【解決手段】レーザ加工機(1)は、加工用レーザ(L1)を発するレーザ発振器(4)と、加工用レーザをワーク(W)に照射する照射光学系(15)と、照明光(L2)を発する照明用光源部(5)と、照明光によりワークを照明する照明光学系25と、照明光の照明によりワークで反射する第1の光、及び加工用レーザの照射によりワークから放射される第2の光とのうちいずれか一方が反射する波長帯域である反射帯域と、第1の光及び第2の光のうちいずれか他方が透過する波長帯域である透過帯域と、が設定される光学部材(33)と、光学部材を経由した第1波長帯の光を検出する第1の検出部(6)と、光学部材を経由した第2波長帯の光を検出する第2の検出部(7)と、を備える。
前記第1の検出部の検出結果と、前記第1の検出部の検出結果を処理した処理結果との少なくとも一方を、前記ワークの加工位置と関連付けて記憶する記憶部を備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のレーザ加工機。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向、Y方向とする。また、各方向(例、X方向)において、矢印の向きを+側(例、+X側)と称し、その反対側を−側(例、−X側)と称する。
【0013】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るレーザ加工機1を示す図である。レーザ加工機1は、加工ヘッド2、ヘッド駆動部3、レーザ発振器4、照明用光源部5、第1の検出部(撮像部6)、第2の検出部(光量センサ7)、画像処理部8、制御部9、及び記憶部10を備える。レーザ加工機1は、例えば数値制御によって、ワークWに対して切断加工を施す。制御部9は、例えば数値制御プログラムに従って、レーザ加工機1の各部を包括的に制御する。
【0014】
加工ヘッド2は、ノズル11を有し、加工用レーザL1および照明用レーザL2(照明光)は、ノズル11の内側(貫通孔)を通して、ワークWに向けて照射される。加工ヘッド2は、X方向、Y方向、及びZ方向の各方向において、ワークWと相対的に移動可能に設けられる。ヘッド駆動部3は、移動部12および光学系駆動部13を備える。ヘッド駆動部3は、制御部9に制御され、移動部12によって加工ヘッド2をX方向、Y方向、及びZ方向の各方向に移動させる。また、ヘッド駆動部3は、制御部9に制御され、ノズル11から照射される光の焦点を光学系駆動部13によって調整する。レーザ加工機1は、加工ヘッド2をワークWに対して相対的に移動させながら、加工ヘッド2のノズル11から加工用レーザL1をワークWに照射することで、切断加工を行う。
【0015】
レーザ発振器4は、加工用レーザL1として、例えば赤外レーザ光を発生する。加工ヘッド2には、照射光学系15が設けられ、照射光学系15は、レーザ発振器4で発生した加工用レーザL1を、ワークWに向けて案内することにより、ノズル11の内側を通してワークWに照射する。照射光学系15は、光ファイバ16、コリメータ17、ビームスプリッタ18、及び集光レンズ19を備える。光ファイバ16は、その一端(光入射側の端部)がレーザ発振器4と接続され、その他端(光出射側の端部)が加工ヘッド2に接続される。レーザ発振器4からの加工用レーザL1は、光ファイバ16を介して加工ヘッド2に導入される。
【0016】
コリメータ17は、レーザ発振器4からの加工用レーザL1を平行光に変換するか、もしくは平行光に近づける。コリメータ17は、例えば、その物体側(照明光の入射側、照明側)の焦点(後述する照明側焦点)が光ファイバ16の光出射側の端部の位置と一致するように配置される。ビームスプリッタ18は、コリメータ17を通った加工用レーザL1が入射する位置に配置される。ビームスプリッタ18は、加工用レーザL1が反射し、かつ照明用レーザL2(後述する)が透過する特性を有する波長選択ミラー(例、ダイクロイックミラー)である。ビームスプリッタ18は、コリメータ17の光軸17aに対して、約45°の角度で傾斜している。ビームスプリッタ18は、+Z側に向かうにつれて+X側に向かうように傾いている。
【0017】
集光レンズ19は、ビームスプリッタ18からの加工用レーザL1が入射する位置に配置される。コリメータ17を通った加工用レーザL1は、ビームスプリッタ18で反射して光路がX方向からZ方向(−Z側)へ約90°折れ曲がり、集光レンズ19に入射する。集光レンズ19は、コリメータ17からの加工用レーザL1を集光する。ヘッド駆動部3の光学系駆動部13は、例えば集光レンズ19を、集光レンズ19の光軸19aに沿って移動させることで、照射光学系15の焦点を調整可能である。ワークWの対象位置(例、表面)における加工用レーザL1のスポット径は、照射光学系15の焦点がワークWの対象位置から離れるほど(デフォーカス量が大きいほど)、大きくなる。ワークWにおける加工用レーザL1のスポット径が変化すると、加工用レーザL1によって形成されるワークW上の切断溝の形状(切断幅)が変化する。換言すれば、ワーク表面と加工用レーザL1の焦点とのZ軸方向(光軸方向)の相対的な位置関係は、ワークW上の切断溝の形状(切断幅等)が変化するため、加工品質に影響を与える。
【0018】
実施形態に係るレーザ加工機1は、照明光(照明用レーザL2)によりワークWを照明しながら、ワークWを撮像することによって、加工状態に関する情報を取得可能である。照明用光源部5は、照明用レーザL2として、加工用レーザL1と異なる波長の光を発する。
【0019】
照明用光源部5は、例えば、配列された複数の垂直共振器面発光型レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting LASER、以下VCSELという)を備える。複数のVCSELは、YZ面に平行な面に2次元的に配置されている。複数のVCSELのそれぞれから出射する照明用レーザの位相は、VCSELごとに揃っているが、他のVCSELに対してはランダムであり、一般的に他のVCSELの位相とずれている。複数のVCSELから出射する全体の照明用レーザL2は、照明用光源部5に設けられるVCSELの数に応じた分散を有しており、単一のレーザ素子から出射するレーザ光と比較して、コヒーレンス(可干渉性)が低い。なお、照明用光源部5は、VCSELを用いる構成に限定されない。例えば、照明用光源部5は、VCSEL以外のレーザ素子(例、端面発光型レーザ)でもよいし、LEDなどの発光素子でもよく、キセノンランプなどのランプ光源でもよい。
【0020】
加工ヘッド2には、照明光学系25が設けられ、照明光学系25は、照明用光源部5で発生した照明用レーザL2によりワークWを照明する(照明用レーザL2を、ワークWに向けて案内することにより、ノズル11の内側を通してワークWに照射する)。照明光学系25は、コリメータ26、ハーフミラー27、ビームスプリッタ18、及び集光レンズ19を備える。ここでは、照明光学系25は、ビームスプリッタ18および集光レンズ19が照射光学系15と共用であり、集光レンズ19を介して落射照明する。照明光学系25の光出射側の光軸(集光レンズ19の光軸19a)は、照射光学系15の出射側の光軸(集光レンズ19の光軸19a)と同軸であり、照明用レーザL2は、加工用レーザL1と同じ光路を通ってワークWに照射される。
【0021】
コリメータ26は、照明用光源部5から照明用レーザL2が入射する位置に配置される。コリメータ26は、照明用光源部5からの照明用レーザL2を平行光に変換するか、もしくは平行光に近づける。照明光学系25の焦点をワークの対象位置に合わせる場合、コリメータ26は、例えば、その物体側(照明光の入射側、照明側)の焦点が照明用光源部5の位置と一致するように配置される。
【0022】
ハーフミラー27は、コリメータ26を通った照明用レーザL2が入射する位置に配置される。ハーフミラー27は、照明用レーザL2の一部が反射し、一部が透過する特性を有する反射透過部材である。ハーフミラー27は、例えば、照明用レーザL2のうち透過光の比率が約50%となり、反射光が約50%となるように、設定される。ハーフミラー27は、コリメータ26の光軸26aに対して、約45°の角度で傾斜している。ハーフミラー27は、+Z側に向かうにつれて−X側に向かうように傾いている。
【0023】
コリメータ26を通った照明用レーザL2の一部は、ハーフミラー27で反射して光路がX方向からZ方向(−Z側)へ約90°折れ曲がり、ビームスプリッタ18に入射する。上述のようにハーフミラー27は、集光レンズ19の光軸に対して所定の向きに傾いており、ビームスプリッタ18(波長選択ミラー)は、集光レンズ19の光軸に対して上記の所定の向き(ハーフミラー27が傾く向き)と反対の向きに傾いている。ビームスプリッタ18およびハーフミラー27を透過する光は、ビームスプリッタ18での屈折により光路がシフトし、ハーフミラー27での屈折により光路がシフトする。ビームスプリッタ18およびハーフミラー27とで光軸19aに対して傾く向きが反対である場合、ハーフミラー27での光路のシフトによって、ビームスプリッタ18での光路のシフトの少なくとも一部を相殺することができる。
【0024】
集光レンズ19は、ビームスプリッタ18から照明用レーザL2が入射する位置に配置される。集光レンズ19は、ビームスプリッタ18からの加工用レーザL1を集光する。ワークW上において照明用レーザL2が照明する照明領域は、例えば、ワークW上において加工用レーザL1が照射される照射領域を含むように、設定される。ワークWの対象位置(例、表面)における照明用レーザL2のスポット径は、照明光学系25の焦点がワークWの対象位置から離れるほど(デフォーカス量が大きいほど)、大きくなる。
【0025】
撮像部6は、撮像光学系31および撮像素子32を備える。撮像部6は、照明用レーザL2の照明によりワークWから放射される光を、撮像光学系31を介して撮像素子32によって検出する。撮像光学系31は、集光レンズ19、ビームスプリッタ18、ハーフミラー27、波長選択ミラー33、及び結像レンズ34を備える。撮像光学系31は、集光レンズ19、ビームスプリッタ18、及びハーフミラー27が照明光学系25と共用であり、撮像部6の撮像画像を用いると照明光学系25と同軸でワークを観察することが可能である。
【0026】
ワークWからの光(以下、戻り光という)は、集光レンズ19を通ってビームスプリッタ18に入射する。戻り光は、例えば、照明用レーザL2のうちワークWで反射散乱した光、及び加工用レーザL1のうちワークWで反射した光を含む。ビームスプリッタ18に入射した戻り光のうち照明用レーザL2に由来する光は、ビームスプリッタ18を通って、ハーフミラー27に入射する。また、ビームスプリッタ18に入射した戻り光のうち加工用レーザL1に由来する光は、ビームスプリッタ18で反射し、ビームスプリッタ18からハーフミラー27に向かう光路から除かれる。
【0027】
なお、加工用レーザL1の照射によってワークWが溶融した溶融金属がワークWの表面などに存在する場合、戻り光は、溶融金属から放射される赤色から近赤外の波長帯の光を含む。また、加工用レーザL1の照射によってワークWが燃焼(酸化)し、溶融及び蒸発に伴いプラズマが生じた場合には、戻り光は、青色から紫外の波長帯の光を含む。溶融金属あるいはプラズマに起因する光のうち、加工用レーザL1と異なる波長の光は、ビームスプリッタ18を通って、ハーフミラー27に入射する。
【0028】
ハーフミラー27に入射した戻り光は、その一部がハーフミラー27を通って波長選択ミラー33に入射し、その一部がハーフミラー27で反射する。波長選択ミラー33は、照明用レーザL2の照明によりワークWで放射する第1の光、及び加工用レーザL1の照射によりワークWから放射される第2の光とのうちいずれか一方の光が反射する波長帯域である反射帯域と、第1の光及び第2の光のうちいずれか他方の光が透過する波長帯域である透過帯域と、が設定される光学部材である。
【0029】
図2は、波長選択ミラー33の特性を示す図である。
図2において、横軸は波長であり、縦軸は、波長選択ミラー33の各波長に対する透過率である。各波長において、透過率が低いほど反射率が高く、波長選択ミラー33の吸収率を無視すると、透過率が100%の場合に反射率は0%であり、透過率が0%の場合に反射率は100%である。波長選択ミラー33の反射帯域R1は、例えば、照明用レーザL2の波長に対する光強度の分布において極大となる波長(極大波長)を含む狭帯域に設定される。波長選択ミラー33の透過帯域R2は、上述した溶融金属に起因する光とプラズマに起因する光の少なくとも一方の光の波長帯を含む。反射帯域R1は、例えば、透過帯域R2よりも狭帯域に設定される。透過帯域R2は、反射帯域R1の下限よりも短波長側の波長帯R3、および反射帯域R1の上限よりも長波長側の波長帯R4を含む。ここで、溶融金属に起因する光の波長帯は、例えば、赤色から赤外線までの広い波長帯域であり、R1、R3、及びR4にかけて広く分布している。また、プラズマに起因する光の波長帯は、例えば、紫外線から青色までの波長帯域であり、R3に分布している。加工用レーザL1の波長帯域は、波長帯R4に含まれているが、波長選択ミラー18でそのほとんどが反射するため、波長選択ミラー33に到達しない。
【0030】
図1の説明に戻り、波長選択ミラー33は、例えばノッチフィルタであるが、ダイクロイックミラーなどでもよい。ここでは、波長選択ミラー33は、照明用レーザL2の波長帯の光が反射し、その他の波長帯の光が透過する特性を有する。戻り光のうち、照明用レーザL2に由来する光は、波長選択ミラー33で反射し、結像レンズ34に入射する。結像レンズ34は、波長選択ミラー33で反射した光を撮像素子32に集光する。結像レンズ34および集光レンズ19は、ワークWの像を撮像素子32に投影する。
【0031】
撮像素子32は、例えばCCDあるいはCMOSのイメージセンサが用いられ、撮像光学系31が形成した像を撮像する。撮像素子32には二次元的に配列された複数の画素が設けられ、各画素にはフォトダイオードなどの受光素子が設けられる。撮像素子32は、受光素子に光が入射することにより各画素に発生する電荷(信号)を順に読出し、この信号を増幅、A/D変換して画像形式に配列することで、撮像画像のデジタルデータ(以下、撮像画像データという)を生成する。撮像素子32は、生成した撮像画像データを画像処理部8に出力する。
【0032】
ここでは、撮像素子32は、アライメント装置35に保持されており、アライメント装置35によって撮像光学系31に対する位置を調整可能である。例えば、結像レンズ34の光軸34aと平行な方向(X方向)において撮像光学系31の焦点(像面の位置)が撮像素子からずれた場合、アライメント装置35によって撮像素子32を移動させることで、撮像素子32の位置を撮像光学系31の焦点に合わせることができる。
【0033】
画像処理部8は、撮像素子32と有線または無線によって通信可能に接続される。画像処理部8は、撮像素子32の撮像結果(撮像画像データ)を処理する。ここでは、画像処理部8は、撮像素子32の制御部を兼ねている。画像処理部8は、制御部9と有線または無線によって通信可能に接続され、制御部9から撮像を実行する旨の指令を受け取る。画像処理部8は、制御部9からの指令に応じて、撮像素子32に撮像を実行させる。また、画像処理部8は、撮像素子32から撮像画像データを取得し、撮像画像データを用いた画像処理によって加工状態に関する情報を生成する。例えば、画像処理部8は、加工用レーザL1を用いた切断加工におけるカーフ幅を検出し、その検出結果を加工状態に関する情報として制御部9に供給する。画像処理部8は、例えば、カーフ幅を検出する際に、撮像素子32が撮像した画像を二値化し、レーザ加工による切断溝のエッジに相当するエッジの位置を検出した後、画像上のエッジ間の距離(例、ピクセル単位)を実スケールの距離(例、mm単位)に変換する。
【0034】
図3は、本実施形態に係る照明用光源部5および照明光学系25の一部を示す図である。
図3(A)には、照明用光源部5が照明光学系25の照明側焦点F1(物体側の焦点)から外れた位置に配置された状態を示し、
図3(B)には、照明用光源部5が照明光学系25の照明側焦点F1の位置に配置された状態を示した。コリメータ26は、筒状のケース41(鏡筒)に固定されており、照明用光源部5は、ケース41に対してスライド可能に設けられている。以下、詳しく説明する。
【0035】
本実施形態において、照明用光源部5およびその駆動部42(ドライバ)は、放熱部材43に取り付けられている。放熱部材43は、駆動部42と照明用光源部5とにそれぞれ接触している。放熱部材43は、例えば、アルミニウム、銅などのように熱伝導率が高く、熱容量が小さい材質からなる。放熱部材43は、本体部44、収容部45、及びフィン46を備える。本体部44、収容部45、及びフィン46は、鋳造などによって一体成型されたものでもよいし、溶接などで互いに接合されて分解不能に一体化されたものでもよく、ボルトなどで互いに接合されて分解可能に一体化されたものでもよい。
【0036】
本体部44は、回転体形状、柱状あるいは板状であり、一方の面44a、その反対を向く面44bとを有する。照明用光源部5は、面44aにマウントされており、本体部44と接触している。駆動部42は、レーザドライバIC42aとプリント基板42bと不図示の電子部品等から構成される。レーザドライバIC42aは、照明用光源部5を例えば定電流パルス駆動するためのICであり、プリント基板42b上に実装されており、本体部44(面44b)と接触している。駆動部42(プリント基板42b)は、押圧部材47によって本体部44に向かって押しつけられており、押圧部材47は、固定部材48によって本体部44と固定されている。このように、駆動部42と照明用光源部5とは、例えば、放熱部材43の本体部44を挟むように配置される。なお、照明用光源部5と面44aとの間、及び、駆動部42と面44bとの間の少なくとも一部に隙間ができないように、熱伝導性のペーストを塗布してもよく、放熱シートを挟んでもよい。
【0037】
本体部44には、面44aと面44bとに通じる貫通孔44cが形成されており、駆動部42と照明用光源部5とは、放熱部材43の本体部44の内部(貫通孔44c)を経由する配線49によって電気的に接続される。駆動部42は、画像処理部8(
図1参照)によって制御され、照明用光源部5に対して配線49を介して電力(電流)を供給することで、照明用光源部5を駆動する。加工ヘッド2に対してワークWは相対的に高速で移動しているため、加工状態を高精度に把握するためには、短時間の露光で撮影することが望ましい。このため、照明用光源部5を大電流でパルス駆動することが要求される。上記の構成により、配線49を最短経路にできるので、抵抗成分や誘導負荷成分が小さくなり、レーザドライバIC42aによる照明用光源部5の駆動電流の立ち上がり特性が俊敏になるため、大電流のパルス駆動に対して良好な性能を得ることができる。また、収容部45は、本体部44の面44b側の端部を囲む枠状(環状)の部分である。駆動部42は収容部45の内側に配置され、収容部45は、駆動部42の収容ケースを兼ねている。フィン46は、収容部45の外周面から放射状に複数設けられ、放熱部材43の表面積を増加させることで放熱性を高める。放熱部材43は、例えば自然空冷であるが、ファンモータを設けて、強制空冷しても良い。又は、放熱部材43は、水冷などのように熱媒体を介して放熱するものでもよい。
【0038】
本体部44は、面44aをコリメータ26に向けた姿勢で、ケース41の内側に挿入されている。本体部44は、取付部材51によって、ケース41に取り付けられている。ケース41には、コリメータ26の光軸26aと平行な方向(X方向)に延びるスリット52が形成されており、取付部材51は、スリット52の内側を通して本体部44と固定されている。また、取付部材51の端部(頭部)は、スリット52の幅よりも大きく、コリメータ26の光軸26aと交差する方向(Y方向、Z方向)においてケース41に対する本体部44のガタつきを抑制する。放熱部材43は、X方向の力が加わることで、取付部材51がスリット52の内側を移動する。放熱部材43の可動範囲は、スリット52のサイズにより規定される。
【0039】
例えば、
図3(A)において、取付部材51は、スリット52の+X側の端に接している。この状態において、照明用光源部5において照明用レーザL2が出射する位置P1と、コリメータ26の照明側焦点F1との距離(デフォーカス量)が最大になる。また、
図3(B)において、照明用光源部5は
図3(A)よりも−X側に移動しており、取付部材51は、スリット52の−X側の端に接している。この状態において、照明用光源部5において照明用レーザL2が出射する位置P1と、コリメータ26の照明側焦点F1とがほぼ同じ位置になり、デフォーカス量が最小になる。このように、照明用光源部5は、例えば、照明光学系25のワーク側焦点(像側の焦点、光出射側の焦点)と光学的に共役な位置(照明側焦点F1)との相対的な位置関係が可変なように取り付けられる。ここでは、照明用光源部5をコリメータ26に対して移動可能にすることで、照明用光源部5と照明側焦点F1との相対的な位置関係を可変にしている。なお、コリメータ26を照明用光源部5に対して移動可能にしてもよい。また、コリメータ26と照明用光源部5との相対位置が固定されていてもよい。
【0040】
図1の説明に戻り、画像処理部8は、照明用光源部5の制御部を兼ねている。画像処理部8は、照明用光源部5の駆動部42と有線または無線によって通信可能に接続される。画像処理部8は、撮像素子32が撮像を実行するタイミングと同期して照明用光源部5から照明用レーザL2が照明するように、照明用光源部5にレーザ発振を行わせる指令を照明用光源部5の駆動部42に供給する。例えば、照明用光源部5はパルス駆動され、画像処理部8は、各パルスの立ち上がりから立下りまでの期間(1つのパルス幅の期間)の少なくとも一部が、撮像素子32が電荷を蓄積する期間(電荷蓄積期間)と重複するように、撮像素子32に撮像を実行させる。1つのパルス幅の期間は、電荷蓄積期間と同じ長さでもよいし、電荷蓄積期間よりも短くてもよく、電荷蓄積期間よりも長くてもよい。なお、画像処理部8は、撮像素子32と照明用光源部5との少なくとも一方を制御しなくてもよく、例えば、制御部9は、画像処理部8の代わりに撮像素子32と照明用光源部5との少なくとも一方を制御してもよい。
【0041】
光量センサ7は、戻り光のうち照明用レーザL2に由来する光以外の光を検出する。光量センサ7は、撮像素子32へ向かう光に対して波長選択ミラー33によって分離された光を検出する。ここでは、波長選択ミラー33で反射した光が撮像素子32へ向かい、光量センサ7は、波長選択ミラー33を透過した光を検出する。光量センサ7は、例えば、フォトダイオードなどの受光素子と、受光素子の出力信号(検出結果)を処理する処理部とを備える。光量センサ7と波長選択ミラー33との間にはレンズ55が設けられ、レンズ55は、波長選択ミラー33を通った光を光量センサ7の受光素子に集光する。光量センサ7の処理部は、例えば、受光素子の出力信号をA/D変換した後、移動平均処理、閾値判定処理などを行い、ワークWの加工異常検出(加工異常判定)に関する情報を生成する。例えば、光量センサ7の処理部は、受光素子による検出値と閾値とを比較し、加工状態に関する情報として、溶融金属のワークW上へ流出過多の有無、あるいは異常燃焼の発生の有無など異常を示す情報(以下、異常発生情報という)を生成する。光量センサ7は、例えば、生成した異常発生情報を制御部9に出力する。なお、光量センサ7は、上述の構成に限定されず、例えば撮像素子32のようなイメージセンサを含んでもよい。
【0042】
次に、上述のレーザ加工機1の構成に基づき、実施形態に係るレーザ加工方法について説明する。
図4は、制御部9および画像処理部8の動作を示すシーケンス図である。制御部9は、ステップS1において加工準備(前処理)を行う。例えば、制御部9は、ワークWをロードさせ、アシストガスの準備を行う。制御部9は、ステップS2において、測定の開始指令を画像処理部8に送信する。画像処理部8は、ステップS3において、開始チェックに開始指令を反映させる。開始チェックは、例えば、開始指令を受けたか否かを示すフラグである。例えば、開始チェックのフラグは、開始指令を受けていない状態で「0」であり、ステップS2の開始指令が受信されることで、開始指令を受けた状態を表す「1」に切り替わる。
【0043】
制御部9は、ステップS4において加工を開始させる。例えば、制御部9は、アシストガスの噴射を開始させ、また、レーザ発振器4から加工用レーザL1を出力させることで、照射光学系15からワークWに加工用レーザL1を照射させる。また、制御部9は、ヘッド駆動部3によって加工ヘッド2を移動させ、ワークWにおいて加工用レーザL1が照射される位置を制御する。
【0044】
画像処理部8は、ステップS5において、測定を開始するか否かを判定する。例えば、画像処理部8は、ステップS3の開始チェックのフラグが開始指令を受けていない状態であることを示す場合に測定を開始しないと判定(ステップS5;No)し、ステップS3の処理へ戻る。画像処理部8は、ステップS3の開始チェックのフラグが開始指令を受けた状態であることを示す場合に測定を開始すると判定する(ステップS5;Yes)。すなわち、画像処理部8は、制御部9から測定の開始指令を受けるまで、ステップS5の処理を繰り返し行い、待機する。
【0045】
画像処理部8は、測定を開始すると判定した場合(ステップS5;Yes)、画像処理部8は、ステップS6において、照明用光源部5を照明可能な状態に準備させる。画像処理部8は、ステップS7において、撮像部6を初期化する。例えば、画像処理部8は、ステップS7において、撮像部6のシャッタ速度などの撮像条件を設定し、撮像部6を撮像可能な状態に準備させる。
【0046】
制御部9は、ステップS8において、モード指定を画像処理部8に供給する。モード指令は、加工状態を測定するモードを指定する指令である。ここでは、測定のモードが2種類であるものとし、1つの測定のモードがカーフ幅を測定するモード(以下、カーフ幅測定モードという)であり、もう1つの測定のモードが他の項目の測定を行うモード(以下、他の測定モードという)であるものとして説明する。なお、測定のモードは、1種類でもよいし、3種類以上でもよい。
【0047】
ステップS9において、画像処理部8は、モード指令により指定されている測定のモードをチェックし、ステップS10において、画像処理部8は、いずれの測定のモードを実行するかを判定する。例えば、画像処理部8は、モードチェックに表された測定のモードがカーフ測定モードであるか否かを判定する。画像処理部8は、制御部9から指定された測定のモードがカーフ測定モードである場合にカーフ測定モードを実行すると判定し(ステップS10;Yes)、モードチェックに表された測定のモードがカーフ測定モードでない場合に他の測定モードを実行すると判定する(ステップS10;No)。
【0048】
画像処理部8は、カーフ測定モードを実行すると判定した場合(ステップS10;Yes)、ステップS11において、カーフ測定モードを実行する。ステップS11におけるステップS12において、画像処理部8は、ワークWの画像を取得させる。例えば、画像処理部8は、撮像素子32に撮像を実行させる指令を送信し、撮像素子32から撮像画像データを取得する。画像処理部8は、ステップS12において、照明用光源部5を発光させる旨の制御信号を駆動部42に供給する。駆動部42は、上記制御信号が有効な期間のみ照明用光源部5の定電流駆動することで照明光(レーザ光)を発生させる。S13において、画像処理部8は、カーフ幅を測定する。例えば、画像処理部8は、撮像素子32から取得した撮像画像データを用いた画像処理によって、カーフ幅を測定する。ステップS14において、画像処理部8は、ステップS13において測定したカーフ幅の測定値を出力する。例えば、画像処理部8は、カーフ幅の測定値を制御部9に送信し、制御部9は、ステップS16においてカーフ幅の測定値を画像処理部8から取得する。制御部9は、例えば、画像処理部8から取得した加工状態の情報(例、カーフ幅の測定値)を、加工中のワークWの加工位置を示す情報と関連付けて、記憶部10に記憶させる。加工位置を示す情報は、例えば、加工ヘッドのXY2軸平面上の座標値、又はXYZの3軸空間上の座標値である。また、ワーク又はワークを支持するテーブルの任意の箇所(端部等)を原点としても良い。なお、画像処理部8は、測定結果を出力しなくてもく、例えば、記憶部10あるいは他の記憶部に測定結果を記憶させてもよい。また、画像処理部8は、他の測定モードが指定された場合、ステップS17において他の測定モードを実行する。
【0049】
制御部9は、ステップS18において、加工を終了するか否かを判定する。例えば、制御部9は、数値制御プログラムに定められた全ての工程が終了した場合に、加工を終了すると判定し(ステップS18;Yes)、数値制御プログラムに定められた工程の一部が終了していない場合に、加工を終了しないと判定する(ステップS18;No)。制御部9は、加工を終了しないと判定した場合(ステップS18;No)、残りの工程を実行させ、またステップS16に戻る。制御部9は、加工を終了すると判定した場合(ステップS18;Yes)、ステップS19において画像処理部8に終了指令を送信する。画像処理部8は、ステップS20において、終了チェックに終了指令を反映させる。終了チェックは、例えば、終了指令を受けたか否かを示すフラグである。例えば、終了チェックのフラグは、終了指令を受けていない状態で「1」であり、ステップS19の終了指令が受信されることで、終了指令を受けた状態を表す「0」に切り替わる。
【0050】
画像処理部8は、ステップS21において、測定を終了するか否かを判定する。例えば、画像処理部8は、ステップS20の終了チェックのフラグが終了指令を受けていない状態であることを示す場合に測定を終了しないと判定(ステップS21;No)し、ステップS10に戻り(図中「A」で表す)、ステップS10以降の処理を繰り返し行う。画像処理部8は、ステップS20の終了チェックのフラグが終了指令を受けた状態であることを示す場合に測定を終了すると判定(ステップS21;Yes)し、ステップS22において撮像部6を終了(例、シャットダウン)させる。また、画像処理部8は、ステップS23において、照明を消灯させる。例えば、画像処理部8は、照明用光源部5を停止させる指令を駆動部42に送信する。制御部9は、ステップS24において加工を終了する。
【0051】
図5は、制御部9および光量センサ7の動作を示すシーケンス図である。
図5に示す処理は、例えば、その少なくとも一部が
図4の処理と並行して行われる。
図5の処理において、
図4の処理と同様の処理については、その説明を適宜簡略化する。制御部9は、ステップS31において加工準備(前処理)を行う。ステップS31の処理は、
図4のステップS1の処理である。また、光量センサ7は、ステップS32において各種初期化を行う。制御部9は、ステップS33において、開始指令を光量センサ7に送信する。光量センサ7は、ステップS34おいて、開始チェックに開始指令を反映させる。開始チェックは、例えば、画像処理部8の処理(
図4のステップS3)と同様である。制御部9は、ステップS35において加工を開始させる。ステップS35の処理は、
図4のステップS4の処理である。
【0052】
光量センサ7は、ステップS36において、測定を開始するか否かを判定する。ステップS36の処理は、
図4のステップS5の処理と同様である。光量センサ7は、測定を開始しないと判定した場合(ステップS36;No)、ステップS34の処理へ戻る。光量センサ7は、測定を開始すると判定した場合(ステップS5;Yes)ステップS37において、受光素子によって光量を測定する。光量センサ7は、ステップS38において、ステップS37の測定による測定値を演算する。光量センサ7は、ステップS39において、加工異常があるか否かを判定する。例えば、光量センサ7は、ステップS38において、光量センサ7の受光素子の出力を一定期間ごとにサンプリングし、サンプリングした値を移動平均する。また、光量センサ7は、S38の移動平均値がが閾値以上である場合に加工異常があると判定し(ステップS39;Yes)、移動平均値が閾値未満である場合に加工異常がないと判定する(ステップS39;No)。
【0053】
光量センサ7は、加工異常があると判定した場合(ステップS39;Yes)、ステップS40に加工異常を検出した旨の出力を制御部9に送信する。制御部9は、ステップS41において、加工異常出力を異常チェックに反映させる。異常チェックは、例えば、加工異常出力があったか否かを示すフラグである。異常チェックのフラグは、例えば加工異常出力がない場合に「0」で表され、加工異常出力があった場合に「1」で表される。制御部9は、ステップS42において加工異常があるか否かを判定する。例えば、制御部9は、異常チェックのフラグが「0」である場合に加工異常がないと判定し(ステップS42;No)、異常チェックのフラグが「1」である場合に加工異常があると判定する(ステップS42;Yes)。
【0054】
制御部9は、加工異常があると判定した場合(ステップS42;Yes)、ステップS43において割込処理を起動する。制御部9は、ステップS44において、割込処理として例えば加工を終了させる処理を行う。制御部9は、ステップS45において、割込処理を終了し、一連の処理を終了する。なお、割込処理は、加工を終了させる処理でなくてもよく、例えば、異常をオペレータに報知する処理、異常のログを残す処理でもよい。制御部9は、加工異常がないと判定した場合(ステップS42;No)、ステップS46において加工を終了するか否かを判定する。ステップS46の処理は、
図4のステップS18の処理である。制御部9は、加工を終了しないと判定した場合(ステップS46;No)、ステップS41に戻り、以降の処理を繰り返し行う。制御部9は、加工を終了すると判定した場合(ステップS46;Yes)、ステップS47において、光量センサ7に終了指令を送信する。ステップS48において、制御部9は、加工を終了させ、一連の処理を終了する。
【0055】
光量センサ7は、加工異常があると判定した場合(ステップS39;Yes)、異常発生を表す信号(不図示)を有効にする。制御部9は、ステップS45の割込処理を終了する際に、光量センサ7に異常発生を表す信号を無効にする指令(不図示)を送信し、またステップS47と同様に終了指令を光量センサ7に送信する。光量センサ7は、ステップS49において、異常発生を表す信号を無効にする指令を受信していない場合に異常がクリアされていないと判定し(ステップS49;No)、ステップS49の処理を繰り返し行う。
【0056】
光量センサ7は、異常発生を表す信号を無効にする指令を受信した場合に異常がクリアされたと判定し(ステップS49;Yes)、ステップS51において、測定を終了するか否かを判定する。ステップS50の終了チェックは、
図4のステップS20と同様である。例えば、ステップS50の終了チェックは、制御部9から終了指令を受信したか否かを示すフラグであり、終了指令を受信した場合に「0」であり、終了指令を受信していない場合に「1」である。光量センサ7は、終了チェックが「1」である場合に測定を終了しないと判定し(ステップS51;No)、ステップS37に戻り(図中「B」で示す)、以降の処理を繰り返し行う。光量センサ7は、終了チェックが「0」である場合に測定を終了すると判定し(ステップS51;Yes)、一連の処理を終了する。
【0057】
なお、波長選択ミラー33は、照明用レーザL2の波長帯(第1波長帯)の光が透過し、その他の波長帯(第2波長帯)の光が反射する特性を有するものでもよい。この場合、撮像素子32は、波長選択ミラー33の透過側に配置され、光量センサ7は、波長選択ミラー33の反射側に配置される。
【0058】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図6は、本実施形態に係るレーザ加工機1Bを示す図である。
【0059】
本実施形態において、レーザ加工機1Bは、加工用レーザL1をワークWに照射するレーザ発振器4および照射光学系15(照射部)と、照明用レーザL2によりワークWを照明する照明用光源部5および照明光学系25(照明部)と、照明用レーザL2の照明によりワークWから放射される第1波長帯の光が反射する波長選択ミラー33(光学部材)と、波長選択ミラー33で反射した第1波長帯の光を検出することでワークWを撮像する撮像部と、を備える。波長選択ミラー33は、第1実施形態と同様である。波長選択ミラー33は、反射帯域R1が透過帯域R2(非反射帯域)よりも狭い。透過帯域R2の光は、波長選択ミラー33を透過することによって、波長選択ミラー33から撮像素子32へ向かう光路から外れる。すなわち、波長選択ミラー33は、反射帯域R1と異なる透過帯域R2の光が撮像部(撮像素子32)へ向かうことを抑制する。
図6において、波長選択ミラー33を透過した光は、光吸収部材70に入射する。光吸収部材70は、波長選択ミラー33を透過した光を吸収し、迷光となることを抑制する。
【0060】
このようなレーザ加工機1Bは、波長選択ミラー33の反射帯域R1が透過帯域R2(非反射帯域)よりも狭帯域であり、波長選択ミラー33で反射した光を撮像部6によって検出するので、撮像画像において透過帯域R2の光の悪影響(ノイズ)を低減することができ、加工状態を高精度に検出することができる。なお、レーザ加工機1Bは、光吸収部材70を備えなくてもよく、例えば、波長選択ミラー33を透過した光の少なくとも一部が加工ヘッド2の内壁に吸収されてもよい。なお、第2実施形態においては、波長選択ミラー33の透過帯域R2を、光を吸収する吸収帯に置き換えてもよい。
【0061】
上述の実施形態において、制御部9は、例えばコンピュータシステムを含む。制御部9は、記憶部10に記憶されている制御プログラムを読み出し、この制御プログラムに従って各種の処理を実行する。この制御プログラムは、例えば、コンピュータに、加工用レーザを発生させて加工用レーザをワークに照射させる制御と、照明光を発生させて照明光によりワークを照明させる制御と、照明光の照明によりワークで反射する第1の光、及び加工用レーザの照射によりワークから放射される第2の光のうちいずれか一方の光が反射する波長帯域である反射帯域と、第1の光及び第2の光のうちいずれか他方の光が透過する波長帯域である透過帯域と、が設定される光学部材を経由した第1の光を検出させることでワークを撮像する制御と、光学部材を経由した第2の光を検出させる制御と、を実行させる。この制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。
【0062】
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
【0063】
なお、上述の実施形態において、照明光学系25は、撮像光学系31と同軸で照明用レーザL2により照明するが、例えば、撮像光学系31の光軸(集光レンズ19の光軸19a)に対して、斜方から照明用レーザL2により照明してもよい。
【0064】
なお、上述の実施形態において、レーザ加工機1は切断加工を行うが、レーザ加工として溶接を行うもの、マーキング加工を行うもの、切断加工およびマーキング加工を行うものに適用することもできる。また、レーザ加工機1は、レーザ加工およびパンチ加工を行う複合機の一部であってもよい。