
具体的には、当該電圧変更調整回路4では、例えば100msec(100ミリセカンド)の短い時間間隔で、当該太陽光発電システム2の出力電圧値V1を0.1Vづつ、徐徐に昇圧させて行く操作を繰り返すものである。
当該出力電圧値V1を上昇させてV2に替えて行くと、当該負荷機器3に流れる電流値は徐徐に増加するが、反面、当該太陽光発電システム2からの出力電圧が増加しない限り、その分だけ、当該出力電圧値V1は低下することになるので、当該DC−DCコンバーター6の出力電力値が低下して、必要な電流が負荷機器3に流れなくなると言う問題が発生する。
その場合には、当該昇圧処理操作を停止して、逆に降圧処理を行い、それによって当該出力電力値が元に戻るか否かを判断する事になる。
【0040】
係る操作を絶えず継続させることによって、当該太陽光発電システム2に於ける当該出力電圧値の個々の当該測定時点での最大値を絶えず追跡する事が出来る様になり、当該太陽光発電システム2のその時点での発電電力を最大限取り出す事が可能となり、その結果、当該太陽光発電システム2の発電電力の利用効率を高める事が可能となる。
尚、本発明に於いて、日射が少ない場合や夜間の場合は、当該太陽光発電システム2の発電電圧値V1が当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0より低くなるか、V1=0Vとなり、当該負荷機器3には当該AC−DCコンバーター5(PS1)からの電力が優先的に供給される事になる。
【0041】
本発明に係る上記技術思想を具体的に実現する為、当該ステップ3(S−3)3(S−3)で、上記した昇圧処理が実行された後、ステップ4(S−4)に進み、当該太陽光発電システム2に於ける出力電圧値V1が低下したか否かが判断され、NOで有る場合には、ステップ2(S−2)に戻って、これまでの各ステップの操作が繰り返される。
【0042】
つまり、該太陽光発電システム2に於けるその時点時点での出力電圧値V1を徐徐に昇圧処理してV2を形成する操作を継続し、その時点での最大電圧値とされる、当該出力電圧値V2が降下するまで継続される。
係る操作の繰り返しは、上記した通り、例えば、100msec(100ミリセカンド)の短い時間間隔で繰り返されるものである。
【0043】
そして、当該ステップ4(S−4)でYESで有る場合には、ステップ5(S−5)に進み、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を所定の値だけ降圧させる操作を実行し、ステップ4(S−4)に戻る。
係る操作も、例えば、100msec(100ミリセカンド)の短い時間間隔で、各時点では、0.1Vづつ降圧させる様にして、徐々に降圧処理を実行するものである。
【0044】
そして、当該ステップ4(S−4)に於いて、当該降圧処理の結果、未だ、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2の降圧が見られる場合には、更にステップ5(S−5)に戻って、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2を所定の値だけ降圧させる操作を繰り返し実行し、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧V2の降圧状態が無くなるまで、当該操作が継続される。
その後、当該当該ステップ4(S−4)に於いてNOとなれば、ステップ2
(S−2)に戻り、前記したステップ2(S−2)とステップ3(S−3)の操作が繰り返されることになり、本発明に係る負荷駆動操作が継続されている限り、この操作が繰り返し継続される事になる。
【0045】
即ち、本発明に於いては、太陽電池の出力が有る場合には、DC−DCコンバーターの出力電流を常時監視し、商用側の直流出力電圧を若干上回る出力電圧に設定して、優先的に太陽電池側の出力をLED照明等の負荷機器3へ供給出来る様に最大電力制御処理が実行されるものである。
処で、本発明に於ける当該最大電力制御処理システムの基本的技術思想を概括するならば、その基本は、太陽電池モジュール出力特牲を考慮し、日射照度の変化によって変化する最大電力を効率的に制御するシステムと定義出来る。
【0046】
そして、その動作手順の基本的な構成は、上記で説明した通り、以下の通りである。
(1)ある日射照度においての太陽電池の最大出力の動作電圧値は一定電圧で、日射照度が少ない場合には当然出力電力は低下する。
若し、出力電力が低下した場合、その電力に見合った負荷電流を所定の負荷(例えば、LED照明)に供給しなければ、太陽電池の電圧が低下しDC−DCコンバーターへの入力電圧以下になり電力を取り出せなくなる。
一方、太陽電池の発電電力が少ない場合でも、負荷電流(LED)の電流を減じて最適電圧になるように制御すればその時点の日射照度の最大電力が引き出される事になる。
(2)此処で、太陽電池の最適電圧を得るには、太陽電池アレイの電圧を計測する事で検出する事が可能となる。
(3)本発明に係る当該システムの動作は、太陽電池アレイで発電された電力をDC−DCコンバーターへ入力し、DC−DCコンバーターの出力電圧と出力電流を計測し、DC−DCコンバーターの出力電圧を調整し、太陽電池の出力電圧が最適電圧になるように制御する。
従来一般的に使用されているパワーコンディショナの場合の最大電力追従制御(MPPT)の場合は、日射照度のふらつきや安定状態の確認のためタイマーなどによって制御しているため、ロスが非常に多く発生するが、本発明に係る制御システムでは、少ない太陽電池の発電量でも動作可能なシステムとなることが最大の特徴である。
【0047】
一方、本発明に係る太陽光発電システムと商用交流電源システムとを併用して所望の負荷機器を駆動する当該負荷駆動システムにおいて、最大電力制御方法について、2つの制御方法を採用する可能性があり、そのメリットとデメリットとを検討するならば、先ず、 第1の方法として太陽電池の最適動作電圧になるようDC−DCコンバーターの出力電圧のみを調整して制御する方法がある。
この方法は、単に太陽電池側のDC−DCコンバーターの出力電圧のみを制御し、最適電圧になるように制御するが、商用交流システム側のAC−DCコンバーターの負荷(LDE)の電圧変動は考慮されない。
そのため当該制御の精度そのものが悪くなる可能性がある。
【0048】
これに対し、第2の方法としては、太陽電池側のDC−DC電源及び商用交流電源側のAC−DC電源の両方の出力電圧を計測して制御すれば,商用電源側のAC−DC電圧変動にも対応し安定に制御出来る事になる。
従って、本発明に於いては、当該第2の方法を採用したものであり、その為に、太陽電池側のDC−DC電源からの電圧と当該商用交流電源側からのAC−DC電源の電圧の両方を監視し、出来るだけ当該商用交流電源からの当該負荷機器への電流を減らすように制御するため太陽電池の最大電力を引き出すことが可能となったのである。
【0049】
本発明に係る当該負荷駆動システムを採用することによって、従来技術に比べて、以下の様な好ましい作用効果を得る事が可能となった。
即ち、従来技術に於ける、当該最大電力制御のない太陽光発電システムによる直流電源の場合であれば、当該太陽光発電システムの電圧がDC−DCコンバーターの入力電圧に達するまで太陽電池が発電している場合でも、当該負荷に電流が流れることはない。
その理由は、既に上記で説明した通り、太陽電池の出力電力が少ないからである。
つまり、太陽電池の出力が小さい場合、負荷電流が流せないため、太陽電池の負荷が過負荷になり太陽電池の電圧が低下して、DC−DCコンバーターの人力電圧以下になってしまうため、電流は流せないのである。
然しながら、太陽電池の出力が少ない場合でも、太陽電池出力電力に見合うようにDC−DCコンバーターの出力電圧を調整出来れば、その時点の太陽発電システムの最大電力が取得可能となり、その分当該負荷機器に電流を供給する事が可能となる。
【0050】
本発明に係る当該負荷駆動システムを実際に所望の負荷機器の駆動に適用した場合、平均して、当該太陽光発電システムが出力する一日の発電電力に対して当該負荷機器に供給された電力の割合は、73%以上を示しており、従来の技術に対して大幅な改善が見られていることは明らかである。
これに対応して、本発明に於いては、当該商用交流電源の電力使用量が、従来技術を使用する場合に比べて、25乃至30%程度、節約出来る事が判明している。
その結果、本発明により、24時間昼夜連続運転しなければならない様な負荷機器を駆動させる場合に、電力コストが大幅に低減化されると同時に、バッテリーを使用しないで済むため、その為の管理費用が不要となる他、駅構内等の公共施設内、病院や診療所内での諸設備、高層共同住宅等のエントランス領域等に於けるオートロックシステムやエレベーターの扉部の開閉等、非常時停電発生時に於ける防災機器の駆動し有効に活用する事が可能である。
勿論、これらの用途については、本発明に於いて、バッテリと併用することにより、より、広範囲の用途に対応させる事が可能となる。
【0051】
つまり、本発明に係る当該負荷駆動方法に於いては、基本的には、バッテリーの併用は必須ではないが、場合によっては、本発明に於いて当該バッテリーを併用する事も好ましい具体例である。
係るバッテリー、つまり蓄電池を使用した太陽光発電システムは、太陽光発電により蓄電池を充電しながら、負荷機器(例えばLED照明)等へ電力を供給するシステムである。
又、本発明に係る上記した負荷駆動方法にあっては、当該負荷機器への電力供給は昼夜を通して行われる為、システム設計に当たっては夜間の使用電力量 (蓄電池による電力供給)と昼間の太陽光発電装置による蓄電池への補充電電気量とを勘案して、充放電バランスが最適となる様なシステム設計を実施する事で、季節的な変動は有るものの最適なシステム設計が実施出来ているのである。
但し、蓄電池を用いたシステムの場合には、全体システムのコスト的要因を勘案すると、第1に当該蓄電池の寿命を考慮する必要が有る。
【0052】
一般的にこの種の用途 (サイクル使用)における蓄電池寿命は最長でも7年から10年とされており、太陽電池システムの他の機器に対して短寿命となっている点に注目しておく必要がある。
本発明に於ける他の態様である太陽光発電装置にバッテリーを接続させて当該負荷機器を駆動する場合の具体例を以下に説明する。
即ち、(1)太陽光発電装置により発電された個々の電力は、適宜の接続箱等にて集電し、適宜の過充電防止器に接続される。
(2)当該過充電防止器により制御された電源を当該バッテリーの充電に使用する。
(3)同時にDC−DCコンバーターへこの電源を供給し、この制御された電源をLED 照明用の分電盤へ供給する。
(4)当該LED照明用の分電盤へは商用電源をAC−DCコンバーターにて変換した直流電力も同時に供給される。
(5)商用電源側のAC−DCコンバーターはLED照明負荷にて使用される電力が太陽電池側からの供給にて賄えない場合、その不足分を供給するもの とする。
(6)蓄電池は、夜間及び曇天、雨天等で太陽電池の出力が不足した場合には、蓄電池のみにて負荷へ電力を供拾し、蓄電池が規定放電電気量を放電した場合には自動的に蓄電池からの電力供給を停止する。
(7)当該蓄電池が放電した場合には、太陽電池からの出力により蓄電池の充電を優先し、LED照明負荷へは商用電源側より電力を供給する。
【0053】
次に、本発明に於ける当該負荷駆動システム100を使用して、実際の負荷機器を24時間連続駆動させた場合の具体的な実施例の概要と、当該実施例により得られたデータに基づいて、得られた作用効果の分析結果を、
図3を参照しながら詳細に説明する。
実施概要
(1)当該システムの設置状況;
当該システムの設置場所: 都内の10階建て高層住宅の屋上
当該システムの設置方位: 真南より5度西向き
当該システムの設置傾斜角度: 30度
(2)太陽電池容量: 5.088KW(92.6W×11S×5P)
(3)DC−DCコンバーターの容量:4.5KW(1.5KW×3S)
DC−DCコンバーターの入力電圧: 70〜370V
DC−DCコンバーターの出力電圧: 96V
(4)AC−DCコンバーターの容量:4.5KW(1.5KW×3S)
AC−DCコンバーターの入力電圧: 3相交流200V
AC−DCコンバーターの出力電圧: 直流96V
(5)負荷機器: LEDダウンライト
定格 :DC96V
許容電圧 :DC94V〜107V
実測値:直近部 DC98.6V
最遠部 DC98.4V
(6)実験実施期間:平成27年11月
(7)計測データ
各データの計測点は
図1に於けるブロック図に示す4点にて計測を実施致しました。各計測点における計測項目は下記の通りです。
(a)DC−DCコンバーター(PS2)出力電圧
(b)AC−DCコンバーター(PS1)出力電圧
(c)DC−DCコンバーター(PS2)出力電流
(d)AC−DCコンバーター(PS1)出力電流
【0054】
(8)計測データの解析結果
今回の解析に於いては、計測時点の個々の段階で、当該実験に使用されている当該負荷(LED照明、自動点灯方式) の使用電力量を太陽電池出力電力と商用電力とがどの様な分担にて当該負荷へ電力供給を行っているかを実証する為の解析であり、その為、上記(7)項の測定データを用いて、上記の各電力の分担状況が、一日の時間経過と共にどの様に変化するかを確認し、それによって、想定の通り、太陽電池出力が確保できる時間には太陽電池出力が優先して使用されているかを検証するものである。
【0055】
当該測定データを基に、上記(c)と(d)の出力電流値のデータ変化を波形グラフで表したものが
図3(A)であり、又、上記(a)と(b)の出力電圧値のデータ変化を、同様の波型グラフで表したものが
図3(B)である。
尚、本実施例に於いては、夜間は主に、商用電流が使用さる為、当該商用電流値とその電圧値のみが一定のレベルを示す直線で示されるのみであるので、係る時間帯の波型グラフの表示は省略し、太陽光の照謝程度が大幅に変化する時間帯である、午前6時00分から午後五時10分迄の間の当該各データの変化状況を波型グラフで示したものである。
尚、今回の実施例では、それぞれの測定データの採取間隔を約10秒置きに設定して実行した。
【0056】
(9)計測データのまとめ
図3(B)の直流電圧値に関して:
(ア)商用電源1に接続されているAC−DCコンバーター5からの直流出力電圧値は、午前6時00分から午後5時06分迄の間では、略100Vの均一な電圧値を示しているが、一方、太陽光発電システム2の発電電圧は、に接続されているDC−DCコンバーター6からの直流出力電圧値は、午前6時00分から午前6時47分ごろまで、殆ど発電が行われず、その間は略0Vの値を示しているが、そこから、午前7時1分迄の間に、太陽光の照射が当該太陽電池部分に当たり、当該太陽光発電システム2の発電電圧は、急速に上昇して行き、午前7時2分ごろには、当該電圧値は、当該DC−DCコンバーター6の最低駆動電圧値である、例えば120(V)、を超える事になり、午前8時5分ごろには、略その最大出力電圧値である250V前後に到達する事になる。
又、係る状態の時間帯では、当該DC−DCコンバーター6は駆動していないので、
図3(A)に示す様に、午前7時1分までの間は、0Aの状態が継続されている。
勿論、その間には、太陽光が雲等で遮られ、太陽光の照度が低下したりして、当該電圧波形は、大きく上下に変化する事は頻繁に発生するが、全体の流れとしては、当該電圧波形は上昇傾向を示す。
【0057】
(イ)然しながら、午前6時00分から午前7時2分ごろまでは、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値は殆ど変化なく、略0V状態であるが、午前7時2分ごろに当該太陽光発電システム2の発電電圧値が、当該DC−DCコンバーター6の最低駆動電圧値である120(V)を超えると、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値は急激に上昇し、午前7時10分頃には、当該電圧値は100Vを超える状態となるの で、この時間以降は、当該DC−DCコンバーター6の出力電流が、当該負荷手段3に向けて流れる事になる。
【0058】
(ウ)一方、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値V2は、その後、当該電圧変更調整回路4の制御を受けることになるので、当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0よりも若干高い電圧値(V0<V2)になる様に制御されることになる。
具体的には、当該AC−DCコンバーター5の出力電圧値V0が略100
Vであるのに対し、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値V2は、103V〜107Vの間で常時変化する状況を示している。
係る状態が、本発明に於ける第1の特徴的な技術構成となっている。
【0059】
(エ)係る状況が午後4時頃迄継続されるが、午後4時1分以降、太陽光の照射量が急激に低下すると、以後、当該太陽光発電システム2の出力電圧が、急激に減少し、当該電圧が当該DC−DCコンバーター6の最低駆動電圧値を下回る時間帯となると、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値V2がそれに伴って低下し、午後4時20分頃には、当該DC−DCコンバーター6の出力電圧値V2が略となり、その後は、夜間を通して0Vの状態が継続する事になる。
【0060】
図3(A)の直流電流値に関して:
(ア)一方、当該負荷機器3に流れる当該DC−DCコンバーター6の出力電流(I2)と当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)との関係を
図3(A)に示す。
尚、図中、当該DC−DCコンバーター6の出力電流(I2)は、黒色波型グラフで表示されており、当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)は、図中、グレースケール調の波型グラフで表示されている。
処で、当該DC−DCコンバーター6の出力電流(I2)は、
図3(A)に示す様に、午前6時00分からDC−DCコンバーター6が動作を開始する時刻である午前7時1分頃迄は、殆ど出力が無く、午前7時1分頃までは、当該太陽電池部分に対する太陽光の照射量が次第に増加し始め、それに伴い、当該太陽光発電システム2の発電電圧が、急速に上昇して行き、午前7時2分頃には、当該電圧値は、当該DC−DCコンバーター6の最低駆動電圧値を超える事になるので、その後、午前7時10分頃から当該DC−DCコンバーター6から当該負荷機器3に向けて電流I2が徐徐に流れ始め、その後、当該太陽光の照射量が増加するに従って、当該電流値I2も0.31Aから1.90Aの間で増加を続け、午前8時51分頃までには、当該DC−DCコンバーター6からの直流出力電圧値が、略その最大出力電圧値である250V前後に到達する事になると同時に、当該当該電流値I2も2.0Aを超えた状態となる。
【0061】
(イ)その後、当該電流値I2は、午後3時35分頃で、太陽光の照射量が急激に低下して、当該DC−DCコンバーター6の出力電流I2が2.0Aを切る様な時間帯迄の間は、当該太陽光発電システム2に照射される太陽光の量に応じて、当該出力電流I2の量は、大幅に増大された状態で継続的に当該負荷機器3に流れている事が判る。
当該出力電流I2の最大値は、9.0Aであった。
勿論、当該出力電流I2の特定の時間毎の量は、太陽光の照射量に応じて、大きく変化する事は避けられないが、全体的に見れば、相当の量の出力電流I2が当該負荷機器3に流れている事は明らかである。
【0062】
(ウ)その後、午後3時35分頃以降の時間帯では、当該出力電流I2の値が徐徐に低下して行き、午後4時1分頃には、太陽光の照射量が急激に低下して当該太陽光発電システム2の出力電圧が、急激に減少し、当該電圧が当該DC−DCコンバーター6の最低駆動電圧値を下回る時間帯となると、当該DC−DCコンバーター6の出力電流値I2が略0Aとなり、当該負荷機器3には、当該電流I2は流れない状態となる。
更に、その後は、夜間を通して翌日の午前7時頃迄かかる状態が継続する 事になる。
【0063】
(エ)一方、当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)は、
図3(A)のグレースケール調の波形グラフに示す様に、午前6時00分からDC−DCコンバーター6が最低駆動電圧値を超える状態で動作を開始する時刻である午前7時10分頃迄は、略均一な電流量として、0.5A乃至0.85Aを示しているが、午前7時10分以降から当該DC−DCコンバーター6から当該負荷機器3に向けて電流I2が徐徐に流れ始めると、それに見合う電流量だけ、当該電流量(I0)が一時的に低下し、その後、当該太陽光の照射量が増加するに従って、DC−DCコンバーター6から当該負荷機器3に向けて電流I2が徐徐に増加するに従って、それに応答して当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)も変動しながら増加を続け、午前9時4分頃までには、当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)も2.0Aを超えた状態となる。
【0064】
(オ)当該電流値I0は、午後3時35分頃で、太陽光の照射量が急激に低下して、当該DC−DCコンバーター6の出力電流I2が2.0Aを切る様な時間帯迄の間は、当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)の量は、当該DC−DCコンバーター6から当該負荷機器3に向けて電流I2の変動に応答した変動値を繰り返した状態を示すが、その電流値I0の値そのものは、当該DC−DCコンバーター6から当該負荷機器3に向けて電流I2の量にくらべて大幅に小さくなっており、平均的にみて、2.0A乃至3.5A程度を示している。
尚、当該AC−DCコンバーター5の出力電流(I0)の量が、午後3時50分以降午後5時6分までの間に極端に大きく増大されると言う変化を示しているが、これは、恐らく、日没時に於ける関連機器の手動或は自動による操作や、パイロットランプや警告灯等の点灯等による瞬間的な変動を示しているものと推察されるが、基本的には、当該時間帯以降、翌日の午前7時までは、当該出力電流I0は、0.5A乃至0.85Aである。
【0065】
(カ)上記した双方の電流値(V0とV2)の各波形を検討するならば、
図3(A)から明らかな通り、本発明に係る当該負荷機器3に流れる電流値の総量は、当該商用電源に接続されている当該AC−DCコンバーター5の出力電流値(V0)と当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)との加算値となっており、その中でも、特に当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)が、当該AC−DCコンバーター5の出力電流値(V0)に対して、優先的に使用されている事が明らかに理解されるのである。
つまり、
図3(A)のそれぞれの波形グラフから見れば、当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)を基本的な使用負荷電流と決め、当該負荷機器の駆動に必要な電流値を、先ず優先的に当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)を使用し、それで不足がある場合に、当該AC−DCコンバーター5の出力電流値(V0)からその分の電流供給を受ける様に構成されているものであり、係る技術的構成に本発明に於ける第2の特徴的事項が存在する。
【0066】
(キ)更に、当該
図3(A)に於ける当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)に関して、付言するならば、午前7時10分頃から午前9時4分頃までの時間帯に於いて、当該太陽光発電システム2の発電電圧が低い状態にも拘わらず、驚くべき事に、当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)として、0.31A乃至1.90Aのか当該電流値I2が実際的に、当該負荷機器3に流れている事が判明している。
係る状況は、従来の太陽光発電システムでは全く有り得なかった状況であり、従来技術では、太陽光発電システムで、電圧が発生していたにも関わらず、その電力は、全く当該負荷機器3では使用されずに、消失刺せていた状態であるが、本発明では、僅かな電流でも、実際の負荷機器3を駆動する為に有効に活用出来るのである。
上記状況は、午後3時35分頃から午後3時58分頃までの時間帯に於ける、当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)が発生する状況の場合でも同様である。
係る技術構成は、本発明に於ける第3の特徴事項として特記されるものである。
【0067】
(ク)結論的には、本発明に係る当該具体例では、当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)を当該AC−DCコンバーター5の出力電流値(V0)に対して優先的に使用する様に構成されており、且つ当該負荷機器3の駆動に必要な全駆動電流値に対して、当該DC−DCコンバーター6の出力電流値(V2)のみでは、不足する場合に、当該AC−DCコンバーター5の出力電流値(V0)補助的に使用される様に構成されているので、当該太陽光発電システムで発電される電力を全て有効に使用する事が可能となると同時に、それと並列駆動される当該商用電源からの電力の使用量を低く抑える事が出来るので、経済的である。