【解決手段】処理部によって処理されて搬送部によって排出口220から排出された処理済シートを積載するスタック台31と、処理済シートの側縁に接触して処理済シートをガイドする側縁ガイド32と、を備えている、シート処理装置であって、スタック台31を昇降させる昇降部と、昇降部の作動を制御する昇降制御部と、を更に備えており、昇降制御部は、スタック台31が処理済シートを積載する際に、スタック台31を所定の微小距離だけ繰り返し昇降作動させるように、昇降部を制御するようになっている、ことを特徴としている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態のシート処理装置について説明する。
【0011】
[全体構成]
図1は、本発明の一実施形態のシート処理装置を示す全体断面略図である。シート処理装置1は、装置本体10の両端に、給紙トレイ211を有する給紙部21と、排紙部3と、を備えている。なお、排紙部3は、略して示されている。給紙部21から排紙部3へは、多数個の対のローラ221によって搬送部22が構成されている。搬送部22は、シート100を、給紙部21から排紙部3へ向けて矢印Y方向に搬送する、搬送経路200を、構成している。矢印Yが示す搬送方向において、給紙部21側を「上流側」と称し、排紙部3側を「下流側」と称する。そして、搬送経路200には、給紙部21側から、搬送補正部、情報読取部23、及びリジェクト部24等を、経て、縦裁断部25A、25B、25C、裁ち屑排除部26、横クリース部27、及び横裁断部28が、設けられている。縦裁断部25A、25B、25Cは、シート100を搬送方向Yに対して直交した幅方向の任意の位置で搬送方向Yに沿って裁断する、処理部である。横クリース部27は、シート100に幅方向に沿ってクリースを形成する、処理部である。横裁断部28は、シート100を幅方向に沿って裁断する、処理部である。そして、処理部で処理されたシート100すなわち処理済シートは、搬送部22の排出口220から排紙部3へ排出されるようになっている。
【0012】
また、装置1は、装置全体の作動を制御する制御部4を装置本体10内に備えている。制御部4は、CPU、ROM、RAM等により、実現されている。制御部4には、操作パネル(図示せず)が接続されている。更に、装置1は、シート100の処理によって発生する切り屑(裁ち屑も含む)を収容するためのゴミ箱110を、装置本体10内の底部に有している。
【0013】
なお、本発明のシート処理装置が処理するシートは、紙シートでも樹脂シートでもよく、また、枚葉シートタイプでも連続シートタイプでもよい。本実施形態では、枚葉シートタイプの紙シートを対象としている。そして、本実施形態では、少なくとも縦裁断部及び横裁断部が作動することによって、処理済シートとしてのシート片が生成されるようになっている。
【0014】
[排紙部]
図2は、
図1のII矢視部分略図であり、排紙部3の平面部分略図である。
図3は、
図1のIII矢視部分略図であり、排紙部3の正面部分略図である。
図4は、
図3のIV−IV断面図である。
図5は、
図3のV矢視図であり、
図2及び
図3においては略して示されている排紙部3の側部30Aを示している。
図6は、
図3のVI矢視図であり、排紙部3の側部30Bを示している。
図7は、
図5のVII矢視図である。排紙部3は、スタック台31、側縁ガイド32、ガイド位置設定部5、スペース板33、及び昇降部7を、有している。側縁ガイド32は、シートガイドの一種である。
【0015】
(スタック台)
スタック台31は、平らな板体であり、幅方向Xに沿って延びた開口311を、上流側に有している。開口311は、平面視矩形を有している。なお、幅方向Xは、搬送方向Yに対して直交する方向である。スタック台31は、側壁300A、300Bによって、側部30A、30Bと隔てられている。
【0016】
(側縁ガイド)
側縁ガイド32は、装置本体10において処理されて排出されて来たシート片101の側縁をガイドするためのものであり、搬送方向Yに沿って延びた板体である。側縁ガイド32は、本実施形態では4個設けられており、開口311内を上下に挿通して立設されている。側縁ガイド32は、ガイド位置設定部5によって、開口311内を幅方向Xに沿って移動可能に支持されている。
【0017】
(ガイド位置設定部)
図8は、ガイド位置設定部5の斜視図である。ガイド位置設定部5は、ガイド基台51、ガイド軸52、及び駆動軸53を、有している。本実施形態では、ガイド位置設定部5は、4個の側縁ガイド32を対象としているので、4個のガイド基台51及び4本の駆動軸53を備えている。ガイド軸52及び駆動軸53は、幅方向Xに沿って延びている。ガイド軸52は、その両端にて側壁300A、300Bに固定されている。駆動軸53は、側壁300A、300Bを貫通して、側壁300A、300Bに回転自在に支持されている。4本の駆動軸53は、上下に並設されている。駆動軸53は、ねじ軸である。ガイド基台51は、ブロック体511、スライド部512、及びフレーム部513を、有している。側縁ガイド32は、下部水平部321によって、ブロック体511の上面に接合されており、これにより、ブロック体511から立設して支持されている。ブロック体511は、ガイド軸52に摺動可能に嵌合したスライド部512と、1本の駆動軸53に軸支されたフレーム部513と、によって、安定して支持されている。フレーム部513は、駆動軸53が螺合して挿通した螺合部5131を有しており、これにより、フレーム部513は駆動軸53に軸支されている。4個のガイド基台51のフレーム部513は、それぞれ、異なる駆動軸53に軸支されている。こうして、本実施形態では、
図8の右側から順の、第1、第2、第3、第4の側縁ガイド32が、それぞれ、上から順の、第1、第2、第3、第4の駆動軸53に、連結されている。更に、第1、第2、第3、第4の駆動軸53は、それぞれ、第1、第2、第3、第4のモータ(図示せず)に連結されている。
【0018】
以上の構成により、ガイド位置設定部5は、モータによって駆動軸53を回転させて、側縁ガイド32を、幅方向Xに沿って移動させて任意の位置に設定できるようになっている。
【0019】
(スペース板)
幅方向Xの任意の位置に設定された隣接する側縁ガイド32の間の、開口3110を、塞ぐように、スペース板33が設けられている。スペース板33は、
図4に示されるように、スタック台31の下から差し込まれて、先端部331が隣接する側縁ガイド32の間の開口3110に位置するように、取り付けられている。
【0020】
(昇降部)
図2及び
図3において略して示されている排紙部3の側部30A、30Bには、スタック台31を昇降させる昇降部7が設けられている。昇降部7は、側部30Aに設けられた昇降機構7Aと側部30Bに設けられた昇降機構7Bとからなっている。
図5は昇降機構7Aを示し、
図6は昇降機構7Bを示している。
【0021】
図5に示されるように、昇降機構7Aは、ガイド軸71A及び上下移動部72Aを、有している。ガイド軸71Aは、排紙部3において搬送方向Yの略中央に、立設されている。側壁300Aには、ガイド軸71Aの上流側及び下流側の位置に、縦溝731A、732A(
図7)が形成されている。一方、スタック台31の側部には、支持板741A、742Aが設けられている。支持板741A、742Aは、それぞれ、縦溝731A、732Aを通り抜けて、ガイド軸71Aに上下方向に摺動自在に外嵌するスライドブロック74Aを、支持している。上下移動部72Aは、上スプロケット721Aと、下スプロケット722Aと、両スプロケット721A、722Aに掛け渡された回転ベルト723Aと、を有している。そして、回転ベルト723Aの途中には、支持板741Aによってスライドブロック74Aが固定されている。
【0022】
昇降機構7Bも、昇降機構7Aと同じ構成を有している。但し、昇降機構7Bは、昇降機構7Aとは対称的である。すなわち、昇降機構7Bは、
図6に示されるように、ガイド軸71B及び上下移動部72Bを、有しており、更には、縦溝731B、732B、支持板741B、742B、スライドブロック74B、上スプロケット721B、下スプロケット722B、及び両スプロケット721B、722Bに掛け渡された回転ベルト723Bを、有している。なお、下スプロケット722A又は722Bは、駆動源(図示せず)によって回転されるようになっている。
【0023】
以上の構成により、昇降部7は、スタック台31を水平に支持するとともに、回転ベルト723A、723Bを上下移動させて、スタック台31を昇降させることができるようになっている。
【0024】
[レベルセンサ]
図3に示されるように、排紙部3には、レベルセンサ81が設けられている。レベルセンサ81は、側部30Aに設けられた発光部811と側部30Bに設けられた受光部812とからなっている。なお、発光部811は側部30Bに、受光部812は側部30Aに、設けられてもよい。レベルセンサ81は、スタック台31に積載されたシート片101の最上位のシート片101が所定の高さ位置Hにあることを検知するように、配置されている。高さ位置Hは、装置本体10の搬送部22の排出口220より少し下の高さ位置に、設定されている。
【0025】
[排出不良センサ]
図1に示されるように、装置本体10の搬送部22の排出口220には、排出不良センサ82が設けられている。排出不良センサ82は、排出口220の上方に設けられた発光部821と排出口220の下方に設けられた受光部822とからなっている。なお、発光部821は排出口220の下方に、受光部822は排出口220の上方に、設けられてもよい。発光部821と受光部822とは、排出口220を横切るように対向している。これにより、排出不良センサ82は、装置本体10において処理されて排出されて来たシート片101が排出口220に残っている状態、すなわち、排出不良状態を、検知するようになっている。
【0026】
[制御部]
制御部4は、
図9に示されるように、昇降部7の作動を制御する昇降制御部41と、ガイド位置設定部5を制御するガイド制御部42と、を有している。
【0027】
(昇降制御部)
昇降制御部41は、微小作動制御部411と大作動制御部412とを有している。大作動制御部412は、下降制御部4121と、上昇制御部4122と、停止制御部4123と、を有している。
【0028】
微小作動制御部411は、スタック台31を所定の微小距離h1だけ繰り返し昇降作動させるように、昇降部7を制御するようになっている。距離h1は、具体的には、3〜10mmの範囲内の所定値であるが、3〜8mmが好ましく、4〜6mmがより好ましく、5mmが特に好ましい。微小作動制御部411は、具体的には、昇降部7の上下移動部72A、72Bの駆動モータ(図示せず)の正回転と逆回転との切替を所定のタイミングで繰り返すことによって、スタック台31の昇降作動を繰り返すようになっている。なお、所定のタイミングは、駆動モータの、回転量又は作動時間に基づいて、設定されており、更に、駆動モータの回転量は、駆動モータのパルス信号に基づいて制御されている。これにより、微小作動制御部411は、スタック台31を所定の微小距離h1だけ繰り返し昇降作動させるので、側縁ガイド32へのシート片101の引っ掛かりを解消でき、したがって、積載不良が生じるのを防止できる。
【0029】
更に、微小作動制御部411には、レベルセンサ81が接続されている。これにより、微小作動制御部411は、スタック台31に積載されたシート片101の最上位のシート片101がレベルセンサ81によって検知される位置Hが、昇降作動の頂点となるように、昇降部7を制御するようになっている。
【0030】
大作動制御部412には、レベルセンサ81及び排出不良センサ82が接続されている。大作動制御部412においては、排出不良センサ82によって排出不良状態が検知されると、下降制御部4121と停止制御部4123とが作動するようになっている。下降制御部4121は、スタック台31を所定距離h2だけ下降させるように、昇降部7を制御するようになっている。距離h2は、シート片101の排出不良状態の解消が排出不良センサ82によって検知されるまでの距離である。停止制御部4123は、搬送部22の作動を停止させるようになっている。
【0031】
更に、大作動制御部412においては、排出不良状態の解消が排出不良センサ82によって検知されると、上昇制御部4122と停止制御部4123とが作動するようになっている。上昇制御部4122は、スタック台31を所定距離h3だけ上昇させるように、昇降部7を制御するようになっている。距離h3は、排出不良状態解消後のスタック台31に積載されたシート片101の最上位のシート片101が、レベルセンサ81によって検知される位置Hに到達する、距離である。また、停止制御部4123は、スタック台31が距離h3だけ上昇したことがレベルセンサ81によって検知されると、搬送部22の作動停止を解除するようになっている。
【0032】
(ガイド制御部)
ガイド制御部42には、情報読取部23が接続されている。情報読取部23は、シート100に対する処理内容を読み取るようになっている。例えば、
図10に示されるように、シート100が、線a1、a2で裁断された後、線b1、b2で裁断され、更に、線d1、d2で裁断される場合、情報読取部23は、それらに対応した幅方向Xの位置Pa1、Pb1、Pb2、Pa2を読み取る。ガイド制御部42は、
図11に示されるように、情報読取部23によって得られた位置Pa1、Pb1、Pb2、Pa2に対応した位置Ga1、Gb1、Gb2、Ga2を設定する。そして、ガイド制御部42は、第1、第2、第3、第4の側縁ガイド32がそれぞれ移動して位置Ga1、Gb1、Gb2、Ga2に位置するように、ガイド位置設定部5を制御するようになっている。なお、位置Ga1、Gb1、Gb2、Ga2は、幅方向Xにおいて、位置Pa1、Pb1、Pb2、Pa2と必ずしも一致していない。何故なら、側縁ガイド32には幅方向Xの厚みtgがあるからである。具体的には、位置Ga1、Gb1、Gb2、Ga2と位置Pa1、Pb1、Pb2、Pa2との関係は、
図11に示されるようになる。ここで、αは、シート片101が、その両縁にて側縁ガイド32に接触しながらも円滑に落下していくのに必要な遊び寸法である。また、Wpは、シート片101の幅寸法である。
【0033】
[作動・効果]
次に、上記構成のシート処理装置1の作動及び効果について説明する。
【0034】
(1)まず、給紙トレイ211上のシート100が、一枚ずつ、搬送部22によって、搬送経路200へ送り出される。送り出されたシート100は、情報読取部23を経た後、後続の処理部へ搬送される。情報読取部23は、シート100に予め印刷等されているバーコード等から、シート100に対する処理情報を読み取り、制御部4へ伝える。制御部4は、読み取られた処理情報に基づく処理内容を実行できるように各処理部を制御すると共にガイド制御部42によってガイド位置設定部5を制御する。
【0035】
例えば、処理情報が
図10に示された処理内容である場合について、説明する。
【0036】
(1-1)処理部の作動
搬送されるシート100は、各処理部によって、次のように処理される。すなわち、シート100は、まず、縦裁断部25Aによって線a1、a2に沿って裁断され、裁ち屑111が除去され、次に、縦裁断部25B又は縦裁断部25Cによって線b1、b2に沿って裁断され、そして、横裁断部28によって線d1、d2に沿って裁断される。その結果、
図10に示されるように、3枚のシート片101からなる1組のシート片セット100Aが、連続して生成される。なお、シート片セット100Aにおいて、3枚のシート片101は、幅方向Xにおいて隙間無くすなわち密接に並んでいる。そして、シート片セット100Aは、排出口220から排紙部3へ、次々と排出されていく。
【0037】
(1-2)ガイド位置設定部の作動
ガイド位置設定部5によって、第1、第2、第3、第4の駆動軸53が回転し、それによって、
図11に示されるように、第1、第2、第3、第4の側縁ガイド32が、それぞれ移動して、位置Ga1、Gb1、Gb2、Ga2に位置する。
【0038】
(2)そして、シート片セット100Aが、排出口220から排紙部3へ、次々と排出されていく際、排紙部3も、制御部4による制御を受けて、次のように作動する。なお、排紙部3の作動は、排出不良状態が生じていない場合と、排出不良状態が生じた場合との、2つの場合がある。ここで、排出不良状態とは、シート片101が排出口220に残っている状態を言う。
【0039】
(2-1)排出不良状態が生じていない場合
制御部4の昇降制御部41の微小作動制御部411によって、昇降部7が制御され、それにより、スタック台31は、所定の距離h1だけ昇降作動を繰り返す。
図12は、その時のスタック台31の様子を示す正面略図である。
【0040】
ところで、側縁ガイド32の位置を示す
図11から明らかなように、位置Ga1、Gb1、Gb2、Ga2と位置Pa1、Pb1、Pb2、Pa2とは一致していないので、シート片セット100Aが排出口220から落下して来る際に、シート片セット100Aの内の両側のシート片101が、
図12に一点鎖線で示されるように、第2、第3の側縁ガイド32に引っ掛かりやすく、その結果、積載不良が生じやすい。
【0041】
しかしながら、スタック台31は、微小距離h1だけ昇降作動を繰り返しているので、第2、第3の側縁ガイド32へのシート片101の引っ掛かりは解消され、両側のシート片101は、円滑に落下していき、側縁ガイド32によって仕分けされた状態で、スタック台31上に積載される。
【0042】
したがって、上記構成のシート処理装置1によれば、シート片101が側縁ガイド32に引っ掛かって積載不良となるのを、防止できる。
【0043】
一方、スタック台31が排出口220と同等レベルの高さ位置まで上昇すると、シート片101は、側縁ガイド32に、より引っ掛かりやすくなる。しかしながら、微小作動制御部411による制御によって、スタック台31は、積載されたシート片101の最上位のシート片101がレベルセンサ81によって検知される位置Hが、昇降作動の頂点となるように、昇降作動する。すなわち、スタック台31は、排出口220よりも少し低い位置Hまでしか、上昇しない。それ故、シート片101は、側縁ガイド32に、引っ掛かりにくくなる。よって、この点からも、上記構成のシート処理装置1によれば、シート片101の積載不良を防止できる。
【0044】
(2-2)排出不良状態が生じた場合
排出不良状態が生じると、排出不良センサ82が、それを検知して、制御部4に伝え、制御部4では、大作動制御部412の、下降制御部4121と停止制御部4123とが作動する。そして、排出不良状態が解消すると、排出不良センサ82が、それを検知して、制御部4に伝え、制御部4では、大作動制御部412の、上昇制御部4122と停止制御部4123とが作動する。
【0045】
(2-2-1)下降制御部及び停止制御部の作動
停止制御部4123が作動すると、搬送部22の作動が停止する。また、下降制御部4121が作動すると、
図13に示されるように、スタック台31は、所定距離h2だけ下降する。これにより、排出口220に残っているシート片101は、排出口220からスタック台31までの落差が大きくなることにより、排出口220から落下して、スタック台31に載ることとなる。したがって、上記構成のシート処理装置1によれば、排出不良状態を解消できる。
【0046】
(2-2-2)上昇制御部及び停止制御部の作動
上昇制御部4122が作動すると、スタック台31は、所定距離h3だけ上昇し、これにより、スタック台31に積載されたシート片101の最上位のシート片101が、位置Hに到達する。また、停止制御部4123が作動すると、搬送部22の作動停止が解除される。これにより、微小作動制御部411の作動が再開されることとなる。したがって、排出不良状態が解消された後は、スタック台31は、上述したように、距離h1の昇降作動を繰り返す。
【0047】
[変形例]
(1)シート100の処理情報は、
図14に示される処理内容でもよい。この場合、シート100は、まず、縦裁断部25Aによって線a1、a2に沿って裁断され、裁ち屑111が除去され、次に、縦裁断部25Bによって線b1、b2に沿って裁断され、次に、縦裁断部25Cによって線c1に沿って裁断され、そして、横裁断部28によって線d1、d2に沿って裁断される。その結果、
図14に示されるように、4枚のシート片101からなる1組のシート片セット100Bが、連続して生成される。なお、シート片セット100Bにおいて、4枚のシート片101は、幅方向Xにおいて隙間無くすなわち密接に並んでいる。また、この場合における位置Pa1、Pb1、Pc1、Pb2、Pa2と位置Ga1、Gb1、Gc1、Gb2、Ga2との関係は、
図15に示されるとおりである。この場合、シート片セット100Bの全シート片101は、
図14に示されるように、側縁ガイド32に引っ掛かる恐れがある。しかしながら、この場合においても、本発明のシート処理装置1によれば、上記実施形態と同様に、シート片101の積載不良を防止でき、また、シート片101の排出不良が生じた場合には排出不良状態を解消できる。
【0048】
(2)シート100の処理情報は、
図16に示される処理内容でもよい。この場合、シート100は、まず、縦裁断部25Aによって線a1、a2に沿って裁断され、裁ち屑111が除去され、次に、縦裁断部25Bによって線b1、b2に沿って裁断され、次に、縦裁断部25Cによって線c1、c2に沿って裁断され、裁ち屑112が裁ち屑排除部26によって除去され、そして、横裁断部28によって線d1、d2に沿って裁断される。その結果、
図16に示されるように、3枚のシート片101からなる1組のシート片セット100Cが、連続して生成される。なお、シート片セット100Cにおいて、3枚のシート片101は、幅方向Xにおいて隙間X1、X2を有した状態で並んでいる。また、この場合における位置Pa1、Pb1、Pb2、Pc1、Pc2、Pa2と位置Ga1、Gb1、Gb2、Ga2との関係は、
図17に示されるとおりである。この場合、シート片セット100Cの全シート片101は、
図16に示されるように、側縁ガイド32に殆ど引っ掛かることはない。しかるに、この場合においても、本発明のシート処理装置1によれば、上記実施形態と同様に、シート片101の排出不良が生じた場合には排出不良状態を解消できる。
【0049】
(3)
図18に示されるように、スタック台31は、下流側に向けて低くなるように傾斜していてもよい。この場合には、シート片101の前縁をガイドする前縁ガイド35が、シートガイドの一種として必要となる。この場合においても、本発明のシート処理装置1によれば、上記実施形態と同様の効果を発揮できる。
【0050】
(4)
図19に示されるように、スタック台31は、下流側に向けて高くなるように傾斜していてもよい。この場合には、排出口220の下方の本体壁36が、シートガイドの一種としての後縁ガイドとして機能することとなる。この場合においても、本発明のシート処理装置1によれば、上記実施形態と同様の効果を発揮できる。
【0051】
(5)
図20に示されるように、スタック台31は、載置面が幅方向Xにおいて階段状に複数段に渡って一方向に傾斜していてもよい。
図20の場合では、3段の傾斜面341、342、343が形成されている。これらの傾斜面341、342、343は、それぞれ、載置されるシート片101を側縁ガイド32に向けて押し付けて整列させるように機能する。この場合においても、本発明のシート処理装置1によれば、上記実施形態と同様の効果を発揮できる。
【0052】
(6)処理部としては、上記実施形態の、縦裁断部、横クリース部、及び横裁断部に限らず、搬送方向に沿ってミシン目を形成する縦ミシン部、幅方向に沿ってミシン目を形成する横ミシン部、搬送方向に沿ってクリースを形成する縦クリース部、搬送方向に沿ってハーフカットを形成する縦ハーフカット部、幅方向に沿ってハーフカットを形成する横ハーフカット部、印刷を行う印刷部、及び所定の折り加工を行う折り部等を、任意に選択して採用できる。なお、横裁断部としては、幅方向に延びた裁断刃を有するカッター、回転しながら幅方向に移動するサークルカッター、又は、上流と下流とにそれぞれ配置した一対の搬送ローラの周速差を利用するバースタの、いずれを採用してもよい。横裁断部は、連続シートを使用する場合には必須である。
【0053】
(7)シートガイドとしては、上述したように、側縁ガイド、前縁ガイド、及び後縁ガイドを採用できるが、その他に、
図21に示されるような、シート片101の角部をガイドするコーナーガイド37を、採用してもよい。なお、シートガイドは、少なくとも1個設けられていればよい。
【0054】
(8)ガイド位置設定部5は、上記実施形態では、側縁ガイド32を直接移動させるように構成されている。しかしながら、ガイド位置設定部は、側縁ガイドを保持する保持部材を、移動させるように構成されてもよい。例えば、ガイド位置設定部は、側縁ガイドがスタック台に直接固定されている場合には、スタック台自体を移動させるように構成されてもよい。この場合において、側縁ガイドが複数個設けられている場合には、側縁ガイド間の距離を変えることなく、シートの裁断位置に対応した側縁ガイドの位置を設定できる。