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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-189483(P2017-189483A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】射的ゲーム機
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/02 20060101AFI20170922BHJP
【FI】
   A63F9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-81718(P2016-81718)
(22)【出願日】2016年4月15日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 発行者名:アミューズメント・ジャーナル 刊行物名:月刊アミューズメント・ジャーナル 巻数、号数:第16巻 第2号 通巻178号 発行年月日:平成28年1月30日
(71)【出願人】
【識別番号】393001844
【氏名又は名称】株式会社 昭和技研
(74)【代理人】
【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司
(74)【代理人】
【識別番号】100133411
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 龍郎
(72)【発明者】
【氏名】野原 正広
(72)【発明者】
【氏名】太田 繁行
(57)【要約】
【課題】射撃的中の難易度が高く、ゲームとしての面白みに富んだ射的ゲーム機を提供する。
【解決手段】射的用銃20と、標的18と、プレーヤーの操作に応動して前記射的用銃20からの弾19の発射制御を行う銃制御装置7と、を備え、弾19が前記標的18を射ることでプレーヤーが景品16を取得できる射的ゲーム機において、前記射的用銃20と前記標的18との相対位置をプレーヤーの操作から独立して自動的に変化させる自動変位装置22を設けた。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射的用銃と、標的と、プレーヤーの操作に応動して前記射的用銃からの弾の発射制御を行う銃制御装置と、を備え、弾が前記標的を射ることでプレーヤーが景品を取得できる射的ゲーム機であって、前記射的用銃と前記標的との相対位置をプレーヤーの操作から独立して自動的に変化させる自動変位装置を備える、射的ゲーム機。
【請求項2】
プレーヤーの操作に応動して前記射的用銃又は前記標的を移動させる操作変位装置を備える、請求項1に記載の射的ゲーム機。
【請求項3】
前記景品とは別に前記標的としての的が設けられ、この的に弾が命中することで前記景品の支持が解除される、請求項1又は2に記載の射的ゲーム機。
【請求項4】
前記景品を載せる景品台を備え、弾が前記的に命中することで前記景品台の固定が解除されて前記景品が落下する、請求項3に記載の射的ゲーム機。
【請求項5】
前記的を弾の飛翔方向と反飛翔方向とに揺動自在に支持する的アームと、該的アームの前記的とは反対側の揺動端部に設けられるロック部と、前記景品台を傾動自在に支持する景品台アームと、固定部に対して回動自在に支持されるとともに前記景品台アームの前記景品台とは反対側の揺動端部に回動自在に連結されるロックホルダと、該ロックホルダに対して前記ロック部を直接的又は間接的に係合させるロックばねと、を備え、前記ロックホルダに対して前記ロック部が直接的又は間接的に係合することで前記景品台が景品支持姿勢に固定され、前記的に弾が当たることで前記的アームが揺動して前記ロックホルダに対する前記ロック部の直接的又は間接的な係合が解除されて前記景品台が自重で景品落下傾斜姿勢に移行する、請求項4に記載の射的ゲーム機。
【請求項6】
前記ロック部と前記ロックホルダとの間に揺動連結部材が介装され、該揺動連結部材に対して前記ロック部が係合し、且つ、前記ロックホルダに対して前記揺動連結部材が係合することで、前記景品台が景品支持姿勢に固定される、請求項5に記載の射的ゲーム機。
【請求項7】
前記的の回りに配設される弾キャッチャーを備え、該弾キャッチャーの表面が弾を捕捉可能な吸着性を有する、請求項3,4,5又は6のいずれか一項に記載の射的ゲーム機。
【請求項8】
前記弾キャッチャーの表面の吸着性能が、弾を捕捉した後に弾が自重で剥がれ落ちることを許容するものである、請求項7に記載の射的ゲーム機。
【請求項9】
前記射的用銃を含む銃装置を備え、該銃装置が、弾発射パイプと、該弾発射パイプに自動的且つ連続的に弾を供給する弾供給装置と、前記弾発射パイプ内に弾を留め置くストッパと、前記弾発射パイプ内の弾に圧縮ガスにて推進力を付与する推進ガス供給装置と、を備え、前記銃制御装置が、プレーヤーの操作に応動して前記ストッパの解除制御と前記圧縮ガスの供給制御とを行う、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の射的ゲーム機。
【請求項10】
前記弾が球体であり、前記弾供給装置が、弾を多数収容する密閉可能な弾容器と、該弾容器の底面に形成される弾送出口と、該弾送出口を前記弾発射パイプに連通させる弾流路と、前記弾容器内に圧縮ガスを供給する弾送り用圧縮ガス流路と、前記弾容器内の弾を攪拌する弾攪拌装置と、を備える、請求項9に記載の射的ゲーム機。
【請求項11】
前記ストッパを作動位置へ向けて付勢するストッパばねと、後退位置から進出位置へと移動して前記弾発射パイプ内の弾を押すことにより前記ストッパを解除するピストンと、該ピストンを前記後退位置へ向けて付勢するピストンばねと、前記銃制御装置によって制御されるピストン駆動部材と、を備える、請求項9又は10に記載の射的ゲーム機。
【請求項12】
前記推進ガス供給装置が、前記弾発射パイプに圧縮ガスを供給する弾発射用圧縮ガス流路と、該弾発射用圧縮ガス流路を開閉する開閉弁と、前記ピストンに形成される圧縮ガス放出路と、を備え、前記ピストンが進出位置に移動したときに前記弾発射用圧縮ガス流路と前記圧縮ガス放出路とが連通し、且つ、前記銃制御装置によって前記開閉弁が開作動させられる、請求項11に記載の射的ゲーム機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射的ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
射的ゲーム機の一例として、特許文献1に記載のものが知られている(特許文献1の請求項1等参照)。この射的ゲーム機は、ゲーム機函体と、このゲーム機函体の内部に設けられる景品陳列装置と、射的用銃と、プレーヤーによって操作されるゲーム操作部と、銃制御装置と、撃ち落された景品を景品払出し口まで誘導するダクトと、を備える。
【0003】
ゲーム機函体は、透明な正面板と、景品払出し口と、料金徴収装置と、を備える。射的用銃は、ゲーム機函体の内部で景品陳列装置の前面に、景品陳列装置に置かれた任意の景品に向けて弾を発射し得るように、かつ、その銃口の方向が照準自在に二次元制御されるように支持される。銃制御装置は、ゲーム操作部からの入力に応動し、射的用銃の方向の二次元制御と弾の発射制御とを行う。
【0004】
前記従来の射的ゲーム機は、次のようにして使用される(特許文献1の[0013]、[0014]、図6参照)。プレーヤーが料金徴収装置に料金を投入することでゲームがスタートする。次いでプレーヤーは、射的用銃の銃口が獲得を希望する所望の景品の正面に来るように、ゲーム操作部を操作して、射的用銃の上下及び左右の位置合わせ(二次元移動)を行う。その後、プレーヤーは、再びゲーム操作部を操作して、射的用銃から弾を発射させる。弾が景品に当たって景品陳列装置から景品が落ちたら、この景品はダクトを通って景品払出し口へと誘導され、プレーヤーによって取得される。
【0005】
前記従来の射的ゲーム機によれば、景品を直接撃ち落すことによってその景品を獲得するという射的に特有の面白さを味わうことができ、また、係員を必要とすることなく無人で稼動可能であるとされている(特許文献1の[0028]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−174159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の射的ゲーム機は、まずは射的用銃の位置を決め、射的用銃の位置又は銃口の向きが定まった状態(銃が静止した状態)で発射操作を行うものであるため、射撃の難度が低く、ゲームとしての面白みに欠けるという欠点がある。
【0008】
また、景品に弾を当てて景品を直接撃ち落すものであるため、景品がかなり小さいものである場合を除いて、弾が景品に当たる確率が高く、これもまたゲームとしての面白みに欠ける原因となっている。
【0009】
本発明は、前記のような事情に鑑みてなされたもので、射撃的中の難易度が高く、ゲームとしての面白みに富んだ射的ゲーム機を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明に係る射的ゲーム機は、射的用銃と、標的と、プレーヤーの操作に応動して前記射的用銃からの弾の発射制御を行う銃制御装置と、を備え、弾が前記標的を射ることでプレーヤーが景品を取得できる射的ゲーム機であって、前記射的用銃と前記標的との相対位置をプレーヤーの操作から独立して自動的に変化させる自動変位装置を備えることを特徴とする(請求項1)。
【0011】
本発明によれば、射的用銃と標的との相対位置がプレーヤーの操作から独立して自動変位装置によって自動的に変化する。この変化中において、プレーヤーは、標的を狙って射的用銃から弾を発射する。射的用銃から見て標的が相対的に動いているので、標的を正確に射るのが難しく、ゲームとしての面白みに富む。
【0012】
本発明において、射的用銃と標的との相対位置の変化の具体的な態様としては、例えば、静止した標的の正面を通過するように射的用銃が動く場合や、静止した射的用銃の正面を通過するように標的が動く場合や、両者が互いに違う動きをする過程で両者が一瞬だけ互いに対向する位置に来る場合等を含む。
【0013】
また、標的は、景品自体であってもよいし、それぞれの景品に対応させてそれぞれ別に設けた的であってもよい。さらに、弾は、BB弾やコルク弾等の模擬弾であってもよいし、模擬矢であってもよい。
【0014】
好適な実施の一形態として、プレーヤーの操作に応動して前記射的用銃又は前記標的を移動させる操作変位装置を備える態様を例示する(請求項2)。このようにすれば、射的用銃と標的との相対位置のずれをプレーヤーが自らの操作で補正できるので、ゲームとしての面白みが一層向上する。
【0015】
好適な実施の一形態として、前記景品とは別に前記標的としての的が設けられ、前記弾が前記的に命中することで前記景品の支持が解除される態様を例示する(請求項3)。
【0016】
好適な実施の一形態として、前記景品を載せる景品台を備え、前記飛翔体が前記的に命中することで前記景品台の固定が解除されて景品が落下する態様を例示する(請求項4)。
【0017】
好適な実施の一形態として、前記的を弾の飛翔方向と反飛翔方向とに揺動自在に支持する的アームと、該的アームの前記的とは反対側の揺動端部に設けられるロック部と、前記景品台を傾動自在に支持する景品台アームと、固定部に対して回動自在に支持されるとともに前記景品台アームの前記景品台とは反対側の揺動端部に回動自在に連結されるロックホルダと、該ロックホルダに対して前記ロック部を直接的又は間接的に係合させるロックばねと、を備え、前記ロックホルダに対して前記ロック部が直接的又は間接的に係合することで前記景品台が景品支持姿勢に固定され、前記的に弾が当たることで前記的アームが揺動して前記ロックホルダに対する前記ロック部の直接的又は間接的な係合が解除されて前記景品台が自重で景品落下傾斜姿勢に移行する態様を例示する(請求項5)。
【0018】
好適な実施の一形態として、前記ロック部と前記ロックホルダとの間に揺動連結部材が介装され、該揺動連結部材に対して前記ロック部が係合し、且つ、前記ロックホルダに対して前記揺動連結部材が係合することで、前記景品台が景品支持姿勢に固定される態様を例示する(請求項6)。この場合、ロック部が揺動連結部材を介してロックホルダに間接的に係合する。的に弾が当たることで的アームが揺動して揺動連結部材に対するロック部の係合が解除され、これに応動してロックホルダに対する揺動連結部材の係合が解除される。その結果、景品台が自重で景品落下傾斜姿勢に移行する。ロック部とロックホルダとの間に揺動連結部材を介装することで、ロックホルダに対してロック部を直接的に係合させる場合よりも小さな力でロック部とロックホルダとの間の係合が解除される。よって、的に弾が当たったときに確実に景品台の傾動が生ずる。
【0019】
好適な実施の一形態として、前記的の回りに配設される弾キャッチャーを備え、該弾キャッチャーの表面が弾を捕捉可能な吸着性を有する態様を例示する(請求項7)。この場合、的を外れた弾が弾キャッチャーの表面にくっつくので、どの程度狙いが外れたかをプレーヤーが視認し易い。よって、ゲームの面白みが向上する。
【0020】
好適な実施の一形態として、前記弾キャッチャーの表面の吸着性能が、弾を捕捉した後に弾が自重で剥がれ落ちることを許容するものである態様を例示する(請求項8)。この場合、弾キャッチャーに捕捉された弾がやがては自重で自然に剥がれ落ちるので、弾キャッチャーの表面に付着した弾を人為的に除去する必要がない。
【0021】
好適な実施の一形態として、前記射的用銃を含む銃装置を備え、該銃装置が、弾発射パイプと、該弾発射パイプに自動的且つ連続的に弾を供給する弾供給装置と、前記弾発射パイプ内に弾を留め置くストッパと、前記弾発射パイプ内の弾に圧縮ガスにて推進力を付与する推進ガス供給装置と、を備え、前記銃制御装置が、プレーヤーの操作に応動して前記ストッパの解除制御と前記圧縮ガスの供給制御とを行う態様を例示する(請求項9)。この実施の形態では、プレーヤーの操作に応動してストッパが解除され、且つ、圧縮ガスの供給が行われる。そして、圧縮ガスによって銃発射パイプから弾が発射される。
【0022】
好適な実施の一形態として、前記弾が球体であり、前記弾供給装置が、弾を多数収容する密閉可能な弾容器と、該弾容器の底面に形成される弾送出口と、該弾送出口を前記弾発射パイプに連通させる弾流路と、前記弾容器内に圧縮ガスを供給する弾送り用圧縮ガス流路と、前記弾容器内の弾を攪拌する弾攪拌装置と、を備える態様を例示する(請求項10)。この場合、密閉された弾容器内に弾送り用圧縮ガス流路を通して圧縮ガスが供給される。併せて、弾攪拌装置によって弾容器内の弾が攪拌される。これにより、弾送出口へと弾が次々と送り出され、これらの弾は弾流路を通って弾発射パイプへ向けて供給される。
【0023】
好適な実施の一形態として、前記ストッパを作動位置へ向けて付勢するストッパばねと、後退位置から進出位置へと移動して前記弾発射パイプ内の弾を押すことにより前記ストッパを解除するピストンと、該ピストンを前記後退位置へ向けて付勢するピストンばねと、前記銃制御装置によって制御されるピストン駆動部材と、を備える態様を例示する(請求項11)。この実施の形態では、プレーヤーの操作に応動して銃制御装置によってピストン駆動部材が作動し、ピストンばねの付勢力に抗してピストンが後退位置から進出位置へと移動する。このピストンによって弾発射パイプ内の弾が押されることでストッパが解除される。それと同時に弾発射パイプへと圧縮ガスが供給される。これによって銃発射パイプから弾が発射される。
【0024】
好適な実施の一形態として、前記推進ガス供給装置が、前記弾発射パイプに圧縮ガスを供給する弾発射用圧縮ガス流路と、該弾発射用圧縮ガス流路を開閉する開閉弁と、前記ピストンに形成される圧縮ガス放出路と、を備え、前記ピストンが進出位置に移動したときに前記弾発射用圧縮ガス流路と前記圧縮ガス放出路とが連通し、且つ、前記銃制御装置によって前記開閉弁が開作動させられる態様を例示する(請求項12)。この実施の形態では、プレーヤーの操作に応動してピストンが後退位置から進出位置へと移動することで、弾発射用圧縮ガス流路と圧縮ガス放出路とが連通する。併せて、銃制御装置によって開閉弁が開作動し、弾発射用圧縮ガス流路と圧縮ガス放出路とを通して圧縮ガスが弾発射パイプに供給される。これにより、弾発射パイプから弾が発射される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の一形態に係る射的ゲーム機の全体斜視図である。
図2図1の射的ゲーム機の要部縦断面図である。
図3図1の射的ゲーム機のゲーム操作部の平面図である。
図4図1の射的ゲーム機の銃装置における弾数等表示部の正面図である。
図5図1の射的ゲーム機の銃装置の内部構成を示す説明図である。
図6図5の銃装置の内部構成の一部を別の角度から示した説明図である。
図7図5の銃装置の射撃時の説明図である。
図8図1の射的ゲーム機の的装置の内部構成を示す説明図である。
図9図8の的装置の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0027】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の一形態に係る射的ゲーム機1は、ゲーム機箱体2を備える。ゲーム機箱体2の内部には、景品陳列部3と、射的用銃装置4と、弾送り用コンプレッサ5と、弾発射用コンプレッサ6と、銃制御装置7と、が配設される。また、ゲーム機箱体2の正面には、ゲーム操作部8と、景品取り出し口9と、料金投入口10と、が配設される。景品取り出し口9は、ゲーム機箱体2内の景品送り出し用ダクト11に連通する。
【0028】
ゲーム機箱体2は、正面板12と背面板13と二つの側面板14,14と、を備え、少なくとも正面板12は透明である。ゲーム操作部8に対面するプレーヤーから見て背面板14の手前に景品陳列部3があり、プレーヤーから見て正面板12の向こう側に射的用銃装置4がある。
【0029】
景品陳列部3は、多数の的装置15によって構成される。図1の例では、的装置15が上下二段に配列され、各段の的装置15は同じ高さに設けられているが、これには限定されない。
【0030】
的装置15は、各景品16を載せる景品台17と、景品16とは別の標的としての的18と、を備え、この的18に弾19が命中することで景品台17の固定が解除されて該当する景品16が落下する。景品台17から落下した景品16は、景品陳列部3の下方に設けられたダクト11を通じて景品取り出し口9へと導かれ、プレーヤーが景品16を取得できる。但し、景品16自体を標的とし、景品16自体を景品台17から弾19で撃ち落す方式とすることもできる。
【0031】
射的用銃装置4は、射的用銃20と、射的用銃20を二次元的に移動自在に支持する銃移動支持装置21と、を備える。銃移動支持装置21は、上下一対の水平ガイドレール24,24と、この一対の水平ガイドレール24,24間に縦に配設される垂直ガイド25と、を備え、射的用銃20は、垂直ガイド25に対して上下動自在に取り付けられている。垂直ガイド25は、一対の水平ガイドレール24,24に沿って垂直状態のままで左右に移動自在である。これにより、射的用銃20が二次元的に移動自在となる。
【0032】
垂直ガイド25の水平方向への駆動機構は、詳細は図示していないが、ループ状の歯付ベルトを歯が内向きとなるように各水平ガイドレール24,24に沿って配設し、垂直ガイド25の上下の端部を各歯付ベルトに連結し、いずれか一方の歯付きベルトを正逆回転自在な水平移動用モータの出力軸に固着した駆動歯車で駆動する。また、上下二つの歯付ベルトを同期用歯付ベルトで駆動上連結することで、垂直ガイド25の上下の端部の水平移動速度を同期させることができ、これにより、垂直ガイド25が垂直状態を維持したままで水平方向に往復移動する。水平移動用モータは、銃制御装置7によって自動制御される。
【0033】
射的用銃20の上下方向への駆動機構は、詳細は図示していないが、ループ状の歯付ベルトを歯が内向きとなるように垂直ガイド25に沿って配設し、この歯付ベルトに射的用銃20を連結する。そして、歯付きベルトを正逆回転自在な上下動用モータの出力軸に固着した駆動歯車で駆動する。上下動用モータは、銃制御装置7によって制御される。
【0034】
射的用銃20の二次元的移動と弾19の発射は、プレーヤーがゲーム操作部8を操作することにより、ゲーム操作部8からの入力に応動する銃制御装置7からの指令信号によって行われる。すなわち、銃制御装置7は、プレーヤーの操作に応動して、射的用銃20の上下方向への移動制御と、射的用銃20の水平方向への自動的な移動制御と、射的用銃20からの弾19の発射制御と、を行う。銃制御装置7は、所定のプログラムを実行するコンピュータと、その出力に基づいて射的用銃20を上下及び左右に移動させるモータ駆動回路や、銃発射装置のソレノイド駆動回路及び電磁弁駆動回路等から構成され、ゲーム機箱体2内の適宜の箇所にまとめて、もしくは適宜分散させて設けられる。
【0035】
図3に示すように、ゲーム操作部8には、射的用銃20の上下位置を調節する銃上昇用ボタン26及び銃下降用ボタン27と、銃発射用ボタン28と、プレーヤーが料金投入口10に投入したコイン(例えば100円玉)の枚数を表示する投入コイン数表示部29と、が設けられる。
【0036】
プレーヤーは、料金投入口10にコインを投入する。これにより、弾送り用コンプレッサ5と弾発射用コンプレッサ6とが起動するとともに、銃制御装置7の各種回路が立ち上がる。次にプレーヤーは、ゲーム操作部8の銃上昇用ボタン26又は銃下降用ボタン27を押して、景品陳列部3に対する射的用銃20の上下位置を調整する。例えば、図1の例では、景品陳列部3が上下二段構成となっているので、上段の景品16を狙う場合には射的用銃20を上段位置に合わせ、下段の景品16を狙う場合には射的用銃20を下段位置に合わせる。
【0037】
この操作に応動して、垂直ガイド25の水平方向への駆動機構が自動的に起動され、射的用銃20の自動的な水平移動が始まる(ゲーム開始)。射的用銃20は、水平ガイドレール24の端部に達すると逆方向への水平移動を開始し、これを続ける。射的用銃20の自動的な往復水平移動は、投入したコイン数に応じてゲーム終了となるまで続く。したがって、射的用銃20が水平移動を開始した後は、プレーヤーがその水平移動を停止操作することはできない。すなわち、射的用銃20の自動的な水平移動機構(垂直ガイド25の水平方向への駆動機構)は、射的用銃20と景品陳列部3の標的18との相対位置をプレーヤーの操作から独立して自動的に変化させる自動変位装置22として作用する。ゲーム開始からゲーム終了までの間、射的用銃20が一定速度で水平方向に往復移動し続けることで、射的用銃20と標的18との相対位置が変化し続けるので、射的の難度が高くなり、ゲームとしての面白みが増す。
【0038】
一方、射的用銃20の上下位置の調整は、射的用銃20の自動的な水平移動の最中でも、銃上昇用ボタン26又は銃下降用ボタン27をプレーヤーが操作することによって可能である。すなわち、射的用銃20の上下移動機構は、射的用銃20の自動的な水平移動の最中にプレーヤーの操作に応動して射的用銃20を移動させ得る操作変位装置23として機能する。この操作変位装置23によって、射的用銃20と標的18との上下位置のずれをプレーヤーが自らの操作で補正できるので、ゲームとしての面白みが一層向上する。
【0039】
射的用銃20の往復水平移動中にプレーヤーがゲーム操作部8の発射ボタン28を押すと、射的用銃20から弾19が発射される。射的用銃20が動いているので標的18を正確に射るのが難しいが、プレーヤーは一定速度で移動する射的用銃20の位置と静止した標的18の位置とが真向かいとなる瞬間を予測して発射ボタン28を押すことで、的18を射ることができる。
【0040】
図1に示すように、射的用銃20には、プレーヤーと対面する位置に残りゲーム表示部30が設けられる。残りゲーム表示部30には、図4に示すように、残り弾数31と、射的用銃20の水平移動の残り往復数32と、が表示される。プレーヤーがコイン投入口10にコインを投入すると、射撃可能な弾数と射的用銃20の許容往復回数とが残りゲーム表示部30に表示される。プレーヤーが一回射撃するごとに残り弾数31が減少表示される。また、射的用銃20が所定のスタート位置から水平移動を開始し、左右に一往復するごとに残り往復数32が減少表示される。残り弾数31がゼロになるとゲーム終了となる。また、残り弾数31があっても、射的用銃20の残り往復数32がゼロになるとゲーム終了となる。弾19が標的18に当たってプレーヤーが景品16を取得すると、残り弾数31と残り往復数32があってもゲーム終了となる。
【0041】
次に、射的用銃装置4について詳細に説明する。
【0042】
図5に示すように、射的用銃装置4は、射的用銃20を構成する弾発射パイプ33と、この弾発射パイプ33に自動的且つ連続的に弾19を供給する弾供給装置34と、弾発射パイプ33内に弾19を留め置くストッパ35と、弾発射パイプ33内の弾19に圧縮ガスにて推進力を付与する推進ガス供給装置36と、を備える。銃制御装置7が、プレーヤーの操作に応動してストッパ35の解除制御と圧縮ガスの供給制御とを行う、
【0043】
図5の例では、弾19がBB弾等の球体のものとされる。弾発射パイプ33の先端には弾通過センサ37が配設され、このセンサ37によって弾19の発射が検知される。弾通過センサ37の検知信号が銃制御装置7に入力され、残りゲーム表示部30の残り弾数31が一つずつ減少表示される。
【0044】
弾供給装置34は、弾19を多数収容する密閉可能な弾容器38と、この弾容器38の平坦な底面に形成される弾送出口39と、この弾送出口39を弾発射パイプ33に連通させる弾流路40と、弾容器38内に圧縮ガスを供給する弾送り用圧縮ガス流路41(図6参照)と、弾容器38内の弾19を攪拌する弾攪拌装置42と、を備える。
【0045】
弾容器38は、開閉自在な蓋43を備え、この蓋43を閉じてトグルラッチ式等の緊締具44を締めることで密閉される。弾流路40は、弾19の直径より僅かに大きな内径を有するプラスチック製のチューブからなり、弾容器38の底面に開口形成される弾送出口39を弾発射パイプ33の後端に連通させる。
【0046】
図6に示すように、弾容器38には弾送り用圧縮ガス流路41が接続される。この弾送り用圧縮ガス流路41は、プラスチック製のチューブからなり、弾送り用コンプレッサ5と弾容器38とを連通させる。弾送り用コンプレッサ5は、プレーヤーがコイン投入口10にコインを投入することで作動を開始し、弾容器38内に圧縮ガスを供給する。
【0047】
図5及び図6に示すように、弾攪拌装置42は、弾容器38内において弾送出口39の近傍に配設される攪拌羽根45と、この攪拌羽根45を回転させる攪拌用モータ46と、を備える。この攪拌用モータ46は、プレーヤーがコイン投入口10にコインを投入することで回転を開始する。攪拌羽根45が回転することで、弾容器38内の弾19が弾送出口39から弾流路40内へと次々に送られる。そして、弾送り用コンプレッサ5から供給される圧縮ガスによって、弾19が弾流路40内を弾発射パイプ33へ向けて送られる。弾容器38内には、弾切れセンサ56が配設される。弾容器38内の弾19が所定量を下回ると、弾切れセンサ56の検知信号によって外部へと所定のサインが表示される。
【0048】
圧縮ガスによって弾流路40内を弾発射パイプ33へと送られる弾19は、図5に示すように、ストッパ35によって弾発射パイプ33内に留め置かれる。このため、弾流路40内は、多数の弾19が連なった状態となる。ストッパ35は、弾19に接触する当接部47と、弾発射パイプ33内に突出する作動位置(弾留め置き位置)へ向けて当接部47を常時付勢するストッパばね48と、を備える。
【0049】
弾発射パイプ33の後部には、後退位置から進出位置へと移動して弾発射パイプ33内の弾19を押すことによりストッパ35を解除するピストン49と、このピストン49を後退位置へ向けて付勢するピストンばね50と、ピストン駆動部材としてのソレノイド51が配設される。ピストン49は、弾発射パイプ33に連通するシリンダ80内を摺動自在である。
【0050】
推進ガス供給装置36は、弾発射パイプ33に圧縮ガスを供給する弾発射用圧縮ガス流路52と、この弾発射用圧縮ガス流路52を開閉する開閉弁53と、ピストン49に形成される圧縮ガス放出路54と、を備えている。弾発射用圧縮ガス流路52は、弾発射用コンプレッサ6に接続される。開閉弁53としては電磁弁が使用される。弾発射用圧縮ガス流路52と圧縮ガス放出路54は、ピストン49が進出位置に移動したときに互いに連通する。
【0051】
プレーヤーがゲーム操作部8の発射ボタン28を押すと、銃制御装置7のソレノイド駆動回路によってソレノイド51に通電される。これにより、ピストン49に連結されるプランジャ55が図5の左方へと駆動され、ピストンばね50の付勢力に抗してピストン49が進出位置へと進出する。このピストン49は、図7に示すように、ストッパ35によって弾発射パイプ33内に留め置かれていた弾19を押し、この弾19がストッパばね48に抗して当接部47を押し上げる。これによってストッパ35が解除される。そして、ピストン49が進出位置に移動することにより弾発射用圧縮ガス流路52と圧縮ガス放出路54とが互いに連通し、且つ、銃制御装置7によって開閉弁53が開作動させられる。その結果、弾発射用コンプレッサ6から供給される圧縮ガスが弾発射パイプ33に向けて高圧で送り込まれ、この圧縮ガスの圧力によって弾19が弾発射パイプ33から高速で発射される。ピストン49が進出位置にあるときには、ピストン49自体によって弾流路40から弾発射パイプ33内への弾19の移動が阻止されるので、次の弾19が発射されてしまうことはない。
【0052】
弾19が一発発射されると、銃制御装置7の指令信号によって開閉弁53が閉作動する。併せて、銃制御装置7の指令信号によってソレノイド51への通電が停止される。これにより、ピストンばね50の付勢力でピストン49が元の後退位置へと復帰する。同時に、ストッパばね48の付勢力でストッパ35が元の作動位置(弾留め置き位置)へと復帰する。弾供給装置34によって弾発射パイプ33内へと送られる次の弾19は、ストッパ35によって弾発射パイプ33内に留め置かれる。
【0053】
次に、図8及び図9を参照して、的装置15について詳細に説明する。
【0054】
図8に示すように、的装置15は、景品16を載せる景品台17と、標的としての的18と、マウントフレーム57と、を備える。この的18に弾19が命中することで景品台17の固定が解除されて景品16が落下する(図9参照)。
【0055】
的装置15は、的アーム58と、景品台アーム59と、ロックホルダ60と、ロックばね61と、を備える。これらの部材は、マウントフレーム57内で作動上連結されている。
【0056】
的アーム58は、マウントフレーム57の上部において的18を弾19の飛翔方向と反飛翔方向とに揺動自在に支持する。的アーム18は、的アーム枢支軸62でマウントフレーム57に対して揺動自在に支持される。的アーム18の上端部には的18が固着される。的アーム18の、的18とは反対側の揺動端部には、切欠状のロック部63が設けられる。
【0057】
景品台アーム59は、マウントフレーム57の下部において景品台17を傾動自在に支持する。景品台アーム59は、景品台アーム枢支軸64でマウントフレーム57に対して上下揺動自在に支持される。
【0058】
ロックホルダ60は、扇形のプレートであり、かなめ部65と円弧状部66とを備える。かなめ部65は、固定部としてのマウントフレーム57に対してロックホルダ枢支軸67で上下揺動自在に支持される。円弧状部66の上端部には、係合用段部68が形成される。ロックホルダ60には下向きに延びるロックホルダアーム69が固着され、このロックホルダアーム69は、可動枢支軸70によって中間アーム71に対して回動自在に連結される。そして、中間アーム71の下端は、連結軸72によって、景品台アーム59の、景品台17とは反対側の揺動端部に連結される。ロックホルダアーム69と中間アーム71は、景品台17が景品支持姿勢であるときに、直線に近い状態で僅かに屈曲しており(図8参照)、景品台17が景品落下傾斜姿勢であるときに、くの字状に大きく屈曲する(図9参照)。
【0059】
連結軸72の両端部は、マウントフレーム57に形成される揺動範囲規制溝73に突入している。揺動範囲規制溝73は、景品台アーム枢支軸64を中心とする円弧状の溝である。図8に示すように、揺動範囲規制溝73の下端部に連結軸72の両端部が当接した状態において、景品台17が景品支持姿勢となり、図9に示すように、揺動範囲規制溝73の上端部に連結軸72の両端部が当接した状態において、景品台17が景品落下傾斜姿勢となる(図9参照)。
【0060】
ロックばね61は、マウントフレーム57内に配設されるばね支持部74と、的アーム58のロック部側揺動腕部75と、の間に架設される。ロックばね61は、ロックホルダ60に対してロック部63を直接的又は間接的に係合させるように的アーム58を常時付勢する。そして、ロックホルダ60に対してロック部63が直接的又は間接的に係合することで景品台17が景品支持姿勢に固定され、的18に弾19が当たることで的アーム58が揺動してロックホルダ60に対するロック部63の直接的又は間接的な係合が解除されて景品台17が自重で景品落下傾斜姿勢に移行する。
【0061】
図示例では、ロック部63とロックホルダ60との間に揺動連結部材76が介装され、ロック部63とロックホルダ60との係合が間接的な係合とされている。揺動連結部材76は、マウントフレーム57に対して揺動連結部材枢支軸77で上下揺動自在に支持される。そして、図8に示すように、揺動連結部材76に対してロック部63が係合し、且つ、ロックホルダ60の係合用段部68に対して揺動連結部材76が係合することで、景品台17が景品支持姿勢に固定される。一方、図9に示すように、揺動連結部材76とロック部63との係合が解除され、且つ、ロックホルダ60に対する揺動連結部材76の係合が解除されることで、景品台17が景品支持姿勢に固定される。
【0062】
ロック部63とロックホルダ60との間に揺動連結部材76を介装することで、ロックホルダ60に対してロック部63を直接的に係合させる場合よりも小さな力でロック部63とロックホルダ60との間の係合が解除される。よって、的18に弾19が当たったときに確実に景品台17の傾動が生ずる。
【0063】
的装置15の動作は次の通りである。図8は、景品16が景品台17に載せられ、且つ、的18が起立姿勢で弾19を待つ状態である。この状態では、景品16及び景品台17の重さで景品台17が下方へ傾斜しようする。この景品台17の傾斜しようとする力は、景品台アーム59と中間アーム71とロックホルダアーム69とを介してロックホルダ60に伝わり、ロックホルダ60を図8で見て時計回り方向に回転させようとする。しかし、ロックホルダ60には揺動連結部材76が係合し、揺動連結部材76には的アーム58のロック部63が係合し、この係合状態がロックばね61で維持されるので、ロックホルダ60の時計回り方向への回転は規制され、結果として、景品台17の下方への傾斜も規制され、景品台17が景品支持姿勢に固定された状態が維持される。
【0064】
図8の状態の的18に弾19が命中すると、弾19の勢いで的アーム枢支軸62を中心として的18が後方(弾19の飛翔方向)へと揺動し、揺動連結部材76に対するロック部63の係合が解除される。この状態が図9の状態である。揺動連結部材76に対するロック部63の係合が解除されると、ロックホルダ60に作用していた時計回り方向への回転規制がなくなるので、ロックホルダ60が揺動連結部材76を跳ね上げて図9で見て右回転する。これに対応して、景品台17が景品落下傾斜姿勢となり、景品16が落下する。このとき、ロックホルダアーム69と中間アーム71がくの字状に屈曲した状態となる。揺動範囲規制溝73の上端部に連結軸72の両端部が当接することによって、景品台17が景品落下傾斜姿勢に保持される。
【0065】
景品台17を景品支持姿勢に戻すには、人が手で景品台17を上方へと回動させる。これにより、ロックホルダアーム69と中間アーム71がくの字の状態から伸びるとともに、ロックホルダ60が図9で見て反時計回り方向へと回転する。このとき、ロックホルダ60の円弧状部66は揺動連結部材76と滑り接触しながら回動する。ロックホルダ60が図8に示す位置まで反時計回り方向へと回転すると、ロックホルダ60の係合用段部68に揺動連結部材76が係合する。同時に、ロックばね61の付勢力で的アーム58が回動し、的アーム58のロック部63が揺動連結部材76に係合する。これにより、景品台17が図8に示す景品支持姿勢に復帰する。なお、景品台17を景品支持姿勢に戻す際の景品台17の上方への回動は、揺動範囲規制溝73の下端部に連結軸72の両端部が当接することによって規制される。
【0066】
的18の回りには弾キャッチャー78が配設される。図1に示すように、弾キャッチャー78は円板状の部材であり、中央部に円形の弾通過孔79を備える。図8に示すように、弾キャッチャー78の弾通過孔79の背後に的18が位置し、弾通過孔79を通過した弾19が的18に当たる。弾通過孔79を外れた弾19は、弾キャッチャー78に当たる。
【0067】
弾キャッチャー78の表面(射的用銃20側の面)は弾19を捕捉可能な吸着性を有する。具体的には、弾キャッチャー78の表面を吸着性ラバー部材で構成する。これにより、弾通過孔79を外れた弾19が弾キャッチャー78の表面に捕捉される。弾キャッチャー78の表面に弾19が付着するので、どの程度狙いがはずれたかがプレーヤーによく分かる。よってゲームの面白みが向上する。
【0068】
弾キャッチャー78の表面の吸着性能は、弾19を捕捉した後に弾19が自重で剥がれ落ちることを許容するものであるのが好ましい。このようにすれば、弾キャッチャー78に捕捉された弾19がやがては自重で自然に剥がれ落ちるので、弾キャッチャー78の表面に多数付着した弾19を人為的に除去する必要がない。弾キャッチャー78から剥がれ落ちた弾19は、図示しない回収箱に自然に集まるようにする。
【0069】
本発明の他の実施の形態として、次のような態様のものを採用することもできる。射的用銃20と標的18との相対位置の変化の具体的な他の態様として、例えば、静止した射的用銃20の正面を通過するように標的18が動く態様や、射的用銃20と標的18とが互いに違う動きをする過程で両者が一瞬だけ互いに対向する位置に来る態様も採用できる。また、弾19は、BB弾やコルク弾等の模擬弾であってもよいし、模擬矢であってもよい。
【0070】
前記射的用銃装置4は、射的ゲーム機についてだけでなく、広く射撃を含むゲーム機用の銃装置として用いることもできる。
【符号の説明】
【0071】
4 銃装置(射的用銃装置)
7 銃制御装置
18 標的(的)
16 景品
17 景品台
20 射的用銃
22 自動変位装置
23 操作変位装置
33 弾発射パイプ
34 弾供給装置
35 ストッパ
36 推進ガス供給装置
38 弾容器
39 弾送出口
40 弾流路
41 弾送り用圧縮ガス流路
42 弾攪拌装置
48 ストッパばね
49 ピストン
50 ピストンばね
51 ピストン駆動部材(ソレノイド)
52 弾発射用圧縮ガス流路
53 開閉弁
54 圧縮ガス放出路
57 固定部(マウントフレーム)
58 的アーム
59 景品台アーム
60 ロックホルダ
61 ロックばね
63 ロック部
76 揺動連結部材
78 弾キャッチャー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9