【解決手段】実施形態の配達支援装置は、第1の取得部と、第1の送信部と、第2の取得部と、第2の送信部とを持つ。第1の取得部は、主搬送路を搬送される配達対象物を管理する第1の装置から、前記配達対象物の区分先を含む情報を取得する。第1の送信部は、前記第1の取得部により取得された情報を、前記主搬送路から分岐する副搬送路に搬送された配達対象物を管理する第2の装置に送信する。第2の取得部は、前記第2の装置から、前記第2の装置によって管理される前記配達対象物の所在に関する情報を取得する。第2の送信部は、前記第2の取得部により取得された情報を前記第1の装置に送信する。
前記第1の取得部は、前記副搬送路に設けられた前記配達対象物の通過を検知し、検知の結果を前記第1の装置に出力するセンサにより前記配達対象物が検知された場合に、前記センサの検知結果を取得した前記第1の装置から、前記配達対象物の区分先を含む情報を取得する、
請求項2記載の配達支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の配達支援装置、配達支援システム、及び配達支援プログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
[全体の構成]
図1は、配達支援システム1の概要図である。配達支援システム1は、小包などの配達対象物Pを、配達先に応じた区分箇所に区分する際に、配達対象物Pを運搬する作業者を支援するシステムである。本実施形態の配達支援システム1は、副搬送路20と、シュータ28と、区分台30と、カメラCMと、センサS1と、センサS2と、投影部PJと、上位装置50と、支援装置100と、処理装置200とを含んでよいが、これに限定されない。
【0009】
配達支援システム1の副搬送路20は、分岐機構104を含む主搬送路102に連結されている。主搬送路102は、例えば周回(循環)経路を形成する。主搬送路102は、例えば搬送ベルト、駆動プーリ、および駆動モータを含む。駆動プーリは、駆動モータの駆動により出力される駆動力により回転する。搬送ベルトは、駆動プーリの回転力により駆動されて配達対象物Pを搬送する。駆動モータは、上位装置50の制御に基づいて、搬送ベルトに作用させる搬送力を制御する。駆動モータは、搬送ベルトを任意の速度および加速度で作動させる。
【0010】
分岐機構104は、主搬送路102と副搬送路20とが連結される付近に配置される。分岐機構104は、主搬送路102において搬送されている配達対象物Pを、副搬送路20に搬出する。分岐機構104は、副搬送路20の搬送方向に駆動される搬送ベルトを備える。この搬送ベルトが副搬送路20に配達対象物Pを搬出する。
【0011】
副搬送路20は、分岐機構104により搬出された配達対象物Pをシュータ28に搬送する。副搬送路20は、搬送ベルトや、駆動プーリ、駆動モータを含む。搬送ベルトは、駆動プーリの回転力により動作して配達対象物Pを搬送する。駆動モータは、処理装置200の制御に基づいて、搬送ベルトに作用させる搬送力を制御する。駆動モータは、搬送ベルトを任意の速度および加速度で搬送する。
【0012】
副搬送路20と、区分台30との間にはシュータ28が連結されている。シュータ28は、搬送ベルトや、駆動プーリ、駆動モータを含む。また、シュータ28は、副搬送路20から区分台30に向けて勾配を有している。副搬送路20を搬送される配達対象物Pはシュータ28に到達すると、シュータ28の搬送ベルトによって搬送されて区分台30(集積箇所の一例)に移動する。区分台30は、シュータ28方向から来た配達対象物Pが、一時的に置かれる。作業者は、区分台30に置かれた配達対象物Pを、区分先に応じたカゴ車Vに運搬する。区分先は、例えば予め設定された配達先のグループを示す情報である。配達先のグループとは、例えば、郵便番号が共通するなど、一括して運搬するのが適切なグループである。また、区分先は、例えば、配達先のグループに含まれる配達対象物Pが搬送される副搬送路20や、シュータ28、カゴ車Vが配置される位置を示す情報である。
【0013】
カメラCMは、例えばシュータ28の少なくとも一部、および区分台30に置かれた配達対象物Pを、所定時間間隔で繰り返し撮像する。また、カメラCMは、シュータ28および区分台30の周辺だけでなく、区分台30の周辺に配置されたカゴ車Vの周辺を含めて撮像する。以下、カメラCMにより撮像される領域を「特定領域」という。カメラCMは、撮像した画像データを処理装置200に供給する。
【0014】
センサS1は、例えば副搬送路20に設けられる。センサS1は、例えば副搬送路20において、副搬送路20と分岐機構104とが接続された付近に設けられる。センサS1は、例えば光学的手法を用いて、配達対象物Pの通過を検出する。センサS1は、配達対象物Pが搬送される副搬送路20を横切るようにして対向配置される発光部および受光部(不図示)を備える。発光部から照射される照射光は、遮断物のない状態では受光部により受光され、副搬送路20を搬送される配達対象物Pが発光部と受光部との間に存在する場合には受光部による照射光の受光が遮断されるように設置されている。センサS1は、受光部による照射光の受光が遮断された場合、発光部から出力された照射光の光軸上に配達対象物Pが存在することを示すオン信号を出力する。一方、センサS1は、受光部による照射光の受光が遮断されていない場合、発光部から出力された照射光の光軸上に配達対象物Pが存在しないことを示すオフ信号を出力する。
【0015】
センサS2は、例えばシュータ28に設けられる。センサS2は、特定領域の外側であって、特定領域付近において配達対象物Pが搬送されてくる側に設けられる。センサS2は、配達対象物Pの通過を検知し、検知結果を処理装置200に供給する。センサS2は、例えば光学的手法を用いて、配達対象物Pの通過を検出する。センサS2は、配達対象物Pが搬送されるシュータ28を横切るようにして対向配置される発光部および受光部(不図示)を備える。
【0016】
投影部PJは、例えばスライドプロジェクタである。投影部PJは、処理装置200の指示に基づいて、シュータ28または区分台30に存在する配達対象物Pに向けて所定の画像を切り替えて投影する。なお、配達支援システム1は、複数の投影部PJを含んでもよい。また、投影部PJは、異なる色の光を切り替えて配達対象物Pに照射するライト(照射部)であってもよい。作業者は、投影部PJにより配達対象物Pに投影された画像に基づいて、区分台30において配達対象物Pを移動させたり、配達対象物Pに対応する区分先のカゴ車Vに配達対象物Pを載せたりする。
【0017】
カゴ車Vは、配達先が同じ区分先に属する配達対象物Pが積載され、移動可能な配達補助具である。カゴ車Vは、配達対象物Pが積載された状態で、トラック等の移動体に載置され、別の場所に運搬される。
【0018】
また、上位装置50、支援装置100、および処理装置200は、ネットワークNWに接続されている。ネットワークNWは、例えば、LAN(Local Area Network)である。なお、支援装置100と、上位装置50、または処理装置200とは、それぞれに対応した専用線で接続されてもよい。
【0019】
図2は、配送支援システム1の主な機能構成の一例を示す図である。支援装置100と、上位装置50または処理装置200とが送受信する情報の詳細については後述する。
【0020】
上位装置50は、通信部60と、制御部70と、管理部80と、記憶部90とを含む。通信部60は、支援装置100と通信する。制御部70は、主搬送路102、および分岐機構104を制御する。また、制御部70は、主搬送路102に搬送されている配達対象物Pに関する情報に基づいて、分岐機構104を制御して、予め設定された副搬送路20に配達対象物Pを搬出させる。管理部80は、主搬送路102に搬送されている配達対象物Pに関する情報を管理する。記憶部90には、配達対象物Pに関する情報が記憶されている。上位装置50は、センサS1の検知結果を取得する。上位装置50は、バッチ情報や、通過情報等を支援装置100に送信する。また、上位装置50は、支援装置100から積込完了情報を取得する。なお、バッチ情報、通過情報134(274)、および積込完了情報136(278)の詳細については後述する。
【0021】
図3は、支援装置100の機能構成の一例を示す図である。支援装置100は、通信インターフェース110と、第1の取得部112と、第2の取得部114と、第1の送信部116と、第2の送信部118と、管理部120と、記憶部130とを備える。通信インターフェース110は、ネットワークに接続するための通信インターフェースであり、例えばNIC(Network interface card)を含む。
【0022】
第1の取得部112は、上位装置50からバッチ情報や通過情報134等の配達対象物に関する情報(区分先を含む情報)を取得する。第2の取得部114は、処理装置200によって管理される配達対象物Pの所在に関する情報(例えば積込完了情報136)を処理装置200から取得する。第1の送信部116は、第1の取得部112により取得された配達対象物Pに関する情報を処理装置200に送信する。第2の送信部118は、第2の取得部114により取得された情報を上位装置50に送信する。なお、これらの構成要素は、明確に分離したものである必要はなく、前述したNICなどに対して、それぞれに対応する受信設定や送信設定がなされることで実現されるものであってよい。また、これらの構成要素は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがプログラムを実行することで実現されてもよいし、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよい。管理部120についても同様である。
【0023】
管理部120は、上位装置50や、処理装置200等から取得した情報、自装置に入力された情報を管理する。記憶部130は、例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の記憶装置により実現される。記憶部130には、自装置の処理結果や、他の装置から取得した情報が記憶される。また、記憶部130には、例えばバッチ登録情報132や通過情報134、積込完了情報136が記憶される。
【0024】
図4は、処理装置200を中心とした構成図である。処理装置200は、通信インターフェース210と、搬送制御部220と、データ管理部230と、画像認識部240と、処理部250と、投影制御部260と、記憶部270とを含んでよいが、これに限定されない。記憶部270以外の構成要素は、CPUなどのプロセッサがプログラムを実行することで実現されてもよいし、LSIやASIC、FPGAなどのハードウェアによって実現されてもよい。
【0025】
通信インターフェース210は、ネットワークNWに接続され、上位装置50、支援装置100、カメラCM、およびセンサS2と通信する。処理装置200と、カメラCM、またはセンサS2とは、それぞれに対応した専用線で接続されてもよい。
【0026】
搬送制御部220は、副搬送路20またはシュータ28に含まれる駆動モータおよび搬送ベルトを制御して、配達対象物Pが搬送される速度を調整する。
【0027】
データ管理部230は、支援装置100から取得した配達対象物Pに関する情報を統合し、通過情報274として管理する。また、データ管理部230は、画像認識部240、および処理部250等により処理された結果を、積込完了情報276として管理する。データ管理部230は、バッチ登録情報272および投影情報278を管理する。これらの情報の詳細については後述する。
【0028】
画像認識部240は、カメラCMによって撮像された画像の画像データに対して認識処理を行う。処理部250は、カメラCMにより撮像された画像の各画素を、所定の閾値に基づいて二値化し、二値化された画像から、認識対象が含まれる画像領域を抽出する。
【0029】
処理部250は、カメラCMにより撮像された画像においてセンサS2が設けられた方向から新たに出現した「対象」を特定する。「対象」とは、処理装置200が物体であると認識する画像中の領域である。処理部250は、上位装置50から取得した配達対象物Pのある箇所の通過時刻および搬送速度に基づいて、時系列画像において配達対象物Pが新たに出現することを(或いは出現したであろうことを)検知する。
【0030】
処理部250は、配達対象物Pが画像中に出現するタイミングを推定し、そのタイミングで現れた対象(矩形領域)を配達対象物Pとして特定し、その配達対象物Pの識別情報を付与して管理する。また、処理部250は、配達対象物Pが画像中に出現するタイミングとは異なるタイミングで、新たに出現した対象を不明物として管理する。なお、配達対象物Pの識別情報は、通過情報274として記憶部270に記憶されている。
【0031】
処理部250は、時系列画像における対象の位置変化と、配達対象物Pの搬送速度に基づいて推定した位置変化との比較結果に基づいて、各時系列画像における着目する対象が、過去に配達対象物Pとしての識別情報を付与した対象と同一であるか否かを判定する。処理部250は、これらの合致度が所定度合以上高い場合、これらの対象は同一であると判定する。処理部250は、撮像フレーム間で対象が同一であると判定した場合、直前の撮像フレームにおける対象に付与された識別情報と同一の識別情報を、同一であると判定された撮像フレームの対象に付与する。
【0032】
投影制御部260は、処理部250により特定された配達対象物Pの位置、およびデータ管理部230により取得された配達対象物Pの区分先に基づいて、投影部PJに、区分先を示す情報を作業者に提示させる。
【0033】
なお、本実施形態では、副搬送路20、シュータ28および処理装置200が、それぞれ一つずつ設けられる例について説明したが、副搬送路20およびシュータ28は、複数設けられてもよい。この場合、処理装置200は、副搬送路20およびシュータ28ごとに設けられる。支援装置100は、複数の処理装置200の問い合わせのそれぞれに対して応答する。
【0034】
[配達支援システムによるバッチ情報の送信処理]
図5は、配達支援システム1により実行されるバッチ情報の送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0035】
まず、支援装置100が、マスタ情報を取得する(S1)。例えば、支援装置100は、自装置と通信可能な端末装置からマスタ情報を取得する。マスタ情報とは、例えば、副搬送路20およびシュータ28に対応するカゴ車の情報である。このカゴ車の情報は、例えばシュータ28の周辺に配置されたカゴ車Vの数である。
【0036】
次に、支援装置の管理部120が、マスタ情報を取得し、取得したマスタ情報を記憶部130に記憶させる(S2)。また、処理装置200の記憶部270には、カゴ車設置アドレスが記憶されている。カゴ車設置アドレスとは、予めシュータ28および区分台30の周辺の床面に付与された、カゴ車Vが配置される位置に関する情報である。この位置は、例えばカメラCMの撮像領域におけるXY平面の座標によって規定される。例えばオペレータが、マスタ情報を参照し、カゴ車Vの数を記憶部270に登録する。更にオペレータは、例えば、カゴ車設置アドレス1から4のそれぞれにカゴ車Vが設置されたことを示す情報を記憶部270に登録する。なお、支援装置100の管理部120は、マスタ情報を上位装置50から取得し、取得したマスタ情報を処理装置200に送信してもよい。この場合、処理装置200は、取得したマスタ情報に基づいて、シュータ28とカゴ車の情報とを記憶部90に記憶させてもよい。
【0037】
次に、上位装置50は、バッチ情報を取得し(S3)、取得したバッチ情報を支援装置100に送信する(S4)。支援装置100は、バッチ情報を取得すると、バッチ情報を記憶部130に記憶させる(S5)。ここで取得されるバッチ情報は、例えば、1セットの処理対象の配達対象物Pに関する情報であり、○○方面に配送する複数の配達対象物Pに関する情報のセットや、××方面に配送する複数の配達対象物Pに関する情報のセット等である。例えば、上位装置50は、自装置と通信可能な端末装置からバッチ情報を取得する。
【0038】
次に、支援装置100は、バッチ情報に基づいて配達対象物Pが搬送されるシュータ28および配達対象物Pを積載するカゴ車Vに関する情報を登録し(S6)、登録したカゴ車Vに関する情報をバッチ登録情報132として記憶部130に記憶させる(S7)。
【0039】
バッチ登録情報132とは、配達対象物Pの区分先に対して、作業者の識別情報(作業者コード)が対応付けられた(指定された)情報である。配達対象物Pの区分先とは、例えば配達対象物Pが搬送されるシュータ28の識別情報、行先(配達先)を識別する行先コード、配達対象物Pが積載されるカゴ車Vのカゴ車設置アドレスである。例えばオペレータにより、シュータ28の識別情報と、行先コードと、カゴ車設置アドレスとの対応関係が設定され、バッチ登録情報132として記憶される。なお、カゴ車設置アドレスまたは作業者の識別情報は、行先コードに対して、2つ以上対応付けられてもよい。
【0040】
図6は、バッチ登録情報132の一例を示す図である。バッチ登録情報132を用いることにより、例えばシュータ28には、配達先が「○○区」方面の配達対象物Pが搬送され、カゴ車設置アドレス「1」に置かれたカゴ車Vには、「○○区」より小さい区分である「○○丁目」に搬送される配達対象物Pが積載される。なお、シュータ28および設置アドレスに対応する区分の大小は、任意に設定されてもよい。また、バッチ登録情報132には、区分先に対応する作業者の識別情報が対応付けられてもよい。また、バッチ登録情報132は、例えば支援装置100にアクセス可能な端末装置により設定される。
【0041】
次に、支援装置100が、処理装置200からバッチ登録情報132の問い合わせを受信すると(S8)、支援装置100の管理部120が、記憶部130に登録された処理対象のバッチ登録情報132および上位装置50から取得したバッチ情報を対応付けて処理装置200に送信する(S9)。この場合、処理装置200は、問い合わせに対する応答がなされたことを示す情報を支援装置100に送信してもよい。また、処理装置200は、支援装置100から取得したバッチ情報およびバッチ登録情報132を記憶部270に記憶させる。処理装置200は、例えば1セットの処理対象の配達対象物Pの処理が終了後、バッチ登録情報132の問い合わせを行う。
【0042】
処理装置200が、支援装置100から送信されたバッチ登録情報132およびバッチ情報を取得すると、これらの情報を取得したことを示す受領確認情報を支援装置100に送信する(S10)。支援装置100が、処理装置200から受領確認情報を取得すると、そのバッチ登録情報132およびバッチ情報を処理装置200に送信済みであることを示す情報を登録する(S11)。この場合、支援装置100は、問い合わせに対する応答がなされたことを示す情報を処理装置200に送信してもよい。
【0043】
例えば支援装置100の管理部120は、バッチ情報およびバッチ登録情報を取得したことを示す情報を取得した日時を登録する。これにより、支援装置100は、既に処理装置200に送信したバッチ情報およびバッチ登録情報を、次回以降に送信するバッチ情報およびバッチ登録情報の対象から除外することができる。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
【0044】
[配達支援システムによる積込処理]
図7は、配達支援システム1により実行される積込処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
上述した
図5の処理後、支援装置100は、上位装置50から仕分予定データを取得し、記憶部130に記憶させる(S20)。仕分予定データとは、処理対象の配達対象物Pの識別情報や、配達先の情報等を含む情報である。支援装置100は、上位装置50から任意のタイミングで仕分予定データを取得してもよい。次に、上位装置50が、センサS1の検知結果を取得する(S21)。検知結果とは、配達対象物Pが、センサS1によって検知された結果を示す通過情報である。
【0046】
次に、上位装置50は、検知された配達対象物Pに関する情報を含む通過情報を生成し、生成した通過情報を支援装置100に送信する(S22)。例えば、上位装置50は、分岐機構104を制御して、予め設定された副搬送路20に配達対象物Pを搬出させる。上位装置50は、配達対象物Pを搬出したタイミングと、配達対象物Pの搬送速度とに基づいて、検知された配達対象物Pを特定することができる。上位装置50は、センサS1により検知された配達対象物Pに関する情報、およびセンサS1の検知結果を含む情報を通過情報として支援装置100に送信する。
【0047】
支援装置100は、通過情報を取得し、取得した通過情報134を記憶部130に記憶させる(S23)。
図8は、通過情報134の一例を示す図である。通過情報134に含まれる配達対象物Pに関する情報は、上位装置50により事前に取得された情報である。通過情報134に含まれる配達対象物Pに関する情報は、配達対象物Pの識別情報に、荷主の情報、配達先の情報、配達対象物Pの大きさ、形状、重量、特性(割れ物、天地無用等)、配達対象物Pが特定の箇所に到達した時刻等が対応付けられて情報である。通過情報は、上述した情報のうち一部を省略したものであってもよい。例えば、支援装置100は、通過情報を取得した場合、通過情報に対応する配達対象物Pの識別情報が、仕分予定データに含まれるか否かを判定する。支援装置100は、通過情報に対応する配達対象物Pの識別情報が、仕分予定データに含まれない場合、仕分予定の配達対象物Pとは異なる配達対象物Pが搬送されていると判定し、判定結果を端末装置等に送信する。
【0048】
次に、支援装置100が、処理装置200から通過情報の問い合わせを受け付けると(S24)、S23で記憶させた通過情報134を処理装置200に送信する(S25)。通過情報134を取得した場合、処理装置200が、問い合わせに対する応答がなされたことを示す情報を支援装置100に送信してもよい。処理装置200は、例えばセンサS2から配達対象物Pが通過したことを示す情報を取得した場合に、支援装置100に問い合わせを行う。これにより、より精度よくカメラCMの撮像領域に搬送されてきた配達対象物Pを特定することができる。
【0049】
処理装置200が、支援装置100から送信された通過情報134を取得すると、通過情報134を取得したことを示す受領確認情報を支援装置100に送信する(S26)。支援装置100が、処理装置200から受領確認情報を取得すると、その通過情報134を処理装置200に送信済みであることを示す情報を通過情報134に対応付けて登録する(S27)。これにより、支援装置100は、既に副搬送路20に搬出された配達対象物Pを認識することができる。受領確認情報を取得した場合、支援装置100は、問い合わせに対する応答がなされたことを示す情報を処理装置200に送信してもよい。
【0050】
次に、処理装置200が、S26で取得した通過情報134(通過情報274)およびカメラCMにより撮像された画像に基づいて、配達対象物Pを認識し(S28)、認識した配達対象物Pに区分先を示す情報を含む画像を投影する(S29)。
【0051】
次に、処理装置200が、カメラCMにより撮像された画像に基づいて、配達対象物Pがカゴ車Vに積み込まれたことを認識し、カゴ車Vに積み込まれたこと、およびカゴ車Vの情報を互いに対応付けて積込完了情報136として支援装置100に送信する(S30)。
図9は、積込完了情報136の一例を示す図である。積込完了情報136には、配達対象物Pの識別情報に、配達対象物Pが載せられたカゴ車に関する情報(カゴ車ID、カゴ車設置アドレス)、ある時刻における配達対象物Pの位置、角度(向き)、確からしさを示す情報(合致度)、配達対象物Pの大きさ、形状等が対応付けて記憶される。また、積込完了情報には、配達対象物Pの識別情報に対して、支援装置100から取得したバッチ登録情報132に指定された載せられるべきカゴ車Vに関する情報、および指定されたカゴ車Vに正しく載せられたか否かを示す情報が対応付けて記憶される。積込完了情報136は、上述した情報のうち一部を省略してもよい。積込完了情報136は、配達対象物Pの所在に関する情報の一例である。また、処理装置200は、配達対象物Pの所在に関する情報として、カメラCMにより撮像された画像に基づいて、認識したシュータ28や、区分台30等における配達対象物Pの位置を支援装置100に送信してもよい。
【0052】
次に、支援装置100は、取得した積込完了情報136を記憶部130に記憶し、記憶部130に記憶された積込実績情報を更新する(S31)。積込実績情報とは、仕分予定データの配達対象物Pに対応付けられた情報であって、仕分予定データの配達対象物Pがカゴ車Vへ積み込まれたか否かを示す情報である。次に、支援装置100は、積込完了情報136を取得し(S32)、上位装置50に積込完了情報136を送信する(S33)。積込完了情報136は、例えば所定の時間毎に送信される。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理は終了する。
【0053】
[配達対象物Pに投影する処理]
投影制御部260が、処理部250の処理結果に基づいて、投影部PJに、区分先を示す情報を配達対象物Pに投影させる。
図10は、区分台30の俯瞰図である。区分台30は、例えば、区分台30の長手方向に並べられ、短手方向に沿った軸を中心に回転する複数のローラコンベアを備える。また、ローラコンベアの表面は摩擦係数の低い金属で形成されている。シュータ28により搬送される配達対象物Pは、ローラコンベアの回転や、ローラコンベア上の摺動によって、区分台30上を移動する。区分台30は、例えばボールコンベア、ベルトコンベア等により形成されてもよい。
【0054】
図10に示すように、区分台30は、例えば区分台30の長手および短手を半分に区切って4分割にしたAからDの領域が仮想的に設定されている。AからDの領域は、例えば作業者aからdの作業範囲に、それぞれ対応する。また、AからDの領域は、配達先の集合である区分先に、それぞれ対応する。すなわち、本実施形態では、作業者と区分先は互いに対応している。また、区分台30の周辺には作業者が作業する領域を挟んで複数のカゴ車Vが配置されている。処理装置200は、カゴ車Vが配置される位置、またはカゴ車Vに対して、カゴ車Vの識別情報1から16を付与して処理を行う。
【0055】
図11は、投影情報278の一例を示す図である。投影情報278は、シュータ28の識別情報、区分台30の周辺に配置されたカゴ車設置アドレス、カゴ車Vの位置に対応したカゴ車Vの識別情報、区分台30に設定された領域の範囲、配達対象物Pの配達先、設定された領域の作業を担当する作業者、投影部PJに投影させる画像の情報(色彩や図形、記号)等が互いに対応付けられた情報である。投影情報278は、上位装置50から取得されてもよいし、支援装置100が備える入力部(不図示)により入力された情報に基づいて設定されてもよい。例えば、各領域や、カゴ車Vが配置される位置は、床面を基準としたXY座標として投影情報278に記憶されている。
【0056】
投影制御部260は、
図5のフローチャートで説明したように、配達対象物Pの位置、区分先、運搬先のカゴ車Vの情報を取得し、投影部PJに、区分先の情報、およびカゴ車の識別情報を示す画像を配達対象物Pに向けて投影させる。例えば、投影制御部260は、区分先に対応する色彩で、カゴ車Vの識別情報に対応する数字などの情報を含めた画像を配達対象物Pに投影する。
【0057】
これにより、作業者は、自身が担当する配達対象物Pを容易に認識することができる。また、配達対象物Pを載せる必要があるカゴ車Vを容易に認識することができる。この結果、システム連携を好適に行うことができる。
【0058】
また、投影制御部260は、処理部250により特定された位置を参照し、配達対象物Pが、区分台30における区分先に対応する領域(AからD)に存在する場合と、存在しない場合とで、投影部PJに、異なる情報を作業者に投影させる。異なる情報とは、区分台30における区分先に対応する領域に配達対象物Pが存在する場合に投影される画像とは、異なる態様の画像である。例えば、投影制御部260は、配達対象物Pが区分台30における区分先に対応する領域に配達対象物Pが存在する場合、上記説明した画像をそのまま作業者に投影し、配達対象物Pが存在しない場合、上記説明した画像を点滅表示等(
図10、「AT」)させる。
【0059】
また、処理装置200が配達対象物Pの区分先を取得することができなかった場合(配達対象物Pを特定できなかった場合や、不明物として特定した場合等)、投影部PJは、配達対象物Pに向けて区分先を取得できなかったことを示す情報を投影してもよい。例えば投影部PJは、配達対象物Pに向けてカゴ車Vを特定する数字などを含まない画像を点滅して投影させたり、区分先が取得できた場合の色彩とは異なる色彩を投影したりする。これにより、作業者は、配達先の視認が必要な配達対象物Pを認識することができる。
【0060】
また、処理装置200が配達対象物Pの区分先を取得することができなかった場合、投影制御部260は、所定の作業者が担当する区分先の領域に対応する画像を、配達対象物Pに向けて投影部PJに投影させてもよい。ここでの所定の作業者とは、予め設定された作業者であり、例えば処理効率や、技能が高い作業者である。
【0061】
このように投影制御部260は、処理部250の処理結果に基づいて、投影部PJが投影する情報を切り替えることで、作業者は区分先の確認が必要である配達対象物Pであることを認識することができる。この結果、作業者が配達対象物Pの区分先を視認して配達対象物Pを仕分けることで、より確実に配達対象物Pが正しいカゴ車Vに載せられる。
【0062】
以上説明した実施形態の配達支援システム1によれば、支援装置100が、上位装置50から取得した配達対象物Pに関する情報を、処理装置200の問い合わせに応じて送信し、処理装置200によって取得された配達対象物Pが積み込まれたカゴ車Vに関する情報を処理装置200から取得し、取得した情報を上位装置50に送信する。このように支援装置100が、情報を送受信することによって、好適にシステム連携を行わせることができる。また、支援装置100は、上位装置50および処理装置200に、より精度よく配達対象物Pを管理させることができる。
【0063】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、主搬送路を搬送される配達対象物を管理する第1の装置から、配達対象物の区分先を含む情報を取得する第1の取得部と、第1の取得部により取得された情報を、主搬送路から分岐する副搬送路に搬送された配達対象物を管理する第2の装置に送信する第1の送信部と、第2の装置から、第2の装置によって管理される配達対象物の所在に関する情報を取得する第2の取得部と、第2の取得部により取得された情報を第1の装置に送信する第2の送信部とを持つことにより、システム連携を好適に行うことができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。