(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-18531(P2017-18531A)
(43)【公開日】2017年1月26日
(54)【発明の名称】ピーラ
(51)【国際特許分類】
A47J 17/02 20060101AFI20170105BHJP
【FI】
A47J17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-141199(P2015-141199)
(22)【出願日】2015年7月15日
(71)【出願人】
【識別番号】506204047
【氏名又は名称】プラスワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(72)【発明者】
【氏名】青木 光男
(57)【要約】
【課題】指挿通部を設けることで、指が把持部から外れることがないようにする。
【解決手段】本体部20の中央には透孔から成る指挿通部23が穿設されている。刃部保持部22の先端には、板刃部30の両端を係止する一対の保持孔25が対向するように穿設されている。
板刃部30は金属板であって、中央にスリット状の皮排出溝31が設けられており、板刃部30の両縁部には鋭利な刃部32が形成されている。ピーラ10を右手で使用する場合は、親指により凹部26を、中指、薬指で凹部27を把持し、更に指挿通部23に人差し指を挿通する。この状態で野菜等の表面に板刃部30に刃部32を当接し摺動させることで、刃部32により削り取られた皮が皮排出溝31から排出される。このように、把持する際に、人差し指を指挿通部23に挿通させているために、手から滑り落とすことはない。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部、及び該把持部と連続し、先端が分岐した刃部保持部を備えた本体部と、前記刃部保持部の先端間に保持した金属製の板刃部とから成るピーラであって、
前記把持部に1個所又は2個所の指挿通部を設けたことを特徴とするピーラ。
【請求項2】
前記指挿通部は前記本体部の中央に設けた孔部としたことを特徴とする請求項1に記載のピーラ。
【請求項3】
前記指挿通部は前記本体部に対して垂直に起立するリング状としたことを特徴とする請求項1に記載のピーラ。
【請求項4】
前記指挿通部は、水平方向に張り出すように前記本体部の両側に設けたことを特徴とする請求項1に記載のピーラ。
【請求項5】
前記指挿通部はリング状であることを特徴とする請求項4に記載のピーラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば野菜等の皮を剥くためのピーラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の野菜や果物等の皮を剥くピーラが開示されている。このピーラの刃部を野菜等の皮に当接し、引っ張るように摺動することで、安全に素速く皮を剥くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3188965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上述のピーラでは、把持部を手で掴んだ状態で手前側に引っ張るように摺動させたときに、手が濡れていると把持部から指が滑ってしまうことがある。
【0005】
このような手の滑りを防止するために、把持部と刃部を保持する刃部保持部との間に凹みを設けて指をこの凹みに掛けるようにして皮を剥くピーラも広く知られている。
【0006】
しかし、野菜等の厚い皮を剥くときのように、力が必要な場合に手が濡れていると、指が凹みから滑ってしまうという問題がある。更に、滑ったピーラの刃部により、怪我をする虞れもある。
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解消し、指挿通部を設けることで、指が外れることのなく、安全に素速く皮を剥くピーラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るピーラは、把持部、及び該把持部と連続し、先端が分岐した刃部保持部を備えた本体部と、前記刃部保持部の先端間に保持した金属製の板刃部とから成るピーラであって、前記把持部に1個所又は2個所の指挿通部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るピーラによれば、指挿通部を設けることにより使用中に滑りを生ずることがなく、手からピーラが離れることはない。従って、野菜等の皮剥きを安全に素速く剥くことができ、引っ張り方向に対して強い力を掛けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】実施例3の変形例であるピーラの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は実施例1におけるピーラの斜視図であり、
図2はピーラを把持した状態の斜視図である。
【0013】
ピーラ10は、プラスチック等から成る本体部20と、この本体部20の先端間に保持された金属製の板刃部30とから構成されている。本体部20は一体成型により造られた板状体であり、把持部21と、この把持部21に連続し、先端が逆U字状に分岐した刃部保持部22とから成っている。
【0014】
また、本体部20の中央の1個所には透孔から成り指係止部として機能する指挿通部23が穿設されており、この指挿通部23の直径は2cm程度である。把持部21の後端中央には、不使用時にフック等に引っ掛けるためのフック用孔部24が設けられている。
【0015】
刃部保持部22の先端には、板刃部30の両端を係止する一対の保持孔25が対向するように穿設されている。また、刃部保持部22側の把持部21の両側面には内側に凹んだ凹部26、27が設けられている。
【0016】
板刃部30は薄板状のアルミニウム、ステンレス等から成る金属板であって、中央にスリット状の皮排出溝31が設けられており、皮排出溝31の上縁部には鋭利な刃部32が形成されている。
【0017】
また、板刃部30の両端には、刃部保持部22の保持孔25に挿入する係止突部33が設けられており、これらの係止突部33を保持孔25に挿入し、図示のように板刃部30は傾いた状態で刃部保持部22に保持される。
【0018】
ピーラ10を右手で使用する場合は、
図2に示すように親指により凹部26を、中指、薬指で凹部27を把持し、更に指挿通部23に人差し指を挿通する。この状態で野菜等の表面に板刃部30の刃部32を当接し、野菜の表面に沿ってピーラ10を手前側へ摺動させることで、刃部32により削り取られた皮が皮排出溝31から排出される。
【0019】
このように、ピーラ10を把持する際に、人差し指を指挿通部23に挿通させているために、手からピーラ10を滑り落とすことはない。
【実施例2】
【0020】
図3は実施例2のピーラの斜視図であり、実施例1の指挿通部23に代えて、本体部20に対して垂直に起立し、板刃部30と直角になるように配置したリング状の指挿通部23aが設けられている。
【0021】
このピーラ10を使用する場合には、人差し指を指挿通部23aに挿通し、手から滑らないようにして使用する。なお、指挿通部23aの本体部20の設置個所は、手で把持した際に人差し指が挿通し易いように本体部20の片側に寄る位置に配置することが好ましい。
【実施例3】
【0022】
図4は実施例3のピーラ10の斜視図であり、本体部20の
図1に示す両側の凹部26、27のそれぞれの外側の2個所に、張り出すようにリング状の指挿通部23bが設けられている。
【0023】
使用に際しては、これらの水平方向に張り出したリング状の指挿通部23bに、例えば親指と人差し指とをそれぞれ挿通して使用する。なお、親指を挿入する指挿通部23bの直径を、人差し指を挿入する指挿通部23bの直径よりも大きくしてもよい。
【0024】
図5は実施例3のピーラの変形例の斜視図である。両側の指挿通部23cは完全なリング状ではなく、一部が切欠されている。
図4のピーラ10と同様に指挿通部23cに親指と人差し指とをそれぞれ配置することができる。
【0025】
実施例1〜3のピーラ10は、いずれも使用中に滑りを生ずることがなく、手からピーラ10が離れることはない。従って、野菜等の皮剥きに際しては引っ張り方向に対して強い力を掛けることが可能である。
【符号の説明】
【0026】
10 ピーラ
20 本体部
21 把持部
22 刃部保持部
23 指挿通部
30 板刃部
31 皮排出溝
32 刃部