【課題】一度の処理で国内基準とIFRS基準の処理ができるようにすることで、締処理の早期化が可能になる資産計上仕訳装置、資産計上仕訳方法、および、資産計上仕訳プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】資産計上を国内基準とIFRS基準の両方で管理するために、仮勘定振替処理にて国内基準の仕訳をコピーしてIFRS基準の仕訳を自動作成し、コピーされたIFRS基準の金額を修正して保存し、IFRS基準でのみ資産計上される場合に振替元データ登録処理を行う。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0015】
[1.概要]
従来、企業の経理と仕訳とは、1つの会計基準で管理するのが通常であったが、日本基準からIFRS基準へ移行する過渡期では、日本基準とIFRS基準との両方の仕訳計上を経理では並行して行う必要がある。例えば、従来、不動産の資産計上に関して、IFRS基準と国内基準とでは計上出来る簿価が違ってくるが、別々の仕組みで仕訳情報を管理する必要があった。
【0016】
そこで、本実施形態においては、複数の会計基準の仕訳作成をサポートするための仕組みを備えている。例えば、本実施形態においては、建設仮勘定の資産へ振替仕訳を作成する際に、国内基準の仕訳をコピーしてIFRS基準の仕訳を自動で作成する仕組みを備えており、コピーされたIFRS基準の金額を修正して保存することができるため、一度の処理で国内とIFRSの処理ができるようにすることで、締処理の早期化が可能となる。また、本実施形態においては、IFRS基準でのみ資産計上される場合の処理についても用意している。また、本実施形態においては、購入案件登録、建築案件登録、および、仮勘定振替登録に国内基準と同時に、IFRS基準を登録できる機能を備えている。このように、本実施形態においては、国内入力値をコピーしてIFRSと同時登録し、修正を可能とすることにより、同時会計データの作成を可能としている。また、本実施形態においては、国内基準と相違するIFRS基準の付随費用の組換えを国内の入力・会計データの作成と同時に行うことができるため、一度の処理で国内およびIFRSの処理ができ、IFRSの締めを早期化(国内と同時タイミングと)することができる。ここで、本実施形態においては、資産購入登録プログラム、工事案件登録プログラム、仮勘定振替登録プログラム、および、会計データ作成/確定プログラム等を用いて機能を実現してもよい。
【0017】
[2.構成]
本実施形態に係る資産計上仕訳装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、資産計上仕訳装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
資産計上仕訳装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、資産計上仕訳装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0019】
資産計上仕訳装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。資産計上仕訳装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0020】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置及び専用線等の有線又は無線の通信回線を介して、資産計上仕訳装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、資産計上仕訳装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0021】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、及びファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、不動産データファイル106aと、仕訳データファイル106bとを備えている。
【0022】
不動産データファイル106aは、不動産データを記憶する。ここで、不動産データファイル106aは、不動産(不動産の工事)に関する金額を含む不動産データを記憶してもよい。また、不動産データは、勘定科目、物件(工事)名称、物件コード、不動産ナンバー、工事ナンバー、支払先名称、支払先コード、委託業者名称、委託業者コード、および/または、支払予定日等を含んでいてもよい。また、不動産データファイル106aは、勘定科目が建設仮勘定と設定された不動産データである仮勘定データ、勘定科目が費用と設定された不動産データである振替元データ、不動産データに対して、会計の国内基準にて振替処理を実行した国内基準振替データ、および/または、不動産データに対して、IFRS基準で振替処理を実行したIFRS基準振替データを記憶してもよい。
【0023】
仕訳データファイル106bは、仕訳データを記憶する。ここで、仕訳データファイル106bは、国内基準仕訳データ、IFRS基準仕訳データ、および/または、支払仕訳データ等を記憶していてもよい。ここで、国内基準仕訳データは、国内基準振替仕訳データ、または、国内基準資産計上仕訳データ等であってもよい。また、IFRS基準仕訳データは、IFRS基準振替仕訳データ、または、IFRS基準資産計上仕訳データ等であってもよい。また、支払仕訳データは、国内基準およびIFRS基準共通の仕訳データであってもよく、国内基準支払仕訳データまたはIFRS基準支払仕訳データであってもよい。
【0024】
入出力インターフェース部108には、入力装置112及び出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0025】
制御部102は、資産計上仕訳装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、不動産データ取得部102aと、国内基準振替データ取得部102bと、IFRS基準振替データ取得部102cと、仕訳データ取得部102dとを備えている。
【0026】
不動産データ取得部102aは、不動産データを取得する。ここで、不動産データ取得部102aは、勘定科目が建設仮勘定と設定された、不動産に関する金額を含む不動産データである仮勘定データを取得してもよい。また、不動産データ取得部102aは、勘定科目が費用と設定された、不動産に関する金額を含む不動産データである振替元データを取得してもよい。
【0027】
国内基準振替データ取得部102bは、仮勘定データに対して、会計の国内基準にて振替処理を実行した国内基準振替データを取得する。
【0028】
IFRS基準振替データ取得部102cは、国内基準振替データに対して、IFRS基準で振替処理を実行したIFRS基準振替データを取得する。ここで、IFRS基準振替データ取得部102cは、振替元データに対して、IFRS基準で振替処理を実行したIFRS基準振替データを取得してもよい。
【0029】
仕訳データ取得部102dは、仕訳データを取得する。ここで、仕訳データ取得部102dは、国内基準振替データおよび/またはIFRS基準振替データに対して資産計上の仕訳を作成することにより、国内基準仕訳データおよび/またはIFRS基準仕訳データを取得してもよい。また、仕訳データ取得部102dは、仮勘定データに対して支払の仕訳を作成することにより、支払仕訳データを取得してもよい。また、仕訳データ取得部102dは、振替元データに対して支払の仕訳を作成することにより、支払仕訳データを取得してもよい。
【0030】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図15を参照して説明する。
【0031】
[資産計上仕訳処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における資産計上仕訳処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における資産計上仕訳装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0032】
図2に示すように、制御部102は、ユーザにより入力装置112を介して勘定科目が設定された、不動産の工事(工事案件)に関する金額を含む不動産データが入力された場合、当該不動産データを不動産データファイル106aに登録する(ステップSA−1)。
【0033】
そして、不動産データ取得部102aは、不動産データファイル106aに登録された不動産の工事に関する不動産データに設定された勘定科目が建設仮勘定であるか、または、費用であるかを判定する(ステップSA−2)。
【0034】
そして、不動産データ取得部102aは、不動産データファイル106aに登録された不動産の工事に関する不動産データに設定された勘定科目が建設仮勘定であると判定した場合(ステップSA−2:Yes)、処理をステップSA−3に移行させる。
【0035】
そして、不動産データ取得部102aは、不動産データファイル106aに登録された、勘定科目が建設仮勘定と設定された、不動産に関する金額を含む不動産データを仮勘定データとして取得する(ステップSA−3)。
【0036】
そして、国内基準振替データ取得部102bは、仮勘定データに対して、会計の国内基準にて振替処理を実行した国内基準振替データを取得する(ステップSA−4)。
【0037】
そして、IFRS基準振替データ取得部102cは、国内基準振替データに対して、IFRS基準で振替処理を実行したIFRS基準振替データを取得する(ステップSA−5)。
【0038】
そして、仕訳データ取得部102dは、国内基準振替データおよびIFRS基準振替データに対して資産計上の仕訳を作成することにより、国内基準仕訳データおよびIFRS基準仕訳データを取得し、仮勘定データに対して支払の仕訳を作成することにより、支払仕訳データを取得し(ステップSA−6)、処理を終了する。
【0039】
一方、不動産データ取得部102aは、不動産データファイル106aに登録された不動産の工事に関する不動産データに設定された勘定科目が費用であると判定した場合(ステップSA−2:No)、処理をステップSA−7に移行させる。
【0040】
そして、不動産データ取得部102aは、勘定科目が費用と設定された、不動産に関する金額を含む不動産データである振替元データを取得する(ステップSA−7)。
【0041】
そして、IFRS基準振替データ取得部102cは、振替元データに対して、IFRS基準で振替処理を実行したIFRS基準振替データを取得する(ステップSA−8)。
【0042】
そして、仕訳データ取得部102dは、IFRS基準振替データに対して資産計上の仕訳を作成することにより、IFRS基準仕訳データを取得し、振替元データに対して支払の仕訳を作成することにより、支払仕訳データを取得し(ステップSA−9)、処理を終了する。
【0043】
ここで、
図3から
図9を参照して、国内基準が資産でIFRS基準が資産の場合の、本実施形態における資産計上仕訳処理の具体的内容の一例について説明する。
図3は、国内基準とIFRS基準の通常処理フローの一例を示す図である。
図4は、工事案件登録画面の一例を示す図である。
図5は、仮勘定振替登録画面の一例を示す図である。
図6は、仮勘定振替登録の資産の詳細情報を入力する画面の一例を示す図である。
図7は、IFRS基準における仮勘定振替登録画面の一例を示す図である。
図8は、引渡登録画面の一例を示す図である。
図9は、会計データ作成処理画面の一例を示す図である。
【0044】
図3に示すように、本実施形態における国内基準およびIFRS基準の通常処理フローにおいては、工事案件登録として、工事でいくら払っているかという情報が入力される。この入力画面は、
図4に示す新規工事について取引に関わる工事経費の種類および工事代金などの登録を行う工事案件登録画面であってもよい。工事案件登録後は、支払確定処理を行い、支払の仕訳は国内/IFRS共通であるので、会計データ作成支払仕訳で、国内とIFRSの両方のデータが同時に作成される。他方、仮勘定情報については、国内とIFRSとで差異が出てくる可能性がある。このため、
図5および
図6に示す工事No毎に、建設仮勘定を本勘定(資産勘定、費用等)に振替をする内容を登録する仮勘定振替登録画面でコピーが行われるが、国内とIFRSとで簿価算入のルールで差異が出る場合は、
図7に示す仮勘定振替登録画面でIFRSの振替額を修正する。このようにして、国内用の振替データと、修正されたIFRSの振替データに基づいて、
図8に示す工事の引渡しの登録を行い、物件単位または資産単位で引渡日、取得日および償却開始日(終了日)の登録を行い、登録後、資産データが作成され、計上仕訳が作成できるようにする引渡登録画面で、工事の引渡登録が行われ、
図9に示す経理システムに連携する仕訳データを作成し、仕訳形式で参照可能なデータを作成する会計データ作成処理画面で、国内用の仕訳データとIFRS用の仕訳データとがそれぞれ作成される。
【0045】
ここで、
図3に示すように、本実施形態において、支払の仕訳は、ずれることがないので、国内とIFRSとのデータが同時に作成されるだけでなく、資産計上の仕訳も、国内とIFRSとのデータが同時に作成される。また、
図3に示すように、本実施形態においては、国内とIFRSとで簿価算入のルールに差異がある場合、IFRSの振替額を修正している。
【0046】
また、
図4に示す工事案件登録画面においては、新規登録(新規モード)時に、ヘッダ部(工事名称、工事物件に紐付く不動産No、および、委託業者コード)を入力し(なお、工事Noは自動採番される)、支払画面(支払タブ)に工事の対象となる物件コードを入力し、関連する支払金額等を入力する。
【0047】
また、
図5に示す仮勘定振替登録画面においては、建設仮勘定から振替をする額を管理項目(資産科目)ごとにセットすることができ、この額が本資産として計上される金額となる。また、
図5に示すように、新規登録時に、工事No指定で、工事案件登録で入力した不動産情報および建仮金額等を表示する。また、
図5に示す仮勘定振替登録画面においては、新規登録時に、振替を行う費目と振替金額を入力する。また、
図5に示す仮勘定振替登録画面においては、修正登録時に、仮勘定振替登録の内容を修正する。また、
図5に示す仮勘定振替登録画面においては、登録後にメッセージが表示されるので、IFRS基準を修正する場合、「はい」を選択すると、仮勘定振替登録(IFRS)画面が起動するので、IFRS基準での振替金額を入力することができる。また、
図5に示す仮勘定振替登録画面においては、新規登録時に、資産科目の場合は、各明細の「資産情報」ボタンを押下された場合、
図6に示す仮勘定振替登録画面(資産情報画面)を起動する。ここで、
図6に示す仮勘定振替登録画面においては、新規登録時に、減価償却計算のための資産情報が入力される。また、
図6に示す仮勘定振替登録画面においては、
図5に示す仮勘定振替登録(建仮)画面の各管理項目1明細に対して、資産情報を登録することができる。
【0048】
また、
図7に示す仮勘定振替登録画面においては、IFRS基準における建設仮勘定から振替をする額を管理項目(資産科目)ごとにセットでき、この額が本資産として計上される金額となる。また、
図7に示す仮勘定振替登録画面おいて、画面初期表示では、国内基準で入力した情報が初期表示されており、IFRS基準によって異なる部分を修正して上書きされる。また、
図7に示す仮勘定振替登録画面においては、振替を行う費目と振替金額とを入力する。また、
図7に示す仮勘定振替登録画面においては、資産科目の場合、各明細の「資産情報」ボタンを押下し、資産情報画面を起動することで、減価償却計算のための資産情報を入力することができる。
【0049】
また、
図8に示す引渡登録画面においては、会計基準を選択して登録対象を指定する。また、
図8に示す引渡登録画面においては、国内/IFRSを選択した場合は、両基準のデータが同時に作成される。また、
図9に示す会計データ作成処理画面においては、仕訳データを作成する対象にチェックをつける。
【0050】
また、
図6、および、
図10から
図15を参照して、国内基準が費用でIFRS基準が資産の場合の、本実施形態における資産計上仕訳処理の具体的内容の一例について説明する。
図10は、国内基準が費用でIFRS基準が資産の場合の処理フローの一例を示す図である。
図11は、工事案件登録画面の別の一例を示す図である。
図12は、振替元データ登録画面の一例を示す図である。
図13は、IFRS基準における仮勘定振替登録画面の別の一例を示す図である。
図14は、引渡登録画面の別の一例を示す図である。
図15は、会計データ作成処理画面の別の一例を示す図である。
【0051】
図10に示すように、本実施形態における国内基準が費用でIFRS基準が資産の場合の処理フローにおいては、
図11に示す新規工事について取引に関わる工事経費の種類および工事代金などの登録を行う工事案件登録画面にて、新規工事について当該取引に関わる工事経費の種類および工事代金などの登録が行われる。工事案件登録後は、支払確定処理を行い、支払の仕訳は国内/IFRS共通であるので、会計データ作成支払仕訳で、国内とIFRSの両方のデータが同時に作成される。他方、IFRS側は、仮勘定振替登録の際に、その他振替から資産が計上される。つまり、国内で計上した費用がIFRS上、他の科目へ振替をするものだということが登録される。この振替元データ登録は、
図12に示す振替仕訳を発生させるために振替元となる勘定および金額を登録し、登録されたデータが仮勘定振替登録にて振替可能となる振替元データ登録画面で行われる。
図12の画面上のIFRSのみ振替対象とするにチェックすると、IFRS基準のみの仮勘定振替を行うことができるようになる。そして、
図13に示す工事No毎に振替元勘定を本勘定(資産勘定または費用等)に振替をする内容を登録する仮勘定振替登録画面では、IFRS基準における振替元勘定から振替をする額が管理項目(資産科目)ごとにユーザによりセットされる。この額が本資産として計上される額となる。
図13の仮勘定振替登録画面でIFRSのみのデータしか作成していない場合は、
図14に示す工事の引渡しの登録を行い、物件単位または資産単位で引渡日、取得日または償却開始日(終了日)の登録を行い、登録後に資産データが作成されて計上仕訳が作成できるようになる引渡登録画面では、会計基準はIFRSが選択され、工事の引渡登録が行われる。登録後は、資産データが作成され、
図15に示す会計データ作成処理画面で資産計上仕訳が作成できるようになる。
図15に示す経理システムに連携する仕訳データを作成し、仕訳形式で参照可能なデータを作成する会計データ作成処理画面では、仕訳データを作成する対象にチェックをつける。なお、引渡登録でIFRSのデータしか作成しない場合の資産計上仕訳は、IFRS基準仕訳データのみ作成される。
【0052】
ここで、
図10に示すように、本実施形態において、支払の仕訳は、ずれることがないので、国内とIFRSとのデータが同時に作成される。また、
図10に示すように、本実施形態においては、振替が発生するIFRSのデータのみが作成される(なお、国内のデータは費用計上する支払仕訳で完了する)。
【0053】
また、
図11に示す工事案件登録画面においては、新規登録(新規モード)時に、ヘッダ部(工事名称、工事物件に紐付く不動産No、および、委託業者コード)を入力し(なお、工事Noは自動採番される)、支払画面(支払タブ)に工事の対象となる物件コードを入力し、関連する支払金額等を入力する。また、
図11に示す工事案件登録画面においては、修正登録(修正モード)時に、工事Noを指定し、不動産情報(工事案件情報)を呼び出して修正する。また、
図11に示す振替元チェックボックスは、IFRSのみ資産計上を行う場合、費用に対応する振替元データの作成対象を選択するための構成である。また、
図11に示す振替元データ登録ボタンは、振替元チェックボックスで選択した費用に対応する振替元データ登録を行うために、
図12に示す振替元データ登録画面を呼び出すための構成である。
【0054】
ここで、
図12に示す振替元データ登録画面において、紐付先の工事Noは、自動的に入力(セット)される。また、
図12に示す振替元データ登録画面においては、「IFRSのみ振替対象とする。」がチェックされた場合、IFRS基準のみの仮勘定振替を行うことができるようになる。また、
図12に示す振替元データ登録画面において、仮勘定振替登録にて振替済の明細には、振替列に「済」が表示される。
【0055】
また、
図13に示す仮勘定振替登録画面においては、IFRS基準における振替元勘定から振替をする額が管理項目(資産科目)ごとにセットされ、この額が本資産として計上される金額となる。また、
図13に示す仮勘定振替登録画面においては、画面初期表示がないため、IFRS基準によって振替をする情報が新規で入力される。また、
図13に示す仮勘定振替登録画面においては、振替を行う費目および振替金額が入力される。また、
図13に示す仮勘定振替登録画面においては、各明細の「資産情報」ボタンが押下された場合、
図6に示す仮勘定振替登録画面(資産情報画面)を起動する。ここで、
図6に示す仮勘定振替登録画面においては、減価償却計算のための資産情報が入力される。また、
図6に示す仮勘定振替登録画面においては、
図13に示す仮勘定振替登録(建仮)画面の各管理項目1明細に対して、資産情報を登録することができる。
【0056】
また、
図14に示す引渡登録画面において、仮勘定振替登録にてIFRSのデータのみ作成している場合、会計基準はIFRSが選択される。また、
図15に示す会計データ作成処理画面においては、仕訳データを作成する対象にチェックをつける。また、
図15に示す会計データ作成処理画面においては、引渡登録でIFRSのデータのみ作成している場合の資産計上仕訳は、IFRS基準仕訳データのみ作成される。
【0057】
このように、本実施形態においては、建設仮勘定の振替仕訳を作成する際に、国内用の仕訳をコピーしてIFRS基準の仕訳を自動で作成する仕組みを実現している。本実施形態においては、一度の処理で国内基準とIFRS基準の両方の処理ができるようにすることで、締処理の早期化を可能としている。また、本実施形態においては、国内で全額費用計上してIFRS基準のみ資産計上する場合の処理として、振替元データ登録処理を用意している。また、本実施形態においては、資産計上を国内基準、および、IFRS基準の両方で管理できるようにしている。また、本実施形態においては、仮勘定振替処理にて複数の基準のデータを作成しておくことで、会計データ作成を同一処理で実現可能としている。
【0058】
すなわち、本実施形態においては、一度の処理で国内基準およびIFRS基準の処理をできるようにすることにより、締処理の早期化を可能としている。
【0059】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0060】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0061】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0062】
また、資産計上仕訳装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0063】
例えば、資産計上仕訳装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて資産計上仕訳装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0064】
また、このコンピュータプログラムは、資産計上仕訳装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0065】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0066】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0067】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0068】
また、資産計上仕訳装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、資産計上仕訳装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0069】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。