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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-194016(P2017-194016A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】ロータリー圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 29/06 20060101AFI20170929BHJP
【FI】
   F04C29/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-84924(P2016-84924)
(22)【出願日】2016年4月21日
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】薬師寺 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】江崎 郁男
【テーマコード(参考)】
3H129
【Fターム(参考)】
3H129AA04
3H129AA09
3H129AA13
3H129AA32
3H129AB03
3H129BB21
3H129CC29
(57)【要約】
【課題】マフラの内側で十分には低減されない脈動をも低減することが可能なロータリー圧縮機を提供すること。
【解決手段】本発明のロータリー圧縮機1は、回転軸3と、ロータリー式の圧縮機構4と、回転軸3の軸周りに配置されるマフラ10とを備えている。マフラ10は、圧縮された冷媒を内側に受け入れるマフラ本体11と、回転軸3または軸受部6Bとの間に、回転軸3の軸方向に沿ってマフラ10の外部へと冷媒を流出させる所定の長さの吐出流路100を形成する流路壁12とを備えている。吐出流路100は、回転軸3の周方向D1の一部に位置する第1流路部101と、周方向D1において第1流路部101に隣接し、かつ、回転軸3の径方向における寸法が第1流路部101よりも大きく、第1流路部101よりも断面積が大きい第2流路部102とを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転される回転軸と、
前記回転軸に設けられるピストンロータおよび前記ピストンロータが配置されるシリンダを有するロータリー式の圧縮機構と、
前記回転軸の軸周りに配置されるマフラと、を備え、
前記マフラは、
前記圧縮機構により圧縮された流体を内側に受け入れるマフラ本体と、
前記回転軸または前記回転軸の軸周りに位置する軸受部との間に、前記回転軸の軸方向に沿って前記マフラの外部へと前記流体を流出させる所定の長さの吐出流路を形成する流路壁と、を備え、
前記吐出流路は、
前記回転軸の周方向の一部に位置する第1流路部と、
前記周方向において前記第1流路部に隣接し、かつ、前記回転軸の径方向における寸法が前記第1流路部よりも大きく、前記第1流路部よりも断面積が大きい第2流路部と、を有する、
ことを特徴とするロータリー圧縮機。
【請求項2】
前記吐出流路は、複数の前記第2流路部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のロータリー圧縮機。
【請求項3】
複数の前記第2流路部の各々の断面積は、互いに相違している、
ことを特徴とする請求項2に記載のロータリー圧縮機。
【請求項4】
前記吐出流路は、
前記回転軸の軸周りの全周に亘り形成されており、
前記周方向において交互に配置される複数の前記第1流路部と複数の前記第2流路部とを有する、
ことを特徴とする請求項2または3に記載のロータリー圧縮機。
【請求項5】
前記第2流路部を形成する前記流路壁の部分は、断面略C字状または断面略V字状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のロータリー圧縮機。
【請求項6】
回転される回転軸と、
前記回転軸に設けられるピストンロータおよび前記ピストンロータが配置されるシリンダを有するロータリー式の圧縮機構と、
前記回転軸の軸周りに配置されるマフラと、を備え、
前記マフラは、
前記圧縮機構により圧縮された流体を内側に受け入れるマフラ本体と、
前記回転軸または前記回転軸の軸周りに位置する軸受部との間に、前記回転軸の軸方向に沿って前記マフラの外部へと前記流体を流出させる所定の長さの吐出流路を形成する流路壁と、を備え、
前記吐出流路は、
前記回転軸の周方向の一部に位置する第1流路部と、
前記第1流路部よりも断面積が大きい第2流路部と、を有し、
前記第1流路部が、前記第2流路部から径方向外側に突出している、
ことを特徴とするロータリー圧縮機。
【請求項7】
前記吐出流路の長さをx
前記第1流路部における流速をv
前記第2流路部における流速のvに対する流速比をα、
所定の周波数をf、と置くと、
nが自然数であるとして、
α=n(v/2fx)+1
が成立する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のロータリー圧縮機。
【請求項8】
前記第1流路部および前記第2流路部からそれぞれ流出した前記流体の圧力変動が干渉して打ち消し合う、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のロータリー圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリー式圧縮機構および吐出マフラを備えたロータリー圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリー圧縮機は、回転軸と、回転軸に設けられるピストンロータ、およびシリンダを有するロータリー式圧縮機構と、圧縮された冷媒ガスの脈動(圧力変動)に起因する騒音を抑制するマフラと、ハウジングとを備えている(例えば、特許文献1)。
ロータリー式の圧縮機構により圧縮された冷媒ガスは、シリンダの開口を塞ぐ部材に形成された吐出ポートを通ってマフラの内側に吐出され、マフラの縮径した部分と回転軸との間の隙間を通じてハウジング内の空間へと吐出される。
特許文献1では、回転軸の外周に形成された隙間(マフラの出口)が、回転軸を中心として、シリンダ内からの吐出ポート(マフラの入口)とは対称な位置にあり、シリンダ内からマフラ内へと吐出された冷媒ガスの脈動がマフラにより低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3941809号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マフラにより、主に特定の周波数成分の脈動を低減することができても、他の周波数成分の脈動を十分に低減することは難しい。
マフラによっても十分に低減されない脈動がマフラの外部へと吐出されてしまい、ハウジング内の空間で共鳴すると、騒音に繋がってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、マフラの内側で十分には低減されない脈動をも低減することが可能なロータリー圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロータリー圧縮機は、回転される回転軸と、回転軸に設けられるピストンロータおよびピストンロータが配置されるシリンダを有するロータリー式の圧縮機構と、回転軸の軸周りに配置されるマフラと、を備え、マフラは、圧縮機構により圧縮された流体を内側に受け入れるマフラ本体と、回転軸または回転軸の軸周りに位置する軸受部との間に、回転軸の軸方向に沿ってマフラの外部へと流体を流出させる所定の長さの吐出流路を形成する流路壁と、を備え、吐出流路は、回転軸の周方向の一部に位置する第1流路部と、周方向において第1流路部に隣接し、かつ、回転軸の径方向における寸法が第1流路部よりも大きく、第1流路部よりも断面積が大きい第2流路部と、を有することを特徴とする。
【0007】
第1流路部と第2流路部との断面積の相違により、第1流路部および第2流路部をそれぞれ流れる流体の流速が相違する。そのため、第1流路部および第2流路部へとそれぞれ流入した流体の圧力変動の位相がシフトし、第1流路部および第2流路部からそれぞれ流出した流体の圧力変動が干渉して打ち消し合う。
【0008】
本発明のロータリー圧縮機において、吐出流路は、複数の第2流路部を有することが好ましい。
【0009】
本発明のロータリー圧縮機において、複数の第2流路部の各々の断面積が互いに相違していることが好ましい。
【0010】
本発明のロータリー圧縮機において、吐出流路は、回転軸の軸周りの全周に亘り形成されており、周方向において交互に配置される複数の第1流路部と複数の第2流路部とを有することが好ましい。
【0011】
本発明のロータリー圧縮機において、第2流路部を形成する流路壁の部分は、断面略C字状または断面略V字状に形成されていることが好ましい。
【0012】
本発明のロータリー圧縮機は、回転される回転軸と、回転軸に設けられるピストンロータおよびピストンロータが配置されるシリンダを有するロータリー式の圧縮機構と、回転軸の軸周りに配置されるマフラと、を備え、マフラは、圧縮機構により圧縮された流体を内側に受け入れるマフラ本体と、回転軸または回転軸の軸周りに位置する軸受部との間に、回転軸の軸方向に沿ってマフラの外部へと流体を流出させる所定の長さの吐出流路を形成する流路壁と、を備え、吐出流路は、回転軸の周方向の一部に位置する第1流路部と、第1流路部よりも断面積が大きい第2流路部と、を有し、第1流路部が、第2流路部から径方向外側に突出していることを特徴とする。
【0013】
本発明のロータリー圧縮機において、吐出流路の長さをx、第1流路部における流速をv、第2流路部における流速のvに対する流速比をα、所定の周波数をf、と置くと、nが自然数であるとして、α=n(v/2fx)+1 が成立することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のロータリー圧縮機によれば、マフラの内側では十分に低減されない脈動をも低減することができるので、脈動に起因する騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態に係るロータリー圧縮機の縦断面図である。
図2】(a)は、図1に示すロータリー圧縮機の一部を拡大して示す図である。(b)は、マフラの吐出流路を示す図である。
図3図2(a)に示すマフラの平面図である。
図4】(a)は、マフラの吐出流路の第1流路部を流れる流体の脈動を示す図であり、(b)は、マフラの吐出流路の第2流路部を流れる流体の脈動を示す図である。
図5】第2実施形態に係るロータリー圧縮機に備えられたマフラの平面図である。
図6】本発明の変形例に係るロータリー圧縮機に備えられたマフラの平面図である。
図7】本発明の別の変形例に係るロータリー圧縮機に備えられたマフラの平面図である。
図8】本発明の変形例に係るロータリー圧縮機に備えられたマフラの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
図1に示す圧縮機1は、図示しないアキュムレータ(気液分離器)内のガス冷媒を配管8,9を通じて吸入し、圧縮機構4により圧縮する。
圧縮機1およびアキュムレータは、空気調和機、冷凍機等の冷凍サイクル装置を構成しており、冷媒が循環する図示しない冷媒回路に接続されている。
【0018】
圧縮機1は、動力源であるモータ2と、モータ2から出力される回転駆動力により回転される回転軸3(クランクシャフト)と、回転軸3を介して伝達される回転駆動力により駆動されるロータリー式の圧縮機構4と、回転軸3の軸周りに配置されるマフラ10,20と、ハウジング5とを備えている。
マフラ10,20は、圧縮機構4により圧縮された冷媒の脈動に起因する騒音を抑制する。
【0019】
ハウジング5は、モータ2、回転軸3、圧縮機構4、およびマフラ10,20を収容しており、円筒状に形成されている。
モータ2は、ハウジング5の内周部に固定されるステータ2Aと、ステータ2Aの内側に配置されるロータ2Bとを備えている。ロータ2Bは、ステータ2Aに設けられたコイル2Cへの通電によりステータ2Aに対して回転する。
【0020】
回転軸3は、ロータ2Bに結合されてロータ2Bよりも下方に突出する主軸部3Aと、主軸部3Aの軸心に対して偏心した上部クランクピン3Bと、同じく主軸部3Aの軸心に対して偏心した下部クランクピン3Cとを備えている。下部クランクピン3Cは、回転軸3の軸心に対して、上部クランクピン3Bとは逆位相(180°)となる向きに偏心している。
上部クランクピン3Bは、圧縮機構4の上部シリンダ412内に配置され、下部クランクピン3Cは、圧縮機構4の下部シリンダ422内に配置されている。
【0021】
圧縮機構4(図1)について説明する。
所謂ツインロータリー式である圧縮機構4は、上部圧縮機構41と、下部圧縮機構42と、仕切板4Aと、回転軸3を回転可能に支持する上部軸受6および下部軸受7とを備えている。
仕切板4Aは、上部圧縮機構41のシリンダ412の内部と下部圧縮機構42のシリンダ422の内部とを仕切っている。
【0022】
上部圧縮機構41は、上部クランクピン3Bに設けられる上部ピストンロータ411と、上部ピストンロータ411が配置される上部シリンダ412と、主軸部3Aの軸周りに配置される上部マフラ10とを含んで構成されている。
上部ピストンロータ411は、上部クランクピン3Bの外周部に嵌合され、上部ピストンロータ411の回転に伴って上部シリンダ412内で旋回される。
上部シリンダ412内には、配管8を通じて冷媒が吸入される。
【0023】
上部軸受6は、上部シリンダ412の上端面に突き当てられる突当て部6Aと、突当て部6Aから上方へと突出し、回転軸3(主軸部3A)の軸周りに位置する円筒状の軸受部6Bとを有している。突当て部6Aは、ハウジング5の内周部に固定されている。
上部軸受6には、上部シリンダ412、上部マフラ10、下部シリンダ422、および下部マフラ20がボルト11Bにより一体に組み付けられている。
【0024】
上部シリンダ412内に吸入された冷媒は、旋回する上部ピストンロータ411の外周部に押圧される図示しないブレードよりも回転方向前方の空間にて圧縮される。圧縮された冷媒は、上部軸受6の突当て部6Aに形成された図示しない吐出ポートを通じて上部マフラ10内へと吐出され、さらに、上部マフラ10と軸受部6Bとの間の吐出流路100を通じてハウジング5内におけるモータ2よりも下方の空間へと吐出される。
【0025】
上部圧縮機構41と同様に、下部圧縮機構42は、下部クランクピン3Cに設けられる下部ピストンロータ421と、下部ピストンロータ421が配置される下部シリンダ422と、主軸部3Aの軸周りに配置される下部マフラ20とを含んで構成されている。
下部シリンダ422内には、配管9を通じてガス冷媒が吸入される。
【0026】
下部軸受7は、下部シリンダ422の下端面に突き当てられる突当て部7Aと、突当て部7Aから下方へと突出し、回転軸3(主軸部3A)の軸周りに位置する円筒状の軸受部7Bとを有している。
【0027】
下部シリンダ422内に吸入された冷媒は、下部ピストンロータ421の旋回に伴って圧縮され、下部軸受7の突当て部7Aに形成された図示しない吐出ポートを通じて下部マフラ20内へと吐出される。下部マフラ20内へと吐出された冷媒は、下部マフラ20と軸受部7Bとの間の吐出流路200を通じてハウジング5の内部空間へと吐出され、さらに、上部軸受6の突当て部6Aに形成された切欠61Aや図示しない孔を通り抜け、ハウジング5内におけるモータ2よりも下方の空間へと吐出される。
【0028】
上述のように、ハウジング5内におけるモータ2よりも下方の空間に、上部圧縮機構41および下部圧縮機構42によりそれぞれ圧縮された冷媒が吐出される。その冷媒は、ステータ2Aやロータ2Bに設けられた切欠を通じてモータ2よりも上方の空間へと流れ、ハウジング5の上部に設けられた吐出管5Aを通じて冷媒回路へと吐出される。
【0029】
上部圧縮機構41および下部圧縮機構42はそれぞれ、ピストンロータ411,421の旋回周期に応じて、吐出ポートから圧力変動(脈動)を伴って冷媒を吐出する。上部圧縮機構41および下部圧縮機構42により吐出ポートを通じてマフラ10,20へとそれぞれ噴出した圧縮冷媒の脈動は、マフラ10,20内でそれぞれ低減される。
ここで、マフラ10,20によっても十分に低減されない脈動がマフラ10,20の外部へと吐出されてしまい、ハウジング5内におけるモータ2よりも下方の空間で共鳴すると、騒音に繋がってしまう。
そこで、本実施形態の圧縮機1は、マフラ10,20の内側で十分には低減されない脈動をも低減するため、マフラ10,20内からそれぞれマフラ10,20の外部へと流れ出る冷媒の吐出流路100,200に特徴を有する。
【0030】
まず、上部マフラ10(以下、マフラ10)の構成を説明する。
図2(a)に示すように、マフラ10は、上部軸受6の突当て部6Aとの間に空間を形成するマフラ本体11と、上部軸受6の軸受部6Bとの間に、マフラ10の外部へと冷媒を流出させる吐出流路100を形成する流路壁12とを備えている。流路壁12は、マフラ10の平面中央部に形成された開口10Aの周縁部である。その開口10Aに、上部軸受6の軸受部6Bが通される。
マフラ本体11と、流路壁12とは、アルミニウム合金等の金属材料から、例えば、深絞り加工によって一体に形成されている。
【0031】
マフラ本体11は、上部シリンダ412内で圧縮され図示しない吐出ポートから噴出した圧縮冷媒を内側に受け入れ、圧縮冷媒の脈動を低減する。マフラ本体11の内側の空間は、マフラ本体11内に噴出された冷媒にとって、空間体積に応じた抵抗として働くので、マフラ10により冷媒の脈動が減衰する。
マフラ本体11は、流路壁12よりも径方向外側に所定の直径で延在しており、平面視円形状に形成されている。マフラ本体11の径方向外側の端部は、周方向の複数の箇所で、ボルト11Bにより上部軸受6に締結されている。ボルト11Bは、図3では省略している。
【0032】
マフラ本体11の内周端111は、突当て部6Aよりも上方に位置し、流路壁12へと連続している。ここでは、マフラ本体11の内周端111は、湾曲部112を介して流路壁12に連続しているが、内周端111が流路壁12に直接連続していてもよい。湾曲部112は、内周端111よりも上方に向けて凸となるように湾曲している。
マフラ本体11の寸法や体積は、圧縮冷媒の脈動の主な周波数成分に適合するように適宜に定められている。主な周波数成分は、例えば、騒音に繋がり易い500Hz〜1kHzの中周波数帯域にある。
【0033】
マフラ本体11の内側の空間が、吐出ポートから噴出された冷媒を一次的に受け入れる内側の区画と、その区画から冷媒を二次的に受け入れる外側の区画とに仕切られていてもよい。そういった二段マフラであっても、外側の区画からマフラの外部へと冷媒を流出させる吐出流路100を以下で述べるように構成することにより、本実施形態のマフラ10と同様の効果を得ることができる。
【0034】
流路壁12は、湾曲部112を介してマフラ本体11に連なっている。流路壁12は、全周に亘り同じ高さから、軸受部6Bの軸方向に沿って立ち上がっている。流路壁12の上端の高さは、全周に亘り一定である。
流路壁12の内周部と軸受部6Bの外周部との間には、図2(b)に示すように、流路壁12の高さに相当する長さの吐出流路100が回転軸3の軸方向に沿って形成されている。
【0035】
マフラ10全体の高さによっては、流路壁12が軸受部6Bにではなく回転軸3の外周部に対向していることもありうる。その場合は、流路壁12の内周部と回転軸3の外周部との間に吐出流路100が形成されることになる。
【0036】
下部マフラ20(図1)は、上部マフラ10とほぼ同様の形状に構成され、上部マフラ10とは上下方向に反転する向きで、下部軸受7の軸周りに配置されている。
下部マフラ20は、マフラ本体21と、下部軸受7の軸受部7Bとの間に、マフラ20の外部へと冷媒を流出させる吐出流路200を形成する流路壁22とを備えている。
【0037】
以下、吐出流路100,200の構成について説明する。
図3は、回転軸3の軸周りに位置する上部軸受6の軸受部6Bと、上部マフラ10の流路壁12との間に所定の流路長xで形成された吐出流路100を示している。
回転軸3の径方向における吐出流路100の寸法は、回転軸3の周方向D1において変化している。
吐出流路100の流路長x図2(b))は、全周に亘り同一である。
吐出流路100全体の断面積、すなわち、吐出流路100を回転軸3の軸方向に投影した面積は、圧縮機1の性能と、マフラ10による脈動低減効果との両者を考慮して定められている。
【0038】
下部マフラ20に関し、吐出流路200の平面視の図は省略するが、吐出流路200も、吐出流路100と同様に構成することができる。
【0039】
以下、吐出流路100の構成を詳しく説明する。
吐出流路100は、回転軸3の周方向D1の一部に位置する第1流路部101と、周方向D1において第1流路部101に隣接する第2流路部102とを有する。第1流路部101および第2流路部102の両者の間で相対的に、第2流路部102の断面積が大きい。
【0040】
圧縮されてマフラ10内へと吐出された圧縮冷媒は、脈動を伴いながら、第1流路部101および第2流路部102をそれぞれ流れてマフラ10の外部へと流出する。第1流路部101から流出した冷媒の圧力変動と、第2流路部102から流出した冷媒の圧力変動とが互いに干渉して低減される。
【0041】
吐出流路100は、複数の第1流路部101と、複数の第2流路部102とを有していることが好ましい。本実施形態の吐出流路100は、3つの第1流路部101と、3つの第2流路部102とを有している。
吐出流路100は、回転軸3の軸周りの全周に亘り形成されており、第1流路部101と第2流路部102とが、回転軸3の周方向D1において1つ置きに交互に配置されていることが好ましい。
第2流路部102は、周方向D1においてほぼ均等に配置されていることが好ましい。
【0042】
流路壁12は、軸受部6Bの外周部との間に第1流路部101を形成する第1壁部121と、軸受部6Bの外周部との間に第2流路部102を形成する第2壁部122とを備えている。第1壁部121は、第1流路部101と同数だけ存在し、第2壁部122は、第2流路部102と同数だけ存在する。
【0043】
第1流路部101は、回転軸3および軸受部6Bと同心円の断面円弧状に形成されている。第1壁部121も同様である。
第1壁部121は、軸受部6Bの外周面(円筒面)に沿って、当該外周面に対して所定の間隔をおいて配置されている。第1壁部121と軸受部6Bの外周面との間の間隔、つまり、第1流路部101の幅は、例えば、1mm未満である。
【0044】
第2流路部102は、軸受部6Bの外周面に対して径方向外側に向けて膨らんだ形状をしている。第2壁部122も同様である。
第2流路部102は、回転軸3の径方向における寸法が第1流路部101よりも大きい。
第2流路部102に対応する第2壁部122の断面形状は、例えば、C字状(あるいはU字状)、V字状等、適宜に定めることができる。第2流路部102を通る流れの流路損失が小さくなるように、第1壁部121に連なる第2壁部122の一端122Aから、最も膨らんだ頂部122Bを経て、第2壁部122の他端122Cに至るまでを滑らかな形状に形成することが好ましい。
一例として、本実施形態の第2壁部122は、それぞれ、周方向D1における中心を通る中心線CLに対して対称に、断面略C字状に形成されている。頂部122Bから周方向D1の両側に拡がるように、略V字状に第2壁部122を形成することもできる。
【0045】
第1流路部101および第2流路部102の断面形状は、図3の紙面に直交する回転軸3の軸方向において一定であるが、これに限られない。
【0046】
吐出流路100は、周方向D1において、狭隘な第1流路部101と、第1流路部101に対して流路の幅が拡大されている第2流路部102とに区分されている。これらの第1流路部101と第2流路部102との間に回転軸3の径方向に沿って境界線(例えば、L1,L2)を引き、その境界線を境に、第1流路部101および第2流路部102の各々の断面積を想定することができる。
第1流路部101の断面積は、第2流路部102の断面積よりも小さい。そのため、第1流路部101を流れる冷媒の流速は、第2流路部102を流れる冷媒の流速よりも速い。
【0047】
図4は、マフラ本体11の内側から第1流路部101へと流入した冷媒の脈動(a)と、マフラ本体11の内側から第2流路部102へと流入した冷媒の脈動(b)とをそれぞれ示している。ここで、横軸は、流路の長さ方向の距離xを示している。
相対的に断面積が小さい第1流路部101では流速が速いため、図4(a)に示す第1流路部101の圧力変動pの波形は、図4(b)に示す第2流路部102の圧力変動pの波形と比べて、横軸(x)方向に引き伸ばされる。
【0048】
マフラ本体11内に噴射された冷媒は、第1、第2流路部101,102へとそれぞれ流入し、第1、第2流路部101,102の始端(x=0)から所定の流路長xを第1、第2流路部101,102の各々の断面積に応じた速度で流れ、第1、第2流路部101,102の終端(x=x)でハウジング5内へと流出する。
【0049】
マフラ本体11内の冷媒は、同じ位相で、第1、第2流路部101,102の各々の始端(x=0)へとそれぞれ流入するとみなすことができ、また、第1、第2流路部101,102をそれぞれ流れる冷媒の圧力変動p,pの振幅は同一とみなすことができる。
第1、第2流路部101,102をそれぞれ流れる冷媒の流速の違いにより、始端(x=0)から終端(x=x)までの圧力変動p,pの波数が相違する。そうすると、第1、第2流路部101,102への流入時には同じであった位相が、第1、第2流路部101,102の終端(x=x)ではシフトしている。
したがって、第1、第2流路部101,102から流出した冷媒のそれぞれの圧力波が干渉し合って減衰することにより、マフラ10の外部への圧力変動の流出が十分に抑制される。干渉により圧力波が十分に打ち消し合うように、第1、第2流路部101,102の終端(x=x)において圧力波形の位相が180°(π)相違する、つまり逆位相となることが好ましい。
なお、図4に示した、圧力変動p,pの波数は一例である。
【0050】
以上より、本実施形態では、第1、第2流路部101,102の終端で逆位相となって圧力波同士が打ち消し合うように、次の式(I)に示すように、圧力変動の周波数fに応じて、流路長xと、第1、第2流路部101,102の流速比αとを設定する。
【0051】
α=n(v/2fx)+1 ・・・(I)
nは自然数(1,2,3・・・)
ここで、流速比αは、第1流路部101を流れる冷媒の流速vと、第2流路部102を流れる冷媒の流速vのうち、相対的に速いvを基準とした流速比(v/v)である。
【0052】
第2流路242の流速を基準とした流速比1/αにより、式(I)と等価な式を設定することもできる。その式を用いて、第1、第2流路部101,102を設計することも許容される。
【0053】
以下、上記の式(I)を得るプロセスについて説明する。
第1、第2流路部101,102への流入時の位相が同一、および振幅が同一の条件より、圧力変動p,pの波は式(i)により表される。tは時間、Pは圧力波の振幅、k,kは波数を示す。圧力変動p,pは、波数k,kのみが相違する。
(x,t)=Psin(kx−ωt)
(x,t)=Psin(kx−ωt) ・・・(i)
【0054】
ここで、第1流路部101における流速をv、第2流路部102における流速をvと置くと、
=ω/k1 v=ω/k2 ・・・(ii)
,vのうち相対的に速いvを基準とした流速比をαと置いて、
=αv (α>1)
式(ii)より、
k2=αk1 ・・・(iii)
【0055】
第1、第2流路部101,102の終端からの合流時に合成される圧力変動p(x=x,t)を解く。式(iii)を参照する。
p(x=x,t)
=p+p=Psin(k−ωt)+Psin(k−ωt)
=2Psin{(1+α/2)k−ωt}cos{(1−α/2)k} ・・・(iv)
【0056】
式(iv)より、cos{(1−α/2)k}の項が0であると、圧力波同士が干渉(合成)により打ち消し合う。
y=cosθの波は、θ=n(π/2)のときに0となるから(n=1,2,3・・・)、
【0057】
【数1】
このとき、p(x,t)が0となる。
ここで、αは小さい方が、吐出流路を実現し易い。そこで、最小のαによる脈動低減を実現することを考えると、n=1であるから、
【0058】
【数2】
【0059】
式(v´)、(ii)およびω=2πfより、
【0060】
【数3】
【0061】
これを式変形すると、式(I´)が得られる。
α=(v/2fx)+1 ・・・(I´)
式(I´)は、上述した式(I)においてn=1の場合である。
式(I)や(I´)は、圧力波同士が打ち消し合う、xとαとの関係を示している。
【0062】
式(I´)を用いて、流速比α(v/v)を設計する例を示す。
ここで、周波数fの範囲は、概ね、50Hz〜1kHz(1000Hz)であり、低減する必要のある圧力変動成分の周波数を選定する。
は、例えば、10mm(0.01m)程度に定めることができる。
は、例えば、圧縮機構41の押し退け量および回転数より求められる体積速度と、吐出流路100の全体の断面積から、0.1m/s〜200m/sであるものとする。
【0063】
上記のパラメータの値を式(I´)にあてはめる。
上記の値の条件から、αが最小になる場合として、f=1000Hzおよびv=0.1m/sを適用すると、5×10−1+1が得られ、αが最大になる場合として、f=500Hzおよびv=200m/sを適用すると、20+1が得られる。
【0064】
低減する必要のある圧力変動成分の周波数fに応じて、適切な流速比αを選定することにより、第1、第2流路部101,102から流出して合流する圧力波同士が打ち消し合う。その結果、マフラ10の外部へと流出する圧力変動を低減することができる。したがって、モータ2よりも下方の空間において共鳴が起こることを避け、騒音を抑制することができる。
選定した流速比α、そして吐出流路100全体の断面積から、第1、第2流路部101,102の各々の断面積を導くことができる。そして、軸受部6Bと第1壁部121との間、および軸受部6Bと第2壁部122との間にそれぞれ適切な断面積が与えられるようにマフラ10を成形するとよい。
【0065】
以上では、上部マフラ10の吐出流路100を例にとって説明したが、下部マフラ20の吐出流路200についても、同様の式(I)や式(I´)を用いて流速比αを導き、適合する断面積が第1流路部101および第2流路部102にそれぞれ与えられるようにマフラ20を成形するとよい。
【0066】
以上で説明したように、第1、第2流路部101,102を流れることで位相がシフトした圧力波同士を合流時に打ち消すにあたっては、第1流路部101と第2流路部102とが隣り合っており、第1、第2流路部101,102の終端から流出した冷媒流が流出直後に合流してそれぞれの圧力波が干渉することが好ましい。
この点、本実施形態では、図3に示すように、吐出流路100に、複数の第1流路部101と、複数の第2流路部102とが存在し、しかもこれらの第1、第2流路部101,102が、回転軸3の全周に亘り交互に配置されているため、有利である。つまり、第1流路部101と第2流路部102とが周方向D1において隣り合う箇所が、回転軸3の全周に亘り分布しており、それらが隣り合う箇所のいずれにおいても、第1、第2流路部101,102から流出した冷媒流の流出直後に圧力波が干渉するので効率よく脈動が低減される。
【0067】
仮に、吐出流路100に、1つの第2流路部102のみ(例えば、102A)が存在しており、吐出流路100の残りは第1流路部101であるとすれば、脈動低減効果を得ることができるのは、単一の第2流路部102の両隣の箇所に留まる。
つまり、本実施形態のように、第1流路部101と第2流路部102とが隣り合う箇所が回転軸3の周方向D1に分布していることにより、周方向D1の広範囲に亘って圧力波の干渉が起こるので、効率よく脈動を低減させることができる。
【0068】
本実施形態では、マフラ10,20の両方について、断面積の異なる第1、第2流路部を含む吐出流路100,200がそれぞれ設定されているので、マフラ10,20内からハウジング5内へと伝搬する脈動をより十分に低減することができる。
但し、マフラ10,20のいずれか一方についてのみ、第1、第2流路部を含む吐出流路が設定されており、他方の吐出流路は、例えば、回転軸3の軸周りに円環状に形成されていることも許容される。
【0069】
〔第2実施形態〕
次に、図5を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。
以下では、第1実施形態と相違する事項を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成には同じ符号を付している。
【0070】
第2実施形態に係るマフラ30と軸受部6Bとの間に形成される吐出流路300は、図5に示すように、複数の第2流路部302A,302B,302Cを備えている。
マフラ30は、上部圧縮機構41を構成するマフラ(図1の10)、および下部圧縮機構42(図1)を構成するマフラ(図1の20)のいずれにも適用することができる。
【0071】
第2流路部302A,302B,302Cは、互いに断面積が相違している。第2流路部302A,302B,302Cの各々の断面積は、低減する必要のある脈動成分の周波数を考慮して定められている。
例えば、第2流路部302Aは、800Hzに対応し、第2流路部302Bは、900Hzに対応し、第3流路部302Cは、1kHzに対応している。
第2流路部302A〜302Cのいずれの断面積も、上述の式(I)あるいは(I´)を用いて、隣り合う第1流路部101との流速比αを導くことで設定されている。
【0072】
第2実施形態によれば、第1実施形態と比べて広範な周波数域の脈動に対応することができる。
吐出流路300において、第2流路部302A〜302Cが、回転軸3の周方向D1において第1流路部101と交互に配置されているので、第1流路部101と第2流路部302A〜302Cとが隣り合う箇所のそれぞれにおいて、効率よく脈動を低減することができる。
【0073】
図6は、本発明の変形例に係るマフラ50を示している。
マフラ50と軸受部6Bとの間に形成される吐出流路500は、第1実施形態や第2実施形態と比べて多くの流路部を含んで花弁状に形成されている。ここでは、断面円弧状の8つの第1流路部501と、8つの第2流路部502とが吐出流路500に含まれている。
マフラ50は、上部圧縮機構41を構成するマフラ(図1の10)、および下部圧縮機構42を構成するマフラ(図1の20)のいずれにも適用可能である。
【0074】
第1流路部501および第2流路部502の断面積は、上述した式(I),(I´)を用いてそれぞれ定めることができる。
【0075】
第1流路部501の数および第2流路部502の数が多いので、第1流路部501と第2流路部502とが周方向D1に隣り合う箇所の数も多い。そのため、本例によれば、第1、第2流路部501,502からそれぞれ流出して合流する冷媒の圧力波の干渉により、効率よく脈動を低減することができる。
【0076】
本例では、断面積の異なる2種類の第2流路部502(A),502(B)が存在する。これら第2流路部502(A),502(B)の断面積は、異なる周波数に対応して、上述した式(I),(I´)によりそれぞれ定めることができる。
【0077】
図7は、本発明の別の変形例に係るマフラ60を示している。
マフラ60は、マフラ本体11と、回転軸3と同心円の円筒状の流路壁62とを備えている。軸受部6Bの外周部には、軸方向に延びる複数の溝6Cが窪んで形成されている。これらの溝6Cの存在により、軸受部6Bと流路壁62との間の吐出流路600は、相対的に断面積が小さい複数の第1流路部601と、相対的に断面積が大きい複数の第2流路部602とを有している。
第1流路部601および第2流路部602の断面積は、上述した式(I),(I´)を用いてそれぞれ定めることができる。
複数の溝6Cの深さや幅を変えることにより、複数の第2流路部602の相互の間で断面積を異ならせて、複数の周波数の脈動成分に対応することができる。
【0078】
図8は、本発明のさらに別の変形例に係るマフラ70を示している。
マフラ70は、マフラ本体11と、回転軸3と同心円の略円筒状の流路壁72と、流路壁72と軸受部6Bとの間の吐出流路700とを備えている。流路壁72は、周方向の一部において径方向外側に突出している突出部721と、突出部721以外の部分である円弧部722とを有している。複数の突出部721と、複数の円弧部722とが流路壁72の周方向において交互に配置されている。
互いに対向する壁721A,721Bが近接した状態で折り返すように形成されている突出部721の内側に、吐出流路700の第1流路部701が存在する。
円弧部722の内周部と軸受部6Bの外周部との間に、吐出流路700の第2流路部702が存在する。
円弧部722と軸受部6Bとの間の間隔が、第1実施形態の第1壁部121と軸受部6Bとの間の間隔よりも広いため、第2流路部702の断面積の方が、第1流路部701の断面積よりも大きい。
上述した式(I),(I´)を用いて第1流路部701および第2流路部702の断面積をそれぞれ定めることにより、第1、第2流路部701,702からそれぞれ流出して合流する冷媒の圧力波の干渉により、効率よく脈動を低減することができる。
複数の突出部721の突出する長さや、壁721A,721Bの間隔を変えることにより、複数の第2流路部702の相互の間で断面積を異ならせて、複数の周波数の脈動成分に対応することができる。
【0079】
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
【0080】
本発明における吐出流路の第1流路部は、必ずしも、回転軸3と同心円の円弧状に形成されている必要はない。また、複数の第1流路部の相互の間で、断面積が異なっていてもよい。第1流路部は、回転軸3あるいは軸受部6Bとの間に、第2流路部に比べて狭い隙間を形成していれば足りる。
また、回転軸3の周方向D1において、第1流路部と第2流路部とが必ずしも交互に配置されている必要はない。例えば、図6に示す構成において、第2流路部502Aの隣に、第2流路部502Aとは断面積の異なる第2流路部502Bが位置していることも許容される。
その他、吐出流路の第1流路部および第2流路部の各々の断面積や配置等は、低減させたい周波数f、流路長x、圧縮機の性能、および脈動低減効果等に応じて、式(I),(I´)を用いて適宜に設定することができる。
【0081】
本発明における吐出流路は、必ずしも、回転軸3の周方向D1の全周に亘り連続している必要はない。マフラの流路壁12は、周方向D1の一部で軸受部6Bの外周部に接触していてもよい。
また、第1流路部と第2流路部との境界に仕切りが配置されていてもよい。この場合、第1流路部と第2流路部とが仕切りを介して隣接している。この場合も、仕切りにより区分される第1、第2流路部の各々の断面積を式(I),(I´)を用いて定めることができる。
特に、図6に示す構成のように第2流路部の数が多い場合には、仕切りを設けると成形が容易となる。
【0082】
本発明の圧縮機に搭載される圧縮機構は、ツインロータリー式の圧縮機構4には限らず、1組のシリンダおよびピストンロータ、並びにマフラを有するシングルロータリー式の圧縮機構であってもよい。
また、本発明の圧縮機の動力源としては、モータ以外、例えば、エンジン等も許容される。
【符号の説明】
【0083】
1 圧縮機
2 モータ
2A ステータ
2B ロータ
2C コイル
3 回転軸
3A 主軸部
3B 上部クランクピン
3C 下部クランクピン
4 圧縮機構
4A 仕切板
5 ハウジング
5A 吐出管
6 上部軸受
6A 突当て部
6B 軸受部
6C 溝
7 下部軸受
7A 突当て部
7B 軸受部
8,9 配管
10 上部マフラ
10A 開口
11 マフラ本体
11B ボルト
12 流路壁
20 下部マフラ
21 マフラ本体
22 流路壁
30 マフラ
302A,302B,302C 第2流路部
41 上部圧縮機構
42 下部圧縮機構
50 マフラ
501 第1流路部
502,502A,502B 第2流路部
60 マフラ
62 流路壁
70 マフラ
72 流路壁
100 吐出流路
101 第1流路部
102 第2流路部
111 内周端
112 湾曲部
121 第1壁部
122 第2壁部
122A 一端
122B 頂部
122C 他端
200 吐出流路
411 上部ピストンロータ
412 上部シリンダ
421 下部ピストンロータ
422 下部シリンダ
500 吐出流路
600 吐出流路
601 第1流路部
602 第2流路部
700 吐出流路
701 第1流路部
702 第2流路部
721 突出部
722 円弧部
D1 回転軸の周方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8