(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-191688(P2017-191688A)
(43)【公開日】2017年10月19日
(54)【発明の名称】電気特性の検査方法
(51)【国際特許分類】
H01R 33/76 20060101AFI20170922BHJP
H01R 11/01 20060101ALI20170922BHJP
【FI】
H01R33/76 A
H01R11/01 501E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-79852(P2016-79852)
(22)【出願日】2016年4月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 信博
(72)【発明者】
【氏名】本庄 慶司
(72)【発明者】
【氏名】大和田 保
(72)【発明者】
【氏名】樋口 靖幸
(72)【発明者】
【氏名】金子 純一
【テーマコード(参考)】
5E024
【Fターム(参考)】
5E024CA08
5E024CA13
5E024CA18
5E024CB06
(57)【要約】
【課題】半導体装置の電極が突出していない場合でも半導体装置の電気特性の検査を行うことができる電気特性の検査方法を提供する。
【解決手段】半導体装置の電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付ける貼付工程(A)と、異方性導電フィルムを介して半導体装置の電極にプローブを押し当て、半導体装置の電気特性を検査する検査工程(B)とを有する。検査工程(B)では、半導体装置のパッド電極13aとプローブ30とが異方性導電フィルム20の導電性粒子20aを介して接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付ける貼付工程と、
前記異方性導電フィルムを介して前記半導体装置の電極にプローブを押し当て、電気特性を検査する検査工程と
を有する電気特性の検査方法。
【請求項2】
前記貼付工程では、前記半導体装置の第1の面の電極に、導電性粒子を含有する第1の異方性導電フィルムを貼り付けるとともに、前記半導体装置の第2の面の電極に、導電性粒子を含有する第2の異方性導電フィルムを貼り付け、
前記検査工程では、前記第1の異方性導電フィルムを介して前記半導体装置の第1の面の電極に第1のプローブを押し当てるとともに、前記第2の異方性導電フィルムを介して前記半導体装置の第2の面の電極に第2のプローブを押し当てる請求項1記載の電気特性の検査方法。
【請求項3】
前記検査工程後に、前記半導体装置から前記異方性導電フィルムを剥離する剥離工程をさらに有する請求項1又は2記載の電気特性検査方法。
【請求項4】
前記半導体装置が、ウェハ上に形成されてなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気特性の検査方法。
【請求項5】
前記導電性粒子が、樹脂粒子の表面に導電層を形成してなる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気特性の検査方法。
【請求項6】
前記導電性粒子の平均粒径が、前記電極の幅よりも小さい請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電気特性の検査方法。
【請求項7】
ウェハに半導体装置を形成する集積回路形成工程と、
前記半導体装置の電気特性を検査する第1の検査工程と、
前記第1の検査工程において正常である半導体装置のチップを基板に実装する実装工程と、
前記実装工程後の半導体装置の電気特性を検査する第2の検査工程とを有し、
前記第1の検査工程又は第2の検査工程の少なくとも一方では、半導体装置の電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付け、前記異方性導電フィルムを介して前記半導体装置の電極にプローブを押し当て、電気特性を検査する半導体装置の製造方法。
【請求項8】
ウェハに貫通電極を形成する貫通電極形成工程と、
前記貫通電極の電気特性を検査する貫通電極検査工程とをさらに有し、
前記実装工程では、前記第1の検査工程及び前記貫通電極検査工程において正常である半導体装置のチップを基板に三次元実装し、
前記貫通電極検査工程では、貫通電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付け、前記異方性導電フィルムを介して前記貫通電極にプローブを押し当て、電気特性を検査する請求項7記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ウェハ、チップ等に形成された半導体装置の電気特性の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェハレベル、チップレベルにおける半導体装置の電気特性評価は、パッドやバンプに直接プロープを接触させて実施している(例えば特許文献1参照。)。この方法によれば、パッケージ前や三次元実装前の検査が可能となるが、プロープを電極等に直接接触させるため、電極等が損傷する場合があり、検査合格品の実装後に、検査に起因する損傷により不合格品を発生させる場合があった。
【0003】
これに対し、QFP(Quad Flat Package)、BGA(Ball grid array)等のパッケージデバイスの電気特性評価において、パッケージのはんだバンプやリードピンと検査回路基板とを、シリコーンゴム中に規則的に埋設された金メッキ金属細線を持つ異方導電性のエラストマーコネクターを用いることが知られている(例えば特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−042008号公報
【特許文献2】特開平08−055648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載されたエラストマーコネクターでは、例えば絶縁層が開口されたパッドのように電極が突出していない場合、半導体装置に接続するのが困難となり、半導体装置の電気特性の検査を行うのが困難である。
【0006】
本技術は、前述した課題を解決するものであり、半導体装置の電極が突出していない場合でも半導体装置の電気特性の検査を行うことができる電気特性の検査方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の発明者らは、鋭意検討を行った結果、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムをコネクターとして用いることにより、半導体装置の電極が突出していない場合でも半導体装置の電気特性の検査が可能であることを見出した。
【0008】
すなわち、本技術に係る電気特性の検査方法は、半導体装置の電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付ける貼付工程と、前記異方性導電フィルムを介して前記半導体装置の電極にプローブを押し当て、半導体装置の電気特性を検査する検査工程とを有する。
【0009】
また、本技術に係る半導体装置の製造方法は、ウェハに半導体装置を形成する集積回路形成工程と、前記半導体装置の電気特性を検査する第1の検査工程と、前記第1の検査工程において正常である半導体装置のチップを基板に実装する実装工程と、前記実装工程後の半導体装置の電気特性を検査する第2の検査工程とを有し、前記第1の検査工程又は第2の検査工程の少なくとも一方では、半導体装置の電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付け、前記異方性導電フィルムを介して前記半導体装置の電極にプローブを押し当て、電気特性を検査する。
【発明の効果】
【0010】
本技術によれば、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを介して半導体装置の電極にプローブを押し当てるため、半導体装置の電極が突出していない場合でも電気特性検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、ウェハに形成された半導体装置の電極に異方性導電フィルムを貼り付ける貼付工程を模式的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、異方性導電フィルムを介して半導体装置の電極にプローブを押し当てる検査工程を模式的に示す断面図である。
【
図3】
図3は、異方性導電フィルムを介して半導体装置の電極にプローブを押し当てる検査工程の変形例を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、半導体装置の製造方法の一形態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本技術の実施の形態について、下記順序にて詳細に説明する。
1.電気特性の検査方法
2.半導体装置の製造方法
【0013】
<1.電気特性の検査方法>
本技術を適用した電気特性の検査方法は、半導体装置の電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付ける貼付工程(A)と、異方性導電フィルムを介して半導体装置の電極にプローブを押し当て、半導体装置の電気特性を検査する検査工程(B)とを有する。これにより、半導体装置の電極とプローブとが異方性導電フィルムの導電性粒子を介して接続されるため、半導体装置の電気特性を検査することができる。
【0014】
半導体装置は、ウェハ上に形成されたウェハレベル、個片化されたチップレベル、パッケージ後のパッケージレベルのいずれのものでもよい。以下では、貫通電極がウェハの厚さ方向に貫いて形成された半導体装置のウェハレベルでの電気特性の検査方法について、貼付工程(A)、検査工程(B)及び、検査工程後に半導体装置から異方性導電フィルムを剥離する剥離工程(C)を説明する。
【0015】
[貼付工程(A)]
図1は、ウェハに形成された半導体装置の電極に異方性導電フィルムを貼り付ける貼付工程を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、貼付工程(A)では、半導体装置の電極に、導電性粒子20aを含有する異方性導電フィルム20を貼り付ける。
【0016】
一例として示す半導体装置は、例えば、貫通電極11aを有するウェハ11と、集積回路が形成された第1の配線層12と、パッド電極13aを有する第2の配線層13とを備える。また半導体装置は、ウェハ11を薄膜化した際のサポート材として第1の配線層12側に支持基板14を備える。
【0017】
ウェハ11は、例えばシリコン基板であり、基板厚さ方向に貫通する貫通電極11aを有する。貫通電極11aは、TSV(スルーシリコンビア)とも呼ばれ、一端が集積回路と電気的に接続され、集積回路の端子を第2の面側に引き出す。
【0018】
第1の配線層12は、ウェハ11の第1の面(いわゆる表面)側に形成され、貫通電極11aの一端に接続された集積回路を有する。集積回路は、ウェハ11上に例えばトランジスタ、抵抗(電気抵抗)、コンデンサなどの機能を持つ素子を集積させたものである。
【0019】
第2の配線層13は、ウェハ11の第2の面(いわゆる裏面)側に形成され、貫通電極11aの他端と電気的に接続されたパッド電極13aを有する。パッド電極13aは、絶縁膜の開口により第2の配線層の13の表面より内部側にある。
【0020】
異方性導電フィルム20は、バインダーに導電性粒子20aが分散されてなるものである。バインダーとしては、特に限定されものではなく、後述する検査工程(B)において、プローブの押し当てにより適度に流動する樹脂を用いることができる。このようなバインダーとしては、例えばエポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、シリコーンゴム系などが挙げられる。なお、
図1に示す異方性導電フィルム20は、説明を単純にするために、導電性粒子20aを含有する単層としたが、これに限られるものではなく、例えば、導電性粒子20aを含有する層を積層し、縦方向に導電性粒子を配列してもよい。また、異方性導電フィルム20は、接着用途ではないため、硬化剤を配合しなくてもよいが、後述する検査工程(B)において異方性導電フィルムの適度な粘度を得るためや、後述する剥離工程(C)において異方性導電フィルムの剥離を容易にするために、硬化剤を配合してもよい。
【0021】
また、異方性導電フィルム20の厚みは、プローブによる導電性粒子20aの捕捉性の観点から、導電性粒子20aの平均粒径の50〜1000%であることが好ましく、80〜500%であることがより好ましく、90〜200%であることがさらに好ましい。異方性導電フィルム20は、接着用途ではないため、導電性粒子20aが露出していても構わない。
【0022】
導電性粒子20aとしては、異方性導電フィルムにおいて使用される導電性粒子を用いることができる。このような導電性粒子の中でも、樹脂粒子の表面に導電層を形成してなるものを用いることが好ましい。樹脂粒子としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン(AS)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ジビニルベンゼン系樹脂、スチレン系樹脂等の粒子を用いることができる。これにより、プローブの押し当て時に導電性粒子20aが圧縮されるため、パッド電極13aの損傷を抑制することができる。
【0023】
導電性粒子20aの平均粒径は、通常1〜30μm、好ましくは2〜20μm、より好ましくは2.5〜15μmであり、電極の幅よりも小さいことが好ましい。これにより、プローブと電極との間への導電性粒子の捕捉性を向上させることができる。
【0024】
導電性粒子20aのバインダー中の平均粒子密度は、接続性の観点から、好ましくは100〜100000個/mm
2、より好ましくは500〜80000個/mm
2である。導電性粒子20aは、フィルム平面視において個々に独立していてもよく、また任意に配置されて存在していてもよい。導電性粒子20aを所定の位置関係で配置する場合、電極のサイズやレイアウトに応じて、個数密度や導電性粒子間距離などを設定することができる。これにより、今後見込まれる40μmピッチ程度の電極にも対応することが可能となる。
【0025】
[検査工程(B)]
図2は、異方性導電フィルムを介して半導体装置の電極にプローブを押し当てる検査工程を模式的に示す断面図である。
図2に示すように、検査工程(B)では、異方性導電フィルム20を介して半導体装置の電極にプローブ30を押し当て、半導体装置の電気特性を検査する。これにより、半導体装置の電極にプロープ30が直接接触しないため、電極等の損傷を抑制することができる。
【0026】
プローブ30は、電気特性を検査するための探針であり、
図2に示すように電極面に対し垂直に立てることが好ましい。プローブ30は、複数のピンが配列されていてもよい。プローブ30の先端形状は、導電性粒子20aの捕捉の観点から、平面、凹面、鋸歯面などであることが好ましい。プローブ30の先端径は、導電性粒子20aの捕捉性が高ければ、特に限定されるものではなく、半導体装置の電極が突出していない場合、電極の幅より小さいことが好ましいが、半導体装置の電極が突出している場合は、隣接電極にショートしない範囲で電極の幅より大きくても構わない。
【0027】
電気特性の検査は、例えばトランジスタ、抵抗(電気抵抗)、コンデンサなどの特性を測定することにより行われる。
【0028】
[剥離工程(C)]
剥離工程(C)では、半導体装置から異方性導電フィルム20を剥離する。剥離方法は特に限定されないが、異方性導電フィルム20を硬化させたのちに剥離してもよい。また、異方性導電フィルム20の剥離後にウェハを洗浄してもよい。
【0029】
なお、異方導電性フィルム20を完全硬化させない場合、異方性導電フィルム20を再利用することが可能となる。また、プローブの押し当てによる導電性粒子の移動が小さい場合、フィルム面内の同一領域で複数回使用することが可能となる。
【0030】
[変形例]
前述の電気特性の検査方法では、半導体装置が形成されたウェハの片面に異方性導電フィルムを貼り付けることとしたが、ウェハの両面に異方性導電フィルムを貼り付けるようにしてもよい。すなわち、前述の貼付工程において、半導体装置の第1の面の電極に、導電性粒子を含有する第1の異方性導電フィルムを貼り付けるとともに、半導体装置の第2の面の電極に、導電性粒子を含有する第2の異方性導電フィルムを貼り付け、前述の検査工程において、第1の異方性導電フィルムを介して半導体装置の第1の面の電極に第1のプローブを押し当てるとともに、第2の異方性導電フィルムを介して半導体装置の第2の面の電極に第2のプローブを押し当てるようにしてもよい。
【0031】
図3は、異方性導電フィルムを介して半導体装置の電極にプローブを押し当てる検査工程の変形例を模式的に示す断面図である。変形例として示す半導体装置は、例えば、貫通電極15aを有するウェハ15を備え、ウェハ15に集積回路が形成されている。貫通電極15aの両端に接続された電極は、ウェハ15から突出しており、ウェハ15の両面には、それぞれ導電性粒子21a、22aを含有する異方性導電フィルム21、22が貼り付けられている。異方性導電フィルム21、22を貼り付ける方法としては、ラミネートが挙げられる。
【0032】
電気特性の検査時は、プローブ31、32を対向させて第1の面の電極及び第2の面の電極を押し当てることが好ましい。これにより、プローブ31、32によりウェハ15を挟むことになるため、プローブ31、32の位置合わせ精度を向上させることができる。
【0033】
このように異方性導電フィルムをコネクターとして用いることにより、TSV技術による三次元実装パッケージなどの両面端子構造を有するチップやウェハであっても、電気特性の検査を行うことができる。
【0034】
<2.半導体装置の製造方法>
本技術を適用した半導体装置の製造方法は、ウェハに半導体装置を形成する集積回路形成工程(A1)と、半導体装置の電気特性を検査する第1の検査工程(B1)と、第1の検査工程(B1)において正常である半導体装置のチップを基板に実装する実装工程(C1)と、実装工程(C1)後の半導体装置の電気特性を検査する第2の検査工程(D1)とを有し、第1の検査工程(B1)又は第2の検査工程(D1)の少なくとも一方では、半導体装置の電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付け、異方性導電フィルムを介して半導体装置の電極にプローブを押し当て、電気特性を検査するものである。
【0035】
以下では、貫通電極がウェハの厚さ方向に貫いて形成された半導体装置のチップを基板に三次元実装する方法について、集積回路形成工程(A1)、第1の検査工程(B1)、ウェハに貫通電極を形成する貫通電極形成工程(B2)、貫通電極の電気特性を検査する貫通電極検査工程(B3)、実装工程(C1)、及び第2の検査工程(D1)を説明する。
【0036】
図4は、本技術を適用した半導体装置の製造方法の一形態を模式的に示す断面図であり、
図4(A)は、第1の面に半導体装置を形成したウェハの断面を示し、
図4(B)は、第2の面に貫通電極に接続された電極を形成したウェハの断面を示し、
図4(C)は、個片化されたチップの断面を示し、
図4(D)は、チップを積層させた3次元実装体の断面図を示す。
【0037】
[集積回路形成工程(A1)]
図4(A)に示すように、集積回路形成工程(A1)では、ウェハ51の第1の面に半導体装置を含む第1の配線層52を形成する。
【0038】
[第1の検査工程(B1)]
第1の検査工程(B1)では、半導体装置の電気特性を検査するウェハテスト(回路テスト)を行う。第1の検査工程における検査方法として、前述の電気特性の検査方法を用いることができる。ウェハテストで正常の場合、ウェハ51の第1の面にサポート材として支持基板54が貼られ、第2の面側からウェハ51の厚さを薄くする。ウェハテストで異常の場合ウェハ51が破棄される。
【0039】
[貫通電極形成工程(B2)]
図4(B)に示すように、貫通電極形成工程(B2)では、ウェハ51に貫通電極51aを形成する。例えばウェハ51に深い孔を形成し、その内部に薄い絶縁膜を被膜し、内部を導電材料で埋め込むことにより貫通電極51aを形成する。貫通電極51aは、第1の面側が第1の配線層52の集積回路の所定の内部配線と接触し、電気的接続が取られている。
【0040】
また、貫通電極51aの第2の面側に電極接続配線を形成し、第2の配線層53を形成する。本例では、貫通電極51aと接続されたバンプ電極53aとパッド電極53bとを形成する。例えば、第2の面側の電極接続配線上に絶縁膜を成膜し、レジストを塗布し、露光及びRIE(Reactive Ion Etching)加工をし、バンプ電極53aとパッド電極53bの箇所で、絶縁膜5を開口し、バンプ電極53aをリフローにより形成する。
【0041】
[貫通電極検査工程(B3)]
貫通電極検査工程では、貫通電極に、導電性粒子を含有する異方性導電フィルムを貼り付け、異方性導電フィルムを介して貫通電極の電気特性を検査する。貫通電極テストは、主として、貫通電極51aの導通テスト(オープン、ショート不良)であるが、貫通電極51aを通して第1の検査工程(B1)の回路テストを行ってもよい。貫通電極テストでも、前述の電気特性の検査方法を用いることができる。本技術では、異方性導電フィルムをコネクターとして用いるため、突起状のバンプ電極53a、突出していないパッド電極53bのいずれでも、電気特性の検査を行うことができる。
【0042】
[実装工程(C1)]
図4(C)に示すように、第1の検査工程及び貫通電極検査工程において正常である半導体装置は、チップに個片化され、支持基板54が剥離される。
【0043】
次に、
図4(D)に示すように、半導体装置のチップを基板に三次元実装する。例えば、インターポーザ基板61上に、複数の半導体装置のチップと熱硬化性接着剤62a、62b、62cとを積層配置し、一括圧着することにより三次元実装することができる。
【0044】
[第2の検査工程(D1)]
最後に、三次元実装されたパッケージ品の電気特性を検査する。最終テストでも、前述の電気特性の検査方法を用いることができる。すなわち、インターポーザ基板61の電極に異方性導電フィルムを貼り付け、異方性導電フィルムを介して半導体装置の電気特性を検査する。
【0045】
以上説明したように、第1の検査工程(B1)、貫通電極検査工程(B3)、及び第2の検査工程(D1)のすべてのテストにおいて、異方性導電フィルムをコネクターとして用いて電気特性を検査することができる。また、これらのテストは、オートプローバへロードすることができるため、試験時間及びコストを削減することができる。また、従来のコネクターでは、パッケージレベルの検査しか行うことができなかったが、本技術では、ウェハレベルの検査を行うことができ、三次元実装前やパッケージ前の事前スクリーニングを行うことができる。
【0046】
なお、前述の半導体装置の製造方法では、ビアラストプロセスとして説明したが、ビアファーストプロセスとしてもよい。ビアファーストプロセスの場合、貫通電極形成工程(B2)及び貫通電極検査工程(B3)は、集積回路形成工程(A1)よりも前段階に行われる。また、前述の貫通電極テストでは、ウェハ状態で行うこととして説明したが、ハンドリング性に支障がなければ、チップ状態で行ってもよい。本技術では、異方性導電フィルムが比較的柔らかいため、チップ状態であってもチップ破壊を抑制することができる。
【符号の説明】
【0047】
11 ウェハ、11a 貫通電極、12 第1の配線層、13 第2の配線層、13a パッド電極、14 支持基板、20、21、22 異方性導電フィルム、20a 導電性粒子、30、31、32 プローブ、51 ウェハ、51a 貫通電極、52 第1の配線層、53 第2の配線層、53a バンプ電極、53b パッド電極、54 支持基板、61 インターポーザ基板、62a、62b、62c 熱硬化性接着剤