特開2017-194046(P2017-194046A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-194046(P2017-194046A)
(43)【公開日】2017年10月26日
(54)【発明の名称】燃費改善用シール
(51)【国際特許分類】
   F02M 27/04 20060101AFI20170929BHJP
   F02M 27/06 20060101ALI20170929BHJP
【FI】
   F02M27/04 B
   F02M27/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-86568(P2016-86568)
(22)【出願日】2016年4月22日
(71)【出願人】
【識別番号】513053616
【氏名又は名称】松村 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100100262
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 勉
(72)【発明者】
【氏名】松村 一夫
(57)【要約】
【課題】熱機関の燃費を容易に改善できる燃費改善用シールを提供する。
【解決手段】テラヘルツ波を放射する電磁波放射体2を備えた燃費改善用シールである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラヘルツ波を放射する電磁波放射体を備えたことを特徴とする燃費改善用シール。
【請求項2】
内燃機関のフューエルラインに貼り付けて用いられることを特徴とする請求項1に記載の燃費改善用シール。
【請求項3】
前記電磁波放射体は、
ガラスクロスと、
前記ガラスクロスに貼り付けられたアルミニウム箔とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃費改善用シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃費改善用シールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、陶器製の容器本体に、ケイ酸塩鉱物を含むスラリーが塗布された容器が開示されている。この容器は、収容された液体の酸化を抑制する。この効果を奏する原因は、ケイ酸塩鉱物から発生するテラヘルツ波であると推測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−14330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、テラヘルツ波を照射することにより、前述したように液体の酸化抑制の効果があることは知られていたが、熱機関の燃費を改善する効果があることは知られていなかった。
【0005】
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、熱機関の燃費を改善できる燃費改善用シールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明に係る一態様の燃費改善用シールは、テラヘルツ波を放射する電磁波放射体を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る燃費改善用シールは、熱機関又は熱機関の周辺部品に貼り付けるだけで、熱機関の燃費を容易に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明に係る一実施形態の燃費改善用シールを備えたシール材の斜視図である。
図2図2は、同上のシール材の断面図である。
図3図3は、同上の燃費改善用シールをフューエルラインに貼り付けた状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1及び図2に示す本実施形態の燃費改善用シール1は、熱機関の燃費改善に用いられる。本実施形態の燃費改善用シール1は、台紙4(剥離紙)に貼り付けられた状態で持ち運びがなされるシールであり、燃費改善用シール1と、台紙4とで、シール材5が構成される。
【0010】
本実施形態の燃費改善用シール1は、テラヘルツ波を放射する電磁波放射体2で構成されている。図2に示すように、電磁波放射体2は、基材層20と、表面層21とを備えている。
【0011】
本実施形態の電磁波放射体2は、難燃性が優れた帯状の金属箔テープであり、基材層20がガラスクロスで構成され、表面層21が基材層20の一面の全体に亘って貼り付けられたアルミニウム箔で構成されている。
【0012】
基材層20の表面層21とは反対側の面には、図示しない粘着剤が塗布されている。基材層20が台紙4の一面に粘着剤を介して貼り付けられることで、電磁波放射体2は剥離可能に台紙4に取り付けられる。電磁波放射体2は、台紙4から剥がされた後、粘着剤が塗布された基材層20が対象物に貼り付けられることで、対象物に取り付けられる。
【0013】
電磁波放射体2は、所定の周波数のテラヘルツ波を対象物に照射する。ここで、テラヘルツ波とは、0.1THz以上100THz以下の周波数を有する電磁波である。テラヘルツ波は、電波と光波の中間領域の波長であり、電波の性質である物質透過性を有し、さらに光波の性質である直進性を有する。テラヘルツ波の周波数は、多くの原子や分子の固有振動数とほぼ等しい。また、テラヘルツ波は、布、紙、木、プラスチック、陶磁器を透過しやすいが、金属や水は透過し難いという特性がある。
【0014】
電磁波放射体2は、例えば以下の方法により所定の周波数のテラヘルツ波を放射するようになる。
【0015】
第1の方法は、電磁波放射体2に対してテラヘルツ波を所定時間照射する方法である。電磁波放射体2に照射されるテラヘルツ波は、例えば、フェムト秒レーザー光を光伝導素子や光整流素子に照射するなど、電気回路を用いて発生させることができる。また、テラヘルツ波は、例えば、アルミニウム、シリコン、ゲルマニウム、セラミックス等に低周波電力を加えることにより発生させることができる。前記所定時間は、例えば2時間以上12時間以下であり、電磁波放射体2の材質や形状などに応じて適宜決定される。なお、電磁波放射体2にテラヘルツ波を照射する際、周囲の温度は20以上100℃以下であることが好ましい。
【0016】
電磁波放射体2からテラヘルツ波を発生させる第2の方法は、電磁波放射体2を構成する材料にテラヘルツ波を発生する物質を混合することである。テラヘルツ波を発生する物質としては、例えば深成岩であるケイ酸塩鉱物が挙げられる。ケイ酸塩化合物は例えば玄武岩や安山岩等である。
【0017】
ケイ酸塩鉱物は、例えばパウダー状にされた上で活性炭が加えられ、このパウダーが無酸素状態の空間で1200℃以上の温度で約十時間加熱し焼結された後、この焼結させた物質が砕かれてパウダー状にされる。そして、このパウダーが、基材層20及び/又は表面層21に混合されたり、基材層20及び/又は表面層21に塗布されたりすることにより、テラヘルツ波を放射する電磁波放射体2が製造される。
【0018】
燃費改善用シール1によって燃費改善効果が得られる熱機関としては、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関が挙げられる。燃費改善用シール1は、台紙4から剥がされた後、熱機関又は熱機関の周辺部品に貼り付けられて用いられる。
【0019】
燃費改善用シール1を用いて自動車エンジンの燃費を改善する場合、燃費改善用シール1は、例えばフューエルライン(燃料ライン)、バッテリー、イグニッションコイル、エアーインレットホース、エアコンフレキシブルホース、あるいはラジエターアッパータンクなどに設けられる。図3には、フューエルタンクからインジェクターに燃料を供給するフューエルラインに燃費改善用シール1が貼り付けられた例が示されている。具体的に図2に示す燃費改善用シール1は、ゴム製のフューエルホース6に巻きつけられた状態で貼り付けられており、燃費改善用シール1はフューエルラインにおいてインジェクションノズルの近傍に位置している。
【0020】
上述したように燃費改善用シール1が熱機関又はその周辺部品に設けられることで、熱機関の燃費が改善される。これは、燃費改善用シール1から照射されるテラヘルツ波によって燃料などの分子に微弱振動が与えられ、結果的に揮発性や燃料混合適正に寄与し、爆発力が向上するためと考えられる。
【0021】
なお、燃費改善用シール1は、フューエルライン、バッテリー、イグニッションコイル、エアーインレットホース、エアコンフレキシブルホース、及びラジエターアッパータンクの中から選択された一つにだけ設けられてもよいし、フューエルライン、バッテリー、イグニッションコイル、エアーインレットホース、エアコンフレキシブルホース、及びラジエターアッパータンクの中から選択された複数箇所に設けられてもよい。また、燃費改善用シール1は、ボイラーなどを備えた外燃機関の燃費を改善する効果もあるため、外燃機関又はその周辺部品に貼り付けられてもよい。
【0022】
また、燃費改善用シール1は、取付対象物の形状に沿って形が変形できるような材質と厚みを有すればよく、形状や材質は前記実施形態のシールに限定されない。また、この他、本実施形態の燃費改善用シール1は、適宜設計変更可能である。
【0023】
次に燃費改善用シール1の燃費改善効果を試験結果に基づいて説明する。
【0024】
燃費改善用シール1を試験用自動車に装置する前と装着した後に、アイドリング排出ガス試験を実施した。ガラスクロスと、ガラスクロスの一面に貼り付けられたアルミニウム箔とで構成された燃費改善用シール1とを用いた。燃費改善用シール1の装着箇所は、試験用自動車のフューエルパイプ、イグニッションコイル、エアコンフレキシブルホース(高圧側と低圧側)、エアーインレットダクト、バッテリー本体、およびラジエターアッパータンクである。
【0025】
試験用自動車の仕様、試験に使用した計測機器を以下の表1及び表2に示し、試験結果を表3に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
表3に示すように、燃費改善用シール1装着後の炭化水素の排出量は、燃費改善用シール1装着前の炭化水素の排出量よりも少なくなっている。このことから、本実施例の燃費改善用シール1により、燃料の不完全燃焼が生じ難くなり、燃費が向上することがわかる。
【0030】
また、この他、普通自動車や、ハイブリッド車、ディーゼルエンジンを備えた重機、ボイラーを備えた外燃機関などにおいても、燃費改善用シール1を装着して試験を行ったが、いずれにおいても炭化水素の発生量が抑制されて燃費改善の効果が得られ、また、トルクやパワーの向上、燃焼音の減少などの効果が得られた。
【0031】
前記実施形態の燃費改善用シール1は、以下に示す第1の構成を有している。テラヘルツ波を放射する電磁波放射体2を備えている。
【0032】
この第1の構成を有する燃費改善用シール1は、熱機関又は熱機関の周辺部品に貼り付けられ、これにより燃費改善用シール1から放射されたテラヘルツ波の効果により燃費が改善される。また、燃費改善用シール1は、熱機関又は熱機関の周辺部品に貼り付けるだけで、容易に施工できる。
【0033】
また、前記実施形態の燃費改善用シール1は、以下に示す第2の構成を有している。この燃費改善用シール1は、第1の構成を有する燃費改善用シール1において以下に示す付加的な構成を有する。燃費改善用シール1は、内燃機関のフューエルラインに貼り付けて用いられる。
【0034】
この第2の構成を有する燃費改善用シール1は、燃費改善用シール1からフューエルライン内の燃料に対して照射されたテラヘルツ波の効果により燃費が改善される。
【0035】
また、前記実施形態の燃費改善用シール1は、以下に示す第3の構成を有している。この燃費改善用シール1は、第1又は第2の構成を有する燃費改善用シール1において以下に示す付加的な構成を有する。電磁波放射体2は、ガラスクロスと、ガラスクロスに貼り付けられたアルミニウム箔とを備えている。
【0036】
この第3の構成を有する燃費改善用シール1は、難燃性が優れており、エンジンルームなどの高温になりやすい箇所にも貼り付けることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 燃費改善用シール
2 電磁波放射体
図1
図2
図3