特開2017-187112(P2017-187112A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-187112(P2017-187112A)
(43)【公開日】2017年10月12日
(54)【発明の名称】シャッターの開閉装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/50 20060101AFI20170919BHJP
   B28C 7/16 20060101ALI20170919BHJP
   F16K 3/02 20060101ALI20170919BHJP
   F16K 1/20 20060101ALI20170919BHJP
【FI】
   F16K31/50 Z
   B28C7/16
   F16K3/02 F
   F16K1/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-76391(P2016-76391)
(22)【出願日】2016年4月6日
(71)【出願人】
【識別番号】391006038
【氏名又は名称】東都電機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【弁理士】
【氏名又は名称】古澤 俊明
(72)【発明者】
【氏名】大塚 浩一
(72)【発明者】
【氏名】上坂 則章
【テーマコード(参考)】
3H052
3H053
3H063
4G056
【Fターム(参考)】
3H052AA01
3H052BA31
3H052CD01
3H052EA07
3H053AA31
3H053BD01
3H053DA07
3H063AA01
3H063AA04
3H063BB05
3H063BB36
3H063BB41
3H063CC02
3H063DB08
4G056AA06
4G056CD36
4G056CE02
(57)【要約】
【課題】セメントスラリーなどの収容物を容器内から短時間で、確実に送り出すことによりプラントの製造能力を高めるシャッターの開閉装置を提供すること。
【解決手段】容器21内の収容物を、前記容器21の排出口33に設けたシャッター34を開閉して排出するためのシャッターの開閉装置において、前記シャッター34にスライダー35を設け、スライダー35の駆動軸孔36に駆動軸46を貫通し、この駆動軸46の外周に螺旋状の互いに交差するクロス溝47を所定長形成する。このクロス溝47の両端に、このクロス溝47と連続する反転溝部48を設け、このクロス溝47に、前記スライダー35に設けた揺動駒38の嵌合爪体40を遊嵌し、前記駆動軸46の一方向の回転により前記スライダー35を往復動せしめる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内の収容物を、前記容器の排出口に設けたシャッターを開閉して排出するためのシャッターの開閉装置において、
前記シャッターにスライダーを設け、スライダーの駆動軸孔に駆動軸を貫通し、この駆動軸の外周に螺旋状の互いに交差するクロス溝を所定長形成し、かつ、このクロス溝の両端に、このクロス溝と連続する反転溝部を設け、このクロス溝に、前記スライダーに設けた揺動駒の嵌合爪体を遊嵌し、前記駆動軸の一方向の回転により前記スライダーを往復動せしめたことを特徴とするシャッターの開閉装置。
【請求項2】
スライダーにシャッターを直結し、前記スライダーの往復動により前記シャッターを排出口に沿ってスライド開閉するようにしたことを特徴とする請求項1記載のシャッターの開閉装置。
【請求項3】
駆動軸に所定長のクロス溝を2箇所に設け、それぞれのクロス溝に、それぞれのスライダーの嵌合爪体を遊嵌し、それぞれのスライダーに直結したシャッターを両開きとしたことを特徴とする請求項1又は2記載のシャッターの開閉装置。
【請求項4】
嵌合爪体は、クロス溝の交差位置では直進し、反転溝部で向きを変える細長形状としたことを特徴とする請求項1,2又は3記載のシャッターの開閉装置。
【請求項5】
スライダーに設けたラックと、シャッターに設けたピニオンを噛み合わせ、前記スライダーの往復動により前記シャッターをスイングにより開閉するようにしたことを特徴とするシャッターの開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメントと水を容器内で練り合わせてセメントスラリーをバッチ製造し、このセメントスラリーを容器から速やかに送り出す場合などに用いられるシャッターの開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12に示すセメントと水を容器内で練り合わせてセメントスラリーを製造する方法が知られている(特許文献1)。
この特許文献1に記載の方法は、1次容器の練り合せ容器10におけるセメント供給口11と水供給口12から所定量のセメントと水(必要に応じて、ベントナイト、砂、骨材なども含む)を順次容器10に供給し、撹拌羽根15を取り付けた垂直な駆動軸13を駆動機構14にて回転して撹拌し練り合わせてセメントスラリーを製造する。
【0003】
練り合わせたセメントスラリーは、排出弁18を開口し、排出口16からポンプ17で送り出され、送り出し管20を経て2次容器のミキサー車19に送り込まれる。
この種のセメントスラリーは、所定量(例えば1000リットル単位)製造される、いわゆるバッチ製造され、次の2次容器に順次複数バッチが送られて撹拌されながら工事現場等に運ばれる。
1次容器でのバッチ製造では、水、ベントナイト、セメントなどのそれぞれの計量作業、練り合わせの撹拌作業、練り合わせたセメントスラリーの送り出し作業が1つのタイムサイクルとなるが、このタイムサイクルによって1時間当りのプラント製造能力が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平5−85332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図12に示す従来の方法では、計量作業、撹拌作業、送り出し作業のタイムサイクルのうち、送り出し作業は、排出弁18を開口し、排出口16からポンプ17で送り出し管20へ送り出すが、前記排出弁18には、一般的に、バタフライ弁を使用することが多い。バタフライ弁は、送り出し管20の途中に配置され、中心を通る軸に円形の弁体を取り付け、軸を90度回転することで送り出し管20を開口するものである。
このようなバタフライ弁では、一方の半円形部分は、セメントスラリーの流れ方向に開口するが、他方の半円形部分は、セメントスラリーの流れに逆らう方向に開口するので、弁体を回転する軸に大きな負荷が掛かる。また、弁体の中央部分に軸があるので、セメントスラリーの流れの邪魔になり、特に、セメントスラリーの送り出し作業に時間を要し、プラント製造能力に限界があった。
また、バタフライバルブに代えてナイフプレートを送り出し管20と直交する方向に進退して開閉するいわゆるナイフゲートバルブが用いられる場合もあるが、このナイフプレートを進退動する機構が複雑で高価になるばかりか、ナイフプレートが溝に沿って進退し開閉するので、その溝にセメントスラリーが詰まって完全に閉まらなくなるなどの問題があった。
【0006】
本発明は、練り合わせたセメントスラリーの収容物を容器から短時間で、確実に送り出すことによりプラントの製造能力を高め、かつ、開閉機構も単純で故障の少ないシャッターの開閉装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるシャッターの開閉装置は、容器21内の収容物を、前記容器21の排出口33に設けたシャッター34を開閉して排出するためのシャッターの開閉装置において、前記シャッター34にスライダー35を設け、スライダー35の駆動軸孔36に駆動軸46を貫通し、この駆動軸46の外周に螺旋状の互いに交差するクロス溝47を所定長形成する。このクロス溝47の両端に、このクロス溝47と連続する反転溝部48を設け、このクロス溝47に、前記スライダー35に設けた揺動駒38の嵌合爪体40を遊嵌し、前記駆動軸46の一方向の回転により前記スライダー35を往復動せしめたことを特徴とする。
【0008】
実施例1では、前記スライダー35にシャッター34を直結し、前記スライダー35の往復動により前記シャッター34を排出口33に沿ってスライド開閉するように構成する。
【0009】
前記シャッター34は、片開きでもよいが、排出作業性の向上のため、前記駆動軸46に所定長のクロス溝47を2箇所に設け、それぞれのクロス溝47に、それぞれのスライダー35の嵌合爪体40を遊嵌し、それぞれのスライダー35に直結したシャッター34を設けて両開きとすることが望ましい。
【0010】
前記嵌合爪体40は、クロス溝47の交差位置では直進し、反転溝部48で向きを変える細長形状とし、嵌合爪体40がクロス軸47の交差点では、交差する他の溝に移行しないようにする。
【0011】
実施例2では、前記スライダー35に設けたラック55と、シャッター34に設けたピニオン56を噛み合わせ、前記スライダー35の往復動により前記シャッター34をスイングにより開閉するように構成することもできる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、容器内の収容物を、前記容器の排出口に設けたシャッターを開閉して排出するためのシャッターの開閉装置において、
前記シャッターにスライダーを設け、スライダーの駆動軸孔に駆動軸を貫通し、この駆動軸の外周に互いに交差するクロス溝を所定長形成し、かつ、このクロス溝の両端に、このクロス溝と連続する反転溝部を設け、このクロス溝に、前記スライダーに設けた揺動駒の嵌合爪体を遊嵌し、前記駆動軸の一方向の回転により前記スライダーを往復動せしめたので、シャッターを開閉するのに駆動軸を開動作のための回転と、閉動作のための回転を正逆反転制御することなく、一方向の回転のみで開閉でき、開閉のための制御回路を簡単に構成することができる。また、シャッターは、バタフライ弁のような円形ではなく、4角形その他任意の形状に構成でき、円形のバルブ場合に比較して容器内の収容物を約2倍の面積(容量としては約4倍)で排出でき、収容物は、効率よく短時間で排出することができる。さらに、ナイフゲートバルブに比較して構造が簡単で安価に提供することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、スライダーにシャッターを直結し、前記スライダーの往復動により前記シャッターを排出口に沿ってスライド開閉するようにしたので、セメントスラリーの練り合せに利用した場合、セメントスラリーは、排出口からポンプを使用することなく、自重で2次容器への送り出し作業を速やかに行うことができ、1時間当りのプラント製造能力を増加させることができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、駆動軸に所定長のクロス溝を2箇所に設け、それぞれのクロス溝に、それぞれのスライダーの嵌合爪体を遊嵌し、それぞれのスライダーに直結したシャッターを両開きとしたので、2枚のシャッターの互いに相反する動きを1つの駆動軸で、しかも、駆動軸を同一回転方向で制御することができる。また、速やかな排出ができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、嵌合爪体は、クロス溝の交差位置では直進し、反転溝部で向きを変える細長形状としたので、嵌合爪体は、クロス溝の交差点で反転することなく、駆動軸の1つの回転方向で確実にシャッターを開閉動作させることができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、スライダーに設けたラックと、シャッターに設けたピニオンを噛み合わせ、前記スライダーの往復動により前記シャッターをスイングにより開閉するようにしたので、重量のあるセメントスラリーのような収容物の重量を利用して開放して排出でき、閉鎖時は、無負荷状態で確実に閉じることができる。また、シャッターが摺動する溝を必要としないので、溝に収容物が詰まる恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明によるシャッターの開閉装置の実施例1を示す平面図である。
図2】本発明によるシャッターの開閉装置の縦断面図である。
図3】(a)は、本発明のシャッターの開閉装置のシャッター34を開いた状態の断面図、(b)は、同じくシャッター34を閉じた状態の断面図である。
図4】本発明によるシャッターの開閉装置の側面図である。
図5】(a)は、本発明によるスライダー35の縦断面図、(b)は、本発明によるスライダー35の正面図である。
図6】本発明による揺動駒38と駒保持体39の分解斜視図である。
図7】本発明によるシャッターの開閉装置の駆動軸46の展開図である。
図8】本発明によるシャッターの開閉装置の駆動軸46を示すもので、(a)は、平面図、(b)は、側面図、(c)は、底面図である。
図9】本発明によるシャッターの開閉装置の斜視図である。
図10】本発明によるシャッターの開閉装置の実施例2を示す断面図である。
図11】本発明によるシャッターの開閉装置の実施例3を示すもので、(a)は、複数個の排出口33を片開きで開閉する例を示す断面図、(b)複数個の排出口33を両開きで開閉する例を示す断面図である。
図12】従来のセメントと水の練り合わせ装置の一部切り欠いた正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明によるシャッターの開閉装置は、容器21内の収容物を、前記容器21の排出口33に設けたシャッター34を開閉して排出するためのシャッターの開閉装置において、前記シャッター34にスライダー35を設け、スライダー35の駆動軸孔36に駆動軸46を貫通し、この駆動軸46の外周に互いに交差するクロス溝47を所定長形成し、かつ、このクロス溝47の両端に、このクロス溝47と連続する反転溝部48を設け、このクロス溝47に、前記スライダー35に設けた揺動駒38の嵌合爪体40を遊嵌し、前記駆動軸46の一方向の回転により前記スライダー35を往復動せしめる。
【0019】
スライダー35にシャッター34を直結し、前記スライダー35の往復動により前記シャッター34を排出口33に沿ってスライド開閉する。
【0020】
駆動軸46に所定長のクロス軸47を2箇所に設け、それぞれのクロス溝47に、それぞれのスライダー35の嵌合爪体40を遊嵌し、それぞれのスライダー35に直結したシャッター34を両開きとすることができる。
【0021】
嵌合爪体40は、クロス溝47の交差位置では直進し、反転溝部48で向きを変える細長形状とすることで、嵌合爪体40は、クロス溝47の交差点で反転することなく移動できる。
【0022】
スライダー35に設けたラック55と、シャッター34に設けたピニオン56を噛み合わせ、前記スライダー35の往復動により前記シャッター34をスイングにより開閉するシャッターの開閉装置とすることができる。
【実施例1】
【0023】
以下、本発明の実施例1を図面に基づき説明する。
図1において、21は、側壁22と底部23と蓋体24からなる円筒形の撹拌容器で、例えば、1000リットルのセメントスラリーを練り合わせることの出来る容量を有するものとする。この撹拌容器21の内部中心部には、中軸28と外軸29が設けられ、それぞれ内羽根31と外羽根32が連結され、かつ中軸28と外軸29との間は歯車30で結合され、前記内羽根31と外羽根32は、互いに逆方向に回転して撹拌するものとする。前記蓋体24には、セメント供給口25とベントナイト供給口26と水供給口27が設けられ、それぞれ計量されたセメントとベントナイトと水が供給される。実施例1では、セメントスラリーを練り合わせることの出来る撹拌容器21を例示したが、収容物は、セメントスラリーに限られず、また、撹拌容器も撹拌以外の容器であってもよく、この例に限られるものではない。
【0024】
前記底部23には、前記中軸28と外軸29をずらした位置に、長方形の排出口33が設けられる。この排出口33の下面には、この排出口33を開閉する第1シャッター34aと第2シャッター34bからなるシャッター34が水平方向に移動自在に設けられている。またこのシャッター34の両側に駆動軸46が1本ずつ平行に、かつ、回転自在に配置される。これらの駆動軸46には、前記第1シャッター34aの両側に一体に設けられた第1スライダー35aと、第2シャッター34bの両側に一体に設けられた第2スライダー35bが摺動自在に嵌合している。
前記駆動軸46は、円形軸で、この駆動軸46の外周に、図7及び図8に示すように、約15〜30度の角度で交差する螺旋状のクロス溝47が2箇所に所定長で形成されている。これらのクロス溝47は、前記第1シャッター34aの往復用と、前記第2シャッター34bの往復用であり、この例では、クロス溝47は、駆動軸46の1回転で2回交差し、これらのクロス溝47の両端位置には、後述する揺動駒38の嵌合爪体40が向きを変えるための反転溝部48が形成されている。
【0025】
前記第1スライダー35aと第2スライダー35bは、同一構造であるから、同一の符号35をもって図5図6及び図9に基づき説明する。なお、図9における駆動軸46の外周のクロス溝47は、図示省略してある。
これらの図において、スライダー35は、シャッター34に固着され、このスライダー35の駆動軸孔36に前記駆動軸46が貫通し、かつ、この駆動軸孔36の下側のガイド軸孔37にガイド軸54が貫通している。前記スライダー35には、前記駆動軸孔36と直交方向に貫通して段付き孔57が穿設され、この段付き孔57に前記揺動駒38が揺動自在に遊嵌している。この揺動駒38は、円盤形をなし、下面に前記クロス溝47に嵌合する嵌合爪体40が設けられ、上面中心部に突起部42が突出し、この突起部42のやや外側に弧状の揺動凹溝41が形成されている。この揺動駒38には、駒保持体39が被せられ、この駒保持体39の下面中心部の係合穴44に前記突起部42が遊嵌し、駒保持体39の上から貫通して下面から突出した揺動軸体43が前記揺動凹溝41に遊嵌し、この駒保持体39は、固定ねじ45でスライダー35に固着されている。
【0026】
前記駆動軸46のクロス溝47は、図7及び図8に示すように、前記嵌合爪体40が遊嵌するような溝幅を有する。この嵌合爪体40は、前記クロス溝47の交差箇所では、直進し、後述する反転溝部48では、方向を反転することのできる細長形状とする。この嵌合爪体40の下面は、クロス溝47の底部の曲面と略一致する弧状となっている。また、クロス溝47の両端部は、嵌合爪体40がクロス溝47の側壁に接しながら往動から復動に向きを変えることができるように湾曲した反転溝部48が形成されている。この揺動駒38の嵌合爪体40が向きを変えるときに突起部42が係合穴44に嵌合し、揺動凹溝41に揺動軸体43が遊嵌して揺動する。
【0027】
前記2本の駆動軸46は、図1及び図4に示すように、中間位置に設けたモーター49の回転を左右のタイミングベルト58とプーリー50を介在して、シャッター34の開閉に拘らず同一方向に回動する。
図9において、シャッター34の両外側面には、移動ローラー52が取り付けられ、撹拌容器21に一体に設けられたレール51に載りながら移動する。
【0028】
以上のような構成による作用を説明する。
(1)撹拌容器21の排出口33をシャッター34(第1シャッター34aと第2シャッター34b)で閉じた状態で、水を計量し水供給口27から投入し、ベントナイトを計量しベントナイト供給口26から投入し、セメントを計量してセメント供給口25から投入する。
(2)投入された水とベントナイトとセメントを内羽根31と外羽根32で一定時間撹拌して練り合わせてスラリーバッチを形成する。
(3)スラリーバッチが形成されたらシャッター34を開放する。
【0029】
シャッター34の開放動作を詳しく説明する。
図3(b)のように、第1シャッター34aが閉じた状態では、揺動駒38の嵌合爪体40が図7に示すクロス溝47の右端の反転溝部48の位置にある。また、第2シャッター34bが閉じた状態では、揺動駒38の嵌合爪体40がクロス溝47の左端の反転溝部48の位置にある。
シャッター34(第1シャッター34aと第2シャッター34b)の開放のため、駆動軸46を回転する。
第1シャッター34aにおける揺動駒38の嵌合爪体40は、図7の点線方向のクロス溝47に沿って移動する。図7は、駆動軸46の展開図であるため、嵌合爪体40が移動するように記載しているが、実際は、嵌合爪体40は、点線方向のクロス溝47に嵌合した状態を維持したまま駆動軸46の回転で左方向に移動する。
【0030】
同様に、第2シャッター34bにおける揺動駒38の嵌合爪体40は、図7の実線方向のクロス溝47に沿って移動する。図7は、駆動軸46の展開図であるため、嵌合爪体40が移動するように記載しているが、実際は、嵌合爪体40は、実線方向のクロス溝47に嵌合した状態を維持したまま駆動軸46の回転で右方向に移動する。
このようにして、嵌合爪体40の移動に伴い第1シャッター34aが第1スライダー35aと一体に左方向に移動し、第2シャッター34bが第2スライダー35bと一体に右方向に移動して両開きで開放する。
【0031】
前記第1スライダー35aの嵌合爪体40がクロス溝47の左端の反転溝部48まで移動すると、シャッター第1シャッター34aは、図3(a)のように、完全に開放状態となる。このとき、シャッター第2シャッター34bも同様にして右方向に移動して完全に開放状態となる。
シャッター34の開放に伴い撹拌容器21内のスラリーバッチは、徐々に排出口33から自重と内羽根31と外羽根32の撹拌により2次容器53に落下する。
シャッター34が完全に開放して、スラリーバッチが完全に落下したら駆動軸46をシャッター34の開放時と同じ方向に回転する。すると、揺動駒38の嵌合爪体40は、反転溝部48で向きを変え、第1スライダー35aは、図7における実線方向に、第2スライダー35bは、図7における点線方向に移動する。それぞれの嵌合爪体40がクロス溝47の反転溝部48に達すると、第1シャッター34aと第2シャッター34bは互いに密着してシャッター34は閉じる。
以上のように、駆動軸46が同一方向に回転することでシャッター34は、開閉する。
【0032】
前記図1及び図3に示す実施例では、シャッター34は、両開きとしたが、片開きであってもよい。
【実施例2】
【0033】
前記実施例1では、シャッター34とスライダー35を一体に連結して、水平方向にスライドしながら開閉するようにしたが、図10に示すように、スイングする方向に開閉する、いわゆる観音開きとすることもできる。
この図10に示す例では、スライダー35(第1スライダー35aと第2スライダー35b)にラック55(第1ラック55aと第2ラック55b)を連結し、シャッター34(第1シャッター34aと第2シャッター34b)にピニオン56(第1ピニオン56aと第2ピニオン56b)を連結して、ラック55(第1ラック55aと第2ラック55b)とピニオン56(第1ピニオン56aと第2ピニオン56b)を噛み合わせれば、スライダー35(第1スライダー35aと第2スライダー35b)の水平移動がラック55(第1ラック55aと第2ラック55b)とピニオン56(第1ピニオン56aと第2ピニオン56b)を介してシャッター34(第1シャッター34aと第2シャッター34b)を回転移動とすることが出来る。このような観音開きとすることで、シャッター34(第1シャッター34aと第2シャッター34b)に加えられるスラリーバッチの荷重によりシャッター34(第1シャッター34aと第2シャッター34b)は、よりスムーズに、かつ、短時間で開放し、スラリーバッチを排出できる。
閉じるときは、スライダー35(第1スライダー35aと第2スライダー35b)は、無負荷になるので、容易に閉じることができる。
【0034】
前記実施例1及び2では、撹拌容器21の収容物は、スラリーバッチとしたが、これに限られるものではなく、液体その他の流動体であってもよい。撹拌容器21内の収容物が、流動体であれば、本発明は、撹拌容器21の側壁22に排出口33を設けた場合とすることも出来る。
【実施例3】
【0035】
前記図1及び図3に示す実施例では、1つの排出口33としたが、図11に示すように複数の排出口33をそれぞれのシャッター34で開閉するようにすることもできる。
図11(a)は、複数の排出口33をそれぞれの片開きのシャッター34で同時に開閉する例を示している。また、図11(b)は、複数の排出口33をそれぞれの両開きのシャッター34a、34bで同時に開閉する例を示している。
【符号の説明】
【0036】
10…練り合せ容器、11…セメント供給口、12…水供給口、13…駆動軸、14…駆動機構、15…撹拌羽根、16…排出口、17…ポンプ、18…排出弁、19…ミキサー車、20…送り出し管、21…撹拌容器、22…側壁、23…底部、24…蓋体、25…セメント供給口、26…ベントナイト供給口、27…水供給口、28…中軸、29…外軸、30…歯車、31…内羽根、32…外羽根、33…排出口、34…シャッター、35…スライダー、36…駆動軸孔、37…ガイド軸孔、38…揺動駒、39…駒保持体、40…嵌合爪体、41…揺動凹溝、42…突起部、43…揺動軸体、44…係合穴、45…固定ねじ、46…駆動軸、47…クロス溝、48…反転溝部、49…モーター、50…タイミングベルト、51…レール、52…移動ローラー、53…2次容器、54…ガイド軸、55…ラック、56…ピニオン、57…段付き孔。
図1
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図12