【課題】ペーパーレス化や経理部門での支払時管理あるいは確認の省力化、および支払申請や決済の通番管理が可能になる支払依頼電子承認装置、支払依頼電子承認方法、および、支払依頼電子承認プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】営業部門における債務に対して適用する承認パターンを設定承認パターンとして設定し、営業部門における債務の債務支払予定入力があった場合、債務の債務支払予定入力の電子承認の有無を確認し、債務支払予定入力を受け付けるか否かを判定し、債務支払予定入力を受け付けると判定された場合、且つ、債務の営業部門から経理部門への支払依頼入力があった場合、支払依頼入力の電子承認の有無を確認し、支払依頼入力を受け付けるか否かを判定し、支払依頼入力を受け付けると判定された場合、経理部門への支払依頼票の支払依頼データを起票する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
まず、従来から、債務の計上内容(勘定科目等)のチェックのための電子承認機能は存在していたが、商品仕入・経費支払それぞれの業務特性に対応した支払依頼業務の電子承認はできなかった。
【0017】
そこで、本実施形態においては、営業部門から経理部門への支払依頼の電子承認を汎用的に制御することを可能としている。具体的に、本実施形態においては、他の業務と共通の電子承認機能により、承認有無・承認ルートを事前に設定してもよい。また、本実施形態においては、1支払先に対する複数債務をまとめて支払うケースが予想される商品仕入・諸掛等の債務について、債務計上後、支払依頼入力(債務まとめ処理)にて電子承認を起票してもよい。ここで、商品仕入においては、債務まとめ処理を経て電子承認としてもよい。また、本実施形態においては、都度の債務発生ごとに支払依頼するケースが予想される経費債務について、債務計上と合わせて支払依頼扱いとし、電子承認を起票してもよい。また、本実施形態においては、任意の承認ルートを通った後、経理部門にて承認を行ってもよい。これにより、本実施形態においては、ペーパーレス化、経理部門での支払時管理・確認の省力化、および、支払申請・決済の通番管理を可能としている。
【0018】
[2.構成]
本実施形態に係る支払依頼電子承認装置の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、支払依頼電子承認装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
支払依頼電子承認装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、支払依頼電子承認装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0020】
支払依頼電子承認装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。支払依頼電子承認装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0021】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、支払依頼電子承認装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、支払依頼電子承認装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0022】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、パターンテーブル106aと、債務データファイル106bと、支払依頼ファイル106cとを備えている。
【0023】
パターンテーブル106aは、営業部門における債務支払予定入力の電子承認を要するか否かの設定、営業部門から経理部門への支払依頼入力の電子承認を要するか否かの設定、および、債務支払予定入力の電子承認を支払依頼入力の電子承認とみなすか否かの設定を含む複数の承認パターンを記憶する。
【0024】
債務データファイル106bは、債務の債務データを記憶する。ここで、債務は、営業部門における債務であってもよい。また、債務データは、債務支払予定を含んでいてもよい。また、債務は、経費、品代、および/または、諸掛等であってもよい。
【0025】
支払依頼ファイル106cは、支払依頼表の支払依頼表データを記憶する。ここで、支払依頼表データは、電子承認が付されていてもよい。また、支払依頼表は、(会社内の営業部門等から)経理部門への支払依頼表であってもよい。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
制御部102は、支払依頼電子承認装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、設定部102aと、債務支払予定入力判定部102bと、支払依頼入力判定部102cと、起票部102dと、支払処理実行部102eとを備えている。
【0028】
設定部102aは、営業部門における債務に対して適用する承認パターンを設定承認パターンとして設定する。ここで、設定部102aは、パターンテーブル106aに記憶された承認パターンを用いて、営業部門における債務に対して適用する承認パターンを設定承認パターンとして設定してもよい。
【0029】
債務支払予定入力判定部102bは、営業部門における債務の債務支払予定入力があった場合、設定承認パターンに基づいて、当該債務の債務支払予定入力の電子承認の有無を確認し、当該債務支払予定入力を受け付けるか否かを判定する。ここで、債務支払予定入力判定部102bは、営業部門における債務の債務データを債務データファイル106bに格納(登録)してもよい。また、債務支払予定入力は、債務の前払依頼であってもよい。
【0030】
支払依頼入力判定部102cは、債務支払予定入力判定部102bにより債務支払予定入力を受け付けると判定された場合、且つ、債務の営業部門から経理部門への支払依頼入力があった場合、設定承認パターンに基づいて、当該支払依頼入力の電子承認の有無を確認し、当該支払依頼入力を受け付けるか否かを判定する。
【0031】
起票部102dは、支払依頼入力判定部102cにより支払依頼入力を受け付けると判定された場合、経理部門への支払依頼票の支払依頼データを起票する。ここで、起票部102dは、支払依頼データを支払依頼ファイル106cに格納(登録)してもよい。
【0032】
支払処理実行部102eは、支払依頼データの支払処理を実行する。ここで、支払処理実行部102eは、所定のまとめ単位毎に複数の前記支払依頼データを抽出し、まとめて支払処理を実行してもよい。ここで、所定のまとめ単位は、事業所、出金支払先、支払方法、支払予定日、支払依頼番号、支払部門、通貨、部門、および/または、計上伝票番号であってもよい。また、支払処理実行部102eは、債務が経費債務の場合、支払依頼データ毎に支払処理を実行してもよい。
【0033】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図12を参照して説明する。
【0034】
[支払依頼電子承認処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における支払依頼電子承認処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における支払依頼電子承認装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0035】
図2に示すように、設定部102aは、パターンテーブル106aに記憶された承認パターンを用いて、会社の営業部門における債務に対して適用する承認パターンを設定承認パターンとして設定する(ステップSA−1)。
【0036】
そして、債務支払予定入力判定部102bは、ユーザにより入力装置112を介して営業部門における債務の債務支払予定入力があった場合、設定承認パターンに基づいて、当該債務の債務支払予定入力の電子承認の有無を確認し、当該債務支払予定入力を受け付けるか否かを判定する(ステップSA−2)。
【0037】
そして、債務支払予定入力判定部102bは、債務支払予定入力を受け付けないと判定した場合(ステップSA−2:No)、処理を終了する。
【0038】
一方、債務支払予定入力判定部102bは、債務支払予定入力を受け付けると判定した場合(ステップSA−2:Yes)、営業部門における債務の債務データを債務データファイル106bに登録し、処理をステップSA−3に移行させる。
【0039】
そして、支払依頼入力判定部102cは、ユーザにより入力装置112を介して債務の営業部門から経理部門への支払依頼入力があった場合、設定承認パターンに基づいて、当該支払依頼入力の電子承認の有無を確認し、当該支払依頼入力を受け付けるか否かを判定する(ステップSA−3)。
【0040】
そして、支払依頼入力判定部102cは、支払依頼入力を受け付けないと判定した場合(ステップSA−3:No)、処理を終了する。
【0041】
一方、支払依頼入力判定部102cは、支払依頼入力を受け付けると判定した場合(ステップSA−3:Yes)、処理をステップSA−4に移行させる。
【0042】
そして、起票部102dは、営業部門から経理部門への支払依頼票の支払依頼データを起票し、支払依頼データを支払依頼ファイル106cに登録する(ステップSA−4)。ここで、支払依頼入力の電子承認が付与されて最終承認された支払依頼データは、支払依頼ファイル106cから削除禁止としてもよい。
【0043】
そして、支払処理実行部102eは、起票部102dにより起票された支払依頼票の債務が経費債務であるか否かを判定する(ステップSA−5)。
【0044】
そして、支払処理実行部102eは、支払依頼票の債務が経費債務ではないと判定した場合(ステップSA−5:No)、処理をステップSA−6に移行させる。
【0045】
そして、支払処理実行部102eは、所定のまとめ単位毎に、支払依頼ファイル106cに記憶された複数の前記支払依頼データを抽出し、まとめて支払処理を実行し(ステップSA−6)、処理を終了する。
【0046】
一方、支払処理実行部102eは、支払依頼票の債務が経費債務であると判定した場合(ステップSA−5:Yes)、処理をステップSA−7に移行させる。
【0047】
そして、支払処理実行部102eは、支払依頼ファイル106cに記憶された支払依頼データ毎に支払処理を実行し(ステップSA−7)、処理を終了する。
【0048】
ここで、
図3を参照して、本実施形態に係る支払依頼電子承認装置100の処理内容を説明する。
図3は、支払依頼電子承認装置100を含むシステムの全体構成の一例を示す図である。
【0049】
本実施形態においては、
図3に示すように、営業部門の担当範囲として、図の左端の仕入取込処理、仕入入力、仕入諸掛入力、輸出諸掛入力、経費支払予定入力、経費支払予定取込処理、旅費経費・業者払い申請など諸々の債務発生項目から債務が発生すると、これらに対して支払依頼をかけてもよい。
【0050】
ここで、支払依頼の流れは、今回はこれだけのものを支払って下さいというまとめ処理を行い、それをまとめたものが支払依頼票であり、これを回覧書類として回すことになる。支払依頼票を紙で回覧すると、
図3に示す経理部門では、社員数が多く、日に何通も支払依頼票を出す場合は、非常に多くの紙が必要になる上、押印やストックするスペースを考えると、非常に効率が悪かった。
【0051】
そこで、本実施形態においては、
図3に示すように、支払依頼票の標準機能である紙承認に対して、電子承認機能を設けるようにしてもよい。また、本実施形態においては、
図3に示すように、支払方法確定処理機能を追加してもよい。すなわち、本実施形態においては、最終の決済を月末一括で行うのか、それとも後で電子承認をした各管理番号を抽出して支払に回すのかという、決済時における経理部門側の業務処理にまとめ単位というものがあって、このまとめ単位による支払方法確定も「現状」と「追加」との切り替えができるようにしてもよい。
【0052】
ここで、電子承認機能自体は、一般的な各債務の計上毎の伝票内容が正しいか否かを確認し(会計帳簿にその伝票内容を記帳して良いかを上長が確認し)、電子承認するものについては既に存在する(例えば、
図3の営業部門における経費支払・業者払い自体の承認と、支払依頼の承認など)。しかしながら、本実施形態における電子承認機能は、これとは異なり、支払依頼の入力に対する電子承認機能であって、これまでにない機能である。すなわち、本実施形態においては、債務が計上されたものを決済に回すところに電子承認を組み合わせることで、個別の決済処理をサポートすることができる。
【0053】
また、この支払依頼の電子承認というのは、支払依頼自体が債務の各計上データが種々あって、例えば、「仕入」または「諸掛」については、日々発生するとまず計上し、その後日を改めて支払依頼をするという2ステップ処理を行うことが多いが、「経費」などは即日計上して見返すことなく電子承認に回す1ステップ処理で行うなど、計上データ(業務)の種類に応じてステップの切り替えを行う必要があるという特殊性がある。例えば、「経費」の支払依頼データ作成のチェックONの場合は、支払依頼の承認が終わったら、支払依頼の承認も完了とすることで、1ステップ処理扱いになる。
【0054】
ここで、
図4を参照して、本実施形態におけるパターンテーブル106aの一例について説明する。
図4は、本実施形態におけるパターンテーブル106aの一例を示す図である。
【0055】
図4に示すように、本実施形態におけるパターンテーブル106aは、チェックONとチェックOFFとの設定に応じて、1ステップ処理か2ステップ処理かをパターン分けした承認パターンを記憶していてもよい。本実施形態において、この経費支払予定入力で経費計上してそれを支払依頼する場合は、
図4のパターンを用いて処理してもよい。また、
図4のパターンテーブル106aでは、3つの条件(チェックON/OFF、経費支払予定入力承認設定、および、支払依頼入力承認設定)の組み合わせにより、8つのパターンに分けられ、条件にあった動作が行われるように設定されている。
【0056】
図3に戻り、本実施形態においては、支払方法確定処理の後の、支払通知・金種別支払予定では、例えば、実際の業務であれば、「経費」または「単純な債務」だけでなく、「前払い」についても、支払依頼の電子承認の対象としてもよい。このため、本実施形態においては、実際の物の代金ではなくて、先にいくら前払いをして欲しいという承認が行われた後に管理番号が付いて、その後、前払い決済され、その後、銀行に振り込まれる、または、決済(為替)レートの確定がされてもよい。それにより、本実施形態においては、この後で、前払いしたものを依頼番号でもって払っておいたけれども、後でそれを呼び出して、物の代金に当てるという流れ(すなわち、前払い)のケースに対応可能である。このように、本実施形態において、管理番号で管理をするのは、まとめ単位における支払依頼番号で管理するのと同様である。すなわち、本実施形態においては、前払いしておいたものを、このタイミングで承認されたということができるようにしてもよい。
【0057】
また、
図5から
図9を参照して、本実施形態における支払依頼入力の一例について説明する。
図5は、支払依頼入力画面の一例を示す図である。
図6は、支払依頼明細入力画面の一例を示す図である。
図7は、振込情報画面の一例を示す図である。
図8は、伝票内訳画面の一例を示す図である。
図9は、支払依頼入力の転送表の一例を示す図である。
【0058】
図5に示すように、本実施形態における支払依頼入力画面においては、都度支払先の承認済み仕入データに対して、支払対象とする為の支払依頼データを作成し、支払依頼番号を採番することができる。また、本実施形態における支払依頼入力画面においては、複数の仕入伝票に対して支払依頼をまとめる事ができる。また、本実施形態における支払依頼入力画面においては、支払先マスタの設定(支払予定日算出区分)により、支払依頼を使用しつつ、締支払の設定値で支払予定日の算出を行うことができる。また、本実施形態における支払依頼入力画面においては、支払依頼単位で金種別支払予定金額を算出してもよい。また、本実施形態における支払依頼入力画面においては、支払依頼の単位で源泉税預り金を再計算してもよい。また、本実施形態における支払依頼入力画面においては、「合計額入力区分」がある場合、支払先からの請求書に記載された金額を入力して自動充当してもよい。また、本実施形態における支払依頼入力画面においては、「合計額入力区分」がない場合、自社の支払予定を任意に指定し、積み上げで支払依頼額を決定してもよい。
【0059】
また、
図6に示すように、本実施形態における支払依頼明細入力画面においては、明細項目として、データ区分、コード、名称、伝票番号、仕入先、伝票日付、支払予定日、納品書番号、伝票金額、支払済額、支払予定額、および、今回依頼額等を含んでいてもよい。また、
図7に示すように、本実施形態における振込情報画面においては、通常支払先の場合、表示のみ実行し、諸口支払先の場合、ユーザに入力装置112を介して入力可能としてもよい。また、
図8に示すように、本実施形態における伝票内訳画面において、「今回支払依頼額」には、明細情報に表示されている金額の合計でなく、明細ごとの依頼額の合計が表示されてもよい。これにより、本実施形態における伝票内訳画面においては、明細内で一部依頼時に明細の金額合計と不一致になるが、明細単位の依頼時は常に一致する。
【0060】
また、
図9の支払依頼入力の転送表に示すように、画面遷移が制御されてもよい。ここで、本実施形態においては、伝票単位の場合、明細選択表示画面の表示のみ行ってもよい。また、本実施形態の支払依頼画面においては、各支払依頼明細がダブルクリックされ、明細が入力された場合、支払依頼明細入力画面を表示してもよい。また、本実施形態の支払依頼画面においては、詳細ボタンが選択された場合、明細選択表示画面を表示してもよい。また、本実施形態においては、通常、支払依頼画面(明細)に入力された金額を、明細選択表示画面に自動セットしてもよい。また、本実施形態においては、前払の場合、明細選択表示画面に紐づく明細のみ表示してもよい。
【0061】
また、
図10から
図12を参照して、本実施形態における支払方法確定処理の一例について説明する。
図10は、支払方法確定処理画面の処理詳細の一例を示す図である。
図11および
図12は、支払方法確定処理のまとめ単位切替と事業所部門別債務残高管理の一例を示す図である。
【0062】
図10に示すように、本実施形態における支払方法確定処理画面(条件指定画面)においては、支払予定データを支払予定日または出金支払先で集計して支払通知ファイルを作成できる。また、本実施形態における支払方法確定処理画面においては、対象となる支払予定を再集計して金種別支払予定を作成できる。また、本実施形態における支払方法確定処理画面においては、消費税算出区分=締時一括の支払先に関して、税率別消費税差額を算出することができる。また、本実施形態における本支払方法確定処理は、金種別支払予定が支払済になるまでの間、解除、および/または、再実行可能であってもよい。
【0063】
また、
図11には、支払先マスタに設定した支払予定日をまとめ単位とする支払方法確定処理、および、事業所部門別債務残高管理処理について示している。一方、
図12には、支払先マスタに設定した支払依頼番号をまとめ単位とする支払方法確定処理、および、事業所部門別債務残高管理処理について示している。そして、本実施形態においては、このような支払方法確定処理のまとめ単位切替を行うことで、支払先および支払区分の支払通知および支払単位を変更することができる。
【0064】
なお、本実施形態において、支払まとめ単位を「出金支払先単位」と「支払依頼番号単位」とで切り替えた際に、M支払先の支払区分が1(都度支払)だった場合のF支払通知、および、D支払の作成単位が変わる。また、本実施形態においては、支払方法変更入力がされた場合、F支払通知が再作成されてもよい。また、本実施形態においては、F支払通知、F金種別支払予定、D支払ヘッダ、D支払明細、および、D支払消込ヘッダには、支払依頼番号を保持していなくてもよい。また、本実施形態においては、D支払予定には、支払依頼番号および支払通知番号を保持していてもよい。D支払消込明細に、支払依頼番号を保持していてもよい。また、本実施形態においては、F支払通知に保持された支払依頼番号を取得してもよく、必要な場合にD支払予定経由で支払依頼番号を取得してもよい。
【0065】
このように、本実施形態においては、営業部門から経理部門への支払依頼の電子承認を制御可能とすることによって、支払依頼票のペーパーレス化や経理部門での支払時における管理や確認の省力化を図ることができると共に、支払申請や決済の通番管理が可能となる。
【0066】
なお、一般的に、貿易取引においては、支払先に対して品代および/または諸掛ともに、個別請求書により請求されるケースが多く、外貨決済の場合、請求ごとに決済レートが異なるため、特に、前払いの場合、先方請求単位(=支払依頼単位)で決済データを管理する必要があるため、多数の伝票について経理部門がまとめて内容確認を行うことが難しく、電子承認により個別確認を行う必要がある。また、一般的に、輸入取引においては、輸入ユーザンス(本邦ローン)が発生する場合、国内の取引銀行に荷為替手形を差し入れて支払猶予を受け、輸入先に対する買掛債務が取引銀行に対する未払債務に振り替えられる。
【0067】
そこで、本実施形態においては、支払依頼の電子承認を可能としている。すなわち、本実施形態においては、支払依頼ファイルに案件Guid、および、承認状態区分を設け、新規申請種別にてFx標準の電子承認可能とし、承認証憑は、支払依頼票とし、締支払の際の支払締日更新処理によって登録される支払依頼は、電子承認対象外としている。また、本実施形態においては、経費支払予定入力で経費計上してそれを支払依頼する場合、予め設定された承認パターンに基づいて、支払依頼を処理してもよい。
【0068】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0069】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0070】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0071】
また、支払依頼電子承認装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0072】
例えば、支払依頼電子承認装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて支払依頼電子承認装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0073】
また、このコンピュータプログラムは、支払依頼電子承認装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0074】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0075】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0076】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0077】
また、支払依頼電子承認装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、支払依頼電子承認装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0078】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。