【解決手段】インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1は、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間に接着材部40が設けられ、接着材部40に積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間隔を定める間隔設定物41が含まれている。
前記インターポーザは、前記電子部品の外部電極の数に対応した数の接続電極を一面に有し、前記接続電極の数に対応した数の実装電極を他面に有しており、対向する前記接続電極と前記実装電極のそれぞれは接続導体によって接続されている、
請求項1〜4の何れか1項に記載のインターポーザ付き電子部品。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1実施形態》
先ず、
図1〜
図6を用いて、本発明の第1実施形態に係るインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1の構造について説明する。
【0012】
図1〜
図3に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1は、積層セラミックコンデンサ10と、インターポーザ20と、端子30と、接着材部40とを備えている。このインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1のサイズは、
図1及び
図2に示した長さ寸法Lと幅方向寸法Wと高さ方向寸法Hによって規定されている。
【0013】
積層セラミックコンデンサ10は、略直方体状のコンデンサ本体11と、コンデンサ本体10の長さ方向一面に設けられた平面状の第1外部電極12と、コンデンサ本体10の長さ方向他面に設けられた平面状の第2外部電極13とを有している。
【0014】
図4に示したように、コンデンサ本体11は複数の第1内部電極層11aと複数の第2内部電極層11bとが誘電体層11cを介して高さ方向に交互に積層された容量部(符号省略)を内蔵しており、この容量部の幅方向両側と高さ方向両側は誘電体からなるマージン部(符号省略)によって覆われている。また、各第1内部電極層11aの長さ方向一端縁は第1外部電極12に接続されており、各第2内部電極層11bの長さ方向他端縁は第2外部電極13に接続されている。
【0015】
コンデンサ本体11の各第1内部電極層11aと各第2内部電極層11bを除く部分の材料には、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、ジルコン酸カルシウム、チタン酸ジルコン酸カルシウム、ジルコン酸バリウム、酸化チタン等を主成分とした誘電体セラミックスが使用できる。また、各第1内部電極層11aと各第2内部電極層11bそれぞれの材料には、ニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等を主成分した良導体が使用できる。
【0016】
図示を省略したが、第1外部電極12と第2外部電極13それぞれは、コンデンサ本体11の外面に密着した下地膜とこの下地膜の外面に密着した表面膜との2層構造、下地膜と表面膜との間に少なくとも1つの中間膜を有する多層構造、或いは、コンデンサ本体11の外面に密着した下地膜又は表面膜のみの単層構造を有している。下地膜は例えば焼き付け膜又はメッキ膜からなり、この下地膜の材料には好ましくはニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等を主成分とした良導体を使用できる。表面膜は例えばメッキ膜からなり、この表面膜の材料には好ましくは銅、スズ、パラジウム、金、亜鉛、これらの合金等を主成分とした良導体を使用できる。中間膜は例えばメッキ膜からなり、この中間膜の材料には好ましくは白金、パラジウム、金、銅、ニッケル、これらの合金等を主成分とした良導体を使用できる。
【0017】
インターポーザ20は、略矩形板状の基板21と、基板21の上面の長さ方向両側に設けられた略矩形輪郭の第1接続電極22及び第2接続電極23と、基板21の下面の長さ方向両側に設けられた略矩形輪郭の第1実装電極24及び第2実装電極25と、第1接続電極22と第1実装電極24とを接続する2個の接続導体26と、第2接続電極23と第2実装電極25とを接続する2個の接続導体27とを有している。
【0018】
図1及び
図2に示したように、基板21の長さ方向寸法及び幅方向寸法は積層セラミックコンデンサ10の長さ方向寸法及び幅方向寸法よりも大きいため、基板21の長さ方向寸法が前記長さ寸法Lとなっており、基板21の幅方向寸法が前記幅寸法Wとなっている。第1接続電極22と第2接続電極23と第1実装電極24と第2実装電極25それぞれの輪郭形状は略等しく、第1接続電極22と第1実装電極24は基板21を介して対向し、第2接続電極23と第2実装電極25は基板21を介して対向している。
【0019】
なお、
図1及び
図3には第1接続電極22と第2接続電極23と第1実装電極24と第2実装電極25それぞれの幅方向寸法が積層セラミックコンデンサ10の幅方向寸法よりも小さいものを示しているが、各々の幅方向寸法は積層セラミックコンデンサ10の幅方向寸法と同じか、或いは、僅かに大きくても構わない。
【0020】
各接続導体26は第1接続電極22と第1実装電極24それぞれの幅方向両端部に対応する位置に存在し、各接続導体27は第2接続電極23と第2実装電極25それぞれの幅方向両端部に対応する位置に存在している。
図5に示したように、各接続導体26は基板21に形成された貫通孔(符号省略)に充填された導体から成り、基板21の厚さ方向で対向する第1接続電極22と第1実装電極24とを接続している。また、各接続導体27は基板21に形成された貫通孔(符号省略)に充填された導体から成り、基板21の厚さ方向で対向する第2接続電極23と第2実装電極25とを接続している。
【0021】
なお、
図2、
図3及び
図5には各接続導体26及び27として円柱状のものを示しているが、各接続導体26及び27は円筒状であっても所期の接続は行える。
【0022】
基板21の材料には、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム等のセラミックスや、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性合成樹脂や、これら熱硬化性合成樹脂にガラスフィラー等の補強フィラーを含有させたものが使用できる。また、第1接続電極22と第2接続電極23と第1実装電極24と第2実装電極25それぞれの材料と、各接続導体26及び28の材料には、ニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等を主成分した良導体が使用できる。
【0023】
端子30は、略平行な複数の線状部分とこれらと直行する線状部分とを一体に有する形状を成していて、全体が湾曲している。端子30は、積層セラミックコンデンサ10の第1外部電極12側と第2外部電極13側のそれぞれに2個づつ設けられている。第1外部電極12側の2個の端子30は、各線状部分の一端を第1外部電極12にハンダ等の接合材(図示省略)によって接続されており、各線状部分の他端をインターポーザ20の第1接続電極22にハンダ等の接合材(図示省略)によって接続されている。また、第2外部電極13側の2個の端子30は、各線状部分の一端を第2外部電極13にハンダ等の接合材(図示省略)によって接続されており、各線状部分の他端をインターポーザ20の第2接続電極23にハンダ等の接合材(図示省略)によって接続されている。
【0024】
各端子30の材料には、ニッケル、銅、パラジウム、白金、銀、金、これらの合金等の金属が使用できる。また、各端子30を各外部電極12及び13と各接続電極22及び23に接続する接合材の材料には、スズ、銅、銀、ニッケル、ゲルマニウム、金、アンチモン、ビスマス、亜鉛、ガリウム、インジウムのうちの2種類以上の金属元素を含むハンダ、或いは、銀粒子、金粒子等を分散させて導電性を持たせた樹脂接着剤等が使用できる。
【0025】
接着材部40は、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間、具体的には、積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12及び13を除く下面領域と、この下面領域と向き合うインターポーザ20の各接続電極22及び23を除く上面領域との間に設けられている。
【0026】
図6に示したように、
図1〜
図3に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1には、5個の接着材部40が用いられている。各接着材部40の輪郭形状は円形状又はこれに近い形状であり、相互に離れている。即ち、各接着材部40の周囲には連続した空間SPが存在し、この空間SPは外部に開放している。また、5個の接着材部40は、原則として、各々の中心位置又はこれに近い位置に1個以上の間隔設定物41を含んでいるが、中央の1個の接着材部40は間隔設定物41を必ずしも含んでいる必要はない。
【0027】
つまり、
図1〜
図3に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1では、5個の接着材部40によって、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20とが接着されている。また、5個の接着材部40のうちの少なくとも4個の接着材部40に含まれる間隔設定物41によって、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間隔が定められている。即ち、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間隔を間隔設定物41によって定めることができるため、
図2に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1自体の高さ方向寸法Hに過度のバラツキを生じることはない。
【0028】
各接着材部40の材料には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性合成樹脂を主成分とした接着材や、これら熱硬化性合成樹脂にガラスフィラー等の補強フィラーを含有させたものを主成分とした接着材が使用できる。また、各間隔設定物41の材料には、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、酸化ジルコニウム等のセラミックスや、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、チタン、バナジウム、モリブデン、タングステン、アルミニウム、マグネシウム、ジュラルミン、ステンレス、鋼鉄等の金属や、グラファイト、ダイヤモンド、シリコン、タングステンカーバイト等の無機物や、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂が使用できる。さらに、間隔設定物41の形状には、球体状、楕円体状、立方体状、直方体状等が使用できる。
【0029】
なお、接着材部40の数と接着材部40の輪郭形状の大きさは、積層セラミックコンデンサ10の前記下面領域の広さの制限を受けるものの、少なくとも前記空間SPを確保できれば、
図6に示した態様に制限されない。例えば、積層セラミックコンデンサ10の前記下面領域の広さが広い場合には、接着材部40の数を増加してもよいし、接着材部40の輪郭形状の大きさを拡大してもよい。一方、積層セラミックコンデンサ10の前記下面領域の広さが狭い場合には、接着材部40の数を減少してもよいし、接着材部40の輪郭形状の大きさを縮小してもよい。
【0030】
また、接着材部の輪郭形状は、必ずしも円形状又はこれに近い形状である必要はなく、楕円状、正方形状、長方形状等の形状であってもよい。さらに、接着材部40に含まれる間隔設定物41の数は必ずしも1個である必要はなく、2個以上としてもよい。
【0031】
ここで、接着材部40の輪郭形状が円形状又はこれに近い形状である場合を例として、その配置位置について補足する。
【0032】
接着材部40の数が5個の場合(
図6を参照)には、積層セラミックコンデンサ10の前記下面領域に描いた2本の対角線DL1及びDL2の交点と重なるように1個の接着材部40を配置し、対角線DL1と重なるように2個の接着材部40を配置し、対角線DL2と重なるように2個の接着材部40を配置することが好ましい。また、中央の1個の接着材部40を除く残り4個の接着材部40を各々の中心が長方形の角に位置するように配置することがより好ましい。
【0033】
接着材部40の数が4個の場合(
図7(A)を参照)には、積層セラミックコンデンサ10の前記下面領域に描いた2本の対角線DL1及びDL2のうち、対角線DL1と重なるように2個の接着材部40を配置し、対角線DL2と重なるように2個の接着材部40を配置することが好ましい。また、4個の接着材部40を各々の中心が長方形の角に位置するように配置することがより好ましい。
【0034】
接着材部40の数が3個の場合(
図7(B)を参照)には、積層セラミックコンデンサ10の前記下面領域に描いた2本の対角線DL1及びDL2と1本の幅方向中心線CL1のうち、対角線DL1と重なるように1個の接着材部40を配置し、対角線DL2と重なるように1個の接着材部40を配置し、幅方向中心線CL1と重なるように1個の接着材部40を配置することが好ましい。また、3個の接着材部40を各々の中心が二等辺三角形又は正三角形の角に位置するように配置することがより好ましい。
【0035】
接着材部40の数に応じて前記のような配置位置を採用すれば、接着材部40及び間隔設定物41によって積層セラミックコンデンサ10を安定に支持できるし、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20とに高い平行度を確保できる。
【0036】
次に、
図1〜
図3と
図6を用いて、
図1〜
図3に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1の好ましい作製方法例について説明する。
【0037】
〈第1の作製方法例〉
作製に際しては、
図1〜
図3に示した積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20と端子30を用意する。そして、インターポーザ20の各接続電極22及び23を除く上面領域に、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法によって接着材部40用ペーストを印刷して未硬化の接着材部40を必要数形成する(
図6を参照)。そして、未硬化の接着材部40に間隔設定物41を埋め込む。この埋め込み工程は、接着材部40用ペーストに予め間隔設定物41を混入しておくことで省略することもできる。そして、積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12及び13を除く下面領域を、未硬化の接着材部40に押し付けるようにしてインターポーザ20上に搭載する。そして、熱風吹き付けや加熱炉投入等の手法によって未硬化の接着材部40を硬化させ、積層セラミックコンデンサ10をインターポーザ20に接着する。そして、インターポーザ20の第1接続電極22及び第2接続電極23それぞれに2個の端子30を搭載し、第1接続電極22側の2個の端子30の各線状部分の一端を第1外部電極12にハンダ等の接合材によって接合し、各線状部分の他端を第1接続電極22にハンダ等の接合材によって接合すると共に、第2接続電極23側の2個の端子30の各線状部分の一端を第2外部電極13にハンダ等の接合材によって接合し、各線状部分の他端を第2接続電極23にハンダ等の接合材によって接合する。
【0038】
〈第2の作製方法例〉
作製に際しては、
図1〜
図3に示した積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20と端子30を用意する。そして、積層セラミックコンデンサ10の第1外部電極12側に2個の端子30の各線状部分の一端をハンダ等の接合材によって接合し、第2外部電極13に2個の端子30の各線状部分の一端をハンダ等の接合材によって接合する。そして、インターポーザ20の各接続電極22及び23を除く上面領域に、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法によって接着材部40用ペーストを印刷して未硬化の接着材部40を必要数形成する(
図6を参照)。そして、未硬化の接着材部40に間隔設定物41を埋め込む。この埋め込み工程は、接着材部40用ペーストに予め間隔設定物41を混入しておくことで省略することもできる。そして、積層セラミックコンデンサ10の各外部電極12及び13を除く下面領域を、未硬化の接着材部40に押し付けるようにしてインターポーザ20上に搭載する。そして、熱風吹き付けや加熱炉投入等の手法によって未硬化の接着材部40を硬化させ、積層セラミックコンデンサ10をインターポーザ20に接着する。そして、積層セラミックコンデンサ10の第1外部電極12側の2個の端子30の各線状部分の他端をインターポーザ20の第1接続電極22にハンダ等の接合材によって接合すると共に、第2外部電極13側の2個の端子30の各線状部分の他端をインターポーザ20の第2接続電極23にハンダ等の接合材によって接合する。
【0039】
次に、
図1〜
図3に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1によって得られる効果について説明する。
【0040】
(1)前記インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1は、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間に接着材部40が設けられ、接着材部40に積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間隔を定める間隔設定物41が含まれている。即ち、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間隔を間隔設定物41によって定めることができるため、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1自体の高さ方向寸法Hに過度のバラツキを生じることはない。依って、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1をマウンターによって回路基板等に搭載に搭載するときに、積層セラミックコンデンサ10に亀裂や欠け等が発生する懸念や搭載不良が発生する懸念を払拭できる。
【0041】
(2)前記インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1は、積層セラミックコンデンサ10とインターポーザ20との間における接着材部40の周囲に、外部に開放した空間SPが存在する。即ち、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1を回路基板等に実装した状態でインターポーザ20の温度が上昇した場合でも、この熱を空間SPを利用して外部に放出できるため、インターポーザ20からの伝熱による積層セラミックコンデンサ10の温度上昇を抑制して、温度上昇に基づく能力低下等の機能障害が積層セラミックコンデンサ10に生じることを極力防止できる。
【0042】
(3)前記インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI1における接着材部40の数を3個以上とすれば、接着材部40及び間隔設定物41によって積層セラミックコンデンサ10を安定に支持できる。
【0043】
《第2実施形態》
先ず、
図8〜
図10を用いて、本発明の第2実施形態に係るインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2の構造について説明する。
【0044】
図8及び
図9に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2は、積層セラミックコンデンサ50と、インターポーザ60と、接合材70と、接着材部80とを備えている。このインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2のサイズは、
図8及び
図9に示した長さ寸法Lと幅方向寸法Wと高さ方向寸法Hによって規定されている。
【0045】
積層セラミックコンデンサ50は、略直方体状のコンデンサ本体51と、コンデンサ本体10の長さ方向一面と幅方向両面の一部と高さ方向両面の一部に連続して設けられた有底角筒状の第1外部電極52と、コンデンサ本体10の長さ方向他面と幅方向両面の一部と高さ方向両面の一部に連続して設けられた有底角筒状の第2外部電極53とを有している。
【0046】
コンデンサ本体51は複数の第1内部電極層(図示省略)と複数の第2内部電極層(図示省略)とが誘電体層(図示省略)を介して高さ方向に交互に積層された容量部(図示省略)を内蔵しており、この容量部の幅方向両側と高さ方向両側は誘電体からなるマージン部(図示省略)によって覆われている。また、各第1内部電極層の長さ方向一端縁は第1外部電極52に接続されており、各第2内部電極層の長さ方向他端縁は第2外部電極53に接続されている。
【0047】
コンデンサ本体51の各第1内部電極層と各第2内部電極層を除く部分の材料と、各第1内部電極層と各第2内部電極層それぞれの材料と、第1外部電極52と第2外部電極53それぞれの構成及び材料は、前記《第1実施形態》の欄に記載したとおりであるため説明を省略する。
【0048】
インターポーザ60は、略矩形板状の基板61と、基板61の上面の長さ方向両側に設けられた略矩形輪郭の第1接続電極62及び第2接続電極63と、基板61の下面の長さ方向両側に設けられた略矩形輪郭の第1実装電極64及び第2実装電極65と、第1接続電極62と第1実装電極64とを接続する2個の接続導体66と、第2接続電極63と第2実装電極65とを接続する2個の接続導体67とを有している。
【0049】
図8及び
図9に示したように、基板61の長さ方向寸法及び幅方向寸法は積層セラミックコンデンサ50の長さ方向寸法及び幅方向寸法よりも大きいため、基板61の長さ方向寸法が前記長さ寸法Lとなっており、基板61の幅方向寸法が前記幅寸法Wとなっている。第1接続電極62と第2接続電極63と第1実装電極64と第2実装電極65それぞれの輪郭形状は略等しく、第1接続電極62と第1実装電極64は基板61を介して対向し、第2接続電極63と第2実装電極65は基板61を介して対向している。
【0050】
なお、
図8及び
図9には第1接続電極62と第2接続電極63と第1実装電極64と第2実装電極65それぞれの幅方向寸法が積層セラミックコンデンサ50の幅方向寸法よりも大きいものを示しているが、各々の幅方向寸法は積層セラミックコンデンサ50の幅方向寸法と同じか、或いは、僅かに小さくても構わない。
【0051】
各接続導体66は第1接続電極62と第1実装電極64それぞれの幅方向両端部に対応する位置に存在し、各接続導体67は第2接続電極63と第2実装電極65それぞれの幅方向両端部に対応する位置に存在している。各接続導体66は基板61に形成された貫通孔(符号省略)に充填された導体から成り、基板61の厚さ方向で対向する第1接続電極62と第1実装電極64とを接続している。また、各接続導体67は基板61に形成された貫通孔(符号省略)に充填された導体から成り、基板61の厚さ方向で対向する第2接続電極63と第2実装電極65とを接続している。
【0052】
なお、
図9には各接続導体66及び67として円柱状のものを示しているが、各接続導体26及び27は円筒状であっても所期の接続は行える。
【0053】
基板61の材料と、各接続電極62及び63の材料と、各実装電極64及び65の材料と、各接続導体66及び67の材料は、前記《第1実施形態》の欄に記載したとおりであるため説明を省略する。
【0054】
図8及び
図9から分かるように、積層セラミックコンデンサ50の第1外部電極52は接合材70によってインターポーザ60の第1接続電極62に接続されており、積層セラミックコンデンサ50の第2外部電極53は接合材70によってインターポーザ60の第2接続電極63に接続されている。接合材70の材料は、前記《第1実施形態》の欄に記載したとおりであるため説明を省略する。
【0055】
接着材部80は、積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60との間、具体的には、積層セラミックコンデンサ50の各外部電極52及び53を除く下面領域と、この下面領域と向き合うインターポーザ60の各接続電極62及び63を除く上面領域との間に設けられている。
【0056】
図10に示したように、
図8及び
図9に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2には、5個の接着材部80が用いられている。各接着材部80の輪郭形状は円形状又はこれに近い形状であり、相互に離れている。即ち、各接着材部80の周囲には連続した空間SPが存在し、この空間SPは外部に開放している。また、5個の接着材部80は、原則として、各々の中心位置又はこれに近い位置に1個以上の間隔設定物81を含んでいるが、中央の1個の接着材部80は間隔設定物81を必ずしも含んでいる必要はない。
【0057】
つまり、
図8及び
図9に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2では、5個の接着材部80によって、積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60とが接着されている。また、5個の接着材部80のうちの少なくとも4個の接着材部80に含まれる間隔設定物81によって、積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60との間隔が定められている。即ち、積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60との間隔を間隔設定物81によって定めることができるため、
図9に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2自体の高さ方向寸法Hに過度のバラツキを生じることはない。
【0058】
各接着材部80の材料と、各間隔設定物81の材料は、前記《第1実施形態》の欄に記載したとおりであるため説明を省略する。
【0059】
なお、接着材部80の数と接着材部80の輪郭形状の大きさは、積層セラミックコンデンサ50の前記下面領域の広さの制限を受けるものの、少なくとも前記空間SPを確保できれば、
図10に示した態様に制限されない。例えば、積層セラミックコンデンサ50の前記下面領域の広さが広い場合には、接着材部80の数を増加してもよいし、接着材部80の輪郭形状の大きさを拡大してもよい。一方、積層セラミックコンデンサ50の前記下面領域の広さが狭い場合には、接着材部80の数を減少してもよいし、接着材部80の輪郭形状の大きさを縮小してもよい。
【0060】
また、接着材部の輪郭形状は、必ずしも円形状又はこれに近い形状である必要はなく、楕円状、正方形状、長方形状等の形状であってもよい。さらに、接着材部80に含まれる間隔設定物81の数は必ずしも1個である必要はなく、2個以上としてもよい。
【0061】
ここで、接着材部80の輪郭形状が円形状又はこれに近い形状である場合を例として、その配置位置について補足する。
【0062】
接着材部80の数が5個の場合(
図10を参照)には、積層セラミックコンデンサ50の前記下面領域に描いた2本の対角線DL1及びDL2の交点と重なるように1個の接着材部80を配置し、対角線DL1と重なるように2個の接着材部80を配置し、対角線DL2と重なるように2個の接着材部80を配置することが好ましい。また、中央の1個の接着材部80を除く残り4個の接着材部80を各々の中心が長方形の角に位置するように配置することがより好ましい。
【0063】
接着材部80の数が4個の場合には、
図7(A)に示した態様と同じように、積層セラミックコンデンサ50の前記下面領域に描いた2本の対角線DL1及びDL2のうち、対角線DL1と重なるように2個の接着材部80を配置し、対角線DL2と重なるように2個の接着材部80を配置することが好ましい。また、4個の接着材部80を各々の中心が長方形の角に位置するように配置することがより好ましい。
【0064】
接着材部80の数が3個の場合には、
図7(B)に示した態様と同じように、積層セラミックコンデンサ50の前記下面領域に描いた2本の対角線DL1及びDL2と1本の幅方向中心線CL1のうち、対角線DL1と重なるように1個の接着材部80を配置し、対角線DL2と重なるように1個の接着材部80を配置し、幅方向中心線CL1と重なるように1個の接着材部80を配置することが好ましい。また、3個の接着材部80を各々の中心が二等辺三角形又は正三角形の角に位置するように配置することがより好ましい。
【0065】
接着材部80の数に応じて前記のような配置位置を採用すれば、接着材部80及び間隔設定物81によって積層セラミックコンデンサ50を安定に支持できるし、積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60とに高い平行度を確保できる。
【0066】
次に、
図8〜
図10を用いて、
図8及び
図9に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2の好ましい作製方法例について説明する。
【0067】
作製に際しては、
図8〜
図9に示した積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60を用意する。そして、インターポーザ60の各接続電極62及び63を除く上面領域に、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法によって接着材部80用ペーストを印刷して未硬化の接着材部80を必要数形成する(
図10を参照)。そして、未硬化の接着材部80に間隔設定物81を埋め込む。この埋め込み工程は、接着材部80用ペーストに予め間隔設定物81を混入しておくことで省略することもできる。そして、積層セラミックコンデンサ50の各外部電極52及び53を除く下面領域を、未硬化の接着材部80に押し付けるようにしてインターポーザ80上に搭載する。そして、熱風吹き付けや加熱炉投入等の手法によって未硬化の接着材部80を硬化させ、積層セラミックコンデンサ50をインターポーザ60に接着する。そして、積層セラミックコンデンサ50の第1外部電極52をインターポーザ60の第1接続電極62にハンダ等の接合材(70)によって接合すると共に、第2外部電極53をインターポーザ60の第2接続電極63にハンダ等の接合材(70)によって接合する。
【0068】
次に、
図8及び
図9に示したインターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2によって得られる効果について説明する。
【0069】
(1)前記インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2は、積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60との間に接着材部80が設けられ、接着材部80に積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60との間隔を定める間隔設定物81が含まれている。即ち、積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60との間隔を間隔設定物81によって定めることができるため、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2自体の高さ方向寸法Hに過度のバラツキを生じることはない。依って、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2をマウンターによって回路基板等に搭載に搭載するときに、積層セラミックコンデンサ50に亀裂や欠け等が発生する懸念や搭載不良が発生する懸念を払拭できる。
【0070】
(2)前記インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2は、積層セラミックコンデンサ50とインターポーザ60との間における接着材部80の周囲に、外部に開放した空間SPが存在する。即ち、インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2を回路基板等に実装した状態でインターポーザ60の温度が上昇した場合でも、この熱を空間SPを利用して外部に放出できるため、インターポーザ60からの伝熱による積層セラミックコンデンサ50の温度上昇を抑制して、温度上昇に基づく能力低下等の機能障害が積層セラミックコンデンサ50に生じることを極力防止できる。
【0071】
(3)前記インターポーザ付き積層セラミックコンデンサCWI2における接着材部80の数を3個以上とすれば、接着材部80及び間隔設定物81によって積層セラミックコンデンサ50を安定に支持できる。
【0072】
《他の実施形態》
(1)前記《第1実施形態》の欄、並びに、前記《第2実施形態》の欄では、インターポーザに1個の積層セラミックコンデンサを搭載したインターポーザ付き電子部品を示したが、2個以上の積層セラミックコンデンサを搭載した場合でも、各欄で記載した効果と同様の効果を得ることができる。
【0073】
(2)前記《第1実施形態》の欄、並びに、前記《第2実施形態》の欄では、電子部品として積層セラミックコンデンサを用いたインターポーザ付き電子部品を示したが、積層セラミックコンデンサ以外の電子部品、例えば積層セラミックインダクタ等の電子部品をインターポーザに搭載した場合でも、各欄で記載した効果と同様の効果を得ることができる。