【実施例】
【0012】
実施例に係る顔用剃刀につき、
図1から
図10を参照して説明する。以下、
図2(側面図)の紙面左側を顔用剃刀の正面側(前方側)として説明する。
【0013】
図1の符号1は、本発明の適用された顔用剃刀である。
図1及び
図2に示されるように、顔用剃刀1は、柄部2と柄部2の先端から湾曲する首部6と、首部の先端に設けられたヘッド部3と、を有している。ヘッド部3には、その先端から刃先5aが僅かに突出するように刃部材5が設けられている。
【0014】
図2及び
図3に示されるように、柄部2は終端側に使用者が把持し易い把持部4を有しており、首部6が把持部4に比べ幅方向に細く形成されている。そのため、把持部4を持ちやすい太さとして操作性を保ちながら、鏡を見ながら眉毛を剃る際に首部6が使用者の視界をそれほど遮らず、自身の姿を確認し易いので、邪魔と感じにくいものとなっている。
【0015】
また、側面視において柄部2は、首部6から把持部4方向に漸次厚みが大きくなるような形状であることから、顔用剃刀1を剃る方向(
図9の矢印参照)に動かす際に、使用者の手に把持部が引っ掛かり易いため、しっかりと把持した状態で剃ることができ、握力の小さい使用者でも顔用剃刀1を扱いやすい。
【0016】
図4に示されるように、ヘッド部3は首部6から延設されたヘッド基部3aと、刃部材5と、ヘッド基部3aとともに刃部材5を挟むカバー部材7とにより構成されている。これらヘッド基部3a,刃部材5,カバー部材7は、それぞれ正面視略相似形状の略三角形状であり、これらが組み合わされて構成されたヘッド部3は、
図6に示されるように、正面視で首部6から先端に向け漸次拡張する略三角形状となっている。このように、刃部材5,カバー部材7は、それぞれ正面視略相似形状であるため材料が必要最小限となっている。
【0017】
また、刃部材5は、左右幅がヘッド基部3aとカバー部材7に比べ若干短く形成されており、カバー部材7の裏面の縁部に形成された凸条10により刃先5a以外が被覆されている。
【0018】
また、刃部材5とヘッド基部3aとには、対応する位置に孔11,11及び係合孔12,12が形成されており、カバー部材7の裏面に設けられた凸部13,13が刃部材5の孔11,11を挿通するとともに、係合孔12,12に係合することで、これらが一体に組み立てられている。
【0019】
図5に示されるように、刃部材5は、一辺に刃先5aを有し、この刃先5aに重合するように、略波状の切欠8aを複数有する板状のガード部材8が固定されており、皮膚が切れないようになっている。また、刃部材5の幅方向両端は丸く角が落とされた形状となっており、万一の怪我が生じないように考慮されている。
【0020】
図7に示されるように、柄部2及び首部6は湾曲形状に形成されており、刃部材5は、柄部2及び首部6の湾曲形状の略延長線方向に刃先5aが向くようにヘッド部3に固定されている。これによれば、柄部2の操作による刃先5aのコントロールが行い易く、眉を所望の形状に整えやすい。
【0021】
また、
図7に示されるように、ヘッド部3は、先端に向けて厚みが漸次薄くなるように形成されており、かつその先端に刃先5aが位置していることから、
図8及び
図9に示されるように、鏡を見ながら眉毛を剃る際に刃先5aがヘッド部3で隠されず、刃先5aの位置を鏡で容易に確認できる。加えて、薄型かつその先端に刃先5aが向く構成であることから、顔の凹凸形状のキワに刃先5aを沿わせ易く、例えば
図10に示されるように、鼻下の剃毛を行う際には、刃先5aを鼻の下のキワに沿わせて剃り残しを防ぐことができる。
【0022】
また上述したように、ヘッド部3が略三角形状となっていることから、
図8に示されるように、鏡を見ながら眉毛を剃る際に、ヘッド部3の上部(首部6側)の幅が小さくなっている分、眉の形状を視認しやすくなっており、眉を所望の形状に整えやすい。
【0023】
また、柄部2及び首部6の湾曲形状の略延長線方向に沿って連続してヘッド部3が形成されて、段のない滑らかな一体形状となっているとともに、ヘッド部3の先端に刃先5aが配置されていることから、使用者は柄部2及び首部6とヘッド部3の湾曲形状と、その延長線方向に位置する刃先5aの向きを見るだけで、顔用剃刀1の持ち方や向き等の扱い方を感覚的に判断できる所謂ユニバーサルデザインとなっている。
【0024】
また、ヘッド部3は、首部6の先端から連続して延設されていることから、首部6がヘッド部3の寸法分、刃先5aから離れて位置している。そのため、
図7に示されるように、柄部2の首部6側が使用者の顔から離間し、柄部2の首部6側が視界をそれほど遮らず、自身の姿を確認し易いので、邪魔と感じにくいものとなっている。
【0025】
また、
図7に示されるように、柄部2及び首部6の湾曲形状の略延長線方向に刃先5aが向くようにヘッド部3に固定されているため、柄部2を持ち上げずとも、刃先5aが眉に真っ直ぐ当接することになり、剃り際の処理が容易であることに加え、手や腕に負担が掛かりづらく、例えば手や腕の運動に制限のある使用者でも利用し易い。
【0026】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0027】
例えば、前記実施例では、ヘッド部を構成するヘッド基部3a,刃部材5,カバー部材7は、それぞれ正面視略相似形状の略三角形状である例を説明したが、ヘッド部3の首部6側が視界の邪魔になりづらい、首部6から先端に向け漸次拡張する略三角形状ないし略台形形状であれば、それぞれがどのような形状であってもよい。
例えば、
図11(a)に示す変形例のように、刃部材51が略矩形であってもよいし、
図11(b)に示す変形例のように、刃部材52が略台形であってもよい。
また、
図11(c)に示す変形例のように、ヘッド基部33aが台形であってもよい。
更に、
図11(b)に示す変形例のように、カバー部材72が略台形であってもよいし、
図11(c)に示す変形例のように、カバー部材73が半円形状であってもよい。
【0028】
また、刃部材5とカバー部材7は、ヘッド基部3aの上に配置される構成で説明したが、これに限らず、ヘッド基部3aの下に固定される構成としてもよい。
【0029】
また、カバー部材7とヘッド基部3aとが別体で形成される構成で説明したが、これに限らず、例えばヘッド部にスリットを形成し、このスリットに刃部材を直接固定させる構成としてもよい。
【0030】
また、顔用剃刀1は上述したような形状であれば、例えば、柄部と首部とヘッド部とをそれぞれ別体に形成して組み立てて形成されていてもよい。