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特開2017-190311安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物及びその製造方法、並びにその安定化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-190311(P2017-190311A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物及びその製造方法、並びにその安定化方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 21/18 20060101AFI20170922BHJP
   C07C 17/42 20060101ALI20170922BHJP
【FI】
   C07C21/18
   C07C17/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-81708(P2016-81708)
(22)【出願日】2016年4月15日
(71)【出願人】
【識別番号】591180358
【氏名又は名称】東ソ−・エフテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100182073
【弁理士】
【氏名又は名称】萩 規男
(72)【発明者】
【氏名】香川 巧
(72)【発明者】
【氏名】長崎 順隆
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AD40
4H006EA03
4H006EB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】不安定な2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの安定化された組成物及びその方法を提供する。
【解決手段】2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンに水を50μg/g以上、添加し、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを安定化させる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
添加水を含む、安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物。
【請求項2】
水分を50μg/g以上含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
20℃で1ヵ月保存した後の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物中の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの量が保存開始時の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの量と実質的に同じである、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
臭素と3,3,3−トリフルオロプロペンとを反応させて1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンを得た後、アルカリと反応させて2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得、さらに水を添加する、安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物の製造方法。
【請求項5】
水を添加して組成物全量中の水分を50μg/g以上とする、請求項4に記載の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物の製造方法。
【請求項6】
2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンに水を添加する、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの安定化方法。
【請求項7】
水を添加して組成物全量中の水分を50μg/g以上とする、請求項6に記載の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの安定化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物及びその製造方法、並びにその安定化方法に関する。2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンは各種、医農薬や電子材料の合成原料として有用な化合物である。
【背景技術】
【0002】
従来より、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンは医農薬や電子材料の合成原料などとして使用されている。
殊に、医農薬や電子材料の分野においては、高純度の物質が必要であり、このため中間材料となる2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンについても、最終工程での負担軽減や、副生物混入を極力抑えるために高純度であること、さらには製造された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを安定的に保管できることが必要となる。
【0003】
しかしながら、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを安定して保管する方法、あるいは安定化剤などを添加して長期に渡って分解することなく安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの組成物は知られていない。
また特に医農薬分野においては中間材料に添加剤を加えることは最終物質の純度に影響を及ぼしかねないため、極力なくす、あるいは少量添加とすることが望まれる。
【0004】
類似の技術としてのハロゲン含有化合部物の安定化法として、塩素化炭化水素類をラジカル捕捉剤の2,2,4,4−テトラメチル−1−オキソピペリジンで安定化する方法(例えば特許文献1参照)、テトラフルオロエチレンを酸化防止剤の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールで安定化する方法(例えば特許文献2参照)及びパーフルオロブチルメチルエーテルをニトロメタン類で安定化する方法(例えば特許文献3参照)等が知られている。
【0005】
また、3,3,3−トリフルオロプロペンとアンモニアを含む組成物の例もあるが(例えば特許文献4参照)、本発明の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンではBr(臭素)を有するため、適用は困難である。
しかし2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを長期に渡って安定化できる方法、組成物は知られておらず、要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−328444号公報
【特許文献2】特開昭50−007046号公報
【特許文献3】特開2000−143568号公報
【特許文献4】特許第5898300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、不安定な2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンについて、長期に渡って安定化された組成物及びその製造方法の提供並びにその安定化方法の提供にある。
また本発明の他の目的は、不安定な2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対し、ラジカル捕捉剤や酸化防止剤を添加することなく、安定化された組成物及びその製造方法の提供並びにその安定化方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを安定化する方法について、鋭意検討した結果、驚くべきことに、従来より知られている酸化防止剤やラジカル捕捉剤等の添加をすることなく、水含有組成物とすることによりて安定化が可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、添加水を含む、安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物に係り、さらに水分を50μg/g以上含む組成物に係る発明である。
【0009】
さらに本発明は、臭素と3,3,3−トリフルオロプロペンとを反応させて1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンを得た後、アルカリと反応させて2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得、さらに水を添加する、安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物の製造方法に係り、さらに水を添加して組成物全量中の水分を50μg/g以上とする2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物の製造方法に係る発明である。
【0010】
さらに本発明は、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンに水を添加する、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの安定化方法に係り、さらに水を添加して組成物全量中の水分を50μg/g以上とする2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの安定化方法に係る発明である。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、次の効果を奏する。
(1)不安定な2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンについて、長期に渡って安定化された組成物及びその製造方法並びにその安定化方法が提供できる。
(2)不安定な2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対し、ラジカル捕捉剤や酸化防止剤を添加することなく、安定化された組成物及びその製造方法並びにその安定化方法が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物は、市販品など入手可能な3,3,3−トリフルオロプロペンを出発原料とし、これを臭素化、脱臭化水素化した後、蒸留により精製され、通常10μg/g以下の水分含量のものが得られる。
【0013】
すなわち、まず臭素と出発原料である3,3,3−トリフルオロプロペンとを反応させて臭素化し、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンを得る。
臭素と3,3,3−トリフルオロプロペンとは、反応容器に一度に加えても、いずれかを先に加えもう一方を後で加えてもよい。好ましくは、反応容器に臭素を導入し、所定温度、例えば40℃程度にて温度をコントロールしながら、3,3,3−トリフルオロプロペンを供給して反応させる。3,3,3−トリフルオロプロペンの供給は、反応を適切に調節できるのであればどのように供給してもよいが、例えばバブリング供給する方法を例示できる。
【0014】
臭素と3,3,3−トリフルオロプロペンとの反応終了後、洗浄して1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパンが得られる。洗浄にはチオ硫酸ナトリウム水溶液、水洗など、公知の処方を用いることができる。
その後、アルカリと反応させて脱臭化水素化し、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを得る。反応に用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物などが例示でき、例えば48%−水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。脱臭化水素化反応の温度、圧力、時間などの条件は公知の処方を適宜適用することでよい。
【0015】
このようにして得られた2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、精製することで、高純度化する。精製方法としては公知の処方を用いることができ、例えば蒸留などの処方を挙げることができる。
精製された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの純度、水分含量は公知の方法により測定、決定することができる。例えば、純度について分子中のフッ素原子に着目して19F−NMRにより定量することが挙げられる。また水分含量はカール・フィシャー水分計などの水分計などを用いて定量できる。
【0016】
保存中の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの純度、水分含量の変化についても同様に、19F−NMRによる定量、カール・フィシャー水分計などの水分計などによる定量にて、分解の有無、水分含量の変化を追跡できる。例えば19F−NMRによる定量では、ヘキサフルオロベンゼンやベンゾトリフルオリド(トリフルオロメチルベンゼン)等を内部標準物質として用いて測定できる。
【0017】
このようにして得られた2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンは、安定化するために水を添加され、本発明の安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物が得られる。
上記したように、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンが製造されると、通常、10μg/g以下の水分含量のものが得られる。ここで、水分含量の単位は、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む試料全体の重量当たりの水分含量(重量(μg)/重量(g))で表される。
【0018】
本発明において、製造された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンに含まれる(内在する)水分に加え、さらに水を添加して組成物全量中の水分含量を増加したものであり、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンと水よりなる組成物として存在させることで2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの安定化が図れる。
ここで本明細書において、「添加水」とは、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造した際、内在する水と区別するために使用するものであり、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを安定化するために添加する水をいう。これに対し、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造した際、内在する水と上記の添加水を併せて、「水分」という。
【0019】
本発明において、蒸留精製して得られた、水分含量が10μg/g以下の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンに水を添加して、組成物全量中の水分含量を50μg/g以上とすることが好ましく、さらに飽和水分量(通常、192μg/g程度)を超えた量の水分含量となるようにすることが好ましい。また飽和水分量を超えた水を添加して水が遊離し、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン層と水層が分離した状態でも良いが、余りにも大過剰の添加は安定化への寄与は小さく、通常50μg/g〜0.3g/gの水を添加するとよい。
【0020】
本発明において、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンへの水を添加方法については、上記の蒸留精製品にそのまま水を添加するだけで良く、必要に応じて、水を添加後に撹拌しても良い。
本発明の、添加水を含む、安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物は、添加水を含まない2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンと比較して、安定性に優れている。さらに上記の通り、水分を50μg/g以上含む(添加水を含む)2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物とするとよい。
【0021】
このような本発明の安定化された2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物は、0℃〜50℃の温度範囲で、1ヶ月以上に渡り実質的に分解が認められず、状態によっては5年以上の長期保存が可能となる。ここで実質的に分解が認められない(あるいは実質的に同じ)とは、実施例にも記載するが、19F−NMRによる定量により、定量誤差を加味すれば組成物中の初期の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの量に保存後も変動が認められないことをいう。すなわち、本発明の組成物は、20℃で1ヵ月保存した後の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物中の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの量が保存開始時の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの量の98%以上残存していることが好ましく、さらには実質的に同じであることが好ましい。さらに40℃で1ヵ月保存した場合も99%以上残存していることが好ましく、さらには実質的に同じであることが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、分析に当たっては下記機器を使用した。
19F−NMR:ブルカー(BRUKER)社製AVANCE II 400。
カール・フィシャー水分計:三菱化学アナリテック社製CA−200 Moisturemeter。
【0023】
参考例1 2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの調製
撹拌子を備えた500mLの丸底3つ口フラスコに、臭素(320g,2.0mol)を仕込み、油浴上で、撹拌しながら40℃とした。次いでこれに3,3,3−トリフルオロプロペン(230g,2.2mol)をバブリング供給し、反応を行った。
反応終了後、チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄、水洗の後、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン(480g)を得た。
【0024】
撹拌子を備えた500mLの丸底3つ口フラスコに、48%−水酸化カリウム水溶液(136g,1.16mol)を仕込み、撹拌しながら50℃とした後、これに前記で調製した1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン(250g,0.98mol)を添加し、反応を行った。反応終了後、フラスコにスルーザー7段の蒸留塔を設置し、内部温度を55〜60℃に加熱し、生成物の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンを還流下、流出させた。
得られた2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン(187g,0.78mol)は、19F−NMRによる純度が98.0%、水分含量は6μg/gであった。
【0025】
実施例1
参考例1で得られた2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン(10g)に水(4.2μL)を添加し、水分含量50μg/gの2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物を調製した。得られた2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン含水液を20℃で1ヶ月保持(保管)後、19F−NMRにより純度を定量したところ98.0%で、分解は認められず安定であった。
【0026】
実施例2
参考例1で調製した2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン(10g)に水(5mL)を添加し、分液ロートで振とうの後、10分間静定し、分液の後、水飽和の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン組成物を得た。得られた2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン含水液の水分含量は、192μg/gであった。得られた2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン含水液を油浴上、40℃で1ヶ月保持後、19F−NMRにより純度を定量したところ97.9%で、分解は認められず安定であった。
【0027】
実施例3
参考例1で調製した2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン(10g)を20mLのサンプル瓶に入れ、次いで水(2mL)を添加し、そのまま室温下、5年間保管した後、19F−NMRにより純度を定量したところ97.8%で、分解は認められず安定であった。
【0028】
比較例1
参考例1で得られた水分含量6μg/gの2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン(10g)を、30mLのサンプル瓶に入れ、室温下、1週間保持後、19F−NMRにより純度を定量したところ94.2%で、3.8%の分解が確認された。
【0029】
比較例2
参考例1で得られた水分含量6μg/gの2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン(10g)を、30mLのサンプル瓶に入れ、油浴上、40℃で、1日保持後、19F−NMRにより純度を定量したところ89.4%で、8.6%の分解が確認された。
【0030】
比較例3
参考例1で得られた水分含量6μg/gの2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン(10g)を、30mLのサンプル瓶に入れ、冷蔵庫中、5℃で、1ヶ月保持後、19F−NMRにより純度を定量したところ96.4%で、1.6%の分解が確認された。
【0031】
以上の実施例及び比較例を以下の表1にまとめた。
【0032】
【表1】
【0033】
表1から分かるように、実施例1,2では1か月間、実施例3では室温化で5年間も実質的に分解が生じておらず、本発明の組成物が極めて安定であることが分かる。これに対し、水を添加していない比較例では、分解が生じている。
このことは、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの長期の保存にあたっては、所定量の水を添加するだけで、保存が可能であり、純度が維持できていることから、産業上極めて有益である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明により、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの安定化が可能となり、工業的規模で大量に製造した2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの保存が実施できるため、分解による純度の変動を気にすることなく、該化合物から誘導される様々な化合物の製造が容易に可能となることが期待される。