特開2017-185140(P2017-185140A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-185140(P2017-185140A)
(43)【公開日】2017年10月12日
(54)【発明の名称】洗濯物供給装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 89/00 20060101AFI20170919BHJP
【FI】
   D06F89/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-78192(P2016-78192)
(22)【出願日】2016年4月8日
(71)【出願人】
【識別番号】592176055
【氏名又は名称】株式会社アサヒ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(72)【発明者】
【氏名】宮島 秀明
(72)【発明者】
【氏名】杉沼 雄一
(57)【要約】
【課題】タオルなどの折り畳み工程における作業効率を向上させる。
【解決手段】洗濯物供給装置は、洗濯後の洗濯物を貯留すると共に、前記貯留した洗濯物を小分けして搬送する第1の搬送部と、前記第1の搬送部によって小分けして搬送された洗濯物を受け取り、受け取った洗濯物が所定量になったことを計量する計量部と、前記計量部が受け取った前記所定量の洗濯物の少なくとも一部を、前記洗濯物の処理部の前まで搬送する第2の搬送部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯後の洗濯物を貯留すると共に、前記貯留した洗濯物を小分けして搬送する第1の搬送部と、
前記第1の搬送部によって小分けして搬送された洗濯物を受け取り、受け取った洗濯物が所定量になったことを計量する計量部と、
前記計量部が受け取った前記所定量の洗濯物の少なくとも一部を、前記洗濯物の処理部の前まで搬送する第2の搬送部と、を備える洗濯物供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗濯物供給装置において、
前記計量部は、前記受け取った洗濯物が前記所定量になったことを検出すると、検出信号を出力し、
前記第1の搬送部は、前記検出信号に応じて、前記貯留した洗濯物の小分け搬送を停止し、
前記処理部は、前記洗濯物を折り畳む折り畳み装置であり、
前記第2の搬送部は、前記洗濯物を、前記洗濯物の処理部と前記処理部に前記洗濯物を投入する作業者との間に、搬送する洗濯物供給装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の洗濯物供給装置において、
前記計量部は、前記第1の搬送部によって小分けして搬送された前記所定量の洗濯物を受け取る計量コンベアと、前記計量コンベアが受け取った洗濯物の重量を計量する計量器と、を有し、
前記計量コンベアは、前記所定量の洗濯物を前記第2の搬送部に搬送する洗濯物供給装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の洗濯物供給装置において、
前記計量部は、前記第1の搬送部によって小分けして搬送された前記所定量の洗濯物を受け取る計量コンベアと、前記計量コンベアが受け取った洗濯物の体積を光電的に計量する光電センサと、を有し、
前記計量コンベアは、前記所定量の洗濯物を前記第2の搬送部に搬送する洗濯物供給装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の洗濯物供給装置において、
前記第2の搬送部は、前記計量部の前記計量コンベアを挟むように配置された一対の供給コンベアを有し、
前記計量コンベアは、前記所定量の洗濯物を、前記一対の供給コンベアのそれぞれに搬送する洗濯物供給装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の洗濯物供給装置において、
前記第1の搬送部は、前記計量部の上方に配置され、
前記第1の搬送部は、前記洗濯物を貯留するストックコンベアと、前記ストックコンベアから前記貯留された洗濯物の一部が投入されるダンパー部とを有し、
前記ダンパー部は、その底部に設けられた開閉扉を有し、投入された洗濯物を前記開閉扉の開閉によって小分けして前記計量部に投入する洗濯物供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯物供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯後のタオルなどを折り畳む折り畳み装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−299626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タオルなどは、数十kg単位で洗濯されて搬送される。作業者は、洗濯済みのタオルの数十kgの塊から適量を折り畳み装置の近くに運び、手作業によってタオルを1枚ずつ折り畳み装置に供給する。そのため、作業者は、手元のタオルが無くなると再び洗濯済みのタオルを取りに行かなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
洗濯物供給装置は、洗濯後の洗濯物を貯留すると共に、前記貯留した洗濯物を小分けして搬送する第1の搬送部と、前記第1の搬送部によって小分けして搬送された洗濯物を受け取り、受け取った洗濯物が所定量になったことを計量する計量部と、前記計量部が受け取った前記所定量の洗濯物の少なくとも一部を、前記洗濯物の処理部の前まで搬送する第2の搬送部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、作業者が自らタオルの補充をしなくてもよく、作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】洗濯物供給システムの全体構成を示す斜視図である。
図2】洗濯物供給システムの模式的な正面図である。
図3】洗濯物供給システムの一部についての平面図である。
図4】洗濯物供給システムの制御に関する全体構成を示す図である。
図5】変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜4を参照して、洗濯物供給システムの一実施の形態を説明する。本実施の形態の洗濯物供給システムは、洗濯後の洗濯物を小分けして搬送し、洗濯物の処理部で処理するシステムである。なお、以下の説明では、本実施の形態の洗濯物供給システムで扱う洗濯物の一例として、タオルを例に挙げて説明する。
図1は、本実施の形態の洗濯物供給システムの全体構成を示す斜視図であり、図2は、洗濯物供給システムの模式的な正面図であり、図3は、洗濯物供給システムの一部についての平面図である。図1に示すように、本実施の形態の洗濯物供給システム100は、ストックコンベア1と、洗濯物供給シュート2と、ダンパー装置3と、計量コンベア4と、第1フィーダコンベア5と、第2フィーダコンベア6と、第1、第2のタオル折り畳み機、即ちタオルフォルダ7A,7Bとを有する。
【0009】
ストックコンベア1は、洗濯済みのタオルなどを搬送するベルトコンベアであり、図1に示すように、洗濯物供給システム100の設置場所において、他の機器の上方に配置されている。ストックコンベア1には、たとえば1回の洗濯分である数十kgから百数十kgの洗濯済みのタオルなどが載せられる。ストックコンベア1の下流側の端部は、洗濯物供給シュート2の上部に位置し、載置された大量の洗濯済みのタオルを少量ずつ、即ち小分けして洗濯物供給シュート2に落下して投入する。
【0010】
洗濯物供給シュート2は、ストックコンベア1から投入されたタオルをダンパー装置3に供給するためのシュートであり、底部にダンパー装置3が設けられている。洗濯物供給シュート2は、ダンパー装置3によって底部が閉じられていると、ストックコンベア1から投入されたタオルを一時的に溜める貯槽としても機能する。
【0011】
ダンパー装置3は、上述したように、洗濯物供給シュート2の底部の開口を開閉する開閉扉である。ダンパー装置3は、図2に示したアクチュエータ31によって開閉駆動される回転扉3aを有する。ダンパー装置3の扉3aは、洗濯物供給シュート2の底部開口を閉止した閉止位置と、閉止位置から約90°回転した図2の全開位置との間を回動可能であり、アクチュエータ31によって閉止位置と全開位置との間の任意の位置に回動される。ダンパー装置3は、扉3aが通常は閉止位置にあり、ストックコンベア1から投入されたタオルを一時的に溜め、扉3aが閉止位置から回動されると、タオルを計量コンベア4に落下させる。ダンパー装置3から計量コンベア4へのタオルの落下量は、扉3aの回転量の制御に応じて、即ち、扉3aの回転角度に応じて、調整することができる。
なお、本実施の形態のダンパー装置3は、一つの回転扉3aを有するが、両開きの二枚の回転扉を使用してもよい。
【0012】
計量コンベア4は、ダンパー装置3の下方、すなわち、洗濯物供給シュート2の下方に配置されたベルトコンベアである。計量コンベア4のコンベアベルト上に載せられたタオルの重量は、後述する図4に示したロードセル42によって計量される。計量コンベア4は、図2に示した駆動モータ41を正転または逆転することで、計量された所定量のタオルを一方の排出端側に配置された第1フィーダコンベア5、または他方の排出端側に配置された第2フィーダコンベア6に供給できる。
【0013】
図1,2,3に示すように、第1フィーダコンベア5は、計量コンベア4の一方の排出端の下方に設けられたベルトコンベアであり、第1のタオルフォルダ7Aの前方に配置されている。即ち、第1フィーダコンベア5は、第1のタオルフォルダ7Aと、第1のタオルフォルダ7Aの前方の作業者Wとの間に、配置され、計量コンベア4の一方の排出端から排出されたタオルを作業者Wの前に搬送する。
【0014】
第2フィーダコンベア6は、計量コンベア4の他方の排出端の下方に設けられたベルトコンベアであり、第2のタオルフォルダ7Bの前方に配置されている。即ち、第2フィーダコンベア6は、第2のタオルフォルダ7Bと、第2のタオルフォルダ7Bの前方の作業者Wとの間に、配置され、計量コンベア4の他方の排出端から排出されたタオルを作業者の前に搬送する。
【0015】
第1および第2のタオルフォルダ7A,7Bは、供給されたタオルを折り畳む折り畳み装置である。第1および第2のタオルフォルダ7A,7Bは、本実施の形態における洗濯物の処理部である。図2,3に示すように各タオルフォルダ7A,7Bには、作業者Wが1名ずつ配置される。第1のタオルフォルダ7Aに配置された作業者は、第1フィーダコンベア5上のタオルを1枚ずつ手作業で第1のタオルフォルダ7Aの前部に供給する。第2のタオルフォルダ7Bに配置された作業者は、第2フィーダコンベア6上のタオルを1枚ずつ手作業で第2のタオルフォルダ7Bの前部に供給する。タオルフォルダ7A,7Bに供給されたタオルは、タオルフォルダ7A,7Bでそれぞれ折り畳まれてタオルフォルダ7A,7Bの後部から排出される。
【0016】
図4は、本実施の形態の洗濯物供給システム100の制御に関する全体構成を示す図である。制御装置101は、ストックコンベア1を駆動する駆動モータ11、ダンパー装置3の扉3aを駆動するアクチュエータ31、計量コンベア4を駆動する駆動モータ41、第1フィーダコンベア5を駆動する駆動モータ51、第2フィーダコンベア6を駆動する駆動モータ61をそれぞれ制御する。
制御装置101は、駆動モータ11の短時間の駆動と停止とを繰り返すいわゆるインチング動作を行うように駆動モータ11を制御し、これによってストックコンベア1上のタオル9が、少量ずつ、即ち小分けされて、図4に矢印Aで示すように、洗濯物供給シュート2に投入される。
【0017】
洗濯物供給シュート2には、ストックコンベア1から投入された洗濯物供給シュート2内のタオル量を検出するための、すなわち、タオル9の体積を光電的に測定するための光電センサ32が取り付けられている。光電センサ32からの出力信号は、制御装置101に入力される。この光電センサ32が洗濯物供給シュート2内のタオルの量、即ち体積が所定の容量になったことを測定すると、制御装置10は、駆動モータ11の駆動をストップし、ストックコンベア1がタオルを洗濯物供給シュート2に投入することを停止させる。上述のように、ストックコンベア1上のタオル9が少量ずつ洗濯物供給シュート2に投入されるので、光電センサ32は、洗濯物供給シュート2内のタオル9の量が所定の容量になったことを正確に測定することができる。
【0018】
制御装置101はアクチュエータ31の駆動を制御して、アクチュエータ31は、閉止位置にあるダンパー装置3の扉3aを所定量、回動する。扉3aの回動によって、洗濯物供給シュート2内のタオル9が図4に矢印Bに示すように、計量コンベア4上に落下する。この時、制御装置101は、アクチュエータ31による扉3aの回動量を徐々に調整し、これによって、洗濯物供給シュート2内のタオル9は少量ずつ、小分けされて計量コンベア4に落下する。
【0019】
計量コンベア4に設けられたロードセル42は、計量コンベア4に載置されたタオル9の重量を計量して、計量値信号が制御装置101に入力される。制御装置101は、ロードセル42が所定の重量、例えば10〜20kg程度を計量すると、アクチュエータ31を駆動して扉3aを閉止位置に回動し、ダンパー装置3からのタオル9の落下を停止させる。
ロードセル42が、洗濯物供給シュート2から計量コンベア4へのタオルの投入量が前記所定の重量になったことを検出すると、制御装置101は、ストックコンベア1から洗濯物供給シュート2へのタオルの投入を再開させる。
上述のように、洗濯物供給シュート2内のタオル9は少量ずつ、小分けされて計量コンベア4に落下するので、ロードセル42は、計量コンベア4上のタオルの量が所定の重量になったことを正確に計量することができる。
【0020】
本実施の形態では、ロードセル42が、計量コンベア4上のタオルが所定の重量になったことを検出したことに応じて、制御装置101は、ストックコンベア1から洗濯物供給シュート2へのタオルの投入を再開させるが、この代わりに、洗濯物供給シュート2に光電センサ32の他に、第2の光電センサを設け、この第2の光電センサが洗濯物供給シュート2内のタオルの量が十分に少なくなったことを検出した時に、ストックコンベア1からの洗濯物供給シュート2へのタオルの投入を再開するようにしてもよい。
【0021】
制御装置101は、第1フィーダコンベア5のタオル9がゼロ、または非常に少なくなると、駆動モータ41を駆動して計量コンベア4のタオル9を、矢印Cで示すように第1フィーダコンベア5に供給する。また、制御装置101は、第2フィーダコンベア6のタオル9がゼロ、または非常に少なくなると、駆動モータ41を駆動して計量コンベア4のタオル9を、矢印Dで示すように、第2フィーダコンベア6に供給する。
計量コンベア4のロードセル42が、計量コンベア4上のタオル9の全てが、第1または第2フィーダコンベア5、6に送られたことを検出すると、制御装置101は、アクチュエータ31を駆動して、上述したように洗濯物供給シュート2内のタオル9を少量ずつ計量コンベア4に落下させる。
【0022】
なお、本実施の形態では、ロードセル42が計量した所定の重量のタオルの全てが、計量コンベア4から第1または第2フィーダコンベア5、6に供給されるとしたが、その代わりに、計量コンベア4は、所定重量のタオルの約半分を第1フィーダコンベア5に供給し、残りの約半分を第2フィーダコンベア6に供給するようにしてもよい。更には、計量コンベア4は、所定重量のタオルの一部を第1フィーダコンベア5に供給し、その後に洗濯物供給シュート2から新たなタオルの投入を受け、所定重量のタオルの残部と新たに投入されたタオルとの合計量が前記所定の重量になった時に、その合計量の一部のタオルを第2フィーダコンベア6に供給するようにしてもよい。
【0023】
第1フィーダコンベア5および第2フィーダコンベア6にはそれぞれ、光電センサ52,62がたとえば3つずつ設けられている。第1フィーダコンベア5の3つの光電センサ52は、第1フィーダコンベア5上のタオル9の量が略ゼロ、または少量になったか否かを検出し、検出信号を制御装置101に出力する。更に詳述すると、3つの光電センサ52は、第1フィーダコンベア5のコンベアベルトの延在方向に沿って離間して配置されている。第1フィーダコンベア5上では、タオル9は、裾広がりの山形状となってコンベアベルトの上に載っている。すなわち、第1フィーダコンベア5のコンベアベルト上のタオル9は、周辺側の高さが低く、中央側の高さが高い。そこで、本実施の形態では、たとえば、3つの光電センサ52のうち、図4における中央の光電センサ52の取り付け位置の高さを左右の光電センサ52,52の取り付け位置高さよりも高く配置している。
【0024】
3つの光電センサ52、52,52は、第1フィーダコンベア5上の山形状のタオル9が、作業者Wによって第1のタオルフォルダ7Aに投入されて、小山形状のタオル9aになったことを、検出する。すなわち、第1フィーダコンベア5上のタオル9の量が多い場合、3つの光電センサ52、52,52のそれぞれでタオル9があることが検出される。第1フィーダコンベア5上のタオル9の量が少なくなると、3つの光電センサ52、52,52のいずれかではタオル9があることが検出され、その他の光電センサ52ではタオル9がなくなったことが検出される。第1フィーダコンベア5上のタオル9の量がさらに少なくなって、小山形状のタオル9aになると、3つの光電センサ52、52,52のそれぞれでタオル9がなくなったことが検出される。
【0025】
制御装置101は、3つの光電センサ52、52,52のそれぞれでタオル9がなくなったことが検出されると、計量コンベア4から第1フィーダコンベア5へのタオルの供給を再開させる。なお、この小山形状のタオル9aの量は、タオルが計量コンベア4から第1フィーダコンベア5に再び供給されて作業者Wの前まで搬送されるまでに、作業者Wが小山形状のタオル9aを第1のタオルフォルダ7Aに投入することができるように定められている。
第2フィーダコンベア6に設けられた3つの光電センサ62、62、62の配置および動作は、第1フィーダコンベア5に設けられた3つの光電センサ52、52、52の配置および動作と同様である。
【0026】
次に、本実施の形態の洗濯物供給システム100の動作を説明する。なお、以下の説明では、洗濯物供給シュート2や計量コンベア4、第1および第2フィーダコンベア5,6にタオルがない状態から動作を開始した場合について説明する。
ストックコンベア1に、たとえば1回の洗濯分である数十kgから百数十kgの洗濯済みのタオルが載せられると、制御装置101は、駆動モータ11をインチング動作させる。このインチング動作によって、ストックコンベア1が断続的に移動され、ストックコンベア1上のタオル9が、少量ずつ、即ち小分けされて、図4に矢印Aで示すように、洗濯物供給シュート2に投入される。投入されたタオル9は、洗濯物供給シュート2に沿って落下し、ダンパー装置3の閉止位置の扉3aの上に溜まる。光電センサ32が洗濯物供給シュート2内のタオルの量が所定の容量になったことを測定すると、制御装置10は、駆動モータ11の駆動をストップしてストックコンベア1からのタオルの投入を停止させる。
【0027】
洗濯物供給シュート2内のタオルが上述の所定の容量になると、アクチュエータ31は、閉鎖位置にあるダンパー装置3の扉3aを所定量、回動する。扉3aの所定量の回動によって、洗濯物供給シュート2内のタオル9は、少量ずつ小分けされて計量コンベア4に落下する。計量コンベア4に落下したタオルの重量は、ロードセル42によって計量される。制御装置101は、ロードセル42が例えば10〜20kgの所定の重量を計量すると、アクチュエータ31を駆動して扉3aを閉止位置に回動し、ダンパー装置3からのタオル9の落下を停止させると共に、駆動モータ41を駆動して計量コンベア4を移動させる。計量コンベア4は、載置している所定の重量のタオルを第1および第2フィーダコンベア5、6の一方、例えば、第1フィーダコンベア5に送る。
【0028】
制御装置101は、ダンパー装置3の扉3aが閉止位置に戻ると、上述と同様に、ストックコンベア1の駆動モータ11を駆動させて、ストックコンベア1から所定量のタオルを洗濯物供給シュート2に再投入する。制御装置101は、ストックコンベア1から所定の量のタオルが洗濯物供給シュート2に投入されると、上述と同様に、アクチュエータ31によって扉3aを回動し、所定重量のタオルをダンパー装置3から計量コンベア4に落下させる。制御装置101は、駆動モータ41によって計量コンベア4を移動させて、計量コンベア4の所定重量のタオルを第2フィーダコンベア6に送る。
【0029】
図2,3に示す作業者Wは、第1フィーダコンベア5および第2フィーダコンベア6上のタオルを手作業で第1および第2のタオルフォルダ7A,7Bに供給することで、タオルが第1および第2のタオルフォルダ7A,7Bでそれぞれ折り畳まれる。第1フィーダコンベア5上のタオル9が十分に少なくなると、光電センサ52がそれを検出し、計量コンベア4上のタオル9が第1フィーダコンベア5に再び供給される。同様に、第2フィーダコンベア6上のタオル9が少なくなると、光電センサ62がそれを検出し、計量コンベア4上のタオル9が第2フィーダコンベア6に再び供給される。
【0030】
上述した実施の形態では、次の作用効果を奏する。
(1)洗濯物供給システム100は、洗濯後のタオル9を貯留すると共に、貯留したタオル9を小分けして搬送するストックコンベア1、洗濯物供給シュート2、およびダンパー装置3と、小分けして搬送されたタオル9を受け取り、受け取ったタオル9が所定量になったことを計量する計量コンベア4と、計量コンベア4が受け取った所定量のタオル9の少なくとも一部を、タオルフォルダ7の前まで搬送する第1フィーダコンベア5と、を備える。
これにより、計量コンベア4からタオル9が第1フィーダコンベア5に適量供給されるので、作業者が自らタオル9の補充をしなくてもよく、作業効率が向上する。
【0031】
(2)計量コンベア4のロードセル42は、受け取ったタオル9が所定量になったことを検出すると、検出信号を出力する。ダンパー装置3は、前記検出信号に応じて、貯留したタオル9の小分け搬送を停止する。タオルフォルダ7は、タオル9を折り畳む折り畳み装置である。第1フィーダコンベア5は、タオル9を、タオルフォルダ7とタオルフォルダ7にタオル9を投入する作業者との間に、搬送する。
これにより、ダンパー装置3は、前記検出信号に応じて、貯留したタオル9の小分け搬送を停止するので、計量コンベア4から第1フィーダコンベア5に搬送されるタオルの量がより適量となる。また、計量コンベア4から供給されたタオル9が作業者の前まで搬送されるので、作業者がタオル9を取りやすくなるので作業効率が向上する。
【0032】
(3)計量コンベア4は、ダンパー装置3によって小分けして搬送された所定量のタオル9を受け取る計量コンベア4と、計量コンベア4が受け取ったタオル9の重量を計量するロードセル42と、を有する。計量コンベア4は、所定量のタオル9を第1フィーダコンベア5に搬送する。これにより、第1フィーダコンベア5に適量のタオル9を供給できる。
【0033】
(4)ストックコンベア1、洗濯物供給シュート2、およびダンパー装置3は、計量コンベア4の上方に配置される。これにより、洗濯物供給システム100が設置される空間を効率的に利用できる。
また、ダンパー装置3は、その底部に設けられた扉3aを有し、投入されたタオル9を扉3aの開閉によって小分けして計量コンベア4に投入する。これにより、ストックコンベア1上に載せられた大量のタオル9を適量に小分けできる。
【0034】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(変形例1)上述の説明では、第1および第2フィーダコンベア5,6にはタオルフォルダ7A、7Bがそれぞれ配置されていた。本変形例では、図5に示すように、第1および第2フィーダコンベア5,6のそれぞれにタオルフォルダ7が複数台ずつ配置されている。図5は、本変形例における洗濯物供給システムの模式的な正面図である。
本変形例では、上述した実施の形態と比べて第1および第2フィーダコンベア5,6のそれぞれの延在長さを長くし、第1フィーダコンベア5の延在方向に沿ってたとえば3台のタオルフォルダ7A1、7A2、7A3を配置し、第2フィーダコンベア6の延在方向に沿ってたとえば2台のタオルフォルダ7B1、7B2を配置する。なお、第1および第2フィーダコンベア5,6に対応して配置するタオルフォルダ7の台数は、2台や3台に限定されない。
【0035】
このように、1台のフィーダコンベアに対して、複数台のタオルフォルダ7を対応して配置することができる。これにより、フィーダコンベアの台数が少なくても複数台のタオルフォルダ7に対応できるので、洗濯物供給システム100が設置される空間を効率的に利用できる。
【0036】
(変形例2)上述の説明では、計量コンベア4におけるタオル9の計量にロードセル42を用いることで、タオル9の重量を計量している。しかし、計量コンベア4におけるロードセル42に代えて、第1および第2フィーダコンベア5,6における光電センサ52,53と同様に、光電センサを用いることで、タオル9の体積を光電的に計量してもよい。
【0037】
(変形例3)上述の説明では、洗濯物供給シュート2内のタオル9の計量に光電センサ32を用いた。また、上述の説明では、第1フィーダコンベア5および第2フィーダコンベア6のコンベアベルト上のタオル9の多寡を光電センサ52,62で検出した。しかし、光電センサ32,52,62に代えて、ロードセルを用いることで、タオル9の重量を計量してもよい。
【0038】
(変形例4)上述の説明では、洗濯物供給システム100が設置される空間を効率的に利用するため、ストックコンベア1、洗濯物供給シュート2、およびダンパー装置3を計量コンベア4の上方に配置した。しかし、必ずしも、ストックコンベア1、洗濯物供給シュート2、およびダンパー装置3を計量コンベア4の上方に配置する必要は無く、ストックコンベア1、洗濯物供給シュート2、およびダンパー装置3の少なくともいずれかひとつを計量コンベア4の上方に配置してもよい。また、ストックコンベア1、洗濯物供給シュート2、およびダンパー装置3が計量コンベア4と同じ高さ、または、計量コンベア4よりも下方に配置されてもよい。
【0039】
なお、上述の説明では、洗濯物供給システム100で扱う洗濯物の一例として、タオルを例に挙げて説明したが、洗濯物供給システム100で扱う洗濯物はタオルに限られない。洗濯物供給システム100で扱う洗濯物は、たとえばピロケースやナプキン、おしぼり等であってもよい。すなわち、業務用洗濯機で洗濯する洗濯物のうち、いわゆる小物と呼ばれる品種の洗濯物を洗濯物供給システム100で扱うことができる。
なお、上述の説明では、洗濯物の処理部として第1および第2のタオルフォルダ7A,7Bが設けられていたが、洗濯物の処理部として設けられる装置は、洗濯物の品種によって適宜変更してもよい。たとえば洗濯物がおしぼりである場合、タオルフォルダ7A,7Bに代えて、自動でおしぼりを畳んだり巻いたりした後に樹脂フィルムで包装する、おしぼりたたみ包装機等を設けることが望ましい。
【0040】
上記では、種々の実施の形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0041】
1;ストックコンベア、2;洗濯物供給シュート、3;ダンパー装置、3a;扉、4;計量コンベア、5;第1フィーダコンベア、6;第2フィーダコンベア、7A,7B;タオルフォルダ、9;タオル、42;ロードセル、100;洗濯物供給システム
図1
図2
図3
図4
図5