(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-18973(P2017-18973A)
(43)【公開日】2017年1月26日
(54)【発明の名称】補強メッシュを製造するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
B21F 15/06 20060101AFI20170105BHJP
E04C 5/04 20060101ALI20170105BHJP
B21F 27/08 20060101ALI20170105BHJP
【FI】
B21F15/06
E04C5/04
B21F27/08
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-136947(P2015-136947)
(22)【出願日】2015年7月8日
(11)【特許番号】特許第6040292号(P6040292)
(45)【特許公報発行日】2016年12月7日
(71)【出願人】
【識別番号】515187168
【氏名又は名称】ペダックス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】PEDAX GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルト・オフェルセン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス・ブラスク
【テーマコード(参考)】
2E164
4E070
【Fターム(参考)】
2E164AA02
2E164CB01
2E164CB11
2E164CB29
4E070AA01
4E070AB06
4E070BA02
4E070BA18
(57)【要約】
【課題】補強メッシュ特に補強ロッドの後切取を回避するように、適切なパターンを有する補強メッシュを製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、補強メッシュを製造するための方法、およびそのような方法において使用される装置に関する。この装置は、供給ユニットと、供給チャネルと、複数の紡糸ステーションと、複数の位置決めユニットと、プログラム可能な制御ユニットとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強コンクリート構造用の補強メッシュを製造する方法であって、
前記メッシュは、線材結束具によって前記メッシュに固定された補強ロッド(10)を備え、
前記線材結束具の各々は、前記補強ロッド(10)を前記メッシュに固定するために糸に紡糸された少なくとも2本のワイヤを備え、
前記方法は、
複数の補強ロッド(10)を複数の紡糸ステーション(400)と繋がる供給チャネル(300)に供給するステップを含み、前記複数の紡糸ステーション(400)は、隣り合って配置され、1つの供給チャネル(300)に沿って位置させられており、
前記複数の補強ロッド(10)を前記供給チャネル(300)の長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように前記供給チャネル(300)内に位置させるステップを含む、方法。
【請求項2】
前記供給チャネル(300)内に位置させられた前記補強ロッド(10)は、異なる長さおよび/または直径および/または材料特性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メッシュの長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように配置された前記ロッドを有するメッシュを形成するように、線材結束具を用いて前記補強ロッドを固定するステップと、
固定された前記補強ロッドを前記供給チャネル(300)から取除くステップと、
必要に応じて、これらのステップのサイクルを繰り返すステップとをさらに含む、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
第1サイクルにおける前記補強ロッドの量および/または前記補強ロッドの間の所定距離が、第2サイクルにおける前記補強ロッドの量および/または前記補強ロッドの間の所定距離と異なる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法に使用される装置(100)であって、
前記装置(100)は、
供給ユニット(200)と、
供給チャネル(300)と、
隣り合って配置され、前記供給チャネル(300)に沿って位置させられた複数の紡糸ステーション(400)と、
1つの供給チャネル(300)に沿って位置させられた複数の位置決めユニット(500)と、
前記位置決めユニット(500)の作動を制御するためのプログラム可能な制御ユニット(600)とを備え、
前記プログラム可能な制御ユニット(600)は、ユーザの入力に応答して、複数の補強ロッド(10)を前記供給チャネル(300)の長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように前記供給チャネル(300)内に位置させるように、前記位置決めユニット(500)を作動するように構成されている、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、補強メッシュを製造するための方法、およびそのような方法に使用される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
土木工事用の補強、特にデッキ、スラブまたは他の要素などの大面積のコンクリート舗装面用の補強の生産コストを削減しようとする試みにおいて、従来技術(たとえば、WO2008119357またはUS7909067)において、一般的に補強ロッドおよびワイヤを規定する補強ネットまたはメッシュの製造が知られている。このようなネットまたはメッシュは、リールに巻取ることができるため、貯蔵および輸送が容易である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
より大きな面積に対して補強メッシュを使用するときに、下地構造に応じてまたは下地構造に搭載する若しくは下地構造の内部に搭載する必要のある要素に応じて、メッシュを適切なパターンに形成するために、しばしばメッシュ(ロッドおよびワイヤの両方)に穴を切取る必要がある。
【0004】
本発明の目的は、補強メッシュ、特に補強ロッドの後切取を回避するように、適切なパターンを有する補強メッシュを製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
一局面は、補強コンクリート構造用の補強メッシュを製造する方法に関する。補強メッシュは、線材結束具によってメッシュに固定された補強ロッドを備え、線材結束具の各々は、補強ロッドをメッシュに固定するために糸に紡糸された少なくとも2本のワイヤを備える。方法は、複数の補強ロッドを複数の紡糸ステーションと繋がる供給チャネルに供給するステップを含み、複数の紡糸ステーションは、隣り合って配置され、1つの供給チャネルに沿って位置させられており、複数の補強ロッドを供給チャネルの長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように供給チャネル内に位置させるステップを含む。
【0006】
本願の文脈において、「複数」という用語は、2つ以上のユニット、たとえば3つ以上のユニットと理解されるべきである。
【0007】
1つ以上の実施形態において、供給チャネル内に複数の補強ロッドを位置させることは、位置決めユニット、好ましくは複数の位置決めユニットを用いて行われる。
【0008】
1つ以上の実施形態において、供給チャネル内に複数の補強ロッドを位置させることは、手動で行われる。
【0009】
1つ以上の実施形態において、供給チャネル内に位置させられた補強ロッドは、異なる長さおよび/または直径および/または材料特性を有する。したがって、最終用途に適合したさまざまな特性を有する補強メッシュを提供するために、補強ロッドを選択することができる。
【0010】
1つ以上の実施態様において、方法は、メッシュの長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように配置されたロッドを有するメッシュを形成するように、線材結束具を用いて補強ロッドを固定するステップと、固定された補強ロッドを供給チャネルから取除くステップと、必要に応じて、これらのステップのサイクルを繰り返すステップとをさらに含む。
【0011】
1つ以上の実施形態において、線材結束具を用いて補強ロッドを固定することは、紡糸ステーションにおいて行われる。1つ以上の実施形態において、各紡糸ステーションは、少なくとも2つのワイヤから線材結束具を紡糸するように構成されている。
【0012】
1つ以上の実施形態において、第1サイクルにおける補強ロッドの量および/または補強ロッドの間の所定距離が、第2サイクルにおける補強ロッドの量および/または補強ロッドの間の所定距離と異なる。
【0013】
別の局面は、上述した方法に使用される装置に関する。装置は、供給ユニットと、供給チャネルと、隣り合って配置され、供給チャネルに沿って位置させられた複数の紡糸ステーションと、供給チャネルに沿って配置された複数の位置決めユニットと、位置決めユニットの作動を制御するためのプログラム可能な制御ユニットとを備える。プログラム可能な制御ユニットは、ユーザの入力に応答して、複数の補強ロッドを供給チャネルの長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように供給チャネル内に位置させるように、位置決めユニットを作動するように構成されている。
【0014】
別の局面は、補強コンクリート構造用の補強メッシュを製造する装置に関する。メッシュは、線材結束具によってメッシュに固定された補強ロッドを備え、線材結束具の各々は、補強ロッドをメッシュに固定するために糸に紡糸された少なくとも2本のワイヤを備える。装置は、供給ユニットと、供給チャネルと、隣り合って配置され、1つの供給チャネルに沿って位置させられた複数の紡糸ステーションと、供給チャネルに沿って位置させられた複数の位置決めユニットと、位置決めユニットの作動を制御するためのプログラム可能な制御ユニットとを備える。プログラム可能な制御ユニットは、ユーザの入力に応答して、複数の補強ロッドを供給チャネルの長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように供給チャネル内に配置するように、位置決めユニットを作動するように構成されている。
【0015】
1つ以上の実施形態において、紡糸ステーションは、線材結束具を紡糸するためのスピナーヘッドを備える。1つ以上の実施形態において、スピナーヘッドは、第1ワイヤを形成するための下方ワイヤスプールと、第2ワイヤを形成するための上方ワイヤスプールとを備える。1つ以上の実施形態において、スピナーヘッドは、ワイヤガイドをさらに備える。
【0016】
1つ以上の実施態様において、装置は、補強ロッドを収納ラックから供給ユニットに供給するように構成された自動供給装置をさらに備える。
【0017】
留意すべきことは、本発明の一局面に従って説明した実施形態および特徴は、本発明の他の局面にも適用されることである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のさまざまな実施形態に係る補強メッシュを製造するための装置を示す斜視図である。
【
図2】本発明のさまざまな実施形態に係る供給ユニットを示す拡大図である。
【
図3】本発明のさまざまな実施形態に係る位置決めユニットを示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
図1を参照して、本発明の概略構成は、斜視図で示されている。
【0020】
図1は、補強コンクリート構造用の補強メッシュを製造するための装置100を示している。装置100は、供給ユニット200と、供給チャネル300と、6つの紡糸ステーション400A〜400Fと、2つの位置決めユニット500A、500Bと、プログラム可能な制御ユニット600とを備える。
【0021】
6つの紡糸ステーション400A〜400Fは、隣り合って配置され、供給チャネル300に沿って位置させられている。したがって、すべての紡糸ステーションは、同一のチャンネルから供給される。
【0022】
補強ロッド10は、装置の供給ユニット200内に配置される。供給ユニットの一例は、
図2に示されて得る。
【0023】
補強ロッド10の配置は、単にロッド収納ラック(図示せず)から補強ロッド10を手動で設置することによって行われてもよい。しかしながら、代替的に、補強ロッド10は、配置の目的に構成された自動供給装置(図示せず)により、供給ユニット200に設置されてもよい。ロッド収納ラックは、たとえば、長さ、直径または材料特性に関して異なる特性を有する補強ロッド10を格納する棚を備えてもよい。したがって、最終用途に適合したさまざまな特性を有する補強メッシュを提供するために、補強ロッド10を選択してもよい。
【0024】
プログラム可能な制御ユニット600は、供給ユニット200、位置決めユニット500および紡糸ステーション400の動作を制御するように構成されている。
【0025】
補強ロッド10を供給ユニット200に位置させると、制御ユニット600は、ユーザの入力に基づき、供給ユニット200および位置決めユニット500を作動し、両者が協働して、補強ロッド10を供給チャネル300内の所定位置に位置させる。位置決めユニットの一例は、
図3に示されている。この工程は、すべての補強10が供給チャネル300内に配置されるまで継続する。その後、制御ユニット600は、線材結束具を用いて補強ロッドを固定することによってメッシュを形成するように、紡糸ステーション400に指示する。形成されたメッシュにおいて、補強ロッドは、メッシュの長手方向に沿って互いの間に所定距離を有する。その後、供給チャネル300は開放し、メッシュに固定された補強ロッドを解放する。その後、新しいサイクルが開始される。
【0026】
紡糸ステーションは、参照により本明細書に組込まれるWO2008119357またはUS7909067に開示されるように作られてもよい。
【0027】
製造された補強メッシュは、補強ロッド10は実質的に平行になり、メッシュ内の線材結束具は渦巻状に形成されるように、紡糸ステーションの下方に設けられたメッシュ巻き手段(図示せず)において巻き取ることができる。メッシュ巻き手段は、連鎖巻取りシステム(roll up chain system)を有しても良い。
【符号の説明】
【0028】
10 補強ロッド、100 補強メッシュ製造装置、200 供給ユニット、300 供給チャンネル、400 紡糸ステーション、500 位置決めユニット、600 制御ユニット
【手続補正書】
【提出日】2016年9月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強コンクリート構造用の補強メッシュを製造する方法であって、
前記方法は、
複数の補強ロッド(10)を複数の紡糸ステーション(400)と繋がる供給チャネル(300)に前記供給チャネル(300)の長手方向に沿って供給するステップを含み、前記複数の紡糸ステーション(400)は、隣り合って配置され、1つの供給チャネル(300)に沿って位置させられており、
前記複数の補強ロッド(10)を前記供給チャネル(300)の長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように前記供給チャネル(300)内に位置させるステップと、
少なくとも2本のワイヤを備えた線材結束具によって前記複数の補強ロッド(10)を固定するステップを含む、方法。
【請求項2】
前記供給チャネル(300)内に位置させられた前記補強ロッド(10)は、他の前記補強ロッド(10)と異なる長さおよび/または直径および/または材料特性を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
固定された前記補強ロッドを前記供給チャネル(300)から取除くステップをさらに含む、請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記固定するステップと前記取除くステップとを繰り返す、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記固定するステップと前記取除くステップの第1サイクルにおける前記補強ロッドの量および/または前記補強ロッドの間の所定距離が、前記固定するステップと前記取除くステップの第2サイクルにおける前記補強ロッドの量および/または前記補強ロッドの間の所定距離と異なる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法に使用される装置(100)であって、
前記装置(100)は、
供給ユニット(200)と、
前記供給チャネル(300)と、
隣り合って配置され、前記供給チャネル(300)に沿って位置させられた前記複数の紡糸ステーション(400)と、
1つの前記供給チャネル(300)に沿って位置させられた複数の位置決めユニット(500)と、
前記位置決めユニット(500)の作動を制御するためのプログラム可能な制御ユニット(600)とを備え、
前記プログラム可能な制御ユニット(600)は、ユーザの入力に応答して、前記複数の補強ロッド(10)を前記供給チャネル(300)の長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように前記供給チャネル(300)内に位置させるように、前記位置決めユニット(500)を作動するように構成されている、装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
発明の概要
一局面は、補強コンクリート構造用の補強メッシュを製造する方法に関する
。方法は、複数の補強ロッドを複数の紡糸ステーションと繋がる供給チャネルに
供給チャネルの長手方向に沿って供給するステップを含み、複数の紡糸ステーションは、隣り合って配置され、1つの供給チャネルに沿って位置させられており、複数の補強ロッドを供給チャネルの長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように供給チャネル内に位置さ
せるステップと、少なくとも2本のワイヤを備えた線材結束具によって複数の補強ロッドを固定するステップを含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
別の局面は、補強コンクリート構造用の補強メッシュを製造する装置に関する。メッシュは、線材結束具によっ
て固定された補強ロッドを備え、線材結束具の各々は、補強ロッド
を固定するために糸に紡糸された少なくとも2本のワイヤを備える。装置は、供給ユニットと、供給チャネルと、隣り合って配置され、1つの供給チャネルに沿って位置させられた複数の紡糸ステーションと、供給チャネルに沿って位置させられた複数の位置決めユニットと、位置決めユニットの作動を制御するためのプログラム可能な制御ユニットとを備える。プログラム可能な制御ユニットは、ユーザの入力に応答して、複数の補強ロッドを供給チャネルの長手方向に沿って互いの間に所定距離を有するように供給チャネル内に配置するように、位置決めユニットを作動するように構成されている。
【外国語明細書】