(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-18518(P2017-18518A)
(43)【公開日】2017年1月26日
(54)【発明の名称】景品取得ゲーム機
(51)【国際特許分類】
A63F 9/30 20060101AFI20170105BHJP
【FI】
A63F9/30 502C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-141075(P2015-141075)
(22)【出願日】2015年7月15日
(71)【出願人】
【識別番号】508352838
【氏名又は名称】株式会社エスプラン
(74)【代理人】
【識別番号】100196760
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】後藤 幸秀
(57)【要約】 (修正有)
【課題】クレーンゲーム等の景品取得ゲーム機において、景品を取得することができなくても、ゲーム終了後に別の商品の取得の機会を設けて、プレイヤーのゲーム機に対する興味の持続性を実現する。
【解決手段】景品の取得を目的とした操作手段を備えたクレーンゲーム機1と、そのクレーンゲーム機1から景品が取得されたか否かを検知する検知手段と、その検知手段によって検知された結果に基づき、新たに別の景品を取得可能とする景品払出装置2を備えており、前記検知手段が景品の払い出しを検知しなかった場合に、景品払出装置2が作動する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品の取得を目的とした操作手段を備えた遊戯装置と、
その遊戯装置から景品が取得されたか否かを検知する検知手段と、
その検知手段によって検知された結果に基づき、新たに別の景品を取得可能とする景品払出装置を備えたことを特徴とする景品取得ゲーム機。
【請求項2】
前記遊戯装置は、景品載置スペース上の景品を把持するための機構が設けられたキャッチャー部と、キャッチャー部によって取り上げられた景品を装置外に払い出す払出部とを備えたクレーンゲーム機であり、
そのクレーンゲーム機には景品が払出部を通過したか否かを検知する検知手段が設けられており、
前記検知手段が景品の払い出しを検知しなかった場合に、景品払出装置が作動する構成とした請求項1記載の景品取得ゲーム機。
【請求項3】
景品払出装置は、操作が可能な状態を示す信号発信手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の景品取得ゲーム機。
【請求項4】
遊戯装置のプレイの回数に応じて、又は所定の確率で景品払出装置が作動する構成とした請求項1、2又は3記載の景品取得ゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は景品取得ゲーム機に関し、特に、クレーンゲーム等の景品取得ゲーム機において、景品を取得することができなくても、ゲーム終了後に別の景品の取得の機会を設けて、プレイヤーのゲーム機に対する興味の継続性を実現した景品取得ゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にゲームセンター等の遊戯施設では、景品取得を目的としたクレーンゲーム機が設置されている。
このクレーンゲーム機は、キャッチャー機能を有するアームユニットをプレイヤーが操作して、載置された景品を景品取出口まで運び、装置外に取り出して景品を獲得できるようになっている。
このクレーンゲーム装置は、主としてキャラクタ商品の人形などよりなる景品が多数収容された透明なケースと、このケースの前面に設けられた操作部の操作釦を操作することにより景品を把持する把持部を移動させるクレーン機構と、を有する。
また、ケースの内部には、外部と連通する景品排出口が設けられ、把持部に把持された景品はこの景品排出口の上方に移動して把持部が開くと景品排出口へ落下して、外部に開口する景品受取口に至る。
【0003】
プレイヤーは、操作ボタンを操作することにより獲得しようとする景品の真上にクレーン機構を移動させて、アーム部を降下させ、ケース底部に到着すると把持部が閉じて降下位置の景品を掴む。そして、把持部は景品を把持したまま上昇して景品排出口の上方に移動した後、アームを開いて景品を景品排出口へ落とす。
このようなクレーンゲーム機として例えば特許文献1、2の技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−111197号公報
【特許文献2】特開2010−110355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のゲーム機では、景品を取得できる確率は高いものではなく、景品が取得できなければ、プレイヤーのゲームに対する興味を持続させることが困難である。
また、景品が高額になれば、利益性の観点からその確率はさらに低いものとならざるを得ず、景品が取得できなければ、その結果、ゲーム機の稼働率が低下するという問題があった。
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、クレーンゲーム等の景品取得ゲーム機において、景品を取得することができなくても、ゲーム終了後に別の景品の取得の機会を設けて、プレイヤーのゲーム機に対する興味の持続性を実現した景品取得ゲーム機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための手段として請求項1記載の景品取得ゲーム機では、景品の取得を目的とした操作手段を備えた遊戯装置と、その遊戯装置から景品が取得されたか否かを検知する検知手段と、その検知手段によって検知された結果に基づき、新たに別の景品を取得可能とする追加景品払出装置を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の景品取得ゲーム機では、請求項1記載の景品取得ゲーム機において、前記遊戯装置は、景品載置スペース上の景品を把持するための機構が設けられたキャッチャー部と、キャッチャー部によって取り上げられた景品を装置外に払い出す払出部とを備えたクレーンゲーム機であり、そのクレーンゲーム機には景品が払出部を通過したか否かを検知する検知手段が設けられており、前記検知手段が景品の払い出しを検知しなかった場合に、追加景品払出装置が作動する構成とした。
【0008】
請求項3記載の景品取得ゲーム機では、請求項1又は2記載の景品取得ゲーム機において、追加景品払出装置は、操作が可能な状態を示す信号発信手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の景品取得ゲーム機では、請求項1、2又は3記載の景品取得ゲーム機において、遊戯装置のプレイの回数に応じて、又は所定の確率で追加景品払出装置が作動する構成とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明請求項1記載の景品取得ゲーム機では、遊戯装置の景品取得の結果に応じて、新たに別の景品を取得可能とする景品払出装置を設けたので、遊戯装置の操作終了後に景品払出装置の操作が可能となり、それによって、景品の取得機会が増加し、景品の取得機会が増加することにより、プレイヤーの遊戯に対する利用動機付けが維持される。
【0011】
請求項2記載の景品取得ゲーム機では、クレーンゲーム機に適用したので、汎用のクレーンゲーム機と組み合わせて景品払出装置が利用される。
また、検知手段が景品の払い出しを検知しなかった場合に、景品払出装置が作動する構成としたので、クレーンゲーム機で景品を取得できなかったとしても、景品払出装置から景品を取得することができる、そのため、プレイヤーのクレーンゲーム機に対する利用動機付けが継続維持され、クレーンゲーム機の稼働率向上が図られる。
【0012】
請求項3記載の景品取得ゲーム機では、景品払出装置は、操作が可能な状態を示す信号発信手段を備えているので、プレイヤーは景品払出装置の作動を認識して、確実に操作することができる。
【0013】
請求項4記載の景品取得ゲーム機では、遊戯装置のプレイの回数に応じて景品払出装置が作動する構成としたので、検知手段の結果と合わせて景品払出装置の作動頻度を調整することができる。そのため、景品の価値、収益性等を考慮しながら景品払出装置の作動を調整することができ、利益率を適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図9】本発明のゲームの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の景品取得ゲーム機は、
図1〜
図8に示すように、クレーンゲーム機1からなる遊戯装置と、そのクレーンゲーム機に隣接配置されて、クレーンゲーム機とは別の景品の取得を可能とする景品払出装置2を主要な構成としている。
クレーンゲーム機1は、透明な側壁で囲われた景品フィールド3と、その景品フィールド3上に配置された景品を掴み取るキャッチャー部4と、キャッチャー部4を前後左右に動かす操作部5と、キャッチャー部4によって掴んだ景品を投下する払出口6と、景品が払出口6を通過したか否かを検知する検知手段を備えている。
【0016】
前記景品フィールド3は周囲を壁面によって囲われた直方体状の空間であり、空間の正面窓7及び側面窓8は透明とされ、その空間内に多数の景品が収容されている。
景品の種類・形状・大きさ・個数等は特に限定されるものではないが、一例として所定形状のカプセルに収容された多数の景品が集積収容されている。
【0017】
前記キャッチャー部4は、空間の上部から吊り下げたアームユニットであり、複数本(3本)のアーム9が下方に向かって開閉して景品を掴み取る機構とされている。
操作部5にはアームユニットを前後左右に移動させるためのボタンが配置されており、このボタンを操作し、目的の景品の真上にアームユニットを移動させ、アームを下降させて景品を掴み、掴んだ景品を景品投下口に投下することで景品を取得するゲームが行われる。
景品投下口に投下された景品は払出部(シューター)を通過して、払出口6から装置外へ送り出される。前記払出部には検知手段が設けられており、景品が落下して通過するのをセンサーが検知する。
【0018】
前記景品払出装置2は、検知手段によって検知された結果に基づき、新たに別の景品を取得可能とする装置であり、透明な側壁で囲われた景品フィールド10と、その景品フィールド10内の景品を払い出す操作を行う操作部11と、その操作により景品が払い出される払出口12を備えている。
前記景品フィールド10は周囲を壁面によって囲われた直方体状の空間であり、空間の正面窓13及び側面窓14は透明とされ、その空間内に多数の景品が収容されている。
前記景品フィールド10は、景品を収容するホッパーと、ホッパー内の景品を送り出す作動部とを備え、その作動部は操作部11のボタン操作によって作動される。
ホッパーは多数の景品が集積された収容部であり、ホッパーの底には回転部(作動部)が配置されており、その底が回転することにより、景品が1個づつシューターに落下して装置外(払出口12)に払い出される構成となっている。なお、この払い出し機構については周知の構成が採用可能である。
景品の種類・形状・大きさ・個数等は特に限定されるものではないが、一例として所定形状のカプセルに収容された多数の景品が集積されている。
【0019】
クレーンゲーム機1による検知手段の検知信号は景品払出装置2に送られ、クレーンゲーム機1においてプレイヤーが景品を取得しなかったと検知した場合は、景品払出装置2が作動し操作部11の押しボタンが点滅する。プレイヤーはこの押しボタンの点滅を認識して操作ボタンを押し、作動部を作動させて景品を取得する。
ここで、クレーンゲーム機1においてプレイヤーが景品を取得したと検知した場合には、景品払出装置2は作動しない。
尚、景品払出装置2の作動条件については、クレーンゲーム機における景品取得の有無に加えて、クレーンゲーム機1のプレイ回数等に応じて適宜設定することが可能である。
【0020】
次に、
図9に基づいて本発明のゲームフローを説明する。
クレーンゲーム機1の管理者は、電源を入れると共に各種設定を行い、ゲーム可能な状態に設定する(待機状態)(S1)。
ここで、電源をONとした後に各種エラーが検知されると、一定時間エラー音が鳴った後にゲームは強制終了され(S2)、ゲームは待機状態となる。
プレイヤーがコインを投入すると(S3)、プレイ回数が表示され、同時にゲームが待機中になるまでコインが入らないようにコインブロックがなされる(S4)。
【0021】
コイン投入後は、キャッチャー操作部5のXボタンが点滅する(S5)。この点滅はXボタンが操作可能であることを示している。
プレイヤーはXボタンの点滅を確認して、Xボタンを押すとアームユニットが横(右方向)に移動する(S6)。プレイヤーは目的とする景品の位置にアームユニットが到達したことを確認してXボタンを離す。
Xボタンを離すとアームユニットが停止し、続いてYボタンが点滅する(S7)。この点滅はYボタンが操作可能であることを示している。
プレイヤーはYボタンの点滅を確認して、Yボタンを押すとアームユニットが奥(後方向)に移動する(S8)。プレイヤーは目的とする景品の真上にアームユニットが到達したことを確認してYボタンを離す。
【0022】
Yボタンを離すとアームユニットは停止し、停止した位置からアームが開いて下降し、下降したアームの先には景品が配置されているので、景品に達した位置でアームが閉じて景品を掴む(S9〜S11)。
アームが閉じた位置に景品が無い場合、あるいは、景品を掴み損じた場合は、アームは空の状態で閉じる。
アームは閉じた後に上昇し、上昇した後にアームユニットが水平にスライドして元の位置(待機状態)に戻る(S12、S13)。
アームユニットが元の位置に復帰した後にアームが開き、直下の景品投下口に景品を投下し、景品を払出口から装置外に払い出す(S14)。
景品が払出部を通過するのを検知手段が検知する(S15)。一方、アームが景品を掴んでいない場合は、景品が払出部を通過しなかったことを検知する。
検知手段が景品取得の有無を検知した後は、アームが閉じてゲームが終了する(S16、S17)。
ゲーム終了後、クレジット残りがあるときは、(S4)に戻り、クレジットが無くなるまで同様にゲームが行われる。クレジットが無い場合は待機状態(S1)に戻る。
【0023】
遊戯装置(クレーンゲーム機1)のゲーム終了後、検知手段が景品の払い出しを検知しなかった場合は、その検知信号は景品払出装置2で認識され、景品払出装置2が作動する。
景品払出装置2の作動により、景品払出装置のスタートボタンランプ(操作部11)が点滅するので(S18)、プレイヤーはスタートボタンランプの点滅を確認して、スタートボタンを押す(S19)。
スタートボタンを押すことによって、景品払出装置2のホッパーが正回転を行い(S20)、ホッパーの回転に伴なって、ホッパー内の景品1個が選択的に落下口へ送られ、払出口より払い出される。
尚、プレイヤーがスタートボタンを押さなかった場合は、スタートボタン点滅後40秒を経過すると、ホッパーが正回転を行って景品が払い出される。
ここで、景品の送り出しがスムーズに行われない場合は、一旦ホッパーが逆回転した後に(S21)、再度正回転を行い(S22)、同様の動作を繰り返して景品を確実に払い出す。
景品が払い出された後は、検知手段がそれを検知して(S23)、ゲームが終了する。
なお、前記ゲームにおいてクレーンゲーム機の検知手段が景品の払い出しを検知した場合は、プレイヤーは景品を取得しているので、景品払出装置2は作動しない。
【0024】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲における設定変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、景品が取得されなかった場合に景品払出装置から景品を払い出す構成としたが、これに代えて、またはこれに加えて、数回目のプレイの時(遊戯装置のプレイの回数)に該当する場合のみ景品の払い出しを行う。あるいは、遊戯装置のゲーム終了後に所定の確率で景品払出装置を作動させる構成とすることも可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 クレーンゲーム機
2 景品払出装置
3 景品フィールド
4 キャッチャー部
5 操作部
6 払出口
7 正面窓
8 側面窓
9 アーム
10 景品フィールド
11 操作部
12 払出口
13 正面窓
14 側面窓