特開2017-190900(P2017-190900A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017190900-空調ダクト装置及びその連結部材 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-190900(P2017-190900A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】空調ダクト装置及びその連結部材
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/02 20060101AFI20170922BHJP
【FI】
   F24F13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-79972(P2016-79972)
(22)【出願日】2016年4月13日
(71)【出願人】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(72)【発明者】
【氏名】久野木 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 究
(72)【発明者】
【氏名】村田 孝友
(72)【発明者】
【氏名】陳 群
【テーマコード(参考)】
3L080
【Fターム(参考)】
3L080AB04
3L080AD02
(57)【要約】
【課題】空調ダクト装置における2つのダクト部材を簡単に連結でき、かつ配置スペースを小さくできるダクト連結構造を提供する。
【解決手段】空調ダクト装置1の隣接する2つのダクト部材10どうしを連結部材20によって連結する。連結部材20は、2つのダクト部材10の外側面どうし間に跨る連結本体部21と、連結本体部21の両側部にそれぞれ複数設けられた定着爪23を有している。各定着爪23が、対応するダクト部材10に突き刺さって定着されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに連なる複数のダクト部材と、
隣接する2つのダクト部材どうしを連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材が、
前記2つのダクト部材の外側面どうし間に跨る連結本体部と、
前記連結本体部における前記跨ぐ方向の両側部にそれぞれ複数設けられ、かつ前記跨ぐ方向と交差する方向に並べられた定着爪と、
を有し、各定着爪が、前記連結本体部から前記跨ぐ方向及び前記並び方向と交差する方向へ突出して、対応するダクト部材に突き刺さって定着されていることを特徴とする空調ダクト装置。
【請求項2】
前記連結本体部の一側部に設けられた定着爪と、他側部に設けられた定着爪とが、前記並び方向にずれていることを特徴とする請求項1に記載の空調ダクト装置。
【請求項3】
前記連結本体部の両側部における隣接する定着爪どうしの間には、V字凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の空調ダクト装置。
【請求項4】
2つのダクト部材どうしを連結する連結部材であって、
前記2つのダクト部材の外側面どうし間に跨る連結本体部と、
前記連結本体部における前記跨ぐ方向の両側部にそれぞれ複数設けられ、かつ前記跨ぐ方向と交差する方向に並べられた定着爪と、
を有し、各定着爪が、前記連結本体部から前記跨ぐ方向及び前記並び方向と交差する方向へ突出して、対応するダクト部材に突刺可能であることを特徴とする空調ダクト用連結部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の空調ダクト装置及びそのダクト部材どうしを連結する連結部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に空調ダクト装置は、複数のダクト部材を一列に連ねることによって構成されている。各ダクト部材には、フランジが設けられている。隣接する2つのダクト部材のフランジどうしが、ビス止めや溶接等によって接合されている。
特許文献1では、ダクト部材からフランジを無くし、代わりに、ダクト部材とは別体の一対の接続部材を介して、隣接するダクト部材どうしを連結している。各接続部材を、対応するダクト部材にアルミテープで貼り付け、かつ一対の接続部材どうしをリベットまたは接着剤で接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−67323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダクト部材のフランジどうしを連結する構造は、ダクト部材の周囲にフランジを配置するためのスペースを確保する必要がある。
特許文献1では、各接続部材とダクト部材との接合作業、及び一対の接続部材どうしの接合作業を要し、煩雑である。
本発明は、かかる事情に鑑み、空調ダクト装置における2つのダクト部材を簡単に連結でき、かつ配置スペースを小さくできるダクト連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記問題点を解決するために、本発明に係る空調ダクト装置は、互いに連なる複数のダクト部材と、
隣接する2つのダクト部材どうしを連結する連結部材と、を備え、
前記連結部材が、
前記2つのダクト部材の外側面どうし間に跨る連結本体部と、
前記連結本体部における前記跨ぐ方向の両側部にそれぞれ複数設けられ、かつ前記跨ぐ方向と交差する方向に並べられた定着爪と、
を有し、各定着爪が、前記連結本体部から前記跨ぐ方向及び前記並び方向と交差する方向へ突出して、対応するダクト部材に突き刺さって定着されていることを特徴とする。
また、本発明に係る空調ダクト用連結部材は、2つのダクト部材どうしを連結する連結部材であって、
前記2つのダクト部材の外側面どうし間に跨る連結本体部と、
前記連結本体部における前記跨ぐ方向の両側部にそれぞれ複数設けられ、かつ前記跨ぐ方向と交差する方向に並べられた定着爪と、
を有し、各定着爪が、前記連結本体部から前記跨ぐ方向及び前記並び方向と交差する方向へ突出して、対応するダクト部材に突刺可能であることを特徴とする。
【0006】
前記空調ダクト装置における2つのダクト部材どうしを連結する際は、連結部材の連結本体部を、これらダクト部材の外側面どうし間に跨るように配置するとともに、各定着爪を、対応するダクト部材に突き刺す。これによって、2つのダクト部材を簡単に連結できる。また、ダクト部材の外側面上には、連結部材の連結本体部が配置されるだけであり、定着爪はダクト部材の内部に埋められるから、殆ど場所を取らず、連結部材を配置するための所要スペースを小さくできる。
【0007】
前記連結本体部の一側部に設けられた定着爪と、他側部に設けられた定着爪とが、前記並び方向にずれていることが好ましい。
これによって、連結部材に加わる力を分散できる。
【0008】
前記連結本体部の両側部における隣接する定着爪どうしの間には、V字凹部が形成されていることが好ましい。
これによって、定着爪と連結本体部との交差部に生じる応力を緩和し、又は逃がすことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2つのダクト部材を連結部材によって簡単に連結できる。かつ、連結部材ための配置スペースを小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1(a)は、本発明の一実施形態に係る空調ダクト装置における複数のダクト部材のうち隣接する2つのダクト部材を連結状態で示す斜視図である。図1(b)は、前記2つのダクト部材どうしの連結部にアルミテープを巻いた状態の斜視図である。
図2図2は、前記2つのダクト部材の連結部の平面図である。
図3図3は、図2のIII−III線に沿う正面階段断面図である。
図4図4は、図3のIV−IV線に沿う側面断面図である。
図5図5は、前記隣接する2つのダクト部材及び連結部材の分解斜視図である。
図6図6は、前記連結部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1(a)は、建物の空調ダクト装置1を示したものである。空調ダクト装置1は、複数(図では2つだけ図示)のダクト部材10と、連結部材20を備えている。複数のダクト部材10が、一列に連なっている。
【0012】
図5に示すように、各ダクト部材10は、ダクト本体11を含む。ダクト本体11は、グラスウールや発泡樹脂にて構成されている。ダクト本体11は、四角形の筒形状になっている。図3及び図4に示すように、ダクト本体11の外面は、外側金属層15によって覆われている。ダクト本体11の内面は、内側金属層16によって覆われている。金属層15,16は、アルミ箔にて構成されている。金属層15,16によって、ダクト部材10の不燃性が確保されている。
【0013】
図5に示すように、各ダクト本体11の一端部は、角錐状に突出する凸錐端部13となっている。各ダクト本体11の他端部は、凹角錐状に凹む凹錐端部14となっている。隣接する2つのダクト部材10のうち、一方のダクト部材10の凸錐端部13が、他方のダクト部材10の凹錐端部14に嵌められている。更に、各ダクト部材10の4つの外側面は、それぞれ他方のダクト部材10の対応する外側面と面一になっている。
【0014】
図1(a)及び図5に示すように、隣接する2つのダクト部材10は、連結部材20によって連ねられている。これらダクト部材10,10間には、4つの連結部材20が設けられている。4つの連結部材20によって、ダクト部材10,10が四方から連結されている。
図1(b)に示すように、更に、これら2つのダクト部材10どうし間には、アルミ粘着テープ3が巻き付けられている。アルミ粘着テープ3は、2つのダクト部材10に跨るとともに、連結部材20に被さっている。
【0015】
図6に示すように、連結部材20は、連結本体部21と、複数の定着爪23とを有している。連結部材20の材質は、例えば亜鉛メッキ鋼板にて構成されているが、本発明がこれに限定されるものではない。
図2及び図3に示すように、連結本体部21は、平板状になっている。連結本体部21は、隣接する2つのダクト部材10の外側面どうし間に跨るようにして、これらダクト部材10,10の外側面に添うように配置されている。
【0016】
図6に示すように、連結本体部21におけるダクト軸方向L(2つのダクト部材10を跨ぐ方向)の両側部にそれぞれ複数の定着爪23が設けられている。各定着爪23は、連結本体部21からダクト厚み方向t(前記跨ぐ方向及び並び方向と交差する方向)へ突出されている。図4に示すように、各定着爪23は、先細に尖った三角形状になっている。定着爪23の長さ(連結本体部21からの突出量)は、ダクト本体11の厚みよりも小さい。
【0017】
図2及び図6に示すように、ダクト軸方向L(図2において左右)の各側部における定着爪23,23…どうしは、ダクト軸方向Lと交差する並び方向wに並べられている。更に、ダクト軸方向Lにおける一側部(図2において例えば左側)の定着爪23と、他側部(図2において例えば右側)の定着爪23とは、並び方向w(図2において上下)にずれている。
【0018】
図3に示すように、前記一側部(図3において例えば左側)の定着爪23は、一側(図3において左側)のダクト部材10に突き刺さって定着されている。前記他側部(図3において右側)の定着爪23は、他側(図3において右側)のダクト部材10に突き刺さって定着されている。図4に示すように、定着爪23の長さがダクト本体11の厚みよりも小さいために、定着爪23の全体がダクト本体11の壁内に埋まっている。
【0019】
図2に示すように、連結本体部21の両側部における隣接する定着爪23どうしの間には、V字凹部25が形成されている。V字凹部25は、定着爪23から遠ざかるにしたがって幅狭になるようにV字状に形成されている。
【0020】
空調ダクト装置1における2つのダクト部材10どうしを連結する際は、これらダクト部材10どうしを一列に配置して、一方のダクト部材10の凸錐端部13を他方のダクト部材10の凹錐端部14に嵌め込む。
続いて、連結部材20の連結本体部21を、ダクト部材10,10の外側面どうし間を跨ぐように配置するとともに、両側部の定着爪23を、対応するダクト部材10にそれぞれ突き刺す。4つの連結部材20によって、2つのダクト部材10,10を四方から連結する。
その後、これらダクト部材10,10の継ぎ目に沿ってアルミ粘着テープ3を巻き付け、連結部材20をアルミ粘着テープ3で覆う。
このようにして、2つのダクト部材10を簡単に連結できる。
ダクト部材10の外側面には、連結本体部21が配置されるだけであり、定着爪23はダクト部材10の内部に埋められるから、殆ど場所を取らず、連結部材20を配置するための所要スペースを小さくできる。
連結本体部21の一側部と他側部の定着爪23,23どうしを並び方向wにずらすことによって、連結部材20に加わる力を分散できる。
連結本体部21にはV字凹部25を形成することによって、定着爪23と連結本体部21との屈曲部に生じる応力を緩和し、又は逃がすことができる。
【0021】
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、ダクト部材10の断面形状は、四角形に限られず、円形であってもよく、六角形等の四角形以外の多角形であってもよい。
ダクト本体11の端面が、ダクト本体11の外側面に対して垂直な平坦面になっていてもよい。
本発明は、ダクト部材10どうしを一列に連結する場合だけでなく、幹ダクトから枝ダクトへの分岐部にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、例えば建物の空調設備に適用できる。
【符号の説明】
【0023】

1 空調ダクト装置
3 アルミ粘着テープ
10 ダクト部材
11 ダクト本体
13 凸錐端部
14 凹錐端部
15 外側金属層
16 内側金属層
20 連結部材
21 連結本体部
23 定着爪
25 V字凹部
w 並び方向
L ダクト軸方向(跨ぐ方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6