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特開2017-193797バスト用衣類及びバスト用衣類のカップパッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-193797(P2017-193797A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】バスト用衣類及びバスト用衣類のカップパッド
(51)【国際特許分類】
   A41C 3/10 20060101AFI20170929BHJP
   A41C 3/12 20060101ALI20170929BHJP
   A41C 3/14 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
   A41C3/10 A
   A41C3/12 A
   A41C3/14 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-84540(P2016-84540)
(22)【出願日】2016年4月20日
(71)【出願人】
【識別番号】593104039
【氏名又は名称】トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ポルティア ウォン
【テーマコード(参考)】
3B131
【Fターム(参考)】
3B131AA15
3B131AA17
3B131AB03
3B131BA17
3B131BB04
3B131BB09
(57)【要約】
【課題】通気性がよく、且つ着心地のよいバスト用衣類及びバスト用衣類のカップパッドを提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係るバスト用衣類は、着用者の胸部に配される一対のカップ部を備え、前記一対のカップ部は、椀状に構成されるカップパッドと、前記カップパッドを覆う1以上の布材と、を備え、前記カップパッドは、その下縁に複数の切欠部を有し、前記切欠部の縁部の少なくとも一部が前記布材から遊離する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の胸部に配される一対のカップ部を備え、
前記一対のカップ部は、椀状に構成されるカップパッドと、前記カップパッドを覆う1以上の布材と、を備え、
前記カップパッドは、その下縁に複数の切欠部を有し、前記切欠部の縁部の少なくとも一部が前記布材から遊離する、バスト用衣類。
【請求項2】
着用者の胸部に配される一対のカップ部を備え、
前記一対のカップ部は、椀状に構成されるカップパッドを備え、
前記カップパッドは、弾性変形可能な材料で構成され、その外縁に、外方に開口するアーチ状の切欠部である複数の凹部と、前記外縁の前記凹部の側部において外方に突出する凸部と、を有し、
前記凸部の先端部において前記カップ部を構成する他の部材と接合される、バスト用衣類。
【請求項3】
3以上5以下の前記切欠部が前記カップパッドの下縁に配列される、請求項1または2に記載のバスト用衣類。
【請求項4】
前記カップ部は、布材として、前記カップパッドの表面を覆う表布と、前記カップパッドの裏面を覆う裏布と、を備え、
前記カップ部の下縁に沿って、前記カップパッドよりも剛性の高いサポート材を収容するチャネル部を備え、
前記凸部の先端部が前記チャネル部において前記布材に縫合される、請求項2に記載のバスト用衣類。
【請求項5】
前記切欠部は、幅寸法が1.0cm以上6.0cm以下であり、深さが1.0cm以上4.0cm以下に構成される、請求項1乃至4のいずれか記載のバスト用衣類。
【請求項6】
バスト用衣類に配されるカップパッドであり、
椀形状に構成され、下縁部に、アーチ状に切り欠かれた凹部と、前記凹部の側部が外方に突出する凸部と、が交互に複数形成され、前記凸部において他の部材に接合され、前記凹部において他の部材から遊離している、カップパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バスト用衣類及びバスト用衣類のカップパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラジャーやスリップなど、女性のバストに装着するバスト用衣類として、胸部を覆う一対のカップ部と、各カップ部の側縁に接続され背中に至るベルトと、各カップ部の上部から肩を通って背中に至り各ベルトに接続されるショルダーストラップと、を備える構成が知られている。カップ部は、例えば、椀形状に構成されたカップパッドと、カップパッドの表側や裏側に重ねられる複数の布材とが縫い合わされて構成される。このようなバスト用衣類において、通気性を確保するために、カップ部の下縁の所定の領域にカップパッドを配さずに、メッシュ構造の布材で構成された通気部を備えるものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。また、メッシュ構造の布材で構成された通気部の保形性を確保するために、通気部に変形し難い剛性部材を配する技術も提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−199725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通気部に剛性部材を配すると、カップ部が硬く、着用感や運動追従性が損なわれる。このため、着心地のよいバスト用衣類及びバスト用衣類のカップパッドが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態に係るバスト用衣類は、着用者の胸部に配される一対のカップ部を備え、前記一対のカップ部は、椀状に構成されるカップパッドと、前記カップパッドを覆う1以上の布材と、を備え、前記カップパッドは、その下縁に複数の切欠部を有し、前記切欠部の縁部の少なくとも一部が前記布材から遊離する。
【0006】
本発明の他の一形態にかかるカップパッドは、バスト用衣類に配されるカップパッドであり、椀形状に構成され、下縁部に、アーチ状に切り欠かれた凹部と、前記凹部の側部が外方に突出する凸部と、が交互に複数形成され、前記凸部において他の部材に接合され、前記凹部において他の部材から遊離している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通気性がよく、且つ着心地のよいバスト用衣類及びバスト用衣類のカップパッドを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態にかかるブラジャーの構成を示す正面図。
図2】同ブラジャーの構成を示す後面図。
図3】同ブラジャーの内部の構成を示す説明図。
図4】同ブラジャーの断面図。
図5】同ブラジャーの断面図。
図6】同ブラジャーのカップパッドの斜視図。
図7】他の実施形態にかかるブラジャーの構成を示す説明図。
図8】他の実施形態にかかるブラジャーの構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の第1実施形態にかかるバスト用衣類の一例としてのブラジャー1について図1乃至図6を参照して説明する。図1は本実施形態に係るブラジャー1を表面側から見た説明図であり、図2は裏面側から見た説明図である。図3はブラジャー1の内部のカップパッド13の構成を示す説明図である。図4図1のIV―IV線における断面図、図5図1のV―V線における断面図である。図6はカップパッド13の斜視図である。なお、各図では説明のため、適宜構成を拡大、縮小、省略して模式的に示している。本実施形態において、上下左右等の方向は、ブラジャー1を着用した立位状態の着用者を基準としてそれぞれ示している。
【0010】
図1乃至図4に示すように、バスト用衣類であるブラジャー1は、着用者の胸部に配される一対のカップ部11を有する第1サポート部10Aと、第1サポート部10Aの両側部に接続され着用者の脇下の側部から背中に回ってバックセンターに至る第2サポート部20Aと、第1サポート部10Aの一対のカップ部11の上部に接続され着用者の肩部の上から背中側に回って第2サポート部20Aに連結される第3サポート部30Aと、を備える。
【0011】
第1サポート部10Aは、センター部10aで連結された左右一対のカップ部11と、各カップ部11の下側に配された左右一対のベース部12と、を備える。
【0012】
各カップ部11は、胸部の一対の乳房にそれぞれ対応し、着用時に各乳房を覆うように配置される。一対のカップ部11は左右に並列して配置されている。
【0013】
一対のカップ部11は、それぞれ、下方に凸となるカーブを呈する下カップ縁11aと、センター部10aから湾曲して斜め上に延び上端に至る内カップ縁11bと、下カップ縁11aの外側端から湾曲してセンター側に向かって上方に斜めに延びて上端部に至る外カップ縁11cと、を有している。
【0014】
図4及び図5に示すように、カップ部11は、複数の生地が積層され、所定箇所において縫合され、接合されている。本実施形態において、カップ部11は、椀状に構成されたカップパッド13と、カップパッド13の裏面側に積層される布材としての裏布15と、カップパッド13の表面側に積層される布材としての表布14と、表布14の外面に配される布材としてのカバー布16と、を積層して備えている。
【0015】
カップパッド13は、中央が隆起する椀形状に構成されている。カップパッド13は、伸縮性の高い材料で、弾性変形可能に構成されている。カップパッド13は、例えばポリウレタンシートがカップ状にモールド加工されて構成されている。
【0016】
カップパッド13の外形は、凹部17と凸部18とが交互にそれぞれ複数配列された下パッド縁13aと、センター部10aから湾曲して斜め上に延び上端に至る内パッド縁13bと、下パッド縁13aの外側端から湾曲してセンター側に向かって上方に斜めに延びて上端部に至る外パッド縁13cと、で囲まれる。
【0017】
下パッド縁13aにおいて、外方に開口するアーチ状の凹部17である切欠部19が複数形成されている。切欠部19の縁部は、他の布材14,15,16とは縫合されずに遊離した遊離部を構成している。カップパッド13の下パッド縁13aには、2以上5以下の凹部17が配列され、好ましくは3以上5以下の凹部17が構成されている。
【0018】
本実施形態においてカップパッド13の下パッド縁13aには、4つの凹部17が所定の間隔で並列配置されている。各凹部17は例えば中心角180度の円弧状に切りかかれることで、半円形状の開口を形成し、通気性を確保する通気部を構成する。
【0019】
凸部18は、下パッド縁13aの凹部17の両側が外方に突出した突出片である。凸部18は先端部の縫合部S1において他の布材と接合されている。凸部18の先端縁は下方に凸となる下カップ縁11aに沿うカーブを呈し、この湾曲ラインに沿ってチャネル部としてのワイヤーチャネル45が形成されている。
【0020】
隣合う一対の凸部18の先端の間の距離、すなわち切欠部19の幅方向の寸法X1は1.0cm以上6.0cm以下に構成され、好ましくは、2.0cm以上3.5cm以下に構成される。また、隣合う一対の凸部18の先端を結ぶ線分と、凹部17の頂部17aとの距離、すなわち切欠部19の深さ寸法Y1は、1.0cm以上4.0cm以下であり、好ましくは1.0cm以上2.5cm以下に構成される。
【0021】
複数の凹部17の大きさ及び形状はいずれも等しく、また等間隔で配置される。
【0022】
凸部18の大きさ及び形状はいずれも等しく、等間隔に配列されている。ここで、例えば、一対の凹部17の間の凸部18の先端の幅寸法X2、及び、下パッド縁13aの両端部の凸部18の先端の幅寸法X3は、いずれも1.0cm以上とした。
【0023】
表布14及び裏布15は、例えば綿や合成繊維からなる布材で構成される。表布14、裏布15及びカバー布16は伸縮性があり肌当たりがよく、かつ通気性の高いカットソー生地で構成されている。また、裏布15は一部が二重構造であって、裏面側に別体のパッドを収納可能なポケットを有している。
【0024】
また裏布15の裏面側の下カップ縁11aに沿ってワイヤーチャネル45が設けられている。袋状のワイヤーチャネル45の縁部分が裏布15等とともに縫合され、内部にサポート材としてのワイヤー50が収容されている。
【0025】
以上の様に構成されたカップ部11において、切欠部19によって通気性の高い通気部が構成される。すなわち、ワイヤーチャネル45に沿う下縁部には、カップパッド13が存在しないため、通気性が高い。
【0026】
一対のベース部12は、カップ部11の下カップ縁11aに縫合された帯片である。一対のベース部12の端部同士がセンター部10aで縫合により接続されている。
【0027】
一対のカップ部11の下カップ縁11a及びベース部12の外側縁で構成される第1サポート部10Aの両端縁に、第2サポート部20Aを構成する一対のベルト20がそれぞれ接続されている。
【0028】
第2サポート部20Aは、着用者の背中部位に配される、いわゆる背部であり、第1サポート部10Aの外側縁にそれぞれ接続されバックセンターで互いに連結されて繋がる一対のベルト20を備える。
【0029】
各ベルト20は、伸縮性の異なる複数のパーツが接合されて構成されている。ベルト20は、脇片である第1パーツ片21と、背部片である第2パーツ片22とが、互いに接合された切替え部材で構成されている。一対のベルト20の端部はそれぞれバック連結具23a,23bを備え、互いに連結される。
【0030】
ベルト20は、上端部においてショルダー連結具25を介して、第3サポート部30Aに連結される。
【0031】
第3サポート部30Aは、一対のショルダーストラップ31を備える。ショルダーストラップ31は、可撓性の帯状に構成されている。ショルダーストラップは、その一端が一対のカップ部11の上端に連結されて上方に延び、肩部上を通って背中に回り、その他端が背中においてショルダー連結具25を介してベルト20に連結されている。
【0032】
以上のように構成されたブラジャー1において、第1サポート部10Aの外縁やベルト20の上縁は伸縮性を有するテープ材41により端処理が成されている。
また、ベース部12の下縁に沿って、伸縮性を有するテープ材41が縫着されている。
【0033】
ブラジャー1のカップ部11の製造工程について図4、5を参照して説明する。まず、カップパッド13を所定の椀形状にモールド加工する。成形後のカップパッド13に表布14、裏布15を重ね、下カップ縁11aに沿ってワイヤーチャネル45を配し、所定の縫合部S1,S2,S3を縫合材で縫製する。
【0034】
ここで、縫合部S1は、カップパッド13の凹部17を除き、カバー布16、表布14、裏布15、及びワイヤーチャネル45の内縁部を重ねて縫合している。一方、縫合部S2は、表布14、カップパッド13の凸部18の先端部、を重ねて縫合している。縫合部S3は、カップパッド13の外縁よりも外側の位置で、カバー布16、表布14、及びワイヤーチャネル45の外縁部を重ねて縫合している。すなわち、縫合部S2は下カップ縁11aに沿う湾曲ラインに沿っており、この湾曲ラインよりも内側に退避した凹部17は他の布材とは縫合されず、他の布材から遊離した状態となる。
以上のように構成された一対のカップ部11をバストセンターの位置で突き合わせ、一対のカップ部11を連結して縫合する。
【0035】
本実施形態にかかるブラジャー1によれば、カップパッド13に、アーチ状の切欠部19を複数形成したことにより、ワイヤー50が配される下縁部分においてカップパッド13が開口することで、通気性を改善できる。すなわちブラジャーのカップ部の周辺は、蒸れが生じ易く、特にワイヤーチャネル45部分は最も汗がたまり易いが、ワイヤーチャネル45に沿って切欠部19が形成されることで、カップパッド13の最も通気性が求められる箇所に開口を形成できるため、蒸れを軽減することができる。
【0036】
また、カップパッド13は円弧状の凹部17において他の布材と遊離する構成としたことにより、下縁全長が縫合される構成と比べ、カップパッド13がバストの動きに連動することで、運動追従性が高い。したがって、例えばショルダーストラップ31が引っ張られた際にはカップパッド13が十分に伸縮することで、バストの動きに連動し易く、カップ部11のずり上がりを防止できる。
【0037】
また、カップパッド13は切欠部19の両側に複数の凸部18を備える構造としたことで、カップ保形性を確保できる。すなわち、切欠部19の両側に配される凸部18によってカップパッド13を支持することで、通気部の形状を維持することができ、カップの保形性を確保できる。
【0038】
またカップパッド13は、凹部17と凸部18を交互に備える形状により、異素材を組み合わせたり、剛性素材を用いたりすることなく、通気部を形成できる。このため、肌当たりがよく、着用感の良さを確保できる。例えば、剛性素材がカップ下縁部に用いられることで通気部を形成した場合、カップがバストに沿いにくく、また、着用感の問題があり、バストの動きを制限することになるが、本実施形態によればカップパッドの柔軟性を損なわず、運動追従性も確保できる。さらにブラジャー1においては切欠部19の形状を円弧形状としたことで、例えばショルダーストラップ31による引っ張り力を均等に分散させることができる。
【0039】
ブラジャー1によれば、切欠部19の幅寸法X1を1.0cm以上6.0cm以下、好ましくは2.0cm以上3.5cm以下としたことで、カップ部11の保形性と、伸縮性及び通気性を両立できる。すなわち、切欠部が大きすぎるとカップ形状が不安定となり、切欠部が小さすぎると伸縮性や通気性が損なわれるが、上記範囲で構成することでカップ部11の形状の安定と、伸縮性及び通気性を両立できる。さらに、ショルダー連結具25側の凸部18の先端の幅寸法X3を1.0cm以上とすることで、下カップ縁11aに負荷がかかった際にもバストを保持でき、カップ部11の保形性を確保できる。
【0040】
また、凹部17の数を2以上5以下として均等に配置したことで、下カップ縁11aに均等に通気部を配し、且つ、ワイヤーチャネル45の縫着部を均等に配することができる。したがって、ショルダーストラップ31に引っ張られる力が下カップ縁11aにかかる場合にもバストの形状に沿って均等にバストを保持することが可能である。
【0041】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0042】
例えば上記実施形態ではバスト用衣類としてのブラジャー1に適用した例を示したが、これに限られるものではなく他の形態のブラジャーはもちろん、スリップ、タンクトップ、シャツ、ワンピース、水着などバストに着用する種々の衣類に用いることができる。上記実施形態においてブラジャー1は別体のパッドを収納可能なポケットを有する構造を例示したが、これに限られるものではなく、クッションと一体の構造としてもよい。また、本実施形態の成型によるモールド加工品のみならず、カットソーのカップに対しても適用可能である。さらに、ショルダーストラップを備えないストラップレスタイプでもよい。
【0043】
また、カップパッド13の材料として、ポリウレタンシートがカップ状にモールド加工されて構成されたものを例示したが、これに限られるものではない。例えば他に、ポリウレタン、ファイバーフィル不織布等を素材としたモールド成型品でもよく、あるいは複数のパーツを縫い合わせたカットソーでもよい。
【0044】
アーチ状の凹部17や凸部18の数は上記に限られるものではない。また凹部17や凸部18の大きさは同一ではなく、複数の大きさを組み合わせることが可能である。例えば他の実施形態として図7に示すブラジャー1Aは、凹部17を3つ備え、図8に示すブラジャー1Bは凹部17を5つ備えている。これらの実施形態においても、上記第1実施形態にかかるブラジャー1と同様の効果を奏する。また、凹部17を6以上配置してもよい。
【0045】
この他、上記実施形態に例示された各構成要素を削除してもよく、各構成要素の形状、構造、材質等を変更してもよい。上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0046】
1、1A、1B…ブラジャー、10A…第1サポート部、10a…センター部、11…カップ部、11a…下カップ縁、11b…内カップ縁、11c…外カップ縁、12…ベース部、13…カップパッド、13a…下パッド縁、13b…内パッド縁、13c…外パッド縁、14…表布(布材)、15…裏布(布材)、15a…ポケット、16…カバー布(布材)、17…凹部、17a…頂部、18…凸部、19…切欠部、20…ベルト、20A…第2サポート部、21…第1パーツ片、22…第2パーツ片、25…ショルダー連結具、30A…第3サポート部、31…ショルダーストラップ、41…テープ材、45…ワイヤーチャネル、50…ワイヤー、S1、S2、S3…縫合部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8