【解決手段】POS6は、手入力処理や取替処理等の特別受付処理を行う場合に、特別受付処理により加算された貯玉を、当日貯玉と前日貯玉とに振分ける貯玉振分処理を行う。特別受付処理により加算分となる貯玉を、当日貯玉と前日貯玉とに振分けることで、当日貯玉分と前日貯玉分との何れに戻すかに応じたトラブルが生じ得る虞を低減することができる。
遊技場の会員となった遊技者の会員IDに対応付けて、遊技場へと預入れられた遊技価値である貯蓄価値を、第1貯蓄価値分と、当該第1貯蓄価値よりも遊技者にとって不利に扱われる第2貯蓄価値分とに区分可能に管理する管理手段と、
前記会員IDを受付けた場合に、当該会員IDに対応付けて管理される前記貯蓄価値の全部、又は一部を受付対象として特定し、当該特定した貯蓄価値を受付ける通常受付処理を行う通常受付手段と、
前記第1貯蓄価値分、及び前記第2貯蓄価値分の何れにも区分されない遊技価値を示す情報を受付け、その情報により示される遊技価値を受付ける特別受付処理を行う特別受付手段と、
前記通常受付処理、又は前記特別受付処理により受付けられた遊技価値である受付価値を対価として、交換された景品と、その対価となった受付価値とを対応付ける交換処理を行う交換手段と、
前記交換処理に対応して前記会員IDが受付けられた場合に、前記受付価値の全部、又は一部を当該会員IDに対応付けて管理される前記貯蓄価値に加算する貯蓄処理を行う貯蓄手段と、
前記特別受付処理により受付けられた遊技価値が少なくとも含まれる前記受付価値を対象とした前記貯蓄処理が行われる場合に、前記第1貯蓄価値分と前記第2貯蓄価値分とのうち少なくとも一方の加算分を特定する貯蓄振分処理を行う振分手段と、を備えたことを特徴とする遊技場用システム。
前記振分手段は、前記通常受付処理により受付けられた前記受付価値が前記交換処理の対価となった場合に、当該受付価値が前記第1貯蓄価値分であるのか前記第2貯蓄価値分であるのかに応じて、当該対価を前記第1貯蓄価値分による対価分を示す第1対価、又は前記第2貯蓄価値分による対価分を示す第2対価に振分け、
前記管理手段は、その振分けられた前記第1対価、及び前記第2対価を当該通常受付処理により受付けられた会員IDに対応付けて管理し、
前記貯蓄振分処理は、前記貯蓄処理における加算対象となる受付価値の内、当該貯蓄処理の対象となる会員IDに対応付けて管理される前記第1対価分を示す前記第1貯蓄価値の加算分を特定する処理、及び当該受付価値の内、当該会員IDに対応付けて管理される前記第1対価分を除いた受付価値分を示す前記第2貯蓄価値の加算分を特定する処理の内、少なくとも一方であることを特徴とする請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
前記振分手段は、前記通常受付処理により受付けられた前記受付価値が前記交換処理の対価となった場合に、当該通常受付処理にて受付けられた会員IDに対応付けて管理される前記第2貯蓄価値分を優先して前記第2対価として特定する一方、その残りの対価を前記第1対価として特定し、
前記交換手段は、前記交換処理において特定の操作を受付けた場合に、前記受付価値の内、交換対象となる景品の対価分を除いた前記受付価値を対価として交換可能な当該特定の操作に対応する特定の景品の個数を、その相当する価値が最大となるように特定することを特徴とする請求項3に記載した遊技場用システム。
前記振分手段は、前記会員IDが受付けられると共に、前記特別受付処理により受付けられた前記受付価値が前記交換処理の対価となった場合に、その受付価値の内、当該受付けられた会員IDに対応付けて管理される前記第1対価分に対応した前記第1貯蓄価値の仮加算分を除いた前記第2貯蓄価値の仮加算分を、当該会員IDに対応付けて管理される前記貯蓄価値の内の第2貯蓄価値分に加算した仮第2貯蓄価値を上限として、前記第2対価の加算分を特定する一方、その残りの対価を前記第1対価の加算分として特定し、
前記貯蓄振分処理は、前記第1貯蓄価値の仮加算分から前記第1対価の加算分を減算した値を示す前記第1貯蓄価値の加算分を特定する処理、及び前記第2貯蓄価値の仮加算分から前記第2対価の加算分を減算した値を示す前記第2貯蓄価値の加算分を特定する処理の内、少なくとも一方であることを特徴とする請求項4に記載した遊技場用システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2が設置されている。これら遊技機1及び遊技装置2は、中継装置3及びLAN4を介して管理装置5(管理手段に相当)と接続されている。管理装置5は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から送信される遊技信号を受信して遊技機1毎の遊技データや会員登録された会員毎の個人データ等を管理する。遊技場にはPOS6(通常受付手段、特別受付手段、交換手段、貯蓄手段、振分手段に相当)や残高精算機(図示せず)も設置されている。POS6や残高精算機も、LAN4を介して管理装置5と接続されている。尚、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置5の管理対象となっている。
【0009】
管理装置5は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者(以下、単に管理者と称する)が操作するキーボード7及びマウス8、モニタ9、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置5は、遊技場内に設置された遊技機1、遊技装置2等の稼動状況を管理すると共に、遊技機側からの信号に基づいて遊技者毎の獲得価値の大きさ(持玉、会員ID毎の貯玉(貯蓄価値))を記憶管理する。
【0010】
遊技機1は、CR(カードリーダ)パチンコ機であり、盤面10に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル11、上部受皿12、下部受皿13を有すると共に、盤面10に、液晶表示部14、普図入賞口15、第1始動口16、第2始動口17、大入賞口18を有する。
【0011】
遊技機1は以下の動作を行う。
(1)第1始動口16は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口17は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口16,17への入賞(始動入賞)に応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を液晶表示部14にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たりとなる。
【0012】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0013】
(3)大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/260であり、大当たりがその後確変状態(確変)となる大当たり(確変大当たり)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当たりが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口18を開放する。
【0014】
(4)対応するラウンドも大当たり抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口16に入賞した場合は4Rが55%であり、15Rが45%であるが、第2始動口17に入賞した場合は4Rが10%であり、15Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口16よりも第2始動口17の方が高く設定されている。尚、1Rの上限入賞数は9個であり、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放期間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0015】
(5)確変中は大当たり確率が1/74に向上すると共に、第2始動口17への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当たりまで継続するので、大当たり後に大当たりでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当たり(通常大当たり)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となる。
【0016】
(6)第2始動口17は普図入賞口15への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当たりとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。又、開放時間は通常状態では0.3秒を1回であり、時短状態では5秒を2回である。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間は長くなること又は開放回数が増加することで第2始動口17の入賞率が高くなる。以上に例示した値は機種に応じて様々な値となり、例えば大当たり確率やラウンドの振分等が異なる。
【0017】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや各始動口16,17への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を送信する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから送信される消費価値(アウト)を特定可能な信号である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から送信される信号でも良い。
【0018】
セーフ信号=遊技機1から送信される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出10玉に対して1パルスが送信されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から送信される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0019】
始動信号=遊技機1から送信される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部14(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に送信されるので、始動信号の受信に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート(スタート処理数)として特定する。尚、始動入賞を示す信号としても良い。
【0020】
大当たり信号=遊技機1から送信される大当たり期間を特定可能な信号である。大当たり中にレベル送信される状態信号であるので、大当たり信号の受信中を大当たり中として特定する。
【0021】
特別状態信号=遊技機1から送信される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口17の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル送信される状態信号であるので、特別状態信号の受信中を特別状態中として特定する。尚、大当たり確率が向上する確変中にレベル送信される状態信号(確変信号)であっても良い。又、大当たり信号と特別状態信号の何れも受信していない期間を通常状態として特定する。
【0022】
遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技機1の遊技状態を示す状態表示部19、貨幣(貨幣価値)が投入される貨幣投入口20、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当たり確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部21、持玉及び貯玉を払出すための払出釦22、払出された玉が通過する払出ノズル23、一般カードや会員カードが挿入されるカード挿入口24、遊技機1の下部受皿13の下方に位置する着脱可能な計数受皿25等を有する。
【0023】
遊技装置2は以下の動作を行う。
(1)貨幣を受付ける(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を表示すると共に貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払出し(対価付与処理)、その対価付与処理に応じて入金額の表示を貸出玉の対価を除いて残高の表示とする。貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。残高がある状態で遊技機1の貸出釦(図示せず)が押下(貸出操作、付与操作)されると、貸出1単位分の貸出玉を遊技機1から払出し、その対価分を残高から引落とす。又、所謂各台計数機能も備えており、遊技者が獲得した獲得玉を計数し、その計数した獲得玉を対価として再度玉を払戻す(再プレイ処理)ことも可能であり、その払戻し分の対価を除いた玉数を持玉として特定する。
【0024】
(2)残高や持玉がある状態で遊技機1の返却釦が押下(発行操作)されると、残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する(発行処理)。尚、残高のみや持玉の一部を発行対象とする分割発行は説明の簡略化のため不可としたが可能としても良い。
【0025】
(3)会員カードを受付けている場合、獲得玉を遊技場へと既に預けている貯玉(預けていなければ0)に加算する貯玉処理(貯蓄処理)も可能であり、当該貯玉は、当日の獲得玉を当日貯玉(第1貯蓄価値)とし、前日以前の獲得玉を前日貯玉(第2貯蓄価値)として区分している。ここで、前日貯玉には再プレイの対価とする際の上限(例えば5000玉)が設けられており、例えば1営業日等の単位期間において上限以上の再プレイを不能としている一方、当日貯玉にはそのような上限がなく再プレイを可能としている。前日貯玉の制限としては、上限が設けられることの他に、再プレイの対価として手数料玉を徴収しない当日貯玉に対し、再プレイの対価として払戻玉に加えて手数料玉を徴収する等、前日貯玉の方が遊技者にとって不利であればどのような制限を採用しても良い。尚、前日貯玉は再プレイ等の処理毎に管理装置5での更新対象になる一方、当日貯玉は発行処理が行われるまで管理装置5での更新対象とならず、発行処理に応じて管理装置5での更新対象となる等、処理上の扱いも異なる場合がある。
【0026】
(4)中継装置4とのシリアル通信により管理装置5にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、払戻玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び一般カードの受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。
【0027】
POS6は、遊技場内の景品交換カウンタに設置されており、遊技場の従業員により操作される。
図2に示すように、POS6は、タッチパネル式の液晶表示部26、景品の入庫操作等を行うための入庫釦、後述する手入力処理を行うための手入力釦、後述する取替処理を行うための取替釦を含む各種の操作釦27,28、特殊景品への交換操作を行うための交換釦29、景品交換表示を終了させるための終了釦30、景品の種類を選択するためのPLU釦31、各操作を取り消すためのキャンセル釦32、各景品の数量を入力するためのテンキー33等を有する。
図3に示すように、カードリーダ34は、POS6と通信可能に対応して設置されており、タッチパネル式の表示部35、一般カードを非接触により(取込まずに)受付可能な一般カード受付部36、会員カードを取込んで受付可能な会員カード受付部37等を有する。
【0028】
POS6及びカードリーダ34は以下の動作を行う。
(1)一般カード受付部36にて一般カードを受付可能であると共に、会員カード受付部37にて会員カードを受付可能であり、受付けたカードに対応した貯玉等の獲得玉(玉数)を受付け(通常受付処理)、その獲得玉を対価として玉数と景品とを対応付ける交換処理を可能とする。貯玉を対価とした交換処理を行う場合、対価となる貯玉を当日貯玉と前日貯玉との何れとするかを特定する。この場合、当日貯玉と前日貯玉とに区分可能な獲得玉の受付処理が通常受付処理であるが、前日貯玉を優先して対価とし、前日貯玉がない場合には当日貯玉を対価として特定する。
【0029】
(2)予め景品毎に対応する対価遊技価値(対価玉数、メダル等も対象)が設定されており、釦操作や景品のバーコードの読取り等により景品が選択されると、受付けている遊技価値の種類に応じた対価遊技価値を特定し、交換可能(受付けた遊技価値から仮特定分の対価遊技価値を減算した残りの遊技価値)を減算し、選択された景品を仮特定し、交換可能の範囲内で景品選択を受付ける。
【0030】
(3)景品を仮特定した状態で終了釦30が押下されると、会員カードを受付けていない場合であれば、別途設定される終了可能個数と交換可能とを比較して終了可能であるか否かを判定し、終了可能であれば交換処理を終了する一方、会員カードを受付けている場合であれば、交換可能個数により終了であるか否かを判定する必要なく交換可能については貯玉処理の対象として交換処理を終了する。
【0031】
(4)交換処理を終了する場合には交換情報を管理装置5へと送信し、その交換情報により管理装置5でもPOS6における交換処理の状況を管理可能とする。又、交換情報では貯玉情報も特定可能であり、特定される貯玉情報に応じて該当会員の貯玉情報を更新する。
【0032】
図4は、会員カードを受付け後に「景品A」を2個選択して仮特定した状態を示す。交換可能(31000玉)は、仮特定景品である「景品A」の交換対価(2500玉×2=5000玉)を総数(受付けた玉数(36000玉))から減算した値を示し、残数(0玉)は、表示している特殊景品の交換対価と仮特定景品である「景品A」の交換対価との合計を総数から減算した値を示している。又、総数の左隣に表示される「受付1回」は受付けたカードが1枚等、会員カードや一般カードを受付けた回数を示す。尚、会員カードを受付けた場合には会員マークMが表示されることで、会員カードを受付けた旨が表示される。
【0033】
ここで、特殊景品は交換可能により交換することができる最大の対応金額、換言すると、特定した特殊景品の組み合わせの対価の合計値を交換可能から減算した残数(余り価値)が最小(0も含む)となるように、全特殊景品を交換対象として特殊景品の組み合わせを特定し、交換釦29を押下すると、仮特定した場合は
図5に示すように特殊景品表示が白黒反転すること等により仮特定した旨を示し、交換可能も特殊景品を仮特定した数値となる。
【0034】
(5)従業員による操作ミス等に対応すべく手入力処理や取替処理等の特別受付処理を可能とする。手入力処理は、手入力釦の押下後に玉数を入力することでカード等を受付けることなく景品交換可能な玉数として入力した玉数を交換対象とする処理である。取替処理は、景品交換した景品を返却する際に、取替釦の押下後に景品を選択することで、その景品の対価玉数を交換対象とする処理である。これら手入力処理及び取替処理は何れも一般の従業員では操作不能な処理であり、店長等の操作が許容された従業員等のIDを特定した際に許容される処理である。特別受付処理が行われた場合、特別受付処理は当日貯玉と前日貯玉との何れにも区分されない遊技価値を受付ける処理であるので、その受付分を当日貯玉と前日貯玉との何れに振分けるかを特定する貯玉振分処理(貯蓄振分処理)を行う。この場合、当該特別受付処理までに当日貯玉を対価として特定した分を当日貯玉とし、残りを前日貯玉とする。尚、特別受付処理としては、上記した手入力処理や取替処理の他に、交換処理自体をやり直すやり直し処理等も想定することができ、通常のカードの受付以外に玉数が加算される処理のように、当日貯玉と前日貯玉との何れにも区分されない遊技価値が受付対象となる処理であればどのような処理を対象としても良い。
【0035】
図6は、通常の交換処理を示しており、当日貯玉が30000玉、合計貯玉が36000玉(前日貯玉は合計貯玉から当日貯玉を差引いた6000玉)であり、5000玉分の景品交換が行われた場合、貯玉の加算分はなく、減算対象としては前日貯玉が優先されるが、前日貯玉分のみで景品交換可能であるので、合計貯玉を景品交換分減算する一方、当日貯玉は減算しない。
【0036】
図7は、
図6に示した交換処理の後、遊技者が通常の景品交換を依頼したにも関わらず、従業員が操作を誤り、通常の景品交換分の5000玉を交換後、残りの貯玉を全て景品交換してしまった場合を示しており、合計貯玉の処理前分の31000(5000+26000)玉が景品交換の対象となり、前日貯玉の1000玉だけでは景品交換ができないので、残りの景品交換分を当日貯玉として減算し、その結果、処理後の貯玉数が0玉となった状態を示している。この場合も前日貯玉が優先して減算対象となるので、交換分の内訳は前日貯玉分が1000玉となり、当日貯玉分が30000玉となる。
【0037】
図8は、
図7に示した交換処理の後、手入力処理や取替処理等の特別受付処理にて
図7の景品交換分であり31000玉を加算し、遊技者が依頼した通常の景品交換を行った場合を示している。特別受付処理にて合計貯玉の加算対象となった31000玉の内、貯玉振分処理として当日交換の処理前分の30000玉を当日貯玉の加算分とする一方、残りの加算対象の1000玉は前日貯玉の加算分とする。その後は
図6と同様に加算後の貯玉を対象として、景品交換の5000玉の内、前日貯玉の1000玉が優先されて前日貯玉の減算分となるので、残りの4000玉を当日交換、即ち、当日貯玉の減算分として特定する。
【0038】
尚、
図6から
図8における演算式や対応関係等を以下の通りに補足する。
処理後=処理前+加算分−減算分
合計貯玉の加算分=特別受付処理に対応
合計貯玉の減算分=景品交換の対価分に対応
当日貯玉の加算分=当日交換の処理前と特別受付処理との内、少ない方
前日交換(第2対価)=合計貯玉の処理前+合計貯玉の加算分−当日貯玉の処理前−当日貯玉の加算分(=前日貯玉の減算前分、
図8であれば0+31000−0−30000)と、景品交換との内、少ない方
当日交換(第1対価=当日貯玉の減算分)=景品交換−前日交換(
図8であれば5000−1000)である。
【0039】
次に、上記した構成の作用について
図9及び
図10も参照して説明する。
POS6は、交換処理を開始すると、待機フローとして、特別受付処理の操作が行われたか否かを判定し(S1)、カードを受付けたか否かを判定する(S2)。POS6は、手入力処理及び取替処理等の特別受付処理の操作が行われたと判定した(S1:YES)、又は通常受付処理によりカードを受付けたと判定した上で(S2:YES)、その受付けたカードが一般カードであると判定すると(S3:一般)、対応する玉数である加算対象玉数を交換可能(対価となる獲得玉数)に加算し(S4)、後述する交換処理中フローを開始する。又、POS6は、カードを受付けたと判定した上で(S2:YES)、その受付けたカードが会員カードであると判定すると(S3:会員)、その受付けた会員カードに対応する貯玉等の会員情報を管理装置5へと問い合わせ(S5)、会員カードを受付けている旨を示す会員フラグを「1」とし(S6)、交換処理中フローを開始する。
【0040】
POS6は、交換処理中フローを開始すると、会員フラグが「0」の場合、カード受付けを判定し(S7)、会員フラグが「0」であるので(S8:NO)、特別受付処理の操作が行われたか否かを判定し(S9)、景品選択操作を受付けたか否かを判定し(S10)、交換釦29が押下されたか否かを判定し(S11)、キャンセル釦32が押下されたか否かを判定し(S12)、終了釦30が押下されたか否かを判定する(S13)。一方、POS6は、会員フラグが「1」の場合、会員フラグが「1」であるので(S8:YES)、貯玉呼出の操作が行われたか否かを判定した上で(S14)、S9以降の処理を行う。
【0041】
POS6は、カードを受付けたと判定すると(S7:YES)、合算処理扱いとなり、上述した通り、S3以降の処理を行い、交換処理中フローに戻る。POS6は、貯玉の呼出操作が行われたと判定すると(S14:YES)、呼出(指定)された貯玉分の玉数である加算対象玉数を交換可能に加算し(S15)、特別受付処理の操作が行われたと判定すると(S9:YES)、特別受付処理分の玉数である加算対象玉数を交換可能に加算し、S10以降の処理を行う。
【0042】
POS6は、景品選択操作を受付けたと判定すると(S10:YES)、交換可能と選択景品対価玉数とを比較し(S16)、交換可能が選択景品対価玉数以上であると判定すすると(S16:YES)、選択景品を仮特定した場合(S17)、又は交換釦29が押下されたと判定し(S11:YES)、表示中、即ち、交換可能にて交換することが可能な全特殊景品を仮特定した場合には(S18)、仮特定した景品の対価玉数を交換可能から減算し(S19)、S13以降の処理を行う。
【0043】
POS6は、キャンセル釦32が押下されたと判定すると(S12:YES)、仮特定中の全景品をキャンセルし(交換可能も景品仮特定前に戻す)(S20)、S13以降の処理を行う。POS6は、終了釦30が押下されたと判定すると(S13:YES)、仮特定中の景品を確定し(S21)、会員フラグが「1」でないと判定すると(S22:NO)、そのまま交換情報を管理装置5へと送信する一方(S23)、会員フラグが「1」であると判定すると(S22:YES)、貯玉振分処理に移行し(S24)、会員フラグを「0」とし(S25)、交換情報を管理装置5へと送信する(S22)。
【0044】
POS6は、貯玉振分処理に移行すると、加算玉数を合計貯玉の加算分とし(S31)、処理前の当日交換玉数と加算玉数との内、少ない方を当日貯玉の加算分とし(S32)、交換景品対価玉数を合計貯玉の減算分とし(S33)、加算後の前日貯玉と交換景品対価玉数との内、少ない方を前日交換の加算分とし(S34)、交換景品対価玉数から前日交換玉数の加算分を差引いた分を当日交換の加算分とする(S35)。
【0045】
例えば
図6に示した通常の交換処理では、S31にて合計貯玉の加算分として0玉を特定し、S32にて当日貯玉の加算分として0玉を特定し、S33にて合計貯玉の減算分として5000玉を特定し、S34にて前日交換の加算分として5000玉を特定し、S35にて当日交換の加算分として0玉を特定する。前日貯玉が6000玉であるので、交換景品対価玉数の5000玉の全て前日交換の加算分となる。
【0046】
図7では、交換景品対価玉数が31000玉であるが、
図6と同様に加算分がないので、S31にて合計貯玉の加算分として0玉を特定し、S32にて当日貯玉の加算分として0玉を特定し、S33にて合計貯玉の減算分として31000玉を特定し、前日貯玉が1000玉であるので、S34にて前日交換の加算分として1000玉を特定し、S35にて当日交換の加算分として30000玉を特定する。
【0047】
図8では、加算玉数が特別受付処理分の31000玉となるので、S31にて合計貯玉の加算分として31000玉を特定し、S32にてそのうち処理前の当日交換分の30000玉を当日貯玉の加算分として特定し、この場合、残りの1000玉が前日貯玉となる。そして、景品交換としてS33にて合計貯玉の減算分とし5000玉を特定し、加算後の前日貯玉が0玉+1000玉であるので、S34にて前日交換の加算分として1000玉を特定し、その残りである5000玉から1000玉を差引いた4000玉をS35にて当日交換の加算分として特定する。
【0048】
尚、以上は、特別受付処理後に景品交換を行うことを例示したが、例えば取替処理にて誤った操作による景品分のみを返却対象とし、別途景品交換を行うことなく貯玉処理等を行って処理を終了しても良い。又、交換釦29の押下時に残数が「0」となることを例示したが、交換対象とできない端数分がある場合も十分ある。
【0049】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す効果を得ることができる。
貯玉振分処理を行うことで、手入力処理や取替処理等の特別受付処理により加算分となる貯玉を、不要に遊技者にとって不利となる前日貯玉とする虞を低減することができ、当日貯玉分と前日貯玉分との何れに戻すかに応じたトラブルが生じ得る虞を低減することができる。
【0050】
又、再プレイ処理を行う際に適切に制限を付すことができ、トラブル時に適切に遊技者へと貯玉を戻すことができる。
又、当日交換と前日交換とを管理し、特別受付処理時に当日交換分を優先して加算分とするので、当日貯玉を適切に遊技者へと戻すことができる。即ち、景品交換は当日交換より前日交換が優先されるので、当日交換が加算される場合には前日貯玉がないことを示し、更に前日交換がなくなった営業日の営業中に前日貯玉が増加することもない。よって、例えば通常の景品交換後、操作ミスにて残りの全貯玉を交換対象としたことにより、その換作ミス分を特別受付処理にて戻すような場合に前日交換を優先すると、先の通常の景品交換分が戻し対象ではないのに戻し対象として前日貯玉を必要以上に加算して、当日貯玉が必要以上に減少する虞があるが、当日貯玉を優先することで、前日貯玉がない状態で使用した当日貯玉分を増加対象とし、上記した虞を低減することができる。
【0051】
遊技者にとって不利となる前日貯玉を優先して景品交換の対象とするので、遊技者を必要以上に不利とする虞を低減することができる。又、交換対象の遊技価値の全てを対象とした景品交換が可能となるので、交換処理に関わる操作を容易化することができる。
又、特別受付処理と交換処理とを同時に行う際に当日貯玉分や前日貯玉分を適切に特定することができる。
【0052】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
前日貯玉と当日貯玉とを特定可能に記憶する構成として、合計貯玉と当日貯玉とを記憶対象として例示したが、前日貯玉と当日貯玉との組み合わせ、合計貯玉と前日貯玉との組み合わせとする等、合計貯玉、当日貯玉、前日貯玉をどのように組み合わせて記憶対象としても良いし、全てを記憶対象としても良い。
【0053】
当日交換により当日貯玉の加算分を特定することを例示したが、例えば一般カードの紛失や読取不良等に応じて手入力処理にて持玉の補償を行う際に、営業日当日の持玉なのか前日以前の持玉なのかを操作入力した上で、何れの貯玉の加算分とするのかを振分けるようにしても良い。この場合、前日貯玉と当日貯玉の指定操作を同一操作にて行うか否かに関わらず手入力処理に応じた数値の入力が前日貯玉と当日貯玉の何れにも区分されない遊技価値を示す操作入力となる。このように実施形態上では、貯玉の振分として、当日貯玉と前日貯玉との双方に振分けることを例示したが、当日貯玉に振分ける場合もあれば、前日貯玉に振分ける場合もあり、何れか一方のみに振分けるようにしても良い。
【0054】
特別受付処理により受付けた遊技価値での景品交換を可能としたが、一般カード等の通常の受付処理にて受付けた遊技価値のみを対価の対象とし、特別受付処理により受付けた遊技価値については対価の対象とせず、貯玉処理の対象のみとしても良い。
【0055】
第1貯蓄価値よりも不利な上限が設定されるとは、実施形態に示したように第1貯蓄価値(当日貯玉)には上限が設けられない一方、第2貯蓄価値(前日貯玉)には上限が設けられる場合だけでなく、第1貯蓄価値と第2貯蓄価値の双方に上限が設けられ、第2貯蓄価値の方が第1貯蓄価値よりも小さい上限となる場合も包含する。同様に、第1貯蓄価値よりも対価として多く徴収されるとは、実施形態に示したように第1貯蓄価値には手数料が設定されないが、第2貯蓄価値には手数料が設定される場合だけでなく、第1貯蓄価値と第2貯蓄価値の双方に手数料が設定され、第2貯蓄価値の方が第1貯蓄価値よりも手数料が多く設定される場合も包含する。又、上限や手数料で差別化することを例示したが、例えば景品交換する際に特定の景品との交換が抑制されることや所謂乗入処理の条件が厳しくなる等、どのような条件で差別化しても良い。
【0056】
記録媒体を受付けることにより遊技価値を受付けることを例示したが、例えば指紋等の記録媒体以外の識別情報に遊技価値を対応付け、又は会員IDとし、その識別情報を受付けることにより遊技価値を受付けても良い。又、記録媒体としてカードを例示したが、コインや遊技者の携帯電話等、例示した以外の記録媒体を採用しても勿論良い。
会員ID(会員カード)を受付けた上で貯玉呼出のような所定の操作を受付けることで、通常受付処理を例示したが、所定の操作を受付けることなく会員IDを受付けることで通常受付処理を行っても良く、この場合、会員IDの受付に応じてその会員IDに対応する貯玉をそのまま呼出せば良い。
【0057】
通常受付処理にて受付けた会員IDをそのまま貯蓄処理の対象とすることを例示したが、通常受付処理後、別途、貯蓄処理の対象となる会員IDを受付けても良く、この場合、同一交換処理中に異なる会員IDを禁止するので、結局のところ通常受付処理にて受付けた会員IDを対象として貯蓄処理を行うことになる。
交換処理における特定の操作として、特殊景品が予め対応付けられた交換釦の押下を例示したが、例えば「全部」という釦の押下と対象となる景品を選択する操作とを特定の操作として、残りの受付価値と、選択された景品とを交換対象として交換可能な数を特定しても良い。尚、対象となる景品が複数種類の場合は、実施形態のように相当する価値(金額)が最大となるようにそれぞれの数を特定することになるが、単種類の場合は、相当する価値が最大となる数と最大の景品数とが等しくなる。
【0058】
交換処理時に前日貯玉を優先したが、当日貯玉を優先する等、必ずしも前日貯玉を優先しなくとも良い。
当日貯玉を前日貯玉とする単位期間は1営業日を例示できるが、例えば1週間や1月間、又は午前中等、どのような期間を採用しても良い。
例示した設定値は予め設定されれば、管理者が任意に設定しても、管理装置の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。
【0059】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用する等して間接的に特定しても良い。又、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
超えない、達している等の表現は、基準値との比較において、超過だけなく以上とならないかを判定する構成も包含する。同様に達しない等は未満だけなく以下とならないかを判定する構成も包含する。
例示した処理はPOS6だけでなく、中継装置3や管理装置5等、どのような機器により行っても良いし、各装置にて分担して処理しても良い。又、出力対象としては例示したPOS6だけでなく、管理装置5としても良いし、表示だけでなく印字出力しても良い。又、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても良い。