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特開2017-188732画像データを出力可能なソース機器およびそのインタフェース装置、電子機器、制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-188732(P2017-188732A)
(43)【公開日】2017年10月12日
(54)【発明の名称】画像データを出力可能なソース機器およびそのインタフェース装置、電子機器、制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/442 20110101AFI20170919BHJP
   H04N 21/436 20110101ALI20170919BHJP
【FI】
   H04N21/442
   H04N21/436
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-74592(P2016-74592)
(22)【出願日】2016年4月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】藤田 直幸
【テーマコード(参考)】
5C164
【Fターム(参考)】
5C164FA17
5C164GA09
5C164UA52S
5C164UB43P
5C164UB51S
5C164UB72P
5C164YA17
5C164YA23
(57)【要約】
【課題】さまざまなシンク機器との組み合わせにおいて安定動作可能なソース機器を提供する。
【解決手段】インタフェース装置100は、画像データを外部のシンク機器に出力するソース機器300に搭載される。コネクタ102は、着脱可能なケーブルを介して、シンク機器と接続される。ソース側コントローラ106は、コネクタ102およびケーブルを介してシンク機器のシンク側コントローラと接続され、通信する。電源回路104は、コネクタ102およびケーブルを介して、シンク機器のシンク側コントローラに電源電圧VDDを供給する。電源回路104は、最大出力電流IOUTが可変に構成されている。ソース側コントローラ106は、最大出力電流をソース機器300の種類に応じて設定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを外部のシンク機器に出力するソース機器に搭載されるインタフェース装置であって、
着脱可能なケーブルを介して、前記シンク機器と接続されるコネクタと、
前記コネクタおよび前記ケーブルを介して前記シンク機器のシンク側コントローラと接続され、通信するソース側コントローラと、
前記コネクタおよび前記ケーブルを介して、前記シンク機器のシンク側コントローラに電源電圧を供給する電源回路と、
を備え、
前記電源回路は、最大出力電流が可変に構成されており、
前記ソース側コントローラは、前記最大出力電流を前記ソース機器の種類に応じて設定することを特徴とするインタフェース装置。
【請求項2】
前記ソース機器は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格またはDisplayPort規格に準拠しており、
前記ソース側コントローラは、EDID(Extended Display Identification Data)の拡張ブロックの情報にもとづいて、前記電源回路の最大出力電流を設定することを特徴とする請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項3】
前記ソース機器は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠しており、
前記ソース側コントローラは、EDIDの拡張ブロックの情報にもとづいて、前記シンク機器がHDMI規格準拠か否かを判定し、前記HDMI規格準拠である場合に、前記最大出力電流を規格値のままとし、前記HDMI規格準拠でない場合に、前記最大出力電流を前記規格値より高い値に変更することを特徴とする請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項4】
前記ソース側コントローラは、前記拡張ブロックにオーディオ情報が含まれるか否かににもとづいて、前記シンク機器がHDMI規格準拠か否かを判定することを特徴とする請求項3に記載のインタフェース装置。
【請求項5】
前記ソース機器は、DisplayPort規格に準拠しており、
前記ソース側コントローラは、DPCD(Display Port Configuration Data)に含まれる情報にもとづいて、前記シンク機器がDisplayPort規格準拠か否かを判定し、前記DisplayPort規格準拠である場合に、前記最大出力電流を規格値のままとし、前記DisplayPort規格準拠でない場合に、前記最大出力電流を前記規格値より高い値に変更することを特徴とする請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項6】
前記ソース側コントローラは、EDID通信に失敗したとき、前記最大出力電流を規格値のままとすることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のインタフェース装置。
【請求項7】
画像データを外部のシンク機器に出力するHDMI準拠のソース機器に搭載されるインタフェース装置であって、
ケーブルを介して前記シンク機器と接続されるHDMIコネクタと、
前記HDMIコネクタおよびケーブルを介して前記シンク機器のシンク側コントローラと接続され、EDID(Extended Display Identification Data)通信するソース側コントローラと、
前記HDMIコネクタおよび前記ケーブルを介して、前記シンク機器のシンク側コントローラに電源電圧を供給する電源回路であって、最大出力電流が可変である電源回路と、
を備え、
前記ソース側コントローラは、前記ソース機器がHDMI以外の規格に準拠するとき、前記電源回路の最大出力電流を、規格値より高い値に変更することを特徴とするインタフェース装置。
【請求項8】
画像データを外部のシンク機器に出力するDisplayPort規格準拠のソース機器に搭載されるインタフェース装置であって、
ケーブルを介して前記シンク機器と接続されるDisplayPortコネクタと、
前記DisplayPortコネクタおよびケーブルを介して前記シンク機器のシンク側コントローラと接続され、通信するソース側コントローラと、
前記DisplayPortコネクタおよび前記ケーブルを介して、前記シンク機器のシンク側コントローラに電源電圧を供給する電源回路であって、最大出力電流が可変である電源回路と、
を備え、
前記ソース側コントローラは、前記ソース機器がDisplayPort以外の規格に準拠するとき、前記電源回路の最大出力電流を、規格値より高い値に変更することを特徴とするインタフェース装置。
【請求項9】
画像データを外部のシンク機器に出力するソース機器に搭載されるインタフェース装置であって、
着脱可能なケーブルを介して、前記シンク機器と接続されるコネクタと、
前記コネクタおよび前記ケーブルを介して前記シンク機器のシンク側コントローラと接続され、通信するソース側コントローラと、
前記コネクタおよび前記ケーブルを介して、前記シンク機器のシンク側コントローラに電源電圧を供給する電源回路と、
を備え、
前記電源回路は、最大出力電流が可変に構成されており、
前記ソース側コントローラは、前記シンク機器の規格が、前記ソース機器の規格と異なっている場合に、前記最大出力電流を、前記ソース機器の規格で規定される値より高い値に変更することを特徴とするインタフェース装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のインタフェース装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
画像データを外部のシンク機器に出力するソース機器の制御方法であって、
着脱可能なケーブルを介してコネクタに前記シンク機器が接続されたことを検出するステップと、
供給電流の最大値を規格値とした状態で、前記コネクタおよび前記ケーブルを介して、前記シンク機器のシンク側コントローラに電源電圧を供給するステップと、
前記コネクタおよび前記ケーブルを介して前記シンク機器のシンク側コントローラとEDID(Extended Display Identification Data)通信するステップと、
前記EDID通信の結果にもとづいて、前記供給電流の最大値を修正するステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項12】
前記EDID通信の結果、前記ソース機器が準拠する規格が、前記シンク機器が準拠する規格と一致しないとき、前記供給電流の最大値を高くすることを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記EDID通信が失敗したとき、前記供給電流の最大値を規格値に維持するステップをさらに備えることを特徴とする請求項11または12に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイのインタフェース装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マルチメディア機器のインタフェースとして、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)規格、DVI(Digital Visual Interface)規格、DisplayPort規格などが広く普及している。これらの規格では、接続される機器同士(ソース機器、シンク機器)が互いにEDID(Extended Display Identification Data)通信によって認証し合った後に、映像、音声などのデータストリームを暗号化して伝送する。
【0003】
図1は、ソース機器とシンク機器のインタフェースのブロック図である。ここではHDMIを例として説明する。ソース機器300rはインタフェース装置100rを備え、シンク機器304はインタフェース装置200を備える。ソース機器300rとシンク機器304の間は、HDMIケーブル302を介して接続される。
【0004】
コネクタ102、コネクタ202はそれぞれ、5V電源ピン、HPD(Hot Plug Detection)ピン、SDA(シリアルデータ)ピン、SCL(シリアルクロック)ピンを有しており、対応するピン同士が、HDMIケーブル302を介して電気的に接続される。
【0005】
インタフェース装置100rは、コネクタ102、電源回路104、ソース側コントローラ106を備える。電源回路104は、5Vの電源電圧VDDを生成し、シンク側コントローラ204に供給する。シンク側コントローラ204は、ソース機器300rから供給される電源電圧VDDにもとづいて動作し、これによりシンク機器304の電源がオフの状態においても、インタフェース装置100rとインタフェース装置200の通信が可能となる。
【0006】
ソース側コントローラ106は、シンク側コントローラ204と接続されている。ソース側コントローラ106は、HPDピンの状態にもとづいて、シンク機器304の接続を検出する。そしてSDAピンおよびSCLピンを利用したEDID通信を行い、シンク機器304の表示装置に関する情報、たとえば解像度などを取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−165617号公報
【特許文献2】特開2009−100219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、図1のインタフェース装置100rについて検討した結果、以下の課題を認識するに至った。なおこの課題を当業者の一般的な認識と捉えてはならない。
【0009】
図2は、ソース機器300rの別の使用形態を示す図である。画像データのインタフェースとしては、HDMIのほかに、DVI、DisplayPort、VGAなどさまざまな規格が存在する。異なる規格のソース機器300rとシンク機器310とは、変換アダプタ(ドングルともいう)306を介して接続可能である。たとえばシンク機器310がDVI規格に準拠する場合、HDMI/DVI変換アダプタが使用され、変換アダプタ306とソース機器300rの間は、HDMIケーブル302で接続され、変換アダプタ306とシンク機器310の間は、DVIケーブル308を介して接続されることとなる。
【0010】
図3は、図2の使用形態において生ずる問題を説明する波形図である。時刻t0に、変換アダプタ306およびシンク機器310の接続が検出される。そして時刻t1に、電源電圧VDDが変換アダプタ306およびシンク機器310に供給される。時刻t2に、EDID通信が開始し、電源回路104の出力電流IOUTが増加する。
【0011】
ここで、HDMI規格では、電源回路104の出力電流IOUTには、最大許容電流(単に最大電流という)IMAXが規定されており、出力電流IOUTが最大電流IMAXを超えると、電源回路104の出力に設けられるロードスイッチ(不図示)がオフとなり、回路が保護される。
【0012】
ここで変換アダプタ306には、電源回路104の負荷となるICが内蔵される場合がある。このICに流れる電流が大きいと、時刻t3に示すように、ICおよびシンク側コントローラ204の消費電流の合計が最大電流IMAXを超え、電源電圧VDDが遮断されてしまい、EDID通信が中断されてしまいリンクが確立できず、あるいは認証が完了できず、シンク機器310に画像データを送信できなくなってしまう。
【0013】
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、さまざまなシンク機器との組み合わせにおいて安定動作可能なソース機器およびインタフェース装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のある態様は、画像データを外部のシンク機器に出力するソース機器に搭載されるインタフェース装置に関する。インタフェース装置は、着脱可能なケーブルを介してシンク機器と接続されるコネクタと、コネクタおよびケーブルを介してシンク機器のシンク側コントローラと接続され、通信するソース側コントローラと、コネクタおよびケーブルを介してシンク機器のシンク側コントローラに電源電圧を供給する電源回路と、を備える。電源回路は、最大出力電流が可変に構成されており、ソース側コントローラは、最大出力電流をソース機器の種類に応じて設定する。
【0015】
この態様によると、電源回路の負荷に応じて、最大出力電流を変更することにより、電源回路が遮断してEDID通信が中断されるのを防止できる。その結果、さまざまなシンク機器との組み合わせにおいて、ソース機器を安定動作させることができる。
【0016】
ソース機器は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格またはDisplayPort規格に準拠しており、ソース側コントローラは、EDIDの拡張ブロックの情報にもとづいて、電源回路の最大出力電流を設定してもよい。
【0017】
ソース機器は、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格に準拠しており、ソース側コントローラは、EDIDの拡張ブロックの情報にもとづいて、シンク機器がHDMI規格準拠か否かを判定し、HDMI規格準拠である場合に、最大出力電流を規格値のままとし、HDMI規格準拠でない場合に、最大出力電流を規格値より高い値に変更してもよい。
【0018】
ソース側コントローラは、拡張ブロックにオーディオ情報が含まれるか否かににもとづいて、シンク機器がHDMI規格準拠か否かを判定してもよい。オーディオ情報を参照することにより、シンク機器がHDMI規格準拠か否かを容易に判定できる。
【0019】
ソース機器は、DisplayPort規格に準拠してもよい。ソース側コントローラは、DPCD(Display Port Configuration Data)に含まれる情報にもとづいて、シンク機器がDisplayPort規格準拠か否かを判定し、DisplayPort規格準拠である場合に、最大出力電流を規格値のままとし、DisplayPort規格準拠でない場合に、最大出力電流を規格値より高い値に変更してもよい。
【0020】
ソース側コントローラは、拡張ブロックにオーディオ情報が含まれるか否かににもとづいて、シンク機器がDisplayPort規格準拠か否かを判定してもよい。オーディオ情報を参照することにより、シンク機器がDisplayPort規格準拠か否かを容易に判定できる。
【0021】
ソース側コントローラは、EDID通信に失敗したとき、最大出力電流を規格値のままとしてもよい。通信に失敗してシンク機器の情報が得られない場合には、最大出力電流を初期とすることで、安全性を高めることができる。
【0022】
本発明の別の態様は、電子機器である。この電子機器は、上述のいずれかのインタフェース回路を備える。
【0023】
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0024】
本発明のある態様によれば、さまざまなシンク機器との組み合わせにおいて安定動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ソース機器とシンク機器のインタフェースのブロック図である。
図2】ソース機器の別の使用形態を示す図である。
図3図2の使用形態において生ずる問題を説明する波形図である。
図4】実施の形態に係るインタフェース装置を備えるソース機器のブロック図である。
図5図4のインタフェース装置の動作波形図である。
図6】インタフェース装置を備えるソース機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0027】
図4は、実施の形態に係るインタフェース装置100を備えるソース機器300のブロック図である。インタフェース装置100は、コネクタ102、電源回路104、ソース側コントローラ106を備える。本実施の形態では、インタフェース装置100はHDMI規格に準拠するものとする。コネクタ102には、着脱可能なHDMIケーブルを介して、シンク機器が接続される。
【0028】
ソース側コントローラ106は、コネクタ102およびHDMIケーブルを介してシンク機器のシンク側コントローラと接続され、EDID(Extended Display Identification Data)通信する。ソース側コントローラ106は、SoC(System-on-a-chip)あるいは組み込みコントローラ(Embedded Controller)で構成してもよい。
【0029】
電源回路104は、コネクタ102およびHDMIケーブルを介して、シンク機器のシンク側コントローラに電源電圧VDDを供給する。HDMI規格においてVDD=5Vである。本実施の形態において電源回路104は、最大出力電流IMAXが可変に構成される。
【0030】
より詳しくは、電源回路104の最大電流IMAXは、少なくとも二値で切りかえ可能であり、そのひとつは、HDMI規格で規定される500mAであり、別の値は、500mAより大きく、たとえば1Aである。
【0031】
ソース側コントローラ106は、最大出力電流IMAXをソース機器の種類(規格)に応じて設定する。
【0032】
たとえばソース側コントローラ106は、ソース機器がHDMI規格に準拠しており、したがって変換アダプタが不要である場合には、最大値IMAXを規格値としてもよい。ソース機器がHDMI規格以外の別の規格に準拠しており、したがって変換アダプタが必要である場合には、最大値IMAXを規格値より大きい値に切りかえてもよい。
【0033】
ソース側コントローラ106は、EDIDの拡張ブロックの情報にもとづいて、シンク機器がHDMI規格準拠か否かを判定し、電源回路104の最大出力電流IMAXを設定することができる。より詳しくは、ソース側コントローラ106は、EDIDの拡張ブロックの情報にオーディオ情報が含まれるか否かににもとづいて、シンク機器がHDMI規格準拠か否かを判定してもよい。
【0034】
以上がインタフェース装置100の構成である。続いてその動作を説明する。図5は、図4のインタフェース装置100の動作波形図である。時刻t0〜t2は図3と同様である。
【0035】
時刻t4に、EDID通信で得られた情報にもとづいて、シンク機器の種類が判定される。そしてシンク機器がHDMI規格に準拠している場合(i)には、最大電流IMAXは、規格値の500mAが維持される。この場合、電源回路104の負荷として変換アダプタが存在しないため、出力電流IOUTは(i)で示すように、HDMI規格で規定される規格値IMAX=500mA以下となり、電源電圧VDDのドロップは生じない。
【0036】
一方、シンク機器がHDMI規格に準拠していない場合(ii)には、最大電流IMAXは、規格値の500mAより高い1Aに変更される。電源回路104の負荷として、シンク機器に加えて変換アダプタが存在するため、出力電流IOUTは(ii)で示すように、HDMI規格で規定される500mAを超える場合があるが、最大電流IMAXが1Aに変更されているため、出力電流IOUTは最大電流IMAXより低くなり、電源電圧VDDのドロップは生じない。
【0037】
このように、実施の形態に係るインタフェース装置100によれば、消費電流が大きな変換アダプタが接続された場合においても、シンク機器との間のEDID通信を安定的に行ってリンクを確立でき、画像データの送信が可能となる。
【0038】
ソース側コントローラ106は、EDID通信に失敗したときには、最大出力電流IMAXを規格値のままとすることが好ましい。通信に失敗してシンク機器の情報が得られない場合には、最大出力電流を初期とすることで、安全性を高めることができる。
【0039】
図6は、インタフェース装置100を備えるソース機器300を示す図である。ソース機器300は、たとえばノートPCである。なお電子機器はそれに限定されず、デスクトップPC、タブレット端末、スマートホン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、DVDプレイヤやブルーレイプレイヤ、ビデオレコーダなどであってもよい。
【0040】
シンク機器304は、HDMI規格に準拠する電子機器であり、ディスプレイ装置やテレビであってもよい。ソース機器300とシンク機器304とは、HDMIケーブル302を介して接続される。シンク機器310は、HDMI規格以外に準拠した電子機器であり、たとえばタブレット端末やスマートホンであってもよい。ソース機器300とシンク機器310とは、HDMIケーブル302、変換アダプタ306、ケーブル308を介して接続される。
【0041】
実施の形態に係るインタフェース装置100を用いることにより、さまざまなシンク機器304や310に対して、安定的に画像データを出力することができる。
【0042】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0043】
(第1変形例)
実施の形態では、ソース機器300がHDMI規格に準拠する場合を説明したが、ソース機器300は、DisplayPort規格に準拠してもよい。この場合においてもソース側コントローラ106の処理はHDMIの場合と同様でよい。
【0044】
ソース機器のDisplayPortから別の規格のシンク機器にデータを伝送する場合、ソース側コントローラ106によって、EDIDとは別に、DPCD(Display Port Configuration Data)が読み出される。Downstream Portが存在する場合、そのポートがどの規格に準拠しているか示すレジスタが用意されている。したがってこの情報にもとづいて、シンク機器を特定し、最大電流を設定してもよい。
【0045】
(第2変形例)
実施の形態では、接続相手のシンク機器の情報にもとづいて、最大出力電流IMAXを初期と、それより高い値の二値で切りかえたがそれに限定されない。最大出力電流IMAXを三値以上で切りかえ可能とし、シンク機器に応じて、最適なひとつを選択するようにしてもよい。
【0046】
また、規格で規定される規格値と、別の値の関係は特に限定されず、場合によっては、最大出力電流IMAXを、規格で規定される規格値よりも小さい値に設定可能としてもよい。
【0047】
(第3変形例)
実施の形態では、拡張ブロックのオーディオ情報の有無にもとづいて、シンク機器を判定したが本発明はそれに限定されない。たとえば、ソース側コントローラ106に、シンク機器のID(識別番号)と、規格の関係を示すテーブルを保持しておき、ID番号にもとづいて、規格を判定してもよい。
【0048】
(第4変形例)
本発明は、すでに策定されている規格のみでなく、将来策定される規格にも適用可能である。また、変換アダプタ306からの情報を取得できる場合には、その情報を考慮して、最大出力電流IMAXを設定してもよい。
【0049】
実施の形態にもとづき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0050】
100…インタフェース装置、102…コネクタ、104…電源回路、106…ソース側コントローラ、200…インタフェース装置、202…コネクタ、204…シンク側コントローラ、300…ソース機器、302…HDMIケーブル、304…シンク機器、306…変換アダプタ、308…ケーブル、310…シンク機器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6