特開2017-189218(P2017-189218A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-189218(P2017-189218A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】顔用剃刀
(51)【国際特許分類】
   B26B 21/16 20060101AFI20170922BHJP
   B26B 21/52 20060101ALI20170922BHJP
【FI】
   B26B21/16 A
   B26B21/52 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-78808(P2016-78808)
(22)【出願日】2016年4月11日
(71)【出願人】
【識別番号】516087274
【氏名又は名称】荒井 利春
(71)【出願人】
【識別番号】591113068
【氏名又は名称】日本利器工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099357
【弁理士】
【氏名又は名称】日高 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179534
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 かおる
(72)【発明者】
【氏名】荒井 利春
(57)【要約】
【課題】鏡を見ながら眉毛を剃る際に眉の形状を確認し易い顔用剃刀を提供する。
【解決手段】使用者の把持用の柄部2と、該柄部2の先端に設けられたヘッド部3と、を有する剃刀1であって、ヘッド部3は、柄部2の先端から湾曲する首部6から先端に向け漸次拡張する略三角形状ないし略台形形状であり、ヘッド部3の拡張端部に刃先5aが位置する刃部5を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の把持用の柄部と、該柄部の先端に設けられたヘッド部と、を有する剃刀であって、
前記ヘッド部は、前記柄部の先端から湾曲する首部から先端に向け漸次拡張する略三角形状ないし略台形形状であり、該ヘッド部の拡張端部に刃先が位置する刃部を備えていることを特徴とする顔用剃刀。
【請求項2】
前記刃部は、前記ヘッド部と平面視略同形状の略三角形状ないし略台形形状であることを特徴とする請求項1に記載の顔用剃刀。
【請求項3】
前記柄部は湾曲形状に形成され、該湾曲形状の前記柄部の略延長線方向に前記刃部の刃先が向けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の顔用剃刀。
【請求項4】
前記首部が前記柄部の終端部を構成する把持部に比べ幅方向に細く形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の顔用剃刀。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔用剃刀に関する。
【背景技術】
【0002】
頬や鼻下の剃毛や眉の形状を整えるために、小型の剃刀が提案されており、特に眉の形状を整えるものとして、特許文献1に示すような眉用剃刀が提案されている。眉用剃刀は、眉を所望の形状に整えることを目的としているため、一般的な髭を剃る剃刀よりもヘッド部が小型に形成されており、細かい操作を行うことができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−166075号公報(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあるような眉用剃刀を用いて鏡を見ながら眉毛を剃る際には、図12に示されるように、ヘッド部103が略矩形状であるため、ヘッド部103が小型になっているとはいえ、ヘッド部103が眉の一部を隠してしまい、眉の形状を確認しにくく、また、図13に示されるように、目の直近に柄部102があり、鏡に写した使用者の姿自体が見えづらいという問題があった。更に、柄部102を持ち上げて姿を見易くしようとすると、剃刀の刃先が眉に真っ直ぐ当接せず、剃り際の処理が難しくなり、また持ち上げることにより手や腕に負担が掛かり、継続して作業を行うことが困難であった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、鏡を見ながら眉毛を剃る際に眉の形状を確認し易く使い易い顔用剃刀を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の顔用剃刀は、
使用者の把持用の柄部と、該柄部の先端に設けられたヘッド部と、を有する剃刀であって、
前記ヘッド部は、前記柄部の先端から湾曲する首部から先端に向け漸次拡張する略三角形状ないし略台形形状であり、該ヘッド部の拡張端部に刃先が位置する刃部を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、刃部の刃先がヘッド部の拡張端部に位置していることから、鏡を見ながら眉毛を剃る際に刃先がヘッド部で隠されず、刃先の位置を鏡で容易に確認できるとともに、ヘッド部の首部側が細くコンパクトになっていることから、鏡を見ながら眉毛を剃る際に、ヘッド部の首部側が邪魔になることがなく、眉の形状を視認しながら剃毛が行えるため、眉を所望の形状に整えやすい。
【0007】
前記刃部は、前記ヘッド部と略相似形状の略三角形状ないし略台形形状であることを特徴としている。
この特徴によれば、刃部とヘッド部とを略相似形状としたので、刃部及びヘッド部の材料を必要最小限とすることができる。
【0008】
前記柄部は湾曲形状に形成され、該湾曲形状の前記柄部の略延長線方向に前記刃部の刃先が向けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、剃り際が見やすい角度で刃先が傾斜するため、柄部の操作による刃先のコントロールが行い易く眉を所望の形状に整えやすい。また、柄部を持ち上げることなく、柄部が目から離れた状態となるため、手や腕に負担が掛からず使い易い。
【0009】
前記首部が前記柄部の終端部を構成する把持部に比べ幅方向に細く形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、首部が把持部より細く形成されているため、把持部の操作性を保ちながら、鏡を見ながら眉毛を剃る際に首部が視界の邪魔になりづらい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例における顔用剃刀を示す斜視図である。
図2】同じく側面図である。
図3】同じく下面図である。
図4】同じく分解斜視図である。
図5】刃部材を示す平面図である。
図6】顔用剃刀の正面図である。
図7図3のA‐A断面図である。
図8】やや斜めから見た顔用剃刀の使用例を示す正面図である。
図9】顔用剃刀の使用例を示す側面図である。
図10】鼻下を剃る際の顔用剃刀の使用例を示す側面図である。
図11】変形例を示す図である。
図12】やや斜めから見た従来の顔用剃刀の使用例を示す正面図である。
図13】従来の顔用剃刀の使用例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る顔用剃刀を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例に係る顔用剃刀につき、図1から図10を参照して説明する。以下、図2(側面図)の紙面左側を顔用剃刀の正面側(前方側)として説明する。
【0013】
図1の符号1は、本発明の適用された顔用剃刀である。図1及び図2に示されるように、顔用剃刀1は、柄部2と柄部2の先端から湾曲する首部6と、首部の先端に設けられたヘッド部3と、を有している。ヘッド部3には、その先端から刃先5aが僅かに突出するように刃部材5が設けられている。
【0014】
図2及び図3に示されるように、柄部2は終端側に使用者が把持し易い把持部4を有しており、首部6が把持部4に比べ幅方向に細く形成されている。そのため、把持部4を持ちやすい太さとして操作性を保ちながら、鏡を見ながら眉毛を剃る際に首部6が使用者の視界をそれほど遮らず、自身の姿を確認し易いので、邪魔と感じにくいものとなっている。
【0015】
また、側面視において柄部2は、首部6から把持部4方向に漸次厚みが大きくなるような形状であることから、顔用剃刀1を剃る方向(図9の矢印参照)に動かす際に、使用者の手に把持部が引っ掛かり易いため、しっかりと把持した状態で剃ることができ、握力の小さい使用者でも顔用剃刀1を扱いやすい。
【0016】
図4に示されるように、ヘッド部3は首部6から延設されたヘッド基部3aと、刃部材5と、ヘッド基部3aとともに刃部材5を挟むカバー部材7とにより構成されている。これらヘッド基部3a,刃部材5,カバー部材7は、それぞれ正面視略相似形状の略三角形状であり、これらが組み合わされて構成されたヘッド部3は、図6に示されるように、正面視で首部6から先端に向け漸次拡張する略三角形状となっている。このように、刃部材5,カバー部材7は、それぞれ正面視略相似形状であるため材料が必要最小限となっている。
【0017】
また、刃部材5は、左右幅がヘッド基部3aとカバー部材7に比べ若干短く形成されており、カバー部材7の裏面の縁部に形成された凸条10により刃先5a以外が被覆されている。
【0018】
また、刃部材5とヘッド基部3aとには、対応する位置に孔11,11及び係合孔12,12が形成されており、カバー部材7の裏面に設けられた凸部13,13が刃部材5の孔11,11を挿通するとともに、係合孔12,12に係合することで、これらが一体に組み立てられている。
【0019】
図5に示されるように、刃部材5は、一辺に刃先5aを有し、この刃先5aに重合するように、略波状の切欠8aを複数有する板状のガード部材8が固定されており、皮膚が切れないようになっている。また、刃部材5の幅方向両端は丸く角が落とされた形状となっており、万一の怪我が生じないように考慮されている。
【0020】
図7に示されるように、柄部2及び首部6は湾曲形状に形成されており、刃部材5は、柄部2及び首部6の湾曲形状の略延長線方向に刃先5aが向くようにヘッド部3に固定されている。これによれば、柄部2の操作による刃先5aのコントロールが行い易く、眉を所望の形状に整えやすい。
【0021】
また、図7に示されるように、ヘッド部3は、先端に向けて厚みが漸次薄くなるように形成されており、かつその先端に刃先5aが位置していることから、図8及び図9に示されるように、鏡を見ながら眉毛を剃る際に刃先5aがヘッド部3で隠されず、刃先5aの位置を鏡で容易に確認できる。加えて、薄型かつその先端に刃先5aが向く構成であることから、顔の凹凸形状のキワに刃先5aを沿わせ易く、例えば図10に示されるように、鼻下の剃毛を行う際には、刃先5aを鼻の下のキワに沿わせて剃り残しを防ぐことができる。
【0022】
また上述したように、ヘッド部3が略三角形状となっていることから、図8に示されるように、鏡を見ながら眉毛を剃る際に、ヘッド部3の上部(首部6側)の幅が小さくなっている分、眉の形状を視認しやすくなっており、眉を所望の形状に整えやすい。
【0023】
また、柄部2及び首部6の湾曲形状の略延長線方向に沿って連続してヘッド部3が形成されて、段のない滑らかな一体形状となっているとともに、ヘッド部3の先端に刃先5aが配置されていることから、使用者は柄部2及び首部6とヘッド部3の湾曲形状と、その延長線方向に位置する刃先5aの向きを見るだけで、顔用剃刀1の持ち方や向き等の扱い方を感覚的に判断できる所謂ユニバーサルデザインとなっている。
【0024】
また、ヘッド部3は、首部6の先端から連続して延設されていることから、首部6がヘッド部3の寸法分、刃先5aから離れて位置している。そのため、図7に示されるように、柄部2の首部6側が使用者の顔から離間し、柄部2の首部6側が視界をそれほど遮らず、自身の姿を確認し易いので、邪魔と感じにくいものとなっている。
【0025】
また、図7に示されるように、柄部2及び首部6の湾曲形状の略延長線方向に刃先5aが向くようにヘッド部3に固定されているため、柄部2を持ち上げずとも、刃先5aが眉に真っ直ぐ当接することになり、剃り際の処理が容易であることに加え、手や腕に負担が掛かりづらく、例えば手や腕の運動に制限のある使用者でも利用し易い。
【0026】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0027】
例えば、前記実施例では、ヘッド部を構成するヘッド基部3a,刃部材5,カバー部材7は、それぞれ正面視略相似形状の略三角形状である例を説明したが、ヘッド部3の首部6側が視界の邪魔になりづらい、首部6から先端に向け漸次拡張する略三角形状ないし略台形形状であれば、それぞれがどのような形状であってもよい。
例えば、図11(a)に示す変形例のように、刃部材51が略矩形であってもよいし、図11(b)に示す変形例のように、刃部材52が略台形であってもよい。
また、図11(c)に示す変形例のように、ヘッド基部33aが台形であってもよい。
更に、図11(b)に示す変形例のように、カバー部材72が略台形であってもよいし、図11(c)に示す変形例のように、カバー部材73が半円形状であってもよい。
【0028】
また、刃部材5とカバー部材7は、ヘッド基部3aの上に配置される構成で説明したが、これに限らず、ヘッド基部3aの下に固定される構成としてもよい。
【0029】
また、カバー部材7とヘッド基部3aとが別体で形成される構成で説明したが、これに限らず、例えばヘッド部にスリットを形成し、このスリットに刃部材を直接固定させる構成としてもよい。
【0030】
また、顔用剃刀1は上述したような形状であれば、例えば、柄部と首部とヘッド部とをそれぞれ別体に形成して組み立てて形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 顔用剃刀
2 柄部
3 ヘッド部
3a ヘッド基部
4 把持部
5 刃部材
5a 刃先
6 首部
7 カバー部材
8 ガード部材
10 凸条
11,11 孔
12,12 係合孔
13,13 凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13