【解決手段】回転アクチュエータ2は、回転軸13と回転軸13に固定される駆動用磁石29とを有するモータ7と、回転軸13と同軸上に配置されるとともに回転軸13に連結される入力軸20を有する減速機8とを備えている。回転軸13は、駆動用磁石29が外周側に固定される筒状の磁石固定部13aを備えており、入力軸20の一端側は、磁石固定部13aの内周側に固定されている。また、回転軸13は、磁性材料で形成され、入力軸20は、回転軸13を形成する磁性材料よりも比重の小さい材料で形成されている。
請求項4記載の回転アクチュエータによって構成される関節部と、前記回転軸および前記入力軸の内周側を通過するように引き回される配線とを備えることを特徴とするロボット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の中空型回転アクチュエータでは、中空モータ内で効率的な磁気回路を形成するために、外周面に駆動マグネットが固定される中空モータ軸は、一般に、鉄系金属等の磁性材料で形成されている。したがって、中空モータ軸の比重は比較的大きい。また、特許文献1に記載の中空型回転アクチュエータでは、中空モータ軸の軸端部が中空減速機の内周側まで入り込んでおり、中空モータ軸の長さが長い。すなわち、特許文献1に記載の中空型回転アクチュエータでは、比重が比較的大きく、かつ、長さの長い中空モータ軸が使用されているため、この中空型回転アクチュエータの重量は重くなる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、同軸上に配置されるモータと減速機とを備える回転アクチュエータにおいて、軽量化することが可能な回転アクチュエータを提供することにある。また、本発明の課題は、かかる回転アクチュエータを備えるロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の回転アクチュエータは、回転軸と回転軸に固定される駆動用磁石とを有するモータと、回転軸と同軸上に配置されるとともに回転軸に連結される入力軸を有する減速機とを備え、回転軸は、駆動用磁石が外周側に固定される筒状の磁石固定部を備えるとともに、磁性材料で形成され、入力軸の一端側は、磁石固定部の内周側に固定され、入力軸は、回転軸を形成する磁性材料よりも比重の小さい材料で形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の回転アクチュエータでは、モータの回転軸は、駆動用磁石が外周側に固定される筒状の磁石固定部を備えており、減速機の入力軸の一端側は、磁石固定部の内周側に固定されている。すなわち、本発明では、回転軸の、駆動用磁石が固定される部分である磁石固定部の内周側に、減速機の入力軸の一端側が固定されている。また、本発明では、減速機の入力軸は、回転軸を形成する磁性材料よりも比重の小さい材料で形成されている。そのため、本発明では、減速機の入力軸の一端側部分の内周側に回転軸の一端側が固定される場合と比較して、比重の小さな材料で形成される減速機の入力軸は長くなるが、比重の比較的大きな磁性材料で形成される回転軸の長さを短くすることが可能になる。したがって、本発明では、回転アクチュエータを軽量化することが可能になる。また、本発明では、磁石固定部の内周側に減速機の入力軸の一端側が固定されているため、回転軸の径方向における厚さが厚くなりやすい磁石固定部の、径方向の厚さを薄くすることが可能になる。したがって、本発明では、回転アクチュエータをより軽量化することが可能になる。
【0009】
本発明において、回転軸は、たとえば、鉄系金属で形成され、入力軸は、アルミニウム合金で形成されている。
【0010】
本発明において、駆動用磁石は、円筒状に形成されるとともに、磁石固定部の外周面に固定され、駆動用磁石の端面と入力軸の一端面とは、回転軸の軸方向において同じ位置に配置されていることが好ましい。このように構成すると、回転軸の軸方向における駆動用磁石の全域で、回転軸の径方向における磁石固定部の厚さを薄くすることが可能になる。
【0011】
本発明において、回転軸および入力軸は、たとえば、中空状である。この場合には、本発明の回転アクチュエータは、回転アクチュエータによって構成される関節部と、回転軸および入力軸の内周側を通過するように引き回される配線とを備えるロボットに用いることができる。このロボットでは、関節部を軽量化することが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明では、同軸上に配置されるモータと減速機とを備える回転アクチュエータにおいて、回転アクチュエータを軽量化することが可能になる。また、本発明のロボットでは、関節部を軽量化することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
(産業用ロボットの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の正面図である。
図2(A)は、
図1に示す産業用ロボット1の斜視図であり、
図2(B)は、
図2(A)に示す産業用ロボット1が動作している状態を示す斜視図である。
【0016】
本形態の産業用ロボット1(以下、「ロボット1」とする。)は、所定の製品の組立や製造等に用いられる多関節ロボットであり、組立ラインや製造ラインに設置されて使用される。ロボット1は、複数の関節部2と複数のアーム3とを備えている。本形態では、ロボット1は、6個の関節部2と、2本のアーム3とを備えている。以下では、6個の関節部2のそれぞれを区別して表す場合には、6個の関節部2のそれぞれを「第1関節部2A」、「第2関節部2B」、「第3関節部2C」、「第4関節部2D」、「第5関節部2E」および「第6関節部2F」とする。また、以下では、2本のアーム3のそれぞれを区別して表す場合には、2本のアーム3のそれぞれを「第1アーム3A」および「第2アーム3B」とする。
【0017】
また、ロボット1は、第1関節部2Aに相対回動可能に連結される支持部材4を備えている。支持部材4は、フランジ部4aを有する鍔付きの円筒状に形成されており、支持部材4の内周側には、支持部材4の軸方向に貫通する貫通孔(図示省略)が形成されている。フランジ部4aは、円環状に形成されており、ロボット1の底面部分を構成している。アーム3は、細長い円筒状に形成されている。
【0018】
ロボット1では、第1関節部2Aと第2関節部2Bとが相対回動可能に連結され、第2関節部2Bと第1アーム3Aの基端とが固定されている。また、第1アーム3Aの先端と第3関節部2Cとが固定され、第3関節部2Cと第4関節部2Dとが相対回動可能に連結され、第4関節部2Dと第2アーム3Bの基端とが相対回動可能に連結され、第2アーム3Bの先端と第5関節部2Eとが固定され、第5関節部2Eと第6関節部2Fとが相対回動可能に連結されている。また、第6関節部2Fには、ハンドや工具等が相対回動可能に取付可能となっている。
【0019】
以下、関節部2の具体的な構成を説明する。なお、
図1に示すように、本形態では、第1関節部2Aと第2関節部2Bと第3関節部2Cとが同じ大きさで形成され、第4関節部2Dと第5関節部2Eと第6関節部2Fとが同じ大きさで形成されている。また、第1関節部2A、第2関節部2Bおよび第3関節部2Cの大きさは、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fの大きさよりも大きくなっている。ただし、第1関節部2A、第2関節部2Bおよび第3関節部2Cと、第4関節部2D、第5関節部2Eおよび第6関節部2Fとは、大きさが相違する点を除けば同様に構成されている。
【0020】
(関節部の構成)
図3は、
図1に示す関節部2の縦断面図である。以下では、説明の便宜上、
図3のZ1方向側を「上」側とし、その反対側であるZ2方向側を「下」側とする。
【0021】
関節部2は、モータ7と、モータ7に連結される減速機8と、モータ7が電気的に接続される回路基板10と、モータ7と減速機8と回路基板10とが収容されるケース体11とを備えており、関節部2自体が回転アクチュエータとなっている。すなわち、関節部2は、回転アクチュエータによって構成されている。
【0022】
モータ7は、径方向の中心に貫通孔が形成された中空モータであり、中空状の回転軸13を備えている。また、モータ7は、ロータ14とステータ15とを備えている。減速機8は、径方向の中心に貫通孔が形成された中空減速機である。モータ7と減速機8とは上下方向で重なるように配置されている。具体的には、モータ7が上側に配置され、減速機8が下側に配置されている。また、モータ7と減速機8とは同軸上に配置されている。
【0023】
本形態の減速機8は、中空波動歯車装置であり、剛性内歯歯車16と可撓性外歯歯車17と波動発生部18とクロスローラベアリング19とを備えている。波動発生部18は、回転軸13に連結される中空状の入力軸20と、入力軸20の外周側に取り付けられるウエーブベアリング21とを備えている。本形態では、剛性内歯歯車16が減速機8の出力軸となっている。また、関節部2は、回転軸13および入力軸20の内周側に配置される筒状(より具体的には、円筒状)の管状部材26と、剛性内歯歯車16に固定される出力側部材27とを備えている。
【0024】
モータ7は、上述のように、ロータ14とステータ15とを備えている。ロータ14は、回転軸13と、回転軸13に固定される駆動用磁石29とを備えている。回転軸13は、上下方向に細長い略円筒状に形成されており、回転軸13の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、回転軸13の軸方向であるとともにロータ14の軸方向である。回転軸13は、バックヨークとしての機能を果たしており、磁性材料で形成されている。本形態の回転軸13は、鋼材等の鉄系金属で形成されている。
【0025】
駆動用磁石29は、円筒状に形成されている。駆動用磁石29の長さ(上下方向の長さ)は、回転軸13よりも短くなっており、駆動用磁石29は、回転軸13の下端側部分の外周面に固定されている。本形態では、回転軸13の下端面と駆動用磁石29の下端面とが一致するように、駆動用磁石29が回転軸13の外周面に固定されている。
【0026】
ステータ15は、全体として略円筒状に形成されており、駆動用磁石29の外周面を覆うように、駆動用磁石29の外周側に配置されている。回転軸13の上端側部分は、ステータ15の上端面よりも上側に突出している。このステータ15は、駆動用コイルと、インシュレータを介して駆動用コイルが巻回される複数の突極を有するステータコアとを備えている。ステータコアの突極は、内周側に向かって突出するように形成されており、突極の先端面は、駆動用磁石29の外周面に対向している。ステータ15は、ケース体11に固定されている。
【0027】
減速機8は、上述のように、剛性内歯歯車16と可撓性外歯歯車17と波動発生部18とクロスローラベアリング19とを備えている。剛性内歯歯車16は、扁平な略円筒状に形成されており、剛性内歯歯車16の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、減速機8の出力軸である剛性内歯歯車16の軸方向となっている。剛性内歯歯車16は、クロスローラベアリング19の内輪19aに固定されている。クロスローラベアリング19の外輪19bは、ケース体11の下端側部分に固定されており、剛性内歯歯車16は、クロスローラベアリング19を介してケース体11の下端側部分に回転可能に保持されている。
【0028】
可撓性外歯歯車17は、上端にフランジ部17aを有する鍔付きの略筒状に形成されている。フランジ部17aは、略円環状に形成されており、フランジ部17aの外周側部分は、ケース体11に固定されている。剛性内歯歯車16は、減速機8の下端側部分を構成している。フランジ部17aは、減速機8の上端側部分を構成している。剛性内歯歯車16の内周面には、内歯が形成されている。可撓性外歯歯車17の下端側の外周面には、剛性内歯歯車16の内歯と噛み合う外歯が形成されている。
【0029】
波動発生部18は、上述のように、入力軸20とウエーブベアリング21とを備えている。入力軸20は、全体として上下方向に細長い筒状に形成されており、入力軸20の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。この入力軸20は、回転軸13を形成する磁性材料よりも比重の小さい材料で形成されている。また、入力軸20は、非磁性材料で形成されている。具体的には、入力軸20は、アルミニウム合金で形成されている。入力軸20の、下端側部分以外の部分は、細長い略円筒状に形成されている。入力軸20の下端側部分は、入力軸20の軸方向から見たときの内周面の形状が円形状となり、入力軸20の軸方向から見たときの外周面の形状が楕円形状となる楕円部20aとなっている。なお、入力軸20は、回転軸13を形成する磁性材料よりも比重の小さい材料で形成されるのであれば、アルミニウム合金以外の材料で形成されても良い。
【0030】
回転軸13と入力軸20とは同軸上に配置されており、入力軸20の内周側は、回転軸13の内周側に通じている。入力軸20の上端側部分は、回転軸13の下端側部分の内周側に固定されている。具体的には、入力軸20の上端側部分は、回転軸13の、駆動用磁石29が固定された部分の内周側に挿入されて固定されている。すなわち、回転軸13は、駆動用磁石29が外周側に固定される筒状(より具体的には、円筒状)の磁石固定部13aを回転軸13の下端側に備えており、入力軸20の上端側は、この磁石固定部13aの内周側に固定されている。また、入力軸20の上端側部分は、接着によって回転軸13に固定されている。本形態では、駆動用磁石29の上端面と入力軸20の上端面とが上下方向において同じ位置に配置されている。
【0031】
上下方向における入力軸20の中心部分は、ベアリング30に回転可能に支持されている。ベアリング30は、ボールベアリングである。このベアリング30は、軸受保持部材31に取り付けられ、軸受保持部材31は、ケース体11に固定されている。すなわち、入力軸20は、軸受保持部材31を介してケース体11に取り付けられるベアリング30に回転可能に支持されている。軸受保持部材31は、円環状かつ平板状に形成されており、可撓性外歯歯車17のフランジ部17aと上下方向で重なるようにケース体11に固定されている。
【0032】
ウエーブベアリング21は、可撓性の内輪および外輪を備えたボールベアリングである。このウエーブベアリング21は、楕円部20aの外周面に沿って配置されており、楕円状に撓んでいる。可撓性外歯歯車17の、外歯が形成される下端側部分は、ウエーブベアリング21を囲むようにウエーブベアリング21の外周側に配置されており、この部分は、楕円状に撓んでいる。可撓性外歯歯車17の外歯は、楕円状に撓む可撓性外歯歯車17の下端側部分の長軸方向の2か所で、剛性内歯歯車16の内歯と噛み合っている。
【0033】
出力側部材27は、フランジ部27aと筒部27bとを有する鍔付きの略円筒状に形成されている。この出力側部材27は、出力側部材27の軸方向と上下方向とが一致するように配置されており、出力側部材27の内周側には、上下方向に貫通する貫通孔27cが形成されている。フランジ部27aは、平板状かつ円環状に形成されており、筒部27bの下端に繋がっている。フランジ部27aは、フランジ部27aの上面が剛性内歯歯車16の下面に接触するように剛性内歯歯車16に固定されている。また、フランジ部27aは、ケース体11の下端よりも下側に配置されており、ケース体11の外側に配置されている。
【0034】
筒部27bの上端側には、筒部27bの下端側部分よりも外径の小さい小径部27dが形成されており、筒部27bの上端側部分の外周側には、上下方向に直交する円環状の段差面27eが形成されている。小径部27dは、管状部材26の下端側部分の内周側に挿入されており、管状部材26の下端面は、段差面27eに対向している。また、貫通孔27cは、管状部材26の内周側に通じている。本形態では、管状部材26の内周面と小径部27dの外周面とが接触している。また、管状部材26の内周面と小径部27dの外周面とが接触することで、管状部材26の下端側が出力側部材27に保持されている。筒部27bの上端側部分は、入力軸20の下端側部分の内周側に配置されている。筒部27bの外周面と入力軸20の下端側部分の内周面との間には、ベアリング34が配置されている。ベアリング34は、ボールベアリングである。
【0035】
管状部材26は、アルミニウム合金によって形成されている。また、管状部材26は、上下方向に細長い円筒状に形成されており、管状部材26の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、管状部材26の軸方向である。なお、管状部材26は、アルミニウム合金以外の金属によって形成されても良いし、樹脂によって形成されても良い。
【0036】
上述のように、管状部材26は、回転軸13および入力軸20の内周側に挿入されている。管状部材26の上端面は、回転軸13の上端面よりも上側に配置され、管状部材26の下端面は、入力軸20の下端面よりも上側に配置されている。また、上述のように、管状部材26の下端側部分の内周側に出力側部材27の小径部27dが挿入されるとともに管状部材26の下端面が段差面27eに対向しており、管状部材26の下端側は、出力側部材27に保持されている。具体的には、管状部材26の下端側は、上下方向を回転の軸方向とした、出力側部材27に対する管状部材26の相対回転が可能となるように出力側部材27に保持されている。
【0037】
管状部材26の上端側は、保持部材32に保持されている。保持部材32は、支柱33に固定され、支柱33は、ケース体11に固定されている。すなわち、保持部材32は、支柱33を介してケース体11に固定されている。保持部材32は、管状部材26の上端側を保持する円筒状の保持部32aを備えている。保持部32aは、保持部32aの軸方向と上下方向とが一致するように配置されており、保持部32aの内周側には、上下方向に貫通する貫通孔32bが形成されている。なお、支柱33は、回路基板10に固定されても良い。
【0038】
保持部32aの下端側には、保持部32aの上端側よりも内径の大きい大径部32cが形成されており、保持部32aの下端側部分の内周側には、上下方向に直交する円環状の段差面32dが形成されている。管状部材26の上端側は、大径部32cの内周側に挿入されており、管状部材26の上端面は、段差面32dに対向している。また、管状部材26の上端側は、上下方向を回転の軸方向とする管状部材26の回転が可能となるように保持部32aに保持されている。保持部32aの貫通孔32bは、管状部材26の内周側に通じている。すなわち、保持部材32には、管状部材26の内周側に通じる貫通孔32bが形成されている。
【0039】
ケース体11は、上下の両端が開口するケース本体41と、ケース本体41の上端側の開口を塞ぐカバー42とから構成されている。ケース本体41の下端側の開口は、減速機8によって塞がれている。ケース本体41の側面には、上下方向に直交する方向で開口する開口部41aが形成されている。すなわち、ケース体11には、上下方向に直交する方向で開口する開口部41aが形成されている。開口部41aは、ケース本体41の側面部分を貫通するように形成されている。
【0040】
回路基板10は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、平板状に形成されている。この回路基板10は、回路基板10の厚さ方向と上下方向とが一致するようにケース体11に固定されている。また、回路基板10は、ケース体11の上端側に固定されている。管状部材26の上端は、回路基板10の上面よりも上側に配置されている。回路基板10には、モータ7を駆動するためのモータ駆動回路等が実装されている。
【0041】
また、回路基板10には、少なくとも2個のコネクタ(図示省略)が実装されている。2個のコネクタのうちの一方のコネクタに接続される配線60は、管状部材26の内周側を通過するように引き回された後、出力側部材27の貫通孔27cから引き出されている。すなわち、配線60は、回転軸13および入力軸20の内周側を通過するように引き回された後、出力側部材27の貫通孔27cから引き出されている。また、2個のコネクタのうちの他方のコネクタに接続される配線61は、ケース体11の開口部41aから引き出されている。
【0042】
(関節部、アームの連結構造)
ロボット1の関節部2およびアーム3の連結構造として、たとえば、
図2(B)に示す動作をロボット1が行うことが可能となるように、以下のように、各関節部2およびアーム3が連結されている。
【0043】
なお、以下の説明では、第1関節部2Aの剛性内歯歯車16の軸方向を「第1関節部2Aの軸方向」とし、第2関節部2Bの剛性内歯歯車16の軸方向を「第2関節部2Bの軸方向」とし、第3関節部2Cの剛性内歯歯車16の軸方向を「第3関節部2Cの軸方向」とし、第4関節部2Dの剛性内歯歯車16の軸方向を「第4関節部2Dの軸方向」とし、第5関節部2Eの剛性内歯歯車16の軸方向を「第5関節部2Eの軸方向」とし、第6関節部2Fの剛性内歯歯車16の軸方向を「第6関節部2Fの軸方向」とする。
【0044】
まず、支持部材4と第1関節部2Aとは、第1関節部2Aのフランジ部27aに、支持部材4の、フランジ部4aが形成されていない側の端面が固定されることで連結されている。すなわち、第1関節部2Aの軸方向と支持部材4の軸方向とが一致するように支持部材4と第1関節部2Aとが連結されている。第1関節部2Aと第2関節部2Bとは、第1関節部2Aの軸方向と第2関節部2Bの軸方向とが直交するように連結されている。また、第2関節部2Bのフランジ部27aに、第1関節部2Aのケース本体41の、開口部41aが形成された側面が固定されている。
【0045】
第2関節部2Bと第1アーム3Aとは、第2関節部2Bの軸方向と第1アーム3Aの長手方向(軸方向)とが直交するように連結されている。また、第2関節部2Bのケース本体41の、開口部41aが形成された側面に第1アーム3Aの基端が固定されている。第1アーム3Aと第3関節部2Cとは、第1アーム3Aの長手方向と第3関節部2Cの軸方向とが直交するように連結されている。また、第3関節部2Cのケース本体41の、開口部41aが形成された側面に第1アーム3Aの先端が固定されている。
【0046】
第3関節部2Cと第4関節部2Dとは、第3関節部2Cの軸方向と第4関節部2Dの軸方向とが直交するように連結されている。また、第3関節部2Cのフランジ部27aに、第4関節部2Dのケース本体41の、開口部41aが形成された側面が固定されている。より具体的には、第4関節部2Dのケース本体41の開口部41aが形成された側面に固定される連結部材63を介して、第3関節部2Cのフランジ部27aに、第4関節部2Dのケース本体41の開口部41aが形成された側面が固定されている。連結部材63は、第3関節部2Cのフランジ部27aに固定されるフランジ部63aを備える鍔付きの円筒状に形成されている。
【0047】
第4関節部2Dと第2アーム3Bとは、第4関節部2Dの軸方向と第2アーム3Bの長手方向とが一致するように連結されている。また、第4関節部2Dのフランジ部27aに第2アーム3Bの基端が固定されている。なお、第2アーム3Bの基端には、第4関節部2Dのフランジ部27aに第2アーム3Bの基端を固定するためのフランジ部3aが形成されており、第4関節部2Dのフランジ部27aとフランジ部3aとが互いに固定されている。
【0048】
第2アーム3Bと第5関節部2Eとは、第2アーム3Bの長手方向と第5関節部2Eの軸方向とが直交するように連結されている。また、第5関節部2Eのケース本体41の、開口部41aが形成された側面に第2アーム3Bの先端が固定されている。第5関節部2Eと第6関節部2Fとは、第5関節部2Eの軸方向と第6関節部2Fの軸方向とが直交するように連結されている。また、第5関節部2Eのフランジ部27aに、第6関節部2Fのケース本体41の、開口部41aが形成された側面が固定されている。
【0049】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、回転軸13は、駆動用磁石29が外周側に固定される円筒状の磁石固定部13aを備えており、入力軸20の上端側は、磁石固定部13aの内周側に挿入されて固定されている。すなわち、本形態では、回転軸13の、駆動用磁石29が固定される部分の内周側に入力軸20の上端側が挿入されて固定されている。また、本形態では、入力軸20は、回転軸13を形成する鉄系金属よりも比重の小さいアルミニウム合金で形成されている。そのため、本形態では、入力軸20の上端側部分の内周側に回転軸13の下端側が挿入されて固定される場合と比較して、比重の小さなアルミニウム合金で形成される入力軸20は長くなるが、比重の比較的大きな鉄系金属で形成される回転軸13の長さは短くなる。したがって、本形態では、関節部2を軽量化することが可能になる。
【0050】
また、本形態では、磁石固定部13aの内周側に入力軸20の上端側が挿入されて固定されているため、ロータ14の径方向における厚さが厚くなりやすい磁石固定部13aの、径方向における厚さを薄くすることが可能になる。特に本形態では、駆動用磁石29の上端面と入力軸20の上端面とが上下方向において同じ位置に配置されているため、上下方向の全域で、ロータ14の径方向における磁石固定部13aの厚さを薄くすることが可能になる。したがって、本形態では、関節部2をより軽量化することが可能になる。
【0051】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0052】
上述した形態では、駆動用磁石29の上端面と入力軸20の上端面とが上下方向において同じ位置に配置されているが、入力軸20の上端面は、駆動用磁石29の上端面より上側に配置されても良いし、下側に配置されても良い。また、上述した形態では、円筒状に形成される駆動用磁石29が回転軸13の外周面に固定されているが、平板状に形成される複数の駆動用磁石が回転軸13の外周側に埋め込まれるように固定されても良い。
【0053】
上述した形態では、減速機8は、中空波動歯車装置であるが、減速機8は、中空波動歯車装置以外の中空減速機であっても良い。また、減速機8は、中空減速機以外の減速機であっても良い。すなわち、減速機8は、細長い円柱状に形成された中実軸からなる入力軸20を備える減速機であっても良い。また、上述した形態では、モータ7は、中空モータであるが、モータ7は、中空モータ以外のモータであっても良い。すなわち、モータ7は、細長い円柱状に形成された中実軸からなる回転軸13を備えるモータであっても良い。モータ7が中実軸からなる回転軸13を備え、減速機8が中実軸からなる入力軸20を備える場合には、回転軸13の下端面に上側に向かって窪む凹部が形成され、この凹部の中に入力軸20の上端側が挿入されて固定される。この場合には、回転軸13の、凹部が形成された部分は、外周面に駆動用磁石29が固定される磁石固定部13aとなっている。
【0054】
上述した形態では、剛性内歯歯車16が減速機8の出力軸となっているが、可撓性外歯歯車17が減速機8の出力軸となっていても良い。この場合には、剛性内歯歯車16がケース体11およびクロスローラベアリング19の内輪19aに固定され、可撓性外歯歯車17がクロスローラベアリング19の外輪19bおよび出力側部材27のフランジ部27aに固定される。また、上述した形態において、関節部2の内周側(すなわち、管状部材26の内周側(回転軸13および入力軸20の内周側))を通過するようにエア配管が引き回されても良い。
【0055】
上述した形態では、ロボット1は、6個の関節部2を備えているが、ロボット1が備える関節部2の数は、5個以下であっても良いし、7個以上であっても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、2本のアーム3を備えているが、ロボット1が備えるアーム3の数は、1本であっても良いし、3本以上であっても良い。また、上述した形態では、ロボット1の関節部2が、モータ7および減速機8等を有する回転アクチュエータによって構成されているが、回転アクチュエータは、ロボット1の関節部2以外に使用されても良い。たとえば、回転アクチュエータは、θステージ(回転ステージ)の駆動部等に使用されても良い。また、上述した形態では、ロボット1は、産業用ロボットであるが、ロボット1は、様々な用途に適用可能である。たとえば、ロボット1は、サービス用ロボットであっても良い。