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特開2017-190080シート掛け用治具およびシートを掛ける方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-190080(P2017-190080A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】シート掛け用治具およびシートを掛ける方法
(51)【国際特許分類】
   B60P 7/04 20060101AFI20170922BHJP
【FI】
   B60P7/04 Z
   B60P7/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-81346(P2016-81346)
(22)【出願日】2016年4月14日
(71)【出願人】
【識別番号】516112680
【氏名又は名称】株式会社UACJ物流
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(72)【発明者】
【氏名】西 利雄
(72)【発明者】
【氏名】石川 裕治
(57)【要約】
【課題】被覆対象物にシートを掛ける作業を効率的に行うことができるシート掛け用治具およびシートを掛ける方法を提供する。
【解決手段】シート掛け用治具は、シート格納部10と、ガイド20と、取付部30と、を備える。シート格納部10は、上面が開放された箱状の形状を有し、帯状のシートを格納する。ガイド20は、シート格納部10の縁部に配置され、シート格納部10に格納された帯状のシートが引き出されるとき、帯状のシートを案内する。取付部30は、シート格納部10に配置され、シート格納部10を吊り上げる吊り上げ装置に取り付ける。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開放された箱状の形状を有し、帯状のシートを格納するシート格納部と、
前記シート格納部の縁部に配置され、前記シート格納部に格納された前記帯状のシートが引き出されるとき、前記帯状のシートを案内するガイドと、
前記シート格納部に配置され、前記シート格納部を吊り上げる吊り上げ装置に取り付ける取付部と、
を備えることを特徴とするシート掛け用治具。
【請求項2】
前記シート格納部は、上部が開放された半円筒の形状を有するシート受け部を下部に有し、
前記半円筒の軸は、前記帯状のシートが引き出される方向に直交する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート掛け用治具。
【請求項3】
前記ガイドは、引き出される前記帯状のシートの動きに伴って回転するローラを有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシート掛け用治具。
【請求項4】
前記シート格納部は、ロール状に巻かれた前記帯状のシートを載せる複数のローラを内壁に有し、
前記ローラは、この前記帯状のシートの回転に伴って回転する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のシート掛け用治具。
【請求項5】
前記ガイドの中央部は、両側部分より低く形成されている、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のシート掛け用治具。
【請求項6】
引き出される方向に向かって、前記シート格納部の底の中央部は、左右部分より低く形成されている、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のシート掛け用治具。
【請求項7】
前記シート格納部は、前記帯状のシートを巻き取るシート巻き取り部を有する、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のシート掛け用治具。
【請求項8】
前記シート格納部の下に液体を受けるパンを備える、
ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のシート掛け用治具。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載のシート掛け用治具を用いて被覆対象物にシートを掛ける方法であって、
前記被覆対象物の上方に前記シート掛け用治具をつり下げて、前記シート格納部に格納された前記帯状のシートの端を、前記ガイドからたらして、前記被覆対象物の一端に固定する固定工程と、
前記シート掛け用治具をつり下げた状態のまま、前記被覆対象物の上方を前記被覆対象物の他端まで移動させ、前記被覆対象物に前記シートを掛けるシート掛け工程と、
を備えることを特徴とするシートを掛ける方法。
【請求項10】
前記帯状のシートの端が固定される前記被覆対象物の一端は、積み荷が積載された車両の荷台の一端である、
ことを特徴とする請求項9に記載のシートを掛ける方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート掛け用治具およびシートを掛ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷台に積載された積み荷(被覆対象物)にシートを掛ける作業は、一般的に、作業者が荷台や積み荷の上によじ昇り、シートで積み荷全体を覆い、位置を調整した後、シートの縁をトラックの荷台に繋ぎ止めることにより行われる。
【0003】
特許文献1には、作業の安全性の観点から、作業者が荷台や積み荷の上に人がよじ昇らずにシートを掛けることができるシート掛け用治具が開示されている。特許文献1に記載のシート掛け用治具は、トラックの荷台の後方に荷台の幅にわたって架設され、積み荷を覆うシートを案内するドラムと、このドラムを積み荷の高さを超える位置に軸支する支柱フレームと、別設のクレーンでシートの縁端部を吊り下げ可能な吊り具を装着した吊りビームと、からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−144573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のシート掛け用治具を常設すると、広いスペースを必要とするので、作業者は、このシート掛け用治具を使用する前には、ドラムと支柱フレームとを組み立てたり、使用した後には、ドラムと支柱フレームとに分解して片付けたりしなければならない。このため、このシート掛け用治具を使用する前後で、ドラムや支柱フレームを組み立てる作業及び分解する作業をしなければならず、結果として、被覆対象物にシートを掛ける作業が、全体として煩雑になるおそれがある。
【0006】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、被覆対象物にシートを掛ける作業を効率的に行うことができるシート掛け用治具およびシートを掛ける方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るシート掛け用治具は、
上面が開放された箱状の形状を有し、帯状のシートを格納するシート格納部と、
前記シート格納部の縁部に配置され、前記シート格納部に格納された前記帯状のシートが引き出されるとき、前記帯状のシートを案内するガイドと、
前記シート格納部に配置され、前記シート格納部を吊り上げる吊り上げ装置に取り付ける取付部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
前記シート格納部は、上部が開放された半円筒の形状を有するシート受け部を下部に有し、
前記半円筒の軸は、前記帯状のシートが引き出される方向に直交するとよい。
【0009】
前記ガイドは、引き出される前記帯状のシートの動きに伴って回転するローラを有するとよい。
【0010】
前記シート格納部は、ロール状に巻かれた前記帯状のシートを載せる複数のローラを内壁に有し、
前記ローラは、この前記帯状のシートの回転に伴って回転するとよい。
【0011】
前記ガイドの中央部は、両側部分より低く形成されているとよい。
【0012】
引き出される方向に向かって、前記シート格納部の底の中央部は、左右部分より低く形成されているとよい。
【0013】
前記シート格納部は、前記帯状のシートを巻き取るシート巻き取り部を有するとよい。
【0014】
前記シート格納部の下に液体を受けるパンを備えるとよい。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るシートを掛ける方法は、
前記シート掛け用治具を用いて被覆対象物にシートを掛ける方法であって、
前記被覆対象物の上方に前記シート掛け用治具をつり下げて、前記シート格納部に格納された前記帯状のシートの端を、前記ガイドからたらして、前記被覆対象物の一端に固定する固定工程と、
前記シート掛け用治具をつり下げた状態のまま、前記被覆対象物の上方を前記被覆対象物の他端まで移動させ、前記被覆対象物に前記シートを掛けるシート掛け工程と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
前記帯状のシートの端が固定される前記被覆対象物の一端は、積み荷が積載された車両の荷台の一端であるとよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、被覆対象物の上方にシート掛け用治具をつり下げて、シート格納部に格納されたシートの端を、被覆対象物の一端に固定し、シート掛け用治具をつり下げた状態のまま、被覆対象物の上方を被覆対象物の他端まで移動させ、被覆対象物にシートを掛けることができる。そして、シート掛け用治具をつり下げ機器から降ろすことにより、作業を完了できる。このため、被覆対象物にシートを掛ける作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態に係るシート掛け用治具の平面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るシート掛け用治具の正面図である。
図3】本発明の実施の形態に係るシート掛け用治具の内部構造の一部を示す斜視図である。
図4】(A)は、図1のA−A断面図であり、(B)は、図1のB−B断面図である。
図5】本発明の実施の形態に係るシートを掛ける方法を示す側面図である。
図6】本発明の実施の形態に係るシートを掛ける方法を示す側面図である。
図7】本発明の実施の形態に係るシートを掛ける方法を示す側面図である。
図8】本発明の実施の形態に係るシートを掛ける方法を示す側面図である。
図9】本発明の変形例に係るシート掛け用治具の平面図である。
図10図9のC−C断面図である。
図11】本発明の変形例に係るシート掛け用治具の正面図である。
図12】本発明の変形例に係るシート掛け用治具の断面図である。
図13】本発明の変形例に係るシート掛け用治具の断面図である。
図14】本発明の変形例に係るシート掛け用治具の平面図である。
図15図14のD−D断面図である。
図16】本発明の変形例に係るシート掛け用治具の正面図である。
図17】本発明の変形例に係るシート掛け用治具の内部構造の一部を示す斜視図である。
図18】本発明の変形例に係るシート掛け用治具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態のシート掛け用治具について説明する。
【0020】
本実施の形態のシート掛け用治具100は、例えば、トラックなどの車両の荷台に積載された積み荷(被覆対象物)にシートを掛けるために用いられる。シート掛け用治具100は、図1図4に示すように、帯状のシートを格納するシート格納部10と、帯状のシートを案内するガイド20と、シート格納部10を吊り上げる吊り上げ装置に取り付ける取付部30と、を備える。
【0021】
シート格納部10は、棒材が組み合わされて構成された枠体と、枠体に取り付けられたシート受け部14とを有し、ロール状に巻かれた帯状のシートを格納するものである。また、引き出される方向に向かって、シート格納部10の中央部の底11は、図2に示すように、右部の底12および左部の底13より低く形成されている。シート格納部10の下部には、図2に示すように、フォークリフトの爪を差し込む爪挿入穴40が設けられている。これにより、シート格納部10の下部は、フォークリフトによって運搬されるパレットとして機能する。
【0022】
シート受け部14は図4(A)および図4(B)に示すように、ロール状に巻かれた帯状のシートが収まるように、上部が開放された略半円筒の形状に形成されている。詳しくは、シート受け部14は、中央部の底11を含む半円筒部分と、右部の底12を含む半円筒部分と、左部の底13を含む半円筒部分とから構成されている。そして、中央部の底11を含む半円筒部分は、その曲率半径が、右部の底12、左部の底13を含む半円筒部分の曲率半径よりも大きく形成されている。このシート受け部14の半円筒の軸A1は、帯状のシートが引き出される方向に直交する。また、シート受け部14は、ロール状に巻かれた帯状のシートが端から引き出されるとき、摺動して回転しやすいように、金属板などから構成されている。しかしながら、シート受け部14は、金属板に限られず、帯状のシートが引き出しやすい素材であれば、樹脂板や他の素材の板であってもよい。
【0023】
ガイド20は、図4(A)および図4(B)に示すように、シート格納部10の縁部15に配置され、ロール状に巻かれた帯状のシートがシート格納部10から引き出されるとき、帯状のシートを案内するものである。ガイド20は、図1および図2に示すように、ローラユニット21〜23を備える。ローラユニット21〜23は、軸A2を中心とする半円筒の円周に沿って平行に配置された複数のローラから構成される。この軸A2は、シートが引き出される方向に直交する。ローラユニット21〜23のローラは、引き出される帯状のシートの動きに伴って回転するものである。ローラユニット21〜23のローラは、円筒部材と、円筒部材に挿通された軸と、から構成され、円筒部材と軸との間には、ベアリングが配置されている。また、ローラユニット21のローラの軸の端部は、シート格納部10に固定された支持部材24に軸止されている。また、ローラユニット22、23のローラの軸は、ローラユニット21のローラの軸に干渉しないようにずらして支持部材24に軸止されている。
【0024】
また、シート掛け用治具100には、ガイド20を挟んで、サイドガイド25が配置されている。サイドガイド25は、金属板などから構成され、帯状のシートを引き出す際、帯状のシートがガイドから外れることを防止するものである。なお、本実施形態においては、サイドガイド25は、金属板から構成されているが、これに限らず、樹脂板などで構成されていてもよい。
【0025】
取付部30は、シート格納部10の上面の四隅に配置され、シート掛け用治具100を吊り上げる吊り上げ装置に取り付ける部分である。取付部30は、具体的には、フックで引っ掛けることができる穴を有する金属部材から構成される。なお、吊り上げ装置は、シート掛け用治具100をフックで引っ掛けて吊り上げ可能なクレーン、ホイスト等である。しかしながら、吊り上げ装置は、これに限られず、シート掛け用治具100を吊り上げて移動させることができればクレーン、ホイスト以外のものであってもよい。
【0026】
つぎに、本実施の形態のシート掛け用治具100を用いて被覆対象物Rに帯状のシートSを掛けるシートを掛ける方法について図5図8を用いながら説明する。なお、被覆対象物Rは、帯状のシートSで被覆されるものであり、具体的には、トラック(車両)200の荷台210および荷台210に積載された積み荷を含む。
【0027】
シートを掛ける方法は、帯状のシートSをロール状に巻いてシート掛け用治具100に配置するシート配置工程と、シート掛け用治具100を吊り上げる工程、帯状のシートSの端を被覆対象物Rの一端(積み荷を積載したトラック200の荷台210の一端)に固定する固定工程と、帯状のシートSを被覆対象物Rに掛けるシート掛け工程と、シート掛け用治具100を下ろす工程と、を備える。
【0028】
シート配置工程では、帯状のシートSを長手方向に折り目が付くように三つ折りにし、この帯状のシートSをロール状に巻き、ロール状に巻いた帯状のシートSをシート掛け用治具100のシート格納部10に配置する。このとき、ロール状に巻いた帯状のシートSの端をガイド20から垂らしておく。
【0029】
シート掛け用治具100を吊り上げる工程では、取付部30にホイスト300のフックを引っ掛け、ホイスト300でシート掛け用治具100を吊り上げる。
【0030】
固定工程では、図5に示すように、ホイスト300を用いて被覆対象物Rの上方にシート掛け用治具100をつり下げて、ガイド20から垂らしておいた帯状のシートSの端を被覆対象物Rの一端に固定する。具体的には、トラック200の荷台210の一端に固定する。
【0031】
シート掛け工程では、図6および図7に示すように、ホイスト300でシート掛け用治具100をつり下げた状態のまま、被覆対象物Rの上方を被覆対象物Rの他端まで移動させる。このとき、帯状のシートSがシート掛け用治具100から引き出され、この引き出された帯状のシートSが、被覆対象物Rの上に掛けられる。
【0032】
シート掛け用治具100を下ろす工程では、図8に示すように、ホイスト300を操作して、シート掛け用治具100を地面に下ろす。その後、フォークリフトの爪をシート掛け用治具100の爪挿入穴40に差し込み、シート掛け用治具100を所定位置に移動する。
【0033】
シート掛け用治具100を下ろした後、三つ折りにした帯状のシートSを広げて、位置を調整する。帯状のシートSの位置を調整した後、帯状のシートSの縁をトラックの荷台210に固定し、シート掛け作業が完了する。
【0034】
本実施の形態によれば、帯状のシートSをシート掛け用治具100に格納し、ホイスト300で被覆対象物Rの上にシート掛け用治具100をつり下げ、一端から他端まで移動させることで、帯状のシートSを被覆対象物Rに掛けることができる。このため、被覆対象物RにシートSを掛ける作業を効率的に行うことができる。また、作業者が被覆対象物R(トラックの荷台や積み荷の上)によじ昇り、人手によってシートで被覆対象物Rを覆う必要がないため、容易かつ安全にシートを被覆対象物Rに掛けることができる。また、シート掛け用治具100は、ローラユニット21〜23を有するガイド20を備えるため、シート格納部10に格納された帯状のシートSがスムーズに引き出される。また、シート格納部10の中央部の底11は、右部の底12および左部の底13より低く形成されているため、帯状のシートSが引き出される際、帯状のシートSが左右にずれることを防止できる。
【0035】
(変形例)
上述の実施の形態のシート掛け用治具100では、シート格納部10の壁が金属板、樹脂板から構成される場合について説明したが、図9および図10に示すように、シート格納部10の壁に、ロール状に巻かれた帯状のシートSを載せる複数のローラ16を、半円筒の円周に沿って平行に配置してもよい。この場合、帯状のシートSがシート格納部10から引き出される際、ローラ16は、ロール状に巻かれた帯状のシートSの回転に伴って回転する。このため、ロール状に巻かれた帯状のシートSがスムーズに回転し、帯状のシートSがシート格納部10からスムーズに引き出される。なお、ローラ16は、ガイド20のローラユニット21〜23のローラと同様に、円筒部材と円筒部材に挿通された軸とから構成され、円筒部材と軸との間には、ベアリングが配置されている。
また、上述の実施の形態のシート掛け用治具100では、ガイド20が、分割されたローラユニット21〜23を備えていたが、ガイド20は、これらを一体化したローラユニット21を備えていてもよい。このようにすることで、シート掛け用治具100を容易に作製できる。
また、シート格納部10は、ガイド20が配置された部分の反対側におもり50を備えてもよい。このようにすることで、シート掛け用治具100を吊り上げたときバランスをとることができる。
【0036】
また、上述の実施の形態のシート掛け用治具100では、ガイド20の中央部が、両側部分と同じ高さであったが、ガイド20の中央部は、図11に示すように、両側部分より低く形成されていてもよい。このようにすることで、帯状のシートSがシート格納部10から引き出されるときに、左右に蛇行することを防止できる。
【0037】
また、シート格納部10は、図12に示すように、帯状のシートを引き出す方向に見て、左右の壁に放射状に配置されたローラ17を備えてもよい。このようにすることで、ロール状に巻かれた帯状のシートSがスムーズに回転し、帯状のシートSがシート格納部10からスムーズに引き出される。
【0038】
また、上述の実施の形態のシート掛け用治具100では、ガイド20がローラユニット21〜23を備える場合について説明したが、ガイド20は、帯状のシートSを案内するものであれば特に限定されず、例えば、ガイド20は、図13に示すように、半円筒形状に成型された金属板、樹脂板などの板部材19であってもよい。板部材19は、帯状のシートSが摺動しやすいように、鏡面研磨されたステンレス板、表面にテフロン(登録商標)膜を配置した樹脂板などから構成されることが好ましい。
【0039】
また、上述の実施の形態のシート掛け用治具100では、帯状のシートSをロール状に巻いてシート格納部10に格納する場合について説明したが、シート掛け用治具100は、図14および図15に示すように、帯状のシートSを巻き取るシート巻き取り部18をシート格納部10に備えてもよい。シート巻き取り部18は、巻き取り軸と、巻き取り軸の両端に設けられた円形の板と、を有する。シート巻き取り部18の巻き取り軸は、シートを引き出す方向に直角に配置される。このようにすることで、帯状のシートSをシート巻き取り部18に巻き取ってシート格納部10に配置することができ、帯状のシートSをシート格納部10からより引き出しやすくできる。
【0040】
また、上述の実施の形態のシート掛け用治具100では、シート格納部10の中央部の底11が、右部の底12および左部の底13より低く形成されていたが、シート格納部10の中央部の底11は、図16および図17に示す変形例1のように、右部の底12および左部の底13と同じ高さで形成されていてもよい。このようにすることで、シート掛け用治具100を容易に作製できる。また、図16に示すシート掛け用治具100では、ガイド20が分割されたローラユニット21〜23を備えていたが、ガイド20は、図18に示す変形例2のように、一体化したローラユニット21を備えていてもよい。このようにすることで、シート掛け用治具100をより容易に作製できる。
【0041】
また、上述の実施の形態のシートを掛ける方法では、被覆対象物Rがトラック200の荷台210に積載された積み荷である場合について説明したが、被覆対象物Rは、帯状のシートSで被覆できるものであれば特に限定されず、被覆対象物Rは、屋外や屋内に配置された資材等であってもよい。この場合、クレーンで被覆対象物Rの上方にシート掛け用治具100をつり下げて、帯状のシートSを被覆対象物Rの一端に固定し、一端から他端まで移動させることで、帯状のシートSを被覆対象物Rに掛けることができる。なお、被覆対象物Rの一端は、被覆対象物Rの一端付近の固定可能な部位を含む。
【0042】
また、シート格納部10の下に水などの液体を受けるパンを備えてもよい。このようにすることで、シート格納部10から水が漏れた場合でも、シート掛け用治具100から下に水を漏れないようにできる。また、シート格納部10の下にパンを備えることで、シート格納部10内に水が溜まらないように水抜き穴を設けることができる。
【0043】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0044】
10 シート格納部
11 中央部の底
12 右部の底
13 左部の底
14 シート受け部
15 縁部
16、17 ローラ
18 シート巻き取り部
19 板部材
20 ガイド
21、22、23 ローラユニット
24 支持部材
25 サイドガイド
30 取付部
40 爪挿入穴
50 おもり
100 シート掛け用治具
200 トラック
210 荷台
300 ホイスト
A1、A2 軸
R 被覆対象物
S 帯状のシート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18