特開2017-193855(P2017-193855A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-193855(P2017-193855A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】間仕切ユニット
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20170929BHJP
   E06B 1/34 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
   E04B2/74 561A
   E06B1/34
   E04B2/74 541A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-84078(P2016-84078)
(22)【出願日】2016年4月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】児玉 航
(72)【発明者】
【氏名】可児 知里
(57)【要約】
【課題】間仕切ユニットUを構成する間仕切壁Wの破損の可能性の高いドア部分の縦枠1を容易に交換することができない。
【解決手段】天井躯体に固定した天井固定桟4と壁躯体に固定した縦柱固定桟5からなる下地材に、両端の縦柱1とそれをつなぐ上柱2と中鴨居3からなる枠組の柱間に内装設備を設けた間仕切壁Wを複数横方向に並設し金具ややとい実等で固定して得られる間仕切ユニットUにおいて、一部の間仕切壁Wの内装設備は縦柱1と横柱3と床面で形成される開口部にドアが設けられたドア設備Dであって、当該間仕切壁Wの縦柱1の表面を被覆するように縦枠6が細溝63を通してビス止めされカバー材61でカバーされ、見栄えがよく、縦枠6が傷ついた場合も簡単に交換できる間仕切ユニットUが得られる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井躯体に固定した天井固定桟と壁躯体に固定した縦柱固定桟からなる下地材に、両端の縦柱とそれをつなぐ複数本の横柱からなる枠組の柱間に内装設備を設けた間仕切壁を複数横方向に並設し固定して得られる間仕切ユニットにおいて、一部の間仕切壁の内装設備は縦柱と横柱と床面で形成される開口部にドアが設けられたドア設備であって、当該間仕切壁の縦柱の表面を被覆するように縦枠が固定されていることを特徴とする間仕切ユニット。
【請求項2】
一部の内装設備が収納棚であることを特徴とする請求項1に記載の間仕切ユニット。
【請求項3】
収納棚の背面にガラスが嵌め込まれたことを特徴とする請求項2に記載の間仕切ユニット
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドア部分の縦枠が容易に交換できる間仕切ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、学校等の建物内において、廊下と教室を間仕切る間仕切壁は、出入り口、窓部、壁面、収納棚を一体化したユニットが用いられている。
【0003】
しかし、これらのユニットは、金属製建具を主体とするものであって、機能性だけの殺風景なものであったが、近年、ぬくもりを感じる木質材料を用いた間仕切ユニットが用いられるようになった。
【0004】
例えば、特許文献1には、天井面と床面に木治具レールを敷設し、サッシュ窓や木製パネルを嵌込んだ門型の木製間仕切壁を木治具レール間に嵌込み、あるいは、床面の木治具レールを敷居レールとして引戸を嵌め込んだ門型の木製間仕切壁によって、迅速かつ容易に木製の間仕切ユニットを形成することができる。
【0005】
しかし、多くの子供が走り回る学校施設では、教室や廊下の壁や戸が破損する場合も多く、特に出入り口の引戸は頻繁かつ乱暴に開け閉めされたり、物をぶつけたりすることで、木製の縦枠が傷付き、著しくはひびが入ったり割れたりする場合もある。
【0006】
このような場合、特許文献1の各図面を見ればわかるように、木製間仕切壁は、枠が縦勝ち(縦枠で横枠を挟み込む)に形成されており、衝突し易く破損の可能性が極めて高い縦枠を交換するには、木製間仕切壁(引戸の枠部分)全体を取り外し分解して交換するため、手間と費用が極めてかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−48889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特に学校施設のように破損の可能性の高いドア部分の縦枠を容易に補修交換できないという問題点に鑑みてなされた発明であり、その目的は、ドア部分の縦枠を容易に交換することができ、付随的には施工性を高めることができる間仕切ユニットに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、天井躯体に固定した天井固定桟と壁躯体に固定した縦柱固定桟からなる下地材に、両端の縦柱とそれをつなぐ複数本の横柱からなる枠組の柱間に内装設備を設けた間仕切壁を複数横方向に並設し固定して得られる間仕切ユニットに関するもので、間仕切ユニットを構成する一部の間仕切壁の内装設備は縦柱と横柱と床面で形成される開口部にドアが設けられたドア設備であって、当該間仕切壁の縦柱の表面を被覆するように縦枠が固定されていることを特徴とする。
【0010】
第1の発明では、間仕切ユニットの一部に設けられたドア設備の開口部の縦柱にその表面を被覆するように縦枠が固定されているので、縦枠の交換が容易に行える。
【0011】
第2の発明は、請求項1に記載の間仕切ユニットの一部の内装設備が収納棚であることを特徴とする。
【0012】
第2の発明では、間仕切ユニットに最初から収納棚が組み込まれるので、後から収納工事を行う必要がない。
【0013】
第3の発明は、請求項2に記載の収納棚の背面側にガラスが嵌め込まれたことを特徴とする。
【0014】
第3の発明では、収納棚を設けても採光を得ることができ、通路側に向けて陳列棚にもなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、縦柱の表面を被覆するように縦枠を固定することで、表面に出ている縦枠が傷付き、ひびが入ったり割れたりした際に縦枠の交換が容易に行える。また、縦枠は目に見える表面部分だけなので、交換のコストも安くなる。さらに、間仕切壁を立てた後に縦枠を現場の寸法に合わせて調整できるので縦柱を床面まで正確にカバーできるので、意匠性が良くなる。
【0016】
また、従来は窓のあった部分の有効活用として、収納棚を設けることで、収納スペースを増やすことができ、間仕切ユニットに最初から収納棚が組み込まれるので、後から別に収納工事を行う必要がない。
【0017】
さらに、収納棚の背面にガラスを設け嵌め込めば、室内の空調を快適に調整でき、廊下側からの採光を得ることができ、通路側に向けて生徒の作品等の陳列棚にもなる。また、通路側からいたずらされたり盗られたりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の間仕切壁を複数横方向に並設し躯体に固定して得られる間仕切ユニットの正面図である。
図2図1の間仕切壁に内装設備を設けた間仕切ユニットの正面図である。
図3】内装設備を省略して縦柱と横柱だけを示した間仕切壁の正面図である。
図4図3の縦柱を被覆するように縦枠を固定した間仕切壁の正面図である。
図5図3のA−A線断面図である。
図6図4のA−A線断面図である。
図7】縦枠の斜視図である。
図8】収納棚の背面にガラスを挿入する斜視図である。
図9】収納棚の背面のガラスの固定方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【0020】
図1は、本発明の間仕切壁Wを複数横方向に並設し躯体に固定して得られる間仕切ユニットUの正面図である。図1では、間仕切ユニットUの骨組み(縦柱、横柱)が明確にわかるように、枠組の柱間に設ける内装設備を省略した。両端の縦柱1を横柱(上枠2、中鴨居3、3‘)でビス等を用いて接合した間仕切壁Wの柱間の空間に後述する内装設備を設けた後立設させ、上枠2を天井躯体に固定した天井固定桟4に天井固定金具21で固定すると共に、床面の不陸を縦柱1の下端に設けたアジャスター13で高さ調整のうえ、床固定金具12で床面に固定する。
【0021】
間仕切壁Wは、複数(図1、2では4台)立設するが、端部にもうける間仕切壁Wの端部側の縦枠1を壁躯体に固定した縦柱固定桟5に壁固定金具11で固定すると共に、他方側の縦枠1を隣接する間仕切壁Wの縦枠1とをやとい実等で接合し、同様の作業を残り2台の間仕切壁Wに施すことで、図1に記載の間仕切ユニットUにより部屋と廊下を仕切ることができる。
【0022】
図2は、間仕切壁Wにおいて、間仕切壁Wを構成する両端の縦柱1とそれをつなぐ上枠2と中鴨居3、3‘からなる枠組の柱間に内装設備を設けた状態の図であり、最終完成した間仕切ユニットUの正面図である。ここで内装設備とは、ドア設備D、収納棚S、上窓Mが示されるが、その他普通の壁部分や腰壁と窓部分等、種々の設備が考えられる。
【0023】
図3は、間仕切壁Wでドア設備Dを形成する場合を示すが、図面を見易くするため。内装設備(引戸)を省略して縦柱と横柱だけを示し、長尺部分を省略して一つの図面に収まるようにして間仕切壁Wの正面図を表した。以後、図6までは同様の方法で記載しており、その部分については説明を省略する。
【0024】
図4は、図3において、縦柱1に化粧柱としての縦枠6を被覆した状態の正面図である。図5は、図3のA−A線断面図であり、図6は、図5において、縦柱1に化粧柱としての縦枠6を被覆したものである。図7は、ここで使用する縦枠6の詳細を示したものであり、縦枠6の裏面側には、縦柱1を被覆するための略同形状の凹部を設けている。表面側には細溝63が設けられており、図4図6に示すように縦柱1に縦枠6を被覆した後、細溝63からビス等を打ち込んで固定し、細溝部分63にカバー材(パッキン)61を充填することで、ビスを隠すと共に施工後の引戸の戸当りとしても使用ができる。縦枠6の下端部で、縦柱1を床面に固定している床固定金具12やアジャスター13が隠れるので、意匠性に優れた間仕切ユニットUが得られる。
【0025】
図8は収納棚Sの展示棚部分の背面(廊下側)にガラスを嵌め込む。ガラスの固定方法としては種々考えられるが、例えば、展示棚部分の廊下側端部に溝を設けてガラスを矢印のように一方からスライドさせ、定位置に配置した後、図9に示すように側板部押さえ部材92で横方向の溝を押さえ、天板裏側に天板部押さえ部材91で押さえることで、ガラスを固定する。なお、展示棚部分の棚板、仕切り板の位置に合わせて裏面のガラス上から飾り棒を両面テープで貼り付けることで、廊下側からでも見栄えよく展示物を見ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上説明したように、本発明は、ドア部分の縦枠を容易に交換することができる間仕切ユニットに関して有用である。
【符号の説明】
【0027】
U 床下空間
W 床上空間
D ドア設備
S 収納棚
1 縦柱
2 横柱(上枠)
3、3‘ 横柱(中鴨居)
4 天井固定桟
5 縦柱固定桟
6 縦枠
63 カバー材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9