特開2017-191361(P2017-191361A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-191361(P2017-191361A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20060101AFI20170922BHJP
【FI】
   G05D1/02 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-78786(P2016-78786)
(22)【出願日】2016年4月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】西川 直
(72)【発明者】
【氏名】進 武士
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301EE02
5H301EE12
5H301EE16
5H301FF05
5H301FF11
5H301FF23
5H301GG06
5H301GG08
5H301KK04
5H301KK09
5H301KK18
5H301KK19
5H301LL03
5H301LL08
5H301LL12
5H301LL14
(57)【要約】
【課題】管理領域における物品搬送車の衝突を抑制すると共に、管理領域内へ進入可能な物品搬送車の台数の制限を緩和する。
【解決手段】物品搬送車Vは、タグ情報を送信するワイヤレスタグ5を搭載し、物品搬送設備は、1つの管理領域Z内に存在する物品搬送車Vの台数が、管理台数以下となるように管理領域Zへの物品搬送車Vの進入を管理する搬送管理装置Hと、複数のアクセスポイント3と、複数のアクセスポイント3が受信した同一のタグ情報に基づいて、管理領域Z内の複数の箇所を区別可能な精度で各物品搬送車Vの位置を検出する位置検出装置2と、を備える。搬送管理装置Hは、各物品搬送車Vの位置を示す情報である位置情報を位置検出装置2から取得し、位置情報に基づいて、予め規定された許容条件を満たす場合には、管理台数を超えて管理領域Z内に物品搬送車Vが進入することを許容する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行経路に沿って一方向にのみ走行して物品を搬送する複数の物品搬送車と、前記物品搬送車のそれぞれを管理する搬送管理装置と、を備えた物品搬送設備であって、
前記走行経路は、予め規定された領域である管理領域内の管理対象経路と、当該管理領域の外部の一般経路とを含み、
前記搬送管理装置は、1つの前記管理領域における前記管理対象経路に存在する前記物品搬送車の台数である領域内台数が、予め規定された管理台数以下となるように前記管理領域への前記物品搬送車の進入を管理し、
さらに、
ワイヤレス信号を各物品搬送車との間で送受信する複数のアクセスポイントと、
前記物品搬送車のそれぞれに搭載され、前記物品搬送車を識別する情報を少なくとも含むタグ情報を前記ワイヤレス信号として送信するワイヤレスタグと、
各アクセスポイントを介して前記物品搬送車のそれぞれの前記タグ情報を取得し、複数の前記アクセスポイントが受信した同一の前記タグ情報に基づいて、各物品搬送車の位置を検出する位置検出装置と、を備え、
前記位置検出装置は、前記管理領域内の複数の箇所を区別可能な精度で各物品搬送車の位置を検出し、
前記搬送管理装置は、各物品搬送車の位置を示す情報である位置情報を前記位置検出装置から取得し、当該位置情報に基づいて、予め規定された許容条件を満たす場合には、前記管理台数を超えて前記管理領域内に前記物品搬送車が進入することを許容する、物品搬送設備。
【請求項2】
前記走行経路を複数に区分した走行区を単位として前記走行経路上の前記物品搬送車の位置を検出する走行区検出装置を備え、
前記管理領域は、少なくとも1つの走行区によって構成され、
前記搬送管理装置は、前記走行区検出装置による検出結果に基づいて、前記走行経路上における前記物品搬送車の走行、及び前記物品搬送車の前記管理領域への進入を管理し、
前記位置検出装置は、前記走行区検出装置よりも高い精度で各物品搬送車の位置を検出する、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記搬送管理装置は、前記物品搬送車が少なくとも前記管理対象経路に存在する場合には、当該物品搬送車が前記一般経路に存在する場合に前記位置検出装置から前記位置情報を取得する頻度である第1頻度よりも高い第2頻度で、当該物品搬送車の前記位置情報を取得する、請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記物品搬送車の進行方向に沿って前記管理領域の手前に管理準備地点が設定され、
前記搬送管理装置は、前記物品搬送車が前記管理準備地点に到達した後、前記位置情報を前記第2頻度で取得する、請求項3に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記管理領域への前記物品搬送車の進入と、前記管理領域からの前記物品搬送車の退出を検出し、前記管理領域への前記物品搬送車の進入の可否を判定する管理領域管理装置を備え、
前記搬送管理装置は、前記管理領域管理装置の判定結果に基づいて、前記管理領域への前記物品搬送車の進入を管理し、
前記搬送管理装置は、前記許容条件を満たす場合には、前記管理領域管理装置の判定結果に拘わらず、前記物品搬送車が前記管理領域に進入することを許容する、請求項1から4の何れか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記アクセスポイントは、第1通信チャンネル、及び前記第1通信チャンネルとは異なる第2通信チャンネルで前記ワイヤレス信号を送受信可能であり、
前記搬送管理装置は、各物品搬送車と、前記第1通信チャンネルを用いたワイヤレス通信を行って各物品搬送車を管理するものであり、
前記ワイヤレスタグは、前記第2通信チャンネルを用いて前記タグ情報を送信する請求項1から5の何れか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記第1通信チャンネルと前記第2通信チャンネルとの間で、前記アクセスポイントの通信チャンネルを切り換えるネットワークスイッチを備える請求項6に記載の物品搬送設備。
【請求項8】
前記管理領域内の下流側において予め規定された範囲内に、先行車としての前記物品搬送車が存在する場合には、
前記搬送管理装置は、前記領域内台数から当該先行車の台数を減じて、後続車としての前記物品搬送車の前記管理領域への進入を管理する、請求項1から7の何れか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項9】
前記管理領域内に、前記走行経路が複数の経路に分岐する分岐点、及び、複数の経路が合流する合流点の少なくとも一方を含み、
前記分岐点及び前記合流点を挟んで、前記管理領域内の前記走行経路が、異なる経路ブランチとして設定されており、
前記物品搬送車の走行先の前記経路ブランチである走行先ブランチ、及び当該走行先ブランチよりも手前側であって当該走行先ブランチに繋がる前記経路ブランチに、別の前記物品搬送車が存在していない場合には、前記搬送管理装置は、前記領域内台数に拘わらず、前記物品搬送車が前記管理領域に進入することを許容する、請求項1から8の何れか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項10】
前記ワイヤレスタグは、前記タグ情報を送信するために必要な電力を供給するタグ電源を備える請求項1から9の何れか一項に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行経路に沿って一方向にのみ走行して物品を搬送する複数の物品搬送車と、各物品搬送車を管理する搬送管理装置とを備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
工場や倉庫などにおいて無人搬送車(物品搬送車)を利用した物品の自動搬送が実用化されている。無人搬送車は、多くの場合、上位の制御装置から通信によって与えられる指令やプログラムに従って、予め設定された走行経路に沿って自律走行する。但し、走行経路は、経路の分岐、経路の合流、経路の交差等を含むことも多く、分岐点、合流点、交差点等において、物品搬送車同士が衝突しないような走行制御が求められる。特開2000−250628号公報(特許文献1)には、そのような分岐点、合流点、交差点等を含む制御ゾーン(管理領域)を設定して、所定の条件に基づいて当該制御ゾーン内への物品搬送車の進入を制限する技術が開示されている。一般的には、このような制御ゾーン内に2台以上の物品搬送車が進入することは制限されている(例えば、特許文献1:[0004],[0010]等)。
【0003】
例えば、特許文献1の図1図11のように、並行する2つの直線経路(R1,R2)の間に、迂回経路(R3)が架け渡されている場合、1つの態様として、図11にように、一方の直線経路(R1)と迂回経路(R3)との分岐点(A1)、及び他方の直線経路(R2)と迂回経路(R3)との合流点(B1)とを含む領域に制御ゾーン(D1)が設定される。この場合、制御ゾーン(D1)内に進入できる物品搬送車は1台に制限される。単純に2つの直線経路(R1,R2)を、1台ずつ物品搬送車が直進するだけの場合であっても、制御ゾーン(D1)内への進入が制限される。このため、衝突のおそれが無いにも拘わらず、何れか一方の物品搬送車は、待機する必要があり、その分、設備全体の搬送効率は低下する。特許文献1では、このような問題に鑑み、特許文献1の図1のように、このような分岐点及び合流点を含む場所において、複数の制御ゾーン(d1,d2)を設けることが提案されている(特許文献1:[0021]−[0022]、図1等)。
【0004】
但し、特許文献1の図1のように制御ゾーンを設けた場合であっても、やはり、1つの制御ゾーン(図1の場合には、d1及びd2)に同時に進入可能な物品搬送車は1台に制限されている。しかし、設備全体の搬送効率を向上させるためには、衝突等のおそれを適切に排除しつつ、このような制御ゾーンにおける制限を緩和することが好ましい。ところで、特許文献1では、制御ゾーンへの進入の可否を判定する形態が例示されている(特許文献1:[0023]−[0026]、図2等)。このような制御ゾーン(管理領域)への進入制御は、制御領域内の物品搬送車の存否及び各物品搬送車の走行を管理する管理装置と、物品搬送車との通信によって行われる場合もある。そのような場合でも、一般的には、制御ゾーンに進入可能な物品搬送車の数は、予め規定された台数(多くの場合1台)に固定されている。従って、制御ゾーン(管理領域)への進入を管理する制御形態に拘わらず、衝突等のおそれを適切に排除しつつ、制御ゾーン(管理領域)における制限を緩和する技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−250628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記背景に鑑みて、管理領域における物品搬送車の衝突を抑制すると共に、管理領域内へ進入可能な物品搬送車の台数の制限を緩和することができる技術の提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様として、上記に鑑みた物品搬送設備は、走行経路に沿って一方向にのみ走行して物品を搬送する複数の物品搬送車と、前記物品搬送車のそれぞれを管理する搬送管理装置と、を備えた物品搬送設備であって、
前記走行経路は、予め規定された領域である管理領域内の管理対象経路と、当該管理領域の外部の一般経路とを含み、
前記搬送管理装置は、1つの前記管理領域における前記管理対象経路に存在する前記物品搬送車の台数である領域内台数が、予め規定された管理台数以下となるように前記管理領域への前記物品搬送車の進入を管理し、
さらに、
ワイヤレス信号を各物品搬送車との間で送受信する複数のアクセスポイントと、
前記物品搬送車のそれぞれに搭載され、前記物品搬送車を識別する情報を少なくとも含むタグ情報を前記ワイヤレス信号として送信するワイヤレスタグと、
各アクセスポイントを介して前記物品搬送車のそれぞれの前記タグ情報を取得し、複数の前記アクセスポイントが受信した同一の前記タグ情報に基づいて、各物品搬送車の位置を検出する位置検出装置と、を備え、
前記位置検出装置は、前記管理領域内の複数の箇所を区別可能な精度で各物品搬送車の位置を検出し、
前記搬送管理装置は、各物品搬送車の位置を示す情報である位置情報を前記位置検出装置から取得し、当該位置情報に基づいて、予め規定された許容条件を満たす場合には、前記管理台数を超えて前記管理領域内に前記物品搬送車が進入することを許容する。
【0008】
管理領域内の管理対象経路は、単一経路、複数の経路に分岐する分岐点を含む経路、複数の経路が合流する合流点を含む経路、分岐点及び合流点を含む経路、複数の経路が交差する交差点を含む経路など、種々の可能性がある。管理対象経路の構造に応じて、管理台数の物品搬送台車が管理領域内に存在している状態で、別の物品搬送車を当該管理領域に進入させてもよい場合がある。つまり、領域内台数が管理台数以下となるように管理領域への物品搬送車の進入を管理する条件を緩和してもよい場合がある。しかし、種々の管理領域に対して、共通した緩和条件を設けることは困難である。一方、緩和条件を共通化するために、管理領域の形状など、管理領域の種類を増加させると、管理領域の管理が複雑化・煩雑化するおそれがある。
【0009】
本構成によれば、位置検出装置により、管理領域内の複数の箇所を区別可能な精度で各物品搬送車の位置が検出される。従って、単純に管理領域内に物品搬送車が存在するか否かなど、管理領域内に存在する物品搬送車の台数(領域内台数)のみに基づくのではなく、管理対象経路上の物品搬送車の位置も考慮して、管理領域への物品搬送車の進入を管理することができる。この際、管理領域の形状など、管理領域の設定自体に変わりはないから、管理領域の管理が複雑化・煩雑化することはない。本構成によれば、許容条件を満たす場合には、管理台数を超えて管理領域内に物品搬送車が進入することが許容されるので、設備全体の搬送効率を向上させることができる。当然ながら、許容条件を満たさない場合には、領域内台数及び管理台数に基づいて、管理領域への物品搬送車の進入が制限されるので、管理領域における物品搬送車の衝突などは適切に抑制されている。このように、本構成によれば、管理領域における物品搬送車の衝突を抑制すると共に、管理領域内へ進入可能な物品搬送車の台数の制限を緩和することができる。
【0010】
ここで、物品搬送設備は、前記走行経路を複数に区分した走行区を単位として前記走行経路上の前記物品搬送車の位置を検出する走行区検出装置を備え、前記管理領域は、少なくとも1つの走行区によって構成され、前記搬送管理装置は、前記走行区検出装置による検出結果に基づいて、前記走行経路上における前記物品搬送車の走行、及び前記物品搬送車の前記管理領域への進入を管理し、前記位置検出装置は、前記走行区検出装置よりも高い精度で各物品搬送車の位置を検出すると好適である。
【0011】
物品搬送設備は、上述したような走行区検出装置が備えられている場合があり、その場合には、特に一般経路を物品搬送車が走行する際には、当該走行区検出装置による検出結果に基づいて搬送管理装置が物品搬送車の走行を管理することが多い。管理領域が1つの走行区によって構成されている場合、走行区検出装置は、物品搬送車が管理領域の中に存在するか否かを検出することができても、管理領域の中の位置を検出することはできない。また、管理領域が複数の走行区によって構成されている場合でも、走行区検出装置は、走行区の分解能を超えて、管理領域内における物品搬送車の位置を検出ことはできない。位置検出装置は、走行区検出装置よりも高い精度で、即ち、走行区よりも細かい分解能で管理領域内における物品搬送車の位置を検出することができる。従って、搬送管理装置は、位置検出装置の検出結果に基づいて、管理領域内に存在する物品搬送車の台数(領域内台数)のみによらず、管理対象経路上の物品搬送車の位置も考慮して、管理領域への物品搬送車の進入を管理することができる。
【0012】
ここで、前記搬送管理装置は、前記物品搬送車が少なくとも前記管理対象経路に存在する場合には、当該物品搬送車が前記一般経路に存在する場合に前記位置検出装置から前記位置情報を取得する頻度である第1頻度よりも高い第2頻度で、当該物品搬送車の前記位置情報を取得すると好適である。
【0013】
管理領域への物品搬送車の進入を管理する上では、搬送管理装置は、管理領域内の複数の箇所を区別可能な精度(分解能)における位置情報を取得することが望ましい。つまり、物品搬送車が、管理対象経路を走行している場合には、物品搬送車が一般経路を走行している場合に比べて、より分解能の高い位置情報が求められる。位置情報を取得する間隔が短いと、その間に物品搬送車が移動する距離も短くなるから、位置情報の分解能が高くなる。搬送管理装置は、物品搬送車が管理対象経路に存在する場合には、より高い頻度である第2頻度で当該物品搬送車の位置情報を取得するので、当該物品搬送車の管理領域における位置情報の分解能が高くなる。
【0014】
さらに、前記物品搬送車の進行方向に沿って前記管理領域の手前に管理準備地点が設定され、前記搬送管理装置が、前記物品搬送車が前記管理準備地点に到達した後、前記位置情報を前記第2頻度で取得すると好適である。
【0015】
管理準備地点に物品搬送車が到達した後に、搬送管理装置が第2頻度で位置情報を取得することによって、搬送管理装置は、当該物品搬送車が管理領域に進入した時点から、高い分解能で当該物品搬送車の位置情報を取得することができる。
【0016】
1つの態様として、物品搬送装置が、前記管理領域への前記物品搬送車の進入と、前記管理領域からの前記物品搬送車の退出を検出し、前記管理領域への前記物品搬送車の進入の可否を判定する管理領域管理装置を備え、前記搬送管理装置が、前記管理領域管理装置の判定結果に基づいて、前記管理領域への前記物品搬送車の進入を管理する場合、前記搬送管理装置は、前記許容条件を満たす場合には、前記管理領域管理装置の判定結果に拘わらず、前記物品搬送車が前記管理領域に進入することを許容すると好適である。
【0017】
搬送管理装置の負荷を軽減するために、管理領域への物品搬送車の進入の可否を判定する管理領域管理装置が、搬送管理装置とは別に設けられる場合がある。搬送管理装置は、位置検出装置の検出結果に基づく許容条件を満たす場合には、管理領域管理装置の判定結果に拘わらず、物品搬送車が前記管理領域に進入することを許容するから、物品搬送設備全体の搬送効率を向上させることができる。
【0018】
ここで、前記アクセスポイントが、第1通信チャンネル、及び前記第1通信チャンネルとは異なる第2通信チャンネルでワイヤレス信号を送受信可能であり、前記搬送管理装置が、各物品搬送車と、前記第1通信チャンネルを用いたワイヤレス通信を行って各物品搬送車を管理するものであり、前記ワイヤレスタグが、前記第2通信チャンネルを用いて前記タグ情報を送信するものであると好適である。
【0019】
搬送管理装置と物品搬送車とのワイヤレス通信が可能であると、両者の間に通信ケーブル等を敷設する必要がなく、物品搬送車及び物品搬送設備の構造を簡素化することができる。一方、ワイヤレスタグからもワイヤレス信号としてタグ情報が送信されるので、電波干渉等により、通信品質(通信速度やデータの信頼性など)が低下するおそれがある。しかし、アクセスポイントが互いに異なる通信チャンネルを有し、搬送管理装置と物品搬送車とのワイヤレス通信と、ワイヤレスタグからのタグ情報の送信とが、互いに異なる通信チャンネルを用いて行われることによって、通信品質の低下が抑制される。
【0020】
前記アクセスポイントが、第1通信チャンネル、及び前記第1通信チャンネルとは異なる第2通信チャンネルで前記ワイヤレス信号を送受信可能な場合、1つの態様として、物品搬送設備が、前記第1通信チャンネルと前記第2通信チャンネルとの間で、前記アクセスポイントの通信チャンネルを切り換えるネットワークスイッチを備えると好適である。
【0021】
アクセスポイント自体が、複数の通信チャンネルによる通信が可能な装置ではない場合、物品搬送設備内のアクセスポイントを当該通信が可能な装置に交換するとすれば、大きなコスト負担や、交換作業に伴う物品搬送設備の休止などを伴うおそれがある。しかし、物品搬送設備にネットワークスイッチを導入すれば、既存のアクセスポイントを有効利用しながら、通信チャンネルの複数化を実現することができる。
【0022】
1つの態様として、前記管理領域内の下流側において予め規定された範囲内に、先行車としての前記物品搬送車が存在する場合には、前記搬送管理装置は、前記領域内台数から当該先行車の台数を減じて、後続車としての前記物品搬送車の前記管理領域への進入を管理すると好適である。
【0023】
管理領域内の下流側において予め規定された範囲内に、先行車が存在する場合、当該先行車は間もなく、管理領域から退出し、領域内台数が1つ減少する可能性が高い。また、当該先行車は、間もなく管理領域から退出するので、後続車と衝突するおそれもない。上記態様によれば、例えば、後続車の管理領域への進入の可否を判定するに際して、予め当該先行車の台数を領域内台数から減じることで、管理領域の外で当該後続車を待機させることなく、当該後続車の管理領域への進入を許容することができる。
【0024】
また、1つの態様として、前記管理領域内に、前記走行経路が複数の経路に分岐する分岐点、及び、複数の経路が合流する合流点の少なくとも一方を含み、前記分岐点及び前記合流点を挟んで、前記管理領域内の前記走行経路が、異なる経路ブランチとして設定されており、前記物品搬送車の走行先の前記経路ブランチ、及び当該走行先の経路ブランチよりも手前側であって当該走行先の経路ブランチに繋がる前記経路ブランチに、先行車としての前記物品搬送車が存在していない場合には、前記搬送管理装置は、前記領域内台数に拘わらず、後続車としての前記物品搬送車が前記管理領域に進入することを許容すると好適である。
【0025】
管理領域に進入する物品搬送車(「後続車」とする)の走行先の経路ブランチ(走行先ブランチ)に、別の物品搬送車(「先行車」とする)が存在していない場合には、後続車が先行車に追突することはない。また、走行先ブランチよりも手前側であって当該走行先ブランチに繋がる前記経路ブランチ(「手前側ブランチ」とする)が存在する場合に、走行先ブランチ及び手前側ブランチに先行車が存在していない場合には、後続車が先行車に追突することはない。管理領域内の他の経路ブランチに別の物品搬送車(先行車)が存在していても、管理領域内における走行経路が異なるため、後続車が先行車に追突することはない。従って、上記態様によれば、管理領域内の走行経路が異なるために衝突の可能性がない場合には、管理領域内に先行車が存在しても、後続車を管理領域に進入させることができる。その結果、管理領域の外で後続車を待機させる時間を削減することができ、物品搬送設備の搬送効率を向上させることができる。
【0026】
1つの態様として、前記ワイヤレスタグは、前記タグ情報を送信するために必要な電力を供給するタグ電源を備えると好適である。
【0027】
物品搬送車は、使用していない際には、電源を遮断していることが多い。この際、物品搬送車と搬送管理装置との通信も遮断されるため、搬送管理装置は、物品搬送車の所在位置を正確に知ることができない場合がある。ワイヤレスタグがタグ電源を備えている場合には、物品搬送車の電源の状態に拘わらず、タグ情報を送信することができる。従って、位置検出装置は、タグ情報に基づいて、物品搬送車の所在位置を精度良く知ることができる。その結果、搬送管理装置は、物品搬送車に電源が投入されて物品の搬送が可能となった際に、位置情報に基づいて、迅速且つ適切な指令を当該物品搬送車に与えて物品を搬送させることができる。
【0028】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する本発明の実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】物品搬送設備の構成を模式的に示す図
図2】天井搬送車の側面図
図3】天井搬送車の斜視図
図4】分岐部の拡大図
図5】天井搬送車のシステム構成の一例を模式的に示すブロック図
図6】物品搬送設備のシステム構成の一例を模式的に示すブロック図
図7】管理領域と位置情報の取得頻度との関係を示す説明図
図8】分岐点を含む管理領域の一例を示す図
図9】合流点を含む管理領域の一例を示す図
図10】分岐点及び合流点を含む管理領域の一例を示す図
図11】合流点及び分岐点を含む管理領域の一例を示す図
図12】物品搬送設備のシステム構成の他の例を模式的に示すブロック図
図13】物品搬送設備のシステム構成の別の例を模式的に示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、物品搬送設備の実施形態を図面に基づいて説明する。ここでは、図1及び図2に示すように、天井に設置された走行レール101(軌道)に吊下げ支持されて、その走行レール101によって形成された走行経路Lに沿って走行し、搬送元から搬送先へ物品を搬送する天井搬送車V(物品搬送車)を備えた物品搬送設備100を例として説明する。図1に示すように、走行経路Lは1本の連続した経路のみで形成されているのではなく、経路が分岐する分岐部J1及び経路が合流する合流部J2を有している。走行経路Lは一方通行であり、天井搬送車Vは、走行方向Yに走行する。
【0031】
図2は、天井搬送車Vの側面図(走行方向Yに直交する方向(後述する横方向X)から見た図)を示している。図2に示すように、天井搬送車Vは、天井から吊り下げられた走行レール101上を走行する走行車輪W1を備える走行部11と、走行部11から吊り下げ支持される本体部12とを備えている。図3は、天井搬送車Vの斜視図を示している。詳細は後述するが、図3に示すように、天井搬送車Vは、天井搬送車Vの周辺に少なくとも1つ設定される検出領域に存在する障害物を検出する障害物検出センサ30を備えている。図4は、走行経路Lが分岐する分岐部J1の拡大図を示している。以下、天井搬送車Vが走行する方向を走行方向Yとし、その走行方向Yに対して平面視で直交する方向(水平面上で走行方向Yに直交する方向)を横方向Xと称して説明する。
【0032】
本実施形態では、半導体基板に対して、薄膜形成、フォトリソグラフィー、エッチングなどの種々の処理を行う複数の半導体処理装置(以下、処理装置102と称する)の間で、走行経路Lに沿って物品を搬送する物品搬送設備を例として説明する。本実施形態では、天井搬送車Vによって搬送される物品90は、FOUP(Front Opening Unified Pod)と称される半導体基板を収容する物品である(図2参照)。物品90を各処理装置102の間で搬送するため、各処理装置102には、それぞれの処理装置102に隣接する状態で、床面上に支持台103(載置台)が設置されている。これらの支持台103は、天井搬送車Vによる物品90の搬送対象箇所(搬送元及び搬送先)である。
【0033】
走行経路Lは、図1において中央部に示された、相対的に大きな環状の主経路Lpと、主経路Lpの外側に示された、相対的に小さな環状の副経路Lsとを含む。主経路Lpから副経路Lsへの分岐部分である分岐部J1には、図4に示すように、案内レールGが設けられている。また、図示及び詳細な説明は省略するが、副経路Lsから主経路Lpへの合流部分である合流部J2にも同様の案内レールGが設けられている。その他の分岐部分及び合流部分(例えば、図1の上部において主経路Lpに対して接続されている外部接続経路(入場経路Lin及び退場経路Lout)と主経路Lpとの分岐部分及び合流部分)についても同様である。また、主経路Lpから副経路Lsへの分岐路と環状の副経路Lsとの合流部分、副経路Lsから主経路Lpへの合流路と環状の副経路Lsとの分岐部分についても同様である。
【0034】
図2に示すように、天井搬送車Vは、走行経路Lに沿って走行する走行部11と、走行レール101の下方に位置するように走行部11に吊り下げ支持され且つ物品90を支持する支持部24を備えた本体部12とを備えている。走行部11には、走行経路Lに沿って設置された走行レール101上を転がる走行車輪W1と、その走行車輪W1を回転させる走行用モータ22mとが備えられている。
【0035】
図2等に示すように、走行部11には、走行経路Lの分岐部J1及び合流部J2に設けられた案内レールGに案内される案内ローラW2も備えられている。案内ローラW2は、走行部11の走行方向Yに沿った方向に見て左右方向(横方向X)に姿勢変更できるように構成されている。案内ローラW2の姿勢変更は、案内ローラソレノイド22s(図4図5参照)によって行われる。案内ローラソレノイド22sは、案内ローラW2の位置を、走行方向Yに向かって右側(右方向XR側)の第1位置と左側(左方向XL側)の第2位置とに切換え、且つ案内ローラW2をその位置に保持する。案内ローラW2は、第1位置に位置するときには、走行方向Yに沿った方向に見て案内レールGの右側面に当接し、分岐しない側の案内レール(ここでは相対的に走行方向Yに向かって右側に延伸する案内レール(直進側案内レールGR))に沿って走行部11を案内する。また、案内ローラW2は、第2位置に位置するときには、走行方向Yに沿った方向に見て案内レールGの左側面に当接し、左側に延伸する案内レール(分岐側案内レールGL)に沿って走行部11を案内する。
【0036】
図2に示すように、天井搬送車Vの本体部12は、支持部24と、カバー体28とを備えている。図2に示すように、物品90の上端部には、フランジ部93が設けられている。天井搬送車Vは、支持部24によってフランジ部93を吊り下げ支持した状態で物品90を搬送する。尚、支持部24には、支持部24を走行部11に対して昇降移動させる機構、支持部24を走行部11に対して横方向Xにスライド移動させる機構、支持部24を走行部11に対して不図示の縦軸心(垂直方向の軸心)周りに回転させる機構が備えられている。カバー体28は、図2に示すように、物品90を支持した支持部24が、上昇している状態で、物品90の上方側及び走行方向Yの前後両側を覆う部材である。
【0037】
図5のブロック図は、物品搬送設備100及び天井搬送車Vのシステム構成を模式的に示している。搬送管理装置Hは、物品搬送設備100の中核となるシステムコントローラである。搬送管理装置Hは、天井搬送車Vに対する上位コントローラであり、天井搬送車Vの作動を制御する。天井搬送車Vは、送受信部32を介して搬送管理装置Hと、ワイヤレス通信を行い、当該制御装置からの搬送指令に基づいて自律制御により作動(物品搬送作動)し、物品90を保持して搬送する。天井搬送車Vには、マイクロコンピュータ等によって構成され、物品搬送作動の中核となる搬送車制御部1が備えられている。搬送車制御部1は、搬送管理装置Hからの搬送指令に基づいて天井搬送車Vを自律制御により作動させる。
【0038】
上述したように、搬送車制御部1は、走行用モータ22mを駆動制御して、走行車輪W1を回転させると共に、案内ローラソレノイド22sを駆動制御して、案内ローラW2の姿勢を変更させる。また、支持部24は、走行部11に対して、昇降移動すること、横方向Xへスライド移動すること、及び縦軸心周りに回転することが可能であるが、これらは支持用アクチュエータ24mによって実現される。搬送車制御部1は、支持用アクチュエータ24mを駆動制御して、支持部24を昇降させ、スライド移動させ、回転させる。尚、詳細な説明は省略するが、支持用アクチュエータ24mは、昇降用モータ、スライド用モータ、回転用モータ等の総称である。
【0039】
走行経路Lには、管理上、走行経路Lを複数に区分した走行区CF(図6参照)が設定されている。そして、各走行区CFには、各走行区CFを特定するための座標が割り当てられている。図4に模式的に示すように、この座標を示すものとして、走行経路Lには、座標マーカーMが配置されている。物品搬送設備100には、座標マーカーMが示す座標に基づいて、走行区CFを単位として走行経路L上の天井搬送車Vの位置を検出する走行区検出装置が設けられている。
【0040】
本実施形態では、座標マーカーMを検出するマーカー検出センサ31(リーダ)が、天井搬送車Vに搭載されている。マーカー検出センサ31は、走行区検出装置の一例である。1つの態様として、座標マーカーMは二次元バーコードであり、例えば、走行レール101の上面に設置されている。この場合、マーカー検出センサ31は、エリアセンサ等を利用した二次元バーコードリーダであり、走行レール101の上面に対向するように、走行部11に配置されていると好適である。また、別の態様として、座標マーカーMは近距離ワイヤレス通信ICチップを利用したICタグとすることもでき、例えば走行レール101の下面に設置されると好適である。この場合、マーカー検出センサ31は、ICタグリーダであり、走行レール101の下面に対応するように、走行部11に配置されていると好適である。
【0041】
搬送車制御部1は、このようなセンサによる座標マーカーMの検出によって走行経路L上の位置を認識する。その位置は、作動情報の一種として搬送管理装置Hにも伝達される。搬送車制御部1が座標マーカーMの検出結果に基づいて走行経路L上の位置を認識する場合、搬送車制御部1も走行区検出装置に含まれてよい。また、搬送管理装置Hが、作動情報を受け取って走行経路L上の位置を認識する場合には、搬送管理装置Hも走行区検出装置に含まれてよい。
【0042】
搬送車制御部1は、上位コントローラである搬送管理装置Hからの搬送指令に基づいて、搬送制御を実行し、各種アクチュエータ(22s、22m、24m)を駆動制御する。搬送制御は、搬送元の支持台103から物品90を受け取り、搬送先の支持台103にその物品90を受け渡すことで、搬送元の支持台103から搬送先の支持台103に物品90を搬送する制御である。搬送車制御部1は、搬送元の支持台103から搬送先の支持台103に物品90を搬送する搬送指令に応答して、受取走行処理、受取昇降処理、受渡走行処理、受渡昇降処理の順に処理を実行する。
【0043】
受取走行処理では、搬送車制御部1は、走行用モータ22m及び案内ローラソレノイド22sを制御し、走行部11を搬送元として指定された支持台103に対応する停止目標位置まで走行させる。受取昇降処理では、当該停止目標位置で停止した天井搬送車Vが、本体部12と搬送元の支持台103との間で物品90を移載する。ここでは、搬送車制御部1は、走行部11に対して支持部24を移動(降下、回転、スライド)させ、支持部24により物品90のフランジ部93を把持させ、再度、走行部11に対して支持部24を移動(回転、スライド、上昇)させる。これにより、物品90は、走行用位置に位置する支持部24に吊り下げ支持される。
【0044】
受渡走行処理では、搬送車制御部1は、走行用モータ22m及び案内ローラソレノイド22sを制御し、搬送先として指定された支持台103に対応する停止目標位置まで物品90を吊り下げた状態で走行部11を走行させる。受渡昇降処理では、当該停止目標位置で停止した天井搬送車Vが、本体部12と搬送先の支持台103との間で物品90を移載する。搬送車制御部1は、走行部11に対して支持部24を移動(降下、回転、スライド)させ、支持部24による物品90のフランジ部93の把持を解消させる。これにより、物品90は、搬送先の支持台103に載置される。搬送車制御部1は、再度、走行部11に対して支持部24を移動(回転、スライド、上昇)させ、支持部24は、物品90を吊り下げ支持しない状態で走行用位置に戻る。
【0045】
ところで、図1に示すように、物品搬送設備100には、複数台の天井搬送車Vが有り、これらは同時に自律制御によって物品搬送作動を行っている。このため、軌道上(走行経路L上)を先行する天井搬送車Vに後続の天井搬送車Vが追突するおそれがある。また、物品搬送設備100内に何らかの物体(人を含む)が進入したり、物品搬送設備100内の装置(物体の一種)の配置が変わったりした場合には、走行処理を実行中の天井搬送車Vや、昇降処理を実行中の天井搬送車Vが、それらの物体に接触するおそれがある。このような追突や接触を防ぐため、天井搬送車Vには、上述したような障害物検出センサ30が備えられている。
【0046】
本実施形態では、3種類の障害物検出センサ30が備えられている形態を例示している。軌道上を先行する天井搬送車Vを検出する障害物検出センサ30は、追突防止センサ34である。追突防止センサ34から見て先行する天井搬送車Vは、障害物に相当する。追突防止センサ34は、例えばレーザーレーダー等を利用した距離センサであり、先行する天井搬送車Vと自車との距離を計測する。軌道上及び軌道の周辺に存在し、軌道上を走行する天井搬送車Vの走行の妨げとなる物体(障害物)を検出する障害物検出センサ30は、走行用障害物検出センサ35である。支持部24や、支持部24及び支持部24に支持された物品90が昇降中に接触するおそれのある物体(障害物)を検出する障害物検出センサ30は、移載用障害物検出センサ36である。走行用障害物検出センサ35及び移載用障害物検出センサ36は、例えばスキャナ式レンジセンサ(測域センサ)であり、赤外線やレーザー等を走査して物体(障害物)を検出する。
【0047】
例えば、追突防止センサ34は、軌道の前方の所定距離内(検出領域内)に別の天井搬送車V(先行車)が存在することを検出すると、障害物検出情報(先行車検出情報)を出力する。障害物検出情報には、先行車との距離情報(所定の距離(規定車間距離)以上か否かの情報でもよい)を含むと好適である。搬送車制御部1は、障害物検出情報に基づいて、回避処理を実行する。例えば、搬送車制御部1は、先行車との車間距離が規定車間距離未満の場合には、天井搬送車Vの走行速度を低下させる減速処理、先行車との車間距離が規定車間距離よりも短い停車車間距離未満の場合には、天井搬送車Vを停車させる停車処理を、回避処理として実行する。
【0048】
ところで、図4に例示するような分岐部J1では、先行車の真後ろに後続車が位置していないことがある。このため、後続車の追突防止センサ34による先行車の検出感度が低くなるおそれがある。そこで、図1に示すように、分岐部J1(分岐点)、合流部J2(合流点)、不図示の交差点等を含む領域が、管理領域Zとして設定され、所定の条件に基づいて当該管理領域への天井搬送車Vの進入が制限されている。搬送管理装置Hは、1つの管理領域Zに存在する天井搬送車Vの台数である領域内台数が、予め規定された管理台数以下となるように管理領域Zへの天井搬送車Vの進入を管理する。尚、管理台数は、例えば“1”であると好適である。管理台数が“1”の場合、管理領域Z内に先行車が存在するか否かが判定条件となるので、判定に要する演算装置の演算量や演算時間等の負荷が軽減される。
【0049】
但し、管理領域Zを利用した走行制限は、一般的に安全側に考慮した判定条件に基づくものとなる傾向がある。このため、管理領域Zの手前で、天井搬送車Vが減速したり、停車したりすることが増加し、物品搬送設備100全体の搬送効率の低下を招く場合がある。そこで、本実施形態の物品搬送設備100は、管理領域Zにおける天井搬送車Vの衝突を抑制すると共に、管理領域Z内へ進入可能な天井搬送車Vの台数の制限を緩和することができるように構成されている。
【0050】
図6のブロック図は、物品搬送設備100のシステム構成の一例を模式的に示している。また、図7は、管理領域Zにおける走行経路Lの構成例、及び管理領域Zと後述する位置情報の取得頻度との関係を示している。上述したように、物品搬送設備100は、走行経路Lに沿って一方向(走行方向Y)にのみ走行して物品90を搬送する複数の天井搬送車Vと、天井搬送車Vのそれぞれを管理する搬送管理装置Hとを備えている。図7に示すように、走行経路Lは、予め規定された領域である管理領域Z内の管理対象経路Kと、管理領域Zの外部の一般経路K0とを含む。そして、搬送管理装置Hは、1つの管理領域Zにおける管理対象経路Kに存在する天井搬送車Vの台数である領域内台数(N)が、予め規定された管理台数(TH)以下となるように管理領域Zへの天井搬送車Vの進入を管理する。
【0051】
図6に示すように、物品搬送設備100は、さらに、ワイヤレス信号をそれぞれの天井搬送車Vとの間で送受信する複数のアクセスポイント(AP)3を備えている。アクセスポイント3は、有線のネットワーク80に接続され、同様にネットワーク80に接続された搬送管理装置Hと通信する。例えば、搬送管理装置Hからの搬送指令は、ネットワーク80及びアクセスポイント3を介して、天井搬送車Vに送られる。また、マーカー検出センサ(リーダ)31による座標マーカーMの検出結果などの作動情報は、アクセスポイント3及びネットワーク80を介して、搬送管理装置Hに提供される。
【0052】
また、それぞれの天井搬送車Vには、天井搬送車Vを識別する情報を少なくとも含むタグ情報をワイヤレス信号として送信するワイヤレスタグ(TAG)5が搭載されている。図5に示すように、ワイヤレスタグ5は、タグ情報を送信するために必要な電力を供給するタグ電源53を備えている。このため、搬送車制御部1や送受信部32など、天井搬送車Vの各部に電力を供給するVHL電源33がオフ状態となって、天井搬送車Vの各部に電力が供給されていない状態であっても、ワイヤレスタグ5は、タグ情報を送信することができる。本実施形態では、このようにタグ電源53を備える形態を例示しているが、当然ながら、ワイヤレスタグ5がタグ電源53を備えず、VHL電源33から電力の供給を受けてタグ情報を送信する形態を妨げるものではない。
【0053】
ネットワーク80には、さらに、位置検出装置2も接続されている。位置検出装置2は、各アクセスポイント3を介して天井搬送車Vのそれぞれのタグ情報を取得し、複数のアクセスポイント3が受信した同一のタグ情報に基づいて、各天井搬送車Vの位置を検出する。位置検出装置2は、管理領域Z内の複数の箇所を区別可能な精度で各天井搬送車Vの位置を検出する。例えば、図8図11に示す管理対象経路K(K1〜K6)のそれぞれを区別可能な精度で各天井搬送車Vの位置を検出する。位置検出装置2は、複数のアクセスポイント3経由で受け取った同一の天井搬送車Vのタグ情報を周期的に受け取ることによって、当該天井搬送車Vの位置を認識する。位置検出装置2は、タグ情報を蓄積するサーバーとしての機能も有している。尚、各ワイヤレスタグ5のタグ電源53の残量も、タグ情報に含めることができ、サーバー上(位置検出装置2上)において、タグ電源53の残量確認を行うこともできる。
【0054】
一般的に、管理領域Zは1つの走行区CFによって構成されている。従って、位置検出装置2は、走行区検出装置(マーカー検出センサ31)よりも高い精度で天井搬送車Vのそれぞれの位置を検出するということができる。尚、このように走行区CFが設定されている場合、搬送管理装置Hは、走行区検出装置(マーカー検出センサ31)による検出結果に基づいて、走行経路L上における天井搬送車Vの走行、及び天井搬送車Vの管理領域Zへの進入を管理すると好適である。
【0055】
また、物品搬送設備100は、さらに、管理領域Zへの天井搬送車Vの進入と、管理領域Zからの天井搬送車Vの退出を検出し、管理領域Zへの天井搬送車Vの進入の可否を判定するゾーン管理装置4(管理領域管理装置)を備えていてもよい。図6に示すように、ゾーン管理装置4も、ネットワーク80に接続され、搬送管理装置Hと通信することができる。1つの態様として、ゾーン管理装置4は、図6に示すように、管理領域Zの入り口及び出口に設置されたセンサ(例えば、マグネットスイッチ6)の検出結果に基づいて、管理領域Zに対する天井搬送車Vの出退を判定する。即ち、管理領域Zの入り口に設置されたマグネットスイッチ6aが天井搬送車Vの通過を検出した場合に、ゾーン管理装置4は、管理領域Z内に天井搬送車Vが進入したと判定する。また、ゾーン管理装置4は、管理領域Zの出口に設置されたマグネットスイッチ6bが天井搬送車Vの通過を検出した場合に、管理領域Zから天井搬送車Vが退出したと判定する。
【0056】
このように、搬送管理装置Hは、走行区検出装置(マーカー検出センサ31)による検出結果に基づき、走行区CFとしての管理領域Zを特定し、管理領域Zへの物品搬送車の進入を管理する。或いは、搬送管理装置Hは、管理領域管理装置の判定結果に基づいて、管理領域Zへの物品搬送車の進入を管理する。
【0057】
搬送管理装置Hは、それぞれの天井搬送車Vの位置を示す情報である位置情報を位置検出装置2から取得し、当該位置情報に基づいて、予め規定された許容条件を満たす場合には、管理台数(TH)を超えて管理領域Z内に天井搬送車Vが進入することを許容する。1つの態様として、搬送管理装置Hは、天井搬送車Vを指定して、当該天井搬送車Vの位置情報の送信を位置検出装置2に要求し、位置検出装置2は当該要求に応答して当該位置情報を搬送管理装置Hに送信する。或いは、位置検出装置2は、所定の送信間隔で(所定の頻度で)搬送管理装置Hに全ての天井搬送車Vの位置情報を送信する。
【0058】
図7に示すように、搬送管理装置Hは、天井搬送車Vが一般経路K0に存在する場合には、第1頻度F1で位置検出装置2から位置情報を取得する。一方、天井搬送車Vが管理対象経路Kに存在する場合には、第1頻度F1よりも高い第2頻度F2で、当該天井搬送車Vの位置情報を取得する。位置情報を取得する間隔が短いと、その間に天井搬送車Vが移動する距離も短くなるから、位置情報の分解能が高くなる。第2頻度F2で天井搬送車Vの位置情報を取得することにより、天井搬送車Vの管理領域における位置情報の分解能が高くなる。
【0059】
管理領域Zへと向かう天井搬送車Vが、管理領域Zに到達する前から、搬送管理装置Hが、第2頻度F2での位置情報の取得を開始すると、搬送管理装置Hは、当該天井搬送車Vが管理領域Zに進入した時点から、高い分解能で当該天井搬送車Vの位置情報を取得することができる。例えば、図7に示すように、天井搬送車Vの進行方向(走行方向Y)に沿って管理領域Zの手前に管理準備地点P1が設定される。搬送管理装置Hは、天井搬送車Vが管理準備地点P1に到達した後、位置情報を第2頻度F2で取得すると好適である。
【0060】
搬送管理装置Hは、上述したように、それぞれの天井搬送車Vの位置を示す情報である位置情報を位置検出装置2から取得する。そして、搬送管理装置Hは、当該位置情報に基づいて、予め規定された許容条件を満たす場合には、管理台数(TH)を超えて管理領域Z内に天井搬送車Vが進入することを許容する。尚、図6に示すように、管理領域Zへの天井搬送車Vの進入の可否を判定するゾーン管理装置4(管理領域管理装置)を備える場合であっても、搬送管理装置Hは、許容条件を満たす場合には、ゾーン管理装置4の判定結果に拘わらず、天井搬送車Vが管理領域Zに進入することを許容する。許容条件の詳細については、図8図11を参照して後述する。
【0061】
ところで、図6に示すように、アクセスポイント3は、第1通信チャンネルch1、及び第1通信チャンネルch1とは異なる第2通信チャンネルch2でワイヤレス信号を送受信可能な複数チャンネル型の中継器である。本実施形態では、搬送管理装置Hは、それぞれの天井搬送車Vと、第1通信チャンネルch1を用いたワイヤレス通信を行ってそれぞれの天井搬送車Vを管理する。ワイヤレスタグ5は、第2通信チャンネルch2を用いてタグ情報を送信する。搬送管理装置Hと天井搬送車Vとのワイヤレス通信と、ワイヤレスタグ5からのタグ情報の送信とが、互いに異なる通信チャンネルを用いて行われることによって、電波干渉等による通信品質(通信速度やデータの信頼性など)の低下が抑制される。
【0062】
尚、アクセスポイント3の複数化は、中継器自体で実現される形態に限定されない。例えば、図12に例示するように、第1通信チャンネルch1と第2通信チャンネルch2との間で、単一チャンネルアクセスポイント3Sの通信チャンネルを切り換えるネットワークスイッチ81を備える構成も好適である。物品搬送設備100内の単一チャンネルアクセスポイント3Sを複数チャンネルのアクセスポイント3に交換するとすれば、大きなコスト負担や、交換作業に伴う物品搬送設備100の休止などを伴うおそれがある。しかし、物品搬送設備100にネットワークスイッチ81を導入すれば、既存の単一チャンネルアクセスポイント3Sを有効利用しながら、通信チャンネルの複線化を実現することができる。尚、図13に例示するように、第1通信チャンネルch1での単一チャンネルで通信を行う第1アクセスポイント3Aと、第2通信チャンネルch2での単一チャンネルで通信を行う第2アクセスポイント3Bとを備える形態も妨げるものではない。
【0063】
以上、物品搬送設備100の構成について説明した。以下、図8図11を参照して、具体的な許容条件について説明する。
【0064】
図8は、分岐点BPを含む管理領域Zの一例を示している。管理領域Z内には、管理対象経路Kとして、3つの経路ブランチ(K1,K2,K3)が存在する。また、走行方向Yに沿って管理領域Zの下流側、即ち、第2経路ブランチK2の下流側及び第3経路ブランチK3の下流側において予め規定された範囲内は、下流側領域DSに設定されている。ここで、下流側領域DSに先行車としての天井搬送車Vが存在する場合には、搬送管理装置Hは、領域内台数Nから当該先行車の台数を減じて、後続車としての天井搬送車Vの管理領域Zへの進入を管理する。これが許容条件の一例である。
【0065】
例えば、管理台数THを“1”とし、第2経路ブランチK2の下流側領域DSに先行車が存在するとする。管理領域Z内の天井搬送車Vの台数、つまり領域内台数Nは、“1”である。ここで後続車が管理領域Zに進入すると領域内台数Nは“2”となる。その結果、“N>TH”となるから、許容条件を適用しない場合には、後続車が管理領域Zに進入することが制限される。しかし、先行車は下流側領域DSに位置しているので、領域内台数Nから当該先行車の台数“1”を減じることができる。その結果、領域内台数Nは“0”となり、後続車が管理領域Zに進入しても領域内台数Nは“1”となる。その結果、“N≦TH”となるので、後続車の管理領域Zへの進入が許容される。
【0066】
以下、許容条件の他の例について説明する。図8に示す管理領域Z内には、走行経路Lが複数の経路に分岐する分岐点BP、及び、複数の経路が合流する合流点CPの少なくとも一方が含まれる(図8に示す管理領域Z内には分岐点BPが含まれる。)。また、分岐点BP及び合流点CPを挟んで、管理領域Z内の走行経路Lが、異なる経路ブランチとして設定されている(分岐点BPを挟んで3つの経路ブランチ(K1,K2,K3)が設定されている。)。ここで、天井搬送車Vの走行先の経路ブランチである走行先ブランチ、及び当該走行先ブランチよりも手前側であって当該走行先ブランチに繋がる経路ブランチに、別の天井搬送車Vが存在していない場合には、搬送管理装置Hは、領域内台数Nに拘わらず、天井搬送車Vが管理領域Zに進入することを許容する。
【0067】
例えば、第2経路ブランチK2に先行車が存在するとし、後続車は第1経路ブランチK1から管理領域Zに進入して、分岐点BPから第3経路ブランチK3へと走行するとする。この場合、走行先ブランチは、第3経路ブランチK3であり、走行先ブランチよりも手前側であって当該走行先ブランチに繋がる経路ブランチは、第1経路ブランチK1である。先行車は第2経路ブランチK2に存在するので、走行先ブランチ及び走行先ブランチに繋がる経路ブランチには、天井搬送車Vは存在していない。先行車が第2経路ブランチK2に存在するため、領域内台数Nは“1”となるが、許容条件を満たすため、後続車は管理領域Zに進入することができる。下記、表1は、分岐点BPを含む管理領域Zへの後続車の進入の可否を一覧表にしたものである。
【0068】
表1:分岐点を含む管理領域(図8)への進入可否
【表1】
【0069】
表1に示すように、先行車が第1経路ブランチK1に存在する場合には、走行先ブランチが、“K2”及び“K3”の何れであっても後続車の進入は制限される。先行車が第2経路ブランチK2に存在する場合には、走行先ブランチが第2経路ブランチK2の場合には後続車の進入が制限されるが、走行先ブランチが第3経路ブランチK3の場合には後続車の進入が許容される。先行車が第2経路ブランチK2に存在する場合には、走行先ブランチが第2経路ブランチK2の場合には後続車の進入が制限されるが、走行先ブランチが第3経路ブランチK3の場合には後続車の進入が許容される。
【0070】
図9は、合流点CPを含む管理領域Zの一例を示している。管理領域Z内には、管理対象経路Kとして、3つの経路ブランチ(K1,K2,K4)が存在する。図8を参照して説明したように、走行方向Yに沿って管理領域Zの下流側、即ち、第2経路ブランチK2の下流側において予め規定された範囲内は、下流側領域DSに設定されている。ここで、下流側領域DSに先行車としての天井搬送車Vが存在する場合には、搬送管理装置Hは、領域内台数Nから当該先行車の台数を減じて、後続車としての天井搬送車Vの管理領域Zへの進入を管理する。これは図8を参照して上述した通りであるので詳細な説明は省略する。
【0071】
図8と同様に、図9に示す管理領域Z内には、走行経路Lが複数の経路に分岐する分岐点BP、及び、複数の経路が合流する合流点CPの少なくとも一方が含まれる(図9に示す管理領域Z内には合流点CPが含まれる。)。また、分岐点BP及び合流点CPを挟んで、管理領域Z内の走行経路Lが、異なる経路ブランチとして設定されている(合流点CPを挟んで3つの経路ブランチ(K1,K2,K4)が設定されている。)。上述したように、天井搬送車Vの走行先の経路ブランチである走行先ブランチ、及び当該走行先ブランチよりも手前側であって当該走行先ブランチに繋がる経路ブランチに、別の天井搬送車Vが存在していない場合には、搬送管理装置Hは、領域内台数Nに拘わらず、天井搬送車Vが管理領域Zに進入することを許容する。図9のケースでは、走行先ブランチは、第2経路ブランチK2のみであり、先行車が、何れの経路ブランチ(K1,K2,K4)に存在したとしても、走行先ブランチ(第2経路ブランチK2)を通ることになる。従って、本条件によって後続車の進入が許容されることはない。
【0072】
図10は、分岐点BP及び合流点CPを含む管理領域Zの一例を示している。管理領域Z内には、管理対象経路Kとして、5つの経路ブランチ(K1,K2,K3,K5,K6)が存在する。図8及び図9を参照して説明したように、走行方向Yに沿って管理領域Zの下流側、即ち、第2経路ブランチK2及び第6経路ブランチK6の下流側において予め規定された範囲内は、下流側領域DSに設定されている。ここで、下流側領域DSに先行車としての天井搬送車Vが存在する場合には、搬送管理装置Hは、領域内台数Nから当該先行車の台数を減じて、後続車としての天井搬送車Vの管理領域Zへの進入を管理する。これは図8及び図9を参照して上述した通りであるので詳細な説明は省略する。
【0073】
図10に示す管理領域Z内には、走行経路Lが複数の経路に分岐する分岐点BP、及び、複数の経路が合流する合流点CPの少なくとも一方が含まれる(図10に示す管理領域Z内には分岐点BP及び合流点CPが含まれる。)。また、分岐点BP及び合流点CPを挟んで、管理領域Z内の走行経路Lが、異なる経路ブランチとして設定されている(分岐点BPを挟んで3つの経路ブランチ(K1,K2,K3)が設定され、合流点CPを挟んで3つの経路ブランチ(K3,K5,K6)が設定されている(“K3”は重複。)。)。
【0074】
上述したように、天井搬送車Vの走行先の経路ブランチである走行先ブランチ、及び当該走行先ブランチよりも手前側であって当該走行先ブランチに繋がる経路ブランチに、別の天井搬送車Vが存在していない場合には、搬送管理装置Hは、領域内台数Nに拘わらず、天井搬送車Vが管理領域Zに進入することを許容する。考え方は、図8を参照して上述した通りであるから、詳細な説明は省略する。下記、表2は、分岐点BP及び合流点CPを含む管理領域Zへの後続車の進入の可否を一覧表にしたものである。
【0075】
表2:分岐点及び合流点を含む管理領域(図10)への進入可否
【表2】
【0076】
図11は、合流点CP及び分岐点BPを含む管理領域Zの一例を示している。管理領域Z内には、管理対象経路Kとして、5つの経路ブランチ(K1,K2,K4,K5,K6)が存在する。図8図10を参照して説明したように、走行方向Yに沿って管理領域Zの下流側、即ち、第2経路ブランチK2及び第6経路ブランチK6の下流側において予め規定された範囲内は、下流側領域DSに設定されている。ここで、下流側領域DSに先行車としての天井搬送車Vが存在する場合には、搬送管理装置Hは、領域内台数Nから当該先行車の台数を減じて、後続車としての天井搬送車Vの管理領域Zへの進入を管理する。これは図8図10を参照して上述した通りであるので詳細な説明は省略する。
【0077】
図11に示す管理領域Z内には、走行経路Lが複数の経路に分岐する分岐点BP、及び、複数の経路が合流する合流点CPの少なくとも一方が含まれる(図11に示す管理領域Z内には分岐点BP及び合流点CPが含まれる。)。また、分岐点BP及び合流点CPを挟んで、管理領域Z内の走行経路Lが、異なる経路ブランチとして設定されている(合流点CPを挟んで3つの経路ブランチ(K1,K2,K4)が設定され、分岐点BPを挟んで3つの経路ブランチ(K4,K5,K6)が設定されている(“K4”は重複。)。)。
【0078】
上述したように、天井搬送車Vの走行先の経路ブランチである走行先ブランチ、及び当該走行先ブランチよりも手前側であって当該走行先ブランチに繋がる経路ブランチに、別の天井搬送車Vが存在していない場合には、搬送管理装置Hは、領域内台数Nに拘わらず、天井搬送車Vが管理領域Zに進入することを許容する。考え方は、図8を参照して上述した通りであるから、詳細な説明は省略する。下記、表3は、合流点CP及び分岐点BPを含む管理領域Zへの後続車の進入の可否を一覧表にしたものである。
【0079】
表3:分岐点及び合流点を含む管理領域(図11)への進入可否
【表3】
【0080】
以上、種々の形態を例示したが、これらの他にも、走行経路Lが交差する交差点などが考えられる。当業者であれば、上記の説明を参考にして、本発明を適用可能であるから詳細な説明は省略する。
【0081】
〔その他の実施形態〕
以下、その他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0082】
(1)上記においては、物品搬送車として天井搬送車Vを例示したが、物品搬送車は地上を走行する地上搬送車であってもよい。
【0083】
(2)上記においては、走行レール101により構成された軌道上を物品搬送車としての天井搬送車Vが走行する形態を例示した。しかし、走行経路Lは、走行レール101のような有形のものに限定されない。走行経路Lが予め規定されていれば、走行経路Lは実体を有していなくてもよい。例えば、予め規定された仮想的な走行経路Lを走行する無軌道搬送車が物品搬送車であってもよい。
【0084】
(3)上記においては、走行経路Lを複数に区分した走行区CFを単位として走行経路L上の天井搬送車Vの位置を検出する走行区検出装置(マーカー検出センサ31)を備える形態を例示した。しかし、そのような走行区CFが設定されず、天井搬送車V(物品搬送車)が、位置検出装置2によってのみ、走行経路L上の位置を検出される形態であってもよい。
【0085】
(4)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 :搬送車制御部
2 :位置検出装置
3 :アクセスポイント
4 :ゾーン管理装置(管理領域管理装置)
5 :ワイヤレスタグ
31 :マーカー検出センサ(走行区検出装置)
53 :タグ電源
90 :物品
100 :物品搬送設備
BP :分岐点
CF :走行区
CP :合流点
DS :下流側領域
F1 :第1頻度
F2 :第2頻度
H :搬送管理装置
K :管理対象経路
K0 :一般経路
K1 :第1経路ブランチ(経路ブランチ)
K2 :第2経路ブランチ(経路ブランチ)
K3 :第3経路ブランチ(経路ブランチ)
K4 :第4経路ブランチ(経路ブランチ)
K5 :第5経路ブランチ(経路ブランチ)
K6 :第6経路ブランチ(経路ブランチ)
L :走行経路
P1 :管理準備地点
V :天井搬送車(物品搬送車)
Y :走行方向
Z :管理領域
ch1 :第1通信チャンネル
ch2 :第2通信チャンネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13