【解決手段】 電気解剖学的マッピングは、マルチ電極プローブを生体被験者の心臓内に挿入することと、心臓の各位置において同時に、電極からの電位図を記録することと、電位図中の各興奮到達時間間隔の範囲を定めることと、興奮到達時間間隔から、電気的伝播波のマップを生成することと、電位図の興奮到達時間内の局所興奮到達時間を調整することにより波のコヒーレンスを最大化することと、調整された局所興奮到達時間を報告することとにより行われる。
前記興奮到達時間間隔が、傾きの開始及び終了を表わすピーク及び谷により範囲を定められた第1の間隔と、前記第1の間隔付近の窓を含む第2の間隔と、を含み、局所興奮到達時間を調整することが、前記第2の間隔内で行われる、請求項1に記載の装置。
前記電気的伝播波のマップを生成することが、前記電位図を各時点での一連のフレームに分割することを含み、前記フレームが、値の行列に対する前記電極の読取値の各割り当てである、請求項1に記載の装置。
前記波のコヒーレンスを最大化することが、前記メッシュの前記頂点における前記興奮到達時間を調整して、前記メッシュにおける前記頂点メンバシップ関数の平均値を最大化することを含む、請求項10に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明では、本発明の様々な原理が充分に理解されるように、多くの具体的な詳細について記載する。しかしながら、これら詳細の全てが本発明を実施するうえで必ずしも必要であるとは限らないことは当業者には明らかであろう。この場合、一般的な概念を無用に分かりにくくすることのないよう、周知の回路、制御論理、並びに従来のアルゴリズム及びプロセスに対するコンピュータプログラム命令の詳細については、詳しく示していない。
【0026】
参照により本明細書に組み込まれる文書は本出願の一体部分と見なされるべきであり、いずれかの用語が、それらの組み込まれた文書内で、本明細書で明示的又は暗示的に行われる定義と相反するように定義される場合を除き、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【0027】
定義
「アノテーション」又は「アノテーション点」は、目的とするイベントを示すと見なされる電位図上の点又は候補を指す。本開示において、イベントは、典型的には、電極により感知される電気波の伝播の局所興奮到達時間である。
【0028】
本明細書で使用される、電位図における「活動」は、電位図信号の突発的又は起伏的変化を明確に示す領域を指す。そのような領域は、ベースライン信号の領域間の顕著なものとして認識され得る。本開示において、「活動」とは、心臓を通る1つ又は2つ以上の電気的伝播波の電位図上に現れる徴候を指すことの方が多い。
【0029】
「波」とは、心臓における連続的な電気的伝播を指す。
【0030】
心臓における伝播している電気波の「コヒーレンス」は、空間又は時間における異なる点での波の位相一貫性及び周波数同等性のメトリックを指す。
【0031】
「ブロックのライン」とは、心臓における電気的伝播の妨害又はブロックを指す。そのようなラインは、波の境界を画定し得る。波はそれ自体、ブロックのラインを含有することがあり、「波内ブロック」として知られている。
【0032】
電位図の「一次傾き」とは、電極の下を通る興奮波の局所興奮到達時間に関連した傾きである。
【0033】
「二次傾き」とは、電極の下を通らない波に関連した傾き、すなわち、遠距離場活動等の遠位興奮波からの傾きである。
【0034】
ある傾きと別の傾きの両方が定義された時間窓内に一貫して生じる場合、一方の傾きは、他方の傾きに「連結」される。
【0035】
「ブロック点」とは、ユーザーにより定義された値(典型的には0.2m/秒)未満の伝導速度を有する点である。加えて、又はあるいは、ブロック点は2つの電極間に位置する点であり、第1の電極から出た興奮波が第2の電極に到着した際に、第2の電極がユーザーにより定義された時間の間隔(例えば100ミリ秒)以内で、波の到着直前に、かつ第2の電極の不応期開始後に、既に活性化されているという点である。
【0036】
「ブロックのライン」又は「ブロックライン」とは、ブロック点の集合体である。
【0037】
「フレーム」とは、値の行例に対する電極メッシュの同時に読み取られた個々の値の割り当てである。
【0038】
電極又はメッシュ面上の頂点の「隣接」は、電極又は頂点を中心とする3×3格子における面上の他の電極又は頂点を指す。
【0039】
概論
ここで図面を参照し、開示される本発明の一実施形態に基づいて構築され動作可能である、生体被験者の心臓12に対してアブレーション処置を行うためのシステム10の描図である
図1を最初に参照する。このシステムは、患者の脈管系を通って心臓12の腔又は脈管構造内に操作者16によって経皮挿入されるカテーテル14を備えている。通常は医師である操作者16が、カテーテルの遠位先端18を、心臓壁、例えば、アブレーション標的部位と接触させる。その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,226,542号及び同第6,301,496号、並びに本願発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,892,091号に開示される方法に従って、電気的活動マップが作成され得る。
【0040】
システム10は、以下に説明する機能を実行するための好適なソフトウェアでプログラムされた汎用又は組込み型コンピュータプロセッサを備えることができる。したがって、システム10の、本明細書の他の図に示されている部分は、別個の機能ブロックを複数含むものとして示されているが、これらのブロックは必ずしも別個の物体ではなく、むしろ例えば、プロセッサが利用できるメモリに格納されている異なる計算タスク又はデータオブジェクトを表わし得る。これらのタスクは、単一のプロセッサ又は複数のプロセッサで動作するソフトウェアで実行することができる。ソフトウェアは、1つ又は複数のプロセッサに、CD−ROM又は不揮発性メモリのような有形の非一時的媒体で提供され得る。あるいは、又は加えて、システム10は、デジタル信号プロセッサ又は実配線ロジックを含んでもよい。システム10の要素を具現化する1つの市販の製品は、Biosense Webster,Inc.(3333 Diamond Canyon Road,Diamond Bar,CA 91765)より入手可能な、CARTO(登録商標)3システムとして入手可能である。このシステムは、本明細書に説明される本発明の原理を具現化するように、当業者によって変更されてもよい。
【0041】
例えば電気的活動マップの評価によって異常と判定された区域は、熱エネルギーの印加によって、例えば、心筋に高周波エネルギーを印加する、遠位先端18での1つ又は2つ以上の電極に、高周波電流をカテーテル内のワイヤを介して流すことによって、アブレーションすることができる。エネルギーが組織に吸収され、それを電気的興奮性が恒久的に失われる点(通常、約50℃)まで加熱する。支障なく行われた場合、この処置によって心臓組織に非伝導性の損傷が形成され、この損傷が、不整脈を引き起こす異常な電気経路を遮断する。本発明の原理は、異なる心室に適用されて、多数の異なる心不整脈を診断及び治療することができる。
【0042】
カテーテル14は、通常、アブレーションを行うために、操作者16がカテーテルの遠位端の方向転換、位置決め、及び方向決めを所望通りに行うことを可能にする、好適な制御部を有するハンドル20を備えている。操作者16を補助するために、カテーテル14の遠位部分には、コンソール24内に配置されたプロセッサ22に信号を供給する位置センサ(図示せず)が収容されている。プロセッサ22は、後述のようないくつかの処理機能を果たすことができる。
【0043】
カテーテル14は、マルチ電極カテーテルであり、これは、バルーン37右側部分に示されているようなバスケットカテーテル、又は同左側部分に示されているようなスプラインカテーテルであり得る。いずれの場合にも、複数の電極32が存在し、これらは、感知電極として使用され、バスケット又はスプラインにおける既知の配置、及び既知の相互関係を有する。このため、カテーテルが心臓内に配置されると、例えば、電流位置マップを構築することにより、心臓内の電極32の各々の位置が分かる。電流位置マップを生成するための1つの方法は、参照により本明細書に組み込まれる、本願発明の譲受人に譲渡された米国特許第8,478,383号(Bar−Talら)に記載されている。
【0044】
電気信号は、カテーテル14の遠位先端18に又は遠位先端18近くに配置された電極32からケーブル34を介して心臓12へと、かつ心臓12からコンソール24へと伝達され得る。ペーシング信号及び他の制御信号は、コンソール24から、ケーブル34及び電極32を介して、心臓12へと伝達され得る。
【0045】
ワイヤ接続部35は、コンソール24を、体表面電極30、並びにカテーテル14の位置座標及び向き座標を測定するための位置決めサブシステムの他の構成要素と連結する。プロセッサ22又は別のプロセッサ(図示せず)は、位置決めサブシステムの要素であってもよい。参照により本明細書に組み込まれる、Govariらに発行された米国特許第7,536,218号において教示されているように、電極32及び体表面電極30を使用して、アブレーション部位における組織インピーダンスを測定してもよい。温度センサ(図示せず)、通常、熱電対又はサーミスタが、カテーテル14の遠位先端18近くに搭載されてもよい。
【0046】
コンソール24には通常、1つ又は2つ以上のアブレーション電力発生装置25が収容されている。カテーテル14は、例えば、高周波エネルギー、超音波エネルギー、及びレーザー生成光エネルギー等の任意の既知のアブレーション技術を使用して、心臓にアブレーションエネルギーを伝導するように適合され得る。そのような方法は、参照により本明細書に組み込まれる、本願発明の譲受人に譲渡された、米国特許第6,814,733号、同第6,997,924号、及び同第7,156,816号に開示されている。
【0047】
一実施形態では、位置決めサブシステムは、磁場生成コイル28を使用して、所定の作業体積内に磁場を生成し、カテーテルにおけるこれらの磁場を検知することによって、カテーテル14の位置及び向きを判定する磁気位置追跡配置を含む。好適な位置決めサブシステムは、参照により組み込まれる、米国特許第7,756,576号及び上記の米国特許第7,536,218号に記載されている。
【0048】
上述のように、カテーテル14は、コンソール24に連結されており、これにより操作者16は、カテーテル14を観察し、その機能を調節することができる。コンソール24は、プロセッサ、好ましくは、適切な信号処理回路を有するコンピュータを含む。プロセッサは、モニタ29を駆動するように連結される。信号処理回路は、通常、カテーテル14内の遠位に位置する上述の(図示しない)センサ及び複数の位置検知電極によって生成される信号を含むカテーテル14からの信号を、受信、増幅、フィルタリング、及びデジタル化する。デジタル化された信号は、コンソール24及び位置決めシステムによって受信され、カテーテル14の位置及び方向を計算し、かつ以下に更に詳細に記載される電極からの電気信号を分析するために使用される。
【0049】
簡略化のために図示されないが、通常、システム10は、他の要素を備える。例えば、システム10は、心電図(ECG)モニタを含み得るが、このECGモニタは、ECG同期信号をコンソール24に供給するために、1つ又は2つ以上の体表面電極から信号を受信するように連結される。上述のように、システム10は、通常、被験者の身体の外側に取り付けられた外側取付参照パッチ上、又は、心臓12内に挿入され、心臓12に対して固定位置に維持された内側に位置するカテーテル上のいずれかに、参照位置センサも含む。システム10は、画像データを外部MRIユニット等のような外部の画像診断モダリティから受信することができ、以下に説明される画像を生成及び表示するために、プロセッサ22に組み込まれ得るか、又はプロセッサ22によって起動され得る画像プロセッサを含む。
【0050】
心房細動のマッピング
心房細動は、周期性も反復性もない伝播の複雑なパターンを特徴とする。様々な形態の解離波を分離するブロックのラインが複数存在し得る。心房の興奮時間を心房の電極メッシュに対してマッピングしようとすると、測定エラーが起こってしまう。マッピングカテーテルからの電極読取値に基づいた空間解像度は、心房細動興奮の複雑なパターンを評価するのには不適切である。
【0051】
心房細動においてマッピングされた区域の興奮を再構築する信頼性のある電気解剖学的マップを生成するためにいくつかの工程がとられるべきである。これらの工程としては、通常、取得された電位図の再処理、局所興奮到達時間の検出、及びマッピングアレイにおける様々な電極の下の組織の興奮に関連するLATを組み合わせて解釈可能なマップ又はムービーにすることが挙げられる。
【0052】
波マッピングに対する1つのアプローチは、参照により本明細書に組み込まれる、本願発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2016/0045123号、発明の名称「ブロックのライン検出」に記載されている。本明細書に記載の手順は、フレームの前後関係、すなわち、フレーム分割における心房波を検出し、マッピングする。これらの手順は、ブロックのラインにより範囲が定められる波をマッピングするのに特に有用である。
【0053】
本発明の実施形態によれば、興奮到達時間は、最大傾き(最大−dV/dt)等の傾き、中程度の振幅、又は時間の単一原基準点ではなく、単極電位図の完全な負の傾きに基づいている。代わりに、LATの範囲が、局所興奮を表わす傾きの各々について決定される。このLAT範囲は、興奮波が通過する時間窓を定義する、傾きの開始及び終了をそれぞれ表わすピーク及び谷により境界が画定される。
【0054】
ここから、
図2を参照する。
図2は、本発明の一実施形態による、作成された心房細動における一組の単極LATである。これらの値は、本発明の一実施形態による、64個(8×8)の電極を有する心内膜マッピングカテーテルにより生成された読取値から導出される。この表示において、各正方形は、右上角の位置番号39(1〜64で変動する)により特定される。正方形41は、概ね、負の最大傾き(dV/dt)から得られ、信頼できる、太字フォントの単極LATを示す。これらは、固定されており、変更することができない。正方形43は、この正方形の上下にそれぞれ示された上限値及び下限値を有するLAT時間窓内に入る、通常フォントのLATを示す。これらの限界値は、LATが定義される傾き(最大−dV/dt)の境界を画定する、ピーク及び谷の時間発生から導出される。これらの限界値は、LATに先立ち、LATに続き、以下に記載されるアルゴリズムが実行される前に決定される。これらの限界値内において、正方形45内の値は、以下に記載されるアルゴリズムにより変化され得る。下線付きフォントの数字を有する正方形45は、信頼性が足りない。正方形が無い格子における位置も、信頼性が足りない読取値を表わす。いくつかの場合には、例えば、正方形47では、LAT時間窓の代替の上限値及び下限値を利用でき、この正方形の右側及び左側にそれぞれ示されている。代替の限界値は、通常、短い又は長い二重電位に基づいている。すなわち、この代替の限界値は、LATが定義される傾き(最大−dV/dt)に関する初期及び後期の傾きから導出される。これらの限界値は、アルゴリズムが実行される前に決定される。本明細書で開示された本発明の原理は、他の数の電極を有するカテーテルに適用可能である。
【0055】
LATの最適化
上記のように、いくつかの電極におけるLATは、所定の時間窓の境界内に割り当てられ得る。あるいは、LATは、心内電位図中の代替の傾きから割り当てられ得る。この割り当てのためのアルゴリズムは、波伝播コヒーレンス関数と呼ばれる。同関数は、各電極について、その電極のLATに対する伝播ベクトルの最小速度偏差角
【0056】
【数1】
に関する。ここから、
図3を参照する。
図3は、本発明の一実施形態による、単極電極についてのLATを最適化するための方法の高レベルのフロー図である。プロセスの工程は、表示の明瞭化のために、
図3における特定の直線的シーケンス及び本明細書における他のフロー図に示される。しかしながら、かかる工程の多くは、並行して、非同期的に、又は異なる順序で行われてもよい点は明らかであろう。当業者であれば、プロセスを、例えば、状態図において、多数の相互に関連する状態又は事象としても代替的に表わされ得ることを理解するであろう。更に、例示されているプロセスの工程の全てが、かかる方法の実施に必要とされるわけではない。
【0057】
最初の工程49において、心臓は、マルチ電極マッピングカテーテルにより、従来通りにカテーテル処置される。Biosense Websterから入手できるPentaRay(登録商標)NAV又はNavistar(登録商標)Thermocool(登録商標)カテーテルのようなカテーテルが、最初の工程49に好適である。カテーテルの電極は、一方の心房の各位置とガルバニック接触状態にある。
【0058】
次に、工程51において、電極及びその配置のマップが、電極メッシュとして表わされ得る。興奮マップから、ブロックのラインを明らかにできる。ここから、
図4を参照する。
図4は、本発明の一実施形態による、心房細動におけるブロックのラインを示す電極格子を示す例示的な図である。局所興奮到達時間が、正方形53に示されている。電極位置55のうち、いくつかは正方形53により隠されているが、格子を形成する。質の低い電極信号は、アスタリスク57で示されている。これらの信号は、LAT決定用には信頼性が足りないものである。ブロック点59は、目的とする時間窓の外側にある局所興奮到達時間を有する。ブロックのラインは、ブロック点61の集合体により示されている。
【0059】
次に、工程63において、心房の電気的活動が、それぞれが各位置を有する、カテーテルの複数の電極について同時に記録される。これらの各位置は、システム10(
図1)の位置追跡能を使用して決定され得る。可能であれば、最大−dV/dt偏差のような従来法を使用して、心房の脱分極が最初に検出される。参照により本明細書に組み込まれる、本願発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第14/693,042号において教示された方法を使用して、心室遠距離場活動が実行され得る。電位図は、各時点において、一連のフレームに分割される。
【0060】
次に、工程65において、興奮マップが、伝播波のマップに変換される。この変換は、フレーム分割プロセスにより達成される。同プロセスは、以下で検討される。通常必須ではないが、このプロセスは、三次元の三角形メッシュとして、心房をモデル化することを要する場合がある。メッシュを生成するための方法としては、ボールピボッティングアルゴリズムが挙げられる。あるいは、メッシュは、複数の三角形を含むドロネー三角形分割として生成されてもよい。メッシュに関するフレーム分割により、変換が達成される。フレーム分割は、
図6の検討において、以下に記載されている。
【0061】
ここから、
図5を参照する。
図5は、本発明の一実施形態による、237〜399ミリ秒の範囲における、10個の波フレームのシーケンスである。同図の左側における2つのフレームに代表的に示されているように、区域67に、非活動性の波が示されている。区域69は、ブロックのライン73により分離された、波71を示す。フレームの左下角の数字は、時間(ミリ秒)を示す。
【0062】
図3に戻って、工程75において、電極の興奮到達時間が最適化される。これは、反復法であり、
図15に関連して記載されている。
【0063】
制御は、最終工程77に進む。有効な読取値が得られた各電極について、固定されたLAT又は最小速度偏差角を生成するLATが報告される。
【0064】
フレーム分割
ここから、
図6を参照する。
図6は、工程65(
図3)において記載される、フレーム分割を示すフロー図である。同図は、本発明の一実施形態による、フレーム分割を説明する。フレームは、最も論理的に互いに関連している複数のLATにより満たされている。本プロセス内で、伝導速度が算出される。伝導ブロックが、後続のフレーム内の対応するLATを参照して決定される。
【0065】
アルゴリズムが実行される過程中、ソースのリストが維持される。ソースのリストは、電極の番号と、関連付けられたLATを含み、これらは、隣接LATに対してチェックされて、ブロック又は伝導が決定される。伝導性であると判明した電極の番号が、ソースリストに追加され、次回アルゴリズムが実行されるときにチェックをされる。このようにして、アルゴリズムは同じ波に属する電極番号の領域を成長させる。
【0066】
ブロック79においては、ソースフレームが決定される。このブロックへの入力は、フレームの構造体と、距離行列と、ソース電極から得られたLATと、である。ブロック79からの出力は、ソース電極のためのフレーム番号である。フレーム番号の割り当ては、ソース電極のLATでの、フレームの空白に基づく。割り当ての決定を支援するために、全ての空白フレームに対して、表2に示されるようなMatlabのルーティーンを用いて以下の特性が算出される。
【0068】
それぞれの空白フレームに対する特性に基づいて、決定のルールがリスト1の擬似コードに与えられる。
【0069】
リスト1
利用可能な空白フレームが無い場合、アクト最小マップ
ソース{ele/LAT}が次のフレームに割り当てられる。
あるいはもし、1つ又は2つ以上の伝導性第1順序隣接活動を伴うフレームが利用可能である場合、
ソース{ele/LAT}が、最も近いLATを有するフレームに割り当てられる。
あるいはもし、伝導性隣接活動を伴うフレームが1つも利用可能でない場合、
もし、最も近いLAT<100m秒(AFサイクル)である場合、
ソース{ele/LAT}が、最も近いLATを有するフレームに割り当てられる。
あるいは、
ソース{ele/LAT}が次のフレームに割り当てられる。
end
終了
【0070】
ここから、
図7を参照する。
図7は、本発明の一実施形態による、Matlabルーティーンを使用する上記のアルゴリズムにより生成された、例示的なフレーム分割マップである。フレーム内の空白区域は、電極が検出され損なうことの一因とされ得るか、又はフレーム分割のプロセス中に検出される波間のブロックが存在する場合、値の再割り当ての結果として、次のフレームに存在する波の一因とされ得る。
【0071】
ここで
図8を参照すると、同図は、本発明の一実施形態による、例示的フレーム分割行列81、及び上記のアルゴリズムとMatlabルーティーンとにより生成された電気解剖学的マップを示す複合図である。ブロックのラインが、点により示されている。例えば行列81上の点83、及びマップ87、89上の点85が示されている。
【0072】
領域成長
電極メッシュによる心房細動波の検出は、領域成長のアルゴリズムと、フレーム生成及び分割アルゴリズムとを要する。ここで
図9を参照すると、同図は、本発明の一実施形態による、領域成長のプロセスを説明する図である。このプロセスは反復的である。例えば、番号特定により、3×3格子の中央付近の隣接電極を特定するのが都合よい。領域成長のために、正規化された伝導速度が、3×3格子内の中央の電極と、8つの隣接電極とのLATを用いて算出される。
【0073】
ブロック93において、電極の3×3正方格子91が特定され、破線により区切られた正方形で示される。
【0074】
次にブロック95において、段階97での正方格子91において伝導が評価される。このプロセスは以下を必要とする:
(1)正方格子91内の中央電極99と隣接電極との間の三次元距離を算出すること、
(2)中央電極99と隣接電極との間の局所興奮到達時間間隔を決定すること。
【0075】
追加的情報が、領域の拡張のために利用可能である:
(1)LAT時間窓。これらは、LATの不正確さの指標を提供する。
(2)3×3格子内の、4つの2×2正方形の伝導速度ベクトル。
(3)一次アノテーション及び、隣接IC−ECGに対するFF傾き(二次アノテーション)。
(4)IC−ECGの品質及びLAT品質。
【0076】
ここで、伝導の完全性、又は伝導ブロックが、以下に基づいて決定され得る:
CV
norm=d(LAT)/d(LOC)、式中、LOCは、心内電極の位置を指す。
CV
norm≧CV。
【0077】
ブロックは、CV
norm≦CV
norm_minの場合に示される。この場合には、
CV≦CV
norm_minである。
【0078】
代替的な伝導検出戦略は、伝導速度ベクトルの大きさを、高品質のIC−ECGとLATに対してのみ決定することを含む。本方法は、LATの不正確さに対して影響されやすいという問題がある。
【0079】
他の代替的伝導検出戦略は、標準的な方法を用いて、四次表面の3×3フィットをLAT上に適合させることを要する。これは、過剰決定のソリューションとなるが、LATの不正確さに対してはより強いものとなる。
【0080】
フレーム分割及び領域成長に関する更なる詳細は、上記の米国特許出願公開第2016/0045123号に見出される。
【0081】
心房興奮のマッピング
ここから、
図10を参照する。
図10は、本発明の一実施形態による、上記の手法を使用して生成された、典型的な分割マップの一部である。1つのフレームは、2つ以上の波を含んでもよく、所定の波が、複数のフレームにわたって延長することができる。そのような場合には、波は、線ハッチパターンにより、互いに区別され得る。
【0082】
本発明の実施形態において、上記のより微細なカテーテルメッシュ上に興奮波を生成するために、内挿が利用される。内挿の利点としては、比較的大きな信号振幅及び負の傾きが存在する場合、時空間的に定義されたより良好な興奮到達時間が挙げられる。そのような場合でなければ、可能性のある代替の(初期又は後期)興奮到達時間が明らかにされる。これらは、LAT近くの大きな負の傾きを特徴とする。
【0083】
電極メッシュは、表示の目的には比較的目が粗いため、上記のCARTO 3システムのような三次元マッピングシステムは、面上の点間の測地的距離に反比例するように構成され、疑似色マップでの結果を表示する、重み付け手段を使用することにより内挿されたサンプル点を有する。
【0084】
他の内挿技術としては、ラプラシアン内挿が挙げられる。しかしながら、従来の表面ラプラシアン内挿は、解剖学的メッシュにおける不規則性、例えば、頂点間距離の変動のために、平滑なLAT/波パターンを提供し得ないことに留意されたい。これらの問題点は、参照により本明細書に組み込まれる、本願発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第15/009,285号、発明の名称「心腔の高解像度着色」の技術を適用することにより軽減され得る。
【0085】
本発明の実施形態において利用される内挿技術により、信号が「ファジィLAT」としての突然の振幅ジャンプを欠いている事例の処理が容易になる。これらは、以下に記載されている。
【0086】
ここから、
図11を参照する。
図11は、本発明の一実施形態による、興奮波表示を示すブロック図である。
【0087】
ブロック101において、心内電位図の同時取得及びフレーム分割を、上記のように行う。
【0088】
ブロック103において、電極メッシュの解像度において興奮波を生成する。ブロック103において、信号105(ELEMESH)として、ブロック101の出力である電極メッシュからの電位図を受信する。以下の興奮マップが、ブロック101において生成され、信号107として出力される。
actマップ電極ごとの最も可能性の高いLAT
act固定マップ傾き及び振幅>閾値の場合、LATが固定される。
act無効この電極について利用可能な信頼性のあるLATが存在しない。
【0089】
加えて、以下の興奮マップを、LATが固定されていない電極について利用可能である場合があるが、本明細書で開示されたアルゴリズムによって変動する場合がある。
act初期マップ代替の初期LAT
act後期マップ代替の後期LAT
act最小マップLATの下限値
act最大マップLATの上限値。
【0090】
更なる波マップ及び伝導速度(conduction velocity(CV))マップは、信号111としてのブロック101からの出力である。
【0091】
ブロック113において、通常、より詳細なメッシュ及び上記の手法を使用して、ブロック103で生成された波マップを、より高い解像度のフォーマットに変換する。ブロック113において実行される内挿手法により、コヒーレントな興奮波が生成される。同生成は、十分規定されたLATが利用可能でない場合、興奮到達時間の範囲又は初期若しくは後期の興奮到達時間の適用を要する場合がある。
【0092】
マップの内挿
上記のように、コヒーレントな波の作製は、マップの内挿を要する。この手法は、三角形メッシュが仮定されるものに関して記載される。他のメッシュ構成は、三角形に分解され得る。ここから、
図12を参照する。
図12は、本発明の一実施形態による、メッシュ上の電気波の速度ベクトルの算出を示す図である。三角形115は、エッジ117、119を含むエッジを有する。速度ベクトルが、各エッジに存在する。例えば、エッジ117についての速度ベクトル
【0093】
【数2】
は、下記により与えられる。
【0094】
【数3】
式中、d
12は、三角形115の頂点121、123間の距離であり、lat
1及びlat
2は、頂点121、123における興奮到達時間である。エッジ119についての速度ベクトルは、同様の方法で算出される。
【0096】
【数4】
は、エッジ117、119に沿った速度の合計である。
【0098】
ここから、
図13を参照する。
図13は、本発明の一実施形態による、三角形メッシュ127の一部の頂点125における速度ベクトルの算出を示す。頂点125は、
図12の等式により算出された各速度ベクトルを有する、接続された三角形129、131、133により形成されている。三角形129、131の速度ベクトル135、137が示されている。頂点125に接続された全ての三角形の速度ベクトル(速度ベクトル135、137を含む)は、頂点125に対する垂線141により規定された面139上に投影される。例えば、ベクトル143、145は、面139上での速度ベクトル135、137
【0099】
【数6】
それぞれの投影である。速度ベクトル147
【0100】
【数7】
は、頂点125に接続された三角形の全ての投影された速度ベクトルの平均である。
【0101】
ここから、
図14を参照する。
図14は、本発明の一実施形態による、波マッピングに有用な特定の変数の算出を示す図である。ベクトル149、151を含む投影された速度ベクトル及びその差分ベクトル153は、頂点155に関連付けられて配置されている。2つの投影された速度ベクトル、例えば、ベクトル149、151間の角度157は、α
kにより示される。
【0102】
頂点における速度偏差ベクトルV
dは、下記式により与えられる。
【0103】
【数8】
式中、tr1及びtr2は、頂点において接続された三角形(図示せず)であり、
【0104】
【数9】
は、その速度ベクトルである。本発明の実施形態によれば、速度偏差ベクトルは、心内電位図から伝播波を抽出するために最小化される。別の用途では、非伝播波、すなわち、ブロックされた波を規定するのが望ましい場合、速度偏差ベクトルは最大化されてもよい。一般的には、伝導速度が最小値、通常、0.2M/秒を下回る場合、ブロックが仮定される。
【0105】
図14の参照を継続して、頂点155における速度偏差角
【0106】
【数10】
は、下記により与えられる。
【0107】
【数11】
式中、nは、共通の頂点155を形成するのに接続している三角形の数である。一般的には、速度偏差角が小さい場合、波は、コヒーレントである。伝播波を得るために、速度偏差角が最少化される。
【0108】
コヒーレントなマッピングアルゴリズム
図11に戻って、信号107、111に含まれるマップが利用可能であり、電極が三角形メッシュとして表わされていると仮定される。
【0109】
以下の手順は、ブロック103において行われ得る、工程75(
図3)の一実施形態の詳細なフロー図である。ここから、
図15を参照する。
図15は、本発明の一実施形態による、心臓におけるコヒーレントな伝播波をマッピングするための方法のフロー図である。最初の工程159において、カテーテルの電極の内の1から得られたLATを含む情報が選択される。
【0110】
次に、判定工程161において、現在の電極から得られたLATが最適化される必要があるかどうかが判定される。判定工程161での判定が否定である場合、すなわち、読取値が無効であるか、又は、LATが十分規定された負の傾き(最大−dV/dt)から算出されたため、固定されている場合には、更なるアクションをとる必要がない。制御は、直ちに判定工程167に進む。同工程167は、以下に記載されている。
【0111】
判定工程161での判定が肯定である場合、制御は、工程163に進む。この場合、速度偏差角
【0112】
【数12】
は、現在の電極に対応するメッシュ上の頂点について最小化される。最適化が、接続している三角形についての速度ベクトルを計算する(等式1)のに使用されるLATを調整することにより達成される。現在の電極についての調整範囲は、上記のマップであるact最小マップ及びact最大マップから得られる。
【0113】
次に、判定工程165において、工程163の現在の反復において計算された速度偏差角がより多くの所定の許容範囲による先の反復において計算された値から変化しているかどうかが判定される。この判定が肯定である場合、アルゴリズムが継続して進む。制御は、ループを反復するために、工程163に戻る。
【0114】
判定工程165での判定が否定である場合、速度偏差角の値が収斂しており、反復工程163を継続する必要がないと判定される。制御は、判定工程167に進む。この場合、処理されるべきより多くの電極からのデータが残っているかどうかが判定される。この判定が肯定である場合、制御は、最初の工程159に戻るように進み、別の電極が選択される。
【0115】
判定工程167での判定が否定である場合、制御は、最終工程169に進む。最適化されたLATが報告される。
【0116】
第1の代替実施形態
この実施形態では、LAT傾きの前及び/又は後の代替の興奮到達時間が、短い及び長い二重電位を調整して特定される。これらの代替のLATは、最小速度偏差角の最適化に関与し得る。
【0117】
ここから、
図16を参照する。
図16は、代替の興奮到達時間が求められる本発明の別の実施形態による、心臓におけるコヒーレントな伝播波をマッピングするための方法のフロー図である。この実施形態における手順は、各電極について繰り返される。
図16に示される手順は、例えば、工程163を含む反復ループ及び判定工程165が収斂させるのに失敗し、又は、特定の電極についてのLATの信頼できる最適化をもたらすのに何らかの失敗をした場合に、
図15に関して記載される方法で調整されてもよい。そのような場合は、信号が低い振幅のもの若しくは低品質のものであるか、又は、完全に除去され得ない遠距離場活動により妨害される場合に生じる。
【0118】
判定工程171において、特定の電極についてのLATが固定されるか、又は、読取値が無効であるかどうかが判定される。判定工程171での判定が肯定である場合、アルゴリズムの残り部分は省略され、制御は、直ちに最終工程177に進む。
【0119】
いくつかの実施形態では、コンピュータ資源を節約するために、代替のLAT(act初期マップ、act後期マップ)に関連付けられた機能マップは、解剖学的に生成されず、代替の興奮は、まだ利用可能でなくてもよい。判定工程171での判定が否定ある場合、判定工程173において、現在の電極についての代替のLATが既に存在するかどうかが判定される。
【0120】
判定工程173での判定が肯定である場合、制御は、最適化工程109に進む。最適化工程109において、代替の候補の中から最小速度偏差角に対応する代替のLATを使用して、上記工程163に記載の反復ループ及び判定工程165が実行される。初期及び後期LATの両方が利用可能である場合、最適化は、それらの両方について行われる。最適化されたLATは、速度偏差角のより小さい値に対応する結果から選択される。
【0121】
判定工程173での判定が否定ある場合、初期及び後期の代替のLATが、工程175において計算される。これらは、一次傾き付近±40ミリ秒の窓内で見出された二次傾きから決定される。したがって、最適化工程109は、上記のように、計算された代替のLATに基づいて行われる。
【0122】
最適化工程109を行った後に、最終工程177において、電極メッシュについてのコヒーレントなLATが報告される。
【0123】
ここから、
図17を参照する。
図17は、本発明の一実施形態による、
図16に関して記載される方法に使用され得るデータの例示的な興奮マップである。電極メッシュについての興奮到達時間は、同図の左上に示されている。典型的な一次及び二次傾きについての表示を伴って、電極の電圧トレースが表わされている。信頼性を欠くことについてのインジケータ及び不適格の表示はそれぞれ、トレースを囲む楕円及び四角形として示される。
【0124】
微細なメッシュ及び解剖学的マップへの内挿
上記の手順は、比較的目の粗い電極メッシュ上にコヒーレントなLATを生成する。ここから、
図18を参照する。
図18は、本発明の一実施形態による、より微細な三角形メッシュにおいて表わされた心解剖構造に対する電極メッシュの関連LATについてのフロー図である。最初の工程179において、コヒーレントなLATが、上記のLAT最適化手法を使用して、電極メッシュについて生成される。
【0125】
次に、工程181において、より高い解像度を有するマップを生成するために、電極メッシュ上のコヒーレントなLATが、2×2電極の各正方形についての双線型内挿アルゴリズムを使用し、波間及び波内ブロックを考慮して内挿される。これらのブロックは、上記の米国特許出願公開第2016/0045123号の教示を使用して特定され得る。この工程は、比較的目の細かい内挿されたメッシュをもたらす。
【0126】
次いで、最終工程183において、内挿されたメッシュは、心解剖構造の目印にマッピングされる。電極位置と解剖学的メッシュ点との間の距離が20mm未満である場合にのみ、電極位置が、解剖学的モデル、例えば、解剖学的メッシュにマッピングされる。上記のCARTOシステムのような現在の位置感知装置は、カテーテル電極の三次元位置を1〜2mm内で決定し得る。しかしながら、このマッピングは、解剖学的メッシュ点の(平均における)オーバーサンプリング又はアンダーサンプリングのいずれかをもたらし得る。カテーテル電極メッシュ点の数が近くの解剖学的メッシュ点の数を超える場合(20mm未満の分離)に、オーバーサンプリングが生じる。近くの解剖学的メッシュ点の数がカテーテル電極メッシュ点の数を超える場合に、アンダーサンプリングが生じる。解剖学的メッシュ点に近い全てのカテーテル電極メッシュ点がマッピングされると、残りのカテーテル電極メッシュ点は、無効であるとマークされる。解剖学的メッシュが電極メッシュ(n=64)に対してアンダーサンプリングされるため、好ましくは、分配されない解剖学的メッシュ点(20mm未満)の内挿が内挿されるべきである。
【0127】
解剖学的モデルがセッション中ではなく、オフラインで作製された場合、解剖学的モデルが正確でないであろうために、カテーテルは、心臓を変形させ得る。この歪みは、カテーテルモデルにより変わる。心内電位図の傾き分析に基づいて、心内膜面に近い又は同心内膜面と接触しているカテーテル電極を繰返し特定し、配置し、セッション中に必要とされる解剖学的メッシュを調整することによる歪みを補償するのが推奨される。この方法において、伝播波が、セッション全体を通して、心解剖構造と正確に関連付けられ得る。
【0128】
ここから、
図19を参照する。
図19は、本発明の一実施形態による、
図18の方法における段階を示す一群の図である。同図の右側における
図185は、番号付きカテーテル電極メッシュ点187の平滑化マップを表わす(点識別子のうちのいくつかは、明瞭化のために省略されている)。このマップは、
図185の下部において、伝播波189を示す。
【0129】
図191は、心房の解剖学的モデルに適合されたカテーテル電極を示す。カテーテル電極の分布は、不規則な線状マーキング193として、このモデル上に示される。中央区域195は、心内膜面と接触していても又は接触していなくてもよい、マッピングカテーテルのエンベロープを表わす。
【0130】
図197は、解剖学的モデルにマッピングされたカテーテル電極メッシュ点の位置を表わすマップである。上記のように、同モデルは、目の細かい三角形メッシュである。複数の伝播波199が示される。
【0131】
第2の代替実施形態。
先の実施形態で記載される範囲内でのLAT調整は、興奮到達時間を指定するための、より広い技術の空間的事例である。同興奮到達時間は、本明細書において、「ファジィ興奮到達時間」又は「ファジィLAT」と呼ばれる。ファジィLATは、最初にLofti Zadeh及び後にBart Koskoらにより記載された、ファジィ論理、ファジィ数学ルール及びファジィ設定の一般理論に基づくファジィ数を指す。この概念において、変数は、真の値を割り当てられる。同値は、0〜1の間の任意の実数であり得る。対照的に、ブール論理では、変数の真の値は、専ら0又は1である。この実施形態では、真の値は、検出されたLATから逸脱した際に、低下するLATに割り当てられる。更に、ファジィLATは、ファジィ数学ルールを使用して組み合わせられ得る。ファジィLATを使用して生成されたコヒーレントなマップは、「ファジィコヒーレントマップ」と呼ばれる。この概念は、初期及び後期の代替のLATを含む可能性を、LATの範囲に小さくして、コヒーレントなマップを作製する。
【0132】
電極メッシュについての注釈
マッピングアレイにおいて、neは、アレイ中の電極の数である。
LAT
eは、電極e(1≦e≦ne)におけるLAT(ミリ秒)である。
μ
eは、電極eにおける興奮についてのファジィメンバシップ関数である。メッシュ表面については、μ
e=1である。ファジィメンバシップ関数は、ファジィLATを定義する。最大−dV/dtに関連付けられたLATは、1の値を割り当てられる。三角形のメンバシップ関数は、負の傾き及びLATに関連付けられたピーク(初期)及び谷(後期)において、ゼロにテーパーオフする。このメンバシップ関数下面積は、1に正規化される。したがって、比較的急勾配な負の傾きにより、負の傾きの境界を画定するピーク及び谷間の時間に等しい狭い底を有する、鋭く高い振幅メンバシップ関数が提供される。対照的に、浅い負の傾きにより、広い底の低い振幅のメンバシップ関数が提供される。
【0133】
解剖学的メッシュ上にマッピングされた一組の局所興奮到達時間について、
nuは、メッシュにおける頂点の数である。
LAT
uは、メッシュ頂点u(ミリ秒)(1≦u≦nu)におけるLATである。
μ
uは、頂点における興奮についてのファジィメンバシップ関数であり、メッシュの表面上の関数μ
eに相当する。μ
u=1。しかしながら、ファジィメンバシップ関数μ
uは、重み付き(ノッチなし)三角形メンバシップ関数の複合体である。隣接頂点のメンバシップ関数は、
図25に示されたように、主要な頂点及び隣接頂点間を伝播する波の距離及び伝導速度に関してノッチなしである。メッシュ頂点についてのクリスプなLATを導出するために、例えば、以下に記載される重心(center of gravity(CoG))法を使用する「非ファジィ化」が必要となる。
【0134】
ここから、
図20を参照する。
図20は、本発明の一実施形態による、心内電位図からのファジィLAT導出を示す複合図である。電位
図201は、ピーク時間203(P
e)、谷時間205及び中間時間207を有する。メンバシップ関数μ
eのグラフ209は、時間LAT
eにおける最大値と、それぞれピーク及び谷時間P
e及びV
eにおけるゼロ値とを有する三角形である。
【0135】
ここから、
図21を参照する。
図21は、本発明の一実施形態による、心内電位図の形態に対するファジィLATに関する複合図である。心内電位
図211の負の傾きは、目的とする時間窓についての参照を提供する。心内電位
図213において、広く伝播する細動波が、それぞれピーク及び谷時間P
e及びV
eに対応する、垂直破線により境界された3ミリ秒の傾きを生成する。グラフ215において、最大メンバシップ値である最大(μ)は、1にならなければならない。次いで、曲線217下面積は、1.5になる。
【0136】
関数μ
eのプロットの形態は、電極と心内膜との間の接触状態に関連し得る。ここから、
図22を参照する。
図22は、本発明の一実施形態による、心内膜から異なる距離にある電極についての関数μ
eの一連のプロットである。グラフ219において、電極は、心内膜と接触している。グラフ221、223において、電極は、心内膜から離れた距離に位置している。曲線はますます広がり、関数μ
eの最大値は、心内膜からの距離の増大につれて減少する。
【0137】
ここから、
図23を参照する。
図23は、本発明の一実施形態による、マルチ電極カテーテルから得られた関数μ
eの一連のプロットである。鋭いピークを有する三角形、例えば、三角形225は、心内膜と接触している電極に対応する。他の三角形は、接触していない。一般的には、三角形の底辺の幅が大きいほど、この関数の最大値は小さくなり、電極と心内膜との間の距離が長くなる。
【0138】
ファジィコヒーレントマッピングの目的のメッシュは、カテーテル電極メッシュ又は心解剖構造をモデル化するメッシュのいずれかであり得る。この開示の目的で、「主要な頂点」とは、カテーテル電極のうちの1つの位置に最も密接に対応するメッシュにおける頂点を指す。
【0139】
ファジィコヒーレントマッピングについての注釈
3D空間中の電極位置
P
e 電極位置
S
pe 一組のマッピングアレイ上の電極位置(ne)。
メッシュの定義
Tu
i メッシュ三角形、1≦i≦nTu
nTu メッシュ三角形数
Vu
j メッシュ頂点、1≦j≦nVu
nVu メッシュ頂点の数
Mu 一組のTu及びVu
メッシュ頂点について
PVノード 主要な頂点ノード
NBノード 隣接ノード
EXノード 外挿されたノード(主要な頂点ノード又は隣接ノードのいずれでもない)
各頂点は、以下の組のうちの1つに属する。
a組 LATなし(EXノード)
b組 正確に1つのファジィLAT(PV又はNBノード)
c組 2つ以上のファジィLAT(PV又はNBノード)。
【0140】
距離行列は、電極と解剖学的メッシュ頂点との間で算出される。
D
eu 距離行列(n
u×n
e)
【0141】
主要な頂点上でのマッピング
D
eu及びμ
eと仮定すると、各電極興奮LAT
eの寄与は、
図24に示された最大の真の値μ
uPVを有する、メッシュ上の最も近位の頂点(主要な頂点:PV)上にマッピングされる。
LAT
e→LAT
uPV;μ
e→μ
uPV
【0142】
メンバシップ関数を使用して、主要な頂点近くの隣接が定義される。隣接LATμ
uは、LAT
uPV周囲の量d
uNB,Pv/CV
globalにより決定される。しかしながら、興奮の方向は、未だに不明である。ファジィメンバシップ関数は、2
*d
uNB,Pv/CV
globalの幅により平坦にされる。この操作は、
図25に示される。
【0143】
隣接は、重複してもよく、メッシュ頂点における2つ以上のファジィLATを作製する。ここから、
図26を参照する。
図26は、本発明の一実施形態による、メッシュにおける隣接の重複を示す図である。
図26の左側は、グループ227であり、隣接する3つの主要な頂点は、主要な頂点が中心にある各円により表わされている。同図の右側は、グループ229であり、同グループにおいて、主要な頂点の隣接頂点が上記のように定義されている。いくつかの隣接頂点、例えば、頂点231、233は、2つ以上の隣接内にある。
【0144】
ここから、
図27を参照する。
図27は、本発明の一実施形態による、メッシュの隣接を示し、2つのグラフを提示する。この図は、メッシュ頂点における複数のファジィLATが異なる真の値を有し得ることを示す。伝播波は、矢印235により示される。ファジィLAT 237、239、241は、3つの別々の隣接のグループ234にあり、グラフ251に示されたように、各真の値245、247、249を有する。グラフ253は、重み付きのノッチが無い三角形メンバシップ関数の複合体である、メンバシップ関数を示す。グループ243についてのファジィLATの算出は、「重心」(CoG)法を使用する。同方法において、メンバシップ関数は、曲線下面積が等しくなるように、2つの部分に分割される。
【0145】
ここから、
図28を参照する。
図28は、本発明の一実施形態による、主要な頂点のグループにおけるCoGに基づくファジィLATの算出を示す複合図である。関数μ
uは、3つの主要な頂点255、257、259について、プロットとしてグラフ的に示され、及びこの関数は、図式表示261における頂点周囲のゾーンにより離散化される。CoG263は、頂点255、257、259についての関数μ
uの複合プロット265を有する。
【0146】
多くの頂点(EXノード)は、割り当てられた関数μ
uを欠いている場合がある。EXノードについての関数μ
uの値は、主要な頂点(PVノード)近くを通過する、外挿された興奮波の評価により割り当てられる。ここから、
図29を参照する。
図29は、本発明の一実施形態による、外挿された頂点を有するメッシュを示す。関数μは、頂点について下記のように算出される。
1.メッシュ上のEXノードと全ての主要な頂点との間の最短距離を算出する。
2.関数μ
uEX=f(μ
uPV,d
PV,EX)の値を算出する。プロット267に示されたように、5つの最も高い真の値を有する関数μ
uEXの場合のみが考慮されることを除いて、この算出は、上記の隣接ノードの初期化と同様である。
3.工程2において組み合わせられた関数μ
uEXから、CoG法を使用してファジィLATを算出する。
【0147】
ファジィコヒーレントマッピングにおける興奮の最適化
ここから、
図30を参照する。
図30は、本発明の一実施形態による、ファジィ興奮を最適化する方法のフロー図である。最初の工程269において、関数μ
uについての初期値は、メッシュの興奮フレームにおける、主要な頂点及び隣接ノードに割り当てられる。これらの手順は、上記に記載されており、ここでは繰り返さない。
【0148】
次に、工程271において、コスト関数が評価される。コスト関数の値は、メッシュ頂点についての全ての最大ファジィ真の値μ
uの平均である。この結果は、近位頂点のメンバシップ関数の重み付けを小さくすることにより大きくなる。
【0149】
次に、判定工程273において、現在の反復におけるコスト関数が(所定の許容範囲内で)先の反復のコスト関数より小さいかどうかが判定される。この判定が否定である場合、制御は、最終工程275に進み、この手順は終了する。
【0150】
判定工程273での判定が肯定である場合、制御は工程277に進む。関数μ
uの値は、現在の頂点についての速度偏差ベクトルを最小化することを含む最適化手法に基づいて更新される。この手法は、
図14に関して記載される手法に類似する。その詳細については、簡略にするため繰り返さない。その効果は、興奮波の伝導において、均一性を最大化することであり、少なくとも0.2m/秒で伝達する。そのような波は、通常、連続的な方法において伝播すべきである。工程277が完了した時点で、各関数μ
uを有する一組のファジィLATが存在する。
【0151】
コスト関数が連続的な反復において最適化されるため、
図31に示されたように、関数μ
uの値は大きくなり、その広がりは小さくなる。
図31は、本発明の一実施形態による、最適化前後のメッシュの頂点における関数μ
uの2つのプロットである。
【0152】
図30に戻って、次に、工程279において、値LAT
uは、関数μ
uの現在の値から計算される。次いで、この手順が、工程271において反復する。隣接頂点のうちの少なくとも1つがμ
u>μ
u minを有するかどうかの訂正について、頂点がマークされる。関数μ
uが訂正についてマークされている全てのファジィLATは、各反復の終了時に同時に更新される。各反復工程において、頂点におけるファジィLATは、等式1〜4の検討において上記のように、周囲の三角形の速度ベクトルとこれらのベクトルの平均との間の角度を最小化するように調整される。下限値は、ブロックのラインを除外するために、速度に置かれる。
【0153】
ここから、
図32を参照する。
図32は、本発明の一実施形態による、隣接頂点を含む区域内の中央における均一な伝導の最適化を示す図である。この図は、28ミリ秒のファジィLATを有する頂点281を示す。伝導速度は、矢印の隣に示されている。ファジィLAT(LAT
2−LAT
6)を有する5つの隣接頂点が、示されたように、各伝導ベクトルを有する頂点281を取り囲んでいる。一般的には、平均CVが正である場合、波は、接近するより速く、点から離れるように移動する。CoGにおけるLAT(LAT
1)は小さくならなければならない。
【0154】
LATの変動は、三角形間の時間差により、速度ベクトルの回転をもたらす。これを取り扱うために、速度偏差角は、頂点281における中央LATのステップアップ及びステップダウンを使用することにより計算される。より小さい差分角を生成する方法が選択される。
【0155】
ここから、
図33を参照する。
図33は、本発明の一実施形態による、
図32に類似する図である。この例では、伝導ブロック283が存在し、関数μ
uは更新されない。アルゴリズムが反復した後に、伝導速度が所定の最小値を下回る場合、頂点間の接続は除去される。
【0156】
当業者であれば、本発明が上記で具体的に図示及び記載されたものに限定されない点を理解するであろう。むしろ、本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせ、並びに上記の説明を読むことで当業者が想到するであろう、先行技術にはない特徴の変形例及び改変例をも含むものである。
【0157】
〔実施の態様〕
(1) 方法であって、
複数の電極を有するプローブを、生体被験者の心臓内に挿入する工程と、
前記心臓の各位置において同時に、前記電極からの電位図を記録する工程と、
前記電位図中の各興奮到達時間間隔の範囲を定める工程と、
前記興奮到達時間間隔から、電気的伝播波のマップを生成する工程と、
前記電位図の前記興奮到達時間間隔内の局所興奮到達時間を調整することにより前記波のコヒーレンスを最大化する工程と、
前記調整された局所興奮到達時間を報告する工程と、を含む、方法。
(2) 前記心臓内の組織をアブレーションして、前記波を変更することを更に含む、実施態様1に記載の方法。
(3) 前記興奮到達時間間隔が、傾きの開始及び終了を表わすピーク及び谷により範囲を定められた第1の間隔と、前記第1の間隔付近の窓を含む第2の間隔と、を含み、局所興奮到達時間を調整することが、前記第2の間隔内で行われる、実施態様1に記載の方法。
(4) 前記第1の間隔付近の前記窓が、±40ミリ秒である、実施態様3に記載の方法。
(5) 前記電極の前記各位置における前記局所興奮到達時間が、0〜1で変動するファジィ電極メンバシップ関数(μ
e)として表わされる、実施態様1に記載の方法。
【0158】
(6) 前記電気的伝播波のマップを生成することが、前記電位図を各時点での一連のフレームに分割することを含み、前記フレームが、値の行列に対する前記電極の読取値の各割り当てである、実施態様1に記載の方法。
(7) 前記電極の局所興奮到達時間を、前記値の行列から割り当てる工程と、
前記心臓の少なくとも一部を、頂点を有するメッシュとしてモデル化する工程であって、前記頂点の一部が、前記電極の前記各位置に対応する、モデル化する工程と、
前記割り当てられた局所興奮到達時間に基づいて、前記フレームから、前記頂点間の電気的伝播の伝導速度を決定する工程と、
前記伝導速度を使用して、前記波の前記コヒーレンスを計算する工程と、を更に含む、実施態様6に記載の方法。
(8) 前記波のコヒーレンスを最大化することが、
前記伝導速度を、伝導速度ベクトルとして表わすことと、
各頂点での速度偏差ベクトルを、前記伝導速度ベクトルから計算することと、
前記速度偏差ベクトルの長さを最小化することと、を含む、実施態様7に記載の方法。
(9) 前記電極の前記各位置に対応しない前記メッシュ上の頂点の興奮到達時間を内挿することを更に含む、実施態様7に記載の方法。
(10) 前記メッシュの前記頂点における興奮到達時間が、0〜1の間で変動するファジィ頂点メンバシップ関数(μ
u)として表わされ、前記頂点の各々における前記頂点メンバシップ関数が、その隣接頂点の前記頂点メンバシップ関数の重み付き組み合わせを含む、実施態様7に記載の方法。
【0159】
(11) 前記波のコヒーレンスを最大化することが、前記メッシュの頂点における前記興奮到達時間を調整して、前記メッシュにおける前記頂点メンバシップ関数の平均値を最大化することを含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 頂点メンバシップ関数を、前記メッシュの非隣接頂点に外挿により割り当てることを更に含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 装置であって、
複数の電極を有し、かつ生体被験者の心臓内への挿入に適合されたプローブと、
プロセッサであって、前記電極から電気信号を受信し、かつ
前記心臓の各位置において同時に、前記電極からの電位図を記録する工程と、
前記電位図中の各興奮到達時間間隔の範囲を定める工程と、
前記興奮到達時間間隔から、電気的伝播波のマップを生成する工程と、
前記電位図の前記興奮到達時間間隔内の局所興奮到達時間を調整することにより前記波のコヒーレンスを最大化する工程と、
前記調整された局所興奮到達時間を報告する工程と、を行うように構成されている、プロセッサと、を備える、装置。
(14) 前記心臓内の組織をアブレーションして前記波を変更するための、前記プローブに接続されたアブレーション電力発生装置を更に含む、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記興奮到達時間間隔が、傾きの開始及び終了を表わすピーク及び谷により範囲を定められた第1の間隔と、前記第1の間隔付近の窓を含む第2の間隔と、を含み、局所興奮到達時間を調整することが、前記第2の間隔内で行われる、実施態様13に記載の装置。
【0160】
(16) 前記第1の間隔付近の前記窓が、±40ミリ秒である、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記電極の前記各位置における前記局所興奮到達時間が、0〜1で連続的に変動するファジィ電極メンバシップ関数(μ
e)として表わされる、実施態様13に記載の装置。
(18) 前記電気的伝播波のマップを生成することが、前記電位図を各時点での一連のフレームに分割することを含み、前記フレームが、値の行列に対する前記電極の読取値の各割り当てである、実施態様13に記載の装置。
(19) 前記電極の局所興奮到達時間を、前記値の行列から割り当てる工程と、
前記心臓の少なくとも一部を、頂点を有するメッシュとしてモデル化する工程であって、前記頂点の一部が、前記電極の前記各位置に対応する、モデル化する工程と、
前記割り当てられた局所興奮到達時間に基づいて、前記フレームから、前記頂点間の電気的伝播の伝導速度を決定する工程と、
前記伝導速度を使用して、前記波の前記コヒーレンスを計算する工程と、を更に含む、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記波のコヒーレンスを最大化することが、
前記伝導速度を、伝導速度ベクトルとして表わすことと、
各頂点での速度偏差ベクトルを、前記伝導速度ベクトルから計算することと、
前記速度偏差ベクトルの長さを最小化することと、を含む、実施態様19に記載の装置。
【0161】
(21) 前記電極の前記各位置に対応しない前記メッシュ上の頂点の興奮到達時間を内挿することを更に含む、実施態様19に記載の装置。
(22) 前記メッシュの頂点における興奮到達時間が、0〜1で変動するファジィ頂点メンバシップ関数(μ
u)として表わされ、前記頂点の各々における前記頂点メンバシップ関数が、その隣接頂点の前記頂点メンバシップ関数の重み付き組み合わせを含む、実施態様19に記載の装置。
(23) 前記波のコヒーレンスを最大化することが、前記メッシュの前記頂点における前記興奮到達時間を調整して、前記メッシュにおける前記頂点メンバシップ関数の平均値を最大化することを含む、実施態様22に記載の装置。
(24) 頂点メンバシップ関数を、前記メッシュの非隣接頂点に外挿により割り当てることを更に含む、実施態様22に記載の装置。