特開2017-191104(P2017-191104A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-191104ブリスターパックからの内容物の取出しを検出する検出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-191104(P2017-191104A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】ブリスターパックからの内容物の取出しを検出する検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01V 8/20 20060101AFI20170922BHJP
   A61J 7/02 20060101ALI20170922BHJP
【FI】
   G01V9/04 N
   A61J7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-81177(P2017-81177)
(22)【出願日】2017年4月17日
(62)【分割の表示】特願2016-82135(P2016-82135)の分割
【原出願日】2016年4月15日
(71)【出願人】
【識別番号】515349733
【氏名又は名称】株式会社日本未来医療研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(74)【代理人】
【識別番号】100198960
【弁理士】
【氏名又は名称】奥住 忍
(72)【発明者】
【氏名】平泉 一城
【テーマコード(参考)】
2G105
4C047
【Fターム(参考)】
2G105AA01
2G105BB16
2G105BB17
2G105BB18
2G105CC03
2G105DD02
2G105EE02
2G105HH04
4C047NN07
4C047NN09
(57)【要約】
【課題】ブリスタ−パックからの内容物の取り出しを簡易に検出すること。
【解決手段】複数の収容部を備えたブリスターパックから内容物がどのようなタイミングで取り出されたかを検出する検出装置であって、前記ブリスタ−パックを配置する配置部材と、前記配置部材に配置された前記ブリスターパックの前記複数の収容部に光を射出する複数の光源と、前記光源から射出された光を受光すると共に受光強度に応じた電気信号を出力する複数の受光部と、前記複数の受光部から出力された電気信号に基づいて、前記収容部のそれぞれにおける内容物の有無を検出する検出手段と、を備えた検出装置。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容部を備えたブリスターパックから内容物がどのようなタイミングで取り出されたかを検出する検出装置であって、
前記ブリスタ−パックを配置する配置部材と、
前記配置部材に配置された前記ブリスターパックの前記複数の収容部に光を射出する複数の光源と、
前記光源から射出された光を受光すると共に受光強度に応じた電気信号を出力する複数の受光部と、
前記複数の受光部から出力された電気信号に基づいて、前記収容部のそれぞれにおける内容物の有無を検出する検出手段と、
を備えた検出装置。
【請求項2】
前記ブリスターパックを配置する配置部材は、前記複数の収容部を収容する収容部材である請求項1に記載の検出装置。
【請求項3】
閉じた状態のときに、ブリスターパックを収容部材に向けて押さえる機能を有するカバーをさらに備えた請求項2に記載の検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブリスターパックからの内容物の取出しを検出する検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ブリスターパックにおいて内容物が収容される透明なカップを挟んで対向する位置に配置された赤外線送信機から赤外線受信機に向けて赤外光が射出されることにより、カップ内に内容物があるか否かを検知する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭58−20628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の包装品検査装置は、あくまでも製造工程において、カップへの錠剤の充填を検査するために用いられる大型の検査装置であり、ブリスタ−パックからの内容物の取り出しを簡易に検出することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る検出装置は、
複数の収容部を備えたブリスターパックから内容物がどのようなタイミングで取り出されたかを検出する検出装置であって、
前記ブリスタ−パックを配置する配置部材と、
前記配置部材に配置された前記ブリスターパックの前記複数の収容部に光を射出する複数の光源と、
前記光源から射出された光を受光すると共に受光強度に応じた電気信号を出力する複数の受光部と、
前記複数の受光部から出力された電気信号に基づいて、前記収容部のそれぞれにおける内容物の有無を検出する検出手段と、
を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ブリスタ−パックからの内容物の取り出しを簡易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一実施形態に係るブリスターパックの内容物検知装置のカバーを閉じた状態の斜視図である。
図2】ブリスターパックの内容物検知装置のカバーを開いた状態の斜視図である。
図3】カバーを開いた状態の前記ブリスターパックの内容物検知装置にブリスターパックを配置した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図1図3を参照しつつ説明する。
【0010】
本発明に係るブリスターパックの内容物検知装置(以下、単に「内容物検知装置」と称する。)は、図3に示すような、複数の収容部91を有するブリスターパック9における収容部91毎の内容物92の有無を検知する。本実施形態のブリスターパック9は、いわゆるPTP(press through pack)シートであり、収容部91に収容されている内容物92は、錠剤である。このブリスターパック9は、透明な樹脂シート90に熱成形して作った複数の窪み(収容部)91のそれぞれに内容物(本実施形態の例では、中央部が外側に膨出した円盤状の錠剤)92を入れ、収容部91の開口をアルミ箔等の比較的破れやすいシート93で覆い、収容部91の周辺部を接着またはシール等で固定することにより形成されている。
【0011】
内容物検知装置は、図1図3に示すように、検知対象物であるブリスターパック9の収容部91に応じた電気信号を出力する検知部(検知装置)と、検知部からの電気信号を受信してブリスターパック9の収容部91内の内容物92の有無を検出する検出部25と、を備える。
【0012】
検知部は、ブリスターパック9の収容部91が収容される内壁面220を有する収容部材22と、光を射出する光源23と、光を受光すると共に受光強度に応じた強度の電気信号を出力する受光部24と、を備える。
【0013】
具体的に、内容物検知装置1は、厚板状の装置本体2と、装置本体2の一方の面を覆うことができるカバー(押圧部)3と、を備える。
【0014】
装置本体2は、筐体21と、内壁面220を有する収容部材22と、光源23と、受光部24と、検出部25と、を有する。収容部材22は、複数の内壁面220を有する。複数の内壁面220のそれぞれは、ブリスターパック9の複数の収容部91と対応する位置に配置されている。
【0015】
収容部材22は、矩形の板状であり、かつ厚さ方向に貫通する複数(ブリスターパック9の収容部91の数に対応した数)の貫通孔を有する部材本体26と、貫通孔の一方の開口を塞ぐ基板27と、を有する。本実施形態の収容部材22では、貫通孔の周面部262と、基板27における貫通孔の一方の開口を塞ぐ部位(閉塞部)271と、によって内壁面220が構成されている(図2参照)。即ち、複数の内壁面220のそれぞれは、周面部262と閉塞部271とを有する。本実施形態の内壁面220は、開口を有すると共に、ブリスターパック9の収容部91が開口から挿入される。
【0016】
また、基板27に、光源23と、受光部24が周面部262の径方向に対向する位置にそれぞれ設けられている。
【0017】
光源23は、光(赤外領域から紫外領域までの波長のうちの所定の波長の光)を射出する。この光源23は、単波長の光を射出する。このように、射出される光の波長域を狭くすることで、受光部24で受光したときの外乱光の影響を除去し易くなる。本実施形態の光源23は、赤外領域の波長の光を射出する。本実施形態の光源23は、LEDである。
【0018】
受光部24は、いわゆる受光素子であり、受光面で受光した光の強度に応じた強度の電気信号を出力する。本実施形態の受光部24は、光源23から射出された光を受光する。この受光部24は、周面部262における光源23と対向する位置に配置されている。
【0019】
検出部25は、基板27に実装されている。この検出部25は、受光部24から受信した電気信号の強度が所定の閾値を超えるか否かでブリスターパック9の収容部91内の内容物92の有無を検出する。本実施形態の検出部25は、一つの内壁面220と、この内壁面220に対応する光源23および受光部24とを一つの検知ユニットとしたときに、複数の検知ユニットのそれぞれから電気信号を受信すると共に、検知ユニット毎の収容部91内の内容物92の有無を検出する。
【0020】
検出部25は、検出結果を、スマートフォン等の外部機器に向けて電波により出力する。このスマートフォン等に所定の服薬管理用のソフトをインストールしておくことで、検出結果を受信したスマートフォンで、服薬管理を行うことができる。即ち、ブリスターパック9の複数の収容部91のうちのいずれの収容部91内の内容物92が無いかが検出できるため、例えば、毎日所定個数の錠剤を服薬したか否かや、所定時間ごとに錠剤を服薬したか否か等の管理を行うことができる。
【0021】
なお、内容物検知装置1からの出力情報を受信する前記の外部機器は、スマートフォンに限定されず、PDA等の携帯端末、PC、服薬管理専用端末等でもよい。また、外部機器は、内容物検知装置1の使用場所から離れた場所に設置されてLANやインターネット等を経由して接続されるサーバ等であってもよい。即ち、外部機器は、収容部91毎の内容物92の有無についての情報を利用する機器であればよい。また、本実施形態の内容物検知装置1は、無線接続によって、外部機器に収容部91毎の内容物92の有無についての情報を出力しているが、有線接続によって、外部機器に収容部91毎の内容物92の有無についての情報を出力する構成でもよい。
【0022】
カバー3は、板状の部材であり、矩形板状の装置本体2の長辺に、該長辺に沿った軸を回動軸として回動可能に取り付けられている。本実施形態のカバー3は、閉じた状態のときに、ブリスターパック9を収容部材22に向けて押さえる機能を有する。
【0023】
以上のように構成される内容物検知装置1は、以下のように使用される。
【0024】
カバー3が開かれ(図2参照)、各収容部91が収容されるようにブリスターパック9が収容部材22上に配置される。ブリスターパック9が配置されると、カバー3が閉じられる。このカバー3が閉じたことを装置本体2が検知することで、または、スイッチ等が操作されることで、複数の検知ユニットのそれぞれにおいて、光源23が光を射出すると共に、受光部24が光を受光する。複数の受光部24のそれぞれは、受光強度に応じた強度の電気信号を検出部25にそれぞれ出力する。検出部25は、各受光部24から受信した電気信号の強度が閾値を超えるか否かで、検知ユニット毎、即ち、ブリスターパック9の収容部91毎の内容物92の有無をそれぞれ検出し、検出結果を電波で出力する。
【0025】
以上の内容物検知装置1では、光源23から射出された光を受光部24によって受光したときに、受光強度が変化することを利用して、ブリスターパック9の収容部91の内容物92の有無を検知する。即ち、内容物検知装置1では、光源23と受光部24との間にブリスターパック9の一部(例えば、内容物92を押し出した後の潰れた状態の収容部や、収容部91の開口を塞いでいたシート)があっても、収容部91内の内容物92の有無を検知することができる。
【0026】
具体的には、本実施形態の内容物検知装置1では、受光部24から出力される電気信号の強度に対する適切な閾値を設定し、検出部25において受光部24から受信した電気信号の強度がこの閾値を超えるか否かでブリスターパック9の収容部91内の内容物92の有無を検出する構成とすることで、光源23と、この光源23から射出された光を受光する受光部24との間、即ち、光源23から受光部24に向かう光の軌道上に物体(ブリスターパック9の一部)があったとしても、収容部91内の内容物92の有無を検知することができる。
【0027】
本実施形態の内容物検知装置1では、検出部25が複数の検知ユニット(一つの内壁面220と、この内壁面220に対応する光源23および受光部24)のそれぞれから電気信号を受信すると共に、検知ユニット毎の収容部91内の内容物92の有無を検出しているため、複数の収容部91を有するブリスターパック9の収容部91毎の内容物92の有無を検知することができる。
【0028】
また、本実施形態の内容物検知装置1では、周面部262が、円柱面状であり、光源23と受光部24とが、周面部262において、該周面部262の径方向に対向する位置に配置されている。このため、受光部24が周面部262の周方向において光源23から最も離れた位置に配置される。
【0029】
上記実施形態のブリスターパックの内容物検知装置1では、ブリスターパック9の収容部91が透明であるが、この構成に限定されない。収容部91は不透明でもよい。
図1
図2
図3