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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-188583(P2017-188583A)
(43)【公開日】2017年10月12日
(54)【発明の名称】圧電アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/047 20060101AFI20170919BHJP
   H01L 41/083 20060101ALI20170919BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20170919BHJP
   H01L 41/293 20130101ALI20170919BHJP
   H01L 41/053 20060101ALI20170919BHJP
   G02B 7/04 20060101ALI20170919BHJP
【FI】
   H01L41/047
   H01L41/083
   H01L41/09
   H01L41/293
   H01L41/053
   G02B7/04 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-76660(P2016-76660)
(22)【出願日】2016年4月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田村 淳
(72)【発明者】
【氏名】武田 明丈
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044BE04
2H044BE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型でありながら、圧電素子への電気的接続に関する信頼性を改善した圧電アクチュエータを提供する。
【解決手段】圧電アクチュエータ10は、側面に一対の外部電極24aが形成されており、前記外部電極に電気的に接続される内部電極層が圧電体層を挟んで交互に積層される圧電素子20と、前記圧電素子の積層方向における一対の端面にそれぞれ接合されるシャフト12及び錘40と、リードフレームを有しており前記外部電極にそれぞれ接合され、前記圧電素子に電力を供給する一対の配線部30aと、を有する。前記外部電極と前記配線部との電気的、かつ、物理的な接合面は、前記外部電極が形成される側面に垂直な方向から見て前記圧電素子の圧電活性領域に重なる活性接合領域を有しており、前記活性接合領域における接合面の外周は、前記積層方向に直交する面に平行な平行直線部分を有さない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面に一対の外部電極が形成されており、前記外部電極に電気的に接続される内部電極層が圧電体層を挟んで交互に積層される圧電素子と、
前記圧電素子の積層方向における一対の端面にそれぞれ接合されるシャフト及び錘と、
リードフレームを有しており前記外部電極にそれぞれ接合され前記圧電素子に電力を供給する一対の配線部と、を有し、
前記外部電極と前記配線部との電気的かつ物理的な接合面は、前記外部電極が形成される前記側面に垂直な方向から見て前記圧電素子の圧電活性領域に重なる活性接合領域を有しており、前記活性接合領域における前記接合面の外周は、前記積層方向に直交する面に平行な平行直線部分を有さないことを特徴とする圧電アクチュエータ。
【請求項2】
前記配線部は、前記リードフレームと前記外部電極に挟まれる導電性接合部を有することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項3】
前記リードフレームにおける前記外部電極に向き合う内側面の一部には、絶縁性の樹脂からなる絶縁層が、前記接合面の前記外周に接するように設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項4】
前記活性接合領域における前記接合面の前記外周は、曲線で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
【請求項5】
前記活性接合領域における前記接合面の前記外周は、前記積層方向に直交する面に交差する方向に延びる複数の交差直線部分で構成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
【請求項6】
前記活性接合領域における前記接合面の前記外周は、1以上の曲線部分と前記積層方向に直交する面に交差する方向に延びる1以上の交差直線部分とで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象部材を駆動する圧電アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電アクチュエータは、圧電効果および逆圧電効果を利用し、機械的な変位と電気的な変位とを相互に変換する圧電素子の特性を利用するアクチュエータであり、対象物に直線的な変位を与えるリニアアクチュエータ等として様々な分野で利用されている。
【0003】
圧電アクチュエータにより得られる機械的変位は比較的微小であるため、アクチュエータは、たとえばカメラ等のレンズ駆動用等として、精密かつ正確な制御が要求される用途に対して好適に利用される。また、このような圧電アクチュエータに含まれる圧電素子に対しては、圧電素子の側面に形成された外部電極に固定された接続端子等を介して、電力が供給される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−303955号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年のカメラモジュール又はレンズモジュール等の小型化に伴い、圧電アクチュエータに用いられる圧電素子のサイズが縮小してきており、圧電素子への配線部材(接続端子等)と圧電素子の外部電極との接合面積が縮小する傾向にある。そのため、この部分の電気的な接続信頼性が不十分となり、外部からの衝撃や圧電アクチュエータの振動などにより、オープン不良等を生じる問題への対策が必要となっている。一方、小型化された圧電素子において、配線部材の接合面積を広く確保しようとすると、配線部の接合面が、圧電素子の圧電活性領域に重なってしまうが、このような接合状態では、圧電素子の圧電活性部において層間剥離が生じてしまう問題が生じる場合があり、問題となっている。
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、小型でありながら、配線部の接続信頼性が高く、かつ、圧電素子の層間剥離を防止し得る圧電アクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る圧電アクチュエータは、
側面に一対の外部電極が形成されており、前記外部電極に電気的に接続される内部電極層が圧電体層を挟んで交互に積層される圧電素子と、
前記圧電素子の積層方向における一対の端面にそれぞれ接合されるシャフト及び錘と、
リードフレームを有しており前記外部電極にそれぞれ接合され前記圧電素子に電力を供給する一対の配線部と、を有し、
前記外部電極と前記配線部との電気的かつ物理的な接合面は、前記外部電極が形成される前記側面に垂直な方向から見て前記圧電素子の圧電活性領域に重なる活性接合領域を有しており、前記活性接合領域における前記接合面の外周は、前記積層方向に直交する面に平行な平行直線部分を有さないことを特徴とする。
また、例えば、前記活性接合領域における前記接合面の前記外周は、
曲線で構成されてもよく、
前記積層方向に直交する面に交差する方向に延びる複数の交差直線部分で構成されてもよく、
前記活性接合領域における前記接合面の前記外周は、1以上の曲線部分と前記積層方向に直交する面に交差する方向に延びる1以上の交差直線部分とで構成されていてもよい。
【0008】
本発明に係る圧電アクチュエータは、配線部と外部電極との接合面が、圧電活性領域に重なる活性接合領域を有しているため、接合面の面積を十分に確保することが可能であり、配線部と外部電極との接合信頼性が高い。さらに、活性接合領域における接合面の外周が、積層方向に直交する面、すなわち内部電極層と圧電体層との層間界面に平行な平行直線部分を有しないので、配線部と圧電素子との熱収縮率の差異や、側面の一部のみに配線部が固定されていること等に伴い生じる応力が、特定の層間界面に集中することを防止できる。活性接合領域における接合面の外周は、平行直線部分を有しない線を有しないように構成されればよいので、曲線で構成されてもよく、複数の交差直線部分で構成されてもよく、1以上の曲線部分と1以上の交差直線部分とで構成されていてもよい。
また、本発明に係る圧電アクチュエータは、配線部がリードフレームを有することにより、外部電極に対して信頼性の高い接合を実現できる。さらに、配線部がリードフレームを有するため、配線部が圧電素子の側面から突出する高さも抑制することが可能であり、このような圧電アクチュエータは、小型化に対して有利である。
【0009】
また、例えば、前記配線部は、前記リードフレームと前記外部電極に挟まれる導電性接合部を有していてもよい。すなわち、リードフレームは、はんだや導電性接着剤等が硬化した導電性接合部を介して、外部電極に固定されていてもよく、溶接または熱圧着等により、直接外部電極に固定されていてもよい。
【0010】
また、例えば、前記リードフレームにおける前記外部電極に向き合う内側面の一部には、絶縁性の樹脂からなる絶縁層が、前記接合面の前記外周に接するように設けられていてもよい。
【0011】
また、例えば、前記リードフレームにおける前記外部電極に向き合う内側面の一部には、絶縁性の樹脂からなる樹脂層が、前記接合面の前記外周に接するように設けられていてもよい。
【0012】
内側面に樹脂層を設けることにより、製造時に形成される接合面の外周の形状が、平行直線部分を有さない形状になるように、好適に制御することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータを示す概略図である。
図2図2は、図1に示す圧電アクチュエータにおける配線部の形状を表す断面図である。
図3図3は、図1に示す圧電アクチュエータにおける接合面の形状を表す概念図である。
図4図4は、第1変形例に係る圧電アクチュエータに用いられる配線部および結合面の形状を表す概念図である。
図5図5は、第2変形例に係る圧電アクチュエータに用いられる配線部および結合面の形状を表す概念図である。
図6図6は、第3〜第6変形例に係るリードフレームの形状を表す概略図である。
図7図7は、第7変形例に係る圧電アクチュエータに用いられる配線部および結合面の形状を表す概念図である。
図8図8は、第8変形例に係るリードフレームの形状を表す概略図である。
図9図9は、第9変形例に係る圧電アクチュエータに用いられる配線部およびリードフレームの形状を表す概略図である。
図10図10は、図9に示す圧電アクチュエータにおける接合面の形状を表す概念図である。
図11図11は、第10変形例に係るリードフレームの形状を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10を示す概念図である。圧電アクチュエータ10は、圧電素子20、シャフト12、シャフト連結部14、配線部30a、30b、錘40及び錘連結部50を有する。
【0016】
圧電素子20は、略矩形の外形状を有している。断面図である図2に示すように、圧電素子20における対向する側面20a、20bには、一対の外部電極24a、24bが形成されている。また、圧電素子20では、外部電極24aに電気的に接続される内部電極層22a及び外部電極24bに電気的に接続される内部電極層22bが、圧電体層26を挟んで交互に積層されている。
【0017】
図1及び断面図である図2に示すように、圧電素子20は、積層方向(Z軸方向)に沿って延びる4つの側面と、積層方向の2つの端面(端面は、積層方向に垂直な方向に延びている)とを有している。なお、圧電アクチュエータ10の説明では、積層方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な方向であって、配線部30aのリードフレーム31における延長部31bの延在方向をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向に直交する方向をY軸方向として説明を行う。
【0018】
図1に示すように、外部電極24aは、圧電素子20において積層方向(Z軸方向)に沿って延びる第1側面20aに形成されている。また、図2に示すように、外部電極24bは、第1側面20aに対向する側面である第2側面20bに形成されている。圧電素子20の外部電極24a、24bは、第1側面20a及び第2側面20bの全体に形成されている。しかし、外部電極の形状及び配置としてはこれに限定されず、第1側面20a及び第2側面20bの一部に外部電極が形成されていてもよく、また、圧電素子20における隣り合う側面に、一対の外部電極が形成されていてもよい。
【0019】
図2に示す圧電素子20における圧電体層26の厚みは、特に制限されないが、好ましくは5〜50μm程度である。また、圧電体層26の材質は、圧電効果あるいは逆圧電効果を示す材料であれば、特に制限されず、たとえば、PbZrTi1−x、BaTiOなどが挙げられる。また、特性向上等のための成分が含有されていてもよく、その含有量は、所望の特性に応じて適宜決定すればよい。
【0020】
内部電極層22a、22bを構成する導電材としては、たとえば、Ag、Pd、Au、Pt等の貴金属およびこれらの合金(Ag−Pdなど)、あるいはCu、Ni等の卑金属およびこれらの合金などが挙げられるが、特に限定されない。外部電極24a、24bを構成する導電材料も特に限定されず、内部電極を構成する導電材と同様の材料を用いることができる。なお、さらに、外部電極24a、24bの外側には、上記各種金属のメッキ層やスパッタ層が形成してあってもよい。
【0021】
図1に示すように、圧電素子20の積層方向における一方の端面である第1端面20eには、圧電アクチュエータ10に慣性力を与える錘40が接合されている。一方、圧電素子20における第1端面20eに対向する端面である第2端面20fには、圧電素子20の変位を伝える駆動部材としてのシャフト12が、シャフト連結部14を介して連結されている。
【0022】
シャフト12は、円柱状であり、シャフト12において圧電素子20の第2端面20fに対向するシャフト端面の面積は、第2端面20fの面積より広い。ただし、シャフト12の形状及び大きさは特に限定されず、シャフト12は円柱状以外の柱状又は棒状であってもよく、シャフト端面の面積は第2端面20fの面積より狭くてもよい。
【0023】
例えば、圧電アクチュエータ10がレンズ駆動モジュールとして使用される場合、シャフト12には、図示しない移動部材が、移動自在に係合される。移動部材は光学系等を保持しており、移動部材及びこれに保持される光学系は、圧電アクチュエータ10の駆動力により、シャフト12に沿ってZ軸方向に変位することができる。
【0024】
シャフト12の材質は特に限定されないが、例えば金属やカーボン若しくは樹脂等を採用することができる。また、シャフト連結部14の材質も、シャフト12と圧電素子20とを連結するものであれば特に限定されず、たとえば接着剤が硬化した接着剤硬化層等が例示される。
【0025】
圧電素子20の第1端面20eに接合される錘40は、第2端面20fに連結されるシャフト12に変位を与えるための慣性体として機能し、例えば、圧電素子20及びシャフト12より比重の大きい材料で構成される。錘40の材質は特に限定されないが、例えば、タングステン等の比重の大きい金属又はそのような金属を含む合金等を採用することができる。
【0026】
錘40は、直方体の外形状を有しており、錘40において圧電素子20の第1端面20eに対向する対向面42の面積は、第1端面20eの面積より広い。ただし、錘40の形状は直方体に限定されず、平板状、円柱状等の他の形状であってもよい。また、錘連結部50の材質も、錘40と圧電素子20とを連結するものであれば特に限定されず、たとえば接着剤が硬化した接着剤硬化層等が例示される。
【0027】
図1及び図2に示すように、圧電アクチュエータ10は、圧電素子20に電力を供給する配線部30a、30bを有している。図1に示すように、配線部30aはリードフレーム31を有し、リードフレーム31は、外部電極24aに固定される先端部31aと、先端部31aからX方向に延びる延長部31bとを有する。
【0028】
リードフレーム31は、例えば、銅又は銅合金のような良導体の金属材料による薄板で構成されるが、リードフレーム31の材料は、導電性の金属材料を含んでいれば特に限定されない。リードフレーム31の延長部31bは、略一定の幅を有しており、略矩形の断面を有する帯状の導電線として機能する。リードフレーム31の端部に形成されている先端部31aは、延長部31bに接続しており、延長部31bよりZ方向の幅が広いか、または延長部31bに対して屈曲した形状を有しているが、先端部31aの形状は特に限定されない。
【0029】
本実施形態に係るリードフレーム31は、導電材料のみで構成されているが、リードフレームとしてはこれに限定されず、後述する変形例のように、リードフレームは、導電材料と、導電材料の表面に形成された被膜とを有していてもよい。また、リードフレーム31の厚みも特に限定されないが、例えば0.05〜0.15mmとすることができる。
【0030】
図2に示すように、配線部30bは、配線部30aが取り付けられる外部電極24aに対向する外部電極24bに、配線部30aとは対称に取り付けられている。配線部30bは、配線部30aとは略対称の構造を有しており、取り付け構造は配線部30aと同様であるため、配線部30bの細部の説明は省略する。
【0031】
図2に示すように、配線部30aは、はんだや導電性接着剤が硬化した導電性接合部39を有している。導電性接合部39は、リードフレーム31における外部電極24aに向き合う面である内側面31aaと、外部電極24aとの間に挟まれており、内側面31aaと外部電極24aとを電気的かつ物理的に接続している。
【0032】
図3は、外部電極24aと配線部30aとの電気的かつ物理的な接合面34を表しており、図3では、接合面34に、ハッチングが施されている。接合面34は、外部電極24aの表面に形成されており、接合面34の外周形状は、外部電極24a表面における導電性接合部39の広がりに対応している。接合面34の外周は、延長部31bとの接合部分を除き、リードフレーム31における先端部31aの外周に沿って形成されており、第1側面20aに垂直な方向(Y軸正方向)から見た接合面34の形状は、延長部31bとの接合部分を除き、先端部31aと同様である。
【0033】
図3に示すように、接合面34は、第1側面20aに垂直な方向から見て、圧電素子20の圧電活性領域27に重なる活性接合領域34aと、圧電素子20の圧電不活性領域に重なる不活性接合領域34bとを有している。すなわち、接合面34は、積層方向の両端部が円弧状である角丸長方形であり、その重心は圧電活性領域27に重なる位置にあり、接合面34における第1端面20e側の一部が、活性接合領域34aに重なっている。
【0034】
ここで、圧電活性領域27とは、積層方向に関して、内部電極層22a、22bのうち最も第1端面20eに近い内部電極層22a、22bから、最も第2端面20fに近い内部電極層22a、22bまでの間に挟まれた領域を意味する。また、圧電不活性領域28とは、積層方向に関して、内部電極層22a、22bのうち最も第1端面20eに近い内部電極層22a、22bより第1端面20eに近い領域と、最も第2端面20fに近い内部電極層22a、22bより第2端面20fに近い領域とを意味する。
【0035】
図3に示すように、圧電活性領域27における接合面34の外周である活性領域外周35は、曲がっている曲線部分35a、35c、35eと、積層方向に直交する面(XY平面)に交差する方向に延びる交差直線部分35b、35dとで構成され、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有しない。
【0036】
このような圧電アクチュエータ10は、その活性領域外周35が、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有しないので、圧電素子20で層間剥離が生じたり、圧電素子20の抗折強度が低下したりする問題を防止できる。すなわち、活性領域外周35が平行直線部分を有する場合は、その平行直線部分は、積層方向に直交する方向から見て、内部電極層22a、、22bと圧電体層26の層間界面に、積層方向の両側を挟まれる。このような配置になると、例えばリードフレームが接合後に熱収縮するような場合、平行直線部分に隣接する層間界面に応力が集中し、層間剥離を生じる問題が発生し得る。また、このような配置になると、接合面34が第1側面20aの一部のみに形成されていることに伴い第1側面20aの近傍に生じる応力が、平行直線部分に隣接する層間界面に集中する問題が生じ得る。
【0037】
しかしながら、圧電アクチュエータ10は、その活性領域外周35が、曲線部分35a、35c、35eや交差直線部分35b、35dのみで構成されている。各曲線部分35a、35c、35e及び交差直線部分35b、35dは、積層方向に直交する方向から見て、内部電極層22a、22bと圧電体層26との層間界面を跨いでいる。したがって、圧電アクチュエータ10は、活性領域外周35の近傍で生じる応力を、複数の層間界面に分散させることができ、特定の層間界面に応力が集中することを好適に防止できる。
【0038】
また、圧電アクチュエータ10は、延長部31bに比べて幅が広い先端部31aを有するリードフレーム31を用いることにより、配線部30aの外部電極24aに対する接合信頼性を高めることができる。なぜなら、このようなリードフレーム31を用いることにより、内側面31aaと外部電極24aとに挟まれる導電性接合部39を、薄く、一定の厚みで、比較的広い範囲に形成することができるからである。また、圧電アクチュエータ10は、リードフレーム31が薄いため、リード線をはんだづけするような従来の圧電アクチュエータに比べて、配線部30a、30bが外部電極24a、24bから突出する高さを抑制することができるため、小型化に対して有利である。
【0039】
図1図3に示す圧電アクチュエータ10は、たとえば以下のような方法で製造される。
【0040】
圧電アクチュエータ10の製造方法では、まず、圧電素子20を準備する。圧電素子20は、焼成後に内部電極層22a、22bとなる所定パターンの内部電極ペースト膜が形成されたグリーンシートと、内部電極ペースト膜を持たないグリーンシートとを、用意する。
【0041】
グリーンシートは、例えば以下のような方法で作製される。まず、圧電体層26を構成する材料の原料を湿式混合等の手段によって均一に混合した後、乾燥させる。次に、適切に選定された焼成条件で仮焼成し、仮焼粉を湿式粉砕する。そして、粉砕された仮焼粉末にバインダを加えてスラリー化する。次に、スラリーをドクターブレード法またはスクリーン印刷法等の手段によってシート化し、その後に乾燥させて、内部電極ペースト膜を持たないグリーンシートを得る。さらに、上述した導電材を含む内部電極ペーストを、印刷法等の手段により、グリーンシートの上に塗布することで、所定パターンの内部電極ペースト膜が形成されたグリーンシートが得られる。なお、圧電体層26を構成する材料の原料には、不可避的不純物が含まれていてもよい。
【0042】
各グリーンシートを準備した後、準備したグリーンシートを重ね合わせ、圧力を加えて圧着し、乾燥工程等の必要な工程を経た後、切断し、グリーンの素子本体の集合体を得る。
【0043】
次に、得られた積層体を所定条件で焼成して焼結体を得た後、ダイシングソー等を用いて該焼結体を切断する。さらに、焼結体における第1側面20a、第2側面20bに相当する部分に、外部電極24a、24bを形成し、この電極に直流電圧を印加して圧電体層26の分極処理を行うことにより、圧電素子20が得られる(図1参照)。なお、得られた圧電素子20にバレル研磨を行って、圧電素子20の角部および稜線部をR面加工しておくことも好ましい。
【0044】
次に、圧電素子20の外部電極24aに対して、リードフレーム31の先端部31aを固定し、配線部30aを形成する。リードフレーム31の固定は、例えば予備はんだを形成した内側面31aaを外部電極24aに押し当て、先端部31aに対して外側からヒータチップを押し当てることで予備はんだを溶融させることにより行うことができる。外部電極24bに接続される配線部30bも、配線部30aと同様にして形成する。
【0045】
さらに、接着剤を塗布した錘40に対して、配線部30a、30bを固定した圧電素子20の第1端面20eを押し当てたのち、接着剤を硬化させ、圧電素子20と錘40とを連結する。最後に、圧電素子20の第2端面20fに対して、シャフト12を接着剤等で接合することにより、図1に示すような圧電アクチュエータ10を得る。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0047】
図4(a)は、第1変形例に係る圧電アクチュエータにおける配線部130aの形状を表す部分側面図であり、図4(b)は配線部130aと外部電極24aとの接合面134を表す概念図である。第2変形例に係る圧電アクチュエータは、配線部130aおよび接合面134の形状が異なることを除き、実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様であるため、第1変形例の説明では、圧電アクチュエータ10との相違点を説明する。
【0048】
図4(a)に示すように、配線部130aのリードフレーム131は、先端部131aの形状が、図1に示すリードフレーム31とは異なっており、先端部131aの積層方向の長さが延長されている。また、図4(b)は、外部電極24aと配線部130aとの電気的かつ物理的な接合面134を表している。接合面134の外周135は、図3に示す実施形態と同様に、リードフレーム131における延長部131bとの接合部分を除き、リードフレーム131における先端部131aの外周に沿って形成されている。
【0049】
図4(b)に示すように、接合面134は、第1側面20aに垂直な方向から見て、圧電素子20の圧電活性領域27に重なる活性接合領域134aと、圧電素子20の圧電不活性領域に重なる不活性接合領域134bとを有している。圧電活性領域27における接合面34の外周である活性領域外周135は、曲がっている曲線部分135a、135c、135eと、積層方向に直交する面(XY平面)に交差する方向に延びる交差直線部分135b、135d、135fとで構成され、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有しない。
【0050】
したがって、このような配線部130aを有する第1変形例の圧電アクチュエータも、実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様の効果を奏する。なお、図4(b)に示すように、圧電不活性領域28における接合面34の外周135は、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分136aを有している。しかし、圧電不活性領域28に平行直線部分136aが配置されていても、このような平行直線部分136aは、内部電極層22a、22bと圧電体層26の層間界面に、積層方向の両側を挟まれないため、圧電活性領域27に平行直線部分が配置される場合ほどの問題は生じない。
【0051】
図5(a)は、第2変形例に係る圧電アクチュエータにおける配線部230aの形状を表す部分側面図であり、図4(b)は配線部230aと外部電極24aとの接合面234を表す概念図である。第2変形例に係る圧電アクチュエータは、配線部230aおよび接合面234の形状が異なることを除き、実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様であるため、第2変形例の説明では、圧電アクチュエータ10との相違点を説明する。
【0052】
図5(a)に示すように、配線部230aのリードフレーム231は、先端部231aの形状が、図1に示すリードフレーム31とは異なっており、先端部231aが略楕円形状である。また、図5(b)に示すように、接合面234の外周235は、図3に示す実施形態と同様に、リードフレーム231における延長部231bとの接合部分を除き、リードフレーム231における先端部231aの外周に沿って形成されている。
【0053】
図5(b)に示すように、接合面234は、第1側面20aに垂直な方向から見て、圧電素子20の圧電活性領域27に重なる活性接合領域のみで構成されている。圧電活性領域27における接合面234の外周235は、楕円状の曲線で構成されており、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有しない。したがって、このような配線部230aを有する第2変形例の圧電アクチュエータも、実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様の効果を奏する。
【0054】
図6(a)〜(d)は、リードフレームの他の変形例を示す概略図である。図6(a)は第3変形例に係るリードフレーム271の概略図である。リードフレーム271は、先端部271aがZ軸方向へ延びながら蛇行する形状を有している。図6(b)は第4変形例に係るリードフレーム281の概略図である。リードフレーム281は、先端部281aがZ軸方向へ延びながら蛇行する形状を有しており、かつ、延長部281bが湾曲している。
【0055】
図6(c)は、第5変形例に係るリードフレーム291の概略図である。リードフレーム291は、先端部291aが、延長部291bとの接続部分からZ軸正方向へ湾曲する形状を有している。図6(d)は、第6変形例に係るリードフレーム301の概略図である。リードフレーム301は、先端部301aが、延長部301bとの接続部分からZ軸正方向へ湾曲する形状を有しており、かつ、延長部301bが湾曲している。これらのリードフレーム271、281、291、301を用いる圧電アクチュエータでも、実施形態と同様に、先端部271a、281a、291a、301aの外周に沿って形成される接合面を介して、図1等に示す圧電素子20の外部電極24aに固定される。
【0056】
このようなリードフレーム271、281、291、301を用いる圧電アクチュエータにおいても、実施形態と同様に、圧電不活性領域における接合面の外周は、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有しない。したがって、図6(a)〜(d)に示すリードフレーム271、281、291、301を用いる圧電アクチュエータも、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様の効果を奏する。
【0057】
図7(a)は、第7変形例に係る圧電アクチュエータにおける配線部330aの形状を表す部分側面図であり、図7(b)は配線部330aと外部電極24aとの接合面334を表す概念図である。第7変形例に係る圧電アクチュエータは、配線部330aおよび接合面334の形状が異なることを除き、実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様であるため、第7変形例の説明では、圧電アクチュエータ10との相違点を説明する。
【0058】
図7(a)に示すように、配線部330aのリードフレーム231は、先端部331aの形状が、図1に示すリードフレーム31とは異なっており、先端部331aが多角形状である。また、図7(b)に示すように、接合面334の外周335は、図3に示す実施形態と同様に、リードフレーム331における延長部331bとの接合部分を除き、リードフレーム331における先端部331aの外周に沿って形成されている。
【0059】
図7(b)に示すように、接合面334は、第1側面20aに垂直な方向から見て、圧電素子20の圧電活性領域27に重なる活性接合領域のみで構成されている。圧電活性領域27における接合面334の外周335は、積層方向に直交する面(XY平面)に交差する方向に延びる交差直線部分335a〜335fのみで構成され、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有しない。したがって、このような配線部330aを有する第2変形例の圧電アクチュエータも、実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様の効果を奏する。
【0060】
図8は、第8変形例に係るリードフレーム431の概略図である。リードフレーム431の先端部431aも、図7(a)に示すリードフレーム331と同様に、多角形状である。図7(a)に示すリードフレーム331の代わりに、第8変形例に係るリードフレーム431を用いた場合でも、先端部431aの外周に沿って形成される接合面は、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有しない。したがって、このようなリードフレーム431を有する第8変形例の圧電アクチュエータも、第7変形例に係る圧電アクチュエータと同様の効果を奏する。
【0061】
図9(a)は、第9変形例に係る圧電アクチュエータにおける配線部530aの形状を表す部分側面図であり、図9(b)は、配線部530aが有するリードフレーム531における先端部531aの内側面531aaの状態を表す概念図である。第9変形例に係る圧電アクチュエータは、配線部530aおよび接合面534の形状と、先端部531aの内側面531aaの一部に、絶縁性の樹脂からなる樹脂層532が形成されていることが異なることを除き、実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様であるため、第9変形例の説明では、圧電アクチュエータ10との相違点を説明する。
【0062】
リードフレーム531における先端部531aは、第1側面20aに垂直な方向から見て長方形であり、第1実施形態に係るリードフレーム31のように先端部と接合面の形状が同様であれば、接合面が積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有すると考えられる。
【0063】
しかしながら、リードフレーム531における外部電極24aに向き合う内側面531aa、531baには、図9(b)に示すように、樹脂層532、533が形成されている。樹脂層532は、内側面531aa、531baのうち先端部531aの4角と、延長部531bにおける先端部531aとの接続部分に形成されている。
【0064】
図10は、外部電極24aと配線部530aとの電気的かつ物理的な接合面534を表しており、図10では、接合面534に、ハッチングが施されている。接合面534の外周形状は、実施形態で述べたように、外部電極24a表面における導電性接合部の広がりに対応している。ここで、リードフレーム531の内側面531aa、531baのうち、樹脂層532、533が形成されている先端部531aの4角には、はんだ等の濡れ性の性質により、導電性接合部が広がらない。したがって、接合面534の外周は、リードフレーム531における先端部31aの外周に沿って形成されず、接合面34は、積層方向の両端部が円弧状である角丸長方形となっている。
【0065】
したがって、圧電活性領域27における接合面34の外周535は、曲がっている曲線部分535a、535cと、積層方向に直交する面(XY平面)に交差する方向に延びる交差直線部分535b、535dとで構成され、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有しない。
【0066】
第9変形例に係る圧電アクチュエータも、実施形態に係る圧電アクチュエータ10と同様の効果を奏する。また、リードフレーム531の内側面531aa、531baには、樹脂層532が接合面534の外周535に接するように設けられている。リードフレーム531の内側面531aa、531baに形成された樹脂層532は、はんだ等が付着しにくいため、当該樹脂層532の形成位置によって、導電性接合部の広がりを好適に制御できる。したがって、このようなリードフレーム531を用いることで、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有さない形状になるように、接合面534の形状を確実に制御できる。なお、図9(b)に示す樹脂層533のように、リードフレーム531の内側面531aa、531baのうち、先端部531aに近い延長部531bの内側面531baに樹脂層533を設けてもよい。
【0067】
図11は第10変形例に係るリードフレーム631の概略図である。リードフレーム631は、先端部631aが円形であり、延長部631bにおける外部電極に対向する面に樹脂層633が形成されている。図11のようなリードフレーム631では、帯状の延長部631bの内側面にはんだや導電性接着剤のような導電性接合部が付着すると、接合面の外周が、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有するおそれがある。しかしながら、図11のように延長部631bの内側面に樹脂層633を形成することにより、積層方向に直交する面(XY平面)に平行な平行直線部分を有さない形状になるように、接合面の形状を確実に制御できる。
【符号の説明】
【0068】
10…圧電アクチュエータ
12…シャフト
14…シャフト連結部
20…圧電素子
20a…第1側面
20b…第2側面
20e…第1端面
20f…第2端面
22a、22b…内部電極層
24a、24b…外部電極
26…圧電体層
30a、30b、130a、230a、330a、530a…配線部
31、131、231、271、281、291、301、331、431、531、631…リードフレーム
31a、131a、231a、271a、281a、291a、301a、331a、431a、531a、631a…先端部
31a、131b、231b、281b、291b、301b、331b、431b、531b、631b…延長部
34、134、234、334、534…接合面
34a、134a…活性接合領域
34b、134b…不活性接合領域
35、135、235、335、535…外周
35a、35c、35e、135a、135c、135e、535a、535c…曲線部分
35b、35d、135b、135d、135f、335a、335b、335c、335d、335e、335f、535b、535d…交差直線部分
136a…平行直線部分
39…導電性接合部
40…錘
50…錘連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11