特開2017-190185(P2017-190185A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-190185(P2017-190185A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】保冷容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/18 20060101AFI20170922BHJP
   B65D 81/38 20060101ALI20170922BHJP
   B65D 77/22 20060101ALI20170922BHJP
【FI】
   B65D81/18 B
   B65D81/38 M
   B65D81/38 Q
   B65D77/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-94130(P2016-94130)
(22)【出願日】2016年4月15日
(71)【出願人】
【識別番号】303062233
【氏名又は名称】東邦工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】北村 正行
(72)【発明者】
【氏名】松原 尚也
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA22
3E067AB26
3E067AB28
3E067AB99
3E067AC01
3E067BA05A
3E067BB11A
3E067BB13A
3E067BB14A
3E067BC06A
3E067EB17
3E067EB22
3E067EC07
3E067EE04
3E067EE11
3E067FA01
3E067FC01
3E067GA02
3E067GD01
3E067GD03
(57)【要約】
【課題】 一升瓶専用の保冷容器として、一升瓶と保冷剤を収納し、携行し易く、保冷容器内から一升瓶を出し入れすることが容易で、一升瓶の取出し時に、一升瓶を不用意に落下し難く、一升瓶が外部からの衝撃を受け難い保冷容器を提供すること。
【解決手段】保冷容器は、一升瓶3と保冷剤4を収納し、保冷容器の携行時に、一升瓶3の開口部3aを上に向けて直立した状態で保持可能であり、保冷容器の取っ手部1bを一升瓶3の開口部3aの上方、かつ、一升瓶3と保冷剤4を収納した保冷容器の重心7の直上に備え、保冷容器は一升瓶3の長手方向に本体部と蓋に分割され、取っ手部1bを備えた面の反対面の保冷容器底部から見た場合に、外箱本体部10と外箱蓋11の分割は一升瓶の重心3bが外箱本体部10側に位置するように保冷容器底部の分割境界1cをもつ。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一升瓶と保冷剤を収納する保冷容器であって、保冷容器の携行時に、一升瓶の開口部を上に向けて直立した状態で保持可能であり、一升瓶の開口部の上方、かつ、一升瓶と保冷剤を収納した保冷容器の重心の直上に取っ手部を備え、保冷容器は一升瓶の長手方向に本体部と蓋に分割され、取っ手部を備えた面の反対面の保冷容器底部から見た場合に、本体部と蓋の分割は一升瓶の重心が本体部側に位置するように分割境界をもつことを特徴とする保冷容器。
【請求項2】
請求項1において、前記保冷容器の取っ手部が本体部側と蓋側に分割されることを特徴とする保冷容器。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記保冷容器の表面に商品説明等のラベルを備えることを特徴とする保冷容器。
【請求項4】
請求項1ないし3において、前記保冷容器は外部からの衝撃に対して、保冷容器内の一升瓶を保護する外装を備えることを特徴とする保冷容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保冷容器に関するものであり、詳しくは、一升瓶の携行に使用する保冷容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記のような保冷容器には、特許文献1に記載されているような、発泡合成樹脂の内箱と未発泡合成樹脂の外箱の容器に取っ手部を備えた汎用の保冷容器がある。該保冷容器内には、一升瓶を横倒しに収納する。
【0003】
また、同様の目的で使用する保冷容器には、特許文献2に記載されているような、取っ手部を有する袋形状の収納内部に断熱機能を付属させた保冷容器がある。
【0004】
以上に述べた従来の保冷容器は、携行時の揺れで、保冷容器内で一升瓶の位置が決定せずに、一升瓶が移動して、保冷容器の重心がずれてしまい、保冷容器全体の揺れが大きくなり、携行性が不安定で、保冷容器の携行時に、保冷容器を周辺物に当ててしまう危険性がある。袋形状の保冷容器は外部からの衝撃に対して弱く、保冷容器が周辺物に衝突したときに一升瓶が破損してしまうことや、一升瓶を保冷容器内から取出す際に、一升瓶の長手方向に取出す場合があり、一升瓶の取出しが容易ではない。
【0005】
また、以上に述べた従来の保冷容器は、保冷容器を開かなければ一升瓶の内容物が確認できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平6−28434号公報
【特許文献2】実開平5−81073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上に述べた問題点を解決するため、一升瓶専用の保冷容器として、一升瓶と保冷剤を収納し、携行し易く、保冷容器内から一升瓶を出し入れすることが容易で、一升瓶の取出し時に、一升瓶を不用意に落下し難く、保冷容器内から一升瓶を取出すことなく一升瓶の商品説明等のラベルが確認可能で、外部からの衝撃に対して一升瓶を保護する保冷容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、第1の発明は、一升瓶と保冷剤を収納する保冷容器であって、保冷容器の携行時に、一升瓶の開口部を上に向けて直立した状態で保持可能であり、一升瓶の開口部の上方、かつ、一升瓶と保冷剤を収納した保冷容器の重心の直上に取っ手部を備え、保冷容器は一升瓶の長手方向に本体部と蓋に分割され、取っ手部を備えた面の反対面の保冷容器底部から見た場合に、本体部と蓋の分割は一升瓶の重心が本体部側に位置するように分割境界をもつことを特徴とする。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記保冷容器の取っ手部が本体部側と蓋側に分割されることを特徴とする。
【0010】
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記保冷容器の表面に商品説明等のラベルを備えることを特徴とする。
【0011】
また、第4の発明は、第1ないし第3の発明において、前記保冷容器は外部からの衝撃に対して、保冷容器内の一升瓶を保護する外装を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の保冷容器によれば、一升瓶と保冷剤を収納し、保冷容器の携行時に、一升瓶の開口部を上に向けて直立した状態で保持可能であり、一升瓶の開口部の上方、かつ、一升瓶と保冷剤を収納した保冷容器の重心の直上に取っ手部を備えるため、一升瓶の安定した携行を可能とする。また、保冷容器は一升瓶の長手方向に本体部と蓋に分割されるため、保冷容器内から一升瓶を出し入れすることが容易である。さらに、取っ手部を備えた面の反対面の保冷容器底部から見た場合に、本体部と蓋の分割は一升瓶の重心が本体部側に位置するように分割境界をもつため、保冷容器内から一升瓶を取出す時に、一升瓶を不用意に落下し難い。
【0013】
請求項2の発明によれば、保冷容器の取っ手部が本体部側と蓋側に分割されており、取っ手部を手で握ることで保冷容器の蓋が閉じるため、保冷容器の携行時に、保冷容器内から一升瓶が不用意に落下し難い。
【0014】
請求項3の発明によれば、保冷容器の表面に商品説明等のラベルを備えるため、保冷容器を開かずに一升瓶の内容物が確認可能である。
【0015】
請求項4の発明によれば、保冷容器は外部からの衝撃に対して、保冷容器内の一升瓶を保護する外装を備えため、保冷容器内の一升瓶を保護可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の保冷容器から一升瓶と保冷剤を外した構成を示す斜視図。
図2】本発明の保冷容器の主要部を示す斜視図。
図3】本発明の保冷容器の外箱蓋を閉じた状態を示す斜視図(A)、横側面図(B)および底面図(C)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の保冷容器の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1に示すように、外箱1は内箱2と一升瓶3、保冷剤4を外部からの衝撃に対して保護する容器である。また、図3Aに示すように、保冷容器として携行するための取っ手部1bを有する。材質は衝撃に強く、携行性を考慮して、重量の軽いものが好適である。例えば、材質は未発泡プラスチックが適しているが、プラスチックに限らず、木、もしくは金属等でもよい。
【0019】
図1に示すように、内箱2は、一升瓶3と保冷剤4に掛かる外部からの衝撃を緩和し、外部からの熱を断熱する容器である。また、一升瓶3と保冷剤4を収納、および保持可能な形状を有する。携行性を考慮し、重量は軽いものが好適である。例えば、材質は発泡プラスチックが適しているが、空気等の気体を内包する材料や形状等であればよい。
【0020】
図1に示すように、一升瓶3は、液体が一升瓶3内に注入され、開口部3aを栓で封入したものである。一升瓶3内の液体には日本酒等の清酒等が挙げられるが、洋酒やジュース、醤油等でもよい。
【0021】
図1に示すように、保冷材4は、蓄冷材である。蓄冷材は、高吸水性樹脂や防腐剤、安定剤等を添加した水等を容器内に封入したものである。
【0022】
図1および図2図3Aに示すように、一升瓶3の形状に則した凹部を有する内箱本体部20は外箱本体部10内に配置される。一升瓶3の形状に則した凹部を有する内箱蓋21は、外箱蓋11内に配置される。外箱蓋11はヒンジ1aを介して外箱本体部10に連結され、開閉可能となる。ヒンジ1aの対面側には、外箱本体部10と外箱蓋11を閉じた状態で保持できるロック機構5を有する。内箱本体部20により一升瓶3と保冷剤4が収納可能な形状が設けられ、一升瓶3と保冷剤4を収納する。内箱蓋21は、外箱本体部10と外箱蓋11を閉じたときに、一升瓶3を保持する形状を有する。外箱本体部10と外箱蓋11を閉じたとき、保冷容器内の一升瓶3と保冷剤4は、外部からの衝撃を緩和し、外部からの熱を断熱する内箱本体部20と内箱蓋21に周囲を包囲され、かつ、内箱本体部20と内箱蓋21は外部からの衝撃に対して、耐衝撃性を有する外箱本体部10と外箱蓋11に周囲を包囲される二重箱構造となるため、一升瓶3と保冷剤4は外部からの衝撃に対して保護され、外部からの熱に対して断熱性を有する。また、ヒンジ1aは外箱本体部10の左側に備えられているが、右側や上側、下側に位置してもかまわない。さらに、ロック機構5は、外箱本体部10と外箱蓋11を閉じた状態を保持可能であれば、ヒンジ1aの対面側以外に位置してもかまわない。なお、ヒンジ1aとロック機構5により、外箱本体部10と外箱蓋11は閉じた状態を維持可能に構成されているが、例えば、ヒンジ1aをロック機構5に置き換え、保冷容器の両側面にロック機構5を備えることで、外箱本体部10と外箱蓋11を閉じた状態を維持可能な構成としてもかまわない。
【0023】
図3Bに示すように、保冷容器内に一升瓶3と保冷剤4を収納し、外箱本体部10と外箱蓋11を閉じ、一升瓶3の開口部3aを上に向けて直立にした状態で、取っ手部1bは、一升瓶3と保冷剤4を収納した保冷容器の重心7の直上に位置するため、取っ手部1bを手を握り、保冷容器を携行する際に安定した携行が可能となる。また、外箱本体部10と外箱蓋11は、一升瓶3の長手方向に分割されるため、外箱蓋11を開け、保冷容器内から一升瓶3を出し入れすることが容易である。さらに、図3Cに示すように、保冷容器底部の分割境界1cは、一升瓶の重心3bが外箱本体部10側に位置するように分割されるため、保冷容器を直立した状態で外部蓋11を開けたときに、保冷容器内の一升瓶3が容易に落下し難く構成されている。なお、外箱本体部10と外箱蓋11の分割境界は、保冷容器の長手方向と平行な直線で分割されているが、前記機能を満たす範囲であれば、直線である必要はない。
【0024】
図2に示すように、外箱本体部10の上部には、取っ手部10aを設ける。また、外箱蓋11の上部には、取っ手部11aを設ける。外箱本体部10と外箱蓋11を閉じたときに、外箱本体部10の取っ手部10aと外箱蓋11の取っ手部11aにより、図3Aに示すような取っ手部1bが形成される。該取っ手部1bは手を入れて、握ることが可能であるため、保冷容器が携行可能となる。また、取っ手部1bを手で握ることで外箱本体部10と外箱蓋11が閉じた状態を保持可能なため、不意に外箱本体部10と外箱蓋11が開いて保冷容器内から一升瓶3が落下し難く構成されている。なお、図3Bに示すように、前記取っ手部1bは、一升瓶3の開口部3aの上方に位置し、外箱本体部10の取っ手部10aと外箱蓋11の取っ手部11aを合わせて手で握ることが可能な形状であれば、図3Aに示すような形状に限らない。
【0025】
図3Aに示すように、外箱蓋11の表面に矩形の凹部11bを設ける。外箱蓋11の凹部11bに商品説明等のラベル6を貼り付けることで、保冷容器内から一升瓶3を取出すことなく、一升瓶3の内容物が確認可能となる。なお、前記の凹部11bは商品説明等のラベル6を貼り付け可能な形状であれば、前記のような形状に限らない。また、商品説明等のラベル6は、外箱本体部10と外箱蓋11を閉じている状態で確認可能なら、必ずしも外箱蓋11に貼り付ける必要は無く、外箱本体部10に凹部を設けて貼り付けてもよい。
【0026】
以上本発明の実施態様について説明したが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前記の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0027】
1 外箱
1a ヒンジ
1b 取っ手部
1c 保冷容器底部の分割境界
10 外箱本体部
10a 取っ手部
11 外箱蓋
11a 取っ手部
11b 凹部
2 内箱
20 内箱本体部
21 内箱蓋
3 一升瓶
3a 開口部
3b 一升瓶の重心
4 保冷剤
5 ロック機構
6 ラベル
7 一升瓶と保冷剤を収納した保冷容器の重心
図1
図2
図3