【課題】誤装着防止部分と離脱防止部分とが互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに、誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子を提供する。
【解決手段】当接部(34、35)は、上壁部47の縁部分の一部として設けられ、上壁部47が筒状壁部33の内側に撓んだ際に第1側壁部44の縁部分と当接する。突出部36は、上壁部47から突出して設けられ、筒状壁部33がハウジング14に所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入された際に、ハウジング14と当接して筒状壁部33のハウジング14の奥側への挿入を規制する。係合部37は、ハウジング14の内部に設けられた被係合部17に係合可能に構成される。係合部37は、筒状壁部33において、突出部36に対して、筒状壁部33の長手方向においてずれた位置に又は離れた位置に設けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の雌コンタクトFにおいては、底壁2の一部が外方へ切り起こされることにより、雌コンタクトFの雌ハウジングFHへの誤装着の防止のためのリブ10が形成されている。そして、雌コンタクトFにおいては、雌コンタクトFの雌ハウジングFHへの挿入時に雌ハウジングFHに係合し、雌コンタクトFが雌ハウジングFHから外れて離脱することを防止するための部分は、リブ10を切り起こすことで形成された孔の縁部分として設けられている。
【0007】
雌コンタクトFは、上記のように構成されているため、雌コンタクトFの雌ハウジングFHへの誤装着の防止のための部分である誤装着防止部分と、雌コンタクトFが雌ハウジングFHから外れて離脱することを防止するための部分である離脱防止部分とが、隣接して設けられる。このため、雌コンタクトFにおいては、誤装着防止部分の位置と離脱防止部分の位置とが、互いの位置による制約を受けてしまうことになる。よって、誤装着防止部分の位置と離脱防止部分の位置とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できる端子構造の実現が望ましい。
【0008】
また、上記の端子構造の実現に際しては、端子がコネクタのハウジングに対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入されて端子の誤装着防止部分が当接した際における誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現できることが望ましい。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、端子のハウジングへの誤装着の防止のための誤装着防止部分と、端子がハウジングから離脱してしまうことを防止するための離脱防止部分とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに、誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子を提供することを目的とする。また、その端子を備えるコネクタを提供することを目的とする。更に、そのコネクタを備える電気的接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記目的を達成するための本発明のある局面に係る端子は、コネクタのハウジングに対して挿入された状態で用いられるコネクタ用の端子であって、第1側壁部、前記第1側壁部と一体に設けられた底壁部、前記底壁部と一体に設けられた第2側壁部、及び前記第2側壁部と一体に設けられた上壁部を有する筒状壁部と、前記上壁部の縁部分の一部として設けられ、前記上壁部が前記筒状壁部の内側に撓んだ際に前記第1側壁部の縁部分と当接するように構成された当接部と、前記上壁部から凸状又は突起状に突出して設けられ、前記筒状壁部が前記ハウジングに対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入された際に、前記ハウジングと当接することで、前記筒状壁部が前記ハウジングの奥側に向かって挿入されることを規制する突出部と、前記筒状壁部に設けられ、前記筒状壁部が前記ハウジングに対して前記所定の挿入姿勢で挿入された際に、前記ハウジングの内部に設けられた被係合部に係合可能に構成された係合部と、を備えている。そして、前記係合部及び前記被係合部は、前記筒状壁部が前記ハウジングに対して前記所定の挿入姿勢で挿入された際に、前記係合部及び前記被係合部の一方が他方に当接して弾性変形した後に弾性回復し、互いに係合可能に構成されており、前記係合部は、前記筒状壁部において、前記突出部に対して、前記筒状壁部が筒状に延びる方向である長手方向においてずれた位置に又は離れた位置に設けられている。
【0011】
上記の構成の端子は、その筒状壁部がコネクタのハウジングに対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入された際に、突出部がハウジングと当接することで、筒状壁部がハウジングの奥側に向かって挿入されることが規制される。これにより、端子のハウジングへの誤装着が防止される。即ち、上記の構成の端子においては、突出部が、端子のハウジングへの誤装着の防止のための誤装着防止部分として設けられている。
【0012】
そして、上記の構成の端子には、所定の挿入姿勢でハウジングに挿入された際にハウジングの内部の被係合部と係合可能な係合部が設けられている。そして、係合部及び被係合部は、その一方が他方に対して当接して弾性変形した後に弾性回復することで、互いに係合可能となる。端子の係合部が上記のようにハウジングに係合することで、ハウジングに挿入された端子がハウジングから外れて離脱してしまうことが防止される。即ち、上記の構成の端子においては、係合部が、端子がハウジングから離脱してしまうことを防止するための離脱防止部分として設けられている。
【0013】
更に、上記の構成の端子においては、係合部は、筒状壁部において、突出部に対して、長手方向においてずれた位置に又は離れた位置に設けられている。このため、上記の構成の端子によると、誤装着防止部分としての突出部と、離脱防止部分としての係合部とが、筒状壁部において長手方向にずれて又は離れて独立した状態で設けらている。これにより、上記の構成の端子によると、誤装着防止部分としての突出部と、離脱防止部分としての係合部とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できる。
【0014】
また、上記の構成の端子によると、筒状壁部は、第1側壁部、底壁部、第2側壁部、及び上壁部が、この順番で一体に設けられることで構成されており、簡素な構造で構成されている。更に、上記の構成の端子においては、誤装着防止部分としての突出部は、上壁部から凸状又は突起状に突出して設けられた簡素な構造で構成されている。また、上記の構成の端子によると、上壁部の縁部分の一部が、上壁部が筒状壁部の内側に撓んだ際に第1側壁部の縁部分と当接する当接部として構成されている。このため、端子が、所定の挿入姿勢と異なる姿勢でハウジングに挿入され、突出部がハウジングに当接し、突出部が設けられた上壁部が筒状壁部の内側に撓んだ場合であっても、当接部が第1側壁部の縁部分と当接し、上壁部が筒状壁部の内側に倒れ込んでしまうことが防止される。これにより、突出部がハウジングに当接した状態が維持され、誤装着防止部分としての突出部の適切な作動が保証されることになる。また、上記の構成の端子によると、誤装着防止部分としての突出部の適切な作動の保証を実現する構造が、簡素な構造の筒状壁部、簡素な構造の突出部、及び、上壁部の縁部分の一部として設けられて第1側壁部の縁部分と当接する簡素な構造の当接部、による簡素な構造によって実現されている。よって、上記の構成の端子によると、誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる。
【0015】
以上のように、上記の構成によると、端子のハウジングへの誤装着の防止のための誤装着防止部分と、端子がハウジングから離脱してしまうことを防止するための離脱防止部分とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに、誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子を提供することができる。
【0016】
(2)前記突出部は、前記筒状壁部において、前記係合部に対して、前記筒状壁部が前記ハウジングに対して前記長手方向と平行に挿入される方向である挿入方向における先端側に設けられ、前記係合部は、前記筒状壁部において、前記突出部に対して、前記挿入方向と反対方向に向かってずれた位置に又は離れた位置に設けられていてもよい。
【0017】
この構成によると、突出部が、端子のハウジングへの挿入方向における先端側に設けられる。このため、端子が、所定の挿入姿勢と異なる姿勢でハウジングに挿入された際、突出部がハウジングにおける端子が挿入される孔の開口の縁部分で当接し、端子における筒状壁部の先端側の部分以外の多くの部分が、ハウジングから露出した状態となる。これにより、端子が所定の挿入姿勢と異なる姿勢でハウジングに挿入されて誤装着が発生した状態が、より明確に示されることになる。よって、端子をハウジングに挿入する作業を行う作業者は、誤装着が発生したことを速やかに且つ容易に視認して認識することができる。
【0018】
更に上記の構成によると、係合部は、筒状壁部において、突出部に対して、端子のハウジングへの挿入方向と反対方向に向かってずれた位置に又は離れた位置に設けられている。このため、離脱防止部分としての係合部の位置が、端子の先端側から反対側にずれた位置に又は離れた位置に設定され、端子の先端側に設けられた突出部の位置による制約を受けてしまうことが抑制される。また、係合部の位置が、端子の先端側からずれた位置に又は離れた位置に設定されるため、筒状壁部におけるより剛性の高い部分に、係合部を設けることができる。これにより、より剛性の高い係合部を容易に構成することができる。
【0019】
(3)前記突出部は、前記上壁部の縁部分の一部と一体に設けられるとともに、前記上壁部に対して屈曲して延びる部分として設けられた屈曲部と、前記屈曲部から片持ち状に突出して延びる部分として設けられた突出端部と、を有していてもよい。
【0020】
この構成によると、突出部が、上壁部の縁部分の一部と一体の屈曲部と、屈曲部から片持ち状に延びる突出端部とを備えた簡素な構造で構成される。よって、更に簡素な構造で突出部を実現することができる。
【0021】
(4)前記端子は、前記筒状壁部の内側に設けられた電気接点部と、前記第1側壁部の一部及び前記第2側壁部の一部として設けられ、それぞれ片持ち状に延びる板バネ状の部分として設けられた一対の接点バネ部と、を更に備え、前記電気接点部は、片持ち状に延びる一対の前記接点バネ部のそれぞれの先端側に設けられていてもよい。
【0022】
この構成によると、電気接点部がそれぞれ設けられた一対の接点バネ部が、第1側壁部の一部及び第2側壁部の一部として構成される。このため、第1側壁部の一部及び第2側壁部の一部を一対の接点バネ部として機能させることができ、簡素な構造で一対の接点バネ部を実現することができる。更に、片持ち状に延びる板バネ状の部分として設けられて先端側に電気接点部が設けられた一対の接点バネ部のそれぞれは、第1側壁部又は第2側壁部の一部として構成される。この構成のため、片持ち状に延びる板バネの根元部分から先端側の電気接点部までのアーム長を長く設定することを容易に実現することができる。また、一対の接点バネ部は、第1側壁部及び第2側壁部に設けられ、上壁部に設けられていないため、突出部が設けられる上壁部の強度に影響が生じてしまうことを抑制することができる。
【0023】
(5)前記接点バネ部は、前記上壁部の縁部に対して、前記筒状壁部の幅方向における内側に配置されていてもよい。
【0024】
この構成によると、第1及び第2側壁部の各一部として設けられた接点バネ部が、上壁部の縁部よりも筒状壁部の幅方向の内側に配置される。このため、端子が外部の物体と接触した場合であっても、外部の物体が接点バネ部に接触して外力を作用させて接点バネ部を変形或いは破損させてしまうことを、効率よく抑制することができる。とくに、複数の端子が纏めて搬送される際、他の端子が接点バネ部に接触して外力を作用させて接点バネ部を変形或いは破損させてしまうことを、効率よく抑制することができる。
【0025】
(6)前記当接部は、複数設けられ、複数の前記当接部のそれぞれは、前記上壁部において、前記長手方向における互いに離れた位置に設けられていてもよい。
【0026】
この構成によると、上壁部の縁部分の一部として設けられる当接部が、複数設けられる。更に、複数の当接部のそれぞれは、筒状壁部の長手方向における互いに離れた位置に設けられる。このため、端子が、所定の挿入姿勢と異なる姿勢でハウジングに挿入され、突出部がハウジングに当接し、突出部が設けられた上壁部が筒状壁部の内側に撓んだ場合であっても、離れて設けられた複数の当接部が第1側壁部の縁部分と当接する。これにより、上壁部が筒状壁部の内側に倒れ込んでしまうことがより確実に防止される。そして、突出部がハウジングに当接した状態をより確実に維持でき、誤装着防止部分としての突出部の適切な作動をより確実に保証することができる。
【0027】
(7)前述の目的を達成するための本発明のある局面に係るコネクタは、前述した本発明のある局面に係る端子のいずれかを複数備えたコネクタであって、複数の前記端子を保持するように構成されたハウジングを更に備え、前記ハウジングの内部には、前記端子の前記係合部が係合可能に構成された被係合部が設けられている。
【0028】
この構成によると、前述した本発明のある局面に係る端子と同様の効果を奏することができる。即ち、この構成によると、誤装着防止部分と離脱防止部分とが互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子を備えるコネクタ、を提供することができる。また、上記の構成によると、コネクタのハウジングにおいても、端子の係合部に係合する被係合部の位置と、端子の突出部に対応する部分の位置とが、独立した位置に設けられることになる。このため、コネクタのハウジングにおいても、端子の係合部に係合する被係合部の位置と、端子の突出部に対応する部分の位置とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できる。更に、これによって、コネクタの設計の自由度を向上させることができる。
【0029】
(8)前述の目的を達成するための本発明のある局面に係る電気的接続装置は、前述した本発明のある局面に係るコネクタを備えた電気的接続装置であって、前記コネクタとして構成される第1コネクタが嵌合して接続される第2コネクタを更に備え、前記第2コネクタは、前記第1コネクタにおける複数の前記端子として構成される複数の第1端子に対してそれぞれ電気的に接続される複数の第2端子と、複数の前記第2端子を保持するように構成され、前記第1コネクタにおける前記ハウジングとして構成される第1ハウジングに対して嵌合するように構成された第2ハウジングと、を備えている。そして、前記第2ハウジングには、前記第1ハウジングが挿入される開口を有し、前記開口から挿入された前記第1ハウジングが嵌合する嵌合部と、前記嵌合部の内側で前記開口から外部に臨む位置に設けられ、前記第1ハウジングが前記開口から挿入される方向に対して垂直な方向に沿って平坦に広がる平坦面と、が設けられている。
【0030】
この構成によると、前述した本発明のある局面に係る端子と同様の効果を奏することができる。即ち、この構成によると、誤装着防止部分と離脱防止部分とが互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子を備える電気的接続装置、を提供することができる。また、上記の構成によると、第2コネクタにおける第2ハウジングの嵌合部の内側に、第2ハウジングの嵌合部の開口から外部に臨むとともに第1コネクタの第1ハウジングが挿入される方向に対して垂直な方向に沿って平坦に広がる平坦面が設けられている。このため、第2コネクタが基板に実装されるために搬送用の吸着装置によって吸着されて搬送される際に、第2コネクタを平坦面において容易に吸着できる。更に、搬送用の吸着装置によって、第2コネクタを安定した状態で保持することができる。よって、第2コネクタの基板への実装を容易に行うことができる。また、前述の通り、上記の電気的接続装置における第1コネクタによると、設計の自由度を向上させることができる。従って、上記の構成の電気的接続装置によると、第1コネクタの設計の自由度を向上させることができるとともに、第2コネクタの基板への実装を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によると、端子のハウジングへの誤装着の防止のための誤装着防止部分と、端子がハウジングから離脱してしまうことを防止するための離脱防止部分とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに、誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子を提供することができる。また、本発明によると、その端子を備えるコネクタを提供することができる。また、本発明によると、更に、そのコネクタを備える電気的接続装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、コネクタのハウジングに対して挿入された状態で用いられるコネクタ用の端子、その端子を備えるコネクタ、及びそのコネクタを備える電気的接続装置に関して、広く適用することができる。
【0034】
[電気的接続装置]
図1は、本発明の一実施の形態に係る電気的接続装置1の斜視図であって、基板100及び電線101とともに示す図である。
図2は、電気的接続装置1の正面図であって、基板100及び電線101とともに示す図である。
図3は、電気的接続装置1の分解斜視図である。
図4は、
図2のA−A線矢視位置における断面を示す図である。
図5は、電気的接続装置1の断面の一部を示す図であって、
図4のB−B線矢視位置に対応する位置における断面の一部を示す図である。
【0035】
図1乃至
図5に示す電気的接続装置1は、基板100と複数の電線101とを電気的に接続する装置として設けられている。そして、電気的接続装置1は、第1コネクタ11と、第2コネクタ12と、を備えて構成されている。尚、
図1、
図2、
図4、
図5では、基板100について、一部のみを切り欠き状態で示している。また、
図1乃至
図5では、複数の電線101について、一部のみを切り欠き状態で示している。
【0036】
電気的接続装置1の第1コネクタ11は、複数の電線101に対して電気的に接続されるとともに、電気的接続装置1の第2コネクタ12に対して電気的に接続されるように構成されている。一方、第2コネクタ12は、基板100に対して電気的に接続されるとともに、第1コネクタ11に対して電気的に接続されるように構成されている。そして、複数の電線101に対して電気的に接続された第1コネクタ11が、基板100に対して電気的に接続された第2コネクタ12に対して、嵌合して接続されることで、第1コネクタ11と相第2コネクタ12とが、機械的及び電気的に接続される。また、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが電気的に接続されることで、複数の電線101と基板100とが電気的に接続される。
【0037】
[第1コネクタ]
図6は、電気的接続装置1における第1コネクタ11の斜視図であって、電線101とともに示す図である。
図7は、第1コネクタの底面図である。電気的接続装置1の第1コネクタ11は、本発明の一実施の形態に係るコネクタを構成している。尚、以下の説明では、第1コネクタ11について、コネクタ11とも称する。
【0038】
図1乃至
図7に示す第1コネクタ11は、複数の第1端子13、第1ハウジング14、リテーナ15、を備えて構成されている。第1端子13は、本発明の一実施の形態に係る端子を構成している。また、第1ハウジング14は、本発明の一実施の形態に係るコネクタ11(第1コネクタ11)のハウジングを構成している。尚、以下の説明では、第1端子13について、端子13とも称する。そして、第1ハウジング14について、ハウジング14とも称する。
【0039】
図3乃至
図5、
図7に示す第1コネクタ11の複数の第1端子13のそれぞれは、電線101に対して機械的及び電気的に接続されるように構成されている。尚、
図4では、第1端子13については、一部切り欠き断面で図示されている。各第1端子13は、導電性を有する金属材料で形成されている。各第1端子13は、各電線101の端部に対してかしめにより接合されて固定されることで、各電線101に対して、機械的及び電気的に接続される。各第1端子13は、電線101が接続された状態で、第1ハウジング14に対して挿入される。第1ハウジング14に挿入された第1端子13は、第1ハウジング14の内部に対して係合し、第1ハウジング14に保持される。尚、第1端子13の構成の詳細については、後述する。
【0040】
図8は、第1コネクタ11の第1ハウジング14の斜視図である。
図9は、第1ハウジング14の平面図である。
図1乃至
図9に示す第1ハウジング14は、複数の第1端子13を保持するように構成されている。尚、
図8及び
図9では、複数の第1端子13を保持していない状態の第1ハウジング14を図示している。
【0041】
第1ハウジング14は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。そして、第1ハウジング14には、複数の端子挿入孔16、複数の被係合部17、複数の挿入姿勢規制溝18、抜け止め部19、リテーナ係合部20、等が設けられている。
【0042】
複数の端子挿入孔16のそれぞれは、複数の第1端子13のそれぞれが挿入されて保持される孔として設けられている。各端子挿入孔16は、例えば、略四角形状の断面形状の孔として設けられている。複数の端子挿入孔16は、第1ハウジング14において、第1ハウジング14の幅方向に沿って2列に並んで設けられている。第1ハウジング14の幅方向については、
図7及び
図9にて、両端矢印Wで示している。尚、第1ハウジング14の幅方向は、第1コネクタ11の幅方向と同じ方向となる。
【0043】
また、複数の端子挿入孔16のそれぞれは、第1ハウジング14の内側において、列間仕切壁21と端子間仕切壁22とによって区画された孔として設けられている。列間仕切壁21は、第1ハウジング14の内側において、第1ハウジング14の幅方向に沿って延びる仕切壁として設けられている。第1ハウジング14の幅方向に沿って2列に並んで設けられた複数の端子挿入孔16の各列は、列間仕切壁21によって、仕切られている。端子間仕切壁22は、列間仕切壁21の両側において、それぞれ複数設けられている。そして、複数の端子間仕切壁22のそれぞれは、列間仕切壁21に対して垂直に延びるように設けられている。隣り合う端子間仕切壁22の間の領域が、各端子挿入孔16が区画される領域として構成される。
【0044】
被係合部17は、
図4に示すように、第1ハウジング14の内部に設けられている。被係合部17は、複数設けられ、第1ハウジング14の内部において、列間仕切壁21の両側のそれぞれに、複数並んで設けられている。複数の被係合部17のそれぞれは、複数の端子挿入孔16のそれぞれに対応する位置に設けられている。そして、複数の被係合部17のそれぞれは、複数の第1端子13のそれぞれにおける後述の係合部37が係合可能に構成されている。
【0045】
列間仕切壁21に設けられる各被係合部17は、第1ハウジング14の内部で、複数の端子挿入孔16のそれぞれに対応して設けられ、更に、撓んで弾性変形可能なように片持ち状に延びる部分として設けられている。そして、各被係合部17には、列間仕切壁21において片持ち状に延びる先端部分において、段状に凹んだ凹部17aが設けられている。各被係合部17は、凹部17aにおいて、各第1端子13の係合部37に対して係合可能に設けられている。
【0046】
挿入姿勢規制溝18は、
図8及び
図9に示すように、第1ハウジング14において、複数設けられている。複数の挿入姿勢規制溝18のそれぞれは、複数の端子挿入孔16のそれぞれに対応して設けられている。そして、複数の挿入姿勢規制溝18のそれぞれは、複数の第1端子13のそれぞれにおける後述の突出部36が嵌まり込む溝として設けられている。そして、第1端子13の突出部36が挿入姿勢規制溝18に嵌まり込む姿勢で、第1端子13が端子挿入孔16に挿入された際には、第1端子13の端子挿入孔16への挿入が許容されることになる。一方、第1端子13の突出部36が挿入姿勢規制溝18に嵌まり込む姿勢とは異なる姿勢で、第1端子13が端子挿入孔16に挿入された際には、第1端子13の端子挿入孔16への挿入が規制されることになる。
【0047】
各挿入姿勢規制溝18の端部は、各端子挿入孔16の外部への開口から露出する位置に設けられている。そして、各挿入姿勢規制溝18は、各端子挿入孔16を区画する壁面に沿って延びる溝として設けられるとともに、各端子挿入孔16の孔形状が延びる方向に沿って延びる溝として設けられている。また、各挿入姿勢規制溝18は、略四角形状の各端子挿入孔16の断面において、第1ハウジング14の幅方向における一方側に偏った位置に配置されている。尚、本実施形態では、各挿入姿勢規制溝18は、略四角形状の各端子挿入孔16の断面の四隅部分のうちの1つの隅部分に対応する位置に配置されている。
【0048】
抜け止め部19は、第1コネクタ11が第2コネクタ12に嵌合して接続された際に第2コネクタ12と係合する部分として設けられ、第2コネクタ12から第1コネクタ11が抜けて脱落してしまうことを防止するための機構として設けられている。抜け止め部19は、一対のアーム(19a、19a)と、一対の凸部(19b、19b)とを備えている。
【0049】
一対のアーム(19a、19a)は、第1ハウジング14の外壁面から略平行に片持ち状に延びるように設けられ、撓んで弾性変形可能なように設けられている。また、一対のアーム(19a、19a)のそれぞれは、第1コネクタ11が第2コネクタ12に嵌合する方向と逆方向に沿って、片持ち状に延びるように設けられている。更に、一対のアーム(19a、19a)は、片持ち状に延びる先端部分が一体に設けられている。
【0050】
一対の凸部(19b、19b)は、片持ち状に延びる一対のアーム(19a、19a)の先端部分に設けられている。即ち、一対の凸部(19b、19b)は、一対のアーム(19a、19a)における一体に設けられた先端部分に設けられている。更に、一対の凸部(19b、19b)のそれぞれは、一対のアーム(19a、19a)の一体に設けられた先端部分において、第1ハウジング14の外側に向かって凸状に隆起した部分として設けられている。
【0051】
第1コネクタ11が第2コネクタ12に嵌合して接続される際には、第1コネクタ11の第1ハウジング14が第2コネクタ12における後述の第2ハウジング24に対して挿入されて嵌合する。第1ハウジング14が第2ハウジング24に挿入されると、一対の凸部(19b、19b)が第2ハウジング24の壁部と当接し、一対のアーム(19a、19a)が第1ハウジング14の内側に向かって一旦撓む。その後、一対のアーム(19a、19a)が第1ハウジング14の外側に向かって弾性回復し、一対の凸部(19b、19b)のそれぞれが、第2ハウジング24の壁部に設けられた後述の一対の係合孔(30、30)のそれぞれに嵌まり込んで係合する。これにより、第2コネクタ12に嵌合して接続された第1コネクタ11が、第2コネクタ12から抜けて脱落してしまうことが防止される。
【0052】
リテーナ係合部20は、第1ハウジング14に取り付けられたリテーナ15が係合する部分として設けられている。リテーナ係合部20は、一対で設けられ、第1ハウジング14の幅方向の両側に設けられている。各リテーナ係合部20は、第1ハウジング14の外側に向かって凸状に隆起した部分として設けられている。リテーナ15が第1ハウジング14に対してリテーナ係合部20で係合することで、リテーナ15が第1ハウジング14に固定されて保持される。
【0053】
図1乃至
図7に示すリテーナ15は、複数の第1端子13が第1ハウジング14に保持された状態で、第1ハウジング14に取り付けられるように構成されている。そして、リテーナ15は、複数の第1端子13が第1ハウジング14から抜け落ちてしまうことをより確実に防止するための要素として設けられている。尚、複数の第1端子13のそれぞれは、後述する係合部37が、第1ハウジング14の内部の被係合部17に係合することで、第1ハウジング14から抜け落ちてしまうことが防止されている。複数の第1端子13が第1ハウジング14に保持された状態で、リテーナ15が第1ハウジング14に取り付けられることで、複数の第1端子13が第1ハウジング14から抜け落ちてしまうことが、更に防止されることになる。
【0054】
リテーナ15は、第1コネクタ11の幅方向に沿って延びるリテーナ本体部15aと、第1ハウジング14の一対のリテーナ係合部(20、20)に係合する一対のハウジング係合部(15b、15b)とを備えて構成されている。
【0055】
一対のハウジング係合部(15b、15b)のそれぞれは、リテーナ本体部15aの幅方向の両側のそれぞれに設けられている。各ハウジング係合部15bは、リテーナ係合部20が嵌まり込む孔が設けられた環状の部分として形成されている。リテーナ15が第1ハウジング14に取り付けられる際には、ハウジング係合部15bがリテーナ係合部20に当接して弾性変形して一旦撓む。その後、ハウジング係合部15bが弾性回復し、リテーナ係合部20がハウジング係合部15bの孔に嵌まり込んで係合する。これにより、リテーナ15が第1ハウジング14に取り付けられる。
【0056】
また、リテーナ本体部15aには、各第1端子13に接続された各電線101に対応する溝が複数設けられている。リテーナ15が第1ハウジング14に取り付けられた状態では、各第1端子13に接続された各電線101は、リテーナ本体部15aの溝の内側を溝に沿って真っ直ぐに延びた状態で配置される。また、リテーナ本体部15aに設けられた複数の溝の端部のそれぞれは、各電線101に接続された各第1端子13の端部に当接可能に配置される。第1端子13が第1ハウジング14から抜ける方向に変位した場合には、第1端子13の端部が、リテーナ本体部15aの溝の端部に当接する。これにより、第1端子13が第1ハウジング14から抜け落ちてしまうことがより確実に防止される。
【0057】
[第2コネクタ]
図10は、電気的接続装置1における第2コネクタ12の斜視図である。
図11は、第2コネクタ12の平面図である。
図12は、第2コネクタ12の斜視図であって、基板100とともに示す図である。
【0058】
図1乃至
図5、
図10乃至
図12に示す第2コネクタ12は、本発明の一実施の形態に係るコネクタ11として構成される第1コネクタ11が嵌合して接続される。第2コネクタ12は、基板100に対して接続された状態で、第1コネクタ11に接続される。そして、第2コネクタ12は、複数の第2端子23、第2ハウジング24、を備えて構成されている。
【0059】
図1乃至
図5、
図10乃至
図12に示す第2コネクタ12の複数の第2端子23は、第2コネクタ12の第2ハウジング24に保持されている。そして、複数の第2端子23は、第1コネクタ11の複数の第1端子13に対してそれぞれ機械的及び電気的に接続されるように構成されている。より具体的には、各第2端子23は、第1コネクタ11が第2コネクタ12に嵌合して接続された際に、各第1端子13と嵌合することで、各第1端子13に対して機械的及び電気的に接続される。
【0060】
また、複数の第2端子23のそれぞれは、導電性を有する金属材料で形成されており、基板100に対して機械的及び電気的に接続される。より具体的には、各第2端子23は、基板100の表面においてはんだ付けされることによって、基板100に対して機械的に固定されるとともに、基板100の導電回路パターンに対して電気的に接続される。
【0061】
また、複数の第2端子23は、第2ハウジング24において、第2ハウジング24の幅方向に沿って2列に並んで配置されている。第2ハウジング24の幅方向については、
図11にて、両端矢印Wで示している。尚、第2ハウジング24の幅方向は、第2コネクタ12の幅方向と同じ方向となる。また、第2コネクタ12と第1コネクタ11とが嵌合して接続された状態では、第2コネクタ12の幅方向は、第1コネクタ11の幅方向と同じ方向となる。
【0062】
複数の第2端子23のそれぞれは、略90度に屈曲する部分が1つ設けられており、略L字状に延びる全体形状を有している。複数の第2端子23のそれぞれには、端子接続部25、基板接続部26、圧入部27が設けられている。
【0063】
端子接続部25は、略L字状に延びる第2端子23の長手方向における一方の端部側の部分として設けられている。そして、端子接続部25は、第1コネクタ11の第1端子13に嵌合することで、第1端子13に対して機械的及び電気的に接続されるように構成されている。尚、端子接続部25は、第2コネクタ12の第2ハウジング24の内側において、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合する方向と平行な方向に沿って、片持ち状に突出して延びるように配置されている。
【0064】
基板接続部26は、略L字状に延びる第2端子23の長手方向における他方の端部側の部分として設けられている。即ち、基板接続部26は、略L字状に延びる第2端子23の長手方向における端子接続部25側と反対側の部分として設けられている。そして、基板接続部26は、基板100に対してはんだ付けされることで、基板100に対して機械的及び電気的に接続されるように構成されている。尚、基板接続部26は、その先端部分が、第2ハウジング24の外側に向かって、第1コネクタ11と第2コネクタ12とが嵌合する方向と略垂直な方向に沿って、突出して延びるように配置されている。
【0065】
圧入部27は、第2端子23が第2ハウジング24に圧入されて保持される際に、第2ハウジング24における端子圧入用孔29に圧入されることで第2ハウジング24に係合して固定される部分として設けられている(
図4及び
図5を参照)。より具体的には、圧入部27は、略L字状に延びる第2端子23の長手方向における中途部分として設けられ、第2端子23における略90度に屈曲する部分と端子接続部25との間に設けられている。また、圧入部27は、第2端子23の長手方向に対して垂直な方向である幅方向において、端子接続部25よりも大きく広がった部分として設けられている。即ち、圧入部27は、略L字状に延びる第2端子23の長手方向において、部分的に幅が広がった拡幅部分として設けられている。
【0066】
第2端子23が第2ハウジング24に圧入されて保持される際には、第2端子23は、端子接続部25側から、第2ハウジング24の端子圧入用孔29に挿入される。そして、端子接続部25が端子圧入用孔29を通過して第2ハウジング24の内側に配置された状態で、圧入部27が上記の端子圧入用孔29に圧入されて嵌め込まれる。これにより、圧入部27が第2ハウジング24に圧入によって係合して固定され、第2端子23が、第2ハウジング24に保持される。
【0067】
図1乃至
図5、
図10乃至
図12に示す第2コネクタ12の第2ハウジング24は、複数の第2端子23を保持するように構成されている。そして、第2ハウジング24は、第1コネクタ11の第1ハウジング14に対して嵌合するように構成されている。
【0068】
第2ハウジング24は、絶縁性を有する樹脂材料で形成され、断面形状が略長方形に形成された角筒状の部分を備えて構成されている。そして、第2ハウジング24には、嵌合部28、複数の端子圧入用孔29、一対の係合孔(30、30)、平坦面31、等が設けられている。
【0069】
嵌合部28は、第1コネクタ11の第1ハウジング14が挿入される略長方形の形状の開口28aを有している。そして、嵌合部28は、開口28aから挿入された第1ハウジング14が嵌合する部分として設けられている。嵌合部28の開口28aから外部に臨む嵌合部28の内側には、複数の第2端子23の端子接続部25が配置されている。
【0070】
複数の端子圧入用孔29のそれぞれは、複数の第2端子23のそれぞれが圧入部27において圧入されて保持される孔として設けられている。そして、各端子圧入用孔29は、各第2端子23の圧入部27の断面形状に対応した断面形状の貫通孔として設けられている。また、複数の端子圧入用孔29のそれぞれは、第2ハウジング24において、嵌合部28の開口28a側と反対側の端部の壁部32に貫通形成されている。そして、複数の端子圧入用孔29は、第2ハウジング24における開口28a側と反対側の壁部32において、第2ハウジング24の幅方向に沿って2列に並んで設けられている。
【0071】
一対の係合孔(30、30)は、第1ハウジング14が第2ハウジング24に対して挿入されて嵌合する際に、第1ハウジング14の抜け止め部19における一対の凸部(19b、19b)が嵌まり込んで係合する貫通孔として設けられている。一対の係合孔(30、30)は、第2ハウジング24において、嵌合部28の一部を構成する壁部における開口28a側の縁部分の近傍に並んで設けられている。そして、一対の係合孔(30、30)は、第2ハウジング24において、第1ハウジング14が第2ハウジング24に嵌合した際に、一対の凸部(19b、19b)に対応する位置に設けられている。
【0072】
第1ハウジング14が第2ハウジング24に嵌合する際には、一対のアーム(19a、19a)が第2ハウジング24の内側において一旦撓んだ後に弾性回復し、一対の凸部(19b、19b)のそれぞれが、一対の係合孔(30、30)のそれぞれに嵌まり込む。そして、各凸部19bは、各係合孔30に対して、各係合孔30における開口28a側の縁部分にて係合可能な状態で、嵌まり込む。これにより、第2ハウジング24に嵌合した第1ハウジング14に対して、第2ハウジング24への嵌合方向と逆方向の外力が作用した場合であっても、一対の凸部(19b、19b)と一対の係合孔(30、30)とが係合し、第1ハウジング14が第2ハウジング24から抜けて脱落してしまうことが防止される。即ち、第2コネクタ12に嵌合して接続された第1コネクタ11が、第2コネクタ12から抜けて脱落してしまうことが防止される。
【0073】
平坦面31は、第2ハウジング24の内側に設けられた平坦な面として構成されている。より具体的には、平坦面31は、嵌合部28の内側で開口28aから外部に臨む位置に設けられ、第1ハウジング14が開口28aから挿入される方向に対して垂直な方向に沿って平坦に広がる面として構成されている(
図4及び
図11を参照)。また、平坦面31は、第2ハウジング24において、第2ハウジング24の幅方向に沿って長く平坦に延びる面として構成されている。更に、平坦面31は、第2ハウジング24の幅方向に沿って2列に並んで配置される第2端子23の列の間に配置されている。このため、平坦面31は、嵌合部28の内側における中央の領域で、大きく平坦に広がった状態で、配置されている。
【0074】
第2コネクタ12が基板100に実装されるために搬送用の吸着装置(図示せず)によって吸着されて搬送される際には、第2コネクタ12は、第2ハウジング24の平坦面31において、吸着装置に吸着される。吸着装置によって平坦面31において吸着された第2コネクタ12は、はんだペーストが塗布された基板100の所定位置まで搬送され、その所定位置に配置される。基板100の所定位置に第2コネクタ12が配置されると、吸着装置による平坦面31の吸着動作が停止される。その後、はんだが加熱されることで、第2コネクタ12が基板100に対してはんだ付けによって固定されることになる。
【0075】
[第1端子]
次に、電気的接続装置1の第1コネクタ11における第1端子13について更に詳しく説明する。
図13は、第1端子13の斜視図である。
図14は、第1端子13の斜視図であって、
図13とは異なる角度から見た状態を示す図である。
図15は、第1端子13の斜視図であって、
図13及び
図14とは異なる角度から見た状態を示す図である。
図16は、第1端子13の正面図である。
図17は、第1端子13の側面図である。
図18は、第1端子13の平面図であって、
図17に示す側面を正面側として図示した平面図である。
【0076】
図3乃至
図5、
図7、
図13乃至
図18に示す第1端子13は、本発明の一実施の形態に係る端子13を構成しており、本発明の一実施の形態におけるコネクタ11(第1コネクタ11)における端子13として構成されている。尚、以下の説明では、前述の通り、第1端子13について、端子13とも称し、第1コネクタ11について、コネクタ11とも称し、第1ハウジング14について、ハウジング14とも称する。
【0077】
端子13は、コネクタ11のハウジング14に対して挿入された状態で用いられるコネクタ11用の端子として構成されている。そして、端子13は、筒状壁部33、当接部(34、35)、突出部36、係合部37、電気接点部(38、39)、接点バネ部(40、41)、電線かしめ部42、導体かしめ部43、等を備えて構成されている。
【0078】
図4、
図13乃至
図18に示すように、筒状壁部33は、端子13における角筒状の部分として設けられている。筒状壁部33は、筒状に延びる方向である長手方向を有している。筒状壁部33の長手方向については、
図17にて、二点鎖線の両端矢印Lで示している。尚、筒状壁部33の長手方向は、端子13の長手方向と同じ方向となる。
【0079】
また、筒状壁部33は、第1側壁部44、第1側壁部44と一体に設けられた底壁部45、底壁部45と一体に設けられた第2側壁部46、及び第2側壁部46と一体に設けられた上壁部47、を備えて構成されている。即ち、筒状壁部33は、第1側壁部44、底壁部45、第2側壁部46、及び上壁部47の4つの壁部を有する端子13の角筒状の部分として設けられている。尚、第1側壁部44と上壁部47とは一体に設けられておらず、第1側壁部44と上壁部46とは、縁部分の一部同士において、当接可能に設けられている。
【0080】
端子13がハウジング14(第1ハウジング14)に対して挿入される際には、筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して筒状壁部33の長手方向と平行に挿入される。また、筒状壁部33は、筒状壁部33がハウジング14に対して筒状壁部33の長手方向と平行に挿入される方向である挿入方向における先端側において、端子挿入口33aが開口している。
【0081】
コネクタ11(第1コネクタ11)と第2コネクタ12とが接続され、端子13(第1端子13)と第2端子23とが接続される際には、端子13の筒状壁部33の内側に、第2端子23の端子接続部25が挿入される。端子13の筒状壁部33に第2端子23の端子接続部25が嵌合することで、端子13と第2端子23とが電気的及び機械的に接続される。端子13に第2端子23が嵌合する際には、第2端子23の端子接続部25は、端子13の筒状壁部33の先端側で開口した筒状壁部33の端子挿入口33aから、筒状壁部33に挿入される。
【0082】
図19は、
図17のC−C線矢視位置における断面を示す図である。
図20は、
図17のD−D線矢視位置における断面を示す図である。
図13乃至
図20に示すように、当接部(34、35)は、複数設けられている。本実施形態では、2つの当接部(34、35)が設けられた端子13の形態を例示している。
【0083】
複数の当接部(34、35)のそれぞれは、上壁部47の縁部分の一部として設けられている。より具体的には、複数の当接部(34、35)のそれぞれは、上壁部47の縁部分の一部であって、第1側壁部44の縁部分に対して隙間を介して対向する位置に配置された上壁部47の縁部分の一部として設けられている。そして、複数の当接部(34、35)のそれぞれは、上壁部47が筒状壁部33の内側に撓んだ際に第1側壁部44の縁部分と当接するように構成されている。
【0084】
また、複数の当接部(34、35)のそれぞれは、上壁部47において、筒状壁部33の長手方向における互いに離れた位置に設けられている。当接部34は、上壁部47において、筒状壁部33のハウジング14への挿入方向の先端側(即ち、筒状壁部33の長手方向における端子挿入口33a側)の端部に設けられている。一方、当接部35は、上壁部47において、筒状壁部33の上記の先端側と反対側(即ち、筒状壁部33の長手方向における端子挿入口33a側と反対側)の端部に設けられている。
【0085】
図13乃至
図20に示すように、突出部36は、端子13において、上壁部47から凸状又は突起状に突出して設けられている。更に、突出部36は、筒状壁部33がハウジング14に対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入された際に、ハウジング14と当接するように構成されている。そして、突出部36は、このようにハウジング14と当接することで、筒状壁部33がハウジング14の奥側に向かって所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入されることを規制するように構成されている。即ち、突出部36は、端子13において、端子13のハウジング14への誤装着の防止のための誤装着防止部分として設けられている。
【0086】
また、突出部36は、本実施形態では、上壁部47の縁部分において突出して設けられている。より具体的には、突出部36は、屈曲部36aと突出端部36bとを有して構成されている。屈曲部36aは、上壁部47の縁部分の一部と一体に設けられるとともに、上壁部47に対して屈曲して延びる部分として設けられている。突出端部36bは、屈曲部36aから片持ち状に突出して延びる部分として設けられている。突出端部36bは、上壁部47が広がる面方向に対して略垂直な方向に沿って上壁部47から突出するように設けられている。更に、突出部36は、筒状壁部33において、筒状壁部33のハウジング14への挿入方向における先端側に設けられている。
【0087】
突出部36は、筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して所定の挿入姿勢で挿入された際に、ハウジング14の挿入姿勢規制溝18に対して摺動して嵌まり込むように、構成されている。筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して所定の挿入姿勢で挿入されると、端子13がハウジング14に対して奥まで正しく嵌まり込んで挿入されることになる。よって、端子13がハウジング14に対して奥まで正しく嵌まり込むための上記の所定の挿入姿勢は、突出部36が挿入姿勢規制溝18に対して摺動して嵌まり込むように筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して挿入される姿勢として構成される。
【0088】
筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入されると、突出部36が、ハウジング14における端子挿入孔16の開口の縁部分に当接することになる。即ち、突出部36が、端子挿入孔16の縁部分であって挿入姿勢規制溝18が設けられている部分とは異なる部分と当接することになる。これにより、筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入されると、突出部36が端子挿入孔16の縁部分と当接し、筒状壁部33がハウジング14の奥側に向かって挿入されることが規制される。即ち、端子13のハウジング14への誤装着が防止される。
【0089】
尚、上壁部47の縁部分において突出して設けられた突出部36は、上壁部47の縁部部において、切り欠き部48を介して、当接部34に隣接して配置されている。即ち、上壁部47の縁部分においては、当接部34と突出部36との間には、切り欠き部48が設けられている。そして、当接部34と突出部36とは、上壁部47の縁部分において、凹み形状に形成された切り欠き部48によって区画された隙間を介して、配置されている。このように、上壁部47の縁部分において、当接部34と突出部36との間に切り欠き部48が設けられていることにより、両者の一方に作用した外力によって他方にも過大な応力が作用してしまうことが抑制される。即ち、切り欠き部48が設けられていることにより、当接部34及び突出部36の一方に外力が作用した際に、外力が直接に作用していない当接部34及び突出部36の他方にも過大な応力が作用してしまうことが抑制される。
【0090】
図21は、
図18のE−E線矢視位置における断面を示す図である。
図4、
図13、
図15乃至
図17、
図19、
図21に示すように、係合部37は、筒状壁部33に設けられており、本実施形態では、筒状壁部33の底壁部45に設けられている。そして、係合部37は、筒状壁部33がハウジング14に対して前述の所定の挿入姿勢で挿入された際に、ハウジング14の内部に設けられた被係合部17に係合可能に構成されている。
【0091】
本実施形態では、係合部37は、底壁部45の一部が筒状壁部33の外側に向かって切り起こされることで形成され、底壁部45から外側に向かって突出した部分として設けられている。更に、係合部37は、筒状壁部33のハウジング14への挿入方向の先端側から挿入方向と反対側に向かって、且つ、筒状壁部33の長手方向に対して斜めの方向に向かって、底壁部45から外側に突出している。これにより、筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して所定の挿入姿勢で挿入された状態では、係合部37と被係合部17とが確実に係合し、筒状壁部33が端子挿入孔16から抜けてしまうことが防止される。即ち、筒状壁部33に端子挿入孔16から抜き出す方向の外力が作用した場合であっても、係合部37の先端部が、被係合部17の凹部17aに嵌まり込んで確実に係合し、筒状壁部33が端子挿入孔16から抜けてしまうことが防止される。
【0092】
また、端子13の係合部37及びハウジング14の被係合部17は、筒状壁部33がハウジング14に対して前述の所定の挿入姿勢で挿入された際に、係合部37及び被係合部17の一方が他方に当接して弾性変形した後に弾性回復し、互いに係合可能に構成されている。尚、本実施形態の係合部37及び被係合部17では、筒状壁部33がハウジング14に所定の挿入姿勢で挿入された際に、被係合部17が係合部37に当接して弾性変形した後に弾性回復し、係合部37と被係合部17とが係合可能なように、構成されている。即ち、本実施形態では、筒状壁部33が端子挿入孔16に所定の挿入姿勢で挿入されると、係合部37に当接して乗り上げるようにして被係合部17が一旦撓んで弾性変形する。そして、筒状壁部33が端子挿入孔16の奥側まで挿入されると、被係合部17が弾性回復し、係合部37の先端部が、被係合部17の凹部17aに嵌まり込んで係合可能な位置に位置した状態が、維持されることになる。
【0093】
また、係合部37は、筒状壁部33において、突出部36に対して、筒状壁部33の長手方向においてずれた位置に又は離れた位置に設けられている(
図17を参照)。そして、本実施形態では、突出部36は、筒状壁部33において、係合部37に対して、筒状壁部33のハウジング14への挿入方向における先端側に設けられている。そして、係合部37は、筒状壁部33において、突出部36に対して、上記の挿入方向と反対方向に向かってずれた位置に又は離れた位置に設けられている。
【0094】
図5、
図15、
図16、
図19乃至
図21に示すように、電気接点部(38、39)は、筒状壁部33の内側に設けられている。そして、電気接点部(38、39)は、筒状壁部33の内側に第2端子23の端子接続部25が挿入されて嵌合した際に、端子接続部25に対して電気的に接続される部分として構成されている。本実施形態では、電気接点部(38、39)は、一対で設けられており、筒状壁部33に端子接続部25が嵌合した際には、端子接続部25の側面の両側から挟み込むようにして、端子接続部25に対して接触する。これにより、電気接点部(38、39)と端子接続部25とが電気的に接続され、端子13と第2端子23とが電気的に接続される。
【0095】
図5、
図13乃至
図21に示すように、接点バネ部(40、41)は、一対で設けられている。そして、一対の接点バネ部(40、41)は、第1側壁部44の一部及び第2側壁部46の一部として設けられ、それぞれ片持ち状に延びる板バネ状の部分として設けられている。より具体的には、接点バネ部40は、第1側壁部44の一部として設けられ、筒状壁部33の長手方向に沿って片持ち状に延びる板バネ状の部分として設けられている。そして、接点バネ部40は、第2側壁部46の一部として設けられ、筒状壁部33の長手方向に沿って片持ち状に延びる板バネ状の部分として設けられている。
【0096】
第1側壁部44の一部である接点バネ部40は、上記の通り、筒状壁部33の長手方向に沿って片持ち状に延びている。このため、接点バネ部40における筒状壁部33の長手方向に沿って延びる両側の縁部分のうち、一方は、底壁部45の縁部分に対して隙間を介して対向し、他方は、上壁部47の縁部分に対して隙間を介して対向している。
【0097】
また、第2側壁部46の一部である接点バネ部41は、上記の通り、筒状壁部33の長手方向に沿って片持ち状に延びている。このため、接点バネ部41における筒状壁部33の長手方向に沿って延びる両側の縁部分のうち、一方は、底壁部45の縁部分に対して隙間を介して対向し、他方は、上壁部47の縁部分に対して隙間を介して対向している。
【0098】
また、接点バネ部(40、41)は、上壁部47の縁部に対して、筒状壁部33の幅方向における内側に配置されている。より具体的には、接点バネ部40は、筒状壁部33の幅方向の内側に向かって湾曲した部分を有し、上壁部47における第1側壁部44側の縁部に対して、筒状壁部33の幅方向の内側に配置されている。そして、接点バネ部41は、筒状壁部33の幅方向の内側に向かって湾曲した部分を有し、上壁部47における第2側壁部46側の縁部に対して、筒状壁部33の幅方向の内側に配置されている。尚、筒状壁部33の幅方向は、筒状壁部33の長手方向に対して垂直な方向であって、第1側壁部44と第2側壁部46とが互いに対向する方向である。
【0099】
また、本実施形態では、電気接点部(38、39)は、片持ち状に延びる一対の接点バネ部(40、41)のそれぞれの先端側に設けられている。尚、電気接点部38は、接点バネ部40の先端側の内側に設けられている。そして、電気接点部39は、接点バネ部41の先端側の内側に設けられている。
【0100】
図4、
図5、
図13乃至
図18、
図21に示すように、端子13には、電線101の端部に対してかしめにより接合されて固定される部分として、電線かしめ部42及び導体かしめ部43が設けられている。電線かしめ部42は、電線101の端部に対して被覆部101aの外側からかしめにより接合されて固定される部分として設けられている。そして、電線かしめ部42は、電線101の端部へのかしめのために折り曲げられる一対の爪部を有している。導体かしめ部43は、電線101の端部において被覆部101aが除去されて導体101bが露出した部分に対してかしめにより接合されて固定される部分として設けられている。そして、導体かしめ部43は、電線101の端部へのかしめのために折り曲げられる一対の爪部を有している。端子13は、導体かしめ部43で電線101の端部の導体101bに接合されることで、電線101に対して電気的及び機械的に接続される。そして、端子13は、電線かしめ部42で電線101の端部に接合されることで、電線101に対して機械的により強固に接続される。
【0101】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の端子13は、その筒状壁部33がコネクタ11のハウジング14に対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入された際に、突出部36がハウジング14と当接することで、筒状壁部33がハウジング14の奥側に向かって挿入されることが規制される。これにより、端子13のハウジング14への誤装着が防止される。即ち、端子13においては、突出部36が、端子13のハウジング14への誤装着の防止のための誤装着防止部分として設けられている。
【0102】
そして、本実施形態の端子13には、所定の挿入姿勢でハウジング14に挿入された際にハウジング14の内部の被係合部17と係合可能な係合部37が設けられている。そして、係合部37及び被係合部17は、その一方が他方に対して当接して弾性変形した後に弾性回復することで、互いに係合可能となる。端子13の係合部37が上記のようにハウジング14に係合することで、ハウジング14に挿入された端子13がハウジング14から外れて離脱してしまうことが防止される。即ち、端子13においては、係合部37が、端子13がハウジング14から離脱してしまうことを防止するための離脱防止部分として設けられている。
【0103】
更に、本実施形態の端子13においては、係合部37は、筒状壁部33において、突出部36に対して、長手方向においてずれた位置に又は離れた位置に設けられている。このため、本実施形態の端子13によると、誤装着防止部分としての突出部36と、離脱防止部分としての係合部37とが、筒状壁部33において長手方向にずれて又は離れて独立した状態で設けらている。これにより、本実施形態の端子13によると、誤装着防止部分としての突出部36と、離脱防止部分としての係合部37とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できる。
【0104】
また、本実施形態の端子13によると、筒状壁部33は、第1側壁部44、底壁部45、第2側壁部46、及び上壁部47が、この順番で一体に設けられることで構成されており、簡素な構造で構成されている。更に、本実施形態の端子13においては、誤装着防止部分としての突出部36は、上壁部47から凸状又は突起状に突出して設けられた簡素な構造で構成されている。また、本実施形態の端子13によると、上壁部47の縁部分の一部が、上壁部47が筒状壁部33の内側に撓んだ際に第1側壁部44の縁部分と当接する当接部(34、35)として構成されている。このため、端子13が、所定の挿入姿勢と異なる姿勢でハウジング14に挿入され、突出部36がハウジング14に当接し、突出部36が設けられた上壁部47が筒状壁部33の内側に撓んだ場合であっても、当接部(34、35)が第1側壁部44の縁部分と当接し、上壁部47が筒状壁部33の内側に倒れ込んでしまうことが防止される。これにより、突出部36がハウジング14に当接した状態が維持され、誤装着防止部分としての突出部36の適切な作動が保証されることになる。また、本実施形態の端子13によると、誤装着防止部分としての突出部36の適切な作動の保証を実現する構造が、簡素な構造の筒状壁部33、簡素な構造の突出部36、及び、上壁部47の縁部分の一部として設けられて第1側壁部44の縁部分と当接する簡素な構造の当接部(34、35)、による簡素な構造によって実現されている。よって、本実施形態の端子13によると、誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる。
【0105】
以上のように、本実施形態によると、端子13のハウジング14への誤装着の防止のための誤装着防止部分と、端子13がハウジング14から離脱してしまうことを防止するための離脱防止部分とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに、誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子13を提供することができる。
【0106】
また、本実施形態によると、突出部36が、端子13のハウジング14への挿入方向における先端側に設けられる。このため、端子13が、所定の挿入姿勢と異なる姿勢でハウジング14に挿入された際、突出部36がハウジング14における端子13が挿入される孔である端子挿入孔16の開口の縁部分で当接し、端子13における筒状壁部33の先端側の部分以外の多くの部分が、ハウジング14から露出した状態となる。これにより、端子13が所定の挿入姿勢と異なる姿勢でハウジング14に挿入されて誤装着が発生した状態が、より明確に示されることになる。よって、端子13をハウジング14に挿入する作業を行う作業者は、誤装着が発生したことを速やかに且つ容易に視認して認識することができる。
【0107】
更に本実施形態によると、係合部37は、筒状壁部33において、突出部36に対して、端子13のハウジング14への挿入方向と反対方向に向かってずれた位置に又は離れた位置に設けられている。このため、離脱防止部分としての係合部37の位置が、端子13の先端側から反対側にずれた位置に又は離れた位置に設定され、端子13の先端側に設けられた突出部36の位置による制約を受けてしまうことが抑制される。また、係合部37の位置が、端子13の先端側からずれた位置に又は離れた位置に設定されるため、筒状壁部33におけるより剛性の高い部分に、係合部37を設けることができる。これにより、より剛性の高い係合部37を容易に構成することができる。
【0108】
また、本実施形態によると、突出部36が、上壁部47の縁部分の一部と一体の屈曲部36aと、屈曲部36aから片持ち状に延びる突出端部36bとを備えた簡素な構造で構成される。よって、更に簡素な構造で突出部36を実現することができる。
【0109】
また、本実施形態によると、電気接点部(38、39)がそれぞれ設けられた一対の接点バネ部(40、41)が、第1側壁部44の一部及び第2側壁部46の一部として構成される。このため、第1側壁部44の一部及び第2側壁部46の一部を一対の接点バネ部(40、41)として機能させることができ、簡素な構造で一対の接点バネ部(40、41)を実現することができる。更に、片持ち状に延びる板バネ状の部分として設けられて先端側に電気接点部(38、39)が設けられた一対の接点バネ部(40、41)のそれぞれは、第1側壁部44又は第2側壁部46の一部として構成される。この構成のため、片持ち状に延びる板バネの根元部分から先端側の電気接点部(38、39)までのアーム長を長く設定することを容易に実現することができる。また、一対の接点バネ部(40、41)は、第1側壁部44及び第2側壁部46に設けられ、上壁部47に設けられていないため、突出部36が設けられる上壁部47の強度に影響が生じてしまうことを抑制することができる。
【0110】
また、本実施形態によると、第1及び第2側壁部(44、46)の各一部として設けられた接点バネ部(40、41)が、上壁部47の縁部よりも筒状壁部33の幅方向の内側に配置される。このため、端子13が外部の物体と接触した場合であっても、外部の物体が接点バネ部(40、41)に接触して外力を作用させて接点バネ部(40、41)を変形或いは破損させてしまうことを、効率よく抑制することができる。とくに、複数の端子13が纏めて搬送される際、他の端子13が接点バネ部(40、41)に接触して外力を作用させて接点バネ部(40、41)を変形或いは破損させてしまうことを、効率よく抑制することができる。
【0111】
また、本実施形態によると、上壁部47の縁部分の一部として設けられる当接部(34、35)が、複数設けられる。更に、複数の当接部(34、35)のそれぞれは、筒状壁部33の長手方向における互いに離れた位置に設けられる。このため、端子13が、所定の挿入姿勢と異なる姿勢でハウジング14に挿入され、突出部36がハウジング14に当接し、突出部36が設けられた上壁部47が筒状壁部33の内側に撓んだ場合であっても、離れて設けられた複数の当接部(34、35)が第1側壁部44の縁部分と当接する。これにより、上壁部47が筒状壁部33の内側に倒れ込んでしまうことがより確実に防止される。そして、突出部36がハウジング14に当接した状態をより確実に維持でき、誤装着防止部分としての突出部36の適切な作動をより確実に保証することができる。
【0112】
また、本実施形態のコネクタ11によると、端子13と同様の効果を奏することができる。即ち、本実施形態によると、誤装着防止部分と離脱防止部分とが互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子13を備えるコネクタ11、を提供することができる。また、本実施形態によると、コネクタ11のハウジング14においても、端子13の係合部37に係合する被係合部17の位置と、端子13の突出部36に対応する部分である挿入姿勢規制溝18の位置とが、独立した位置に設けられることになる。このため、コネクタ11のハウジング14においても、端子13の係合部37に係合する被係合部17の位置と、端子13の突出部36に対応する部分の位置とが、互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できる。更に、これによって、コネクタ11の設計の自由度を向上させることができる。
【0113】
また、本実施形態の電気的接続装置1によると、端子13と同様の効果を奏することができる。即ち、本実施形態によると、誤装着防止部分と離脱防止部分とが互いの位置による制約を受けてしまうことを抑制できるとともに誤装着防止部分の適切な作動の保証を簡素な構造で実現することができる端子13を備える電気的接続装置1、を提供することができる。また、本実施形態によると、第2コネクタ12における第2ハウジング24の嵌合部28の内側に、第2ハウジング24の嵌合部28の開口28aから外部に臨むとともに第1コネクタ11の第1ハウジング14が挿入される方向に対して垂直な方向に沿って平坦に広がる平坦面31が設けられている。このため、第2コネクタ12が基板100に実装されるために搬送用の吸着装置によって吸着されて搬送される際に、第2コネクタ12を平坦面31において容易に吸着できる。更に、搬送用の吸着装置によって、第2コネクタ12を安定した状態で保持することができる。よって、第2コネクタ12の基板100への実装を容易に行うことができる。また、前述の通り、電気的接続装置1における第1コネクタ11によると、設計の自由度を向上させることができる。従って、本実施形態の電気的接続装置1によると、第1コネクタ11の設計の自由度を向上させることができるとともに、第2コネクタ12の基板100への実装を容易に行うことができる。
【0114】
[変形例]
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0115】
(1)
図22は、第1の変形例に係る端子51の正面図である。第1の変形例に係る端子51は、前述の実施形態の端子13と同様に構成されているが、係合部(37、61、62、63)の構成において、前述の実施形態の端子13とは異なっている。以下、第1の変形例に係る端子51について、前述の実施形態の端子13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を適宜省略する。
【0116】
端子13は、係合部37が1つのみ設けられていたが、端子51は、
図22に示す通り、係合部(37、61、62、63)が複数設けられている。尚、
図22に示す例では、係合部(37、61、62、63)が4つ設けられた端子51の形態を例示している。
【0117】
係合部37は、端子13の係合部37と同様に構成され、底壁部45に設けられている。係合部61は、端子13の係合部37と同様に構成され、第1側壁部44に設けられている。係合部62は、端子13の係合部37と同様に構成され、第2側壁部46に設けられている。係合部63は、端子13の係合部37と同様に構成され、上壁部47に設けられている。
【0118】
係合部(37、61、62、63)は、いずれも、筒状壁部33に設けられ、筒状壁部33が、端子51が保持されるハウジング(図示省略)に対して所定の挿入姿勢で挿入された際に、上記ハウジングの内部に設けられた被係合部(図示省略)に係合可能に構成されている。
【0119】
第1の変形例に係る端子51のように、複数の係合部(37、61、62、63)が設けられた形態が実施されてもよい。また、係合部の数及び位置は、端子13及び端子51の例に限らず、種々変更して実施してもよい。即ち、係合部が2つ、3つ、或いは5つ以上設けられた形態の端子が実施されてもよい。また、係合部が設けられる位置は、筒状壁部であればよく、第1側壁部、底壁部、第2側壁部、上壁部の少なくともいずれかであればよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えたコネクタが実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えた電気的接続装置が実施されてもよい。
【0120】
(2)
図23は、第2の変形例に係る端子52の正面図である。第2の変形例に係る端子52は、前述の実施形態の端子13と同様に構成されているが、突出部64の構成において、前述の実施形態の端子13とは異なっている。以下、第2の変形例に係る端子52について、前述の実施形態の端子13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を適宜省略する。
【0121】
端子13は、突出部36が上壁部47の縁部分に設けられていたが、端子52は、
図23に示す通り、突出部64が上壁部47における幅方向の中央部分に設けられている。尚、上壁部47の幅方向は、筒状壁部33の幅方向と同じ方向となる。
【0122】
突出部64は、上壁部47の幅方向における中央部分から凸状又は突起状に突出して設けられている。更に、突出部64は、筒状壁部33が、端子52が保持されるハウジング(図示省略)に対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入された際に、上記ハウジングと当接するように構成されている。そして、突出部64は、このように上記ハウジングと当接することで、筒状壁部33が上記ハウジングの奥側に向かって所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入されることを規制するように構成されている。
【0123】
第2の変形例に係る端子52のように、上壁部47における縁部分以外の部分に突出部64が設けられた形態が実施されてもよい。また、突出部の数及び上壁部における位置は、端子13及び端子52の例に限らず、種々変更して実施してもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えたコネクタが実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えた電気的接続装置が実施されてもよい。
【0124】
(3)
図24は、第3の変形例に係る端子53の側面図であって、第3の変形例に係る端子53の一部を切欠き状態で示す図である。第3の変形例に係る端子53は、前述の実施形態の端子13と同様に構成されているが、係合部65の形状において、前述の実施形態の端子13とは異なっている。以下、第3の変形例に係る端子53について、前述の実施形態の端子13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を適宜省略する。
【0125】
端子53の係合部65は、筒状壁部33の底壁部45に設けられている。そして、端子53の係合部65は、筒状壁部33が、端子53が保持されるハウジング(図示省略)に対して所定の挿入姿勢で挿入された際に、上記ハウジングの内部に設けられた被係合部(図示省略)に係合可能に構成されている。また、端子53の係合部65は、端子13の係合部37と同様に、筒状壁部33の上記ハウジングへの挿入方向の先端側から挿入方向と反対側に向かって、且つ、筒状壁部33の長手方向に対して斜めの方向に向かって、底壁部45から外側に突出している。しかし、端子53の係合部65は、端子13の係合部37に比して、筒状壁部33のより先端側から突出しており、更に、より長く突出している。即ち、筒状壁部33の上記ハウジングへの挿入方向の先端側から挿入方向と反対側に向かって、且つ、筒状壁部33の長手方向に対して斜めの方向に向かって、底壁部45から外側に突出した長さが、端子53の係合部65の方が、端子13の係合部37よりも、長く設定されている。
【0126】
第3の変形例に係る端子53のように、係合部の形状が異なる形態が実施されてもよい。また、係合部の形状は、端子13及び端子53の例に限らず、種々変更して実施してもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えたコネクタが実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えた電気的接続装置が実施されてもよい。
【0127】
(4)
図25は、第4の変形例に係る端子54の斜視図であって、第4の変形例に係る端子54の一部を切欠き状態で示す図である。第4の変形例に係る端子54は、前述の実施形態の端子13と同様に構成されているが、突出部66及び当接部67の構成において、前述の実施形態の端子13とは異なっている。以下、第4の変形例に係る端子54について、前述の実施形態の端子13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を適宜省略する。
【0128】
端子13においては、上壁部47において、当接部34が、筒状壁部33のハウジング14への挿入方向の先端側の端部に設けられ、突出部36が、当接部34に対して、筒状壁部33の上記の先端側と反対側に設けられている。しかし。端子54においては、当接部67及び突出部66の位置が、上記の当接部34及び突出部36の位置とは、逆の位置に設定されている。即ち、端子54においては、突出部66が、筒状壁部33のハウジング(端子54が保持されるハウジング)への挿入方向の先端側の端部に設けられている。そして、当接部67は、突出部66に対して、筒状壁部33の上記の先端側と反対側に設けられている。
【0129】
また、端子13においては、突出部36は、上壁部47における筒状壁部33の長手方向に沿った縁部分に設けられている。しかし、端子13とは異なり、端子54においては、突出部66は、上壁部47における端子挿入口33a側の縁部分から凸状又は突起状に突出して設けられている。そして、突出部66は、筒状壁部33が、端子54が保持されるハウジング(図示省略)に対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入された際に、上記ハウジングと当接するように構成されている。更に、突出部66は、このように上記ハウジングと当接することで、筒状壁部33が上記ハウジングの奥側に向かって所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入されることを規制するように構成されている。
【0130】
端子54の当接部67は、端子13の当接部34と同様に、上壁部47の縁部分の一部として設けられている。しかし、当接部67は、突出部66に対して、端子13に設けられているような切欠き部48を介さずに一体に隣接して設けられており、更に、突出部66に対して、筒状壁部33の上記の先端側と反対側に設けられている。当接部67は、上壁部47の縁部分の一部であって、第1側壁部44の縁部分に対して隙間を介して対向する位置に配置された上壁部47の縁部分の一部として設けられている。そして、当接部67は、上壁部47が筒状壁部33の内側に撓んだ際に第1側壁部44の縁部分と当接するように構成されている。
【0131】
第4の変形例に係る端子54のように、上壁部47における端子挿入口33a側の縁部分に突出部66が設けられた形態が実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えたコネクタが実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えた電気的接続装置が実施されてもよい。
【0132】
(5)
図26は、第5の変形例に係る端子55の斜視図であって、第5の変形例に係る端子55の一部を切欠き状態で示す図である。第5の変形例に係る端子55は、前述の実施形態の端子13と同様に構成されているが、突出部68及び当接部69の構成において、前述の実施形態の端子13とは異なっている。以下、第5の変形例に係る端子55について、前述の実施形態の端子13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を適宜省略する。
【0133】
端子13においては、突出部36が上端壁47の縁部分に設けられている。しかし、端子55においては、突出部68は、上端壁47の縁部分に設けられておらず、上端壁47の一部が筒状壁部33の外側に向かって切り起こされることで形成されている。より具体的には、端子55の上壁部47には、上壁部47における幅方向の中央部分において、切り込み部70が設けられている。尚、上壁部47の幅方向は、筒状壁部33の幅方向と同じ方向となる。そして、切り込み部70が形成された際に上端壁47から切り起こされた部分の一部が、筒状壁部33の外側に向かって突出するように切り起こされ、突出部68が形成されている。
【0134】
端子55の突出部68は、上壁部47の幅方向における中央部分の一部が凸状又は突起状に突出するように切り起こされて設けられている。更に、突出部68は、筒状壁部33が、端子55が保持されるハウジング(図示省略)に対して所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入された際に、上記ハウジングと当接するように構成されている。そして、突出部68は、このように上記ハウジングと当接することで、筒状壁部33が上記ハウジングの奥側に向かって所定の挿入姿勢と異なる姿勢で挿入されることを規制するように構成されている。
【0135】
端子55の当接部69は、端子13の当接部34と同様に、上壁部47の縁部分の一部として設けられている。しかし、当接部69は、上壁部47の縁部分における筒状壁部33の長手方向に沿って長く延びた部分として設けられ、第1側壁部44の縁部分に対して複数個所で当接可能に設けられている。このため、当接部69は、第1側壁部44の縁部分に対して複数個所で隙間を介して対向するように設けられている。そして、当接部69は、上壁部47が筒状壁部33の内側に撓んだ際に第1側壁部44の縁部分と複数個所で当接するように構成されている。
【0136】
第5の変形例に係る端子55のように、上壁部47の一部が凸状又は突起状に突出するように切り起こされて形成された突出部68が設けられ、第1側壁部44の縁部分と複数個所で当接する当接部69が設けられた形態が実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えたコネクタが実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えた電気的接続装置が実施されてもよい。
【0137】
(6)
図27は、第6の変形例に係る端子56の斜視図であって、第6の変形例に係る端子56の一部を切欠き状態で示す図である。第6の変形例に係る端子56は、前述の実施形態の端子13と同様に構成されているが、上壁部47及び第1側壁部44に嵌め合わせ部(71、72)が設けられている点において、前述の実施形態の端子13とは異なっている。以下、第6の変形例に係る端子56について、前述の実施形態の端子13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を適宜省略する。
【0138】
嵌め合わせ部71は、上壁部47において、上壁部47の幅方向に沿って溝状又はスリット状に凹んだ部分として設けられている。尚、上壁部47の幅方向は、筒状壁部33の幅方向と同じ方向となる。一方、嵌め合わせ部72は、第1側壁部44の縁部から片持ち状の爪状に突出して延びた部分として設けられている。嵌め合わせ部72は、嵌め合わせ部71に嵌まり込む形状に形成されている。そして、嵌め合わせ部71に嵌め合わせ部72が嵌まり込んだ部分は、角筒状の筒状壁部33の一部を構成している。
【0139】
第6の変形例に係る端子56のように、溝状又はスリット状に凹んだ嵌め合わせ部71と片持ち状の爪状に突出して延びた嵌め合わせ部72とが嵌り合う部分が筒状壁部33に設けられた形態が実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えたコネクタが実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えた電気的接続装置が実施されてもよい。
【0140】
(7)
図28は、第7の変形例に係る端子57の斜視図であって、第7の変形例に係る端子57の一部を切欠き状態で示す図である。第7の変形例に係る端子57は、前述の実施形態の端子13と同様に構成されているが、摺動リブ73が更に設けられている点において、前述の実施形態の端子13とは異なっている。以下、第7の変形例に係る端子57について、前述の実施形態の端子13と異なる構成についてのみ説明する。そして、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、又は、前述の実施形態で説明した要素の説明を引用することで、重複する説明を適宜省略する。
【0141】
摺動リブ73は、第1側壁部44の縁部分に設けられ、第1側壁部44の縁部から凸状又は突起状に突出して設けられている。そして、摺動リブ73は、筒状壁部33の長手方向において、突出部36と同一直線上に沿って並んで配置されている。摺動リブ73は、筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して所定の挿入姿勢で挿入された際に、ハウジング14の挿入姿勢規制溝18に対して、突出部36とともに、摺動して嵌まり込むように、構成されている。即ち、筒状壁部33がハウジング14の端子挿入孔16に対して所定の挿入姿勢で挿入されると、まず、突出部36が挿入姿勢規制溝18に摺動して嵌まり込み、次いで、摺動リブ73が挿入姿勢規制溝18に摺動して嵌まり込む。このような摺動リブ73が更に設けられていることで、端子57のハウジング14への所定の挿入姿勢での挿入動作をより円滑に行うことができる。
【0142】
第7の変形例に係る端子57のように、摺動リブ73が更に設けられた形態が実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えたコネクタが実施されてもよい。また、上記のような変形例に係る端子を備えた電気的接続装置が実施されてもよい。
【0143】
(8)前述したような変形例に限らず、更に種々の変形例が実施されてもよい。例えば、前述の実施形態では当接部が2つ設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。当接部が1つ又は3つ以上設けられた形態の端子が実施されてもよい。
【0144】
また、前述の実施形態では、筒状壁部がハウジングに所定の挿入姿勢で挿入された際に、被係合部が係合部に当接して弾性変形した後に弾性回復し、係合部と被係合部とが係合可能なように構成された端子の形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、筒状壁部がハウジングに所定の挿入姿勢で挿入された際に、係合部が被係合部に当接して弾性変形した後に弾性回復し、係合部と被係合部とが係合可能なように構成された端子の形態が実施されてもよい。
【0145】
また、前述の実施形態では、第1側壁部の一部及び第2側壁部の一部として設けられてそれぞれ片持ち状に延びる一対の接点バネ部が設けられた端子の形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、一対の接点バネ部が設けられておらず、電気接点部が、第1側壁部及び第2側壁部から筒状壁部の内側に向かって凸状に隆起するように設けられた形態の端子が実施されてもよい。
【0146】
また、第1コネクタの第1ハウジングの形状、第2コネクタの第2ハウジングの形状、第2コネクタの第2端子の形状については、前述の実施形態で例示したものに限らず、種々変更されてもよい。また、第2コネクタが接続される基板の形態についても、前述の実施形態で例示したものに限らず、種々変更されてもよい。