【課題】デジタルダッシュボードの設定コストの削減と無駄なデータ取得を省いたことによるレスポンス向上を実現することができ複合ダッシュボードを表示する際に複数の表やグラフを見易く表示させることができる表示定義作成装置、表示定義作成方法、および、表示定義作成プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】項目名、データ型、および/または、演算子に基づいて、個別抽出条件に対するグルーピングを行い、共通する抽出条件を定義した抽出条件定義を取得し、抽出条件定義に対する条件値をユーザに入力させ、抽出条件定義および条件値に基づいて、デジタルダッシュボードに表示するための表示用ビジネスデータをビジネスデータから取得する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0014】
[1.概要]
従来、ビジネスインテリジェンス(BI)で表やグラフを表示する場合、ビジネスデータ、抽出条件および表示形式の定義設定を行うのが一般的であった。また、従来、複数グラフを表示するデジタルダッシュボード(複合ダッシュボード)においても、グラフ毎にビジネスデータ、抽出条件および表示形式の設定を行う必要があったため、設定コストの増大や管理業務が煩雑になる等の問題点があった。
【0015】
そこで、本実施形態においては、デジタルダッシュボード専用に定義を作成するのではなく、既存の表および/またはグラフ用定義を組み合わせるだけで、デジタルダッシュボード定義を作成する仕組みを提供している。それにより、本実施形態においては、デジタルダッシュボード内に同一のビジネスデータを使用する表および/またはグラフが存在する複合ダッシュボードの定義を作成する場合、それぞれのビジネスデータを取得するのではなく、1つのビジネスデータを共有するため、重複したデータ取得を行う必要が無い。また、本実施形態において、データ抽出の際に使用する抽出条件は、抽出項目名、データ型、演算子、および/または、条件値が一致しているものは同一抽出条件と判断して自動で共通化して表示する仕組みのため、同じ抽出条件を複数回入力することが無い。特に、本実施形態においては、1つのビジネスデータを使用して1つの表またはグラフを表示する単一ダッシュボードのレイアウト定義を用いると共に、さらに複合ダッシュボード用にレイアウト調整を可能としている。その結果、本実施形態においては、デジタルダッシュボードの設定コスト削減、および、無駄なデータ取得を省いたことによるレスポンス向上を実現すると共に、複数の表およびグラフを見易く表示させることができる。
【0016】
[2.構成]
本実施形態に係る表示定義作成装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、表示定義作成装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0017】
表示定義作成装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、表示定義作成装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0018】
表示定義作成装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。表示定義作成装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0019】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、表示定義作成装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、表示定義作成装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0020】
記憶部106には、各種のデータベース(DB)、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、ビジネスデータファイル106aと、個別抽出条件データファイル106bと、対象データ定義ファイル106cと、抽出条件定義ファイル106dと、レイアウト定義ファイル106eとを備えている。
【0021】
ビジネスデータファイル106aは、ビジネスデータを記憶する。ここで、ビジネスデータは、売上データ、仕入データ、利益データ、債務データ、債権データ、および、経費データ等を含んでいてもよい。
【0022】
個別抽出条件データファイル106bは、デジタルダッシュボードにおいて同一のビジネスデータを異なる表示形式で表示する際に、当該表示形式毎に当該ビジネスデータから抽出するデータの抽出条件である、項目名とデータ型と演算子とを含む個別抽出条件を記憶する。
【0023】
対象データ定義ファイル106cは、どのビジネスデータを分析に使用する(分析対象とする)かを定義した対象データ定義を記憶する。ここで、対象データ定義は、表示事項と対象データとを紐付けて定義されていてもよい。また、対象データ定義は、更に、複合ダッシュボードにおいて、どの単一ダッシュボードを使用するかを定義した複合ダッシュボード定義を含んでいてもよい。
【0024】
抽出条件定義ファイル106dは、ビジネスデータ抽出の際にデータを絞り込む抽出条件を定義した抽出条件定義を記憶する。ここで、抽出条件定義は、項目名、データ型、および/または、演算子に基づいて、個別抽出条件に対するグルーピングに基づいて、共通する抽出条件が定義されていてもよい。また、抽出条件定義は、複合ダッシュボードにおいて、どのような条件名で抽出条件を共通化するかを定義した共通抽出条件制御定義を含んでいてもよい。
【0025】
レイアウト定義ファイル106eは、ビジネスデータをどのような表示形式(レイアウト)で表示するかを定義したレイアウト定義を記憶する。ここで、レイアウト定義は、表示形式と表示サイズとを紐付けて定義されていてもよい。また、レイアウト定義は、複合ダッシュボードにおいて、単一ダッシュボードをどのようなレイアウトで表示するかを定義した複合ダッシュボードレイアウト定義を含んでいてもよい。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
制御部102は、表示定義作成装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、表示事項設定部102aと、抽出条件定義取得部102bと、条件入力制御部102cと、表示データ取得部102dと、表示制御部102eとを備えている。
【0028】
表示事項設定部102aは、デジタルダッシュボードに表示する表示事項を設定する。ここで、表示事項設定部102aは、ユーザにより入力装置112を介して入力された表示事項を、デジタルダッシュボードに表示する表示事項に設定してもよい。また、表示事項は、売上分析、売上もしくは仕入等のデータ推移、または、売上もしくは仕入等のデータ一覧等であってもよい。
【0029】
抽出条件定義取得部102bは、項目名、データ型、および/または、演算子に基づいて、個別抽出条件データファイル106bに記憶された個別抽出条件に対するグルーピングを行い、共通する抽出条件を定義した抽出条件定義を取得する。ここで、抽出条件定義取得部102bは、更に、表示事項設定部102aにより設定された表示事項に基づいて、抽出条件定義を取得してもよい。また、抽出条件定義取得部102bは、取得した抽出条件定義を抽出条件定義ファイル106dに格納(登録)してもよい。
【0030】
条件入力制御部102cは、抽出条件定義に対する条件値をユーザに入力させる。ここで、条件入力制御部102cは、抽出条件定義を出力装置114に表示させ、ユーザに入力装置112を介して抽出条件定義に対する条件値を入力させてもよい。
【0031】
表示データ取得部102dは、抽出条件定義および条件値に基づいて、デジタルダッシュボードに表示するための表示用ビジネスデータをビジネスデータから取得する。ここで、表示データ取得部102dは、抽出条件定義および条件値に基づいて、複数種の表示用ビジネスデータをビジネスデータから取得してもよい。また、表示データ取得部102dは、抽出条件定義および条件値に基づいて、デジタルダッシュボードに表示するための表示用ビジネスデータを、ビジネスデータファイル106aに記憶されたビジネスデータから取得してもよい。また、表示データ取得部102dは、更に、対象データ定義ファイル106cに記憶された対象データ定義に基づいて、表示用ビジネスデータをビジネスデータから取得してもよい。
【0032】
表示制御部102eは、レイアウト定義に定義された表示形式に基づいて、表示用ビジネスデータをデジタルダッシュボード上に表示させる。ここで、表示制御部102eは、レイアウト定義ファイル106eに記憶されたレイアウト定義に定義された表示形式に基づいて、出力装置114に表示されたデジタルダッシュボード上に表示用ビジネスデータを表示させてもよい。
【0033】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図12を参照して説明する。
【0034】
[表示定義作成処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における表示定義作成処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における表示定義作成装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0035】
図2に示すように、表示事項設定部102aは、ユーザにより入力装置112を介して入力された表示事項を、デジタルダッシュボードに表示する表示事項に設定する(ステップSA−1)。
【0036】
そして、抽出条件定義取得部102bは、表示事項設定部102aにより設定された表示事項、ならびに、項目名、データ型および/もしくは演算子に基づいて、個別抽出条件データファイル106bに記憶された個別抽出条件に対するグルーピングを行い、共通する抽出条件を定義した抽出条件定義を取得し、取得した抽出条件定義を抽出条件定義ファイル106dに登録する(ステップSA−2)。
【0037】
そして、条件入力制御部102cは、抽出条件定義を出力装置114に表示させ、ユーザに入力装置112を介して抽出条件定義に対する条件値を入力させる(ステップSA−3)。
【0038】
そして、表示データ取得部102dは、対象データ定義ファイル106cに記憶された対象データ定義、ならびに、抽出条件定義および条件値に基づいて、デジタルダッシュボードに表示するための表示用ビジネスデータを、ビジネスデータファイル106aに記憶されたビジネスデータから取得する(ステップSA−4)。例えば、表示事項として売上分析が設定されている場合、表示データ取得部102dは、売上データ推移、仕入データ推移および売上データ一覧の表示用ビジネスデータを取得してもよい。
【0039】
そして、表示制御部102eは、レイアウト定義ファイル106eに記憶されたレイアウト定義に定義された表示形式に基づいて、出力装置114に表示されたデジタルダッシュボード上に表示用ビジネスデータを表示させ(ステップSA−5)、処理を終了する。
【0040】
ここで、
図3を参照して本実施形態に係る表示定義作成装置100の処理の一例について説明する。
図3−1は、分析定義の抽出条件を元に共通抽出条件レコードを生成する一例を示す図である。
図3−2は、共通抽出条件レコードを元に個別設定部と共通設定部を表示する一例を示す図である。
図3−3は、個別に扱いたい抽出条件の設定の一例を示す図である。
図3−4は、設定内容を元にデータを取得する一例を示す図である。
【0041】
図3−1に示すように、本実施形態においては、分析定義(対象データ定義、抽出条件定義およびレイアウト定義)の抽出条件を元に共通抽出条件レコードを生成する場合、上側に分析定義Aおよび分析定義Bがあって、ここでは別のデータから情報を取得するロジックであるが、抽出条件は同じという状況を想定している。ここで、分析定義は、単一ダッシュボードを表示する為の設定情報であり、対象データ定義、抽出条件定義およびレイアウト定義を一括りにした定義であってもよい。例えば、
図3−1に示すように、本実施形態においては、「会計年月日」、「品種(開始)」または「品種(終了)」をそれぞれ指定して、データを取得してもよい。そして、
図3−1に示すように、本実施形態においては、デジタルダッシュボードを起動した際に、この2つの条件から、下側の共通抽出条件レコードを生成してもよい。ここで、本実施形態においては、「抽出条件名」を「日本語名」からコピーして生成してもよい。
【0042】
次に、
図3−2に示すように、デジタルダッシュボードの画面では、共通条件レコードを元に、全ての共通抽出条件レコードを一覧で表示する個別設定部(上側)から、最終的に抽出条件を指定するための一覧を表示する共通設定部(中央)が表示される。
図3−2に示すように、共通設定部は、ユーザが最終的に抽出条件(ここでは、条件値)を入力することにより、その条件値によって共通抽出条件レコードを更新して、デジタルダッシュボードが表示される。個別設定部は、ユーザが抽出条件を細かく設定したい時にポップアップで開く詳細設定画面である。この個別設定部には、
図3−1の共通抽出条件レコードの分析定義Aおよび分析定義Bを合わせた6行分が入っている。また、個別設定部の「型名」、「演算子」、「変更許可」の欄と、その左側に「元定義名」があり、これでグルーピングをかけて重複しているものを一つにまとめる処理を行うことで、共通設定部の画面が出来上がる。これが、複数の抽出条件を共通して扱うところである。このようにまとめられた「会計年月日」、「品種(開始)」、「品種(終了)」に対して、ユーザが条件値を入力し、デジタルダッシュボードの表示処理をすると、それぞれ設定した条件値が元々ある6つのレコードに展開されて、
図3−2に示すように、それぞれの分析定義Aおよび分析定義Bの抽出条件として共通抽出条件レコード(下側)が出力される。
【0043】
次に、本実施形態においては、必要に応じて個別に扱いたい抽出条件を設定することができる。具体的には、
図3−3に示すように、本実施形態においては、個別設定部の条件名という項目だけユーザが任意に変更することができる。元々当該項目には、
図3−2に示すように、「会計年月日」、「品種(開始)」、「品種(終了)」がそれぞれ3つずつ表示されていたが、1つ目の「会計年月日」を「前期」とし、2つ目の「会計年月日」を「今期」と入力して画面を閉じて戻ることにより、
図3−2に示すように、共通設定部の画面が3行だったのが、
図3−3に示すように、4行に増加する。そして、本実施形態においては、「前期」に相当する「条件値」に「2××5年2月」、および、「今期」に相当する「条件値」に「2××5年3月」などの条件値が入力された場合、それらの値が共通抽出条件レコードとして出力される。
【0044】
これにより、
図3−4に示すように、分析定義Aまたは分析定義Bにどのような抽出条件名および/または条件値等を渡せばよいかの共通抽出条件レコードのデータが集まるので、それぞれの共通抽出条件レコードのデータを取得するロジック(分析定義のストアド)に渡すことで、デジタルダッシュボード画面を表示するようになっている。すなわち、本実施形態においては、設定した内容を元にデータを取得することができる。
【0045】
ここで、
図4および
図5を参照して、デジタルダッシュボードの一例について説明する。
図4は、デジタルダッシュボードの単一ダッシュボードの一例を示す図である。
図5は、デジタルダッシュボードの複合ダッシュボードの一例を示す図である。
【0046】
まず、デジタルダッシュボードとは、ビジネスデータを視覚化し、状況確認を行うためのシステムであり、例えば、
図4に示すような単一ダッシュボードと、
図5に示すような複合ダッシュボードと、が存在する。ここで、単一ダッシュボードとは、1つのビジネスデータを使用して、1つのグラフを表示可能とするものであり、
図4に示すように、売上データを使用して、折れ線グラフを表示している。また、複合ダッシュボードとは、単一ダッシュボードのグラフを複数個表示可能であるため、ビジネスデータやグラフを複数個扱うことが可能とするものであり、
図5に示すように、売上データの折れ線グラフ、売上データの一覧表、および、仕入データの折れ線グラフを表示している。
【0047】
このように、複合ダッシュボードは、単一ダッシュボードを複数組み合わせたものであるが、組み合わせ方によって画面のイメージが変わる。このため、例えば、表やグラフの種類、フォントサイズ、色、および/または、大きさなどを統一したり、配置位置や配置順序を変えたりするなど、見た目を調節したいという要望がある。そこで、本実施形態においては、基本的には元の単一ダッシュボードレイアウト定義を用いた上で、複合ダッシュボード用にレイアウト定義を修正可能としている。すなわち、複合ダッシュボードを表示する場合、単一ダッシュボードのレイアウト定義をそのまま利用してもよいが、複合ダッシュボード用にレイアウト調整を行えるようにしてもよい(複合ダッシュボードレイアウト)。その際、複合ダッシュボードのレイアウト定義の設定情報は、単一ダッシュボードのレイアウト定義の設定情報よりも優先して反映させてもよい。例えば、複数年度の棒グラフ(2××5年度〜2××7年度)を組み合わせる場合は、年度毎の推移を比較し易くするため、年月が揃うように軸を共通化したり、サイズの異なる棒グラフであれば大きさを調整してサイズを共通化したりすることで、1つのダッシュボード内にいかに見易く複数の表やグラフを盛り込めるかが重要となる。
【0048】
また、
図6を参照して、単一ダッシュボードの処理の一例について説明する。
図6−1は、単一ダッシュボードで売上データ推移表の画面表示の一例を示す図である。
図6−2は、
図6−1の画面表示に必要な表示定義の一例を示す図である。
【0049】
図6−1に示すように、本実施形態においては、ビジネスデータファイル106aに記憶された売上データから、指定した期間(ユーザにより指定された条件値)で絞り込んだデータを抽出し、折れ線グラフで表示した売上データ推移表を表示している。
【0050】
ここで、
図6−2には、
図6−1の画面を作成するために、記憶部106(対象データ定義ファイル106c、抽出条件定義ファイル106dおよびレイアウト定義ファイル106e)に保持している定義を示しており、対象データ定義は、どのビジネスデータを分析で使用するかを定義しており、抽出条件定義は、ビジネスデータ抽出の際に、データを絞り込む条件を定義しており、レイアウト定義は、抽出したビジネスデータを、どのようなレイアウトで表示するかを定義している。
【0051】
また、本実施形態においては、例えば、画面表示に必要な1つの表示定義に、対象データ定義(1つ)、抽出条件定義(1つ)、表示形式定義(複数)を持っていてもよい。従来、ビジネスダッシュボード側には、対象データ定義(1つ)、抽出条件定義(1つ)、表示形式定義(複数)を複数組み合わせて画面を表現する場合、ビジネスデータおよび/または抽出条件を複数定義しなければならなかった。一方、本実施形態においては、ビジネスデータおよび/または抽出条件をコピーして自動的に定義を自動作成し、その上で共通な部分は自動で判断して共通化できるようにしている。これにより、本実施形態においては、デジタルダッシュボード側では、種々の表および/またはグラフを1つの画面内に表示する場合であっても、一々個別に表示定義を作成する必要がなく、デジタルダッシュボードの設定コストの削減ができ、無駄なデータ取得を省くことで、レスポンスを向上させることができる。
【0052】
更に、
図7を参照して、単一ダッシュボードの処理の一例について説明する。
図7−1は、抽出条件定義を取得して画面表示を行う一例を示す図である。
図7−2は、抽出条件入力後にデータ表示ボタンをクリックする一例を示す図である。
図7−3は、表示用ビジネスデータを取得して画面表示を行う一例を示す図である。
【0053】
図7−1に示すように、本実施形態においては、抽出条件定義ファイル106dから抽出条件定義を取得し、売上データ推移表の画面を起動し、抽出条件項目を画面に表示させる。そして、
図7−2に示すように、本実施形態においては、ユーザに入力装置112を介して、抽出条件の条件値を入力させ、データ表示ボタンをクリックさせる。そして、
図7−3に示すように、本実施形態においては、ビジネスデータファイル106aからビジネスデータを取得し、表示用ビジネスデータを画面に表示させる。具体的には、
図7−3に示すように、本実施形態においては、対象データ定義ファイル106cに記憶された対象データ定義と画面上で入力された抽出条件値を使用して、ビジネスデータファイル106aから表示用ビジネスデータを取得してもよい。そして、
図7−3に示すように、本実施形態においては、取得した表示用ビジネスデータを、レイアウト定義ファイル106eに記憶されたレイアウト定義に従って、折線グラフの形式で600×300のサイズで画面に表示してもよい。
【0054】
また、
図8を参照して、複合ダッシュボードの処理の一例について説明する。
図8−1は、複合ダッシュボードで売上データ推移表と売上データ一覧表と仕入データ推移表とを画面表示した一例を示す図である。
図8−2は、
図8−1の画面表示に必要な表示定義の一例を示す図である。
【0055】
図8−1に示すように、本実施形態においては、元々単一ダッシュボードとして表示可能な画面それぞれを同一画面上に表示した複合ダッシュボードを表示することができ、売上データの折れ線グラフおよび表、ならびに、仕入データの折れ線グラフを表示する売上分析画面を表示している。ここで、
図8−2に示すように、
図8−1の複合ダッシュボードの画面において、それぞれの表またはグラフを作成するために、単一ダッシュボード用に設定したデータである対象データ定義、抽出条件定義およびレイアウト定義を記憶部106に保持し、複合ダッシュボードを作成するために、複合ダッシュボード定義、共通抽出条件制御定義および複合ダッシュボードレイアウト定義を記憶部106に保持していてもよい。
【0056】
また、
図9を参照して、本実施形態におけるデータを表示するための処理の流れの一例について説明する。
図9−1は、抽出条件定義と共通抽出条件制御定義を取得し抽出条件を共通化して画面表示を行う一例を示す図である。
図9−2は、抽出条件入力後にデータ表示ボタンをクリックする一例を示す図である。
図9−3は、表示用ビジネスデータを取得する一例を示す図である。
図9−4は、取得したビジネスデータをレイアウト定義に従って画面表示する一例を示す図である。
【0057】
図9−1に示すように、本実施形態における複合ダッシュボードの画面起動から抽出条件表示においては、抽出条件定義ファイル106dから抽出条件定義と共通抽出条件制御定義とを取得し、抽出条件の共通化を行った上で画面に表示してもよい。なお、
図9−1の下図に示すように、従来のBIでは、売上データ推移表、売上データ一覧表および仕入データ推移表それぞれの抽出条件をユーザが入力しなければならなかったため、本実施形態においては、共通化する事で入力の手間を省いている。そして、
図9−2に示すように、本実施形態においては、ユーザに入力装置112を介して抽出条件を入力させた後、データ表示ボタンをクリックさせる制御を行ってもよい。そして、
図9−3に示すように、本実施形態においては、単一ダッシュボード同様、対象データ定義ファイル106cに記憶された対象データ定義と画面上で入力された抽出条件値とを使用して、ビジネスデータファイル106aから表示用ビジネスデータを取得してもよい。ここで、本実施形態においては、表示する単一ダッシュボード毎に、表示用ビジネスデータを取得してもよい。但し、
図9−3下図に示すように、本実施形態においては、従来のBIとは異なり、対象データと抽出条件値とが同一の場合、同じ表示用ビジネスデータ(売上データ(期間:2XX3/03〜2XX4/02))を共有するため、共有単位毎に1つの表示用ビジネスデータを取得すればよい。そして、
図9−4に示すように、本実施形態においては、取得した表示用ビジネスデータを、レイアウト定義ファイル106eに記憶されたレイアウト定義に従って画面に表示してもよい。ここで、複合ダッシュボードの場合、同一画面に複数のグラフが表示されるため、グラフのサイズ統一、および、フォントのサイズ統一等の見た目を調節する必要があるが、本実施形態においては、単一ダッシュボードのレイアウト定義をそのまま利用する事ができるだけでなく、レイアウト定義ファイル106eに記憶された複合ダッシュボードレイアウト定義を用いて、複合ダッシュボード用にレイアウトを調整することができる。なお、本実施形態において、複合ダッシュボードレイアウト定義の設定情報は、レイアウト定義の設定情報よりも優先して反映されるようにしてもよい。
【0058】
また、
図10および
図11を参照して、本実施形態における共通抽出条件の概要について説明する。ここで、本実施形態において、共通抽出条件とは、複合ダッシュボードにおいて複数の単一ダッシュボードの抽出条件を一括して管理、および、指定できるようにする機能であり、別途、共通抽出条件制御定義設定画面において、共通化の条件を設定可能である。
【0059】
まず、
図10を参照して、本実施形態における複合ダッシュボードにおける共通抽出条件の表示とデータ表示処理について説明する。
図10−1は、複合ダッシュボードにおける共通抽出条件の表示画面の一例を示す図である。
図10−2は、共通抽出条件制御定義が未設定の場合の処理概要の一例を示す図である。
図10−3は、共通抽出条件制御定義が設定されている場合の処理概要の一例を示す図である。
【0060】
図10−1は、複合ダッシュボード照会画面を示しており、3つの単一ダッシュボードの抽出条件をまとめて表示し、データ表示処理時に、入力された共通抽出条件の値を元に、それぞれの表、および、グラフを表示している。また、
図10−2は、共通抽出条件制御定義が未設定の場合、(1)複合ダッシュボード起動時に、抽出条件定義ファイル106dより抽出条件定義を取得してメモリ上に展開し、抽出条件名、演算子、型および初期値でグルーピングして画面に表示し、(2)複合ダッシュボードへのデータ表示時に、ユーザが抽出条件の値(条件値)を入力してデータ表示ボタンをクリックした場合、入力された抽出条件の値(条件値)をメモリ上の個別抽出条件に反映し、それぞれのダッシュボードごとにビジネスデータを取得して表またはグラフを表示する処理概要を示している。また、
図10−3は、共通抽出条件制御定義が設定されている場合、複合ダッシュボード起動時に、抽出条件定義ファイル106dより抽出条件定義を取得してメモリ上に展開し、設定されている共通抽出条件定義に基づいて、抽出条件名および値(条件値)を上書きし、抽出条件名、演算子、型および初期値でグルーピングして画面に表示し、
図10−2の(2)の処理に移行する処理概要を示している。
【0061】
そして、
図11を参照して、本実施形態における共通抽出条件制御定義の設定について説明する。
図11−1は、共通抽出条件制御定義設定画面の一例を示す図である。
図11−2は、共通抽出条件制御定義設定画面表示時の処理概要の一例を示す図である。
【0062】
図11−1には、共通抽出条件制御定義設定画面が示してあり、ユーザにより抽出条件名と初期値とが任意に設定可能となっている。また、
図11−2は、(1)共通抽出条件制御定義設定画面の表示時に、抽出条件定義ファイル106dより抽出条件定義を取得してメモリ上に展開し、抽出条件名、演算子、型および初期値でグルーピングして画面に表示し、ユーザが抽出条件の値(条件値)を入力してデータ表示ボタンを押下した場合、値が設定された条件について共通抽出条件定義レコードを生成する処理概要を示している。
【0063】
また、
図12を参照して、ビジネスデータの共通化の処理概要を説明する。ここで、ビジネスデータの共通化とは、複合ダッシュボードにおいて、同じ対象データでかつ同じ抽出条件のダッシュボードで共通のデータを使用する仕組みのことである。
図12−1は、ビジネスデータ共通化において抽出条件の生成の一例を示す図である。
図12−2は、ビジネスデータ共通化において対象データと抽出条件が同一のものをグルーピングする一例を示す図である。
図12−3は、ビジネスデータ共通化においてグルーピングした条件を用いて対象データを取得する一例を示す図である。
図12−4は、ビジネスデータ共通化において取得データを用いてダッシュボードを表示する一例を示す図である。
【0064】
本実施形態においては、
図12−1に示すように、複合ダッシュボードの表示処理時にメモリ内で抽出条件を生成し、
図12−2に示すように、対象データと抽出条件とが同一のものをグルーピングし、
図12−3に示すように、グルーピングした条件を用いて各対象データを取得し、
図12−4に示すように、取得したデータを用いて各ダッシュボードを表示してもよい。
【0065】
このように、本実施形態においては、既に定義された表示定義(ビジネスデータ、抽出条件、表やグラフなどの表示形式)の定義データを元に、デジタルダッシュボードの表示定義を簡単に作成することができる。これにより、デジタルダッシュボードの設定コストを削減できると共に、無駄なデータ取得を省いたことによりレスポンス向上を実現することができ、複合ダッシュボードを表示する際に複数の表やグラフを見易く表示させることができる。
【0066】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0067】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0068】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0069】
また、表示定義作成装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0070】
例えば、表示定義作成装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて表示定義作成装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0071】
また、このコンピュータプログラムは、表示定義作成装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0072】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0073】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0074】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0075】
また、表示定義作成装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、表示定義作成装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0076】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。