(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-185488(P2017-185488A)
(43)【公開日】2017年10月12日
(54)【発明の名称】流体噴射および気化装置、ならびにそれらのメンテナンス装置
(51)【国際特許分類】
B05B 15/02 20060101AFI20170919BHJP
A24F 47/00 20060101ALI20170919BHJP
B08B 1/00 20060101ALI20170919BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20170919BHJP
【FI】
B05B15/02
A24F47/00
B08B1/00
A61M15/06 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-76883(P2017-76883)
(22)【出願日】2017年4月7日
(31)【優先権主張番号】15/094,107
(32)【優先日】2016年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168125
【弁理士】
【氏名又は名称】三藤 誠司
(72)【発明者】
【氏名】ノラサック・サム
【テーマコード(参考)】
3B116
4D073
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB54
3B116BA03
3B116BA22
3B116BA31
4D073AA10
4D073BB03
4D073CA19
4D073CB04
4D073CC09
(57)【要約】
【目的】流体噴射および気化装置、ならびにそれらのメンテナンス装置を提供する。
【解決手段】メンテナンス装置は、前記流体噴射および気化装置の噴射ヘッドを掃引するワイパーブレードと、前記ワイパーブレードと係合して、前記流体噴射および気化装置を流れる空気の流れにより動作し、前記噴射ヘッドを横切って前記ワイパーブレードを移動させる空気作動機構と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体噴射および気化装置のメンテナンス装置であって、
前記流体噴射および気化装置の噴射ヘッドを掃引するワイパーブレードと、
前記ワイパーブレードと係合し、前記流体噴射および気化装置を流れる空気の流れにより動作し、前記噴射ヘッドを横切って前記ワイパーブレードを移動させる空気作動機構と、を備える
流体噴射および気化装置のメンテナンス装置。
【請求項2】
前記空気作動機構が、前記流体噴射および気化装置内で固定された第1端及び前記第1端に対して移動可能な第2端を含み、
前記第2端が前記ワイパーブレードと係合した
請求項1に記載のメンテナンス装置。
【請求項3】
前記ワイパーブレードが、前記流体噴射および気化装置内の前記噴射ヘッドと気化ヒーターの間に配置された
請求項1または2に記載のメンテナンス装置。
【請求項4】
前記空気作動機構の前記第2端に連結されたアームをさらに備え、
前記空気作動機構が前記アームを経由して前記ワイパーブレードと係合した
請求項2に記載のメンテナンス装置。
【請求項5】
前記空気作動機構が、空気嚢を含む
請求項1から4のいずれか1項に記載のメンテナンス装置。
【請求項6】
前記空気嚢が、バネベローズを含む
請求項1から4のいずれか1項に記載のメンテナンス装置。
【請求項7】
前記空気作動機構が、空気作動フラッパーを含む
請求項1から4のいずれか1項に記載のメンテナンス装置。
【請求項8】
前記空気作動フラッパーが、さらに、前記空気作動フラッパーを第1位置に偏向するためのバネを含む
請求項7に記載のメンテナンス装置。
【請求項9】
前記空気作動機構が、前記流体噴射および気化装置により生成された蒸気を吸入することによって作動する
請求項1から8のいずれか1項に記載のメンテナンス装置。
【請求項10】
前記空気作動機構が、前記気化ヒーターの前記マウスピースに近い側の前記流体噴射および気化装置の前記気化ヒーターと前記マウスピースの間に配置された
請求項1から9のいずれか1項に記載のメンテナンス装置。
【請求項11】
前記空気作動機構の前記第2端が前記空気の流れにより移動して、前記ワイパーブレードを第1位置から第2位置に向かって前記噴射ヘッドを横切るように移動させる
請求項10に記載のメンテナンス装置。
【請求項12】
前記空気作動機構が、さらに付勢装置を備え、前記空気の流れが止まった時に前記第2位置から前記第1位置に前記ワイパーブレードを戻すために、付勢装置により偏向される
請求項11に記載のメンテナンス装置。
【請求項13】
前記空気が前記流体噴射および気化装置の前記マウスピースを流れる
請求項11に記載のメンテナンス装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に記載の前記メンテナンス装置を含む
流体噴射および気化装置。
【請求項15】
前記流体噴射および気化装置が、電子煙草を含む
請求項14に記載の流体噴射および気化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体噴射および気化装置、ならびに流体噴射および気化装置に用いるメンテナンス装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微小流体(microfluidic)噴射構造の応用の一つは、二次機能を実行することのできる装置に溶液を噴射することである。一般的な二次機能は、ヒーターを使用して溶液を気化させることにより、溶液の内容物を気化させ、溶液をガス状物質として運ぶことである。このような技術の応用は、電子煙草の調量および気化装置、蒸気療法、ガス状薬剤送達、マイクロラボ(micro-labs)の気相反応等を含むが、これらに限定されない。これらの応用では、いずれも微小流体噴射ヘッドを使用して、加熱した表面に流体を噴射し、流体を排出管の中に気化させる。いくつかの応用では、噴射させたい流体が相対的に低い蒸発温度を有するため、噴射ヘッド内の噴射ノズルにより、時間をかけて蒸発させることができる。他の応用において、流体が噴射ヘッドの上に残留物を残すことがあるため、時間が経つと、流体が噴射ヘッドから適切に噴射されるのを妨げたり、あるいは、噴射ノズルを詰まらせることもある。このような装置は小型であるため、装置を維持して精密な流体噴射を得ることは困難である。従来の微小流体噴射ヘッドのメンテナンス装置は、噴射ヘッドをクリーニングするために、比較的大きな面積を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、噴射ヘッドのクリーニングを行い、流体の適切な噴射を維持することのできるメンテナンス装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上のように、本発明の1つの実施形態は、流体噴射および気化装置のメンテナンス装置を提供する。メンテナンス装置は、前記流体噴射および気化装置の噴射ヘッドを掃引する(sweeping)ワイパーブレード(wiper blade)と、前記ワイパーブレードと係合し、前記流体噴射および気化装置を流れる空気の流れにより動作し、前記噴射ヘッドを横切って前記ワイパーブレードを移動させる空気作動機構と、を備える。
【0005】
メンテナンス装置において、前記空気作動機構は、前記流体噴射および気化装置内で固定された第1端及び前記第1端に対して移動可能な第2端を含み、前記第2端は、前記ワイパーブレードと係合される。
【0006】
メンテナンス装置は、前記空気作動機構の前記第2端に連結されたアームをさらに備え、前記空気作動機構が前記アームを経由して前記ワイパーブレードに係合される。
【0007】
いくつかの実施形態において、空気作動機構は、さらに付勢装置を備え、空気流が止まった時に第2位置から第1位置にワイパーブレードを戻すために、付勢装置(biasing device)により偏向される。
【0008】
別の実施形態において、空気作動機構は、空気嚢(air bladder)、バネベローズ(spring bellows)、および空気作動フラッパー(flapper)から選択される。
【0009】
1つの実施形態において、空気作動機構は、空気作動フラッパーを第1位置に偏向するためのバネを有する空気作動フラッパーである。
【0010】
いくつかの実施形態において、流体噴射および気化装置により生成された蒸気を吸入することによって、空気が流体噴射および気化装置を流れるようにする。
【0011】
別の実施形態において、ワイパーブレードは、流体噴射および気化装置内の噴射ヘッドと気化ヒーターの間に配置される。
【0012】
別の実施形態において、空気作動機構は、気化ヒーターのマウスピースに近い側の流体噴射および気化装置の気化ヒーターとマウスピースの間に配置される。
【0013】
前記空気作動機構の前記第2端は、前記空気の流れにより移動して、前記ワイパーブレードを第1位置から第2位置に向かって前記噴射ヘッドを横切るように移動させる。
【0014】
前記空気作動機構は、さらに付勢装置を備え、前記空気の流れが止まった時に前記第2位置から前記第1位置に前記ワイパーブレードを戻すために、付勢装置により偏向される。
【0015】
前記空気は、前記流体噴射および気化装置の前記マウスピースを流れる。
【0016】
別の実施形態において、前記メンテナンス装置を備える流体噴射および気化装置を提供する。
【0017】
いくつかの実施形態において、流体噴射および気化装置は、電子煙草である。
【0018】
以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲を参照して、本発明の他の特徴および利点を証明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る流体噴射および気化装置に用いる噴射ヘッドの概略図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るクリーニング装置を含む流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第1位置にある時の側面概略図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るクリーニング装置を含む流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第2位置にある時の側面概略図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第2位置から第1位置に向かって噴射ヘッドを横切るよう移動した時の側面概略図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るワイパーブレードおよび空気作動機構の側面概略図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るワイパーブレードおよび空気作動機構の前面概略図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るクリーニング装置を含む流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第1位置にある時の流体噴射および気化装置の側面概略図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係るクリーニング装置を含む流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第2位置にある時の側面概略図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係る流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第2位置から第1位置に向かって噴射ヘッドを横切るよう移動した時の側面概略図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係るワイパーブレードおよび空気作動機構の前面概略図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係るワイパーブレードおよび空気作動機構の側面概略図である。
【
図12】本発明の第3実施形態に係るクリーニング装置を含む流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第1位置にある時の側面概略図である。
【
図13】本発明の第3実施形態に係るクリーニング装置を含む流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第2位置にある時の側面概略図である。
【
図14】本発明の第3実施形態に係る流体噴射および気化装置において、クリーニング装置のワイパーブレードが第2位置から第1位置に向かって噴射ヘッドを横切るよう移動した時の側面概略図である。
【
図15】本発明の第3実施形態に係るワイパーブレードおよび空気作動機構の側面概略図である。
【
図16】本発明の第3実施形態に係るワイパーブレードおよび空気作動機構の前面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、
図2〜
図4、
図7〜
図9、および
図12〜
図14に概略的に示した流体噴射および気化装置、ならびに
図5〜
図6、
図10〜
図11、および
図15〜
図16に概略的に示したメンテナンス装置に関するものである。ここで説明する全ての実施形態において、流体は、噴射ヘッド10(
図1)から気化ヒーター12に噴射され、流体は、気化されて、流体噴射および気化装置20の外のマウスピース22に流出する。噴射ヘッド10から噴射された流体は、噴射ヘッド10内の噴射ノズル16を介して流体リザーバ(reservoir)14によって提供される。噴射ヘッド10は、感熱式(thermal)微小流体噴射ヘッド、または気泡ポンプ(bubble pump)微小流体噴射ヘッドであってもよい。噴射ヘッド10からの流体噴射を制御することにより、流体噴射および気化装置の使用者に所定量の蒸気を提供する。いくつかの実施形態において、流体噴射および気化装置は、電子煙草である。別の実施形態において、流体噴射および気化装置は、蒸気療法、または気化した医薬組成物の送達に用いる装置であってもよい。特定の流体噴射および気化装置に関わらず、メンテナンス装置の操作原理は、通常、同じである。
【0021】
例えば、
図2〜
図6を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る流体噴射および気化装置20について説明する。
図1を参照すると、上述したように、この装置20は、幅広い種類の応用に使用され、噴射ヘッド10により液体を気化ヒーター12に噴射して、蒸気流を提供する。この装置20は、通常、電子煙草のような携帯用装置であり、装置20によって生成された蒸気を吸入するためのマウスピース22を有する。マウスピース22は、蒸気を装置20の外に流出させるための蒸気排出導管24を含んでもよい。上述したように、噴射ヘッド10のノズル16が詰まる、あるいは狭くなることによって、流体噴射を妨げたり減らしたりしないように、噴射ヘッド10から屑や汚れを除去する必要がある。しかしながら、流体噴射および気化装置20は小型であるため、従来の噴射ヘッドクリーニングメカニズムはどれを使用しても困難である。
【0022】
したがって、
図2〜
図6を参照すると、マウスピース22に吸引を適用した時に
図2に示した第1位置から
図3に示した第2位置に向かって噴射ヘッド10を横切るようワイパーブレード28(
図6)を移動させるために用いるベローズ26または空気嚢(air bladder)等の空気作動機構を示す。
図2〜
図4において、ベローズ26の第1端30は、装置20内で固定または静止しており、ベローズ26の第2端32は、マウスピース22に吸引を適用した時に矢印34の方向にあるベローズ26の第1端30に向かって圧縮される。バネ36等の付勢装置は、アーム38をワイパーブレード28(
図6)に係合して、ベローズ26の第2端32から離れるよう移動させるため、
図2に示した第1位置から
図3に示した第2位置に向かって噴射ヘッド10を横切るようワイパーブレード28を掃引する。アーム38は、ゴムまたは薄いプラスチック等の弾性連結、またはヒンジ39により、ベローズ26の第2端32に係合される。マウスピース22から吸引が排除された時、ベローズ26は、
図4に示した非圧縮状態に戻るため、再度第2位置(
図3)から第1位置(
図4)に向かって噴射ヘッド10を横切るようワイパーブレード28を掃引する。ベローズ26の端30および32は、内部または外部のバネにより互いから離れるように偏向される。流体噴射および気化装置20を通過してベローズ26を圧縮させる空気移動は、矢印40で示してある(
図3)。
【0023】
ベローズ26が
図2および
図4に示した非圧縮状態にある時、アーム38は、ベローズ26の第2端32に対して90度より小さい(例えば、約20度から約50度まで、または約30度〜約45度までの)角度41にある。ベローズ26が
図3に示した圧縮状態にある時、アーム38は、実質的に、ベローズ26の第2端32に対して垂直(例えば、ベローズ26の第2端32に対して約45度から約90度未満までの角度)であってもよい。
【0024】
図7〜
図11を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、上述したベローズ26の代わりに、流体噴射および気化装置20において空気フラッパー50等の空気作動機構を使用する。噴射ヘッド10、気化ヒーター12、および流体リザーバ14は、上述したように、流体噴射および気化装置20内に配置される。
【0025】
この第2実施形態において、空気フラッパー50は、ワイパーブレード54に係合されたアーム52を有し、マウスピース22に吸引が適用された時に
図7に示した第1位置から
図8に示した第2位置に向かって噴射ヘッド10を横切るようワイパーブレード54(
図10)を移動させる。フラッパー50およびアーム52は、ヒンジ56の手段により流体噴射および気化装置20内の支持構造58に係合される。ヒンジ56は、支持構造58に対してフラッパー50およびアーム52を回動させることができる。弱バネ60等の付勢装置は、
図7、
図9、
図11に示すように、フラッパー50と支持構造58の間に配置され、空気フラッパー50を第1位置に偏向する。空気フラッパー50は、矢印40で示した空気流路内に、支持構造58に対して斜めに配置されるため、流体噴射および気化装置20を流れる空気流がある時、噴射ヘッド10を横切るようワイパーブレード54を移動させることができる。したがって、空気フラッパー50およびアーム52を支持構造58に対して約25度から約75度までの範囲(例えば、約30度から約50度まで)の角度61にすることができる。
【0026】
図7〜
図9に移動して、空気フラッパー50の操作について概略的に説明する。
図7において、マウスピース22に吸引がないため、流体噴射および気化装置20を流れる空気流がない。そのため、ワイパーブレード54は、
図7に示した第1位置にある。マウスピース22に吸引を適用した時、矢印40で示した空気が流体噴射および気化装置20を流れて、空気フラッパー50を支持構造58に向かって移動させるため、
図8に示すように、バネ60を圧縮して、噴射ヘッド10を横切るようワイパーブレード54を移動させる。マウスピース22の吸引が終了した時、バネ60が空気フラッパー50を支持構造58から離すため、噴射ヘッド10を反対方向に横切るようワイパーブレード54を移動させて、
図9に示した第1位置に戻る。ワイパーブレード54が第1位置(
図7および
図9)から第2位置(
図8)に向かって両方の方向に噴射ヘッド10を横切るよう掃引すると、屑や超過した流体が噴射ヘッド10の表面から除去される。ワイパーブレード54は、弾力のある材料で作られ、ワイパーブレード54の位置が
図7〜
図9において噴射ヘッド10に接触しているかどうかに関わらず、ワイパーブレード54が噴射ヘッド10に接触したままでいるのに十分な量だけ屈曲する。あるいは、ワイパーブレード54が
図7〜
図9に示した位置の順番に噴射ヘッド10を横切るよう移動するとともに、アーム52が屈曲してもよい。
【0027】
本発明の第3実施形態は、
図12〜
図16に示した通りである。本実施形態において、空気作動機構は、再度、ベローズ70または空気嚢(air bladder)であるが、ベローズ70の圧縮は、
図1〜
図6の第1実施形態の
図5に示したようなアーム38の角運動(angular movement)ではなく、ワイパーブレード74(
図12〜
図14)に係合されたアーム72の側方運動(lateral movement)を引き起こす。第1および第2実施形態とは異なり、第3実施形態は、第1および第2実施形態の付勢装置36および60を使用する必要がない。第1実施形態と同様に、ベローズ70は、内部または外部のバネまたは付勢装置を含み、ベローズ70を圧縮位置から非圧縮位置に戻すことができる。
【0028】
図13において、ベローズ70の第1端76は、装置20内に固定または静止しており、ベローズ70の第2端78は、マウスピース22に吸引を適用した時に矢印80の方向でベローズ70の第1端76に向かって圧縮される。したがって、ベローズ70は、
図12の第1非圧縮状態で示され、ワイパーブレード74は、噴射ヘッド10の第1端82に隣接する。マウスピース22に吸引を適用した時、矢印86で示したように、流体噴射および気化装置20を通過する空気移動が、
図13に示すように、ベローズ70を圧縮するため、噴射ヘッド10の第1端82から第2端84に向かって噴射ヘッド10を横切るようワイパーブレード74を掃引する。マウスピース22から吸引が排除された時、ベローズ70は、
図14に示した非圧縮状態に戻るため、再度第2端84(
図13)から第1端82(
図14)に向かって噴射ヘッド10を横切るようワイパーブレード74を掃引する。
【0029】
第1実施形態と同様に、ベローズ70の端76および78は、内部または外部のバネによって互いから離れるよう偏向される。流体噴射および気化装置20を通過してベローズ70を圧縮する空気移動は、
図13に示した通りである。
【0030】
第3実施形態の空気作動機構が他の2つの実施形態の空気作動機構よりも単純であり、且つ可動部分が少ないことが理解されよう。
【0031】
ここで説明した全ての実施形態において、流体噴射および気化装置20は、プラスチック、金属、ガラス、セラミック等の幅広い種類の材料で作られ、これらの材料は、装置20によって噴射および気化したい流体と互換性がある。特に適切な材料は、ポリ塩化ビニル、高密度ポリエチレン、ポリカーボネート、ステンレス鋼、サージカルスチール(surgical steel)等から選択される。流体および蒸気と接触するマウスピース22を含む全ての部品は、プラスチックで作られてもよい。ワイパーブレードは、噴射ヘッド10を拭き取るためのエラストマ材料(elastomeric material)、天然ゴム、フッ素ポリマー等の弾性のある材料で作られる。流体噴射および気化装置の他の構成要素と同様に、ワイパーブレードは、使用した流体および流体噴射および気化装置20によって生成された蒸気に対して耐性のある材料で作られるべきである。
【0032】
第1および第3実施形態において、ベローズは、布、繊維ガラス、プラスチック等の弾力のある材料で作られる。第2実施形態の空気フラッパーは、金属またはプラスチック等の硬い材料で作られる。
【0033】
特定の実施形態について説明したが、現在予測不可能な代替物、修正、変更、改良、および同等物が出願人または他の当業者に起こりえる。したがって、添付の特許請求の範囲は、このようなあらゆる代替物、修正、変更、改良、および同等物を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0034】
10 噴射ヘッド
12 気化ヒーター
14 流体リザーバ(reservoir)
16 ノズル
20 流体噴射および気化装置
22 マウスピース
24 蒸気排出導管
26 ベローズ
28 ワイパーブレード
30 ベローズ26の第1端
32 ベローズ26の第2端
36 バネ
38 アーム
39 ヒンジ
50 フラッパー(空気フラッパー)
58 支持構造
60 付勢装置(弱バネ)
70 ベローズ
76 ベローズ70の第1端
78 ベローズ70の第2端
82 噴射ヘッド10の第1端
84 噴射ヘッド10の第2端