【解決手段】本発明のゲームプログラムは、コンピュータを、連続技を第1オブジェクトに実行させるとともに、第3攻撃を第3オブジェクトに実行させる攻撃実行手段と、第2オブジェクトの体力値を減算する攻撃判定手段と、前記第2オブジェクトの前記体力値が所定値以下となった場合、前記第2オブジェクトを死亡状態とする管理手段と、して機能させ、前記攻撃判定手段は、前記第1オブジェクトによる前記連続技の実行中に、前記第3オブジェクトによる前記第3攻撃が第2オブジェクトにヒットした場合、所定条件を満たすまで第2オブジェクトから前記第3攻撃に基づいた体力値を減算せず、前記第1オブジェクトによる前記第2攻撃が前記第2オブジェクトにヒットした場合、前記第2攻撃がヒットした状態として処理する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照して、本発明の実施形態であるゲームプログラムについて説明する。本発明において、下記の本実施形態に記載される事項は一例(代表例)であり、これに限定されるものではない。また、本実施形態に記載されない事項は意識的に除外したものでもない。
【0016】
本実施形態において上位概念化して記載された事項は、本実施形態に記載されていない当業者において公知であるものも含み、さらに出願時点において存在し得ないものも含む。また、各フローチャートの処理手順について、本実施形態に限定されるものではなく、各処理を実行する手段および手順などは適宜選択し得るものである。
【0017】
<ゲームシステムの説明>
図1はゲームシステム1の構成を説明する図である。本実施形態のゲームシステム1は、ネットワーク4を介して相互に通信可能なサーバ装置2、ゲーム装置3で構成される。
【0018】
ゲーム装置3は、インターネット通信などの通信回線32を備え、ネットワーク4に接続することができる。また、このゲーム装置3は、
図1に示す各機能を備える。
【0019】
<ゲーム装置の説明>
ゲーム装置3は、たとえば据え置き型のゲーム装置または携帯型ゲーム装置である。また、ゲーム装置3はパーソナルコンピュータまたはスマートフォンなどの汎用機器を含む。
【0020】
<ゲーム装置のハードウェア構成>
ゲーム装置3は、上述のゲームを実行するため、
図1に示すようにバス30上に制御部31、通信回線32、および記憶部33を備える。
【0021】
制御部31は、CPU310、ROM(フラッシュメモリ)311、RAM312、画像プロセッサ313、音声プロセッサ314および操作部315を備える。
【0022】
CPU310は、後述するように、ゲーム装置3で実行されるゲームを制御する。
【0023】
ROM311には、ゲームプログラムを実行するための基本プログラムなどが記憶されている。
【0024】
RAM312には、CPU310がゲームプログラムを実行する際に使用されるワークエリアが設定される。ワークエリアには、ゲーム進行に伴って発生する各種パラメータなどが含まれる。
【0025】
画像プロセッサ313は、ゲーム画面を生成可能なGPU(Graphics Processing Unit)を備える。画像プロセッサ313には、ビデオRAM(VRAM)34が接続される。VRAM34には表示部35が接続されている。画像プロセッサ313は、CPU310の指示に従ってゲーム空間を生成する。このゲーム空間を仮想カメラで撮影した画像などがゲーム画面として表示部35上に描画される。
【0026】
音声プロセッサ314は、ゲーム音声を生成するDSP(Digital Signal Processor)を備える。音声プロセッサ314は、生成したゲーム音声をD/Aコンバータを含むアンプ36に送信する。アンプ36は、この音声信号を増幅してスピーカ37に送信する。
【0027】
操作部315には、コントローラ38が接続されている。コントローラ38は、十字ボタン、プッシュスイッチ、ジョイスティック、マウス、キーボードおよびタッチパネルなどを含む。また、操作部315は、ユーザによるコントローラ38を介した操作信号を検出し、その操作信号をCPU310に送信する。
【0028】
通信回線32は、インターネット回線などを介してデータ通信を行う。制御部31は、データ通信によってゲーム装置3とサーバ装置2との間で通信を行うことにより、ゲーム進行を実行する(所謂オンラインゲーム)またはゲームプログラムのダウンロードなどを行う。制御部31は、インターネット回線でダウンロードすることのみならず、USBなどのインタフェース経由でゲームプログラムを受信(記憶)することもできる。
【0029】
また、通信回線32は、ゲームプレイに必要なユーザ情報(ユーザIDなど)、ユーザと他のユーザとの関係情報(フレンド情報など)およびゲームスコアなどをサーバ装置2、ゲーム装置3に送信(受信)する。
【0030】
記憶部33は、ハードディスクまたはメモリーカードなどである。制御部31は、例えば、予めゲームプログラムおよび楽曲データを記憶部33に記憶するほか、サーバ装置2からダウンロードしたゲームプログラムなどを記憶する。また、このゲームプログラムには、プログラム本体のほか、ゲーム進行に必要なキャラクタ(オブジェクト)画像、背景画像、音楽およびステージ画像などの様々なゲームデータが含まれる。
【0031】
<制御部の説明>
図2は、制御部31(CPU310)の機能ブロック図である。ゲーム装置3は、記憶部33に記憶されたゲームプログラムと制御部31との協働によって同図に示す機能を実現する。また、ゲーム装置3のCPU310は、攻撃実行部31A、攻撃判定部31B、管理部31Cおよびゲーム進行部31Dを備える。
【0032】
なお、CPU310は、攻撃実行部31A、攻撃判定部31B、管理部31Cおよびゲーム進行部31Dを備えることに限らず他の機能を適宜備える。またそれぞれの機能は、下記実施形態に記載される処理を実行することに限定されない。いかなる処理をどの機能により実現するかは適宜選択され得るものである。
【0033】
・攻撃実行部31A
攻撃実行部31Aは、コントローラ38(操作部315)から所定の攻撃をさせるための操作信号(以下、攻撃入力信号という)を受信した場合、プレイヤオブジェクト50に所定の攻撃を実行させる。所定の攻撃は、縦斬り、横斬り、斬り上げおよび突進などの単独技のほか、突進のあとに斬り上げを行うなどの一連の攻撃である連続技が含まれる。詳細については後述する。
【0034】
また、攻撃実行部31Aは、攻撃のモーション再生中に、プレイヤオブジェクト50が他のオブジェクトなどからダメージを受けたり、ユーザの操作に基づいて攻撃をキャンセルしたりした場合(所定条件が成立した場合)、プレイヤオブジェクト50の攻撃を中断させる。
【0035】
・攻撃判定部31B
攻撃判定部31Bは、所定の攻撃が敵オブジェクト51にヒットしたか否かを判断する。また、攻撃判定部31Bは、どの種類の攻撃が敵オブジェクト51のどこの部位(頭、胴、腕、脚など)に、ヒットしたかを判断する。所定の攻撃が連続技である場合は、連続技を構成する攻撃の内、どの攻撃がヒットしたかを判断する。攻撃判定部31Bは、これらの判断の結果に関する情報(以下、ヒット情報)を管理部31Cに送信する。
【0036】
また、攻撃判定部31Bは、上記受信したヒット情報に基づき、敵オブジェクト51のダメージ量を算出する。そして、算出したダメージ量を敵オブジェクト51の体力値から減算する。
【0037】
・管理部31C
管理部31Cは、敵オブジェクト51の体力値が所定値以下(0以下)になったと判断した場合、この敵オブジェクト51を生存状態(体力値が0より大きい状態)から死亡状態(体力値が0以下の状態)へ変更する。詳細については後述する。
【0038】
・ゲーム進行部31D
ゲーム進行部31Dは、プレイヤオブジェクト50、敵オブジェクト51、他のプレイヤオブジェクトおよびノンプレイヤオブジェクトをゲーム空間に生成する。また、岩、木、壁、ドラム缶または車両などのオブジェクトをゲーム空間に生成する。
【0039】
<ゲームの説明>
以下、本実施形態におけるゲーム装置3において実行されるゲームプログラムによって提供されるゲームについて説明する。本実施形態では、プレイヤオブジェクト50が敵オブジェクトと戦闘を行うアクションゲームを例にとって説明する。アクションゲームは、三次元空間において実行されるゲーム、および二次元空間において実行されるゲームを含む。
【0040】
本実施形態では、60fpsのフレームレート(1フレーム=1/60秒)で処理されるアクションゲームとして説明する。なお、フレームレートは本実施形態に限定されない。フレームレートはゲーム装置(ハードウェア)の処理能力などにより、60fps、30fpsなどが定められる。
【0041】
また、本件発明はこれに限らず、RPG、スポーツゲーム、音楽ゲーム、アドベンチャーゲームなどに適用可能である。また、所定の行動は攻撃に限らず、たとえば、階段や崖からの落下など、オブジェクトがダメージを負う行動であればよい。
【0042】
<実施例1>
図3は、プレイヤオブジェクト50の攻撃行動を説明する図である。
図3には、プレイヤオブジェクト50(第1オブジェクト)および敵オブジェクト51(第2オブジェクト)が表示され、プレイヤオブジェクト50は敵オブジェクト51に対して縦斬りを行っている。
【0043】
この縦斬りは単独技であり、攻撃実行部31Aは攻撃入力情報に基づいて縦斬りのモーション(モーション1)を再生する。モーションの再生については、周知技術であるため詳細な説明を省略する。なお、敵オブジェクト51はモーション1に含まれないが参考として表示する。
【0044】
図4は、表示部35に表示されるゲーム画面を説明する図である。
図4には、プレイヤオブジェクト50(第1オブジェクト)および敵オブジェクト51(第2オブジェクト)が表示され、プレイヤオブジェクト50は敵オブジェクト51に対して連続技を行っている。
【0045】
この連続技は第1攻撃(突進攻撃)および第2攻撃(斬り上げ)により構成されており、攻撃実行部31Aは攻撃入力情報に基づいて連続技の攻撃モーション(モーション2)を再生する。なお、敵オブジェクト51はモーション2に含まれないが参考として表示する。
【0046】
・第1オブジェクト
第1オブジェクトは他のオブジェクトに対して攻撃を行うオブジェクトである。たとえば、第1オブジェクトは、プレイヤオブジェクト50、敵オブジェクト51またはギミックオブジェクト(たとえば、鉄球、車両または爆発物など)であってもよい。本実施形態(実施例1)では、第1オブジェクトをプレイヤオブジェクト50として説明する。
【0047】
・第2オブジェクト
第2オブジェクトは、第1オブジェクトから攻撃を受けることによりダメージを受けるオブジェクトである。たとえば、第2オブジェクトは、プレイヤオブジェクト50または敵オブジェクト51のどちらであってもよい。また、第2オブジェクトは、第1オブジェクトの攻撃によって破壊される破壊可能オブジェクト(たとえば、樽、壁またはドラム缶など)であってもよい。本実施形態(実施例1)では、第2オブジェクトを敵オブジェクト51として説明する。
【0048】
・第3オブジェクト(図示せず)
詳細は後述するが、第3オブジェクトは、第1オブジェクトの攻撃行動を妨害するオブジェクトである。たとえば、第3オブジェクトは、プレイヤオブジェクト50、敵オブジェクト51、プレイヤオブジェクトと協力関係にあるノンプレイヤオブジェクト、破壊オブジェクト(たとえば、箱または樽など)またはギミックオブジェクト(たとえば、鉄球、車両または爆発物など)であってもよい。
【0049】
本実施形態(実施例1)では、第3オブジェクトを、第2オブジェクトとは異なる他の敵オブジェクト51として説明する。第1オブジェクト〜第3オブジェクトをどのオブジェクトにするかは、当業者によって適宜選択可能である。
【0050】
・単独技
本実施形態における単独技は、縦斬り、横斬り、斬り上げおよび突進など攻撃であり、単独技はそれぞれ一つのモーションで再生される。また、単独技が敵オブジェクト51にヒットした場合、攻撃判定部31Bは、各単独技に設定された攻撃力に基づいて敵オブジェクト51の体力値を減少させる。なお、詳細は後述するが、単独技は保留フラグが0(OFF)に設定されている。
【0051】
図5を用いて、単独技の一例を説明する。単独技が
図3に示した縦斬りの場合、攻撃力:20、保留フラグ:0(OFF)、モーション:モーション1が設定されている。縦斬りが敵オブジェクト51にヒットした場合、攻撃判定部31Bは、敵オブジェクト51の体力値を20減少させる。そして、管理部31Cは、敵オブジェクト51の体力値が所定値(0)以下となった場合、この敵オブジェクト51を死亡状態とする。
【0052】
なお、縦斬りの保留フラグは0(OFF)であるため、縦斬りがヒットした後、他の攻撃のモーションが再生されているか否かに関わらず、体力値を減少させる処理を実行する。詳細は後述する。
【0053】
・連続技
本実施形態における連続技は、突進のあとに斬り上げを行うなど複数の攻撃が組み合わされることにより構成された一連の攻撃であり、ひとまとまりのモーションで再生される。また、連続技が敵オブジェクト51にヒットした場合、攻撃判定部31Bは、連続技を構成する各々の攻撃に設定された攻撃力に基づいて、敵オブジェクト51の体力値を減少させる。なお、連続技は、保留フラグが1(ON)に設定された攻撃(以下、第1攻撃という)および保留フラグが0(OFF)に設定された攻撃(以下、第2攻撃という)を少なくとも含む。
【0054】
なお、連続技を構成する各々の攻撃は、単独技である必要はない。また、第1攻撃および第2攻撃は、ひとつの連続技にそれぞれ複数含まれていてもよい。
【0055】
図5を用いて、連続技の一例を説明する。連続技が突進のあとに斬り上げを行う攻撃である場合、第1攻撃(突進)は攻撃力:20および保留フラグ:1(ON)が設定され、第2攻撃(斬り上げ)は攻撃力:50および保留フラグ:0(OFF)が設定されている。また、連続技全体として、モーション:モーション2が設定されている。
【0056】
・保留フラグ
保留フラグが0である攻撃(単独技または第2攻撃)が敵オブジェクト51にヒットした場合、他の攻撃の有無に関わらず、体力値を減少させる処理を実行する。一方、保留フラグが1である攻撃(第1攻撃)が敵オブジェクト51にヒットした場合、「所定条件」を満たすまで「第1攻撃がヒットしていない状態」として処理する。
【0057】
・所定条件
所定の条件は、たとえば連続技におけるすべてのモーションの再生が終了することである。管理部31Cは、連続技におけるすべてのモーションが終了したか否かを判定し、その結果、連続技におけるすべてのモーションの再生が終了したと判定した場合は所定の条件が成立したと判定する。なお、モーションの再生の終了とは、モーションが最初から最後まで再生されて終了すること、およびモーションが途中で中断して終了することを含む。
【0058】
連続技の攻撃モーションが途中で中断する例としては、第1オブジェクトが、連続技の攻撃モーション再生中に第3オブジェクト(他の敵オブジェクト)から攻撃を受けることである。このとき、第1オブジェクトは、攻撃を受けたことによって再生されるモーション(以下、やられモーションという)を、連続技の攻撃モーションより優先的に再生する。これにより、第1オブジェクトの連続技の攻撃モーションが途中で中断する。
【0059】
また、所定の条件は、連続技の第2攻撃におけるモーションの再生が終了することであってもよい。管理部31Cは、連続技における第2攻撃のモーションが終了したか否かを判定し、その結果、連続技におけるモーションの再生が終了したと判定した場合は所定の条件が成立したと判定する。
【0060】
なお、所定の条件は、連続技の攻撃モーションの再生の終了に限らない。たとえば、攻撃判定部31Bは、第2攻撃が敵オブジェクト51にヒットしたか否かを判定し、その結果ヒットしたと判定した場合は所定の条件が成立したとする。また、上記の例に加えて、この敵オブジェクト51が生存(体力値が0より大きい)していることも所定の条件のひとつとして加えてもよい。
【0061】
・第1攻撃がヒットしていない状態(1)
以下のことにより、所定条件を満たすまで第1攻撃がヒットしていない状態とすることができる。
【0062】
攻撃判定部31Bにより第1攻撃が敵オブジェクト51にヒットしたと判定されたときに、連続技の攻撃モーションが再生中であるか否かを判定する。連続技の攻撃モーションが再生中である場合は、所定条件を満たすまで攻撃判定部31Bが敵オブジェクト51の体力値を減少させない。この場合、攻撃判定部31Bは、この体力値の減少処理のタイミングを、所定条件を満たしたあとのタイミングにスライドする(保留する)。
【0063】
図5を例にとれば、攻撃判定部31Bにより第1攻撃(突進)が敵オブジェクト51にヒットしたと判定されたとき、連続技の攻撃モーションの再生中であれば、攻撃判定部31Bは敵オブジェクト51の体力値を減少させない。そして、攻撃判定部31Bは所定条件を満たしたあとに、体力値の減少処理を行う。さらに、管理部31Cは、敵オブジェクト51の体力値が所定値(0)以下となった場合、この敵オブジェクト51を死亡状態とする。
【0064】
・第1攻撃がヒットしていない状態(2)
また、これに限らず、以下のことにより、所定条件を満たすまで第1攻撃がヒットしていない状態とすることができる。
【0065】
攻撃判定部31Bにより第1攻撃が敵オブジェクト51にヒットしたと判定されたときに、攻撃判定部31Bは敵オブジェクト51の体力値を減少させ、連続技の攻撃モーションが再生中であるか否かを判定する。連続技の攻撃モーションが再生中である場合は、管理部31Cは、この体力値の減少により敵オブジェクト51の体力値が所定値以下(0)となった場合であっても、所定条件を満たすまで敵オブジェクト51を死亡状態としないようにする。この場合、管理部31Cは、死亡状態にする処理のタイミングを、所定条件を満たしたあとのタイミングにスライドする(保留する)。
【0066】
図5を例にとれば、攻撃判定部31Bによって第1攻撃(突進)が敵オブジェクト51にヒットしたと判定されたとき、連続技の攻撃モーションの再生中であれば、攻撃判定部31Bは敵オブジェクト51の体力値を減少させるが、所定条件を満たすまで体力値が所定値以下(0)となった場合であっても死亡状態としない(たとえば、死亡モーションを再生しない)。そして、管理部31Cは所定条件を満たしたあとに、この敵オブジェクト51を死亡状態とする(死亡モーションを再生する)。
【0067】
これらの保留フラグにより、連続技の攻撃モーションが終了するまで、敵オブジェクト51を死亡状態としないようにできるとともに、第2攻撃が敵オブジェクト51にヒットしなかった場合または第2攻撃が敵オブジェクト51にヒットしたが第2攻撃のヒットにより死亡状態にならない場合は、第1攻撃の攻撃力に応じて敵オブジェクト51の体力値を減少させることができる。
【0068】
なお、第1攻撃はひとつの連続技の中に複数あってもよい。また、第2攻撃は連続技の最後に設定される攻撃である必要はない。第2攻撃は、連続技を構成する各攻撃のうち、攻撃力が高いまたはモーションが大きいもの(フィニッシュ技)であることが好ましい。また、第1攻撃と第2攻撃とは、保留フラグの有無で区別されるものであって、同じ攻撃モーションまたは攻撃力であってもよい。
【0069】
<処理の流れ>
次に、ゲーム装置の処理の流れについて説明する。
図6は、ゲーム装置の攻撃実行処理の流れを示すフローチャートである。これらの処理は、所定の間隔(たとえば60fps間隔)で実行される。なお、ゲームの全体的なフローなどについては省略する。また、各処理は本実施形態に限らず、同時並行的に実行されるものであってもよく、順序は適宜変更されてもよい。
【0070】
まず、攻撃実行部31Aが、連続技に関する攻撃入力信号を受信すると(ステップS100)、受信した信号に応じた連続技の攻撃モーションを再生する(ステップS101)。
【0071】
そして、攻撃判定部31Bが、連続技の第1攻撃が敵オブジェクトにヒットしたか否かを判定する(ステップS102)。すなわち、敵オブジェクトにヒットした攻撃の保留フラグがONであるか否かを判定する。
【0072】
ステップS102の結果、連続技の第1攻撃が敵オブジェクトにヒットしたと判定された場合(ステップS102:YES)、攻撃判定部31Bまたは管理部31Cは、第1攻撃がヒットしたことに関する処理を保留する(ステップS103)。すなわち、攻撃判定部31Bまたは管理部31Cは、第1攻撃がヒットしていない状態として処理する。
【0073】
次に、攻撃判定部31Bが、連続技の第2攻撃が敵オブジェクトにヒットしたか否かを判定する(ステップS104)。
【0074】
なお、ステップS102の結果、連続技の第1攻撃が敵オブジェクトにヒットしていないと判定された場合(ステップS102:NO)、ステップS103の処理を実行せずに、連続技の第2攻撃が敵オブジェクトにヒットしたか否かを判定する(ステップS104)。
【0075】
ステップS104の結果、連続技の第2攻撃が敵オブジェクトにヒットしたと判定された場合(ステップS104:YES)、攻撃判定部31Bまたは管理部31Cは、第2攻撃がヒットしたことに関する処理を実行する(ステップS104)。すなわち、攻撃判定部31Bは、第2攻撃の攻撃力に応じて敵オブジェクトの体力値を減算し、管理部31Cは敵オブジェクトの体力値が所定値以下となれば死亡状態とする。
【0076】
次に、管理部31Cは、第1攻撃処理が保留されているか否かを判定する(ステップS106)。
【0077】
なお、ステップS104の結果、連続技の第2攻撃が敵オブジェクトにヒットしていないと判定した場合(ステップS104:NO)、ステップS105の処理を実行せずに、第1攻撃処理が保留されているか否かを判定する(ステップS106)。
【0078】
ステップS106の結果、第1攻撃処理が保留されていると判定された場合(ステップS106:YES)、攻撃判定部31Bまたは管理部31Cは、第1攻撃がヒットしたことに関する処理を実行して(ステップS107)、処理を終了する。すなわち、攻撃判定部31Bは第1攻撃の攻撃力に応じて敵オブジェクトの体力値を減算し、管理部31Cは敵オブジェクトの体力値が所定値以下となれば死亡状態とする。
【0079】
なお、ステップS106の結果、第1攻撃処理が保留されていないと判定された場合(ステップS106:NO)、攻撃判定部31Bまたは管理部31Cは、第1攻撃がヒットしたことに関する処理を実行せずに、処理を終了する。
【0080】
また、攻撃判定部31Bまたは管理部31Cが、第2攻撃がヒットしたことに関する処理を実行し(ステップS105)、管理部31Cが敵オブジェクトを死亡状態とした場合は、ステップS106およびステップS107の処理を省略してもよい。
【0081】
第2攻撃に基づいて敵オブジェクト51の体力値が所定値以下となった場合、ステップS106およびステップS107の処理を省略することにより、第1攻撃による体力値の減算処理にかかる負荷を軽減することができる。
【0082】
<実施例2>
本実施形態では、第1オブジェクトをプレイヤオブジェクト50とし、第2オブジェクトおよび第3オブジェクトを第1オブジェクトの攻撃行動を妨害する敵オブジェクト51として説明したがこれに限らない。
【0083】
以下に、第1オブジェクトをプレイヤオブジェクト50、第2オブジェクトを敵オブジェクト51、第3オブジェクトを第1オブジェクトと協力関係にある他のプレイヤオブジェクト(図示せず)とした他の実施例(実施例2)を説明する。
【0084】
プレイヤオブジェクト50と他のプレイヤオブジェクトとは、たとえば互いに協力し合う仲間であり、それぞれ別のユーザ(コントローラ)によって操作されるオブジェクトである。このプレイヤオブジェクト50と他のプレイヤオブジェクトとは、それぞれ個別に行動し、共通の敵オブジェクト51に対して攻撃する。
【0085】
なお、第3オブジェクトは、第1オブジェクトと協力関係にあるノンプレイヤオブジェクトであってもよい。
【0086】
攻撃判定部31Bは、一の敵オブジェクトについて、プレイヤオブジェクト50および他のプレイヤオブジェクトの攻撃がヒットしたか否かを判定し、ヒットした攻撃に応じて体力値を減算する。そして、管理部31Cは、敵オブジェクト51の体力値が所定値(0)以下となった場合、この敵オブジェクト51を死亡状態とする。
【0087】
たとえば、プレイヤオブジェクト50が連続技(第1攻撃および第2攻撃)を実行している途中に、他のプレイヤオブジェクトが単独技(第3攻撃)を実行する場合がある。他のプレイヤオブジェクトの単独技(第3攻撃)は保留フラグが0であり、プレイヤオブジェクト50の第2攻撃がヒットする前に、他のプレイヤオブジェクトの第3攻撃が敵オブジェクト51にヒットすることがある。
【0088】
この場合、他のプレイヤオブジェクトの第3攻撃がヒットしたときに、所定条件を満たすまで、管理部31Cは「第3攻撃がヒットしていない状態」として処理する。具体的には、プレイヤオブジェクト50が連続技(第1攻撃および第2攻撃)のモーション再生中に第3攻撃を行う場合は、0(OFF)である第3攻撃の保留フラグを1(ON)に書き換える。
【0089】
すなわち、攻撃判定部31Bにより第3攻撃がヒットしたと判定されたときに、敵オブジェクト51の体力値を減少させず、この体力値の減少処理のタイミングを、所定条件を満たしたあとのタイミングにスライドする(保留する)。
【0090】
これにより、プレイヤオブジェクト50が連続技を実行している途中に、他のプレイヤオブジェクトの攻撃が、敵オブジェクト51にヒットすることによって敵オブジェクト51が死亡状態となることを避けることができる。また、もしプレイヤオブジェクト50の連続技の攻撃モーション再生後に、敵オブジェクト51が死亡状態になっていない場合は、ヒットしていた他のプレイヤオブジェクトの第3攻撃の攻撃力に応じて敵オブジェクト51の体力値を減算する処理を行うことができる。
【0091】
・所定条件
所定の条件は、たとえば連続技におけるすべてのモーションの再生が終了することである。管理部31Cは、連続技におけるすべてのモーションが終了したか否かを判定し、その結果、連続技におけるすべてのモーションの再生が終了したと判定した場合は所定の条件が成立したと判定する。なお、モーションの再生の終了とは、モーションが最初から最後まで再生されて終了すること、およびモーションが途中で中断して終了することを含む。
【0092】
また、所定の条件は、連続技の第2攻撃におけるモーションの再生が終了することであってもよい。管理部31Cは、連続技における第2攻撃のモーションが終了したか否かを判定し、その結果、連続技におけるモーションの再生が終了したと判定した場合は所定の条件が成立したと判定する。
【0093】
なお、所定の条件は、連続技の攻撃モーションの再生の終了に限らない。たとえば、攻撃判定部31Bは、第2攻撃が敵オブジェクト51にヒットしたか否かを判定し、その結果ヒットしたと判定した場合は所定の条件が成立したとする。また、上記の例に加えて、この敵オブジェクト51が生存(体力値が0より大きい)していることも所定の条件のひとつとして加えてもよい。
【0094】
・第3攻撃がヒットしていない状態(1)
攻撃判定部31Bによって第3攻撃がヒットしたと判定されたときに、敵オブジェクト51の体力値を減少させないことにより、所定条件を満たすまで第3攻撃がヒットしていない状態とすることができる。この場合、攻撃判定部31Bは、この体力値の減少処理のタイミングを、所定条件を満たしたあとのタイミングにスライドする(保留する)。
【0095】
たとえば、攻撃判定部31Bにより第3攻撃(単独技)が敵オブジェクト51にヒットしたと判定された直後は、攻撃判定部31Bは敵オブジェクト51の体力値を減少させない。そして、攻撃判定部31Bは所定条件を満たしたあとに、体力値の減少処理を行う。さらに、管理部31Cは、敵オブジェクト51の体力値が所定値(0)以下となった場合、この敵オブジェクト51を死亡状態とする。
【0096】
・第3攻撃がヒットしていない状態(2)
また、これに限らず、以下のことにより、所定条件を満たすまで第3攻撃がヒットしていない状態とすることができる。
【0097】
攻撃判定部31Bにより第3攻撃がヒットしたと判定されたあとに、敵オブジェクト51の体力値を減少させるが、管理部31Cは体力値が所定値以下(0)となった場合であっても死亡状態としないようにする。この場合、管理部31Cは、死亡状態にする処理のタイミングを、所定条件を満たしたあとのタイミングにスライドする(保留する)。
【0098】
たとえば、攻撃判定部31Bによって第3攻撃(単独技)が敵オブジェクト51にヒットしたと判定されたとき、敵オブジェクト51の体力値を減少させるが、管理部31Cは体力値が所定値以下(0)となった場合であっても死亡状態としない(たとえば、死亡モーションを再生しない)。そして、管理部31Cは所定条件を満たしたあとに、この敵オブジェクト51を死亡状態とする(死亡モーションを再生する)。
【0099】
第3攻撃は単独技に限らず、連続技(第1’攻撃、第2’攻撃)であってもよい。他のプレイヤオブジェクトが実行した第1’攻撃または第2’攻撃が敵オブジェクト51にヒットしたときに、プレイヤオブジェクト50が連続技(第1攻撃、第2攻撃)を実行中である場合は、所定条件を満たすまで、他のプレイヤオブジェクトの連続技(第1’攻撃、第2’攻撃)がヒットしていない状態として処理する。
【0100】
たとえば、プレイヤオブジェクト50の連続技(第1攻撃、第2攻撃)のモーションの再生終了後に、他のプレイヤオブジェクトの連続技(第1’攻撃、第2’攻撃)に応じて、敵オブジェクト51の体力値を減算させる。これにより、プレイヤオブジェクト50および他のプレイヤオブジェクトの複数のプレイヤオブジェクトが連続技をしている途中において敵オブジェクト51を死亡状態にしないようにすることができる。
【0101】
<他の実施例>
次に、本実施形態における他の実施例について説明する。これらの他の実施例においても、上記作用効果を奏することができる。なお、これらの他の実施例のうち2つ以上を本実施形態に代えてまたは加えて採用してもよく、これらを適宜組み合わせることにより、さらに興趣性の高いゲームを提供することができる。
【0102】
連続技全体をひとつの攻撃として、保留フラグを1(ON)としてもよい。この場合、連続技に含まれる攻撃のそれぞれが敵オブジェクト51にヒットした場合に、連続技の攻撃モーションが再生中であるか否かを判定し、モーション再生中である場合、管理部31Cは所定条件を満たすまで連続技がヒットしていない状態として処理することができる。
【0103】
そして、連続技の攻撃モーションがすべて再生されたあとに、ヒットしていた連続技に含まれる攻撃のそれぞれを合計したダメージ量だけ体力値を減算すればよい。
【0104】
また、単独技の保留フラグは0(OFF)としたが、保留フラグを1(ON)としてもよい。この場合、単独技が敵オブジェクト51にヒットした場合に、常に第1オブジェクトの連続技の攻撃モーションが再生中であるか否かを判定し、モーション再生中である場合、管理部31Cは所定条件を満たすまで第3オブジェクトの単独技がヒットしていない状態として処理することができる。
【0105】
たとえば、実施例2によれば、プレイヤオブジェクト50が連続技(第1攻撃および第2攻撃)のモーション再生中に、他のプレイヤオブジェクトが第3攻撃を行う場合、第3攻撃の保留フラグを0(OFF)から1(ON)に書き換える必要がなくなる。
【0106】
そして、第1オブジェクトの連続技の攻撃モーションが再生中であるか否かを判定し、モーション再生中である場合、管理部31Cは所定条件を満たすまで第3オブジェクトの単独技がヒットしていない状態として処理することができる。
【0107】
本実施形態に記載したゲームプログラムは、このゲームプログラムを記憶した記憶部33と、前記ゲームプログラムを実行する制御部31(CPU310)とを備えるゲーム装置3において実行される(所謂、P2P通信)ことに限らない。ゲームプログラムは、このゲームプログラム記憶した記憶部と、前記ゲームプログラムを実行する制御部(CPU)とを備えるサーバ装置2において実行されてもよい。
第1発明によって提供されるゲームプログラムは、コンピュータを、ゲーム空間に第1オブジェクト、第2オブジェクトおよび第3オブジェクトを生成するゲーム進行手段、少なくとも第1攻撃および当該第1攻撃のあとに実行される第2攻撃をひとつの攻撃モーションとして含む一連の攻撃(以下、連続技という)を前記第1オブジェクトに実行させるとともに、第3攻撃を前記第3オブジェクトに実行させる攻撃実行手段と、前記第1攻撃、前記第2攻撃および第3攻撃のそれぞれが前記第2オブジェクトにヒットしたことを判定し、前記第1攻撃、前記第2攻撃および前記第3攻撃のそれぞれに基づいて前記第2オブジェクトの体力値を減算する攻撃判定手段と、前記第1攻撃、前記第2攻撃および前記第3攻撃のそれぞれが前記第2オブジェクトにヒットして前記第2オブジェクトの前記体力値が所定値以下となった場合、前記第2オブジェクトを死亡状態とする管理手段と、して機能させ、前記攻撃判定手段は、前記第1オブジェクトによる前記連続技の攻撃モーションの再生中に、前記第3オブジェクトによる前記第3攻撃が第2オブジェクトにヒットした場合、