【解決手段】荷物300を搬送するコンベア101と、コンベア101の搬送方向において、荷物の搬送経路Rの端縁よりも外側に配置されるモータ102と、モータ102の回転軸に接続され、搬送経路Rの下方を搬送方向に沿って延びるアーム103と、アーム103に接続され、モータ102の回転に基づき搬送経路Rの下方から上方に向かって突出し下方に向かって退避するストッパ104とを備えるコンベア装置100。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載のコンベアなどの従来のコンベア装置では、ストッパを搬送経路に対して出退させるための駆動源や駆動機構がコンベアからはみ出した状態で取り付けられている。このようにコンベアからはみ出した駆動源や駆動機構は隣接して配置される他のコンベアが搬送する荷物と干渉する可能性があるため、荷物を高密度に搬送することが困難となる。
【0006】
本願発明は上記課題に鑑みなされてものであり、限られた空間内にストッパや当該ストッパを駆動する駆動源、および、駆動機構が配置されたコンベア装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願発明にかかるコンベア装置は、荷物を搬送するコンベアと、前記コンベアの搬送方向において、荷物の搬送経路の端縁よりも外側に配置されるモータと、前記モータの回転軸に接続され、前記搬送経路の下方を前記搬送方向に沿って延びるアームと、前記アームに接続され、前記モータの回転に基づき前記搬送経路の下方から上方に向かって突出し下方に向かって退避するストッパとを備えることを特徴としている。
【0008】
これにより、ストッパを搬送経路内に出退させるためのモータなどの駆動源やアームなどの駆動機構がコンベアからはみ出す量を抑制することができる。従って、コンベア装置を高密度で配置することが可能となる。
【0009】
また、前記アームは、水平面内において前記搬送方向と垂直に配置される支持軸体により前記コンベアに揺動可能に軸支され、前記支持軸体は、前記モータと前記ストッパとの間に配置されるものでもよい。
【0010】
これによれば、支持軸体を支点としてアームの一方端をモータによって動作させることにより、アームの他方端に設けられたストッパは、支持軸体を中心に回転揺動する。従って、突出して荷物と当接しているストッパを退避させる際に、ストッパは荷物から離れながら退避させることができるため、ストッパと荷物とが擦れることがなくストッパを動作させる際に荷物に傷を与えることを防止できる。
【0011】
また、前記支持軸体は、前記コンベアの荷物を搬送するためのローラのローラ軸に軸支されるものでもかまわない。
【0012】
これによれば、アームの支持軸とローラの回転軸とを共通化できるため、コンベア装置をよりコンパクト化することが可能となる。
【0013】
また、前記モータと前記コンベアを制御する制御装置と、前記コンベアにより搬送されている荷物が退避状態の前記ストッパを通過したことを検知する検知手段とをさらに備え、前記制御装置は、荷物が退避状態の前記ストッパを通過したことを前記検知手段が検知した場合、前記モータを制御して前記ストッパを突出させ、前記コンベアを逆走させるものでもかまわない。
【0014】
これによれば、搬送方向において荷物の後端縁にストッパを当接させた状態で荷物の位置決めを行うことができる。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本願発明にかかる自動倉庫は、複数の荷物を保管可能な棚と、前記棚の側方において前記棚に沿って荷物を搬送し、前記棚との間で荷物を移載することができる搬送装置と、前記搬送装置に移載することが可能な位置に荷物を搬送するコンベア装置とを備え、前記コンベア装置は、荷物を搬送するコンベアと、前記コンベアの搬送方向において、荷物の搬送経路の端縁よりも外側に配置されるモータと、前記モータの回転軸に接続され、前記搬送経路の下方を前記搬送方向に沿って延びるアームと、前記アームに接続され、前記モータの回転に基づき前記搬送経路の下方から上方に向かって突出し下方に向かって退避するストッパとを備えることを特徴とする。
【0016】
これによれば、コンベア装置が高密度で配置された自動倉庫を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本願発明によれば、限られた空間にストッパの駆動源や駆動機構を配置することができ、コンベア装置を高密度に配置することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本願発明に係るコンベア装置、および、コンベア装置を備えた自動倉庫の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本願発明に係るコンベア装置、および、自動倉庫の一例を示したものに過ぎない。従って本願発明は、以下の実施の形態を参考に請求の範囲の文言によって範囲が画定されるものであり、以下の実施の形態のみに限定されるものではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0020】
また、図面は、本願発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
【0021】
図1は、コンベア装置を備えた自動倉庫を示す斜視図である。
【0022】
同図に示すように、自動倉庫200は、荷物300を自動的に搬送し保管することができる倉庫であり、棚201と、搬送装置202と、コンベア装置100とを備えている。
【0023】
棚201は、複数の荷物を保管可能な設備である。本実施の形態の場合、棚201は、搬送装置202の搬送方向(図中Y軸方向)に沿って配置される平板状の棚板211を上下方向(図中Z軸方向)に複数段(本実施の形態の場合6段)配置された状態で備えている。
【0024】
棚板211は、荷物300を載置状態で保管することができ、また、搬送装置202によっていずれの位置においても荷物300が移載されることができるものとなっている。
【0025】
なお、棚201の種類は、特に上記に限定される訳ではなく、支柱にキャンチが設けられ、所定の位置に荷物を保管するものや、荷物を吊り下げた状態で保管するものなど、任意の種類の棚201を採用することが可能である。
【0026】
搬送装置202は、棚201の側方において棚201に沿って荷物300を搬送し、棚201との間で荷物300を移載することができる装置である。本実施の形態の場合、搬送装置202は、棚201の各段の棚板211に対応する位置に上下方向に並んで配置されるレール222と、各段のレール222上をそれぞれ走行する複数台の走行車221を備えている。
【0027】
走行車221は、レール222が形成する走行経路を荷物300を保持した状態で往復動することができる装置であり、走行車221を駆動するためのモータや車輪(図示せず)などを備えている。また、走行車221は、荷物300を棚201の棚板211との間で移載するための移載装置223を備えている。移載装置223は、複数種類の大きさの荷物300の移載に対応するものであり、荷物300を移載する際の基準位置を搬送方向(図中Y軸方向)における一方側(Y軸方向負側)に設定されている。
【0028】
なお、搬送装置202は、特に上記に限定される訳ではなく、荷物300を水平面内ばかりでなく上下方向にも搬送することができるいわゆるスタッカクレーンや、レールを備えることなく床面上を自律的に移動することができる搬送台車など、任意の搬送装置202を採用することが可能である。
【0029】
図2は、コンベア装置の搬送経路の端縁部を上方から示す平面図である。
【0030】
図3は、コンベア装置の搬送経路の端縁部を一部を省略して示す側面図である。
【0031】
これらの図に示すように、コンベア装置100は、搬送装置202に移載することが可能な位置に荷物300を搬送する装置であり、コンベア101と、駆動源としてのモータ102と、アーム103と、ストッパ104とを備えている。本実施の形態の場合、コンベア装置100は、駆動機構105と、検知手段106とを備えている。
【0032】
コンベア101は、載置した荷物300を所定の搬送経路Rで搬送することができる装置である。コンベア101は、多少の勾配や水平面内を駆動力により荷物300を搬送することができるものであれば特に限定されるものではく、ベルトコンベアやローラコンベアなどを例示することができる。本実施の形態の場合、コンベア101としてローラコンベアを用いて説明する。
【0033】
コンベア101は、水平面内において搬送経路Rと交差する方向に延在するローラ112を複数備えている。また、ローラ112には、駆動源となるローラーモータ111や、ベルトやチェーンなどの伝達手段113でローラーモータ111と連結され、ローラーモータ111に基づき回転する回転ローラ115などが含まれる。本実施の形態の場合、荷物300の搬送経路Rの端部には、フリーローラ114が取り付けられている。このフリーローラ114は、駆動源は備えず、また、ローラーモータ111とも接続されていないローラであり、ローラ112の最端部に配置されている。
【0034】
モータ102は、コンベア101の搬送方向(図中Y軸方向)において、荷物300の搬送経路Rの端縁よりも外側に配置される駆動源である。モータ102の種類は、特に限定されるものではないが、コンベア101の厚み(図中Z軸方向の長さ)に収まる程度の大きさが望ましい。本実施の形態の場合、モータ102は、ローラーモータ111に用いられるモータと同じものが採用されており、コンベア101の厚み内に収まるように配置されている。
【0035】
アーム103は、モータ102の回転軸に接続され、搬送経路Rの下方を前記搬送方向に沿って延びる構造部材である。アーム103の形状は、モータ102の駆動力をストッパ104の出退動作に変換できる形状であれば特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、アーム103は、腕部131と、接続部132と、係合部133と、支持軸体134とを備えており、コンベア101の厚みの範囲内で動作できるものとなっている。
【0036】
腕部131は、ローラ112の端部の下方において、搬送経路Rの端部から上流側に向かって延在する構造部材であって、本実施の形態の場合は、ローラ112の両端部にそれぞれ配置されている。また、腕部131には、剛性を高めるため下方に向かってリブが設けられており、当該リブは、ストッパ104を搬送経路Rから退避させた状態(
図3中二点鎖線の状態)でもコンベア101の厚みからはみ出ないように斜めにカットされている。
【0037】
接続部132は、搬送方向において搬送経路Rの外側、かつ、下側において二つの腕部131の端部を接続している構造部材である。接続部132は、二つの腕部131を同時に動作させるために設けられている。
【0038】
係合部133は、接続部132の中間から搬送経路Rに沿って外側に延在し、駆動機構105を介してモータ102の回転軸と係合する構造部材である。本実施の形態の場合、係合部133は、アーム103全体を支持軸体134を中心として回転揺動させるためのカムフォロアとして機能している。
【0039】
支持軸体134は、水平面(図中XY平面)内において搬送方向(図中Y軸方向)と垂直(図中X軸方向)に配置され、アーム103の回転揺動軸となる部材である。支持軸体134は、アーム103の腕部131から上方に離れた位置、および、モータ102とストッパ104との間に配置されてコンベア101に取り付けられている。さらに、支持軸体134は、コンベア101の荷物300を搬送するためのローラ112のローラ軸116に軸支されており、荷物300を搬送するためのローラ112のローラ軸116と同じ面内にアーム103の揺動軸が配置されるものとなっている。
【0040】
以上のように、アーム103は、係合部133がモータ102によって動作することで、支持軸体134を中心としてシーソー状態で回転揺動するものとなっている。
【0041】
ストッパ104は、アーム103に接続され、モータ102の回転に基づき搬送経路Rの下方から上方に向かって突出し下方に向かって退避する構造部材であり、コンベア101が荷物300を搬送する力に抗して荷物300の動きを停止させることができる部材である。
【0042】
本実施の形態の場合、ストッパ104は、隣り合って配置されるローラ112の間に配置され、腕部131の搬送方向下流側先端に取り付けられた薄い板状の部材である。アーム103は二本の腕部131を備えており、ストッパ104は、二本の腕部131に架橋状に接続され、腕部131から上方に突出するように配置されている。従って、腕部131とストッパ104とはL字上に接続されている。これによりストッパ104は、アーム103の動作に従い、アーム103の支持軸体134を中心とした弧を描いて搬送経路Rに突出し、また、搬送経路Rから退避するものとなっている。
【0043】
駆動機構105は、モータ102の回転軸の動作をアーム103の回転揺動に変更するための機構である。本実施の形態の場合、駆動機構105は、モータ102の回転軸に偏心した状態で取り付けられた丸棒状の部材であり、カムとして機能するものである。
【0044】
検知手段106は、コンベア101により搬送されている荷物300が退避状態のストッパ104の位置を通過したことを検知するセンサである。本実施の形態の場合、検知手段106は、搬送経路Rの最端部に配置されるエンドストッパとしても機能し、コンベア101により搬送された荷物300が検知手段106に当接したことをもって荷物300がストッパ104を通過したと検出する。検知手段106は、特に限定されるものではないが、光電センサやリミットスイッチなどを具体的に例示できる。
【0045】
次に、自動倉庫200の動作を説明する。
【0046】
図4は、コンベア装置が備える機能部を自動倉庫の機構部と共に示す図である。
【0047】
同図に示すように、制御装置107は、アーム103を回転揺動させるモータ102と、コンベア101と、検知手段106に接続され、検知手段106から取得した情報に基づきモータ102とコンベア101の動作を制御する装置である。具体的に例えば、制御装置107はコンピュータであり、記録されたブログラムを読み出してCPUで処理することで情報を処理し、機器に対して命令を送信することで機器を制御することができるものとなっている。
【0048】
図5は、コンベア装置の動作を示すフローチャートである。
【0049】
図6は、コンベア装置の動作を示す図である。
【0050】
まず、制御装置107は、
図6の(a)の段に示すように、検知手段106が荷物300を検知するまでは(S102:N)荷物300を順方向に搬送する(S101)。
【0051】
荷物300がストッパ104を通過し、
図6の(b)の段に示すように、検知手段106が荷物300を検知すると(S102:Y)、制御装置107は、荷物300が退避状態のストッパ104を通過したと判断し、モータ102を制御してストッパ104を搬送経路R内に突出させる(S103)。そして、所定の時間、コンベア101を逆走させる(S104)。以上により、
図6の(c)の段に示すように、搬送方向の順方向における荷物300の後端部をストッパ104で押さえた状態で荷物300を停止させることができる。
【0052】
次に、搬送装置202の動作を説明する。
【0053】
図7は、搬送装置の動作を示す図である。
【0054】
同図に示すように、本実施の形態の場合、搬送装置202の走行車221は、種々の大きさの荷物300に対応するように、移載の際の基準位置Sを移載装置223の一方端(図中Y軸方向負側の端部)に設定されている。
【0055】
コンベア装置100は、ストッパ104を通過させた後、逆走させてストッパ104に荷物300を当接させることで、荷物300の大きさが異なったとしても、移載装置223の基準位置Sに対応するように荷物300を配置することができる。
【0056】
従って、走行車221の移載装置223は、荷物300の大きさが異なってもコンベア装置100から荷物300を走行車221に移載することが可能となる。
【0057】
特に、
図8に示すように、搬送装置202の走行車221の走行方向(図中Y軸方向)において、棚201の反対側にも第二コンベア120が存在する場合、本実施の形態に示すコンベア装置100の効果を発揮することが可能となる。
【0058】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
【0059】
例えば、ストッパ104を出退させる機構は、カム機構ばかりでなく、リンク機構など任意の機構を採用することができる。