【課題】街頭等における募金活動や訪問先等での集金を行う際に、担当者が専用端末を保持していない場合においても、その場で募金の受付や集金を行うことができるインターネットバンキング・サーバ等を提供すること。
【解決手段】送金人が撮像した受取人の識別画像を受取人側の金融機関のサーバに送信する。受取人側の金融機関のサーバは、受取人の識別画像が登録されていることを認証し、認証が成立すると、受取人の口座情報を送金人の端末に送信する。また、受取人の担当者が撮像した送金人の識別画像を送金人側の金融機関のサーバに送信することで送金人の識別画像を認証し、送金人の側と受取人の側の双方からの相互認証を行うこともできる。
送金人が受取人に送金する際に使用され、送金人端末、及び受取人の担当者が所持する受取人担当者所持端末と通信可能であり、前記送金人側の金融機関のサーバと連携可能な前記受取人側の金融機関のサーバであって、
撮像手段を備えた前記送金人端末から、前記担当者の識別画像を受信する識別画像受信手段と、
前記受信した識別画像を、識別画像認証情報を登録した識別画像認証情報データベースと照合して前記担当者の認証を行う手段と、
前記認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信するか否かを前記担当者に確認させる口座情報送信可否確認通知を前記受取人担当者所持端末に送信する手段と、
前記口座情報送信可否確認通知を受け取った前記担当者が前記受取人の口座情報の送信を許可したこと、及び前記送金人側の金融機関のサーバから口座情報送信許可通知を受領したことに応じて、前記受取人側の金融機関のサーバが、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信する手段と、
前記送金人側の金融機関のサーバから送金電子文を受信して、前記受取人側の金融機関のサーバが、前記送金人側の金融機関のサーバからの送金を受け付ける手段と、を有する、受取人側の金融機関のサーバ。
前記送金人側の金融機関のサーバからの送金電文を受け付けたことに応じて、前記送金人側の金融機関のサーバに送金受付通知を通知する手段を更に有する、請求項1から3までのいずれかに記載の受取人側の金融機関のサーバ。
前記担当者の識別画像から位置情報を抽出し、前記送金人側の金融機関のサーバから受け付けた送金の送金額を、前記位置情報と関連付けて集計する手段を更に有する、請求項1から4までのいずれかに記載の受取人側の金融機関のサーバ。
前記担当者を認証する識別画像認証手段は、前記担当者の顔画像及び/又は前記担当者が所持する、前記受取人に固有の物品の画像を識別画像として認証する、請求項1から5までのいずれかに記載の受取人側の金融機関のサーバ。
前記撮像手段は、前記送金人若しくは前記担当者が所持するスマートフォン若しくはタブレット端末、又は前記送金人若しくは前記担当者が装着したスマートグラスである、請求項1から6までのいずれかに記載の受取人側の金融機関のサーバ。
前記送金人の送金履歴を受信した前記受取人担当者所持端末が、画像表示部において、前記送金人の実空間像に、前記送金履歴を示す画像を重畳表示する、請求項8に記載の送金人側の金融機関のサーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、上記のような課題にかんがみ、街頭等における募金活動や訪問先等での集金を行う際に、担当者が専用端末を保持していない場合においても、その場で募金の受付や集金を行うことができる金融機関のサーバ等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者らは、上記課題にかんがみ、撮像手段を備えた端末から、受取人の担当者の識別画像を受信して、これらの識別画像を利用して、担当者を認証するとともに、認証の結果抽出された情報を用いて送金人端末に受取人の口座情報を送信して、送金人に送金を促すインターネットバンキング・サーバによれば、上記課題を解決できることを見い出す、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
(1)本発明の第1の態様は、送金人が受取人に送金する際に使用され、送金人端末と通信可能である、受取人側の金融機関のサーバであって、撮像手段を備えた前記送金人端末から、前記受取人の担当者の識別画像を受信する手段と、前記受信した識別画像を、識別画像認証情報を登録した識別画像認証情報データベースと照合して前記担当者の認証を行う手段と、前記認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信する手段と、前記送金人側の金融機関のサーバから送金電文を受信して、前記送金人側の金融機関のサーバからの送金を受け付ける手段と、を有する、受取人側の金融機関のサーバである。
【0009】
(2)本発明の第2の態様は、送金人が受取人に送金する際に使用され、送金人端末、及び受取人の担当者が所持する受取人担当者所持端末と通信可能であり、前記送金人側の金融機関のサーバと連携可能な前記受取人側の金融機関のサーバであって、撮像手段を備えた前記送金人端末から、前記担当者の識別画像を受信する識別画像受信手段と、前記受信した識別画像を、識別画像認証情報を登録した識別画像認証情報データベースと照合して前記担当者の認証を行う手段と、前記認証が成立した際に、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信するか否かを前記担当者に確認させる口座情報送信可否確認通知を前記受取人担当者所持端末に送信する手段と、前記口座情報送信可否確認通知を受け取った前記担当者が前記受取人の口座情報の送信を許可したこと、及び前記送金人側の金融機関のサーバから口座情報送信許可通知を受領したことに応じて、前記受取人側の金融機関のサーバが、前記受取人の口座情報を前記送金人端末に送信する手段と、前記送金人側の金融機関のサーバから送金電文を受信して、前記受取人側の金融機関のサーバが、前記送金人側の金融機関のサーバからの送金を受け付ける手段と、を有する、受取人側の金融機関のサーバである。
【0010】
(3)本発明は、(2)に記載の受取人側の金融機関のサーバであって、前記受取人側の金融機関のサーバが、前記送金人側の金融機関のサーバから、口座情報送信許可通知を受信するに際して、前記送金人側の金融機関のサーバが、撮像手段を備えた前記受取人担当者所持端末から、前記送金人の識別画像を受信し、前記受信した識別画像を、識別画像認証情報を登録した識別画像認証情報データベースと照合して前記送金人の認証を行うことを特徴としてもよい。
【0011】
(4)本発明は、(1)から(3)までのいずれかに記載の受取人側の金融機関のサーバであって、前記送金人側の金融機関のサーバからの送金電文を受け付けたことに応じて、前記送金人側の金融機関のサーバに送金受付通知を通知する手段を更に有することを特徴としてもよい。
【0012】
(5)本発明は、(1)から(4)までのいずれかに記載の受取人側の金融機関のサーバであって、前記担当者の識別画像から位置情報を抽出し、前記送金人側の金融機関のサーバから受け付けた送金の送金額を、前記位置情報と関連付けて集計する手段を更に有することを特徴としてもよい。
【0013】
(6)本発明は、(1)から(5)までのいずれかに記載の受取人側の金融機関のサーバであって、前記担当者を認証する識別画像認証手段は、前記担当者の顔画像及び/又は前記担当者が所持する、前記受取人に固有の物品の画像を識別画像として認証することを特徴としてもよい。
【0014】
(7)本発明は、(1)から(6)までのいずれかに記載の受取人側の金融機関のサーバであって、前記撮像手段は、前記送金人若しくは前記担当者が所持するスマートフォン若しくはタブレット端末、又は前記送金人若しくは前記担当者が装着したスマートグラスであることを特徴としてもよい。
【0015】
(8)本発明の第3の態様は、送金人が受取人に送金する際に使用され、受取人の担当者が所持する受取人担当者所持端末と通信可能である、送金人側の金融機関のサーバであって、撮像手段を備えた前記受取人担当者所持端末から、前記送金人の識別画像を受信する手段と、前記受信した識別画像を、識別画像認証情報を登録した識別画像認証情報データベースと照合して前記送金人の認証を行う手段と、前記認証が成立した際に、前記送金人の送金履歴を前記受取人担当者所持端末に送信する手段と、を有する、送金人側の金融機関のサーバである。
【0016】
(9)本発明は、(8)に記載の送金人側の金融機関のサーバであって、前記送金人の送金履歴を受信した前記受取人担当者所持端末が、画像表示部において、前記送金人の実空間像に、前記送金履歴を示す画像を重畳表示することを特徴としてもよい。
【0017】
(10)本発明の第4の態様は、送金人が受取人に送金する際に使用され、送金人側の金融機関のサーバ、及び受取人側の金融機関のサーバと通信可能である、送金人端末におけるプログラムであって、前記受取人側の金融機関のサーバに、受取人の担当者の識別画像を送信するステップと、前記受取人側の金融機関のサーバが、前記送金人端末から受信した識別画像を使用して前記担当者の認証を行い、前記認証が成立したことに応じて、前記受取人側の金融機関のサーバから、前記受取人の口座情報を受信するステップと、前記受取人の口座情報から、送金人側の金融機関のサーバに送金指示を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【0018】
(11)本発明の第5の態様は、送金人側の金融機関のサーバ、及び受取人側の金融機関のサーバと通信可能である、送金人端末におけるプログラムであって、撮像手段を備えた前記送金人端末から、受取人の担当者の識別画像を送信するステップと、送金人側の金融機関のサーバから、前記受取人の口座情報を前記送金人端末で受信するか否かを前記送金人に確認させる口座情報受信可否確認通知を受信するステップと、前記受取人側の金融機関のサーバが、前記受取人の担当者が、前記受取人の口座情報の送信を許可し、前記送金人が前記受取人の口座情報を前記送金人端末で受信することを許可したことに応じて、前記受取人の口座情報を受信するステップと、前記受取人の口座情報から、送金人側の金融機関のサーバに送金指示を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第1の態様によれば、受取人側の金融機関のサーバが、送金人端末の撮像手段を使用して取得した受取人の担当者の識別画像を利用して、担当者の認証を行い、受取人の口座情報を送金人端末に送信する。このため、画像認証により簡便に口座情報を照会でき、街頭等での募金活動や訪問先での集金等の際に、担当者が専用端末を所持していない場合でも、その場で募金の依頼や集金を行うことができる。
【0020】
本発明の第2の態様によれば、受取人側の金融機関のサーバが、送金人端末の撮像手段を使用して取得した受取人の担当者の識別画像を利用して担当者の認証を行い、受取人の口座情報を送金人端末に送信するか否かを担当者に確認させる。そして、担当者が受取人の口座情報を送金人端末に送信することを許可し、送金人側の金融機関のサーバから口座情報送信許可通知を受領したことに応じて、受取人側の金融機関のサーバが、受取人の口座情報を送金人端末に送信する。このため、受取人側及び送金人側の双方において、受取人の口座情報の送信を許可して初めて送金人端末に受取人の口座情報を送信するので、受取人及び送金人双方の希望に応じて、受取人の口座情報を確実に送金人端末に送信することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。また、機能構成の図において、機能ブロック間の矢印は、データの流れ方向又は処理の流れ方向を表す。
【0023】
<<第1の実施形態>>
<基本概念>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る「見つめて募金」の基本概念(サービスイメージ)を示す図である。「見つめて募金」とは、例えば、スマートグラス等のウェアラブル端末を使用し、相手の顔や相手に固有の物品を見つめることで取得した識別画像から、その相手を送金先又は受取先等として認証し、その場で送金を完了するサービスのことである。なお、本発明は「見つめて募金」に限定されるものではなく、「見つめて集金」等、他の「見つめて送金」の態様も包含されるが、以下に示す実施形態ではもっぱら、「見つめて募金」を例にとって本発明の構成を説明することとする。
【0024】
本サービスのユーザとなる送金人(寄付者)、受取人(街頭募金を行う団体等)、受取人の担当者(街頭で募金を行っている者)は、銀行等の金融機関での口座開設時や諸手続き時等に、送金人や受取人の担当者の顔画像による顔画像認証情報や、受取人に固有の物品の画像を用いた識別画像認証情報を、当該金融機関が利用可能なサーバ等に事前登録しておく。ここで、顔画像認証情報及び識別画像認証情報とは、撮像手段で撮像した顔画像等の識別画像を顔画像認証等の識別画像認証のための認証情報としてデータベースに登録したものである。ここで撮像する顔画像は、顔面部分のみの画像に限定されず、体のポーズやジェスチャを含んだ顔画像であってもよい。また、受取人の識別画像は、受取人の担当者が所持する、受取人の固有の物品(例えば、受取人のロゴや商標が付された物品)の画像であってもよい。登録する識別画像は識別画像認証情報として、インターネットバンキング・サーバからアクセス可能なサーバ内に、受取人の口座情報や受取人の担当者の連絡先情報に関連付けて保管しておく。なお、顔画像認証情報や他の識別画像認証情報は、当該金融機関のインターネットバンキング・サーバに登録される必要はなく、当該金融機関のインターネットバンキング・サーバからアクセス可能なサーバであれば、いずれのサーバに登録されていてもよい。
【0025】
実際に送金により募金するときには、送金人の側にて、受取人の担当者が所持するIDカード等の物品から、受取人が口座を所有する金融機関を特定し、送金人端末から、受取人が口座を所有する金融機関のインターネットバンキング(「〇〇ダイレクト」と呼ばれることが多い)に接続する。接続は、通常のスマートフォンやタブレット端末から行ってもよいが、送金人の装着するスマートグラスから行うとよりいっそう手軽かつ簡単に行えるものとなる。ここで、スマートグラスとは、メガネをかける要領で頭部に装着して使用され、小型のカメラと小型のディスプレイを搭載したウェアラブル端末である。
【0026】
スマートグラスを使用する場合を例にとって説明すれば、接続が完了すると、送金人は、まず、スマートグラスを装着した状態で、募金を行っている団体である受取人に固有の物品や受取人の担当者を見つめて、スマートグラスに備えられるカメラで当該物品の画像等の識別画像を撮像する。送金人は、この識別画像を、金融機関のインターネットバンキング・サーバに送信する。金融機関のインターネットバンキング・サーバでは、受信した識別画像を利用して、受取人として登録された識別画像認証情報をデータベース上で検索(照合)し、識別画像認証情報に対応した受取人の口座情報を取得する。なお、受取人の担当者の登録がない場合でも、当該担当者が今後も継続して募金活動に携わることが想定される場合は、受取人の担当者に受取人の口座情報を入力してもらってその場で登録してもよい。
【0027】
そして、金融機関のインターネットバンキング・サーバにて、受取人の認証が成立した場合、受取人の口座情報を送金人端末に送信し、次いで、送金人に対して確認通知を送信する。例えば、
図3に示すように、「受取人は総研基金さんですか?」のような確認メッセージを送信する。なお、この際、受取人側の金融機関に口座を持っていない送金人に、受取人の口座番号を開示するのはリスクが高いため、必要に応じて受取人の実の口座と紐付けされた、入金専用の口座の口座番号を通知してもよい。逆に、送金人端末に、受取人の口座情報を送信する場合、送金人に送付される口座情報には、当該口座が不正な口座ではなく、安心して取引ができる口座であることを示す「安心情報」を含ませることが好ましい。このような「安心情報」としては、特開2013−054487号のお墨付き口座登録情報や、特開2011−108068号の振込先情報等を挙げることができる。
【0028】
確認通知を受け取った送金人は、受取人に誤りがないことを確認し、募金額となる送金額を入力して送金指示を行う。送金指示を受信したインターネットバンキング・サーバは、送金を受け付け、送金受付完了通知を送金人と受取人との双方に発信する。送金人からの送金指示は、通常のインターネットバンキングにおける振込操作と同じであるが、振込先情報は、確認通知を受け取った時点で振込画面に自動的に入力されている。
【0029】
以上のような構成を採用することで、送金人は、対面している相手(受取人の担当者)から受取人の口座情報を聞き出して振込画面に入力することなく、相手人を見つめるだけで振込先情報を取得でき、従来に比べ、振込を簡単かつ手軽に行うことができる。
【0030】
なお、「見つめて送金」のその他の利用場面としては、特定の団体への寄付や募金のほかにも、特定の法人が、担当者を介して貸付金や売掛金を回収したりする場面を挙げることができる。
【0031】
<機能構成>
図2は、本発明の第1の実施形態に係る「見つめて募金」システムの機能構成を示す図である。「見つめて募金」システム(以下、本システム)においては、受取人が口座を所有している金融機関のサーバ(送金人側IBサーバ100;インターネットバンキング・サーバと呼ぶこともある)が、送金人が携帯する送金人端末200に、インターネット上、無線通信によって通信可能に接続されている。送金人端末200は、一般的なスマートフォン、タブレット端末、スマートグラス(以下、スマートフォン等)であってよい。なお、送金人は、受取人と同じ金融機関に口座を所有している必要はない。
【0032】
送金人端末200は、カメラ(撮像手段201)を備えているものとし、撮像手段201で撮像した担当者の顔画像等を受取人の識別画像としてIBサーバ100に送信する識別画像送信手段202を備える。なお、図示は省略するが、送金人端末200は、「個人モード切替手段」を備えていてもよい。「個人モード切替手段」とは、見つめる相手の人間の属性(モード)を切り替える手段のことである。個人モード切替手段は、例えば、対面している相手を送金先である受取人として識別する場合には、その相手を「受取人モード」とし、同じ相手を、受取人から募金活動の実施を依頼された担当者として識別する場合は、その相手を「担当者モード」として、それらのモードを自分の端末から切り替える機能を備える。このようにすることで、受取人と、受取人として取得する識別画像との関連付けがより単純化され、受取人の認証が容易なものとなる。
【0033】
IBサーバ100の機能ブロックとしては、ユーザ端末通信手段101と、識別画像受信手段102と、識別画像認証手段103と、受取人の登録識別画像を保管する識別画像認証情報DB104(識別画像認証情報データベース)と、受取人の口座情報を格納した口座情報DB105(口座情報データベース)と、確認通知手段106と、送金受付手段107とを備えている。なお、識別画像認証情報DB104及び口座情報DB105は、必ずしも金融機関のインターネットバンキング・サーバに備えられている必要はなく、当該インターネットバンキング・サーバが利用可能なサーバに備えられていてもよい。
【0034】
ユーザ端末通信手段101は、ユーザ(ここでは送金人、受取人の担当者を指す)の端末とのインターネット上の無線通信を制御する。識別画像受信手段102は、送金人端末200から受取人や担当者の識別画像を受信する。識別画像認証手段103は、受信した識別画像を、あらかじめ登録された受取人の識別画像認証情報(担当者の顔画像認証情報等)を保管する識別画像認証情報DB104内の登録データと照合し、識別画像認証情報の特徴量が一致しているデータがあれば認証成立とし、その識別画像認証情報に対応して登録されている受取人の口座情報を読み出す。
【0035】
ここで、受取人の識別画像から、識別画像認証情報に対応して登録されている受取人の口座情報を抽出する場合、受取人に固有の物品の識別画像を使用して受取人の認証を行ってもよいし、受取人の担当者の顔画像認証情報を使用して受取人の認証を行ってもよい。受取人の担当者の顔画像認証情報は、一人の担当者に対して複数登録しておくことも可能で、顔の画像を含んだ体のポーズやジェスチャの異なるものを複数登録しておけば、受取人の担当者は、そのポーズ等によって別々の連絡先を指定することが可能となる。また、あらかじめ定めた動作を振込実行の際の第2暗証番号や第2パスワードの代わりとするようなことも可能である。このようにすることでより確実かつ多様な識別画像認証が可能となる。
【0036】
図2の説明に戻る。IBサーバ100において、確認通知手段106は、識別画像認証手段103における受取人の認証が成立した際に、口座情報を送金人端末200に送信する。送金人が受取人に間違いがないことを確認して受取人確認画面400の確認ボタン401を押すと(
図3参照)、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに接続して、インターネットバンキングの通常の振込画面に、受取人の口座情報が振込先情報として転記される。送金人は、あとは振込金額を入力して振込実行のボタンを押せばよい。なお、送金人と受取人は同一の金融機関に口座を有していなくてもよい。
【0037】
サーバの送金受付手段107は、送金人が受取人の口座情報を確認し、送金人端末200から送金要求をすると、その要求を受け付けて、勘定系システム(図示せず)に対して、送金人の口座から受取人の口座への資金移動(振込)の指示を行う。また、送金受付手段107は、送金受付が完了したことを確認通知手段106に指示し、この指示を受けた確認通知手段106は、送金受付完了通知(振込受付完了通知)を、送金人端末200及び受取人担当者所持端末210に送信する機能も有する(
図6参照)。
【0038】
すなわち、確認通知手段106は、受取人及びその担当者の認証が成立した際に、受取人の口座情報を送金人端末200に送信する手段と、送金人からの送金指示の受付が完了したことに応じて、送金人端末200及び受取人担当者所持端末210に送金受付完了通知を送信する手段とを併せ持つ。
【0039】
なお、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、この際、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに送金受付通知を通知してもよい。
【0040】
図4は、送金人端末200、IBサーバ100が連携する処理をフローチャートの形にまとめて、本システムの機能を説明したものである。繰り返しになるので逐次説明は省略するが、このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0041】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0042】
<<第2の実施形態>>
<基本概念>
図5は、本発明の第2の実施形態に係る「見つめて募金」の基本概念(サービスイメージ)を示す図である。
【0043】
本サービスのユーザとなる送金人(寄付者)、受取人(街頭募金を行う団体等)は、銀行等の金融機関での口座開設時や諸手続き時に、送金人や受取人の担当者の顔画像による顔画像認証情報や、受取人に固有の物品の画像を用いた識別画像認証情報を、当該金融機関が利用可能なサーバ等に事前登録しておく。ここで、顔画像認証情報及び識別画像認証情報とは、撮像手段で撮像した顔画像等の識別画像を顔画像認証等の識別画像認証のための認証情報としてデータベースに登録したものである。ここで撮像する顔画像は、顔面部分のみの画像に限定されず、体のポーズやジェスチャを含んだ顔画像であってもよい。また、受取人の識別画像は、受取人の担当者が所持する、受取人の固有の物品(例えば、受取人のロゴや商標が付された物品)の画像であってもよい。登録する識別画像は識別画像認証情報として、インターネットバンキング・サーバからアクセス可能なサーバ内に、受取人の口座情報や受取人の担当者の連絡先情報に関連付けて保管しておく。なお、顔画像認証情報や他の識別画像認証情報は、当該金融機関のインターネットバンキング・サーバに登録される必要はなく、当該金融機関のインターネットバンキング・サーバからアクセス可能なサーバであれば、いずれのサーバに登録されていてもよい。
【0044】
実際に送金により募金するときには、送金人はまず、受取人の担当者が所持するIDカード等の物品から、受取人が口座を所有する金融機関を特定し送金人端末から、受取人が口座を所有する金融機関のインターネットバンキング(「〇〇ダイレクト」と呼ばれることが多い)に接続する。接続は、通常のスマートフォンやタブレット端末から行ってもよいが、送金人の装着するスマートグラスから行うとよりいっそう手軽かつ簡単に行えるものとなる。ここで、スマートグラスとは、メガネをかける要領で頭部に装着して使用され、小型のカメラと小型のディスプレイを搭載したウェアラブル端末である。
【0045】
スマートグラスを使用する場合を例にとって説明すれば、接続が完了すると、送金人は、まず、スマートグラスを装着した状態で、募金を行っている団体である受取人に固有の物品や受取人の担当者を見つめて、スマートグラスに備えられるカメラで当該物品の画像や受取人担当者の顔画像を撮像する。送金人は、これらの識別画像を、逐次又は一括して金融機関のインターネットバンキング・サーバに送信するが、その際、各識別画像と、受取人又は受取人の担当者とを送金人端末上で関連付けした状態で送信することが好ましい。金融機関のインターネットバンキング・サーバでは、まず、受信した識別画像を利用して、受取人として登録された識別画像認証情報をデータベース上で検索(照合)し、識別画像認証情報に対応した受取人の口座情報を取得する。次いで、受取人の担当者等と関連付けがなされた識別画像等を利用して、データベース上、受取人と関連付けられた識別画像認証情報の中から、受取人の担当者の識別画像認証情報をデータベース上で検索(照合)し、識別画像認証情報に対応した受取人の担当者が所持する受取人担当者所持端末の連絡先情報を取得する。なお、受取人の担当者の登録がない場合でも、当該担当者が今後も継続して募金活動に携わることが想定される場合は、受取人の担当者に受取人担当者所持端末の連絡先情報を入力してもらってその場で登録してもよい。
【0046】
そして、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、連絡先として指定された受取人担当者所持端末であるスマートフォン等に、受取人の口座情報を送金人に送信してよいか否かの確認を求める口座情報送信可否確認通知を送信する。口座情報送信可否確認通知を受信した受取人の担当者は受取人の口座情報を送金人に開示するか否かを判断し、開示する場合は、インターネットバンキング・サーバに対して送信可を通知する。
【0047】
本実施形態においては、受取人が口座情報送信可否確認通知に対して、インターネットバンキング・サーバに送信可を通知した後、受取人の担当者は、送金人から、送金人が口座を所有する金融機関等を聞きだし、受取人担当者所持端末を使用して、当該金融機関のインターネットバンキング・サーバに接続する。そして、受取人担当者所持端末の撮像手段にて、送金人の顔画像等の識別画像を撮像する。受取人担当者は、この識別画像を、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに送信し、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバでは、受信した識別画像を利用して、送金人として登録された識別画像認証情報をデータベース上で検索(照合)し、識別画像認証情報に対応した送金人端末の連絡先情報を取得する。なお、送金人の登録がない場合でも、当該送金人が今後も募金を行うことが想定される場合は、送金人に送金人端末の連絡先情報を入力してもらってその場で登録してもよい。
【0048】
なお、受取人が政治家である場合、政治家は外国人や反社会的団体からの寄付を受けることを回避しなくてはならないため、識別画像認証情報に対応させ、上記の送金人の連絡先情報に加えて、送金人情報や、送金人情報を基にした入金受け付け適否情報を関連付けていてもよい。そして、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバにおいて、識別画像を使用した認証が成立した際、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、この送金人情報や、送金人情報を基にした入金受け付け適否情報を受取人担当者所持端末に送信する等して、受取人の担当者に提示し、入金の受け付け可否を判断させてもよい。また、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに上記情報を送信し、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは受取人情報と上記情報を基に入金の受け付け可否を判断し、その結果を受取人の担当者に送信してもよい。なお、受取人の担当者または受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバが、入金の受け付けを不可と判断した場合でも、一旦送金人からの送金を受け付けておき、送金人の端末に後日「ご入金をお受けすることができませんでした。」のような通知をしてもよい。
【0049】
ここで、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、連絡先として指定された送金人端末であるスマートフォン等に、受取人の口座情報を送金人端末で受信してよいか否かの確認を求める口座情報受信可否確認通知を送信してもよい。口座情報受信可否確認通知を受信した送金人は受取人の口座情報を送金人端末で受信するか否かを判断し、受信する場合は、インターネットバンキング・サーバに対して受信可を通知すればよい。送金人端末から受信可の通知を受信した送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに、送信許可通知を通知すればよい。なお、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバが、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバを特定するにあたっては、送金人側のインターネットバンキング・サーバが、送金人端末から、受取人側の金融機関を特定する情報を受信できるようにすればよい。
【0050】
受取人担当者に対して通知した口座情報送信可否確認通知に対する送信可の通知、及び、必要に応じて、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバからの送信許可通知を受け取った受取人側のインターネットバンキング・サーバは、今度は、受取人の口座情報を送金人端末に送信し、次いで、送金人に対して確認通知を送信する。例えば、「受取人は総研基金さんですか?」のような確認メッセージを送信する。なお、この際、受取人側の金融機関に口座を持っていない送金人に、受取人の口座番号を開示するのはリスクが高いため、必要に応じて受取人の実の口座と紐付けされた、入金専用の口座の口座番号を通知してもよい。逆に、送金人端末に、受取人の口座情報を送信する場合、送金人に送付される口座情報には、当該口座が不正な口座ではなく、安心して取引ができる口座であることを示す「安心情報」を含ませることが好ましい。
【0051】
確認通知を受け取った送金人は、受取人に誤りがないことを確認し、募金額となる送金額を入力して送金指示を行う。送金指示を受信したインターネットバンキング・サーバは、送金を受け付け、送金受付完了通知を送金人と受取人又は受取人の担当者との双方に発信する。送金人からの送金指示は、通常のインターネットバンキングにおける振込操作と同じであるが、振込先情報は、確認通知を受け取った時点で振込画面に自動的に入力されている。
【0052】
なお、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、この際、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに送金受付通知を通知してもよい。
【0053】
以上のような構成を採用することで、送金人は、対面している相手(受取人の担当者)から受取人の口座情報を聞き出して振込画面に入力することなく、相手人を見つめるだけで振込先情報を取得でき、従来に比べ、振込を簡単かつ手軽に行うことができる。また、受取人の担当者には、受取人の口座情報を送金人に送信してよいか否かの判断が必ず求められるので、担当者が見つめられただけで相手に不用意に受取人の口座情報が送信されてしまうことはない。さらに、送金人に対しても、受取人の口座情報を受信するか否かの判断を求められるので、口座情報が不用意に送金人に送付され、意図しない振込先にお金を振り込んでしまう等のトラブルも防止することができる。
【0054】
なお、「見つめて送金」のその他の利用場面としては、特定の団体への寄付や募金のほかにも、特定の法人が、担当者を介して貸付金や売掛金を回収したりする場面を挙げることができる。
【0055】
<機能構成>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る「見つめて募金」システムの機能構成を示す図である。「見つめて募金」システム(以下、本システム)は、受取人が口座を所有している金融機関のインターネットバンキング・サーバ(以下、単にサーバと呼ぶことがある)が、送金人が携帯する送金人端末200と、受取人の担当者が携帯する受取人担当者所持端末210と、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに、インターネット上、無線通信によって通信可能に接続されている。送金人端末200及び受取人担当者所持端末210は、一般的なスマートフォン、タブレット端末、スマートグラス(以下、スマートフォン等)であってよい。なお、受取人は、送金人と同じ金融機関に口座を所有している必要はない。
【0056】
送金人端末200は、カメラ(撮像手段201)を備えているものとし、撮像手段201で撮像した受取人の識別画像や担当者の顔画像等をインターネットバンキング・サーバに送信する識別画像送信手段202を備え、受取人の口座情報を受信するか否かを確認するための受信可否確認手段203を備える。また、受取人担当者所持端末210は、撮像手段211、識別画像送信手段212と、自分の口座情報を送金人に送信してよいか否かを確認するための送信可否確認手段213を備える。
【0057】
受信可否確認手段203、送信可否確認手段213は、インターネットバンキング・サーバからの口座情報受信可否確認通知や口座情報送信可否確認通知等を、あらかじめ登録した送金人や受取人の担当者の電話番号あてに送受信ができるSMS(Short Message Service)やEメールアドレスあてに送受信するMMS(Multimedia Messaging Service)を利用したメッセージサービス等を利用し、例えば、送信可否確認通知に対して、許可/不許可を選択するための口座情報送信可否確認画面300(後述の
図7参照)を生成して表示する。
【0058】
また、図示は省略するが、送金人端末200及び受取人担当者所持端末210は、「個人モード切替手段」を備えていてもよい。「個人モード切替手段」とは、見つめる相手の人間の属性(モード)を切り替える手段のことである。個人モード切替手段は、例えば、対面している相手を送金先である受取人として識別する場合には、その相手を「受取人モード」とし、同じ相手を、受取人から募金活動の実施を依頼された担当者として識別する場合は、その相手を「担当者モード」として、それらのモードを自分の端末から切り替える機能を備える。このようにすることで、受取人と、受取人として取得する識別画像との関連付けや、担当者と、担当者として取得する識別画像との関連付けがより単純化され、受取人やその担当者の認証が容易なものとなる。
【0059】
受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバの機能ブロックとしては、ユーザ端末通信手段111と、識別画像受信手段112と、識別画像認証手段113と、受取人の登録識別画像を保管する識別画像認証情報DB114(識別画像認証情報データベース)と、受取人の口座情報を格納した口座情報DB115(口座情報データベース)と、確認通知手段116とを備えている。なお、識別画像認証情報DB114及び口座情報DB115は、必ずしも金融機関のインターネットバンキング・サーバに備えられている必要はなく、当該インターネットバンキング・サーバが利用可能なサーバに備えられていてもよい。
【0060】
送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバの機能ブロックとしては、ユーザ端末通信手段101と、識別画像受信手段102と、識別画像認証手段103と、受取人の登録識別画像を保管する識別画像認証情報DB104(識別画像認証情報データベース)と、送金人の連絡先情報を格納した連絡先情報DB1052(連絡先情報データベース)と、確認通知手段106と、送金受付手段107とを備えている。なお、識別画像認証情報DB104及び連絡先情報DB1052は、必ずしも金融機関のインターネットバンキング・サーバに備えられている必要はなく、当該インターネットバンキング・サーバが利用可能なサーバに備えられていてもよい。
【0061】
受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバにおいて、ユーザ端末通信手段111は、ユーザ(ここでは送金人、受取人の担当者を指す)の端末とのインターネット上の無線通信を制御する。識別画像受信手段112は、送金人端末200から受取人や担当者の識別画像を受信する。識別画像認証手段113は、受信した識別画像を、あらかじめ登録された受取人の識別画像認証情報や担当者の顔画像認証情報等を保管する識別画像認証情報DB114内の登録データと照合し、識別画像認証情報の特徴量が一致しているデータがあれば認証成立とし、その識別画像認証情報に対応して登録されている受取人の口座情報を読み出す。
【0062】
なお、受取人及び担当者の識別画像から、識別画像認証情報に対応して登録されている受取人の口座情報及び担当者の連絡先を抽出する場合、まず、受取人に固有の物品の識別画像から、受取人の識別画像認証情報に対応して登録されている受取人の口座情報を抽出するとともに、受取人の担当者の顔画像等から、受取人の担当者として関連付けられた担当者の連絡先のうち、顔画像認証情報の特徴量が一致する担当者の連絡先を抽出してもよい。そして、この場合、この抽出した担当者の連絡先あてに、口座情報送信可否確認通知がSMSメール等で送信される。
【0063】
受取人の担当者の顔画像認証情報は、一人の担当者に対して複数登録しておくことも可能で、顔の画像を含んだ体のポーズやジェスチャの異なるものを複数登録しておけば、受取人の担当者は、そのポーズ等によって別々の連絡先を指定することが可能となる。また、あらかじめ定めた動作を振込実行の際の第2暗証番号や第2パスワードの代わりとするようなことも可能である。このようにすることでより確実かつ多様な識別画像認証が可能となる。
【0064】
図6の説明に戻る。受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバの確認通知手段116は、識別画像認証手段113の認証が成立した場合、前述した口座情報送信可否確認通知を受取人担当者所持端末210に送信する。このとき、口座情報送信可否確認通知には口座情報DB115から読み出した受取人の口座情報や担当者の連絡先情報を含ませてもよい。
【0065】
受取人担当者所持端末210が口座情報送信可否確認通知を受信すると、送信可否確認手段213によって
図7のような口座情報送信可否確認画面300が受取人担当者所持端末210に表示される。受取人がこの画面から、例えば、送信許可ボタン301を押すと(スマートグラスの場合は音声で指示する)、サーバの確認通知手段116に通知される。
【0066】
次に、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバにおいては、ユーザ端末通信手段101は、ユーザ(ここでは送金人、受取人の担当者を指す)の端末とのインターネット上の無線通信を制御する。識別画像受信手段102は、受取人担当者所持端末210から送金人の識別画像を受信する。識別画像認証手段103は、受信した識別画像を、あらかじめ登録された送金人の識別画像認証情報等を保管する識別画像認証情報DB104内の登録データと照合し、識別画像認証情報の特徴量が一致しているデータがあれば認証成立とし、その識別画像認証情報に対応して登録されている送金人の情報を読み出す。そして、この抽出した送金人の連絡先あてに、口座情報受信可否確認通知がSMSメール等で送信される。
【0067】
送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバの確認通知手段106は、識別画像認証手段103の認証が成立した場合、前述した口座情報受信可否確認通知を送金人端末200に送信する。
【0068】
送金人端末200が口座情報受信可否確認通知を受信すると、受信可否確認手段203によって口座情報受信可否確認画面が送金人端末200に表示される。送金人がこの画面から、例えば、受信許可ボタンを押すと(スマートグラスの場合は音声で指示する)、サーバの確認通知手段106に通知される。送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバの確認通知手段106は、この受信許可通知に応じて、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバの確認通知手段116に受信許可通知を送信する。
【0069】
受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバが、受取人担当者からの送信許可通知及び送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバからの受信許可通知を受信すると、確認通知手段116は、識別画像認証手段113が読み込んだ受取人の口座情報を受取人の確認用画面に含ませ、送金人端末200に送信する。送金人が受取人に間違いがないことを確認して確認ボタンを押すと、インターネットバンキングの通常の振込画面に、受取人の口座情報が振込先情報として転記される。送金人は、あとは振込金額を入力して振込実行のボタンを押せばよい。
【0070】
サーバの送金受付手段107は、送金人が受取人の口座情報を確認し、送金人端末200から送金要求をすると、その要求を受け付けて、勘定系システム(図示せず)に対して、送金人の口座から受取人の口座への資金移動(振込)の指示を行う。また、送金受付手段107は、送金受付が完了したことを確認通知手段106に指示し、この指示を受けた確認通知手段106は、送金受付完了通知(振込受付完了通知)を、送金人端末200及び受取人担当者所持端末210に送信する機能も有する。なお、受取人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、この際、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに送金受付通知を通知してもよい。
【0071】
図8は、送金人端末200、受取人担当者所持端末210、送金人側IBサーバ100、受取人側IBサーバ110が連携する処理をフローチャートの形にまとめて、本システムの機能を説明したものである。繰り返しになるので逐次説明は省略するが、このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0072】
上記の本システムの機能構成は、あくまで一例であり、一つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて一つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されたコンピュータ・プログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0073】
<<第3の実施形態>>
<基本概念>
図9は、本発明の第3の実施形態に係る「見つめて募金」の基本概念(サービスイメージ)を示す図である。以下に示す第3の実施形態では、受取人担当者所持端末の撮像手段によって、送金人を撮像して送金人の識別画像を取得し、その識別画像から、募金履歴等の送金履歴を取得する。
【0074】
第3の実施形態では、
図9に示すように、まず、受取人の担当者が携帯するスマートフォンや、受取人の担当者が装着するスマートグラス等から、送金人の口座がある送金人側の金融機関のインターネットバンキングに接続する。そして、相手(送金人)を見つめて撮像した顔画像等の識別画像を送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバに送信する。送金人の顔画像等の識別画像の撮像とインターネットバンキングへの接続は順序が逆であってもよい。
【0075】
送金人側の金融機関のサーバでは、受信した識別画像を識別画像認証情報DB104上のデータと照合し、送金人の登録を確認する。登録が確認されると、送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバは、送金人の募金履歴等の送金履歴を受取人担当者所持端末に送信する。
【0076】
送金人の募金履歴を受信した受取人担当者所持端末では、送金人と送金人の募金履歴とを関連付けて表示する。例えば、受取人担当者所持端末がスマートグラスである場合、送金人の実空間像に募金履歴を示す画像を重畳表示する。これにより、受取人担当者は、街頭募金を行う際等に、過去にも複数回に亘って募金を行っており、今後も募金を行うことが見込まれる送金人や、既に募金済みで、今回は募金を行うことが見込まれない送金人を容易に見分けることができ、街頭募金の活動効率を向上させることができる。
【0077】
<機能構成>
図10は、本発明の第3の実施形態に係る「見つめて募金」システムの機能構成を示す図である。「見つめて募金」システム(以下、本システム)は、送金人が口座を所有している金融機関のインターネットバンキング・サーバ(IBサーバ100;以下、単にサーバと呼ぶことがある)が、少なくとも受取人の担当者が携帯する受取人担当者所持端末210に、インターネット上、無線通信によって通信可能に接続されている。受取人担当者所持端末210は、一般的なスマートフォン、タブレット端末、スマートグラス(以下、スマートフォン等)であってよい。なお、受取人は、送金人と同じ金融機関に口座を所有している必要はない。受取人担当者所持端末210は、撮像手段211、識別画像送信手段212と、送金人の募金履歴を表示するための表示手段214を備える。
【0078】
送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバの機能ブロックとしては、ユーザ端末通信手段101と、識別画像受信手段102と、識別画像認証手段103と、受取人の登録識別画像を保管する識別画像認証情報DB104(識別画像認証情報データベース)と、送金人の募金履歴情報を格納した募金履歴情報DB1053(募金履歴情報データベース)と、確認通知手段106とを備えている。なお、識別画像認証情報DB104及び募金履歴情報DB1053は、必ずしも金融機関のインターネットバンキング・サーバに備えられている必要はなく、当該インターネットバンキング・サーバが利用可能なサーバに備えられていてもよい。
【0079】
送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバにおいては、ユーザ端末通信手段101は、ユーザ(ここでは受取人の担当者を指す)の端末とのインターネット上の無線通信を制御する。識別画像受信手段102は、受取人担当者所持端末210から送金人の識別画像を受信する。識別画像認証手段103は、受信した識別画像を、あらかじめ登録された送金人の識別画像認証情報等を保管する識別画像認証情報DB104内の登録データと照合し、識別画像認証情報の特徴量が一致しているデータがあれば認証成立とし、その識別画像認証情報に対応して登録されている送金人の募金履歴を読み出す。
【0080】
送金人側の金融機関のインターネットバンキング・サーバの確認通知手段106は、識別画像認証手段103の認証が成立した場合、前述した募金履歴等の送金履歴を受取人担当者所持端末210に送信する。
【0081】
受取人担当者所持端末210が口座情報受信可否確認通知を受信すると、表示手段214によって送金人の募金履歴が受取人担当者所持端末210に表示される。受取人の担当者は、この表示された募金履歴から、対象とする送金人が今回も募金をする可能性があるか否かを判断することができる。
【0082】
<<その他の実施形態>>
第1の実施形態及び第2の実施形態では、送金人端末及び受取人担当者所持端末の撮像手段により、受取人の担当者や送金人の識別画像を撮像し、これにより最終的に送金人が口座情報を取得する態様について説明した。ここで、この撮像手段により撮像した受取人の担当者や送金人の識別画像に、撮像した場所の位置情報が含まれている場合には、撮像した場所の位置情報と送金額及び送金件数とを関連付けてデータベース化し、募金場所や集金場所に応じた募金効率、集金効率を集計できるようにしてもよい。そのようにすることにより、例えば、「池袋駅前では募金効率が低いが、議員会館前では募金効率が高い」等というような、募金活動の場所に応じた募金効率をもとに、募金活動を行うことができる。
【0083】
また、特開2013−054487号公報に開示された発明のように、受取人の請求に応じて、送金人が受取人に対して募金を行うに先立って、受取人の口座に関係する口座評価情報を送金人に開示し、送金人が振り込みに際して、受取人の信用状況を確認できるようにしてもよい。
【0084】
上記の第1の実施形態から第3の実施形態では、金融機関として主に銀行を想定して説明したが、他の金融機関として、クレジットカード会社等にも適用が可能である。特に、銀行以外の金融機関の場合、クレジットカード会社が会員の識別画像認証情報、及び加盟店となる受取人の識別画像認証情報やその担当者の識別画像認証情報を管理するようにして、クレジットカードの決済機能を利用した募金や集金に応用することも可能となる。例えば、送金人である募金者が複数のクレジットカードを所持している場合には、顔画像認証のときのポーズによって、使用するクレジットカードを指定することも可能となる。担当者の顔も顔画像認証できるので、不正防止にもなる。
【0085】
<<実施形態の効果>>
本システムによれば、街頭募金等の場において、インターネットバンキングからの操作で送金を行うことができる新たな仕組みを提供することができる。送金人が受取人に特有の識別画像を使って受取人を認証することで、振込先の情報を受取人の担当者から聞き出すことなく、受取人の口座情報を取得することができる。したがって、街頭募金の場において、送金人が相応の現金を持ち合わせていなくとも、インターネットでの振込で簡単に募金が行える。また、受取人の口座情報を送金人に送信することの可否の確認を受取人の担当者が行う場合には、単に識別画像を取得されただけでは口座情報が送信されることはない。
【0086】
第2に、送金人と、受取人及びその担当者とが相互に識別画像の認証をする場合には、より安全な決済の仕組みを提供することができる。
【0087】
第3に、顔画像を撮像する手段は、一般的なスマートフォン、タブレット端末の他、スマートグラスとすることができ、特にスマートグラスを使用すると自然に相手の顔画像を撮像することができる。
【0088】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲に限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、「見つめて送金」や「見つめて募金」を処理するインターネットバンキング・サーバについて説明したが、本発明は、方法の発明又はプログラムの発明としても捉えることができる。