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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-193795(P2017-193795A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】フェイスマスク
(51)【国際特許分類】
   A41G 7/00 20060101AFI20170929BHJP
【FI】
   A41G7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-84235(P2016-84235)
(22)【出願日】2016年4月20日
(71)【出願人】
【識別番号】516118637
【氏名又は名称】岩上 幸生
(74)【代理人】
【識別番号】100168538
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 来
(72)【発明者】
【氏名】岩上 幸生
(57)【要約】
【課題】ユーザの顔を覆うとともにユーザの顔面の化粧崩れおよびヘアスタイルの崩れを防止するフェイスマスクを提供すること。
【解決手段】柔軟な素材により形成されてユーザの顔面全体を覆うマスク基部110と、マスク基部110のマスク左右両側において弧形状を形成してユーザの耳にかけられる紐状部材(120、130)とを備え、マスク基部110が、ユーザの顔面と対向する凹状面を有し、マスク装着時にマスク基部110の中央部分111が、ユーザの顔面から離間した状態で、マスク基部110の周縁部分112が、ユーザの顔面と接し、紐状部材(120、130)における弧形状の少なくとも一端(121、131)側が、マスク左右両側においてそれぞれマスク基部110に対して挿通されて弧形状L1、L2の大きさを変更自在に設けられているフェイスマスク100。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な素材により形成されてユーザの顔面全体を覆うマスク基部と、
前記マスク基部のマスク左右両側において弧形状を形成してユーザの耳にかけられる紐状部材とを備え、
前記マスク基部が、前記ユーザの顔面と対向する凹状面を有し、マスク装着時に前記マスク基部の中央部分が、ユーザの顔面から離間した状態で、前記マスク基部の周縁部分が、ユーザの顔面と接し、
前記紐状部材における弧形状の少なくとも一端側が、前記マスク左右両側においてそれぞれマスク基部に対して挿通されて弧形状の大きさを変更自在に設けられていることを特徴とするフェイスマスク。
【請求項2】
前記マスク基部の中央部分におけるユーザの口と対向する口カバー箇所が、空気を通過させる呼吸用孔を有していることを特徴とする請求項1に記載のフェイスマスク。
【請求項3】
前記マスク基部が、遮光性材料で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフェイスマスク。
【請求項4】
前記マスク基部の周縁部分が、ユーザの顔面における額と頭皮との境界と接する上方接触箇所と、ユーザの耳の前側と接する側方接触箇所と、ユーザの下顎の前側と下側との境界と接する下方接触箇所とを有し、
前記紐状部材が、前記マスク基部における左右両側の側方接触箇所から下側の下方接触箇所まで摺動自在にそれぞれ挿通され、
前記紐状部材の両端のうちの少なくとも一端が、前記下方接触箇所からユーザの首側である下方へ突出していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のフェイスマスク。
【請求項5】
前記マスク基部における上側である上方接触箇所から下側へ向かって巻かれたマスク基部のマスク左右両側が、前記マスク左右の弧形状にそれぞれ挿通されるとともに、前記下方接触箇所から突出した紐状部材が引っ張られて弧形状の大きさが小さくなって前記巻かれたマスク基部の巻かれた状態が保持されることを特徴とする請求項4に記載のフェイスマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが休息をとるときに使用するフェイスマスクであって、特に、ユーザの顔を覆うフェイスマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの顔を覆うカバー部と、ユーザの顔とカバー部との間に設置されてユーザの額と接触することにより顔とカバー部との間に間隔を設けるスペーサ部と、ゴム製で両端をカバー部と連結させるとともにユーザの後頭部に周回されて挟持力を発生させてフェイスマスクをユーザの顔面に装着させるバンド部とを備えたフェイスマスクが知られている(例えば、特許文献1)。
また、ユーザの顔を覆うマスク本体と、ユーザの後頭部に当てられるクッションと、マスク本体とクッションとをつなぐバンドと、ユーザの顔とマスク本体と間に設置されてユーザの額および下顎前側と接触することにより顔とマスク本体との間に間隔を設けるガーゼとを備えたフェイスマスクが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5658840号公報(特に段落0025〜段落0026、図3参照)
【特許文献2】特開2010−240366号公報(特に段落0006、段落0009、図2図3参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の特許文献1に記載されたフェイスマスクは、ユーザの額と側頭部と後頭部と密に接触する構造であったため、ユーザの額の化粧が崩れてしまうだけでなく、側頭部および後頭部のヘアスタイルも崩れてしまうという問題があった。
また、上述した従来の特許文献2に記載されたフェイスマスクは、ユーザの額と下顎前側と後頭部と密に接触する構造であったため、ユーザの額および下顎前側の化粧が崩れてしまうだけでなく、後頭部のヘアスタイルも崩れてしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、ユーザの顔を覆うとともにユーザの顔面の化粧崩れおよびヘアスタイルの崩れを防止するフェイスマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本請求項1に係る発明は、柔軟な素材により形成されてユーザの顔面全体を覆うマスク基部と、前記マスク基部のマスク左右両側において弧形状を形成してユーザの耳にかけられる紐状部材とを備え、前記マスク基部が、前記ユーザの顔面と対向する凹状面を有し、マスク装着時に前記マスク基部の中央部分が、ユーザの顔面から離間した状態で、前記マスク基部の周縁部分が、ユーザの顔面と接し、前記紐状部材における弧形状の少なくとも一端側が、前記マスク左右両側においてそれぞれマスク基部に対して挿通されて弧形状の大きさを変更自在に設けられていることにより、前述した課題を解決するものである。
【0007】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたフェイスマスクの構成に加えて、前記マスク基部の中央部分におけるユーザの口と対向する口カバー箇所が、空気を通過させる呼吸用孔を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0008】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたフェイスマスクの構成に加えて、前記マスク基部が、遮光性材料で形成されていることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0009】
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載されたフェイスマスクの構成に加えて、前記マスク基部の周縁部分が、ユーザの顔面における額と頭皮との境界と接する上方接触箇所と、ユーザの耳の前側と接する側方接触箇所と、ユーザの下顎の前側と下側との境界と接する下方接触箇所とを有し、前記紐状部材が、前記マスク基部における左右両側の側方接触箇所から下側の下方接触箇所まで摺動自在にそれぞれ挿通され、前記紐状部材の両端のうちの少なくとも一端が、前記下方接触箇所からユーザの首側である下方へ突出していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【0010】
本請求項5に係る発明は、請求項4に記載されたフェイスマスクの構成に加えて、前記マスク基部における上側である上方接触箇所から下側へ向かって巻かれたマスク基部のマスク左右両側が、前記マスク左右の弧形状にそれぞれ挿通されるとともに、前記下方接触箇所から突出した紐状部材が引っ張られて弧形状の大きさが小さくなって前記巻かれたマスク基部の巻かれた状態が保持されることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明のフェイスマスクは、柔軟な素材により形成されたマスク基部を有していることにより、ユーザの顔面全体を覆うことができるばかりでなく、以下のような特有の効果を奏することができる。
【0012】
本請求項1に係る発明のフェイスマスクによれば、紐状部材の弧形状の大きさが可変となるため、ユーザの目、鼻、口からマスク基部が離間した状態で弧形状をユーザの左右の耳にかけてマスク基部を顔面上の位置に保持してユーザの顔を覆うとともにユーザの顔面の化粧崩れを防止することができる。
さらに、弧形状がユーザの耳にかけられてマスク基部がユーザの顔面に着用されるため、フェイスマスクの着用によるユーザのヘアスタイルの崩れを回避することができる。
また、マスク基部の中央部分とユーザの顔面との間に閉じられた空間が形成されて空間内の湿度が保たれるため、ユーザの顔面の肌の湿度を保つことができる。
【0013】
本請求項2に係る発明のフェイスマスクによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、ユーザが呼吸したときに呼気および吸気が呼吸用孔を通過するため、ユーザの呼吸を妨げる虞がなくユーザは快適に呼吸することができる。
【0014】
本請求項3に係る発明のフェイスマスクによれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、周囲の光がユーザの目に殆ど入らないため、ユーザの安眠を妨げる虞がない。
【0015】
本請求項4に係る発明のフェイスマスクによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、ユーザが紐状部材の一端を引っ張ると弧形状の大きさが小さくなるとともにマスク基部の周縁部分がユーザの顔にフィットするため、ユーザの目、鼻、口からマスク基部が離間した状態でユーザは簡単にフェイスマスクの周縁部分をユーザの顔面にフィットさせることができる。
このとき、紐状部材の一端は、重力によりユーザの首の前に位置するため、ユーザは、フェイスマスクを着用したままで容易に紐状部材を操作してフェイスマスクをユーザの顔面にフィットさせることができる。
さらに、ユーザは紐状部材の弧形状の箇所を引っ張るだけで、弧形状の大きさが大きくなるため、容易にフェイスマスクを外すことができる。
【0016】
本請求項5に係る発明のフェイスマスクによれば、請求項4に係る発明が奏する効果に加えて、使用しないときにはロール状にしてコンパクトな状態に保持されるため、利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施例であるフェイスマスクを示す斜視図。
図2】本発明の第1実施例であるフェイスマスクをユーザが装着した状態を示す正面図。
図3図2に示す符号3から視た側面図。
図4図2に示す符号4−4で視た断面図。
図5図2に示す符号5−5で視た断面図。
図6】(A)(B)は紐状部材の弧形状の大きさの変化を示す図。
図7】(A)〜(C)はマスク基部が巻かれてコンパクトになる様子を凹状面側から視た図。
図8】本発明の第2実施例であるフェイスマスクをユーザが装着した状態を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のフェイスマスクは、柔軟な素材により形成されてユーザの顔面全体を覆うマスク基部と、マスク基部のマスク左右両側において弧形状を形成してユーザの耳にかけられる紐状部材とを備え、マスク基部が、ユーザの顔面と対向する凹状面を有し、マスク装着時にマスク基部の中央部分が、ユーザの顔面から離間した状態で、マスク基部の周縁部分が、ユーザの顔面と接し、紐状部材における弧形状の少なくとも一端側が、マスク左右両側においてそれぞれマスク基部に対して挿通されて弧形状の大きさを変更自在に設けられていることにより、ユーザの目、鼻、口からマスク基部が離間した状態で弧形状をユーザの左右の耳にかけてマスク基部を顔面上の位置に保持してユーザの顔を覆うとともにユーザの顔面の化粧崩れを防止し、フェイスマスクの着用によるユーザのヘアスタイルの崩れを回避し、ユーザの顔面の肌の湿度を保つものであれば、その具体的な実施態様は、如何なるものであっても構わない。
【0019】
例えば、フェイスマスクのマスク基部の素材は、内部に気泡を含むシート状クロロプレンゴムや、シート状軟質ウレタンなど柔軟な素材であれば如何なるものであっても構わない。
さらに、シート状クロロプレンゴム素材の表面にニット地を貼り付け加工したものでもよいのは言うまでもない。
また、マスク基部については、プレス加工や射出成形加工してユーザの顔面と対向する凹状面を形成してもよいし、立体縫製して凹状面を形成してもよい。
紐状部材については、靴紐のように多少伸縮性を有したものでもよい。
【実施例1】
【0020】
以下に、本発明の第1実施例であるフェイスマスク100について、図1乃至図7(C)に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例であるフェイスマスク100を示す斜視図であり、図2は、本発明の第1実施例であるフェイスマスク100をユーザが装着した状態を示す正面図であり、図3は、図2に示す符号3から視た側面図であり、図4は、図2に示す符号4−4で視た断面図であり、図5は、図2に示す符号5−5で視た断面図であり、図6(A)は、左側紐状部材120の弧形状L1の大きさが比較的大きいときの状態を示す図であり、図6(B)は、図6(A)と比べて左側紐状部材120の弧形状L1の大きさが小さいときの状態を示す図であり、図7(A)は、マスク基部110の上方が巻かれた状態を示す図であり、図7(B)は、マスク基部110の下方まで巻かれてマスク基部110の左右両側が左側紐状部材120および右側紐状部材130の弧形状L1、L2にそれぞれ挿通された状態を示す図であり、図7(C)は、左側紐状部材120および右側紐状部材130の弧形状L1、L2が小さくなってフェイスマスク100がコンパクトになった様子を示す図である。
【0021】
本発明の第1実施例であるフェイスマスク100は、図1乃至図5に示すように、マスク基部110と、紐状部材である左側紐状部材120および右側紐状部材130とを備えている。
このうち、マスク基部110は、柔軟な素材の一例として内部に気泡を含むシート状クロロプレンゴムにより形成されてユーザの顔面全体を覆うように構成されている。
具体的には、マスク基部110が、ユーザの顔面と対向する凹状面を有している。
さらに、マスク装着時にマスク基部110の中央部分111が、ユーザの顔面から離間した状態で、マスク基部110の周縁部分112が、ユーザの顔面と接するように構成されている。
【0022】
本実施例では、中央部分111は、ユーザの額や眉と対向して額や眉と非接触状態で額や眉をカバーする額カバー箇所111aと、ユーザの目と対向して目と非接触状態で目をカバーする目カバー箇所111bと、ユーザの鼻と対向して鼻と非接触状態で鼻をカバーする鼻カバー箇所111cと、ユーザの口と対向して口と非接触状態で口をカバーする口カバー箇所111dと、ユーザの下顎前側と対向して下顎前側と非接触状態で下顎前側をカバーする下顎前側カバー箇所111eとを有している。
また、周縁部分112は、ユーザの顔面における額と頭皮との境界およびその近傍と接する上方接触箇所112aと、耳の前側およびその近傍と接する側方接触箇所である左側方接触箇所112bおよび右側方接触箇所112cと、下顎の前側と下側との境界およびその近傍と接する下方接触箇所112dとを有している。
【0023】
また、左側紐状部材120および右側紐状部材130は、マスク基部110のマスク左右両側においてそれぞれ弧形状L1、L2を形成してユーザの耳にかけられるように構成されている。
本実施例において、左右は、ユーザから視た左右である。
さらに、左側紐状部材120における弧形状L1の一端側(左側紐状部材120の一端121側)が、マスク左側においてマスク基部110の左側筒状ガイド113に挿通され、他端122が、一端側よりもマスク上方の位置においてマスク基部110に固定されている。
これにより、左側紐状部材120における一端121側をマスク基部110に対して滑らせることで、弧形状L1の大きさが変更自在となる。
なお、他端122を固定して一端121側のみを可動にしたが、他端122側も可動にしてもよいのは言うまでもない。
【0024】
左側紐状部材120と同様に、右側紐状部材130における弧形状L2の一端側(右側紐状部材130の一端131側)が、マスク右側においてマスク基部110の右側筒状ガイド114に挿通され、他端132が、一端側よりもマスク上方の位置においてマスク基部110に固定されている。
これにより、右側紐状部材130における一端131側をマスク基部110に対して滑らせることで、弧形状L2の大きさが変更自在となる。
さらに、弧形状L1、L2がユーザの耳にかけられてマスク基部110がユーザの顔面に着用される。
また、マスク基部110の中央部分111とユーザの顔面との間に閉じられた空間が形成されて空間内の湿度が保たれる。
【0025】
また、口カバー箇所111dが、空気を通過させる呼吸用孔111daを有している。
本実施例では、一例として直径2〜3mm程度の呼吸用孔111daが27つ程度形成されている。
これにより、ユーザが呼吸したときに呼気および吸気が呼吸用孔111daを通過する。
つまり、ユーザの呼吸を妨げる虞がない。
なお、呼吸用孔111daとして、長辺30mm、短辺20mm程度の楕円形を1つ形成してもよい。
【0026】
さらに、本実施例では、マスク基部110が、遮光性材料で形成されている。
これにより、周囲の光がユーザの目に殆ど入らない。
つまり、ユーザの安眠を妨げる虞がない。
【0027】
また、本実施例では、左側紐状部材120が、マスク基部110における左側方接触箇所112bから下側の下方接触箇所112dまで形成された左側筒状ガイド113の内部を摺動自在に挿通されている。
ここで、左側筒状ガイド113は、一例としてシート状のマスク基部110の縁を折り返して縫われることで形成されている。
【0028】
左側紐状部材120は、マスク基部110に対して摺動自在に挿通されていればよく、例えば、ズボンやスカートの所謂、ベルト通しのように帯状部材によって摺動自在にガイドされていてもよい。
そして、左側紐状部材120の一端121が、左側筒状ガイド113からユーザの首側である下方へ突出している。
【0029】
左側紐状部材120と同様に、右側紐状部材130が、マスク基部110における右側方接触箇所112cから下側の下方接触箇所112dまで形成された右側筒状ガイド114の内部を摺動自在に挿通されている。
さらに、右側紐状部材130の一端131が、右側筒状ガイド114からユーザの首側である下方へ突出している。
【0030】
これにより、図6(A)に示す状態からユーザが左側紐状部材120の一端121および右側紐状部材130の一端131を引っ張ると、図6(B)に示すように、左右の弧形状L1、L2の大きさが小さくなるとともにマスク基部110の周縁部分112がユーザの顔にフィットする。
つまり、ユーザの目、鼻、口からマスク基部110が離間した状態でユーザは簡単にフェイスマスク100の周縁部分112をユーザの顔面にフィットさせることができる。
ここで、ユーザが座席シートの背もたれを起こして座っている状態や座席シートの背もたれを倒して座っている状態では、左側紐状部材120の一端121および右側紐状部材130の一端131は、重力によりユーザの首の前に位置する。
そのため、ユーザは、フェイスマスク100を着用したままで左側紐状部材120の一端121および右側紐状部材130の一端131を容易に操作してフェイスマスク100をユーザの顔面にフィットさせることができる。
【0031】
さらに、ユーザは左側紐状部材120の弧形状L1の箇所および右側紐状部材130の弧形状L2の箇所を引っ張るだけで、左右の弧形状L1、L2の大きさが大きくなる。
つまり、容易にフェイスマスク100を外すことができる。
【0032】
なお、左側筒状ガイド113から突出した左側紐状部材120の一端121側および右側筒状ガイド114から突出した右側紐状部材130の一端131側が、公知の紐ストッパー具140に挿通されている。
紐ストッパー具140の内部には、図示しないばねが設けられて、ばねの付勢力が作用して、左側紐状部材120および右側紐状部材130と紐ストッパー具140との間に比較的大きな摩擦力が発生するように構成されている。
【0033】
これにより、ユーザがフェイスマスク100を装着した状態において、左右の耳にかけられた左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2の大きさが維持される。
つまり、左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2が勝手に大きくなって左右の耳のかかり具合が緩んでしまうことを回避することができる。
【0034】
また、本実施例では、フェイスマスク100を使用しないとき、フェイスマスク100をコンパクトにすることができる。
具体的には、先ず、図7(A)に示すように、マスク基部110の上方を下方へ向かって凹状面内側へ巻いていく。
次に、図7(B)に示すように、マスク基部110の下方を上方へ向かって凹状面内側へ巻いていき、巻かれたマスク基部110の左側を、左側紐状部材120の弧形状L1に相対的に挿通させるために、左側紐状部材120の弧形状L1を右側へ移動させる。
そして、左側と同様に、巻かれたマスク基部110の右側を、右側紐状部材130の弧形状L2に相対的に挿通させるために、右側紐状部材130の弧形状L2を左側へ移動させる。
なお、「マスク基部110の下方を上方へ向かって凹状面内側へ巻いていき」と説明したが、これは、図7(B)に図示して理解しやすく説明しただけであり、図7(A)の状態から続けて上方を下方へ向かって巻き続けてもよいのは言うまでもない。
つまり、マスク基部110が巻かれたときに、左側紐状部材120の一端121および右側紐状部材130の一端131が外周側に位置していればよい。
【0035】
そして、図7(C)に示すように、紐ストッパー具140を押さえながら、左側筒状ガイド113から突出した左側紐状部材120の一端121側および右側筒状ガイド114から突出した右側紐状部材130の一端131側を引っ張る。
すると、左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2の大きさが小さくなり、マスク基部110の巻かれた状態が保持される。
つまり、フェイスマスク100が上下方向にコンパクトになる。
【0036】
なお、図7(C)に示す状態からさらに左側紐状部材120の一端121側および右側紐状部材130の一端131側を引っ張ると、左側紐状部材120および右側紐状部材130によって左右方向に力が作用するため、マスク基部110が左右方向に縮むように丸くなる。
つまり、フェイスマスク100が左右方向にもコンパクトになり、ユーザの服のポケットや鞄やスーツケースなどに容易に収納することができる。
【0037】
ユーザがフェイスマスク100を使用するときは、図7(C)に示す状態から紐ストッパー具140を緩めて、左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2の大きさを大きくする。
次に、図7(B)に示すように、左側紐状部材120の弧形状L1および右側紐状部材130の弧形状L2からマスク基部110の左右両側を相対的に抜くために、左側紐状部材120の弧形状L1を左側へ、右側紐状部材130の弧形状L2を左側へ広げる。
そして、巻かれた状態のマスク基部110を上下方向に広げることにより、図1に示す元の使用可能な状態に戻すことができる。
【0038】
このようにして得られた本発明の第1実施例であるフェイスマスク100は、柔軟な素材により形成されてユーザの顔面全体を覆うマスク基部110と、マスク基部110のマスク左右両側において弧形状L1、L2を形成してユーザの耳にかけられる紐状部材である左側紐状部材120および右側紐状部材130とを備え、マスク基部110が、ユーザの顔面と対向する凹状面を有し、マスク装着時にマスク基部110の中央部分111が、ユーザの顔面から離間した状態で、マスク基部110の周縁部分112が、ユーザの顔面と接し、左側紐状部材120および右側紐状部材130における弧形状L1、L2の少なくとも一端(121、131)側が、マスク左右両側においてそれぞれマスク基部110に対して挿通されて弧形状L1、L2の大きさを変更自在に設けられていることにより、ユーザの目、鼻、口からマスク基部110が離間した状態で弧形状L1、L2をユーザの左右の耳にかけてフェイスマスク100を顔面上の位置に保持してユーザの顔を覆うとともにユーザの顔面の化粧崩れを防止し、マスクの着用によるユーザのヘアスタイルの崩れを回避するとともに、ユーザの顔面の肌の湿度を保つことができる。
【0039】
さらに、マスク基部110の中央部分111におけるユーザの口と対向する口カバー箇所111dが、空気を通過させる呼吸用孔111daを有していることにより、ユーザの呼吸を妨げる虞がなくユーザは快適に呼吸することができる。
また、マスク基部110が、遮光性材料で形成されていることにより、ユーザの安眠を妨げる虞がなくユーザは快適に休息をとることができる。
【0040】
さらに、左側紐状部材120および右側紐状部材130が、マスク基部110における左側方接触箇所112bおよび右側方接触箇所112cから下側の下方接触箇所112dまで摺動自在にそれぞれ挿通され、左側紐状部材120および右側紐状部材130の両端のうちの少なくとも一端121、131が、下方接触箇所112dからユーザの首側である下方へ突出していることにより、ユーザの目、鼻、口からマスク基部110が離間した状態でユーザは簡単にフェイスマスク100の周縁部分112をユーザの顔面にフィットさせることができ、容易にマスクを外すことができる。
【0041】
また、マスク基部110における上側である上方接触箇所112aから下側へ向かって巻かれたマスク基部110のマスク左右両側が、マスク左右の弧形状L1、L2にそれぞれ挿通されるとともに、下方接触箇所112dから突出した左側紐状部材120および右側紐状部材130が引っ張られて弧形状L1、L2の大きさが小さくなってマスク基部110の巻かれた状態が保持されることにより、使用しないときにはコンパクトにして利便性を高めることができるなど、その効果は甚大である。
【実施例2】
【0042】
続いて、本発明の第2実施例であるフェイスマスク200について、図8に基づいて説明する。
ここで、図8は、本発明の第2実施例であるフェイスマスク200をユーザが装着した状態を示す側面図である。
第2実施例のフェイスマスク200は、第1実施例のフェイスマスク100のマスク基部110の左右両側にユーザの耳の穴と対向する耳カバー突片215を追加したものであり、多くの要素について第1実施例のフェイスマスク100と共通するので、共通する事項については詳しい説明を省略し、下2桁が共通する200番台の符号を付すのみとする。
【0043】
図8に示すように、本発明の第2実施例であるフェイスマスク200は、マスク基部210の左右両側にユーザの耳の穴と対向する耳カバー突片215を有している。
耳カバー突片215は、マスク基部210と連なって形成され、ユーザの耳の穴および穴周囲と対向している。
これにより、ユーザの耳にダイレクトに響こうとする周囲の音が遮られる。
その結果、ユーザの安眠を妨げる虞がなくユーザは快適に休息をとることができる。
【0044】
なお、通常の耳栓と異なり、耳の穴が完全に塞がれるわけではないため、音がこもった感じがない。
さらに、図7(A)〜図7(C)で説明したように、マスク基部210を巻いてコンパクトにした際、耳カバー突片215があることにより、コンパクトな状態のときに左側紐状部材220の弧形状L1および右側紐状部材(図示せず)の弧形状L1がマスク基部210から適度に外れにくくなるため、コンパクトな状態を保持することができる。
【符号の説明】
【0045】
100、 200 ・・・ フェイスマスク
110、 210 ・・・ マスク基部
111、 211 ・・・ 中央部分
111a、 211a ・・・ 額カバー箇所
111b、 211b ・・・ 目カバー箇所
111c、 211c ・・・ 鼻カバー箇所
111d、 211d ・・・ 口カバー箇所
111da、211da・・・ 呼吸用孔
111e、 211e ・・・ 下顎前側カバー箇所
112、 212 ・・・ 周縁部分
112a、 212a ・・・ 上方接触箇所
112b、 212b ・・・ 左側方接触箇所
112c ・・・ 右側方接触箇所
112d、 212d ・・・ 下方接触箇所
113、 213 ・・・ 左側筒状ガイド
114 ・・・ 右側筒状ガイド
215 ・・・ 耳カバー突片
120、 220 ・・・ 左側紐状部材
121、 221 ・・・ 一端
122、 222 ・・・ 他端
130 ・・・ 右側紐状部材
131 ・・・ 一端
132 ・・・ 他端
140、 240 ・・・ 紐ストッパー具
L1 ・・・ (左側の)弧形状
L2 ・・・ (右側の)弧形状
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8