【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明で提供されるものは、股関節インプラント装置のための大腿骨構成部品と関連する手術方法である。大腿骨構成部品の一例では、中心軸を有するネックと、このネックに対して遠位にある本体とを含む。この本体は、テーパが付けられた部分と、ネック中心軸に垂直な最大断面とを有する。ネック中心軸に垂直な最大断面は、最大高さ寸法と最大幅寸法を有し、その中で最大高さ寸法は約23.9mm又はそれ未満であり、所望する場合は20.3mmと23.9mmとの間とすることができる。最大幅寸法は、18.5mm以下とすることができ、所望される場合は15.7mmと18.5mmとの間とすることができる。
【0005】
いくつかの態様では、テーパが付けられた部分は、矢状面および冠状面で近位から遠位に向かってテーパが付けられている。このテーパが付けられた部分は、断面の外側から内側に向かって更にテーパを付けることができる。
【0006】
所望される場合、本体は外表面を有し、多孔質表面コーティングが、本体の表面に対して周囲に塗布されている。この多孔質表面コーティングは、プラズマ溶射法により塗布することができる。この多孔質表面コーティングは、所望される場合は、例えばチタンのような金属を含むことができる。
【0007】
股関節インプラント装置の大腿骨構成部品の別の例は、ネックと、ネックに対して遠位にある本体とを含む。この本体は、テーパが付けられた部分と、遠位先端と中心軸とを有するステム部分とを有する。ステム部分の中心軸に平行な軸に沿って、ネックと本体との内側接合部分から測定された本体の長さは、約125mm以下とすることができる。例えば、本体の長さは、約125、120、115、110、105、100、95、90、85若しくは80mmか、またはこれらより短くすることができ、あるいはこれらの間の任意の値とすることができる。
【0008】
この本体は、外側隆起部分を更に含むことができる。この装置は、三重テーパ状形状を有することができる。この三重テーパ状形状では、テーパが付けられた部分は、矢状断面と冠状断面で近位から遠位に向かってテーパが付けられ、並びに断面の外側から内側に向かってテーパが付けられている。ステム部分は、所望される場合は大腿骨の骨幹部に配置され、骨髄内管の皮質とは接触しない可能性がある。
【0009】
いくつかの態様において、本体は外表面を有し、並びに大腿骨構成部品はこの本体の表面に対して周囲に塗布された多孔質表面コーティングを更に含む。この多孔質表面コーティングは、ステム部分に対して近位で配置することができ、かつ所望される場合は隆起部分を被覆することができる。多孔質表面コーティングは、プラズマ溶射法によって塗布することができる。
【0010】
更に別の例では、股関節移植装置の大腿骨構成部品は、ネックと、ネックに対して遠位にある本体とを含む。この本体は、テーパが付けられた部分と、遠位先端を有するステム部分とを有する。このステム部分は、大腿骨構成部品が大腿骨に移植される場合に、ステム部分が骨髄内管皮質に実質的に接触しないように、釣り合いがとられている。この本体は、所望される場合は外側隆起部分を含むことができる。
【0011】
所望される場合に、大腿骨構成部品が大腿骨に移植される場合、ステム部分は、骨髄内管皮質との接触部を有さない。所望される場合に、大腿骨構成部品が大腿骨に移植される場合、このステム部分は、骨髄内管皮質との接線方向の接触のみを有する。いくつかの例において、ステム部分は中心軸を有し、ステム部分の中心軸に平行な軸に沿って、ネックと本体との内側接合部から測定された本体の長さは、約125mm以下である。例えば、本体の長さは、約125、120、115、110、105、100、95、90、85若しくは80mmであるか、又はこれらより短くすることができ、あるいはこれらの間の任意の値とすることができる。
【0012】
テーパが付けられた部分は、矢状面と冠状面で近位から遠位に向かってテーパを付けることができ、かつ断面で外側から内側に向かって更にテーパを付けることができる。これにより、テーパが付けられた部分は、三重テーパが付けられた形状を有することができる。
【0013】
所望される場合は、本体は外表面を有し、かつ大腿骨構成部品はこの本体の表面に対して周囲に塗布された多孔質表面コーティングを更に含む。この多孔質表面コーティングは、プラズマ溶射法によって塗布することができる。この多孔質表面コーティングは、所望される場合は、例えばチタンのような金属を含むことができる。
【0014】
股関節手術中に大腿骨構成部品を移植させる方法の一例は、本体を含む大腿骨構成部品を提供することと、大腿骨構成部品を患者の大腿骨に移植することとを含む。この例示的方法では、対象者の大腿骨中に移植される場合に、大腿骨構成部品の本体の一部分が患者の骨髄内管に入り、骨髄内管に入る部分が骨髄内管の皮質とは実質的に接触しない。所望される場合には、骨髄内管に入る本体の部分は、骨髄管の皮質とは接触を有しない。所望される場合には、骨髄管に入る本体の部分は、骨髄内管の皮質と、接線方向の接触のみを有する。大腿骨構成部品は、所望される場合は、大腿骨の骨幹端で、患者の大腿骨内に実質的に装着される。患者は、所望される場合はアジア系人である。
【0015】
別の例示的方法は、本体を含む大腿骨構成部品を提供すること(この本体は遠位ステム部分を含み)と、手術処置中に、この大腿骨構成部品を患者の大腿骨内に移植することとを含む。この例示的方法では、遠位ステム部分を包含する、大腿骨構成部品の本体の一部分が、患者の骨髄内管に入り、並びに対象者の大腿骨に大腿骨構成部品が移植される場合、遠位ステム部分が骨髄内管の皮質とは実質的に接触しない。所望される場合には、骨髄内管に入る本体の部分は、骨髄内管の皮質との接触を実質的に有さない。所望される場合には、骨髄内管に入る本体の部分は、骨髄内管の皮質と接線方向の接触のみを有する。大腿骨構成部品は、所望される場合は、大腿骨の骨幹端において、患者の大腿骨内に実質的に装着される。患者は、所望される場合はアジア系人である。
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
股関節インプラントの大腿骨構成部品であって、
(a)中心軸を有するネックと、
(b)前記ネックに対して遠位にある本体とを備え、前記本体は、テーパが付いた部分を有し、前記本体は、前記ネック中心軸に対して垂直な最大断面を有し、前記ネック中心軸に垂直な前記最大断面は、最大高さ寸法及び最大幅寸法を有し、前記最大高さ寸法は約23.9mm以下である、大腿骨構成部品。
(項目2)
前記最大高さ寸法が、約20.3mmと23.9mmとの間である、項目1に記載の大腿骨構成部品。
(項目3)
前記最大幅寸法が、約18.5mm以下である、項目1に記載の大腿骨構成製部品。
(項目4)
前記最大幅寸法が、約15.7mmと18.5mmとの間である、項目3に記載の大腿骨構成部品。
(項目5)
前記テーパが付いた部分は、矢状面及び冠状面で近位から遠位に向かってテーパが付けられている、項目1に記載の大腿骨構成部品。
(項目6)
前記テーパが付いた部分は、断面で外側から内側に向かって更にテーパが付けられている、項目5に記載の大腿骨構成部品。
(項目7)
前記本体が、外表面を有し、前記大腿骨構成部品が、前記本体の前記表面に対して周囲に塗布された多孔質表面コーティングを更に含む、項目1に記載の大腿骨構成部品。
(項目8)
前記多孔質表面コーティングが、プラズマ溶射法によって塗布される、項目7に記載の大腿骨構成部品。
(項目9)
前記多孔質表面コーティングが、金属を含む、項目7に記載の大腿骨構成部品。
(項目10)
前記多孔質表面コーティングが、チタンを含む、項目9に記載の大腿骨構成部品。
(項目11)
前記本体がチタンであり、並びに前記多孔質表面コーティングがチタンである、項目7に記載の大腿骨構成部品。
(項目12)
股関節インプラント装置の大腿骨構成部品であって、
(a)中心軸を有するネックと、
(b)前記ネックに対して遠位にあり、テーパが付いた部分を有する本体とを含み、前記本体は、前記ネック中心軸に対して垂直な最大断面を有し、前記ネック中心軸に垂直な前記最大断面は、最大高さ寸法及び最大幅寸法を有し、前記最大幅寸法は約18.5mm以下である、大腿骨構成部品。
(項目13)
前記最大幅寸法が、約15.7mmと18.5mmとの間である、項目12に記載の大腿骨構成部品。
(項目14)
前記最大高さ寸法が、約23.9mm以下である、項目12に記載の大腿骨構成製部品。
(項目15)
前記最大高さ寸法が、約20.3mmと23.9mmとの間である、項目14に記載の大腿骨構成部品。
(項目16)
前記テーパが付いた部分は、矢状面と冠状面で、近位から遠位に向かってテーパが付けられている、項目12に記載の大腿骨構成部品。
(項目17)
前記テーパが付いた部分は、断面で外側から内側に向かって更にテーパが付けられている、項目16に記載の大腿骨構成部品。
(項目18)
前記本体が、外表面を有し、前記大腿骨構成部品が、前記本体の前記表面に対して周囲に塗布された多孔質表面コーティングを更に含む、項目12に記載の大腿骨構成部品。
(項目19)
前記多孔質表面コーティングが、プラズマ溶射法によって塗布される、項目18に記載の大腿骨構成部品。
(項目20)
前記多孔質表面コーティングが、金属を含む、項目19に記載の大腿骨構成部品。
(項目21)
前記多孔質表面コーティングが、チタンを含む、項目20に記載の大腿骨構成部品。
(項目22)
前記本体がチタンであり、並びに前記多孔質表面コーティングがチタンである、項目18に記載の大腿骨構成部品。
(項目23)
股関節インプラント装置の大腿骨構成部品であって、
(a)ネックと、
(b)前記ネックに対して遠位にある本体とを含み、前記本体は、テーパが付けられた部分と遠位先端を有するステム部分とを含み、前記ステム部分は、中心軸を有し、前記ステム部分の前記中心軸に対して平行な軸に沿って、前記ネックと前記本体との内側接合部から測定された前記本体の長さが、約125mm以下である、大腿骨構成部品。
(項目24)
前記本体が、外側隆起部分を有する、項目23に記載の大腿骨構成部品。
(項目25)
前記テーパが付けられた部分は、矢状面と冠状面で、近位から遠位に向かってテーパが付けられている、項目23に記載の大腿骨構成部品。
(項目26)
前記テーパが付けられた部分は、断面で外側から内側に向かって更にテーパが付けられている、項目24に記載の大腿骨構成部品。
(項目27)
前記本体の長さが、約120、115、110、105、100、95、90、85又は80mm未満である、項目23に記載の大腿骨構成部品。
(項目28)
前記本体の長さが、約125mmと80mmとの間である、項目23に記載の大腿骨構成部品。
(項目29)
前記ステム部分が、大腿骨の骨幹部に配置され、並びに前記大腿骨の皮質に接触しない、項目23の項目に記載の大腿骨構成部品。
(項目30)
前記本体が、外表面を有し、並びに前記大腿骨構成部品が、前記本体の前記表面に対して周囲に塗布された多孔質表面コーティングを更に含む、項目23に記載の大腿骨構成部品。
(項目31)
前記多孔質表面コーティングが、前記ステム部分に対して近位に配置されている、項目30に記載の大腿骨構成部品。
(項目32)
前記本体が、外側隆起部分を有し、並びに前記多孔質表面コーティングが、前記隆起部分を被覆する、項目30に記載の大腿骨構成部品。
(項目33)
前記多孔質表面コーティングが、プラズマ溶射法によって塗布される、項目30に記載の大腿骨構成部品。
(項目34)
前記多孔質表面コーティングが、金属を含む、項目33に記載の大腿骨構成部品。
(項目35)
前記多孔質表面コーティングが、チタンを含む、項目34に記載の大腿骨構成部品。
(項目36)
前記本体がチタンであり、前記多孔質表面コーティングがチタンである、項目30に記載の大腿骨構成部品。
(項目37)
股関節インプラント装置の大腿骨構成部品であって、
(a)ネックと、
(b)前記ネックに対して遠位にある本体とを含み、前記本体は、テーパが付けられた部分と遠位先端を有するステム部分とを含み、前記大腿骨構成部品が大腿骨に移植される場合、前記ステム部分が骨髄内管皮質との実質的な接触を有しないように、前記ステム部分は釣り合いがとられている、大腿骨構成部品。
(項目38)
前記本体が、外側隆起部分を有する、項目37に記載の大腿骨構成部品。
(項目39)
前記大腿骨構成部品が大腿骨に移植される場合、前記ステム部分が、前記骨髄内管の皮質との接触を有しない、項目37に記載の大腿骨構成部品。
(項目40)
前記大腿骨構成部品が大腿骨に移植される場合、前記ステム部分が、前記骨髄内管皮質と接線方向の接触のみを有する、項目37に記載の大腿骨構成部品。
(項目41)
前記ステム部分が、中心軸を有し、前記ステム部分の前記中心軸に対して平行な軸に沿って、前記ネックと前記本体との内側接合部から測定された前記本体の長さが、約125mm以下である、項目37に記載の大腿骨構成部品。
(項目42)
前記テーパが付けられた部分は、矢状面と冠状面で、近位から遠位に向かってテーパが付けられている、項目37に記載の大腿骨構成部品。
(項目43)
前記テーパが付けられた部分は、断面で外側から内側に向かって更にテーパが付けられている、項目37に記載の大腿骨構成部品。
(項目44)
前記本体の長さが、約120、115、110、105、100、95、90、85又は80mm未満である、項目41に記載の大腿骨構成部品。
(項目45)
前記本体の長さが、約125mmと80mmとの間である、項目41に記載の大腿骨構成部品。
(項目46)
前記本体が、外表面を有し、前記大腿骨構成部品が、前記本体の前記表面に対して周囲に塗布された多孔質表面コーティングを更に含む、項目37に記載の大腿骨構成部品。
(項目47)
前記多孔質表面コーティングが、前記ステム部分に対して近位に配置されている、項目46に記載の大腿骨構成部品。
(項目48)
前記本体が、外側隆起部分を有し、前記多孔質表面コーティングが、前記隆起部分を被覆する、項目46に記載の大腿骨構成部品。
(項目49)
前記多孔質表面コーティングが、プラズマ溶射法によって塗布される、項目46に記載の大腿骨構成部品。
(項目50)
前記多孔質表面コーティングが、金属を含む、項目49に記載の大腿骨構成部品。
(項目51)
前記多孔質表面コーティングが、チタンを含む、項目50に記載の大腿骨構成部品。
(項目52)
前記本体がチタンであり、前記多孔質表面コーティングがチタンである、項目46に記載の大腿骨構成部品。
(項目53)
股関節手術中に大腿骨構成部品を移植する方法であって、
(a)本体を備える大腿骨構成部品を提供することと、
(b)前記大腿骨構成部品を患者の大腿骨内に移植すること、とを含む方法であって、
前記大腿骨構成部品の前記本体の一部分が、前記大腿骨の前記骨髄内管に入り、前記患者の大腿骨に移植される場合、前記骨髄内管に入る前記部分は、前記骨髄内管の前記皮質に実質的に接触しない、方法。
(項目54)
前記骨髄内管に入る前記本体の前記部分が、前記骨髄内管の前記皮質との接触を有しない、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記骨髄内管に入る前記本体の前記部分が、前記骨髄内管の前記皮質との接線方向の接触のみを有する、項目53に記載の方法。
(項目56)
前記患者がアジア系人である、項目53に記載の方法。
(項目57)
前記大腿骨構成部品が、前記大腿骨の骨幹端で前記患者の大腿骨内に実質的に装着される、項目53に記載の方法。
(項目58)
股関節手術中に、大腿骨構成部品を移植させる方法であって、
(a)本体を含み、前記本体が遠位ステム部分を含む、大腿骨構成部品を提供することと、
(b)前記大腿骨構成部品を、患者の大腿骨に移植させることと、を含む方法であって、前記遠位ステム部分を含む、前記大腿骨構成部品の前記本体の一部分が、前記大腿骨の前記骨髄内管に入り、前記大腿骨構成部品が患者の大腿骨内に移植される場合、前記遠位ステム部分は、前記骨髄内管の前記皮質と実質的に接触しない、方法。
(項目59)
前記骨髄内管に入る前記本体の前記部分が、前記骨髄内管の前記皮質との接触を有し前記ない、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記骨髄内管に入る前記本体の前記部分が、前記骨髄内管の前記皮質との接線方向の接触のみを有する、項目58に記載の方法。
(項目61)
前記患者がアジア系人である、項目58に記載の方法。
(項目62)
前記大腿骨構成部品が、前記大腿骨の骨幹端で前記患者の大腿骨内に実質的に装着される、項目58に記載の方法。
【0016】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、添付されている図面及び以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。