【解決手段】 本発明に係る研磨パッド用の材料精製システムは、投入された固形の材料を溶融する溶融装置と、該溶融装置で溶融した材料を均質化する均質化装置とを備え、該均質化装置は、均質化可能な材料の処理量が前記溶融装置における溶融可能な材料の処理量よりも多く構成され、且つ前記溶融装置で溶融した材料を撹拌して均質化するように構成される。
前記溶融装置及び前記均質化装置の少なくとも何れか一方は、溶融した材料を濾過する濾過装置を備える請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の研磨パッド用の材料精製システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、均質性の高い材料を精製する研磨パッド用の材料精製システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る研磨パッド用の材料精製システムは、
投入された固形の材料を溶融する溶融装置と、
該溶融装置で溶融した材料を均質化する均質化装置とを備え、
該均質化装置は、均質化可能な材料の処理量が前記溶融装置における溶融可能な材料の処理量よりも多く構成され、且つ前記溶融装置で溶融した材料を撹拌して均質化するように構成される。
【0009】
かかる構成によれば、投入された固形の材料を溶融する溶融装置と、該溶融装置で溶融した材料を均質化する均質化装置とを備えるため、溶融装置で固体から液体に変化させた材料が均質化装置で撹拌されることによって均質化される。
【0010】
さらに、均質化装置における均質化可能な材料の処理量が溶融装置における溶融可能な材料の処理量よりも多いため、先に溶融させた材料を均質化装置で撹拌しつつ、後に溶融させた材料を均質化装置に供給することによって、双方の材料を均質化装置で撹拌して混ぜ合わすことができる。このように、前記材料精製システムは、先に溶融させた材料の質と、後に溶融させた材料の質とを均質化することによって、より均質性の高い材料を精製することができる。
【0011】
本発明に係る研磨パッド用の材料精製システムの一態様として、
前記溶融装置は、溶融した材料を撹拌して均質化するように構成してもよい。
【0012】
このようにすれば、溶融装置において、溶融した材料全体が撹拌されて均質化される。そのため、先に溶融させた材料と、後に溶融させた材料とは、それぞれが溶融装置で均質化された状態において、均質化装置で撹拌されて混ぜ合わされる。従って、前記研磨パッド用の材料精製システムは、より均質性の高い材料を精製することができる。
【0013】
本発明に係る研磨パッド用の材料精製システムの他態様として、
前記溶融装置及び前記均質化装置の少なくとも何れか一方は、溶融した材料を循環させて撹拌する循環路を有するようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、溶融装置及び均質化装置の少なくとも何れか一方の循環路において、溶融した材料が循環するため、循環路内の材料全体が撹拌されることによって均質化される。従って、前記研磨パッド用の材料精製システムは、より均質性の高い材料を精製することができる。
【0015】
本発明に係る研磨パッド用の材料精製システムの別の態様として、
前記溶融装置及び前記均質化装置の少なくとも何れか一方は、溶融した材料を濾過する濾過装置を備えていてもよい。
【0016】
このようにすれば、溶融した材料が濾過装置によって濾過されるため、純度の高い材料が精製される。
【0017】
本発明に係る研磨パッド用の材料精製システムのさらに別の態様として、
前記溶融装置は、前記均質化装置に流体的に接続される供給管を備えていてもよい。
【0018】
このようにすれば、溶融した材料は、外気に晒されることなく溶融装置から均質化装置に供給できるため、溶融した材料への異物の混入が防止される。従って、前記研磨パッド用の材料精製システムは、より純度の高い材料を精製できる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明の研磨パッド用の材料精製システムによれば、均質性の高い材料を精製できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態にかかる研磨パッド用の材料精製システム(以下、単に材料精製システムという)について、添付図面を参照して説明する。
【0022】
材料精製システムは、研磨パッドを製造するための材料を精製する。本実施形態に係る材料精製システムは、固形の材料を溶融することによって液体の材料を精製する。
【0023】
より具体的に説明する。
図1に示すように、材料精製システム1は、投入された固形の材料を溶融する溶融装置2と、該溶融装置2で溶融した材料を均質化する均質化装置3とを備える。また、材料精製システム1は、均質化装置3によって均質化された液体の材料を吐出する吐出装置4を備える。そして、材料精製システム1は、溶融装置2に固形の材料を投入するための投入装置5をさらに備える。なお、本実施形態では、固形の材料を固形材料とし、溶融して固体から液体に変化した材料を液体材料として以下の説明を行う場合がある。
【0024】
まず、投入装置5について説明する。投入装置5は、固形材料を供給するための供給口、及び供給された固形材料を溶融装置2(溶融装置2の後述する投入部20)に排出する排出口を有するホッパー50を有する。また、投入装置5は、ホッパー50の排出口と、溶融装置2との間に配置される開閉弁51を有する。そして、投入装置5は、固形材料が貯蔵される貯蔵タンク52であって、管部材53を介してホッパー50の供給口に接続される貯蔵タンク52を有する。
【0025】
投入装置5では、上述のように、開閉弁51がホッパー50の排出口と投入部20との間に配置される。そのため、投入装置5では、開閉弁51が開かれると、ホッパー50から溶融装置2への固形材料の投入が許容され、開閉弁51が閉じられると、ホッパー50から溶融装置2への固形材料の投入が規制される。
【0026】
溶融装置2は、固形材料が投入される投入部20と、該投入部20に投入された固形材料を溶融する溶融部21とを備える。また、溶融装置2は、溶融部21によって溶融させた材料を貯留する貯留部22を有する。そして、溶融装置2は、溶融部21によって溶融した材料を流通させる流通系23を有する。さらに、溶融装置2は、貯留部22及び流通系23が内部に配置される筐体24と、該筺体24の内部の温度を所定の温度(溶融した材料を液体の状態で維持できる温度)で保つための保温部25とを備える。
【0027】
投入部20は、円筒状である。投入部20の一方の開口端には、溶融部21に接続される。そのため、本実施形態に係る投入部20では、開閉弁51を介してホッパー50内から排出された固形材料が該投入部20の他方の開口端から投入される。
【0028】
投入部20には、熱溶融性を有する材料が投入される。例えば、本実施形態に係る投入部20には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(いわゆる、MOCA)が材料として投入される。なお、投入部20には、MOCAを含む材料や、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−フェニレンジアミン、ジエチレントルエンジアミン(いわゆるDETDA)、トリメチロールプロパン等の材料が投入されてもよい。
【0029】
溶融部21は、投入部20に投入された固形材料を加熱することによって、該材料を固体から液体に変化させる。そして、貯留部22には、溶融部21によって固体から液体に変化させた材料が貯留される。
【0030】
流通系23は、貯留部22に対して流体的に接続される流通路230を有する。また、流通系23は、流通路230に接続され且つ流通路230を流通する材料を濾過する濾過装置231を有する。さらに、流通系23は、該流通路230に接続されるストレーナ232と、該流通路230に接続され且つストレーナ232よりも下流に配置される送出ポンプ233と、を有する。
【0031】
流通路230は、貯留部22内の液体材料が流入する送出管230aと、該送出管230a及び貯留部22のそれぞれに流体的に接続される接続管230bと、を有する。また、流通路230は、送出管230aと均質化装置3(均質化装置3の後述する貯留槽30)とに流体的に接続される供給管230cを有する。
【0032】
本実施形態に係る流通系23は、送出管230aと接続管230bとを連通させた状態と、送出管230aと供給管230cとを連通させた状態とに切替可能な供給弁234をさらに有する。
【0033】
そのため、供給弁234が送出管230aと接続管230bとを連通させた状態に切り替えられると、送出管230aと、接続管230bと、貯留部22と、が互いに連通することによって、溶融装置2内で液体材料を循環させる循環路としての溶融路が形成される。そして、送出管230aから供給管230cへの液体材料の流通(すなわち、均質化装置3に対する液体材料の供給)が規制される。
【0034】
一方、供給弁234が送出管230aと供給管230cとを連通させた状態に切り替えられると、送出管230aから供給管230cへの液体材料の流通(均質化装置3に対する液体材料の供給)が許容される。そして、送出管230aから接続管230bへの液体材料の流通が規制される。
【0035】
濾過装置231は、内部に液体材料を流通させるホルダ231aと、該ホルダ231a内に配置される濾材231bとを有する。この濾過装置231は、流通路230(送出管230a)における送出ポンプ233よりも下流に配置される。
【0036】
ホルダ231aは、流通路230内の液体材料が流入する流入口と、内部の液体材料を流通路230に送り出す流出口と、を有する。
【0037】
濾材231bは、流入口と、流出口との間に配置される。濾材231bの目は、ストレーナ232の目よりも細かい。なお、濾過装置231では、濾材231bとして、不織布や、濾紙等が採用される。
【0038】
ストレーナ232は、例えば、金属製のメッシュや、パンチングメタル等によって構成される。
【0039】
本実施形態に係る流通系23では、送出ポンプ233として、ギヤポンプが採用される。なお、送出ポンプ233は、貯留部22内の材料を流通系23に流通させることができれば、ギヤポンプに限定されない。
【0040】
筺体24は、内外に亘って貫通する排気口240を有する。筺体24には、内外に亘って連通する接続口241であって、保温部25が接続される接続口241を有する。筺体24は、排気口240を通じて内部の空気を外部に排出することができる。
【0041】
保温部25は、接続口241を介して筺体24内に熱風を送るように構成される。従って、溶融装置2は、接続口241を介して保温部25から筺体24内に送り込まれた熱風によって該筺体24内の温度を所定の温度に維持することができる。これにより、溶融装置2は、溶融した材料を液体の状態で維持しつつ溶融路に循環させることができる。
【0042】
均質化装置3は、溶融装置2から送り出された液体材料を貯留する貯留槽30と、該貯留槽30内の液体材料を流通させる移送系31とを有する。
【0043】
貯留槽30には、溶融装置2の供給管230cが流体的に接続される。
【0044】
移送系31は、貯留槽30に対して流体的に接続される移送路310を有する。また、移送系31は、貯留槽30内の液体材料を移送路310内に送り込むための吸引ポンプ311を有する。
【0045】
移送路310は、貯留槽30内の液体材料が流入する流入管310aと、該流入管310a及び貯留槽30のそれぞれに流体的に接続される連結管310bとを有する。また、移送路310は、該送出管230aと吐出装置4とのそれぞれに流体的に接続される吐出管310cを有する。
【0046】
本実施形態に係る移送系31は、流入管310aと連結管310bとを連通させた状態と、流入管310aと吐出管310cとを連通させた状態とに切替可能な吐出弁312を有する。
【0047】
そのため、吐出弁312が流入管310aと連結管310bとを連通させた状態に切り替えられると、流入管310aと、連結管310bと、貯留槽30と、が互いに連通することによって、均質化装置3内で液体材料を循環させる循環路としての均質路が形成される。そして、流入管310aから吐出管310cへの液体材料の流通(すなわち、吐出装置4に対する液体材料の供給)が規制される。
【0048】
一方、吐出弁312が流入管310aと吐出管310cとを連通させた状態に切り替えられると、流入管310aから吐出管310cへの液体材料の流通(吐出装置4に対する液体材料の供給)が許容される。そして、流入管310aから連結管310bへの液体材料の流通が規制される。
【0049】
本実施形態において、均質化装置3が均質化可能な材料の処理量は、溶融装置2が溶融可能な材料の処理量よりも多い。より具体的に説明する。均質化装置3の均質路を循環する液体材料の量は、溶融装置2の溶融路を循環する液体材料の量よりも多い。
【0050】
吐出装置4は、均質化装置3における移送系31から液体材料が供給される本体部40と、該本体部40内の液体材料を吐出する吐出部41とを備える。
【0051】
本体部40には、移送路310の吐出管310cが流体的に接続される。そのため、吐出装置4では、吐出管310cを介して均質化装置3から本体部40に供給された液体材料が吐出部41から吐出される。なお、本体部40には、均質化装置3から供給される材料とは別の材料が供給されてもよい。すなわち、本体部40には、異なる種類の材料が供給されてもよい。
【0052】
本実施形態に係る材料精製システム1は、以上の通りである。続いて、本実施形態に係る材料精製システム1の動作について、添付図面を参照して説明を行う。
【0053】
図2に示すように、本実施形態に係る材料精製システム1によって、研磨パッドを製造するための材料を精製するにあたり、投入装置5によって、溶融装置2に固形材料を投入する。
【0054】
より具体的に説明する。まず、開閉弁51を閉じた後に、管部材53を介して貯蔵タンク52からホッパー50に固形材料を供給する。そして、開閉弁51を開いてホッパー50内の固形材料を投入部20に投入した後に、開閉弁51を閉じる。
【0055】
このように、本実施形態では、ホッパー50から投入部20に固形材料を間欠的に投入するにあたり、固形材料をホッパー50に一旦貯留する。これにより、本実施形態では、ホッパー50から投入部20への固形材料の投入量を均一化している。
【0056】
そして、投入部20に投入された固形材料を溶融部21によって溶融する。これにより、投入部20に投入された固形材料が固体から液体に変化し、液体材料が溶融部21から貯留部22に流れ込む。そして、貯留部22内の液体材料は、送出ポンプ233の動力によって送出管230aに送り出され、ストレーナ232を通過した後に、濾過装置231を通過する。
【0057】
このとき、濾過装置231を通過する液体材料に固形物(異物や、溶融部で溶かしきれなかった材料等)が含まれていると、濾材231bによって該固形物が液体材料から分離される。
【0058】
そして、本実施形態では、溶融部21によって固形材料を溶融するにあたり、供給弁234の状態を切り替えて送出管230aと、接続管230bとを連通させる。すなわち、送出管230aと、接続管230bと、貯留部22と、によって溶融路を形成した状態において、溶融部21によって固形材料を溶融する。
【0059】
そのため、送出ポンプ233の動力によって貯留部22から送出管230aに送り出された液体材料は、濾過装置231を通過した後に、接続管230bを介して貯留部22に送り出される。
【0060】
従って、溶融装置2では、送出ポンプ233の動力によって液体材料が溶融路を循環し、これにより、溶融装置2内で該液体材料が撹拌される。そのため、溶融装置2では、液体材料全体の溶け具合や、混ざり具合の偏りが抑えられ、該液体材料全体が均質化される。
【0061】
また、本実施形態に係る溶融装置2は、保温部25によって筺体24内の温度を所定の温度で維持しつつ、液体材料を溶融路に循環させるため、溶融路内の液体材料全体をより確実に溶かすことができる。
【0062】
そして、供給弁234の状態を切り替えることによって、送出管230aと供給管230cとを連通させると、送出ポンプ233の動力によって貯留部22から送出管230aに送り出された液体材料が、供給管230cを通過した後に均質化装置3の貯留槽30に送り出される。これにより、液体材料が溶融装置2から均質化装置3に供給される。
【0063】
本実施形態では、液体材料を溶融装置2から均質化装置3に供給するにあたり、吐出弁312の状態を切り替えて流入管310aと、連結管310bとを連通させる。すなわち、流入管310aと、連結管310bと、貯留槽30とによって均質路を形成する。
【0064】
そのため、供給管230cから貯留槽30に流入した液体材料は、吸引ポンプ311によって流入管310aに送り出された後に、連結管310bを通じて貯留槽30に送り出される。このように、均質化装置3では、吸引ポンプ311の動力によって液体材料が均質路を循環し、これにより、均質化装置3内で該液体材料が撹拌される。従って、溶融装置2内の液体材料全体の溶け具合や、混ざり具合の偏りがさらに抑えられ、該液体材料が均質化される。
【0065】
さらに、溶融装置2から均質化装置3に液体材料を供給した後に、管部材53を介して貯蔵タンク52からホッパー50内に新たに固形材料を供給する。そして、開閉弁51を再び開くことによって、ホッパー50内の固形材料を投入部20に投入した後に、開閉弁51を閉じる。
【0066】
投入部20に新たに投入された固形材料も、溶融部21で溶融されることによって固体から液体に変化し、貯留部22に貯留される。そして、貯留部22内の液体材料は、送出ポンプ233の動力によって送出管230aに送り出され、ストレーナ232を通過した後に、濾過装置231を通過する。
【0067】
本実施形態では、投入部20に新たに投入された固形材料を溶融部21で溶融するにあたり、供給弁234の状態を切り替えて送出管230aと接続管230bとを再び連通させる。すなわち、送出管230aと、接続管230bと、貯留部22とによって、再び溶融路を形成する。そのため、送出ポンプ233の動力によって貯留部22から送出管230aに送り出された液体材料は、ストレーナ232及び濾過装置231を通過した後に、接続管230bを通じて貯留部22に送り出される。
【0068】
そして、
図3に示すように、供給弁234の状態を切り替えることによって、送出管230aと供給管230cとを連通させると、送出ポンプ233の動力によって送り出された液体材料は、供給管230cを通過した後に均質化装置3の貯留槽30に送り出される。
【0069】
上述のように、均質化装置3が均質化可能な材料の処理量は、溶融装置2が溶融可能な材料の処理量よりも多いため、後に溶融させた材料は、均質化装置3の貯留槽30に送り出されると、先に均質化装置3に供給された液体材料(先に溶融させた材料)とともに均質路を循環する。これにより、均質化装置3において、先に溶融させた材料と、後に溶融させた材料とが撹拌されて混ぜ合わされる。このように、本実施形態に係る材料精製システム1は、先に溶融した材料と、後に溶融した材料とのそれぞれを均質化装置3に貯めて混ぜ合わすことによって、均質化された材料を精製することができる。
【0070】
そして、
図4に示すように、吐出弁312の状態を切り替えることによって、流入管310aと、吐出管310cとを連通させると、均質化された液体材料が研磨パッド用の材料として吐出部41から吐出される。
【0071】
以上のように、本実施形態に係る材料精製システム1では、投入された固形の材料を溶融する溶融装置2と、該溶融装置2で溶融した材料を均質化する均質化装置3とを備えるため、溶融装置2で固体から液体に変化させた材料が均質化装置3で撹拌されることによって均質化される。
【0072】
また、均質化装置3における均質化可能な材料の処理量が溶融装置2における溶融可能な材料の処理量よりも多いため、先に溶融させた材料を均質化装置3で撹拌しつつ、後に溶融させた材料を均質化装置3に供給することによって、双方の材料を均質化装置3で撹拌して混ぜ合わすことができる。このように、材料精製システム1は、先に溶融させた材料の質と、後に溶融させた材料の質とを均質化することによって、より均質性の高い材料を精製することができる。
【0073】
さらに、材料精製システム1は、均質化装置3が液体材料を循環させる均質路を有するため、溶融装置2によって新たに溶融した材料と、先に溶融装置2から均質化装置3に供給された液体材料とを混ぜ合わせたうえで、均質路に循環させて撹拌できる。従って、材料精製システム1は、精製された材料の均質性がより高まる。
【0074】
そして、溶融装置2は、溶融した材料を撹拌して均質化するように構成される。そのため、溶融装置2において、溶融した材料全体を撹拌して均質化することができる。従って、先に溶融させた材料と、後に溶融させた材料とは、それぞれが溶融装置2で均質化された状態において、均質化装置3で撹拌されて混ぜ合わされる。これにより、材料精製システム1は、より均質性の高い材料を精製することができる。
【0075】
さらに、溶融装置2は、溶融した材料を循環させて撹拌する溶融路を有するため、融解した材料を溶融路に循環させることができる。これにより、溶融装置2において、溶融した材料全体が撹拌されて均質化される。従って、材料精製システム1は、より均質性の高い材料を精製することができる。
【0076】
また、溶融装置2は、保温部25によって筺体24内の温度を所定の温度で維持しつつ、液体材料を溶融路に循環させるため、溶融路内の液体材料全体をより確実に溶かすことができる。
【0077】
さらに、溶融装置2は、供給弁234によって、溶融路に液体材料を循環させる状態と、液体材料を均質化装置3に供給する状態とに切り替えることができるため、液体材料を確実に撹拌して均質化したうえで均質化装置3に供給することができる。
【0078】
そして、溶融装置2(溶融装置2の流通系23)は、溶融部21によって溶融した材料が濾過装置231で濾過されるため、純度の高い材料が精製される。
【0079】
さらに、溶融装置2(溶融装置2の流通系23)は、均質化装置3に流体的に接続される供給管230cを備えるため、溶融部21によって溶融した材料が外気に晒されることなく溶融装置2から均質化装置3に送り出される。従って、材料精製システム1では、溶融した材料への異物の混入が防止されるため、より純度の高い材料を精製できる。
【0080】
なお、本発明に係る材料精製システム1は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0081】
上記実施形態において、流通路230は、貯留部22内の材料が流入する送出管230aと、該送出管230a及び貯留部22のそれぞれに流体的に接続される接続管230bと、送出管230aと均質化装置3(均質化装置3の後述する貯留槽30)とに流体的に接続される供給管230cとを有するが、この構成に限定されない。例えば、流通路230は、接続管230bを備えていなくてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、貯留槽30に対して間欠的に液体材料を供給していたが、貯留槽30に対して連続的に液体材料を供給してもよい。なお、溶融装置2は、流通路230が接続管230bを備えていなくても、貯留部22内において液体材料を掻き混ぜるように構成されていれば、液体材料を撹拌できる。
【0083】
上記実施形態では、投入部20に固形材料を間欠的に投入する場合について説明したが、この構成に限定されない。例えば、投入部20に固形材料を連続的に投入しつつ、溶融部21で固形材料を溶融してもよい。
【0084】
上記実施形態において、移送路310は、貯留槽30内の液体材料が流入する流入管310aと、該流入管310a及び貯留槽30のそれぞれに流体的に接続される連結管310bと、該送出管230aと吐出装置4とのそれぞれに流体的に接続される吐出管310cとを有するが、この構成に限定されない。例えば、均質化装置3は、移送路310が接続管230bを備えていなくても、貯留槽30内において液体材料を掻き混ぜて撹拌するように構成されていればよい。
【0085】
また、上記実施形態では、吐出装置4の本体部40に対して液体材料を間欠的に供給していたが、移送路310が連結管310bを備えていない場合、吐出装置4の本体部40に対して液体材料を連続的に供給してもよい。但し、吐出装置4の本体部40に対して液体材料を連続的に供給する場合、溶融部21で新たに溶融した材料と、溶融部21で先に溶融した材料と、を貯留槽30内で混ぜ合わすべく、常に、貯留槽30内に液体材料が残るように吐出装置4の本体部40に対する液体材料の供給量(吐出装置4による液体材料の吐出量)が調整されていることが好ましい。
【0086】
以上のように、均質化装置3は、溶融部21で新たに溶融した材料と、溶融部21で先に溶融した材料とを混ぜ合わすことができれば、吐出装置4に対する液体材料の供給の仕方が限定されるものではない。
【0087】
上記実施形態において、流通路230の供給管230cは、貯留槽30に流体的に接続されていたが、この構成に限定されない。例えば、流通路230の供給管230cは、移送路310の流入管310aや、連結管310bに流体的に接続されていてもよい。
【0088】
上記実施形態において、特に限定しなかったが、均質化装置3の移送系31は、移送路310に接続され且つ移送路310を流通する材料を濾過する濾過装置を有するようにしてもよい。この場合、濾過装置は、移送路310の流入管310aや、連結管310bに流体的に接続されていればよい。
【0089】
このようにすれば、貯留槽30と流入管310aと連結管310bとによって液体材料を循環させると、該液体材料が濾過装置によって濾過されるため、精製した材料の純度が高まる。なお、上記実施形態に係る材料精製システム1は、均質化装置3の移送系31のみが濾過装置231を有するようにしてもよい。