特開2017-190634(P2017-190634A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-190634(P2017-190634A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】鏡板保持部材および框扉
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/62 20060101AFI20170922BHJP
   E06B 3/70 20060101ALI20170922BHJP
【FI】
   E06B3/62 Z
   E06B3/70 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-81500(P2016-81500)
(22)【出願日】2016年4月14日
(71)【出願人】
【識別番号】390030340
【氏名又は名称】株式会社ノダ
(74)【代理人】
【識別番号】100085589
【弁理士】
【氏名又は名称】▲桑▼原 史生
(72)【発明者】
【氏名】大滝 直人
【テーマコード(参考)】
2E016
【Fターム(参考)】
2E016AA01
2E016BA03
2E016BA08
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC01
2E016DA05
2E016DB03
2E016DC01
2E016JA00
2E016KA02
2E016LA01
2E016LB09
2E016MA01
2E016MA07
2E016NA00
(57)【要約】
【課題】特に鏡板として透光板を用いた場合に見栄えが良く作業性にも優れた框扉を提供する。
【解決手段】框材11による框組に鏡板12を配してなる框扉10において鏡板を保持するために框材端面の嵌合溝16に嵌着して使用される鏡板保持部材20であって、鏡板の端縁部が嵌入される溝部21を挟んで対向する一対の側部22と底部23とを有して硬質樹脂から断面略コの字形に形成される本体24と、本体の底部から溝開口に向けて突出するように設けられる軟質樹脂からなる突条27と、各側部内面における端面側領域に設けられる軟質樹脂からなる係止片26と、各側部外面における端面側領域に形成される係止部25とを有する。本体側板の端面22aおよび係止片には、框材自体の材色や塗装色あるいは表面に貼着される化粧シートの色に近似した色の着色が施されることが好ましい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
框材による框組の間または内部に鏡板を配してなる框扉において鏡板を保持するために框材端面の嵌合溝に嵌着して使用される鏡板保持部材であって、鏡板の端縁部が嵌入される溝部を挟んで対向する一対の側部と底部とを有して硬質樹脂から断面略コの字形に形成される本体と、本体の底部から溝開口に向けて突出するように設けられる軟質樹脂からなる突条と、一対の側部の各内面における端面側領域に設けられる軟質樹脂からなる係止片と、一対の側部の各外面における端面側領域に形成される係止部と、を有することを特徴とする鏡板保持部材。
【請求項2】
側部端面および側部端面から鏡板の厚さ寸法の少なくとも75%に相当する深さまで側部内面に框材表面の色に近似する色で着色が施されていることを特徴とする、請求項1記載の鏡板保持部材。
【請求項3】
請求項1または2記載の鏡板保持部材が、前記係止部により框材端面の嵌合溝の溝内面に係止された状態で嵌着されると共に、前記本体の溝部に透光板からなる鏡板の端縁部が嵌入され、該嵌入状態において、鏡板は、その端縁部の両側面が前記係止片の間に挟持され、且つ、その端面が前記突条に当接することを特徴とする框扉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、框材による框組の間または内部に鏡板を配してなる框扉に関し、より詳しくは、框扉において鏡板を保持するために框材端面の嵌合溝に嵌着される鏡板保持部材に関する。本発明は、鏡板としてガラスなどの透光性を有する板(透光板)が用いられる場合に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
框扉において鏡板としてガラス板などの透光板が用いられる場合、框材端面に形成した嵌合溝に鏡板の端縁部を直接嵌入することに代えて、嵌合溝に断面略コの字形に形成された軟質樹脂製の鏡板保持部材を嵌め込み、この鏡板保持部材に鏡板の端縁部を嵌入して保持することが行われている(特許文献1,2)。このようにすることにより、ガラス板などの鏡板を良好に保持すると共に、框扉の開閉時などに振動でびびり音が発生することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−201867号公報
【特許文献2】特開2004−251029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2に示されるような従来技術によると、鏡板保持部材がゴムなどの軟質樹脂で形成されているため、これを框材の嵌合溝に嵌入しようとする際、および、これに鏡板を嵌入しようとする際の摩擦が大きく、これらの嵌入作業が困難になる。
【0005】
また、特許文献2では、框2の溝部21に溝深さの途中まで挿入したガラス板保持材3に、ガラス板1の端縁部を挿入して、さらにそのまま押し込むことにより、ガラス板保持材3の横片部32を溝部21の内部に引き込んで、これらの間にガラス板1を保持するようにしている(段落0009,図1など)が、このようにしてガラス板保持材3およびガラス板1を装着した状態では、図1上図に示されるように、溝部21の開口部において、框2とガラス板1との間に、横片部32の厚みに相当する幅の隙間が形成されることになり、また、ガラス板1を通して、化粧シートが設けられない溝部21の内面が観察されるため、見栄えが悪くなる。特許文献1の図14に示される状態も同様である。
【0006】
また、特許文献1の図11に示されるように、パッキン6(鏡板保持部材)が縦框2の溝2aの内面を開口縁まで覆うように嵌着される場合は、上記のような隙間が形成されることはないが、ゴムなどの軟質材料で形成されるパッキン6の先端部が露出し、溝2aの内部にあるパッキン6の部分もガラス板5を通して露見される。したがって、木質材で形成され且つ化粧シートが貼着される框材とは質感や色が大きく異なるパッキン6が観察されるため、見栄えが悪くなる。
【0007】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、框扉において鏡板として透光板が用いられる場合であっても、透光板を通して框材の嵌合溝内面や鏡板保持部材が観察されることによる見栄えの低下を防止しながら、鏡板保持部材を框材の嵌合溝に嵌入する際や鏡板保持部材に鏡板の端縁部を嵌入する際の作業性を良好にし、且つ、嵌入後の不慮の抜け落ちを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するため、本願の請求項1に係る発明は、框材による框組の間または内部に鏡板を配してなる框扉において鏡板を保持するために框材端面の嵌合溝に嵌着して使用される鏡板保持部材であって、鏡板の端縁部が嵌入される溝部を挟んで対向する一対の側部と底部とを有して硬質樹脂から断面略コの字形に形成される本体と、本体の底部から溝開口に向けて突出するように設けられる軟質樹脂からなる突条と、一対の側部の各内面における端面側領域に設けられる軟質樹脂からなる係止片と、一対の側部の各外面における端面側領域に形成される係止部と、を有することを特徴とする。
【0009】
本願の請求項2に係る発明は、請求項1記載の鏡板保持部材において、側部端面および側部端面から鏡板の厚さ寸法の少なくとも75%に相当する深さまで側部内面に框材表面の色に近似する色で着色が施されていることを特徴とする。
【0010】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の鏡板保持部材が、前記係止部により框材端面の嵌合溝の溝内面に係止された状態で嵌着されると共に、前記本体の溝部に透光板からなる鏡板の端縁部が嵌入され、該嵌入状態において、鏡板は、その端縁部の両側面が前記係止片の間に挟持され、且つ、その端面が前記突条に当接することを特徴とする框扉である。
【発明の効果】
【0011】
本願の請求項1に係る発明によれば、鏡板保持部材は、硬質樹脂で形成される本体と、それぞれ軟質樹脂で形成される底部の突条および側部内面の係止片とを有する。本体が硬質樹脂で形成されるので、樹脂成形直後の形状を維持することができ、ロットによる形状のばらつきが少なくなり、不良品の発生を抑えることができる。また、鏡板や框材と密接させても過度の摩擦が生じないので、框材の嵌合溝や鏡板の端縁部の形状・寸法に合致するように形成することにより、上記形状維持性とも相俟って、鏡板保持部材の溝部に鏡板の端縁部を嵌入させる作業および鏡板保持部材を框材の嵌合溝に嵌入させる作業を容易に行うことができる。本体の側部外面に形成される係止部は、嵌合溝に嵌入した鏡板保持部材のがたつきや抜け落ちを防止する効果を発揮するが、係止部は外面における端面側領域のみに形成されるので、鏡板保持部材を框材の嵌合溝に嵌入させる際の作業性を低下させない。また、本体の側部内面に設けられる軟質樹脂による係止片は、鏡板保持部材の溝部に嵌入した鏡板をしっかり保持することにより、がたつき(振動)およびこれによる異音(びびり音)の発生を防止すると共に、抜け落ちを防止する効果を発揮するが、係止片は内面における端面側領域のみに設けられるので、鏡板保持部材の溝部に鏡板の端縁部を嵌入させる際の作業性を低下させない。
【0012】
また、鏡板保持部材の底部に軟質樹脂からなる突条が設けられているので、溝部に鏡板の端縁部を嵌入させた状態の鏡板保持部材を框材の嵌合溝に嵌入させるときに、突条がクッションとなって、框材の嵌合溝底面から鏡板に伝わる衝撃を緩和し、鏡板の破損を防止することができる。
【0013】
本願の請求項2に係る発明によれば、上記効果に加えて、側部端面および側部端面から鏡板の厚さ寸法の少なくとも75%の範囲に相当する深さまで側部内面に框材表面の色に近似する色で着色が施されているので、框材の端面に露出する鏡板保持部材の側部端面だけでなく、透光板からなる鏡板を通して外部から見える鏡板保持部材の側部内面が、化粧シートの色に近似した色を有するものとして観察されることになり、違和感がなく良好な見栄えを与えることができる。無垢材などからなる框材に化粧シートを貼着せずに用いる場合は、その材色や塗装色に近似した色で着色することにより、同様に見栄えを良好にすることができる。
【0014】
本願の請求項3に係る発明によれば、上記したように、見栄えが良好で且つ作業性にも優れた框扉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による鏡板保持部材を用いた框扉の正面図である。
図2図1中A−A断面図である。
図3図1中B−B断面図である。
図4】この框扉における框材、鏡板および鏡板保持部材の嵌合状態を示す斜視図である。
図5図4の要部拡大図である。
図6】鏡板保持部材の正面図である。
図7】鏡板保持部材の斜視図である。
図8】本発明の他実施形態による鏡板保持部材の正面図である。
図9】本発明の他実施形態による鏡板保持部材の正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1ないし図7を参照して、本発明の一実施形態による鏡板保持部材20について詳細に説明する。この鏡板保持部材20は、左右縦框11a,11aおよび上下横框11b,11b(以下、これらを総称して「框材11」とする。)による框組に、ガラス板などの透光板からなる鏡板12が配されてなる框扉10(図1)において用いられるものである。以下においては、左右縦框11a,11aの端面に形成される嵌合溝16(図2図4)に鏡板12の左右端縁部を嵌入して鏡板12を保持する鏡板保持部材20について説明するが、上下横框11b,11bの端面に形成される嵌合溝に鏡板12の上下端縁部を嵌入して鏡板12を保持する鏡板保持部材も、同様の構成および作用を有するものであり、これについては図示および説明を省略する。
【0017】
この実施形態で用いる框材11は、図2に示すように、芯材13の表裏に木質繊維板(この実施例ではMDF)からなる表裏面材14,14を設けてなるフラッシュ構造を有し、表裏面材14,14には化粧シート15,15が貼着され、且つ、框材11の端面に現れる芯材13の板面および表裏面材14,14の木口面を連続して被覆する縁材17が設けられ、框材端面から縁材17を貫通して芯材13に向けて嵌合溝16が形成されている。
【0018】
さらに図6および図7を参照して、鏡板保持部材20は、鏡板12の端縁部が嵌入される溝部21を挟んで対向する一対の側部22,22と、これら側部22,22同士を溝部21の溝底で連結する底部23とを有するものとして断面略コの字形に形成され、対応する框材(この場合は縦框11a)の嵌合溝16の略全長に亘って延長する長尺の本体24を有する。本体24は、ABSなどの硬質樹脂で形成される。本体24は、側部22,22の各外面における端面側の所定領域に亘って係止部25が形成される。この実施形態では、上記領域において、側部22,22の各外面に、本体24の全長に亘る凹溝を微小間隔で形成することにより、鋸歯状の係止部25としている。なお、鏡板保持部材20を嵌合溝16に嵌入しやすくするために、側部22,22と底部23との角部外面は曲面状に面取りされている。
【0019】
本体24の側部22,22の各内面には、端面側の所定領域に亘って係止片26が設けられ、また、本体24の底部23には、溝開口に向けて突出する突条27が設けられている。係止片26および突条27は、いずれも軟質樹脂(エラストマー)で形成され、本体24の略全長に亘って延長している。この実施形態では、端面側の所定領域に亘る幅を有する単一の係止片26が各側部内面に設けられると共に、溝部21の溝幅略中央に断面略半円状の単一の突条27が設けられている。
【0020】
図2ないし図5に示されるように、鏡板保持部材20は、嵌合溝16に嵌入された状態で框材11に取り付けられ、また、その溝部21に鏡板12の端縁部を嵌入させることにより鏡板12を保持する。したがって、鏡板保持部材20の外形状および外形寸法は、嵌合溝16の形状および寸法と略同一であり、その溝部の形状および寸法は、鏡板12の端縁部の形状および寸法と略同一である。具体的な一例として、框材11に形成される嵌合溝16の溝深さが12.0mm、溝幅が6.0mmである場合に使用される鏡板保持部材20は、嵌合溝16の溝深さより若干短い長さ(高さ)=11.5mmを有し、横幅は嵌合溝16の溝幅と同じ6.0mmである。係止部25は、鏡板保持部材20の側部22の外面において、側部22の外面の高さ(11.5mm)の約半分に亘る端面側領域に形成されている。
【0021】
鏡板保持部材20の溝部21は、溝深さ(=側部22の内面の高さ)が11.0mm、溝幅が3.6mmであり、側部22の内面の高さ(11.0mm)の端面側約半分の領域に、厚さ0.2mmの軟質樹脂係止片26が設けられ、また、底部23上の幅方向中央に、厚さ0.5mm、幅2.0mmの断面略半円状の軟質樹脂突条27が設けられている。この実施形態で用いられる鏡板12の厚さは、溝部21の溝幅(3.6mm)より若干大きい4.0mmであるので、この鏡板12の端縁部を鏡板保持部材20の溝部21に嵌入していくと、軟質樹脂による係止片26,26を圧縮させながら、また、硬質樹脂で形成される本体24の側部22,22を僅かに外側に撓ませながら、溝部21内に進入し、最終的に得られる状態(図2図5)では、鏡板12の端縁部が係止片26,26の間に弾性的に強固に保持されることになる。
【0022】
図2図5から明らかなように、鏡板保持部材20が框材11の嵌合溝16に嵌合された状態において、その本体24の側部22の端面22aが、框材11の端面に露出することになる。これにより、框材11を構成する木質材と本体24を構成する硬質樹脂との質感や材色の相違が観察されてしまうことを防ぐために、図示されていないが、該端面22aに着色を施しておくことが好ましい。また、鏡板12がガラス板などの透光板である場合、框扉10の正面左右方向から斜めに見たときに、鏡板12を通して、鏡板保持部材20の側部22の内面における端面側領域に設けられた軟質樹脂による係止片26が透視されることになり、同様に、質感や材色の相違が観察されてしまう。したがって、これを防止するために、図示されていないが、側部端面22aから所定範囲に亘る領域(係止片26の表面の全部または一部を含む)にも、着色を施しておくことが好ましい。これらの着色は、框材11の表裏面に貼着される化粧シート15,15の色に近似した色で行うことが好ましい。このようにすると、框材11の全体を化粧シート15に同調した外観に化粧することができるので、好ましい実施形態となる。
【0023】
出願人は、鏡板保持部材20の本体側部22の内面を着色すべき範囲について実験と考察を行った。鏡板12にガラス板などの透光板が用いられる場合、鏡板12の端縁部が鏡板保持部材20の溝部21に嵌入されている部分を斜め方向(図2において左上から右下方向、または、右下から左上方向)に目視すると、側部22の内面(係止片26)における端部22a側の領域が、鏡板12を通して見えることになる。この見える範囲を、鏡板12の厚さを変えながら測定したところ、表1に示す結果が得られた。
【0024】
【表1】
【0025】
表1に示す結果から明らかなように、鏡板12の厚さが4mmのときは鏡板保持部材20の側部端面22aから3.0mmの深さまで側部内面が見え、鏡板12の厚さが6mmのときは鏡板保持部材20の側部端面22aから4.5mmの深さまで側部内面が見え、鏡板12の厚さが6mmのときは鏡板保持部材20の側部端面22aから6.0mmの深さまで側部内面が見え、それより深い部分の側部内面は、斜め方向から覗き込むようにしても見えなかった。したがって、側部端面22aから、鏡板12の厚さの75%に相当する深さまで、側部内面を化粧シート16の色と近似する色に着色すれば、化粧が施されない側部内面(または係止片26の表面)が見えてしまうことによる美観の低下を防ぐことができることが確認された。
【0026】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において多種多様の変形ないし変更が可能である。たとえば、図1に示す框扉10は、左右縦框11a,11aおよび上下横框11b,11bで四方框組みされた中に鏡板12を配した構成であるが、框扉10における框組は任意であり、たとえば、上下横框が省略され、左右縦框11a,11aのみで框組みされた間に鏡板12を配した構成の框扉10において、左右縦框11a,11aの端面に形成した嵌合溝16に鏡板12の端縁部を保持するための鏡板保持部材として既述の鏡板保持部材20を用いても良いし、框組の内部に桟材を配して桟組みした場合において該桟材に鏡板12の端縁部を保持するための鏡板保持部材として既述の鏡板保持部材20を用いても良い。
【0027】
また、側部22の各外面に形成される係止部25について、上記実施形態では、鋸歯状の係止部25が形成されているが、溝部21に嵌入された鏡板12の端縁部をしっかり保持して抜け止めすることができるものであれば、その形状や構成は限定されない。たとえば、図8に示すように、適宜間隔を置いて形成される2つ(またはより多数)の突条状の係止部25としても良い。
【0028】
また、側部22の各内面に設けられる係止片26について、上記実施形態では、端面側の所定領域に亘る幅を有する単一の係止片26が設けられているが、框材11の嵌合溝16に嵌入された鏡板保持部材20をしっかり保持して抜け止めすることができるものであれば、その形状や構成は限定されない。たとえば、図9に示すように、適宜間隔を置いて設けられる2つ(またはより多数)の係止片26としても良い。
【0029】
また、上記実施形態では、框材11の芯材13に合板を用いることを前提として、その表裏にMDFからなる表裏面材14,14を設けると共に、これらの表面に化粧シート15,15を貼着して意匠性を高めていることから、これに同調させるために、鏡板保持部材20の側部端面22a,22aおよび係止部材26,26に、化粧シート15,15の色に近似した色の着色を施しているが、芯材13に無垢材などを用いる場合、その本来の木質感・高級感をそのまま表現するために、表裏面材14,14および化粧シート15,15を省略して框材11とされることがある。このような場合には、鏡板保持部材20の側部端面22a,22aおよび係止部材26,26に、芯材13を形成する無垢材の材色(または塗装が施される場合はその塗装色)に近似した色で着色することが好ましい。
【符号の説明】
【0030】
10 框扉
11 框材
11a 左右縦框
11b 上下横框
12 鏡板
13 芯材
14 表裏面材
15 化粧シート
16 嵌合溝
17 縁材
20 鏡板保持部材
21 溝部
22 側部
22a 端面
23 底部
24 本体
25 係止部
26 係止片
27 突条
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9