【実施例1】
【0020】
以下に、本発明の第1実施例であるフェイスマスク100について、
図1乃至
図7(C)に基づいて説明する。
ここで、
図1は、本発明の第1実施例であるフェイスマスク100を示す斜視図であり、
図2は、本発明の第1実施例であるフェイスマスク100をユーザが装着した状態を示す正面図であり、
図3は、
図2に示す符号3から視た側面図であり、
図4は、
図2に示す符号4−4で視た断面図であり、
図5は、
図2に示す符号5−5で視た断面図であり、
図6(A)は、左側紐状部材120の弧形状L1の大きさが比較的大きいときの状態を示す図であり、
図6(B)は、
図6(A)と比べて左側紐状部材120の弧形状L1の大きさが小さいときの状態を示す図であり、
図7(A)は、マスク基部110の上方が巻かれた状態を示す図であり、
図7(B)は、マスク基部110の下方まで巻かれてマスク基部110の左右両側が左側紐状部材120および右側紐状部材130の弧形状L1、L2にそれぞれ挿通された状態を示す図であり、
図7(C)は、左側紐状部材120および右側紐状部材130の弧形状L1、L2が小さくなってフェイスマスク100がコンパクトになった様子を示す図である。
【0021】
本発明の第1実施例であるフェイスマスク100は、
図1乃至
図5に示すように、マスク基部110と、紐状部材である左側紐状部材120および右側紐状部材130とを備えている。
このうち、マスク基部110は、柔軟な素材の一例として内部に気泡を含むシート状クロロプレンゴムにより形成されてユーザの顔面全体を覆うように構成されている。
具体的には、マスク基部110が、ユーザの顔面と対向する凹状面を有している。
さらに、マスク装着時にマスク基部110の中央部分111が、ユーザの顔面から離間した状態で、マスク基部110の周縁部分112が、ユーザの顔面と接するように構成されている。
【0022】
本実施例では、中央部分111は、ユーザの額や眉と対向して額や眉と非接触状態で額や眉をカバーする額カバー箇所111aと、ユーザの目と対向して目と非接触状態で目をカバーする目カバー箇所111bと、ユーザの鼻と対向して鼻と非接触状態で鼻をカバーする鼻カバー箇所111cと、ユーザの口と対向して口と非接触状態で口をカバーする口カバー箇所111dと、ユーザの下顎前側と対向して下顎前側と非接触状態で下顎前側をカバーする下顎前側カバー箇所111eとを有している。
また、周縁部分112は、ユーザの顔面における額と頭皮との境界およびその近傍と接する上方接触箇所112aと、耳の前側およびその近傍と接する側方接触箇所である左側方接触箇所112bおよび右側方接触箇所112cと、下顎の前側と下側との境界およびその近傍と接する下方接触箇所112dとを有している。
【0023】
また、左側紐状部材120および右側紐状部材130は、マスク基部110のマスク左右両側においてそれぞれ弧形状L1、L2を形成してユーザの耳にかけられるように構成されている。
本実施例において、左右は、ユーザから視た左右である。
さらに、左側紐状部材120における弧形状L1の一端側(左側紐状部材120の一端121側)が、マスク左側においてマスク基部110の左側筒状ガイド113に挿通され、他端122が、一端側よりもマスク上方の位置においてマスク基部110に固定されている。
これにより、左側紐状部材120における一端121側をマスク基部110に対して滑らせることで、弧形状L1の大きさが変更自在となる。
なお、他端122を固定して一端121側のみを可動にしたが、他端122側も可動にしてもよいのは言うまでもない。
【0024】
左側紐状部材120と同様に、右側紐状部材130における弧形状L2の一端側(右側紐状部材130の一端131側)が、マスク右側においてマスク基部110の右側筒状ガイド114に挿通され、他端132が、一端側よりもマスク上方の位置においてマスク基部110に固定されている。
これにより、右側紐状部材130における一端131側をマスク基部110に対して滑らせることで、弧形状L2の大きさが変更自在となる。
さらに、弧形状L1、L2がユーザの耳にかけられてマスク基部110がユーザの顔面に着用される。
また、マスク基部110の中央部分111とユーザの顔面との間に閉じられた空間が形成されて空間内の湿度が保たれる。
【0025】
また、口カバー箇所111dが、空気を通過させる呼吸用孔111daを有している。
本実施例では、一例として直径2〜3mm程度の呼吸用孔111daが27つ程度形成されている。
これにより、ユーザが呼吸したときに呼気および吸気が呼吸用孔111daを通過する。
つまり、ユーザの呼吸を妨げる虞がない。
なお、呼吸用孔111daとして、長辺30mm、短辺20mm程度の楕円形を1つ形成してもよい。
【0026】
さらに、本実施例では、マスク基部110が、遮光性材料で形成されている。
これにより、周囲の光がユーザの目に殆ど入らない。
つまり、ユーザの安眠を妨げる虞がない。
【0027】
また、本実施例では、左側紐状部材120が、マスク基部110における左側方接触箇所112bから下側の下方接触箇所112dまで形成された左側筒状ガイド113の内部を摺動自在に挿通されている。
ここで、左側筒状ガイド113は、一例としてシート状のマスク基部110の縁を折り返して縫われることで形成されている。
【0028】
左側紐状部材120は、マスク基部110に対して摺動自在に挿通されていればよく、例えば、ズボンやスカートの所謂、ベルト通しのように帯状部材によって摺動自在にガイドされていてもよい。
そして、左側紐状部材120の一端121が、左側筒状ガイド113からユーザの首側である下方へ突出している。
【0029】
左側紐状部材120と同様に、右側紐状部材130が、マスク基部110における右側方接触箇所112cから下側の下方接触箇所112dまで形成された右側筒状ガイド114の内部を摺動自在に挿通されている。
さらに、右側紐状部材130の一端131が、右側筒状ガイド114からユーザの首側である下方へ突出している。
【0030】
これにより、
図6(A)に示す状態からユーザが左側紐状部材120の一端121および右側紐状部材130の一端131を引っ張ると、
図6(B)に示すように、左右の弧形状L1、L2の大きさが小さくなるとともにマスク基部110の周縁部分112がユーザの顔にフィットする。
つまり、ユーザの目、鼻、口からマスク基部110が離間した状態でユーザは簡単にフェイスマスク100の周縁部分112をユーザの顔面にフィットさせることができる。
ここで、ユーザが座席シートの背もたれを起こして座っている状態や座席シートの背もたれを倒して座っている状態では、左側紐状部材120の一端121および右側紐状部材130の一端131は、重力によりユーザの首の前に位置する。
そのため、ユーザは、フェイスマスク100を着用したままで左側紐状部材120の一端121および右側紐状部材130の一端131を容易に操作してフェイスマスク100をユーザの顔面にフィットさせることができる。
【0031】
さらに、ユーザは左側紐状部材120の弧形状L1の箇所および右側紐状部材130の弧形状L2の箇所を引っ張るだけで、左右の弧形状L1、L2の大きさが大きくなる。
つまり、容易にフェイスマスク100を外すことができる。
【0032】
なお、左側筒状ガイド113から突出した左側紐状部材120の一端121側および右側筒状ガイド114から突出した右側紐状部材130の一端131側が、公知の紐ストッパー具140に挿通されている。
紐ストッパー具140の内部には、図示しないばねが設けられて、ばねの付勢力が作用して、左側紐状部材120および右側紐状部材130と紐ストッパー具140との間に比較的大きな摩擦力が発生するように構成されている。
【0033】
これにより、ユーザがフェイスマスク100を装着した状態において、左右の耳にかけられた左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2の大きさが維持される。
つまり、左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2が勝手に大きくなって左右の耳のかかり具合が緩んでしまうことを回避することができる。
【0034】
また、本実施例では、フェイスマスク100を使用しないとき、フェイスマスク100をコンパクトにすることができる。
具体的には、先ず、
図7(A)に示すように、マスク基部110の上方を下方へ向かって凹状面内側へ巻いていく。
次に、
図7(B)に示すように、マスク基部110の下方を上方へ向かって凹状面内側へ巻いていき、巻かれたマスク基部110の左側を、左側紐状部材120の弧形状L1に相対的に挿通させるために、左側紐状部材120の弧形状L1を右側へ移動させる。
そして、左側と同様に、巻かれたマスク基部110の右側を、右側紐状部材130の弧形状L2に相対的に挿通させるために、右側紐状部材130の弧形状L2を左側へ移動させる。
なお、「マスク基部110の下方を上方へ向かって凹状面内側へ巻いていき」と説明したが、これは、
図7(B)に図示して理解しやすく説明しただけであり、
図7(A)の状態から続けて上方を下方へ向かって巻き続けてもよいのは言うまでもない。
つまり、マスク基部110が巻かれたときに、左側紐状部材120の一端121および右側紐状部材130の一端131が外周側に位置していればよい。
【0035】
そして、
図7(C)に示すように、紐ストッパー具140を押さえながら、左側筒状ガイド113から突出した左側紐状部材120の一端121側および右側筒状ガイド114から突出した右側紐状部材130の一端131側を引っ張る。
すると、左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2の大きさが小さくなり、マスク基部110の巻かれた状態が保持される。
つまり、フェイスマスク100が上下方向にコンパクトになる。
【0036】
なお、
図7(C)に示す状態からさらに左側紐状部材120の一端121側および右側紐状部材130の一端131側を引っ張ると、左側紐状部材120および右側紐状部材130によって左右方向に力が作用するため、マスク基部110が左右方向に縮むように丸くなる。
つまり、フェイスマスク100が左右方向にもコンパクトになり、ユーザの服のポケットや鞄やスーツケースなどに容易に収納することができる。
【0037】
ユーザがフェイスマスク100を使用するときは、
図7(C)に示す状態から紐ストッパー具140を緩めて、左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2の大きさを大きくする。
次に、
図7(B)に示すように、左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2からマスク基部110の左右両側を相対的に抜くために、左側紐状部材120の弧形状L1を左側へ、右側紐状部材130の弧形状L2を左側へ広げる。
そして、巻かれた状態のマスク基部110を上下方向に広げることにより、
図1に示す元の使用可能な状態に戻すことができる。
【0038】
このようにして得られた本発明の第1実施例であるフェイスマスク100は、柔軟な素材により形成されてユーザの顔面全体を覆うマスク基部110と、マスク基部110のマスク左右両側において弧形状L1、L2を形成してユーザの耳にかけられる紐状部材である左側紐状部材120および右側紐状部材130とを備え、マスク基部110が、ユーザの顔面と対向する凹状面を有し、マスク装着時にマスク基部110の中央部分111が、ユーザの顔面から離間した状態で、マスク基部110の周縁部分112が、ユーザの顔面と接し、左側紐状部材120および右側紐状部材130における弧形状L1、L2の少なくとも一端(121、131)側が、マスク左右両側においてそれぞれマスク基部110に対して挿通されて弧形状L1、L2の大きさを変更自在に設けられていることにより、ユーザの目、鼻、口からマスク基部110が離間した状態で弧形状L1、L2をユーザの左右の耳にかけてフェイスマスク100を顔面上の位置に保持してユーザの顔を覆うとともにユーザの顔面の化粧崩れを防止し、マスクの着用によるユーザのヘアスタイルの崩れを回避するとともに、ユーザの顔面の肌の湿度を保つことができる。
【0039】
さらに、マスク基部110の中央部分111におけるユーザの口と対向する口カバー箇所111dが、空気を通過させる呼吸用孔111daを有していることにより、ユーザの呼吸を妨げる虞がなくユーザは快適に呼吸することができる。
また、マスク基部110が、遮光性材料で形成されていることにより、ユーザの安眠を妨げる虞がなくユーザは快適に休息をとることができる。
【0040】
さらに、左側紐状部材120および右側紐状部材130が、マスク基部110における左側方接触箇所112bおよび右側方接触箇所112cから下側の下方接触箇所112dまで摺動自在にそれぞれ挿通され、左側紐状部材120および右側紐状部材130の両端のうちの少なくとも一端121、131が、下方接触箇所112dからユーザの首側である下方へ突出していることにより、ユーザの目、鼻、口からマスク基部110が離間した状態でユーザは簡単にフェイスマスク100の周縁部分112をユーザの顔面にフィットさせることができ、容易にマスクを外すことができる。
【0041】
また、マスク基部110における上側である上方接触箇所112aから下側へ向かって巻かれたマスク基部110のマスク左右両側が、マスク左右の弧形状L1、L2にそれぞれ挿通されるとともに、下方接触箇所112dから突出した左側紐状部材120および右側紐状部材130が引っ張られて弧形状L1、L2の大きさが小さくなってマスク基部110の巻かれた状態が保持されることにより、使用しないときにはコンパクトにして利便性を高めることができるなど、その効果は甚大である。